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ページ「救世主イエス・キリスト」と「イエス・キリスト」の間の差分

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[[Image:Christ Hagia Sofia.jpg|thumb|220px|right|イエス・キリスト像。[[12世紀]]に制作された、[[アヤソフィア|アギア・ソフィア大聖堂]]の[[モザイク]][[イコン]]([[イスタンブル|イスタンブール]])。左手に[[聖書]]を持ち、右手は指の形が{{lang|el|Ιησούς Χριστός}}(イイスス・フリストス<ref>現代ギリシャでも用いられる語であるため、現代ギリシャ語から転写した。古典再建音では「イエースース・クリストース」となる。また、「フリストス」は転写によっては「ハリストス」となり、これは教会用語としては[[日本正教会]]での標準的表記であるが、教派上の中立性を確保するために一般的な現代ギリシャ語転写に本項では則った。他の[[正教会]]関連記事では「ハリストス」との転写を用いている。</ref>)の頭文字である「ΙΣΧΣ」を象るように整えられ(伸ばした人差し指:Ι、曲げた中指と小指が:Σ、親指と薬指の交差がΧ)、見る者を祝福する形に挙げられた姿で描かれている。]]
{{Sakujo/本体|2011年2月4日|イエス・キリスト}}
この'''救世主イエス・キリスト'''(きゅうせいしゅイエス・キリスト)の記事では、伝統的に主流派の[[キリスト教]]の信仰の対象としての[[イエス・キリスト]]がどのように信じられ、描写されてきたかを示す。これらの伝承の中には今日では、[[キリスト教]]の[[教会]]以外では歴史的事実と反すると考えられるものも少なくないが、本記事ではそうした論点は扱わない。教会における伝承以外の歴史的研究については[[ナザレのイエス]]を参照。
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{{Copyrights}}
{{工事中}}
{{複数の問題
| 出典の明記 = 2008-5
| 観点 = 2011-1
| 独自研究 = 2011-1
| 正確性 = 2011-1
}}
{{otheruseslist|キリスト教の観点からみたイエス・キリスト|歴史的な人物としてのイエスの経歴|ナザレのイエス|[[イスラーム]]の預言者としてのイエス|イスラームにおけるイーサー}}
[[ファイル:Christus Ravenna Mosaic.jpg|thumb|175px|right| [[6世紀]] 頃の[[モザイク]]([[ラヴェンナ]]・[[サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂|聖アポッリナーレ聖堂]])]]
{{Jesus}}
'''イエス・キリスト'''([[紀元前4年]]頃 - [[28年|紀元後28年]]頃、{{lang-el|Ίησοῦς Χριστός}}<ref>[[古典ギリシャ語]]再建例:イエースース・クリストース、[[現代ギリシャ語]]転写例:イイスス・フリストース</ref>、{{lang-he|Yhoshuah ha-Mashiah}})は、[[ギリシア語]]で「[[キリスト]]であるイエス」、または「イエスはキリストである」という意味である。すなわち、[[キリスト教]]においては[[ナザレのイエス]]をイエス・キリストと呼んでいるが、この呼称自体にイエスがキリストであるとの信仰内容が示されている<ref name="san47xz">X. レオン・デュフール(編集委員長)Z. イェール(翻訳監修者)、(1987年10月20日)『聖書思想事典』47頁 - 56頁、[[三省堂]] ISBN 4385153507</ref>。

本項では、ナザレのイエスについての[[キリスト教]]における観点について述べる。


[[日本ハリストス正教会|日本正教会]]では中世以降の[[ギリシャ語]]と[[古代教会スラヴ語|教会スラヴ語]]に由来する転写により「'''イイスス・ハリストス'''」と呼ばれる。かつては[[カトリック教会]]ではイエスは「'''イエズス'''」と表記されていたが、現在ではあまり用いられない。
[[日本ハリストス正教会|日本正教会]]では中世以降の[[ギリシャ語]]と[[古代教会スラヴ語|教会スラヴ語]]に由来する転写により「'''イイスス・ハリストス'''」と呼ばれる。かつては[[カトリック教会]]ではイエスは「'''イエズス'''」と表記されていたが、現在ではあまり用いられない。


{{See also|日本ハリストス正教会#「ハリストス」}}
{{See also|日本ハリストス正教会#「ハリストス」}}

== 概要 ==
[[キリスト教]]の多くの[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]([[正教会]]、[[東方諸教会]]、[[カトリック教会]]、[[聖公会]]、[[プロテスタント]])において、[[三位一体]]([[至聖三者]])の教義の元に、[[神の子]]である救い主として<ref name="san47xz" /><ref name="TSY236">[http://www.slavdict.narod.ru/_0236.htm {{lang|sla|Іисусъ}}], [http://www.slavdict.narod.ru/_0236.htm {{lang|sla|Іисусъ Христосъ}}] - [http://www.slavdict.narod.ru/ {{lang|sla|Полный церковнославянский словарь}}](『[[教会スラヴ語]]大辞典』)内のページ(画像ファイル)</ref>(一部の教派では、[[単性論]]と通称される、神としての属性のみを強調する立場で)信仰の対象となっている。イエスの言行を記した[[福音書]]を含む『[[聖書]]』は世界で最も翻訳言語数が多い歴史的ベストセラーであり、音楽・絵画・思想・哲学・世界史などに測り知れない影響を与えた。

== 語義と指示内容 ==
=== イエス ===
イエスは、「'''イエースース'''({{lang|el|Ίησοῦς, Iēsūs}}、[[古典ギリシア語]][[再建]]音)」の慣用的日本語表記である。元の語は、[[アラム語]]のイェーシューア({{lang|arc|ישוע, Yeshua}})=[[ヘブライ語]]のヨシュア(イェホーシューア、{{lang|he|יְהוֹשֻׁעַ, Yehoshua}})で、「[[ヤハウェ]]<!--「エホヴァ」という名称は、この場合、認められない。これは語源の問題であって、神の呼び名の問題ではない。つまり「神の名」としては、エホヴァあるいはエホバと呼ぶ宗派が存在するが、ヘブライ語の語源としては無意味である。-->の救い」「ヤハウェは救い」「救う者」を意味する<ref name="TSY236" /><ref>[http://www.newadvent.org/cathen/08374x.htm Origin of the Name of Jesus Christ] - [http://www.newadvent.org/cathen/ The Catholic Encyclopedia] (『[[カトリック百科事典]]』)内のページ</ref>。

これらのギリシア語表記の語尾は[[主格]]形であり、[[格変化]]すると異なる語尾に変化する。日本語の慣例表記「イエス」は、古典ギリシア語再建音から、日本語にない固有名詞の[[格変化]]語尾を省き、名詞幹のみとしたものである。

中世以降から現代までのギリシャ語からは「'''イイスス'''」と転写し得る。[[日本正教会]]がもちいる「'''イイスス'''(Iisus)」は、{{lang|el|Ίησοῦς}} の中世ギリシア語・現代ギリシャ語に由来する転写(中世・現代のギリシャ語では"{{lang|el|η}}"は"{{lang|el|ι}}"と同じとなり「イ」と読む)である。かつての日本の[[カトリック教会]]では[[ロマンス語]]の発音から'''イエズス'''という語を用いていたが、現在では[[エキュメニズム]]の流れに沿ってイエスに統一されている<ref>これは、[[プロテスタント]]を初めとする他[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]と共同で[[翻訳]]した[[聖書]]「[[共同訳]]」にイエススを用いたところ内外からの批判により後続版である「新共同訳」がイエス(一部はメシア)に統一されたのに由来する。</ref>。

英語表記ではイエスは「'''ジーザス'''({{lang|en|Jesus}})」となり、『[[ジーザス・クライスト・スーパースター]]』などに現れるが、日本語表記としては一般的とはいえない。[[アラビア語]]からは「'''イーサー'''」と転写し得る。

=== キリスト ===
{{see_also|キリスト}}
キリストとは、[[旧約聖書]]の各預言者によって登場を預言されていた救世主という意味であり、古典ギリシア語「クリストス({{lang|el|Χριστός, Khristos}})」の慣用的日本語表記である。元々はヘブライ語「[[メシア]](マーシアハ、{{lang|he|מָׁשִיַח, Māšîªḥ}})」であり、「香油を注がれた者」を意味する。日本正教会では現代ギリシア語および[[教会スラヴ語]]から、「[[日本ハリストス正教会#「ハリストス」|ハリストス]]」と転写する。

=== イエス・キリスト ===
[[Image:Christ Hagia Sofia.jpg|thumb|220px|right|イエス・キリスト像(『[[全能者ハリストス]]』)。[[12世紀]]に制作された、[[アヤソフィア|アギア・ソフィア大聖堂]]の[[モザイク]][[イコン]]([[イスタンブル|イスタンブール]])。左手に[[聖書]]を持ち、右手は指の形が{{lang|el|Ιησούς Χριστός}}(イイスス・フリストス<ref>現代ギリシャでも用いられる語であるため、現代ギリシャ語から転写した。古典再建音では「イエースース・クリストース」となる。また、「フリストス」は転写によっては「ハリストス」となり、これは教会用語としては[[日本正教会]]での標準的表記であるが、教派上の中立性を確保するために一般的な現代ギリシャ語転写に本項では則った。他の[[正教会]]関連記事では「ハリストス」との転写を用いている。</ref>)の頭文字である「ΙΣΧΣ」を象るように整えられ(伸ばした人差し指:Ι、曲げた中指と小指が:Σ、親指と薬指の交差がΧ)、見る者を祝福する形に挙げられた姿で描かれている。]]
「キリスト」は姓ではなく称号である<ref name="RCEJC">[http://www.newadvent.org/cathen/08374x.htm Origin of the Name of Jesus Christ] - [http://www.newadvent.org/cathen/ The Catholic Encyclopedia] (『[[カトリック百科事典]]』)内のページ</ref>。

「イエス・キリスト」はギリシャ語で[[主格]]を並べた同格表現であって「キリストであるイエス」「イエスはキリストである」の意味である。すなわち「イエス・キリスト」と述べた時点で「イエスはキリストである」と認める事を意味し、自らがキリスト教徒であると告白するという事をも意味する。

日本では非キリスト教徒であっても[[イエス・キリスト]]と呼ぶのが通例であるが、非キリスト教徒がナザレのイエスを指して「イエス・キリスト」と呼ぶのは、信仰告白である元来の語義からみれば適切ではない。


== イエス伝 ==
== イエス伝 ==
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=== 降誕と幼少時代 ===
=== 降誕と幼少時代 ===
{{Jesus}}
[[ナザレのヨセフ|ヨセフ]]の婚約者であった[[イエスの母マリア|マリア]]は結婚前に聖霊により身ごもった。
[[ナザレのヨセフ|ヨセフ]]の婚約者であった[[イエスの母マリア|マリア]]は結婚前に聖霊により身ごもった。
天使の御告(大天使ガブリエル)によりヨセフはマリアを妻に迎え男の子が生まれ、その子をイエスと名づけた。キリスト教ではこの日を記念し[[クリスマス]]として祝う。伝統的にクリスマスはイエスの誕生日と信じられてきたが、現在では[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]により見解が分かれる。
天使の御告によりヨセフはマリアを妻に迎え男の子が生まれ、その子をイエスと名づけた。キリスト教ではこの日を記念し[[クリスマス]]として祝う。伝統的にクリスマスはイエスの誕生日と信じられてきたが、現在では[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]により見解が分かれる。


* [[受胎告知]]([[生神女福音祭|生神女福音]])
* [[受胎告知]]([[生神女福音祭|生神女福音]])
22行目: 61行目:
* [[東方の三博士|三博士の礼拝]]
* [[東方の三博士|三博士の礼拝]]
* [[神殿奉献]](イエスを捧げる)
* [[神殿奉献]](イエスを捧げる)
* [[ヘロデ王]]による[[幼児虐殺]]
* [[ヘロデ王]]による[[幼児虐殺]]
* エジプトへの逃避
* エジプトへの逃避


34行目: 73行目:
* [[イエスの洗礼]]
* [[イエスの洗礼]]


そののち、[[御霊 (キリスト教)|御霊]]によって荒れ野に送り出され、そこで四十日間断食し、[[悪魔]]の誘惑を受けた。
そののち、[[御霊]]によって荒れ野に送り出され、そこで四十日間断食し、[[悪魔]]の誘惑を受けた。
* [[荒野の誘惑]]
* [[荒野の誘惑]]


=== 宣教活動 ===
=== 宣教活動 ===
荒野での試練の後イエスは[[ガリラヤ]]で宣教を開始する(公生涯)また弟子になった者の中から12人の弟子を選び、彼らに特権を与えた。[[十二使徒]]と呼ばれる。
荒野での試練の後イエスは[[ガリラヤ]]で宣教を開始する([[公生涯]])また弟子になった者の中から12人の弟子を選び、彼らに特権を与えた。[[十二使徒]]と呼ばれる。


* [[山上の垂訓]]
* [[山上の垂訓]]
44行目: 83行目:
* [[主イエスの変容]]
* [[主イエスの変容]]
* [[エルサレム]]入城
* [[エルサレム]]入城
* [[オリーブ山の説教]]


=== 受難、死、復活 ===
=== 受難、死、復活 ===
[[画像:Ночь на Голгофе.jpg|thumb|right|230px|『[[ゴルゴタの丘|ゴルゴファ]]の夕べ』ヴァシリイ・ペトロヴィチ・ヴェレシャギン([[1835年|1835]] — [[1909年|1909]]、{{lang|ru|Василий Петрович Верещагин}}、ロシアの画家:帝立美術アカデミー教授)による([[1869年]])、[[ハリストス]](キリスト)の埋葬準備の光景]]
[[画像:Ночь на Голгофе.jpg|thumb|right|230px|『[[ゴルゴタの丘|ゴルゴファ(ゴルゴタの丘)]]の夕べ』[[ヴァシ・ヴェレシギン]]による([[1869年]])、[[ハリストス]](キリスト)の埋葬準備の光景]]
[[Image:Chora Anastasis1.jpg|thumb|330px|[[フレスコ画]][[イコン]]『主の復活』([[カーリエ博物館]]蔵)。[[キリスト]](ハリストス)が[[アダム]]と[[イヴ]]の手を取り、地獄から引き上げる情景。旧約の時代の人々にまで遡って[[復活]]の生命が主・神であるハリストスによって人類に与えられたという「黄泉降り」と呼ばれる[[正教会]]の伝承による。]]
[[File:Chora Anastasis2.jpg|thumb|330px|[[フレスコ画]][[イコン]]『[[復活 (キリスト教)|主の復活]]』([[カーリエ博物館]]蔵)。[[キリスト]](ハリストス)が[[アダム]]と[[イヴ]]の手を取り、地獄から引き上げる情景。旧約の時代の人々にまで遡って[[復活 (キリスト教)|復活]]の生命が主・神であるハリストスによって人類に与えられたという「黄泉降り」と呼ばれる[[正教会]]の伝承による。]]
* [[最後の晩餐]]
* [[最後の晩餐]]
* [[ゲツセマネの祈り]]
* [[キリストの捕縛]]
* [[キリストの捕縛]]
* [[キリストの裁判]]
* [[ヴィア・ドロローサ]]
自らを[[ユダヤ人]]の王であると名乗り、また「神の子」あるいは[[メシア]]であると自称した罪(イエスを妬んだユダヤ教の司祭達による冤罪だといわれる)により、ユダヤの裁判にかけられた後、ローマ政府に引き渡され磔刑(はりつけ)に処せられた。
自らを[[ユダヤ人]]の王であると名乗り、また「神の子」あるいは[[メシア]]であると自称した罪(イエスを妬んだユダヤ教の司祭達による冤罪だといわれる)により、ユダヤの裁判にかけられた後、ローマ政府に引き渡され磔刑(はりつけ)に処せられた。


その後、[[十字架]]からおろされ墓に埋葬されたが、3日後に復活し、大勢の弟子たちの前に現れたとされる。肉体をもった者として復活したと聖書の各所に明記されている。
その後、[[十字架]]からおろされ墓に埋葬されたが、3日後に[[復活 (キリスト教)|復活]]し、大勢の弟子たちの前に現れた。肉体をもった者として復活したと聖書の各所に明記されている。この方こそ、神が肉体をもってこの世に現れた真実の救い主である。


* [[キリストの墓]]
* [[キリストの磔刑|磔刑(十字架刑)]]
* [[キリストの磔刑|磔刑(十字架刑)]]
* [[復活]]
* [[キリストの墓]]
* [[復活 (キリスト教)]]


キリストの復活は、クリスマスと並ぶ重要な出来事として<!---今も世界中で--->祝われている。むしろ[[正教会]]では「クリスマスと並ぶ復活祭」というよりは、[[復活大祭]]が規模の面でも内容の面でも最大の祭である。
キリストの復活は、クリスマスと並ぶ重要な出来事として<!---今も世界中で--->祝われている。むしろ[[正教会]]では「クリスマスと並ぶ復活祭」というよりは、[[復活大祭]]が規模の面でも内容の面でも最大の祭である。
* [[復活祭|復活祭(イースター)]]
* [[復活祭|復活祭(イースター)]]

== 脚注 ==
{{reflist}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commons|ישוע}}
{{Wikiquote|イエス}}
* [[ヘレニズム]] - [[地中海世界]] - [[ローマ帝国]]
* [[世界宗教]] - [[預言者]] - [[救世主]] - [[メシア]]
* [[キリスト教]] - [[原始キリスト教]]
* [[史的イエス]] - [[救世主イエス・キリスト]] - [[新約聖書とイエスの歴史的受容|イエスの歴史的受容]]
* [[新約聖書]] - [[福音書]] - [[第1ニカイア公会議|ニカイア公会議]] - [[三位一体]]
* [[アブラハムの宗教]] - [[ユダヤ教]] - [[イスラム教]] - [[クルアーン]]
* [[仏教]] - [[大乗仏教]] - [[仏陀]] - [[釈迦]]
* [[グノーシス主義]] - [[マニ教]] - [[ゾロアスター教]] - [[ザラスシュトラ]]
* [[シーク教]] - [[バハーイー教]]
* [[INRI]]
* [[西暦]]
* [[イイススの祈り]]
* [[イイススの祈り]]
* [[キリストを描いた映画]]
* [[キリストを描いた映画]]
71行目: 130行目:
* [[ヨハネによる福音書]]
* [[ヨハネによる福音書]]
* [[自印聖像]]
* [[自印聖像]]
* [[全能者ハリストス]]

*[[w:Detailed timeline for Jesus Christ]]
*[[w:Detailed timeline for Jesus Christ]]
*[[w:Historicity of Jesus Christ]]
*[[w:Historicity of Jesus Christ]]
80行目: 139行目:
*[[w:Fictional portrayals of Jesus Christ]]
*[[w:Fictional portrayals of Jesus Christ]]


== 外部リンク ==
==脚注==
*[http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88/ イエス・キリスト - Yahoo!百科事典 ]
<div class="references-small"><references /></div>


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[[category:イエス・キリスト]]
[[Category:イエス・キリスト|*]]
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[[eu:Jesus Nazaretekoa]]
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[[fa:عیسی]]
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[[fiu-vro:Jeesus]]
[[fj:Jisu Karisito]]
[[fo:Jesus]]
[[fr:Jésus de Nazareth]]
[[fur:Jesus]]
[[fy:Jezus Kristus]]
[[ga:Íosa Críost]]
[[gan:耶穌]]
[[gd:Ìosa Chrìosd]]
[[gl:Xesús de Nazareth]]
[[got:𐌹𐌴𐍃𐌿𐍃 𐍇𐍂𐌹𐍃𐍄𐌿𐍃]]
[[ha:Isa Almasihu]]
[[hak:Yâ-sû]]
[[he:ישו]]
[[hi:ईसा मसीह]]
[[hif:Jesus]]
[[hr:Isus]]
[[ht:Jezi]]
[[hu:Jézus]]
[[hy:Հիսուս]]
[[ia:Jesus Christo]]
[[id:Yesus]]
[[ig:Jisọs Kraịst]]
[[ilo:Jesus]]
[[is:Jesús]]
[[it:Gesù]]
[[iu:ᐱᐅᓕᑦᓯᔨ/piulitsiji]]
[[jbo:iesus]]
[[jv:Yesus Kristus]]
[[ka:იესო ქრისტე]]
[[kab:Ɛisa]]
[[kg:Yesu]]
[[kk:Иса Мәсіх]]
[[kl:Jiisusi-Kristus]]
[[kn:ಯೇಸು ಕ್ರಿಸ್ತ]]
[[ko:예수]]
[[ksh:Jesus Christus]]
[[ku:Îsa]]
[[kv:Исус Кристос]]
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[[lmo:Gesü de Nazaret]]
[[lo:ພະເຍຊູ]]
[[lt:Jėzus Kristus]]
[[lv:Jēzus Kristus]]
[[mg:Jesoa]]
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[[mi:Ihu Karaiti]]
[[mk:Исус Христос]]
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[[mn:Есүс Христ]]
[[mr:येशू ख्रिस्त]]
[[ms:Yesus Kristus]]
[[mt:Ġesù]]
[[mwl:Jasus]]
[[my:ခရစ်တော်၊ ယေရှု]]
[[nah:Yeshua Christós]]
[[nds:Jesus Christus]]
[[nds-nl:Jezus Christus]]
[[nl:Jezus (traditioneel-christelijk)]]
[[nn:Jesus]]
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[[nrm:Jésus-Chrît]]
[[nv:Doodaatsaahii (Jíísas)]]
[[ny:Yesu Kristu]]
[[oc:Jèsus]]
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[[ro:Isus din Nazaret]]
[[ru:Иисус Христос]]
[[rw:Yezu Kirisitu]]
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[[scn:Gesù Cristu]]
[[sco:Jesus Christ]]
[[sh:Isus]]
[[si:නාසරෙත් හි යේසුස්]]
[[simple:Jesus]]
[[sk:Ježiš Kristus]]
[[sl:Jezus Kristus]]
[[sm:Iesu Keriso]]
[[so:Ciise]]
[[sq:Jezusi]]
[[sr:Исус]]
[[srn:Jesus Christus]]
[[ss:Bukhristu]]
[[sv:Jesus]]
[[sw:Yesu]]
[[szl:Jezus Kristus]]
[[ta:இயேசு கிறித்து]]
[[te:యేసు]]
[[tg:Исо]]
[[th:พระเยซู]]
[[tk:Isa Pygamber]]
[[tl:Hesus]]
[[to:Sīsū Kalaisi]]
[[tpi:Jisas]]
[[tr:İsa]]
[[tt:Ğaysa]]
[[tum:Yesu Khristu]]
[[tw:Yesu Kristo]]
[[ty:Iesu Mesia]]
[[ug:ئەيسا مەسىھ]]
[[uk:Ісус Христос]]
[[ur:عیسیٰ علیہ السلام]]
[[uz:Iso Masih]]
[[vec:Gesù]]
[[vi:Giê-su]]
[[vls:Jezus van Nazareth]]
[[war:Hesus]]
[[wo:Yéesu-kristaa]]
[[wuu:耶稣]]
[[xh:UYesu Kristu]]
[[yi:יעזוס]]
[[yo:Jésù]]
[[zh:耶稣]]
[[zh-min-nan:Iâ-so͘]]
[[zh-yue:耶穌]]

2011年2月4日 (金) 02:01時点における版

6世紀 頃のモザイクラヴェンナ聖アポッリナーレ聖堂

イエス・キリスト紀元前4年頃 - 紀元後28年頃、ギリシア語: Ίησοῦς Χριστός[1]ヘブライ語: Yhoshuah ha-Mashiah‎)は、ギリシア語で「キリストであるイエス」、または「イエスはキリストである」という意味である。すなわち、キリスト教においてはナザレのイエスをイエス・キリストと呼んでいるが、この呼称自体にイエスがキリストであるとの信仰内容が示されている[2]

本項では、ナザレのイエスについてのキリスト教における観点について述べる。

日本正教会では中世以降のギリシャ語教会スラヴ語に由来する転写により「イイスス・ハリストス」と呼ばれる。かつてはカトリック教会ではイエスは「イエズス」と表記されていたが、現在ではあまり用いられない。

概要

キリスト教の多くの教派正教会東方諸教会カトリック教会聖公会プロテスタント)において、三位一体至聖三者)の教義の元に、神の子である救い主として[2][3](一部の教派では、単性論と通称される、神としての属性のみを強調する立場で)信仰の対象となっている。イエスの言行を記した福音書を含む『聖書』は世界で最も翻訳言語数が多い歴史的ベストセラーであり、音楽・絵画・思想・哲学・世界史などに測り知れない影響を与えた。

語義と指示内容

イエス

イエスは、「イエースースΊησοῦς, Iēsūs古典ギリシア語再建音)」の慣用的日本語表記である。元の語は、アラム語のイェーシューア(ישוע, Yeshua)=ヘブライ語のヨシュア(イェホーシューア、יְהוֹשֻׁעַ, Yehoshua)で、「ヤハウェの救い」「ヤハウェは救い」「救う者」を意味する[3][4]

これらのギリシア語表記の語尾は主格形であり、格変化すると異なる語尾に変化する。日本語の慣例表記「イエス」は、古典ギリシア語再建音から、日本語にない固有名詞の格変化語尾を省き、名詞幹のみとしたものである。

中世以降から現代までのギリシャ語からは「イイスス」と転写し得る。日本正教会がもちいる「イイスス(Iisus)」は、Ίησοῦς の中世ギリシア語・現代ギリシャ語に由来する転写(中世・現代のギリシャ語では"η"は"ι"と同じとなり「イ」と読む)である。かつての日本のカトリック教会ではロマンス語の発音からイエズスという語を用いていたが、現在ではエキュメニズムの流れに沿ってイエスに統一されている[5]

英語表記ではイエスは「ジーザスJesus)」となり、『ジーザス・クライスト・スーパースター』などに現れるが、日本語表記としては一般的とはいえない。アラビア語からは「イーサー」と転写し得る。

キリスト

キリストとは、旧約聖書の各預言者によって登場を預言されていた救世主という意味であり、古典ギリシア語「クリストス(Χριστός, Khristos)」の慣用的日本語表記である。元々はヘブライ語「メシア(マーシアハ、מָׁשִיַח, Māšîªḥ)」であり、「香油を注がれた者」を意味する。日本正教会では現代ギリシア語および教会スラヴ語から、「ハリストス」と転写する。

イエス・キリスト

イエス・キリスト像(『全能者ハリストス』)。12世紀に制作された、アギア・ソフィア大聖堂モザイクイコンイスタンブール)。左手に聖書を持ち、右手は指の形がΙησούς Χριστός(イイスス・フリストス[6])の頭文字である「ΙΣΧΣ」を象るように整えられ(伸ばした人差し指:Ι、曲げた中指と小指が:Σ、親指と薬指の交差がΧ)、見る者を祝福する形に挙げられた姿で描かれている。

「キリスト」は姓ではなく称号である[7]

「イエス・キリスト」はギリシャ語で主格を並べた同格表現であって「キリストであるイエス」「イエスはキリストである」の意味である。すなわち「イエス・キリスト」と述べた時点で「イエスはキリストである」と認める事を意味し、自らがキリスト教徒であると告白するという事をも意味する。

日本では非キリスト教徒であってもイエス・キリストと呼ぶのが通例であるが、非キリスト教徒がナザレのイエスを指して「イエス・キリスト」と呼ぶのは、信仰告白である元来の語義からみれば適切ではない。

イエス伝

各エピソードの詳細は、それぞれの項目を参照。

旧約聖書

降誕と幼少時代

ヨセフの婚約者であったマリアは結婚前に聖霊により身ごもった。 天使の御告によりヨセフはマリアを妻に迎え男の子が生まれ、その子をイエスと名づけた。キリスト教ではこの日を記念しクリスマスとして祝う。伝統的にクリスマスはイエスの誕生日と信じられてきたが、現在では教派により見解が分かれる。

イエスはガリラヤ地方のナザレで育つ。ルカの福音書によれば、大変聡明な子であったという。

受洗、荒野の誘惑

『曠野のイイスス・ハリストス
(画:イワン・クラムスコイ

その頃、洗礼者ヨハネヨルダン川のほとりで「悔い改め」を説き、そのしるしとして洗礼を施していた。イエスはそこに赴き、ヨハネから洗礼を受ける。

そののち、御霊によって荒れ野に送り出され、そこで四十日間断食し、悪魔の誘惑を受けた。

宣教活動

荒野での試練の後イエスはガリラヤで宣教を開始する(公生涯)また弟子になった者の中から12人の弟子を選び、彼らに特権を与えた。十二使徒と呼ばれる。

受難、死、復活

ゴルゴファ(ゴルゴタの丘)の夕べ』ヴァシーリー・ヴェレシチャーギンによる(1869年)、ハリストス(キリスト)の埋葬準備の光景
フレスコ画イコン主の復活』(カーリエ博物館蔵)。キリスト(ハリストス)がアダムイヴの手を取り、地獄から引き上げる情景。旧約の時代の人々にまで遡って復活の生命が主・神であるハリストスによって人類に与えられたという「黄泉降り」と呼ばれる正教会の伝承による。

自らをユダヤ人の王であると名乗り、また「神の子」あるいはメシアであると自称した罪(イエスを妬んだユダヤ教の司祭達による冤罪だといわれる)により、ユダヤの裁判にかけられた後、ローマ政府に引き渡され磔刑(はりつけ)に処せられた。

その後、十字架からおろされ墓に埋葬されたが、3日後に復活し、大勢の弟子たちの前に現れた。肉体をもった者として復活したと聖書の各所に明記されている。この方こそ、神が肉体をもってこの世に現れた真実の救い主である。

キリストの復活は、クリスマスと並ぶ重要な出来事として祝われている。むしろ正教会では「クリスマスと並ぶ復活祭」というよりは、復活大祭が規模の面でも内容の面でも最大の祭である。

脚注

  1. ^ 古典ギリシャ語再建例:イエースース・クリストース、現代ギリシャ語転写例:イイスス・フリストース
  2. ^ a b X. レオン・デュフール(編集委員長)Z. イェール(翻訳監修者)、(1987年10月20日)『聖書思想事典』47頁 - 56頁、三省堂 ISBN 4385153507
  3. ^ a b Іисусъ, Іисусъ Христосъ - Полный церковнославянский словарь(『教会スラヴ語大辞典』)内のページ(画像ファイル)
  4. ^ Origin of the Name of Jesus Christ - The Catholic Encyclopedia (『カトリック百科事典』)内のページ
  5. ^ これは、プロテスタントを初めとする他教派と共同で翻訳した聖書共同訳」にイエススを用いたところ内外からの批判により後続版である「新共同訳」がイエス(一部はメシア)に統一されたのに由来する。
  6. ^ 現代ギリシャでも用いられる語であるため、現代ギリシャ語から転写した。古典再建音では「イエースース・クリストース」となる。また、「フリストス」は転写によっては「ハリストス」となり、これは教会用語としては日本正教会での標準的表記であるが、教派上の中立性を確保するために一般的な現代ギリシャ語転写に本項では則った。他の正教会関連記事では「ハリストス」との転写を用いている。
  7. ^ Origin of the Name of Jesus Christ - The Catholic Encyclopedia (『カトリック百科事典』)内のページ

関連項目

外部リンク

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