「Wikipedia:スタイルマニュアル/フィクション関連」の版間の差分
→文脈の提供: ガイドライン化されているのでリンク先を変更 |
全面改訳。en:Wikipedia:Manual of Style/Writing about fiction 22:32, 17 March 2012 より |
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{{要改訳|date=2012年3月}} |
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{{Guideline|すたいるまにゆあるふいくしよんのきしゆつ|WP:WAF}} |
{{Guideline|すたいるまにゆあるふいくしよんのきしゆつ|WP:WAF}} |
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{{nutshell|ウィキペディアの記事はフィクションの世界観からではなく現実の世界観から言及されるべきです。[[#結論|結論]]にはこのガイドラインの内容に関するより詳細な概要が記されています。}} |
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{{Navibox 編集案内}} |
{{Navibox 編集案内}} |
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Wikipedia contains numerous articles on fiction-related subjects, fictional worlds, and elements from them. |
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ウィキペディアには[[フィクション]]関連の主題、フィクション世界、およびそれらの要素についての多数の記事が収録されています。 |
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ウィキペディアには、フィクションに関連した主題や、フィクションの世界、フィクションに登場する事物といったものを扱う記事が多数存在します。 |
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記事を作成する際、主題の現実世界における特筆性は、[[Wikipedia:特筆性|一般的な特筆性のガイドライン]]によるならば、独立した信頼すべき二次資料を含むことによって確立されるべきです。それは十分な情報源によって記事に掲載可能な特筆性があり、実際に正確であることを確実なものとするでしょう。 |
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When an article is created, the subject's real-world notability should be established according to the general notability guideline by including independent reliable secondary sources—this will also ensure that there is enough source material for the article to be comprehensive and factually accurate. |
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次に主題がウィキペディアでの記載に相応しいことを保証するものなら、編集者はその主題について「''何を''」書くか、そして「''どのように''」情報を提供するのが最も良いかを考えるべきです。これらの問題は相補的なものであるため、分離してそれぞれを解釈すべきではありません。そして編集者はよい記事を作成するために、その両方の問題に対応した内容を書くべきです。 |
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新しい記事が作られるときには、[[Wikipedia:特筆性|特筆性のガイドライン]]に従い、独立した信頼できる二次資料を含むことによって、その記事主題の現実世界における特筆性が確立されているべきです。特筆性が確認できるということはまた同時に、その記事主題を包括的に書くために、また事実性に関する正確性を確保するために必要な程度の充分な情報源が存在するということでもあります。 |
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このページは方針ではなく、ガイドラインです。そしてそれは常識と時々の例外によって導かれるべきです。しかしながら一般的にこのガイドラインで提示された基本的な概念に従うことは、フィクションの話題に関する記事を改善する早道です。 |
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Next, if the subject warrants inclusion in Wikipedia, editors should consider what to write about a subject, and how to best present that information. Because these questions are complementary, they should not be interpreted in isolation from one another, and editors should address both these questions simultaneously in order to create a well-written article. |
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== 現実世界の観点 == |
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このページではフィクション作品における世界を'''フィクション世界'''(または架空世界)と呼び、私たち編集者及び閲覧者が存在している世界を'''現実世界'''と呼びます。例えば「[[スター・ウォーズ]]」や「[[ファイナルファンタジーシリーズ|ファイナルファンタジー]]」はもちろん、「[[あぶさん]]」のように実在する人物・地名・団体が登場する世界であってもここではフィクション世界とします。全てのウィキペディア記事のように、[[フィクション]]に関する記事は現実世界を最優先の理論として固守すべきです。これは、フィクション作品やその派生を含む現実世界の観点から主題について説明するということです。また、これには[[#一次情報|一次情報]]と[[#二次情報|二次情報]]の両方を必要としています。 |
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その主題がウィキペディアの記事になるべき正当な理由があれば、次に編集者は、その主題に関するどのような事柄を記述するべきか、そしてそれらの情報の最適な提示の仕方はどのようなものであるかを考えるべきです。この二つの事柄は相補的な関係にあり、互いを切り離して解釈するべきではありません。そしてよりよい記事を書くためには、編集者はこの二つの問題に同時に取り掛かるべきです。 |
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現実世界の模範的側面としては |
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* フィクション作品そのものと、フィクション作品が現実世界に持っている''影響力''のような''制作の過程''や''公開''といった側面を慎重に区別すること |
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* 一方では作品で言及された時間と架空の年表、もう片方では作品で言及された時間と現実世界の出来事における実際の年表を慎重に区別すること |
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* フィクションの資料提供 |
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** 特に映画やテレビに関連した話題では''[[撮影]]''という側面を含むかもしれません |
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** 文学においては、''文体''や''文学の技法''を含むかもしれません |
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* [[ストーリー|物語]]の目的としての、架空の人物・場所・デバイスについての記述 |
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* 作者の意志の(参照が付けられた)言及 |
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This page is a guideline, not policy, and it should be approached with common sense and the occasional exception. However, following the basic notions laid out in this guideline is generally a good way to improve articles on fictional topics. |
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=== フィクションの世界観による問題 === |
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[[フィクション]]における世界観は架空の世界の中におけるキャラクターの観点から物語について説明し、まるでそれが現実かのように扱い、現実世界の状況と出典が明示された分析を無視します。世界の構成を記述することに対するハードルは、現実世界の情報を省略することによって、独自のフィクションの設定を作り直したり、支えるためのあらゆる努力を行っています。 |
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このページはガイドラインであり、方針ではありません。ここに書かれていることを参考にする際には、良識を持ち、また時折の例外の存在を意識しながら行ってください。しかしながらこのガイドラインに書かれている基本的な見解は、一般にフィクションに関する記事を改善するために役立つものと考えられます。 |
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多くのファンによるwikiやファンサイトではこうした方法を取りますが、ウィキペディアの記事にはこうした手法は使用すべきではありません。一次資料に頼った検証不可能な独自研究を持ち込むことによって、世界観は不正確で紛らわしいものとなります。最も重要なことは、このように作られた世界観が、ウィキペディアにどうあって欲しいかについてのコミュニティの合意を無視してしまうことです。 |
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== 現実世界の観点に立って記述する == |
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フィクションの世界観に基づくことによる問題は以下のようなものとなります |
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* 作品の創作における努力としての側面の全て、あるいはほとんどを無視すること |
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* 記事スタイルを実在物のスタイルに従って記述すること |
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** [[歴史|歴史記述]]のようにプロット(ストーリー)を記述する |
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** [[伝記]]のように架空の人物を記述する |
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** 地理学の解説のように架空の場所を記述する |
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** 架空の人物や事柄に、現実世界の主題のために作成されたインフォボックスを使用すること([[#インフォボックス]]を参照) |
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* 関係性が不明瞭な派生作品について、主題の作品本体と等価に議論すること |
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* 些細なコメントや冗談、描写を情報源として用いること |
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* 作品の矛盾点や言及されていない不明な点を(矛盾点や不明点として)そのまま記述することよりも、それらに触れず矛盾を一致させたり、不明な点を埋めるように記述しようとすること |
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* ある作品から影響を受けた作品(パロディやオマージュ作)を、同じ連続性のある後継作とみなすこと |
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* 作中に登場する架空の出来事や日付を、その世界観のものとしてではなく、現実世界のものとして関連付けさせること |
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* 実際に公開(発行)された順序よりも、フィクション上の年表の順序を優先すること |
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Articles about fiction, like all Wikipedia articles, should adhere to the real world as their primary frame of reference. The approach is to describe the subject matter from the perspective of the real world, in which the work of fiction and its publication are embedded. It necessitates the use of both primary and secondary information. |
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具体例として、あるテレビドラマ作品において「主人公の探偵が仕事中に相棒を亡くしたこと」を記述する際に、これをフィクション世界の観点から記述すると、それがバックストーリー、パイロット版、あるいは主要なストーリーのいずれで起こった出来事かを区別できないでしょう。これは、しばしば設定が変更されているパイロット版([[読み切り]])と本編の関係において重要な点です。「'''パイロット版において'''主人公が相棒を亡くしたこと」を、フィクション世界の観点で本編の記述と同列に置いたとします。後に本編で、そのような相棒がいなかったことを示す出来事が登場すれば、整合性を取るための記述の必要性に迫られ、それはまず[[Wikipedia:独自研究を載せない|独自研究]]と[[Wikipedia:中立的な観点|不正確な内容]]によって補われることになります。 |
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フィクションに関する記事は、ウィキペディアに存在する他のすべての記事と同様に、その第一の基準系が現実世界に置かれているべきです。具体的なアプローチの方法としては、そのフィクション作品と、その出版や公表とがともに含まれるところの現実世界の観点に立って主題を記述する、ということになります。そのためには一次情報と二次情報の両方を情報源として使用することが必要です。 |
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Exemplary aspects of real-world perspective include: |
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現実世界の観点は典型的には以下のような側面を含みます。 |
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* Careful differentiation between the work of fiction itself and aspects of its production process and publication, such as the impact a work of fiction has had in the real world (see also below) フィクション作品そのものと、その作品の製作過程と、そのフィクション作品が現実世界に及ぼした影響などの発表の側面とを注意深く峻別すること。 |
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* Careful differentiation between narrated time and fictional chronology on the one hand, and narrative time and actual chronology of real-world events on the other (of particular relevance to all film and TV-related topics) 一方で[[語り手|語り]]の時間と架空の世界の時系列とを注意深く峻別し、他方で物語世界の時間と現実世界の時系列とを注意深く峻別すること(特に映画作品とテレビ番組に関するトピックとに関係します)。 |
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* The presentation of fictional material フィクションの素材の提示方法。 |
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** particularly for film and TV-related topics, this may include cinematographical aspects 特に映画・テレビ関連では、[[撮影]]という側面が含まれるでしょう。 |
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** for literature, this may include writing style and literary technique 文学であれば、作風や文体、文芸技法といったことが含まれるでしょう。 |
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* Description of fictional characters, places and devices as objects of the narrative 物語の要素としての、架空の人物、場所、機器に関する解説。 |
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* Making (referenced!) mention of the author's intention 作者の意図の解説(検証可能性に注意)。 |
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See below for a list of exemplary articles which employ a consistent real-world perspective. However, consider that real-world perspective is not an "optional" quality criterion but a general, basic requirement for all articles. |
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「現実世界の観点」は、すべての記事が備えているべき一般的かつ基本的な基準です。けっして付随的なものではないということに注意してください。 |
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=== 物語世界内の観点に立った記述の問題点 === |
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An in-universe perspective describes the narrative from the perspective of characters within the fictional universe, treating it as if it were real and ignoring real-world context and sourced analysis. The threshold of what constitutes in-universe writing is making any effort to re-create or uphold the illusion of the original fiction by omitting real-world info. |
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物語世界内の観点は、物語をそのフィクション世界内の登場人物の観点から記述するものです。フィクションの出来事をあたかも現実世界の出来事であるかのように扱い、現実世界の文脈や、情報源によって裏付けられた作品に対する評価・分析の存在を無視します。物語世界内の観点に立った記述の発端は、現実世界の情報を排除することによって作品世界の幻影を再創造し、維持しようと種々の努力を払うところから始まります。 |
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Many fan wikis and fan websites (see below) take this approach, but it should not be used for Wikipedia articles. An in-universe perspective is inaccurate and misleading, inviting unverifiable original research. Most importantly, in-universe perspective defies community consensus as to what we do not want Wikipedia to be or become. |
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多くのファンサイトやファンによって運営されるウィキサイトではこのようなアプローチを取りますが、ウィキペディアの記事ではこのような方法を採用するべきではありません。物語世界内の観点は不正確で誤解を招きやすく、検証不可能な独自研究を招き入れます。何よりも[[Wikipedia:ウィキペディアは何ではないか|ウィキペディアは何ではないか]]ということに関してのコミュニティの合意を無視しています。 |
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Problems associated with an in-universe perspective include: |
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物語世界内の観点に関する問題点には以下のようなものが含まれます。 |
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* Disregarding all or most aspects of a work of fiction as a creative endeavour フィクション作品の、創作の成果としての側面をほぼあるいは完全に無視すること。 |
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* A plot synopsis written like a historical account 歴史的事実であるかのように書かれたあらすじ。 |
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* Fictography – a fictional character article or section written as if it were a biography 伝記のような形式で書かれた登場人物の記事あるいは節。 |
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* Description of fictional places written like a geographical account 実在の地理のように書かれた架空の土地の解説。 |
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* Using past tense when discussing the plot or any of its elements あらすじやその要素を論じるのに過去形を使うこと。 |
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* Trying to reconcile contradictions or fill gaps in a fictional continuity, rather than reporting them as such 物語に矛盾があったり連続性が絶たれている箇所があるときに、それをそのまま伝えずに想像で補ってしまうこと。 |
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* Discussing a fictional topic's appearances in major works and obscure spin-off material in equal detail メインの作品に登場する事物と、著名でないスピンオフに登場する事物とを同様の詳細さで解説すること。 |
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* Placing spiritual successors in the same continuity as the works that inspired them ある作品に影響を受けている後発の作品を、その作品の続編であるかのように記述すること。 |
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* Using throwaway comments or jokes as a source of information ちょっとしたコメントやジョークを情報源として利用すること。 |
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* Using infoboxes intended for real world topics 現実のものに使われることが想定されている情報テンプレートを架空のものに使用すること。 |
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* Using image captions for film stills and screenshots asserting that what is depicted is the character, rather than a film scene depicting the character 映画のスチールやスクリーンショットに、映画の一シーンとしてではなく、キャラクターの一シーンとしてのキャプションをつけること。 |
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* Referring to the fictional events or dates which occur in the story, rather than the fictional works themselves フィクション作品そのものではなく、物語の中の出来事や日付を参照事項にすること。 |
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* Ordering works by their fictional chronology, rather than the actual order they were published その作品が出版された順序ではなく、物語の時系列にしたがって作品を並べ替えてしまうこと。 |
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== 一次情報と二次情報 == |
== 一次情報と二次情報 == |
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Where the above section discusses the principal perspective from which an article is written and makes the distinction between real-world perspective versus "in-universe" perspective, this section discusses the incorporation of information. Please see also the related policy on the use of primary, secondary, and tertiary sources. |
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上記のセクションでは記事で書かれる主要な見解について論じ、現実世界の観点とフィクション世界の観点の区別を行いました。このセクションでは情報の編入について論じます。また[[Wikipedia:独自研究を載せない|一次、二次、そして三次資料の使用について関連する方針]]をご覧ください([[Wikipedia:信頼できる情報源]]や[[資料]]にも関連情報があります)。 |
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[edit] Primary information |
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上の節では、記事を書く際の基本的な観点の据え方、および現実世界の観点を物語世界内の観点とを明確にすべきであるということについて論じました。この節では記事への情報の編入について論じます。「一次資料」と「二次資料」については[[Wikipedia:独自研究は載せない#資料|関連する方針]]も参照してください。 |
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=== 一次情報 === |
=== 一次情報 === |
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The term primary information describes information that originates from primary sources about the fictional universe, i.e., the original work of fiction or an affiliated work of fiction (e.g., another episode of the same series). Even with strict adherence to the real-world perspective, writing about fiction always includes using the original fiction itself as a source. See also the sections on fair use and templates. |
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一次情報はフィクション世界に関する一次資料、すなわちフィクションの原書またはその系列作品(例えば同じシリーズの別のエピソード)から抜粋された情報です。現実世界の観点への厳格な固守があっても、フィクションに関して書く際には、常に情報源としてオリジナルのフィクション自体を使用することを含んでいます。 |
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ここで言う「一次情報」とは、フィクションの世界に関する一次資料に由来する情報、すなわち作品そのもの、あるいはその作品に関連する作品(同じシリーズの別のエピソードなど)に由来する情報を意味します。厳格に現実世界の観点に立って書かれた記事であっても、フィクションに関する記述は常にフィクション作品そのものを情報源として使用します。 |
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Examples of information available in primary sources include: |
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一次資料における利用可能な情報には以下のようなものがあります。 |
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* the birth and death dates of fictional characters; 登場人物の生没年月日。 |
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一次資料を含む利用可能な情報の例 |
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* performance statistics or characteristics for fictional vehicles or devices; 架空の乗り物や機器の性能。 |
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* 架空のキャラクターの生没日 |
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* history of fictional locations or organizations; 架空の土地や組織・団体の歴史。 |
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* 架空の乗り物や装置についての性能統計や特性 |
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* background information on fictional creatures; and, 架空の生物の素性。 |
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* 架空の場所や組織の歴史 |
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* the plot itself 物語の筋そのもの。 |
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* 架空の生物に関する基礎的な情報 |
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* そして、もちろん[[プロット (物語)|プロット]]自体も該当します |
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=== 二次情報 === |
=== 二次情報 === |
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The term secondary information describes information external to the fictional universe, and is usually taken from secondary sources (about the work of art or the fictional world) contained therein, or from primary and secondary sources about the author and the circumstances of creation. Publications affiliated with a particular work of fiction (e.g. fan magazines), are mostly not considered suitable secondary sources about the primary works. However, such publications may be suitable primary or secondary sources in an article about the fan publication itself or other related topics. |
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二次情報はフィクション世界の外部情報について説明し、通常は作品やそこに含まれたフィクション世界に関する二次資料、あるいは筆者や創造の事情に関する一次・二次資料から抜粋されます。フィクションの特定の作品に依拠した二次的刊行物(例えばファンブック)は一次作品についての適切な二次資料とはほとんど考えられていません。しかしそのような刊行物は、ファンの刊行物それ自体や他の関連した話題についての記事では、適切な一次あるいは二次資料となるかもしれません。 |
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「二次情報」とは、フィクションの世界に対して外部に位置する情報のことです。二次情報は通常、創作作品やフィクション世界に関する二次資料、あるいは作者ないし製作の周辺事情に関する一次ないし二次資料から引き出されます。「公式ファンブック」のように、あるフィクション作品に商業的に結びついて出された出版物は、ほとんどの場合その作品に関する適切な二次資料とはみなされません。しかしながら、そのような出版物はファンブックそのものに関する記事、あるいは別の関連するトピックに関する記事においては、適切な一次ないし二次資料となりうるかもしれません。 |
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経験則では、(フィクションの世界観と比較して)過不足のない同量の二次情報を使用することは現実世界の観点を記事に与えるために必要で役立ちます。別の経験則ではもし話題に特筆性がある場合には、二次情報は存在すべきでありそして既に記事に含まれているかもしれません。 |
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The rule of thumb is to use as much secondary information as necessary and useful to give the article a real-world perspective, not more and not less. Another rule of thumb is that if the topic is notable, secondary information should be available and possibly already in the article. |
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原書に関する二次資料、または作品の外部情報に関する一次・二次資料によって提供された典型的な役立つ情報例 |
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* 作者 |
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* 作成の過程における他の重要人物、例えば映画における撮影技師、あるいは小説における特筆すべき翻訳者 |
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* 映画・ソフトウェア会社または出版社 |
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* デザイン |
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* 初出以前や物語の過程における制作内容 |
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* 仕事やフィクションの要素に影響を及ぼした現実世界の事象 |
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* 作品における架空のキャラクター、役割を演じた俳優、およびそのキャラクターを演じることへのアプローチ |
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* 外国における翻訳 |
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* 公衆の人気 |
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* 売上高(商業上の言及) |
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* 評論家による評価 |
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* 主題の批評的な分析 |
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* 後世のクリエーターや彼らの企画に作品が与えた影響 |
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経験則として、二次情報は記事に現実世界の観点を与えるのに必要かつ役立つかぎりにおいて過不足なく使用するのが適切です。また別の経験則として、ウィキペディアの記事にするために必要な特筆性を満たすトピックなのであれば、必ず利用可能な二次情報が存在しているはずであり、望むらくはすでに記事の中に含まれているべきです。 |
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== 文脈の提供 == |
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{{See also|Wikipedia:あらすじの書き方|Wikipedia:キャラクターの記述に対するガイドライン}} |
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一般的に''創作した文脈''と''原書(オリジナルフィクション)の文脈''という二つの可能性のものとみなされています。オリジナルの[[フィクション]]そのものが記事の主題であるとき、フィクション世界の外部にある情報は全て、そのオリジナルのフィクション(例えば、[[プロット (物語)|プロット]]の概要を含む)の文脈に設定される必要があります。記事の関心、例えばオリジナルのフィクションについての文書であるときに、一次資料の材料の内容について議論することは必ずしも重要であるというわけではないでしょう。 |
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Examples of useful information typically provided by secondary sources about the original work, or primary and secondary sources about information external to the work: |
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創作、制作、その他特定のフィクションの要素に関連した詳細は、もし読者が話における要素の役割を理解している場合にはより有用となります。これはしばしばプロットの概要、キャラクターの描写や伝記、直接的引用の提供を伴います。 |
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二次資料によってもたらされる有益な情報、または作品の外部に位置する一次ないし二次資料には以下のようなものがあります。 |
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原書から提供されるフィクションの資料は、引用された部分が短く、適切な文脈を与え、記事の主要部分を構成しないものならば、素晴らしいものです。もしそうした引用が解釈の分野で迷わせるものなら、二次資料によって[[Wikipedia:独自研究を載せない|独自研究]]を避けなければなりません。 |
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* the author or creator 著者や製作者。 |
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=== プロットの概要 === |
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* other key figures of the creation process, e.g., the cinematographer for films or notable translators for novels その他の作品制作関係者。映画の撮影者や小説の著名な翻訳者など。 |
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[[プロット (物語)|プロット]]とは、作品内の出来事を時系列ごとに並べる[[ストーリー]]とは違い、出来事を再構成してまとめたもので、日本語版ウィキペディアの記事においては一般的に「あらすじ」「人物」などといったセクションに書かれるものです。現実世界の観点から特定の作品や作品の一部(例:「第1巻より」「第2章より」)を参照したり、作者の見解(例:「著者の前書きより」「話の説明より」)から、その物について説明することによってプロットの概要を書くことができます。これによって根拠のある論調を概要に与えて、未知のものであるそれらを資料とともにより利用しやすくなります。プロットの概要の長さは他の節の長さとのバランスを慎重に取るべきです。 |
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* the film or software company or publishing house 映画・ソフトウェアの製作・販売会社や出版社。 |
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* the design デザイン。 |
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* the development, both before its first appearance and over the course of the narrative 作品の発表以前から、物語の進行までをふくむ作品展開。 |
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* real-world factors that have influenced the work or fictional element 作品や作中の物事に影響を与えた現実の事物。 |
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* for a fictional character in a dramatic production, the actor who portrayed the role and their approach to playing that character 映画、ドラマへの翻案であれば、俳優、および俳優のその役へのアプローチの仕方。 |
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* foreign translations 別の言語への翻訳。 |
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* its popularity among the public 公衆の間での人気。 |
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* its sales figures (for commercial offerings) 売り上げの数値。 |
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* its reception by critics 批評家の間での評価。 |
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* a critical analysis of the subject 主題の批評的な分析。 |
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* the influence of the work on later creators and their projects 他の作家や作品への影響。 |
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== 文脈の提示 == |
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=== 要約に関する記述 === |
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There are generally two possible issues to be considered: The context of the production and the context of the original fiction. Whenever the original fiction itself is the subject of the article, all out-of-universe information needs to be set in the context of that original fiction (e.g., by including a plot summary). When the article concerns, e.g., a documentary about that original fiction, then it would not necessarily be important to discuss the content of the original source material. |
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記事が長くなるとき(参照:[[Help:ページサイズ]])は時々、記事のセクションそれ自身を記事とします。そしてメイン記事における主題の取り扱いを簡潔な要約に凝縮します。これは完全に通常のウィキペディアにおける手順です。こうした新記事はメイン記事の子記事、[[スピンオフ]](スピンアウト)記事と呼ばれます。フィクション作品においてはこれらのスピンアウト記事は主として親となる話題をカバーする、通常ではキャラクターや他の要素の信頼できる一覧であり、特にそれらの要素に特化された情報源を通じることによって現実世界における論証に欠けるものとなっているかもしれません。こうしたスピンアウト記事で単一の話題に関するもの(例えば単独のキャラクターや一話単位のエピソードを主題にした記事)は非常にまれなものであるべきでしょう。話題についてそれ自身の特筆性を示すか、メイン記事や既存のスピンアウト記事へ統合されるべきです。 |
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一般的に、考慮されるべき二つの論点が存在すると考えられます。製作側の文脈と作品側の文脈です。フィクション作品そのものが記事の主題になっている場合であれば、すべての物語世界外の情報は(例えば作品の「あらすじ」を記事に含めたりすることによって)作品側の文脈に位置づけられていなければなりません。もっとも記事が扱っているものが、例えばあるフィクション作品の製作についてのドキュメンタリーであるような場合であれば、必ずしももとのフィクション作品そのものの内容を記事の中で論じる必要はないでしょう。 |
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スピンアウト記事は作品でカバーされた話題や話題の詳細を簡潔に明らかにすべきです。スピンアウト記事が成長するためのより多くのスペースが与えられたものだからといって、過度な[[プロット (物語)|プロット]]の概要や架空のキャラクター伝記が適切であることを意味しません。他のフィクション作品の記事同様に、スピンアウト記事も(架空の世界観ではなく)現実世界のスタイルで書かれるべきです。そして他の全てのウィキペディア記事同様に、スピンアウト記事も[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]を満たす必要があり、[[Wikipedia:独自研究を載せない|独自研究]]は完全に排除され、[[Wikipedia:中立的な観点|中立的な観点]]を反映させなければなりません。 |
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Details of creation, development, etc. relating to a particular fictional element are more helpful if the reader understands the role of that element in the story. This often involves providing plot summaries, character descriptions or biographies, or direct quotations. By convention, these synopses should be written in the present tense, as this is the way that the story is experienced as it is read or viewed (see also WP:TENSE). At any particular point in the story there is a 'past' and a 'future', but whether something is 'past' or 'future' changes as the story progresses. It is simplest and conventional to recount the entire description as continuous 'present'. |
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=== ストーリー記事の独立化 === |
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上記の[[#プロットの概要|プロットの概要]]での説明にあるように[[ストーリー]]は出来事を再構成せず、時系列順に記述するため一般的に[[プロット (物語)|プロット]]に比べ長い文章となります。ストーリーの記述が長くなるようなものなら他のセクションとの分量のバランスをとるため、小説や漫画では各巻単位、ドラマやアニメでは各話単位で内容をまとめ、「○○のエピソード一覧」といった名称でスピンアウト記事を作成することを検討してください。 |
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物語の筋、登場人物、作品の舞台といった、フィクションの中の特定の要素に関わる創作の経緯や進展の詳細は、その要素が物語の中でどのような役割を果たしているのかを読者が理解できるのであればより有用な情報になります。これにはしばしば物語の要約の提示や、登場人物の概略、作中の文言の引用などが伴います。慣習的に、こうした梗概を書く際には、実際に作品を読んだり視聴したりする際の物語の経験に対応する時制である[[現在形]]を基本とした文体が使用されます。物語の中では、ある特定の時点で「過去」であったり「未来」であったりしても、何が「過去」で何が「未来」かは物語が進むにつれて変化していきます。そのため全体の説明を持続する「現在」として統一するのがもっとも簡便で一般的な方法なのです。 |
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こうした形式で作成された一覧記事は以下のカテゴリなどでご覧になれます。 |
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Presenting fictional material from the original work is fine, provided passages are short, are given the proper context, and do not constitute the main portion of the article. If such passages stray into the realm of interpretation, secondary sources must be provided to avoid original research. |
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フィクション作品の記事の中で作中の素材を紹介することは、それが短い文章で、適切な文脈に組み入れられており、かつ記事の主要な部分になってしまわない限りはよいことです。そのような部分がもし解釈の領域にまで踏み込んでしまう場合には、独自研究を避けるために二次資料を提示することが必要になります。 |
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=== 物語の要約 === |
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Plot summaries can be written from the real-world perspective by referring to specific works or parts of works ("In the first book", "In Act II") or describing things from the author or creator's perspective ("The author introduces", "The story describes"). This gives the summary a more grounded tone and makes it more accessible to those unfamiliar with the source material. This style of writing should be preferred for plot summaries that encompass multiple works, such as a series of novels. Such conventions are not as important for plot summaries of single works, such as novels that are not part of a series; nevertheless, some real-world language at the beginning of such summaries is often good style. The length of a plot summary should be carefully balanced with the length of the other sections. Strictly avoid creating pages consisting only of a plot summary. |
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物語の要約(あらすじ)は、作品構成に具体的に言及して参照を行ったり(「第一巻では・・・」「第二章からは・・・」)、著者・製作者の視点から記述したり(「作者はここで物語を・・・」「物語はこのように・・・」)することによって、現実世界の観点から書くことが可能です。これによって要約はより根拠付けられた調子になり、また作品を知らない人々を実際の情報源に近づきやすくすることができます。この書き方はシリーズ小説や長期連載漫画などの長い作品のあらすじをまとめるときに特に有効になりますが、一巻で完結する小説や単発の映画作品といった短いものであればそれほど重きを置かなくてもよいでしょう。いずれにしても、こうした要約のはじめに現実世界の観点に立った何らかの言葉を置くことはおおむね良い方法です。あらすじの長さは記事の中のほかの節の長さとの間で注意深くバランスを取ってください。ほとんどあらすじしかない記事、あるいはあらすじと登場人物など作品世界の解説しか存在しない記事の作成は努めてしないようにしてください。 |
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=== 記事の分割 === |
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Sometimes, when an article gets long (see Wikipedia:Article size), a section of the article is made into its own article, and the handling of the subject in the main article is condensed to a brief summary. This is completely normal Wikipedia procedure; see for example Wikipedia:Summary style, which explains the technique. The new article is sometimes called a "spinout" or "spinoff" of the main article. For fictional works, these spinout articles are typically lists of characters or other elements that usually rely on the coverage of the parent topic, and may lack demonstration of real-world coverage through sources dedicated specifically to those elements (see Wikipedia:Lists). Very rarely should such spinout articles be about a singular topic (e.g., character, plot item); either that topic has demonstrated its own notability, or should be merged into the main article or existing spinout articles. |
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記事が長くなると、記事の中の節を一つの記事として独立させ、もとの記事のなかではより簡潔な要約にしておく場合があります([[Wikipedia:ページの分割と統合]]を参照)。分割された記事を元の記事に対して子記事あるいは分割記事と呼びます。フィクション作品の場合では、子記事は概して登場人物のリストや他の物語の要素のリストであり、それらの子記事はしばしば情報源を通しての現実的な観点を欠いています。特定の一人の登場人物や、作中のある一つの道具を独立した記事にすることは非常に稀なケースであるべきです。こうした場合にはその個々の事物に、元の作品とは独立した特筆性があるということが情報源によって示されねばなりません。それができない場合には元の記事に統合するか、あるいはすでに存在する別の子記事に統合するべきです。 |
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The spinout article should concisely provide details of the topic or topics covered in the work – just because the spinout article is given more space to grow does not mean that excessive plot summaries or fictional character biographies are appropriate. As with other fictional works, the spinout article should be written in an "out-of-universe" style. As with all other Wikipedia articles, the spinout article needs to be verifiable, must possess no original research, and must reflect a neutral point of view. |
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子記事ではその作品内の特定のトピックの詳細を簡潔な仕方で提示してください。分割によって書く余地が与えられたからといって、過剰に詳細なあらすじや架空の人物の詳細な伝記を書いていいということにはなりません。他のフィクション作品の記事と同様に、フィクション作品の子記事は「作品世界外の観点」に立って記述されるべきです。そして他のウィキペディア上の記事と同様に、子記事も[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]を満たしていなければならず、[[Wikipedia:独自研究は載せない|独自研究]]を含んではならず、そして[[Wikipedia:中立的な観点|中立的な観点]]が保たれていなければなりません。 |
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==== エピソード一覧の分割 ==== |
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「各話のエピソード一覧」のようなものが長くなるようであれば、他のセクションとの分量のバランスをとるため、小説や漫画では各巻単位、ドラマやアニメでは各話単位で内容をまとめ、「○○のエピソード一覧」といった名称でスピンアウト記事を作成することを検討してください。 |
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こうした形式で作成された一覧記事の例は以下のカテゴリなどで参照できます。 |
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* [[:Category:エピソード一覧]] |
* [[:Category:エピソード一覧]] |
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* [[:en:Category:Lists of novels]](英語) |
* [[:en:Category:Lists of novels]](英語) |
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103行目: | 154行目: | ||
* [[:en:Category:Lists of television series episodes]](英語) |
* [[:en:Category:Lists of television series episodes]](英語) |
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* [[:en:Category:Television episodes by series]](英語) |
* [[:en:Category:Television episodes by series]](英語) |
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=== トリビア === |
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[[Wikipedia:雑多な内容を箇条書きした節を避ける|トリビア的な雑多で瑣末な内容の記述]]は避けるべきです。こうした記述は主題の特性を理解するには役に立たず、記事の全体的なバランスを損ないます。特に箇条書きのような形式は冗長化を招きやすくなります。また分量が増えても分割して単独の記事として成立するだけの[[Wikipedia:特筆性|特筆性]]はほとんど見込めません。 |
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== 特筆性 == |
== 特筆性 == |
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[[Wikipedia:特筆性|特筆性]]とは全ての主題にとって、特にそれに関する記事である事を保証するための必須の条件となります。先に述べたように、経験則ではもし十分に特筆すべき話題であれば、二次資料が存在すべきであり、そして記事作成の際にはそれが含まれるのが理想であるべきです。 |
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There are notability prerequisites to be met by all subjects to warrant articles specifically about them. As mentioned earlier, the rule of thumb is that if the topic is sufficiently notable, secondary sources should be available and should ideally be included on article creation. |
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== 最新の情報 == |
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最新の情報を反映させることは時には適切な編集となりますが、その場合には最新の情報を強調したり他の情報と違う扱いにすべきではありません。常にバランスを心がけた記述を行ってください。またその記述が[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]を満たしているか、[[Wikipedia:雑多な内容を箇条書きした節を避ける|瑣末な内容]]でないかを確認してください。もし最新の情報が過去の前提を覆すような内容であった場合、単に記述を付け足すのではなく[[Wikipedia:ページの編集は大胆に|文面の全面改稿]]も検討してください。 |
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[[Wikipedia:特筆性]]には、記事の主題となるものが備えているべき特筆性の条件が示されています。前述したように、経験則として、あるトピックが充分に特筆すべき事柄なのであれば、適切な二次資料が存在するはずであり、また理想的には、記事が作成されたときにすでに二次資料が含まれているべきです。 |
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== 雑多な内容 == |
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[[Wikipedia:雑多な内容を箇条書きした節を避ける|トリビア的な雑多で瑣末な内容の記述]]は避けるべきです。こうした記述は主題の特性を理解するには役に立たず、記事の全体的なバランスを損ないます。特に箇条書きのような形式は冗長化を招きやすくなります。また分量が増えても分割して単独の記事として成立するだけの[[Wikipedia:特筆性|特筆性]]はほとんど持ち合わせていないでしょう。 |
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== |
== 正確さとバランス == |
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It is not only important that articles be written from a neutral point of view and that they give due weight to all aspects of the subject but also that appropriate weight be given to all elements of the article page, including, e.g., infoboxes and succession boxes as well as images and the text. The goal is to attain the greatest possible degree of accuracy in covering the topic at hand, which is also the basic rationale behind discouraging, e.g., disproportionately long plot summaries and in-universe writing. |
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重要なのは記事が[[Wikipedia:中立的な観点|中立的な観点]]から書かれ、主題の全ての側面に分量を付け加えることだけではなく、記事の全ての要素に適切な分量を与えることです。それは例えばインフォボックスのようなものも含んでいます。話題をカバーするために正確性の程度を可能な限り巨大なものにするといった目標は、基本的な原理から離れ落胆させます。例えば不釣合いに冗長な人物・用語の説明や、極端に短くて情報不足な[[プロット (物語)|プロット]]の記述などは適切なものとはいえません。各項目の記述は多すぎても少なすぎてもいけません。 |
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記事を中立的な観点に立って、その主題のすべての側面をそれぞれの重要度に応じてバランスよく書くということはむろん重要ですが、記事本文以外の記事の要素、すなわち情報テンプレートやそれ以外のテンプレート、画像やそのキャプションといったものについても適切なバランスを考慮してください。目標は記事主題に対して可能な限りの精度を達成することであり、このことはまた、バランスを欠いた長すぎるあらすじや物語世界内の視点によって書かれた文章を排除するべき根本的な理由でもあります。 |
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== 結論 == |
== 結論 == |
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フィクションに関して書くときには、以下を覚えておいてください |
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* 出典の主要な基準は常に現実世界にあります。'''現実世界の観点から書いてください''' |
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* 現実世界の観点には一次と二次、両方の情報が必要です。'''一次資料と二次資料のバランスの取れている使用を維持してください''' |
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* 記事の主題と一次資料に関する未発表の個人的な推測と解釈はウィキペディアでは認められていません。'''独自研究は避けてください''' |
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* 記載されている全ての情報には[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]と[[Wikipedia:信頼できる情報源|信頼できる情報源]]によって支持された表現が必要とされ、一次情報を含む全ての情報源は記事において[[Wikipedia:出典を明記する|適切な参照]]を必要としています。'''全ての情報には参照を付け、資料を引用してください''' |
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* 記事の全ての要素に全ての関連する側面の分量を与えなければなりません、テキスト、レイアウトの要素、および記事タイトルさえ含んでいます。'''分量を支払わなければならないところに重きを置いてください''' |
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* 読み易さと分かり易さ。'''オリジナルのフィクションがある文脈に必要とされるすべての情報を組み込んでください''' |
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* [[Wikipedia:雑多な内容を箇条書きした節を避ける|トリビアのリスト]]を作成するのは避けてください。'''代わりに必要な関連情報は記事の中身に組み込むようにしてください''' |
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<!--== Templates == |
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When writing about fiction, keep the following in mind: |
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;{{tl|In-universe}} |
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If you notice an article that predominantly describes a fictional topic from an in-universe perspective, or even provides no indication that a fictional subject is fictional, preferably improve it yourself, or add the {{tl|In-universe}} template to bring the issue to the attention of others. Be sure to leave a note on the article's talk page explaining your objections. This template looks like this: |
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フィクションに関連する記述では、以下のことに注意してください。 |
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あなたが宇宙の中の見解から作り事の話題について支配的に説明するか、または作り事の対象が作り事であるという指示を全く提供さえしない記事に気付くなら、望ましくは、自分でそれを改良するか、または}{{宇宙}のテンプレートを加えて、他のものの注意に問題を持って来てください。 あなたの反論について説明する記事の話のページに必ずメモを残してください。 このテンプレートはこれに似ています: |
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* The principal frame of reference is always the real world, in which both the work of fiction and its publication are embedded: write from a real-world perspective; 記述の第一の基準系は、フィクション作品とその出版とがともに含まれるところの現実世界におかれる必要があります。現実世界の観点に立って記述してください。 |
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{{In-universe}} |
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* Both primary and secondary information is necessary for a real-world perspective: maintain a balanced use of both primary and secondary sources; 現実世界の観点には一次情報と二次情報の双方が必要になります。一次資料と二次資料をバランスよく使用してください。 |
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* Unpublished personal observation and interpretation of the article's subject and primary sources are not acceptable on Wikipedia: avoid original research; 個人の見解・記事主題に対する解釈・一次情報源は、未出版であったり広く公表されていないものは使用できません。独自研究を避けてください。 |
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この記事は主として宇宙の中のスタイルでフィクションの仕事か要素について説明します。 より明確にフィクションについて説明して、ノンフィクション見解を提供するためにそれを書き直すのを助けてください。 |
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* All included information needs to be verifiable and derive from and be supported by reliable sources, and all sources (including the primary sources) need to be appropriately cited in the article: reference all information and cite your sources; 記事中のすべての情報は信頼できる情報源に基づいた検証可能なものである必要があります。またすべての情報源(一次資料を含む)は記事の中で適切に参照されていなければなりませせん。すべての情報に情報源を明示してください。 |
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* All relevant aspects must be given due weight in all elements of the article page, including text, images, elements of layout and even the article title: give weight where weight is due; 本文ばかりでなく、画像、テンプレート、記事のタイトルなど記事のすべての要素に対して相応な注意を払ってください。記事のバランスに注意してください。 |
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;{{tl|Primarysources}} |
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* Readability and comprehensibility: put all information into context with the original fiction; 読みやすさと包括性。すべての情報を当のフィクション作品の文脈に位置づけてください。 |
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If you notice an article featuring only primary sources and sources affiliated with the subject, preferably improve it yourself, or add the {{tl|Primarysources}} template to bring the issue to the attention of others. This template looks like this: |
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* Check with the image use policy before adding images to any article; |
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* Avoid creating lists of trivia; instead, incorporate relevant information into the body of the article; トリビアのリストを作らないでください。その代わりに記事本文の中に関連する情報を加筆してください。 |
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あなたが、記事が対象に加わられる一次資料とソースだけを特集しているのに気付くなら、望ましくは、自分でそれを改良するか、または}{{Primarysources}テンプレートを加えて、他のものの注意に問題を持って来てください。 このテンプレートはこれに似ています: |
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* Wikipedia's fair-use policy: the amount of copyrighted work used should be as little as possible. |
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{{Primary sources|date=May 2009}} |
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この記事は信頼できる第三者刊行物に載っている参照を必要とします。 一般に、対象に加わられる一次資料かソースが、ウィキぺディア記事に十分ではありません。 信頼すべき筋から、より適切な引用を加えてください。 (2009年5月)--> |
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== インフォボックス == |
== インフォボックス == |
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150行目: | 190行目: | ||
上記、[[#雑多な内容|雑多な内容]]でも述べられたように、インフォボックスでも同じくトリビア的な詳細は避けられるべきです。実在する俳優のインフォボックスには「好きな食べ物」や「趣味」といった項目は存在しません。こうした詳細は主題の重要な特性を理解する際には読者の助けにはなりません。また同様に、設定やバックストーリーとして存在する細かい情報を掘り下げたようなデータを載せることは避けるべきです。このような理由で、現実に存在するものへの使用が意図されたインフォボックスを、よく似たフィクションの主題に適用すべきではありません。例えば実在する企業の記述に重要なデータはフィクションの企業にとっては脱線したものであるかもしれません。[[マイクロソフト]]の年商は重要なデータですが、架空の企業がxxxx年にxxx億を稼いだといったデータはおそらく重要ではないでしょう。 |
上記、[[#雑多な内容|雑多な内容]]でも述べられたように、インフォボックスでも同じくトリビア的な詳細は避けられるべきです。実在する俳優のインフォボックスには「好きな食べ物」や「趣味」といった項目は存在しません。こうした詳細は主題の重要な特性を理解する際には読者の助けにはなりません。また同様に、設定やバックストーリーとして存在する細かい情報を掘り下げたようなデータを載せることは避けるべきです。このような理由で、現実に存在するものへの使用が意図されたインフォボックスを、よく似たフィクションの主題に適用すべきではありません。例えば実在する企業の記述に重要なデータはフィクションの企業にとっては脱線したものであるかもしれません。[[マイクロソフト]]の年商は重要なデータですが、架空の企業がxxxx年にxxx億を稼いだといったデータはおそらく重要ではないでしょう。 |
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== 関連項目 == |
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=== 関連するウィキプロジェクト === |
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* [[プロジェクト:フィクション]] |
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* [[プロジェクト:漫画]] |
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* [[プロジェクト:漫画雑誌]] |
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* [[プロジェクト:ライトノベル]] |
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* [[プロジェクト:アニメ]] |
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* [[プロジェクト:映画]] |
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* [[プロジェクト:特撮]] |
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* [[プロジェクト:放送番組]] |
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* [[プロジェクト:テレビドラマ]] |
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* [[プロジェクト:コンピュータRPG]] |
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* [[プロジェクト:コンピュータゲーム]] |
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* [[プロジェクト:対戦型格闘ゲーム]] |
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* [[プロジェクト:美少女ゲーム系]] |
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[[Category:記事のスタイルのルール|ふいくしよんのきしゆつ]] |
[[Category:記事のスタイルのルール|ふいくしよんのきしゆつ]] |
2012年3月28日 (水) 20:07時点における版
この文書はウィキペディア日本語版のガイドラインです。多くの利用者が基本的に同意しており、従うことが推奨されますが、方針ではありません。必要に応じて編集することは可能ですが、大きな変更を加える場合は、先にノートページで提案してください。 |
編集案内 |
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記事内容のルール |
記事を執筆する |
記事のスタイルのルール |
Wikipedia contains numerous articles on fiction-related subjects, fictional worlds, and elements from them.
ウィキペディアには、フィクションに関連した主題や、フィクションの世界、フィクションに登場する事物といったものを扱う記事が多数存在します。
When an article is created, the subject's real-world notability should be established according to the general notability guideline by including independent reliable secondary sources—this will also ensure that there is enough source material for the article to be comprehensive and factually accurate.
新しい記事が作られるときには、特筆性のガイドラインに従い、独立した信頼できる二次資料を含むことによって、その記事主題の現実世界における特筆性が確立されているべきです。特筆性が確認できるということはまた同時に、その記事主題を包括的に書くために、また事実性に関する正確性を確保するために必要な程度の充分な情報源が存在するということでもあります。
Next, if the subject warrants inclusion in Wikipedia, editors should consider what to write about a subject, and how to best present that information. Because these questions are complementary, they should not be interpreted in isolation from one another, and editors should address both these questions simultaneously in order to create a well-written article.
その主題がウィキペディアの記事になるべき正当な理由があれば、次に編集者は、その主題に関するどのような事柄を記述するべきか、そしてそれらの情報の最適な提示の仕方はどのようなものであるかを考えるべきです。この二つの事柄は相補的な関係にあり、互いを切り離して解釈するべきではありません。そしてよりよい記事を書くためには、編集者はこの二つの問題に同時に取り掛かるべきです。
This page is a guideline, not policy, and it should be approached with common sense and the occasional exception. However, following the basic notions laid out in this guideline is generally a good way to improve articles on fictional topics.
このページはガイドラインであり、方針ではありません。ここに書かれていることを参考にする際には、良識を持ち、また時折の例外の存在を意識しながら行ってください。しかしながらこのガイドラインに書かれている基本的な見解は、一般にフィクションに関する記事を改善するために役立つものと考えられます。
現実世界の観点に立って記述する
Articles about fiction, like all Wikipedia articles, should adhere to the real world as their primary frame of reference. The approach is to describe the subject matter from the perspective of the real world, in which the work of fiction and its publication are embedded. It necessitates the use of both primary and secondary information.
フィクションに関する記事は、ウィキペディアに存在する他のすべての記事と同様に、その第一の基準系が現実世界に置かれているべきです。具体的なアプローチの方法としては、そのフィクション作品と、その出版や公表とがともに含まれるところの現実世界の観点に立って主題を記述する、ということになります。そのためには一次情報と二次情報の両方を情報源として使用することが必要です。
Exemplary aspects of real-world perspective include:
現実世界の観点は典型的には以下のような側面を含みます。
- Careful differentiation between the work of fiction itself and aspects of its production process and publication, such as the impact a work of fiction has had in the real world (see also below) フィクション作品そのものと、その作品の製作過程と、そのフィクション作品が現実世界に及ぼした影響などの発表の側面とを注意深く峻別すること。
- Careful differentiation between narrated time and fictional chronology on the one hand, and narrative time and actual chronology of real-world events on the other (of particular relevance to all film and TV-related topics) 一方で語りの時間と架空の世界の時系列とを注意深く峻別し、他方で物語世界の時間と現実世界の時系列とを注意深く峻別すること(特に映画作品とテレビ番組に関するトピックとに関係します)。
- The presentation of fictional material フィクションの素材の提示方法。
- particularly for film and TV-related topics, this may include cinematographical aspects 特に映画・テレビ関連では、撮影という側面が含まれるでしょう。
- for literature, this may include writing style and literary technique 文学であれば、作風や文体、文芸技法といったことが含まれるでしょう。
- Description of fictional characters, places and devices as objects of the narrative 物語の要素としての、架空の人物、場所、機器に関する解説。
- Making (referenced!) mention of the author's intention 作者の意図の解説(検証可能性に注意)。
See below for a list of exemplary articles which employ a consistent real-world perspective. However, consider that real-world perspective is not an "optional" quality criterion but a general, basic requirement for all articles.
「現実世界の観点」は、すべての記事が備えているべき一般的かつ基本的な基準です。けっして付随的なものではないということに注意してください。
物語世界内の観点に立った記述の問題点
An in-universe perspective describes the narrative from the perspective of characters within the fictional universe, treating it as if it were real and ignoring real-world context and sourced analysis. The threshold of what constitutes in-universe writing is making any effort to re-create or uphold the illusion of the original fiction by omitting real-world info.
物語世界内の観点は、物語をそのフィクション世界内の登場人物の観点から記述するものです。フィクションの出来事をあたかも現実世界の出来事であるかのように扱い、現実世界の文脈や、情報源によって裏付けられた作品に対する評価・分析の存在を無視します。物語世界内の観点に立った記述の発端は、現実世界の情報を排除することによって作品世界の幻影を再創造し、維持しようと種々の努力を払うところから始まります。
Many fan wikis and fan websites (see below) take this approach, but it should not be used for Wikipedia articles. An in-universe perspective is inaccurate and misleading, inviting unverifiable original research. Most importantly, in-universe perspective defies community consensus as to what we do not want Wikipedia to be or become.
多くのファンサイトやファンによって運営されるウィキサイトではこのようなアプローチを取りますが、ウィキペディアの記事ではこのような方法を採用するべきではありません。物語世界内の観点は不正確で誤解を招きやすく、検証不可能な独自研究を招き入れます。何よりもウィキペディアは何ではないかということに関してのコミュニティの合意を無視しています。
Problems associated with an in-universe perspective include:
物語世界内の観点に関する問題点には以下のようなものが含まれます。
- Disregarding all or most aspects of a work of fiction as a creative endeavour フィクション作品の、創作の成果としての側面をほぼあるいは完全に無視すること。
- A plot synopsis written like a historical account 歴史的事実であるかのように書かれたあらすじ。
- Fictography – a fictional character article or section written as if it were a biography 伝記のような形式で書かれた登場人物の記事あるいは節。
- Description of fictional places written like a geographical account 実在の地理のように書かれた架空の土地の解説。
- Using past tense when discussing the plot or any of its elements あらすじやその要素を論じるのに過去形を使うこと。
- Trying to reconcile contradictions or fill gaps in a fictional continuity, rather than reporting them as such 物語に矛盾があったり連続性が絶たれている箇所があるときに、それをそのまま伝えずに想像で補ってしまうこと。
- Discussing a fictional topic's appearances in major works and obscure spin-off material in equal detail メインの作品に登場する事物と、著名でないスピンオフに登場する事物とを同様の詳細さで解説すること。
- Placing spiritual successors in the same continuity as the works that inspired them ある作品に影響を受けている後発の作品を、その作品の続編であるかのように記述すること。
- Using throwaway comments or jokes as a source of information ちょっとしたコメントやジョークを情報源として利用すること。
- Using infoboxes intended for real world topics 現実のものに使われることが想定されている情報テンプレートを架空のものに使用すること。
- Using image captions for film stills and screenshots asserting that what is depicted is the character, rather than a film scene depicting the character 映画のスチールやスクリーンショットに、映画の一シーンとしてではなく、キャラクターの一シーンとしてのキャプションをつけること。
- Referring to the fictional events or dates which occur in the story, rather than the fictional works themselves フィクション作品そのものではなく、物語の中の出来事や日付を参照事項にすること。
- Ordering works by their fictional chronology, rather than the actual order they were published その作品が出版された順序ではなく、物語の時系列にしたがって作品を並べ替えてしまうこと。
一次情報と二次情報
Where the above section discusses the principal perspective from which an article is written and makes the distinction between real-world perspective versus "in-universe" perspective, this section discusses the incorporation of information. Please see also the related policy on the use of primary, secondary, and tertiary sources. [edit] Primary information
上の節では、記事を書く際の基本的な観点の据え方、および現実世界の観点を物語世界内の観点とを明確にすべきであるということについて論じました。この節では記事への情報の編入について論じます。「一次資料」と「二次資料」については関連する方針も参照してください。
一次情報
The term primary information describes information that originates from primary sources about the fictional universe, i.e., the original work of fiction or an affiliated work of fiction (e.g., another episode of the same series). Even with strict adherence to the real-world perspective, writing about fiction always includes using the original fiction itself as a source. See also the sections on fair use and templates.
ここで言う「一次情報」とは、フィクションの世界に関する一次資料に由来する情報、すなわち作品そのもの、あるいはその作品に関連する作品(同じシリーズの別のエピソードなど)に由来する情報を意味します。厳格に現実世界の観点に立って書かれた記事であっても、フィクションに関する記述は常にフィクション作品そのものを情報源として使用します。
Examples of information available in primary sources include:
一次資料における利用可能な情報には以下のようなものがあります。
- the birth and death dates of fictional characters; 登場人物の生没年月日。
- performance statistics or characteristics for fictional vehicles or devices; 架空の乗り物や機器の性能。
- history of fictional locations or organizations; 架空の土地や組織・団体の歴史。
- background information on fictional creatures; and, 架空の生物の素性。
- the plot itself 物語の筋そのもの。
二次情報
The term secondary information describes information external to the fictional universe, and is usually taken from secondary sources (about the work of art or the fictional world) contained therein, or from primary and secondary sources about the author and the circumstances of creation. Publications affiliated with a particular work of fiction (e.g. fan magazines), are mostly not considered suitable secondary sources about the primary works. However, such publications may be suitable primary or secondary sources in an article about the fan publication itself or other related topics.
「二次情報」とは、フィクションの世界に対して外部に位置する情報のことです。二次情報は通常、創作作品やフィクション世界に関する二次資料、あるいは作者ないし製作の周辺事情に関する一次ないし二次資料から引き出されます。「公式ファンブック」のように、あるフィクション作品に商業的に結びついて出された出版物は、ほとんどの場合その作品に関する適切な二次資料とはみなされません。しかしながら、そのような出版物はファンブックそのものに関する記事、あるいは別の関連するトピックに関する記事においては、適切な一次ないし二次資料となりうるかもしれません。
The rule of thumb is to use as much secondary information as necessary and useful to give the article a real-world perspective, not more and not less. Another rule of thumb is that if the topic is notable, secondary information should be available and possibly already in the article.
経験則として、二次情報は記事に現実世界の観点を与えるのに必要かつ役立つかぎりにおいて過不足なく使用するのが適切です。また別の経験則として、ウィキペディアの記事にするために必要な特筆性を満たすトピックなのであれば、必ず利用可能な二次情報が存在しているはずであり、望むらくはすでに記事の中に含まれているべきです。
Examples of useful information typically provided by secondary sources about the original work, or primary and secondary sources about information external to the work:
二次資料によってもたらされる有益な情報、または作品の外部に位置する一次ないし二次資料には以下のようなものがあります。
- the author or creator 著者や製作者。
- other key figures of the creation process, e.g., the cinematographer for films or notable translators for novels その他の作品制作関係者。映画の撮影者や小説の著名な翻訳者など。
- the film or software company or publishing house 映画・ソフトウェアの製作・販売会社や出版社。
- the design デザイン。
- the development, both before its first appearance and over the course of the narrative 作品の発表以前から、物語の進行までをふくむ作品展開。
- real-world factors that have influenced the work or fictional element 作品や作中の物事に影響を与えた現実の事物。
- for a fictional character in a dramatic production, the actor who portrayed the role and their approach to playing that character 映画、ドラマへの翻案であれば、俳優、および俳優のその役へのアプローチの仕方。
- foreign translations 別の言語への翻訳。
- its popularity among the public 公衆の間での人気。
- its sales figures (for commercial offerings) 売り上げの数値。
- its reception by critics 批評家の間での評価。
- a critical analysis of the subject 主題の批評的な分析。
- the influence of the work on later creators and their projects 他の作家や作品への影響。
文脈の提示
There are generally two possible issues to be considered: The context of the production and the context of the original fiction. Whenever the original fiction itself is the subject of the article, all out-of-universe information needs to be set in the context of that original fiction (e.g., by including a plot summary). When the article concerns, e.g., a documentary about that original fiction, then it would not necessarily be important to discuss the content of the original source material.
一般的に、考慮されるべき二つの論点が存在すると考えられます。製作側の文脈と作品側の文脈です。フィクション作品そのものが記事の主題になっている場合であれば、すべての物語世界外の情報は(例えば作品の「あらすじ」を記事に含めたりすることによって)作品側の文脈に位置づけられていなければなりません。もっとも記事が扱っているものが、例えばあるフィクション作品の製作についてのドキュメンタリーであるような場合であれば、必ずしももとのフィクション作品そのものの内容を記事の中で論じる必要はないでしょう。
Details of creation, development, etc. relating to a particular fictional element are more helpful if the reader understands the role of that element in the story. This often involves providing plot summaries, character descriptions or biographies, or direct quotations. By convention, these synopses should be written in the present tense, as this is the way that the story is experienced as it is read or viewed (see also WP:TENSE). At any particular point in the story there is a 'past' and a 'future', but whether something is 'past' or 'future' changes as the story progresses. It is simplest and conventional to recount the entire description as continuous 'present'.
物語の筋、登場人物、作品の舞台といった、フィクションの中の特定の要素に関わる創作の経緯や進展の詳細は、その要素が物語の中でどのような役割を果たしているのかを読者が理解できるのであればより有用な情報になります。これにはしばしば物語の要約の提示や、登場人物の概略、作中の文言の引用などが伴います。慣習的に、こうした梗概を書く際には、実際に作品を読んだり視聴したりする際の物語の経験に対応する時制である現在形を基本とした文体が使用されます。物語の中では、ある特定の時点で「過去」であったり「未来」であったりしても、何が「過去」で何が「未来」かは物語が進むにつれて変化していきます。そのため全体の説明を持続する「現在」として統一するのがもっとも簡便で一般的な方法なのです。
Presenting fictional material from the original work is fine, provided passages are short, are given the proper context, and do not constitute the main portion of the article. If such passages stray into the realm of interpretation, secondary sources must be provided to avoid original research.
フィクション作品の記事の中で作中の素材を紹介することは、それが短い文章で、適切な文脈に組み入れられており、かつ記事の主要な部分になってしまわない限りはよいことです。そのような部分がもし解釈の領域にまで踏み込んでしまう場合には、独自研究を避けるために二次資料を提示することが必要になります。
物語の要約
Plot summaries can be written from the real-world perspective by referring to specific works or parts of works ("In the first book", "In Act II") or describing things from the author or creator's perspective ("The author introduces", "The story describes"). This gives the summary a more grounded tone and makes it more accessible to those unfamiliar with the source material. This style of writing should be preferred for plot summaries that encompass multiple works, such as a series of novels. Such conventions are not as important for plot summaries of single works, such as novels that are not part of a series; nevertheless, some real-world language at the beginning of such summaries is often good style. The length of a plot summary should be carefully balanced with the length of the other sections. Strictly avoid creating pages consisting only of a plot summary.
物語の要約(あらすじ)は、作品構成に具体的に言及して参照を行ったり(「第一巻では・・・」「第二章からは・・・」)、著者・製作者の視点から記述したり(「作者はここで物語を・・・」「物語はこのように・・・」)することによって、現実世界の観点から書くことが可能です。これによって要約はより根拠付けられた調子になり、また作品を知らない人々を実際の情報源に近づきやすくすることができます。この書き方はシリーズ小説や長期連載漫画などの長い作品のあらすじをまとめるときに特に有効になりますが、一巻で完結する小説や単発の映画作品といった短いものであればそれほど重きを置かなくてもよいでしょう。いずれにしても、こうした要約のはじめに現実世界の観点に立った何らかの言葉を置くことはおおむね良い方法です。あらすじの長さは記事の中のほかの節の長さとの間で注意深くバランスを取ってください。ほとんどあらすじしかない記事、あるいはあらすじと登場人物など作品世界の解説しか存在しない記事の作成は努めてしないようにしてください。
記事の分割
Sometimes, when an article gets long (see Wikipedia:Article size), a section of the article is made into its own article, and the handling of the subject in the main article is condensed to a brief summary. This is completely normal Wikipedia procedure; see for example Wikipedia:Summary style, which explains the technique. The new article is sometimes called a "spinout" or "spinoff" of the main article. For fictional works, these spinout articles are typically lists of characters or other elements that usually rely on the coverage of the parent topic, and may lack demonstration of real-world coverage through sources dedicated specifically to those elements (see Wikipedia:Lists). Very rarely should such spinout articles be about a singular topic (e.g., character, plot item); either that topic has demonstrated its own notability, or should be merged into the main article or existing spinout articles.
記事が長くなると、記事の中の節を一つの記事として独立させ、もとの記事のなかではより簡潔な要約にしておく場合があります(Wikipedia:ページの分割と統合を参照)。分割された記事を元の記事に対して子記事あるいは分割記事と呼びます。フィクション作品の場合では、子記事は概して登場人物のリストや他の物語の要素のリストであり、それらの子記事はしばしば情報源を通しての現実的な観点を欠いています。特定の一人の登場人物や、作中のある一つの道具を独立した記事にすることは非常に稀なケースであるべきです。こうした場合にはその個々の事物に、元の作品とは独立した特筆性があるということが情報源によって示されねばなりません。それができない場合には元の記事に統合するか、あるいはすでに存在する別の子記事に統合するべきです。
The spinout article should concisely provide details of the topic or topics covered in the work – just because the spinout article is given more space to grow does not mean that excessive plot summaries or fictional character biographies are appropriate. As with other fictional works, the spinout article should be written in an "out-of-universe" style. As with all other Wikipedia articles, the spinout article needs to be verifiable, must possess no original research, and must reflect a neutral point of view.
子記事ではその作品内の特定のトピックの詳細を簡潔な仕方で提示してください。分割によって書く余地が与えられたからといって、過剰に詳細なあらすじや架空の人物の詳細な伝記を書いていいということにはなりません。他のフィクション作品の記事と同様に、フィクション作品の子記事は「作品世界外の観点」に立って記述されるべきです。そして他のウィキペディア上の記事と同様に、子記事も検証可能性を満たしていなければならず、独自研究を含んではならず、そして中立的な観点が保たれていなければなりません。
エピソード一覧の分割
「各話のエピソード一覧」のようなものが長くなるようであれば、他のセクションとの分量のバランスをとるため、小説や漫画では各巻単位、ドラマやアニメでは各話単位で内容をまとめ、「○○のエピソード一覧」といった名称でスピンアウト記事を作成することを検討してください。
こうした形式で作成された一覧記事の例は以下のカテゴリなどで参照できます。
- Category:エピソード一覧
- en:Category:Lists of novels(英語)
- en:Category:Lists of manga chapters(英語)
- en:Category:Lists of anime episodes(英語)
- en:Category:Lists of television series episodes(英語)
- en:Category:Television episodes by series(英語)
トリビア
トリビア的な雑多で瑣末な内容の記述は避けるべきです。こうした記述は主題の特性を理解するには役に立たず、記事の全体的なバランスを損ないます。特に箇条書きのような形式は冗長化を招きやすくなります。また分量が増えても分割して単独の記事として成立するだけの特筆性はほとんど見込めません。
特筆性
There are notability prerequisites to be met by all subjects to warrant articles specifically about them. As mentioned earlier, the rule of thumb is that if the topic is sufficiently notable, secondary sources should be available and should ideally be included on article creation.
Wikipedia:特筆性には、記事の主題となるものが備えているべき特筆性の条件が示されています。前述したように、経験則として、あるトピックが充分に特筆すべき事柄なのであれば、適切な二次資料が存在するはずであり、また理想的には、記事が作成されたときにすでに二次資料が含まれているべきです。
正確さとバランス
It is not only important that articles be written from a neutral point of view and that they give due weight to all aspects of the subject but also that appropriate weight be given to all elements of the article page, including, e.g., infoboxes and succession boxes as well as images and the text. The goal is to attain the greatest possible degree of accuracy in covering the topic at hand, which is also the basic rationale behind discouraging, e.g., disproportionately long plot summaries and in-universe writing.
記事を中立的な観点に立って、その主題のすべての側面をそれぞれの重要度に応じてバランスよく書くということはむろん重要ですが、記事本文以外の記事の要素、すなわち情報テンプレートやそれ以外のテンプレート、画像やそのキャプションといったものについても適切なバランスを考慮してください。目標は記事主題に対して可能な限りの精度を達成することであり、このことはまた、バランスを欠いた長すぎるあらすじや物語世界内の視点によって書かれた文章を排除するべき根本的な理由でもあります。
結論
When writing about fiction, keep the following in mind:
フィクションに関連する記述では、以下のことに注意してください。
- The principal frame of reference is always the real world, in which both the work of fiction and its publication are embedded: write from a real-world perspective; 記述の第一の基準系は、フィクション作品とその出版とがともに含まれるところの現実世界におかれる必要があります。現実世界の観点に立って記述してください。
- Both primary and secondary information is necessary for a real-world perspective: maintain a balanced use of both primary and secondary sources; 現実世界の観点には一次情報と二次情報の双方が必要になります。一次資料と二次資料をバランスよく使用してください。
- Unpublished personal observation and interpretation of the article's subject and primary sources are not acceptable on Wikipedia: avoid original research; 個人の見解・記事主題に対する解釈・一次情報源は、未出版であったり広く公表されていないものは使用できません。独自研究を避けてください。
- All included information needs to be verifiable and derive from and be supported by reliable sources, and all sources (including the primary sources) need to be appropriately cited in the article: reference all information and cite your sources; 記事中のすべての情報は信頼できる情報源に基づいた検証可能なものである必要があります。またすべての情報源(一次資料を含む)は記事の中で適切に参照されていなければなりませせん。すべての情報に情報源を明示してください。
- All relevant aspects must be given due weight in all elements of the article page, including text, images, elements of layout and even the article title: give weight where weight is due; 本文ばかりでなく、画像、テンプレート、記事のタイトルなど記事のすべての要素に対して相応な注意を払ってください。記事のバランスに注意してください。
- Readability and comprehensibility: put all information into context with the original fiction; 読みやすさと包括性。すべての情報を当のフィクション作品の文脈に位置づけてください。
- Check with the image use policy before adding images to any article;
- Avoid creating lists of trivia; instead, incorporate relevant information into the body of the article; トリビアのリストを作らないでください。その代わりに記事本文の中に関連する情報を加筆してください。
- Wikipedia's fair-use policy: the amount of copyrighted work used should be as little as possible.
インフォボックス
通常、記事の右上部分に置かれているインフォボックスのテンプレートはテーブル形式で記事の主題についての重要なデータを提供します。フィクション関連の主題において役立つデータとしては、作者や役者、初出などがあり、あるいは作品の世界観を理解するのに(説明するのに)「不可欠」な情報があると思われます。不可欠だとみなされるものは作品の性質によって異なります。ストーリーやシリーズの異なったポイントによって事実が変化する項目は、世界の情報として記載することは全く適していないかもしれません。対照的に、複数の勢力がいる作品での登場人物のインフォボックスでは、その人物の所属勢力を示すデータは有用かもしれません。
上記、雑多な内容でも述べられたように、インフォボックスでも同じくトリビア的な詳細は避けられるべきです。実在する俳優のインフォボックスには「好きな食べ物」や「趣味」といった項目は存在しません。こうした詳細は主題の重要な特性を理解する際には読者の助けにはなりません。また同様に、設定やバックストーリーとして存在する細かい情報を掘り下げたようなデータを載せることは避けるべきです。このような理由で、現実に存在するものへの使用が意図されたインフォボックスを、よく似たフィクションの主題に適用すべきではありません。例えば実在する企業の記述に重要なデータはフィクションの企業にとっては脱線したものであるかもしれません。マイクロソフトの年商は重要なデータですが、架空の企業がxxxx年にxxx億を稼いだといったデータはおそらく重要ではないでしょう。