「葛山城 (駿河国)」の版間の差分

logo葛山城; （静岡県）
	葛山城址全景
築城主	葛山氏
遺構	曲輪、虎口（含桝形虎口）、竪堀（含放射状竪堀）
指定文化財	裾野市指定史跡
位置	北緯35度12分21.9秒東経138度53分36.4秒 / 北緯35.206083度東経138.893444度
地図	葛山城
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葛山城（かずらやまじょう）は、静岡県裾野市にあった日本の城。裾野市指定史跡^[2]。

概要

駿東地域一帯に勢威を振った葛山氏の城である。平時の城である「葛山館」と菩提寺の仙年寺の裏山にある詰城とも土塁や堀切、曲輪など遺構がよく残っている。

地勢

葛山城跡は、愛鷹山の尾根が東方に伸びた末端にある、海抜270.4メートルの愛宕山頂部に築城されている。^[3]^[4]

構造

主曲輪は、愛宕山の頂部に削平された平場に配置されている。主曲輪より6〜8メートル下段に二ノ曲輪が配され、さらに下段に通路状の三ノ曲輪が全体を取り囲んで配されている。三ノ曲輪の東西には尾根稜部を切断した形で二重空堀切がある。^[4]^[3]。放射状竪堀があるが、武田氏の築城術と推定されている^[1]。

歴史

葛山氏の居城として

葛山氏は、鎌倉期から室町期に、駿河東部の名族として御家人・将軍家奉公衆として活躍し、室町後期から戦国期には守護の今川家の傘下となりながら、葛山城を築城し、国衆として独自の領国運営と領土防衛をしていた。駿河東部に位置する葛山氏の領地は、今川氏・後北条氏・武田氏と接するため、生き残りのため、今川氏・後北条氏両者と関係を結んでいたが、大名間の力関係により、主家を変えることもたびたびあった。武田信玄が、1568年（永禄11年）に駿河に侵攻した際には、敵対していた今川氏を援助する後北条氏に、武田氏側についていた当主葛山氏元は葛山城を奪われた。1571年(元亀2年）に武田氏・後北条氏の和解が成立すると、武田信玄は氏元を処刑し、変わって信玄の六男信貞に、後北条氏から返還された葛山城を継がせた。その後、武田氏の支配下に置かれ続けた葛山城は、1582年（天正10年）に武田氏が滅亡するとともに廃城となった。^[4]

現在

地元の葛山城保存会によって、葛山城跡と居館跡は保存状態が良好に手入れされている。^[3]

もののふの里

もののふの里は、葛山城址及び仙念寺周辺を中心に開催されているイベントである。葛山氏の本拠地である葛山城址と菩提寺の仙念寺を周知するために行われている。

1990年、裾野市商工会、商工会青年部が主催し、景ケ島公園を中心にもののふの里を開催した。イベントでは、鎧武者の行列が仙念寺に向けてパレードを行った。^[5]
1992年、もののふの里フェスティバルとして富岡地区コミセン祭と同時開催された。千福が丘ひかり幼稚園の鼓笛隊や富岡第一小学校のブラスバンドも加わり、総勢450人の武者行列が行われた。^[6]
1994年、もののふの里フェスティバルには、1万人を越す人出があった。^[7]
2020年には、もののふの里「葛山城」まつりとしてイベントが開催されている。

歌

1984年、葛山城址保存会により葛山城への思いを詠った歌「ああ幻の葛山城」が作られた。^[8]

脚注

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^ ^a ^b ^c 三島2007、41頁
^ 「葛山城址(葛山氏墓地を含む)」『市指定文化財』裾野市HP
^ ^a ^b ^c 裾野市史編さん専門委員会『裾野市史第一巻資料編考古』裾野市、1992年。
^ ^a ^b ^c 加藤理文『静岡県の歩ける城70選』静岡新聞社、2016年。
^ 裾野市『広報すその平成2年6月15日号』裾野市、1990年。
^ 裾野市『広報すその平成4年12月15日号』裾野市、1992年。
^ 裾野市『広報すその平成6年12月15日号』裾野市、1994年。
^ 裾野市『広報すその昭和60年2月1日号』裾野市、1985年。

参考文献

三島正之「川中島合戦と城郭（続）:関連城郭から展望する合戦の実像」『中世城郭研究』第21号、中世城郭研究会、2007年、4-63頁、ISSN 0914-3203。

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+'''葛山城'''（かずらやまじょう）は、[[静岡県]][[裾野市]]にあった[[日本の城]]。裾野市指定[[史跡]]<ref>[http://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/4/5/11/3/15749.html 「葛山城址(葛山氏墓地を含む)」『市指定文化財』]裾野市HP</ref>。
 == 概要 ==
-東駿一帯に勢威を振った[[葛山氏]]の城である。
+[[駿東郡|駿東地域]]一帯に勢威を振った[[葛山氏]]の城である。平時の城である「葛山館」と菩提寺の仙年寺の裏山にある詰城とも[[土塁]]や[[堀切]]、[[曲輪]]など[[遺構]]がよく残っている。
-戦国時代、葛山氏は今川氏の有力国人となっていたが、[[葛山氏元]]の際に[[武田信玄]]が駿河に侵攻し、武田氏に味方した。しかし、氏元は北条氏への内通の疑いで殺され、嫌疑で殺され、信玄の六男[[葛山信貞]]が家督を継いだ。
+== 地勢 ==
-平時の城である「葛山館」と菩提寺の仙年寺の裏山にある詰城とも土塁や堀切、曲輪など遺構がよく残っている。
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+主曲輪は、愛宕山の頂部に削平された平場に配置されている。主曲輪より6〜8メートル下段に二ノ曲輪が配され、さらに下段に通路状の三ノ曲輪が全体を取り囲んで配されている。三ノ曲輪の東西には尾根稜部を切断した形で二重空堀切がある。<ref name="shizuokaarukerushiro" /><ref name="susonosisi1" />。放射状竪堀があるが、[[武田氏#戦国時代の武田氏|武田氏]]の築城術と推定されている<ref name="三島2007P41" />。
+== 歴史 ==
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+葛山氏は、鎌倉期から室町期に、駿河東部の名族として御家人・将軍家奉公衆として活躍し、室町後期から戦国期には守護の今川家の傘下となりながら、葛山城を築城し、国衆として独自の領国運営と領土防衛をしていた。駿河東部に位置する葛山氏の領地は、今川氏・後北条氏・武田氏と接するため、生き残りのため、今川氏・後北条氏両者と関係を結んでいたが、大名間の力関係により、主家を変えることもたびたびあった。武田信玄が、1568年（[[永禄11年]]）に駿河に侵攻した際には、敵対していた今川氏を援助する後北条氏に、武田氏側についていた当主葛山氏元は葛山城を奪われた。1571年([[元亀2年]]）に武田氏・後北条氏の和解が成立すると、武田信玄は氏元を処刑し、変わって信玄の六男信貞に、後北条氏から返還された葛山城を継がせた。その後、武田氏の支配下に置かれ続けた葛山城は、1582年（[[天正10年]]）に武田氏が滅亡するとともに廃城となった。<ref name="shizuokaarukerushiro" />
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+== もののふの里 ==
+もののふの里は、葛山城址及び仙念寺周辺を中心に開催されているイベントである。葛山氏の本拠地である葛山城址と菩提寺の仙念寺を周知するために行われている。<br>
+*1990年、裾野市商工会、商工会青年部が主催し、景ケ島公園を中心にもののふの里を開催した。イベントでは、鎧武者の行列が仙念寺に向けてパレードを行った。<ref>{{Cite book|和書 |author=裾野市 |title=広報すその平成2年6月15日号 |year=1990 |publisher=裾野市}}</ref>
+*1992年、もののふの里フェスティバルとして富岡地区コミセン祭と同時開催された。千福が丘ひかり幼稚園の鼓笛隊や富岡第一小学校のブラスバンドも加わり、総勢450人の武者行列が行われた。<ref>{{Cite book|和書 |author=裾野市 |title=広報すその平成4年12月15日号 |year=1992 |publisher=裾野市}}</ref>
+*1994年、もののふの里フェスティバルには、1万人を越す人出があった。<ref>{{Cite book|和書 |author=裾野市 |title=広報すその平成6年12月15日号 |year=1994 |publisher=裾野市}}</ref>
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