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== 概説 == |
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普段感情を抑えることのない朝鮮 |
普段感情を抑えることのない朝鮮民族が怒りを抑制する事によって強い[[ストレス (生体)|ストレス]]性の障害を起こす疾患とされている。症状としては、胸が重苦しくなり、[[不眠症]]や[[拒食症]]・[[性機能障害]]などを併発する事が多い。[[大韓民国]](韓国)では'''鬱火病'''(ウラビョン)ともいう。鬱火病の鬱は[[うつ病|鬱病]]とは関係なく、鬱血や鬱憤の鬱と同じ、「その場に溜まってゆく」といった意味である。若者の火病の初期症状として、強い怒りと共に八つ当たりの行動を伴う<ref>[http://news.sbs.co.kr/section_news/news_read.jsp?news_id=N1000452030 SBSニュース 堪えることが美徳?若者'火病'増えた](韓国語)</ref>。[[アメリカ精神医学会]]において、[[1996年]]に[[文化依存症候群]]の一つとして登録された<ref name="joinscom20060612"/>。治療については完治は不可能。治療法は完全には確立されていない精神科・神経内科での投薬治療が一般的である。日本においては火病についての高度先進医療は研究されておらず、専門医・専門学会は存在しない。 |
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== 韓医学の中の火病 == |
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韓国の民俗的症候群で(憤怒症候群)英語では'''anger syndrome'''に当たる。 |
韓国の民俗的症候群で(憤怒症候群)英語では'''anger syndrome'''に当たる。 |
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[[日本語]]の[[インターネット]]掲示板、主に[[2ちゃんねる]]上では、一種の癇癪(かんしゃく)や[[ヒステリー]]の意味で「火病」が使われており、朝鮮民族に対して用いられる言葉である。議論で反論に窮した場合などに冷静さを失って感情的になるという意味や韓国人や朝鮮人を揶揄する目的で使われる事が多い。'''ファビョン'''や、[[動詞]]化して'''ファビる'''、'''ファビョる'''とも言われる。 |
[[日本語]]の[[インターネット]]掲示板、主に[[2ちゃんねる]]上では、一種の癇癪(かんしゃく)や[[ヒステリー]]の意味で「火病」が使われており、朝鮮民族に対して用いられる言葉である。議論で反論に窮した場合などに冷静さを失って感情的になるという意味や韓国人や朝鮮人を揶揄する目的で使われる事が多い。'''ファビョン'''や、[[動詞]]化して'''ファビる'''、'''ファビョる'''とも言われる。 |
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国内の大手メディアでは、2009年7月31日、[[産経新聞]]記事で「【全英女子OP】大たたきで火病? [[姜秀衍]]、署名拒否で失格」との見出しで使用例が確認されている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/sports/golf/090731/glf0907310916010-n1.htm 【全英女子OP】大たたきで火病? |
国内の大手メディアでは、2009年7月31日、[[産経新聞]]記事で「【全英女子OP】大たたきで火病? [[姜秀衍]]、署名拒否で失格」との見出しで使用例が確認されている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/sports/golf/090731/glf0907310916010-n1.htm 【全英女子OP】大たたきで火病? 姜秀衍、署名拒否で失格] 2009.07.31産経新聞</ref>。 |
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[[マンガ 嫌韓流]]では、火病の症状として韓国人が「グワババババババ」と声を上げて[[発狂]]する場面が登場するが、通常は火病によりこのような症状が見られることはない<ref>もっとも、「マンガ 嫌韓流」36ページにおいて、同書で使われる「火病」という単語をスラングとして使用している旨が明記されている</ref>。 |
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== 外部リンク == |
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*[http://psychodoc.eek.jp/abare/hwabyung.html ファビョン(火病)](日本語、「私家版・精神医学用語辞典」内) - 火病と[[ヒステリー]]の類似性についても論じている。 |
* [http://psychodoc.eek.jp/abare/hwabyung.html ファビョン(火病)](日本語、「私家版・精神医学用語辞典」内) - 火病と[[ヒステリー]]の類似性についても論じている。 |
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*[http://www.hwabyung.com/ {{Lang|ko|옛날한의원 화병클리닉}}](韓国語、火病クリニックのサイト) |
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*[http://www.psychiatrictimes.com/p980145.html Examining Anger in 'Culture-Bound' Syndromes](英語、「Psychiatric Times」内) |
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*[http://sillok.history.go.kr/inspection/inspection.jsp?mState=2&mTree=0&clsName=&searchType=a&query_ime=%E7%81%AB%E7%97%85&keyword=%E7%81%AB%E7%97%85 朝鮮王朝実録中の「火病」](韓国語、漢文) |
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2012年3月24日 (土) 17:35時点における版
火病 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 화병 |
漢字: | 火病 |
発音: | ファッビョン / フォビン |
日本語読み: | かびょう、ひびょう |
ローマ字: | Hwabyung / Hwapyung |
火病(かびょう、ひびょう、ファビョン、韓国語:화병)は文化依存症候群(文化結合症候群)のうち、朝鮮民族特有の精神疾患[1]と指摘されている病気[2]。元来は環境要因による風俗病と考えられてきたが、近年では遺伝性の自律神経系の疾患であることが判明している。
概説
普段感情を抑えることのない朝鮮民族が怒りを抑制する事によって強いストレス性の障害を起こす疾患とされている。症状としては、胸が重苦しくなり、不眠症や拒食症・性機能障害などを併発する事が多い。大韓民国(韓国)では鬱火病(ウラビョン)ともいう。鬱火病の鬱は鬱病とは関係なく、鬱血や鬱憤の鬱と同じ、「その場に溜まってゆく」といった意味である。若者の火病の初期症状として、強い怒りと共に八つ当たりの行動を伴う[3]。アメリカ精神医学会において、1996年に文化依存症候群の一つとして登録された[2]。治療については完治は不可能。治療法は完全には確立されていない精神科・神経内科での投薬治療が一般的である。日本においては火病についての高度先進医療は研究されておらず、専門医・専門学会は存在しない。
英語表記はHwabyung[2]であるが、Hwapyungと紹介されている場合もある。現在韓国で行われているローマ字表記(文化観光部2000年式)では「화병」は「Hwabyeong」である。これは、ハングルでの綴りが화병(Hwabyeong)であるが、実際の韓国語の発音が화뼝(hwappyeong)であり、韓国語表記自体が実際の発音と表記にズレがある事とローマ字表記法の統一が普及していない事によるものである。
韓医学の中の火病
火病という用語は、中国明時代の漢方医・張介賓が使用したもので、李氏朝鮮時代に朝鮮半島に伝わった。
韓国の民俗的症候群で(憤怒症候群)英語ではanger syndromeに当たる。
火病とは、抑鬱した感情を発散せず、抑制した中で起こる神経性的な火(鬱火)によって現れる全ての症状を指す。この感情には、怒(怒り)、喜(喜び)、思(思慮)、憂(憂い)、悲(悲しみ)、恐(恐れ)、驚(驚き)の7つの感情(七情)があり、必ずしも「怒る」ことだけによって発病するものではないとされている。
メディアでの使用例
日本語のインターネット掲示板、主に2ちゃんねる上では、一種の癇癪(かんしゃく)やヒステリーの意味で「火病」が使われており、朝鮮民族に対して用いられる言葉である。議論で反論に窮した場合などに冷静さを失って感情的になるという意味や韓国人や朝鮮人を揶揄する目的で使われる事が多い。ファビョンや、動詞化してファビる、ファビョるとも言われる。
国内の大手メディアでは、2009年7月31日、産経新聞記事で「【全英女子OP】大たたきで火病? 姜秀衍、署名拒否で失格」との見出しで使用例が確認されている[4]。
マンガ 嫌韓流では、火病の症状として韓国人が「グワババババババ」と声を上げて発狂する場面が登場するが、通常は火病によりこのような症状が見られることはない[5]。
脚注
- ^ 中宮崇 「火病 怒りを抑制していると発症するという特異な精神疾患と現代韓国」(大月隆寛、野村旗守・西村幸祐・中宮崇・宮島理ほか『マンガ嫌韓流の真実! 〈韓国/半島タブー〉超入門』宝島社〈別冊宝島〉、2005年、80-82頁。ISBN 4-7966-4973-5。)
- ^ a b c 火病にはワールドカップが薬? 2006.06.12中央日報
- ^ SBSニュース 堪えることが美徳?若者'火病'増えた(韓国語)
- ^ 【全英女子OP】大たたきで火病? 姜秀衍、署名拒否で失格 2009.07.31産経新聞
- ^ もっとも、「マンガ 嫌韓流」36ページにおいて、同書で使われる「火病」という単語をスラングとして使用している旨が明記されている
関連項目
外部リンク
- ファビョン(火病)(日本語、「私家版・精神医学用語辞典」内) - 火病とヒステリーの類似性についても論じている。
- 옛날한의원 화병클리닉(韓国語、火病クリニックのサイト)
- Examining Anger in 'Culture-Bound' Syndromes(英語、「Psychiatric Times」内)
- 朝鮮王朝実録中の「火病」(韓国語、漢文)