「共同親権」の版間の差分
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'''共同親権'''(きょうどうしんけん)とは、父母が共同し合意に基づいて子に対し親権を行うことを言う。<ref>[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=70206&hanreiKbn=01 最高裁判所第二小法廷昭和42年09月29日判決昭和41(オ)1225号]「未成年の子の財産の管理その他の処分行為については、民法八二四条、八二五条の規定により父母が共同して親権を行使すべきであり、これに違反して、共同親権者の名義を用いないで、また、父もしくは母が親権者として単独で、未成年の子の財産に関してなした行為は無効であると解すべきである。(中略)本件株券の処分行為について、原判決は、上告人A3(父)がこれをしたことを判示するのみであつて、その処分行為について、同上告人と母たるGと共同して親権を行使したことはもちろん、右Gが同上告人に対しその処分の権限を付与することに承諾を与えたことについてはなんら判示することがない。果してしからば、原判決は、実体法の解釈、適用をあやまつた結果、審理不尽の違法をおかしたものというべく、この点に関する論旨は理由がある。」このように、共同親権では父母双方がそれぞれ親権を持つのではなく、父母が合意に基づき一個の親権を共同して行使するものである。</ref><ref>{{Cite book|和書|author=我妻栄|year=1992|title=民法3親族法相続法(第4版)|publisher=一粒社|isbn=4-7527-0223-1}}p186「60親権の共同行使(ア)親権は、父母の婚姻中は原則として父母が共同して行う。身分上の行為についても財産上の行為についても同様である。父母の意見が一致しなければ、子を代理し、または子に同意を与えることはできない。」</ref>日本においては、婚姻中においてのみ、民法第818条第3項<ref>民法第818条第3項<br>親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。</ref>により、父母の共同親権が定められている。<br /> |
'''共同親権'''(きょうどうしんけん)とは、父母が共同し合意に基づいて子に対し親権を行うことを言う。<ref>[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=70206&hanreiKbn=01 最高裁判所第二小法廷昭和42年09月29日判決昭和41(オ)1225号]「未成年の子の財産の管理その他の処分行為については、民法八二四条、八二五条の規定により父母が共同して親権を行使すべきであり、これに違反して、共同親権者の名義を用いないで、また、父もしくは母が親権者として単独で、未成年の子の財産に関してなした行為は無効であると解すべきである。(中略)本件株券の処分行為について、原判決は、上告人A3(父)がこれをしたことを判示するのみであつて、その処分行為について、同上告人と母たるGと共同して親権を行使したことはもちろん、右Gが同上告人に対しその処分の権限を付与することに承諾を与えたことについてはなんら判示することがない。果してしからば、原判決は、実体法の解釈、適用をあやまつた結果、審理不尽の違法をおかしたものというべく、この点に関する論旨は理由がある。」このように、共同親権では父母双方がそれぞれ親権を持つのではなく、父母が合意に基づき一個の親権を共同して行使するものである。</ref><ref>{{Cite book|和書|author=我妻栄|year=1992|title=民法3親族法相続法(第4版)|publisher=一粒社|isbn=4-7527-0223-1}}p186「60親権の共同行使(ア)親権は、父母の婚姻中は原則として父母が共同して行う。身分上の行為についても財産上の行為についても同様である。父母の意見が一致しなければ、子を代理し、または子に同意を与えることはできない。」</ref>日本においては、婚姻中においてのみ、民法第818条第3項<ref>民法第818条第3項<br>親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。</ref>により、父母の共同親権が定められている。<br /> |
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夫婦が離婚した場合にはこの共同親権を、単独親権にしなければならないため、婚姻中から子どもを奪い合う紛争となることが、近年大きな問題になっている。<br /> |
夫婦が離婚した場合にはこの共同親権を、単独親権にしなければならないため、婚姻中から子どもを奪い合う紛争となることが、近年大きな問題になっている。<br /> |
2011年2月11日 (金) 14:01時点における版
この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。 (2011年1月) |
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共同親権(きょうどうしんけん)とは、父母が共同し合意に基づいて子に対し親権を行うことを言う。[1][2]日本においては、婚姻中においてのみ、民法第818条第3項[3]により、父母の共同親権が定められている。
夫婦が離婚した場合にはこの共同親権を、単独親権にしなければならないため、婚姻中から子どもを奪い合う紛争となることが、近年大きな問題になっている。
離婚後の単独親権の問題を解決するひとつの可能性として、先進諸外国がすでに導入している離婚後も共同で親権を持つ「離婚後共同親権制度」がある。
一般的に、「共同親権」という用語を使う場合、「婚姻中の共同親権」のことではなく、「離婚後の共同親権」のことを指すことが多いが、離婚後の共同親権の可能性については、離婚後共同親権を参照。
概要
共同親権とは、父母が共同し合意に基づいて子に対し親権を行うことを言う。
婚姻中における共同親権の規定は民法第818条にある。
民法第818条第3項
親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。
ここで言う親権とは、民法第四章第二節『親権の効力』が規定され、下記の5項目が対象となる。
- 第820条・監護及び教育の権利義務
- 第821条・居所の指定
- 第822条・懲戒
- 第823条・職業の許可
- 第824条・財産の管理及び代表
婚姻中、共同で親権が行使できないケースとは、片方の親が成年被後見人や親権喪失者などである場合や、行方不明、心神喪失である場合などがある。[4]
なお、父母の意思が一致しないにもかかわらず、共同の名義で親権を行った場合には、民法第825条により善意の第三者は保護される。
民法第825条
父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
現行の婚姻中の共同親権の問題点
1)婚姻中の連れ去り別居による権利侵害
父母の一方が、もう一方の配偶者の合意なく子どもを連れ去り、強制的に別居してしまうと、子どもと別居せざるを得なくなってしまった親は、婚姻中であっても、民法が規定している共同親権を行使できなくなってしまい、実子に会うことすらままならなくなる現状がある。
2)婚姻中は共同親権、離婚後は単独親権
日本において、親権は、婚姻中は父母が共同して行う、つまり共同親権と規定されているが、離婚後は単独親権となる。
その規定は、民法第819条にある。
第819条
- 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
- 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。
- 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。
- 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。
- 第1項、第3項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
- 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子のw:親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる
婚姻中は共同で親権を持っているのにもかかわらず、夫婦が離婚をすることになると、「どちらか一方にしか親としての権利を認めない」というルールのため、父母のどちらも離婚後の単独親権を望んだ場合は、子どもを取り合う紛争となる。
家庭裁判所において紛争となった場合、「現状としてどちらが監護しているか」が親権者を定める大きな要因となるため、1)連れ去り別居のような事態が起こり、婚姻中にもかかわらず共同での親権行使ができなくなってしまう。
国際結婚において、日本人が海外で婚姻し、もう一方の配偶者の許可なく子どもを自国に連れ去ってしまう問題も諸外国から指摘されている。
離婚後の共同親権の可能性
日本の離婚後の共同親権の可能性については離婚後共同親権を参照。
外国の共同親権
先進国における共同親権のあり方については以下のとおりである。[5]
ドイツ
共同親権のあり方=婚姻中および離婚後も共同親権。
裁判所=家事事件担当部
別居後の共同親権の行使方法=教育・医療など重要事項と両親が定めた事項については協議により決定。
共同親権行使の援助機関=合意形成、面会交流につき政府機関である少年局が援助。
フランス
共同親権のあり方=婚姻中および離婚後も共同親権。
裁判所ー家族事件裁判官
別居後の共同親権の行使方法=裁判所の認可を受けた子の養育および育成の分担の合意書による。
アメリカ
共同親権のあり方=共同監護の形態を制定法で定めている州が47州。
裁判所=家庭裁判所
別居後の共同親権の行使方法=共同監護の場合、裁判所の認可を受けた監護計画(Parenteing plan)による。
共同親権行使の援助機関=監護計画の立案を援助する民間調停機関が多数。ビジテーションセンターなど。
イギリス
共同親権のあり方=婚姻中も離婚後も共同親権。
裁判所=家事手続き裁判所
別居後の共同親権の行使方法=裁判所に提出した子のアレンジ申告書(Statement of Arrangements for Children)による。
共同親権行使の援助機関=CAFCASSが総合的にサポート。子ども面接交渉センターが面会交流のサポート。他に弁護士が設立した支援機関など。
イタリア
共同親権のあり方=共同親権
裁判所=家事事件担当部
別居後の共同親権の行使方法=共同監護が原則
共同親権行使の援助機関=メディエーションを行う民間団体があり。
旧民法における父親の単独親権
旧民法(明治31年法律第9号)においては、婚姻中も父親が単独親権を行うことが定められていた。[6]
第二次世界大戦後の民法改正により、父母の共同親権が定められるようになった。
脚注
- ^ 最高裁判所第二小法廷昭和42年09月29日判決昭和41(オ)1225号「未成年の子の財産の管理その他の処分行為については、民法八二四条、八二五条の規定により父母が共同して親権を行使すべきであり、これに違反して、共同親権者の名義を用いないで、また、父もしくは母が親権者として単独で、未成年の子の財産に関してなした行為は無効であると解すべきである。(中略)本件株券の処分行為について、原判決は、上告人A3(父)がこれをしたことを判示するのみであつて、その処分行為について、同上告人と母たるGと共同して親権を行使したことはもちろん、右Gが同上告人に対しその処分の権限を付与することに承諾を与えたことについてはなんら判示することがない。果してしからば、原判決は、実体法の解釈、適用をあやまつた結果、審理不尽の違法をおかしたものというべく、この点に関する論旨は理由がある。」このように、共同親権では父母双方がそれぞれ親権を持つのではなく、父母が合意に基づき一個の親権を共同して行使するものである。
- ^ 我妻栄『民法3親族法相続法(第4版)』一粒社、1992年。ISBN 4-7527-0223-1。p186「60親権の共同行使(ア)親権は、父母の婚姻中は原則として父母が共同して行う。身分上の行為についても財産上の行為についても同様である。父母の意見が一致しなければ、子を代理し、または子に同意を与えることはできない。」
- ^ 民法第818条第3項
親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。 - ^ >我妻栄『民法3親族法相続法(第4版)』一粒社、1992年。ISBN 4-7527-0223-1。P176
- ^ 財団法人日弁連法務研究財団 離婚後の子どもの親権及び監護に関する比較法的研究会『子どもの福祉と共同親権 別居・離婚に伴う親権・監護法制の比較法研究』日本加除出版、2007年。ISBN 978-4-8178-1340-4。
- ^ 旧民法第八百七十七条
子ハ其家ニ在ル父ノ親権ニ服ス但独立ノ生計ヲ立ツル成年者ハ此限ニ在ラス [1]
関連項目
外部リンク
Yahoo!ニュース - 意識調査 - 「共同親権」に賛成 58%
共同親権導入へ意見交換
親権、相続・・・・「子どもの幸せ」の視点から