「ヤハウェ」の版間の差分
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2005年12月13日 (火) 13:56時点における版
ヤハヴェ (Yahveh(Jehovah)) は、旧約聖書(ユダヤ教、キリスト教の聖典、イスラム教でも重視される)で唯一神を表すヘブライ語יהוהを推定の上音訳したものである。日本語では他にヤハウェ、ヤーウェ、エホバなどの表記が用いられる。だが、一般に使われることはほとんどなく、神に名前などないという説もある。またこの名が出てくる聖書もほとんどなく、日本では文語訳聖書の他に新世界訳聖書にも出てくることが知られている。進んで使っている宗教の一つにエホバの証人がある。
יהוהは旧約聖書のヘブライ語本文中に6,828回出てくる。ヘブライ語動詞הוה(ハーワー、「なる」)の使役形、未完了態と同じ形をしているため、「彼はならせる」という意味があると思われる。
ユダヤ教徒が一般生活において、自らの神を「ヤハヴェ(エホバ)」と呼ぶことはない。換りに「神」「主」などの呼称を用いる。かつては大祭司が年に一度のみ唱える特別な名であった。
聖書学者の見解
ヤハヴェは、元来はシナイ山で信仰された山の精などを指したのではないかと考えられている。ヘブライ人がカナーンを侵略して定着するようになると、先住民カナーン人の最高神であるエルと同化したのであろう。このようなユダヤ教以前のヤハヴェの信仰をヤハヴェ信仰と呼ぶ。旧約聖書には、「神」という一般名詞の意味でエル、エローヒームなどの呼称も見られる。後にバビロン捕囚などを経てユダヤ教が成立してゆく過程において、唯一絶対神の性格を帯びるようになっていったのではないかと考えられている。旧約聖書を教典とみなすキリスト教やイスラム教における神も同一の神だと解釈することができる。
呼称の謎
ヘブライ人がモーセの十戒を、神の名をみだりに唱えてはいけないと解釈したため、古代イスラエルではアドナイ(「主」の意)、ハシェム(「御名」の意)などと呼んだ。また、ヘブライ文字ではふつう母音を記さないこともあり、さらに後に古典ヘブライ語が日常の言語としては死語化したので、後世の人間は、神名の本来の呼称が分からなくなってしまった。そのため、YHVH(YHWH)という子音の綴りから次のような呼称の案が考えられた。
- Yahveh
- ヤハヴェ
- ヤーヴェ
- Yahweh
- ヤハウェ
- ヤーウェ
- Yehovah
- イェホヴァ(エホバ)
またこの4つの子音は「神聖四文字(テトラグラマトン:四つの文字の意)」と呼ばれることもある。