コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「グリーンビル (サウスカロライナ州)」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m ボット: 言語間リンク 20 件をウィキデータ上の (d:Q574192 に転記)
教育: Roper Mountain Science Centerについて出典元から書き下ろして追記
(同じ利用者による、間の18版が非表示)
1行目: 1行目:
{{世界の市
[[ファイル:Greenvillenightskyline.jpg|thumb|夜景]]
|正式名称= グリーンビル市
'''グリーンビル'''(Greenville)は、[[アメリカ合衆国]][[サウスカロライナ州]]の[[都市]]。[[グリーンビル郡 (サウスカロライナ州)|グリーンビル郡]]の[[郡庁所在地]]。人口56,006人(2000年統計)。
|公用語名称= City of Greenville
|愛称=
|標語=
|画像= Greenvillenightskyline.jpg
|画像サイズ指定= 250px
|画像の見出し= グリーンビルのダウンタウンの夜景
|市旗=
|市章=
|位置図= SCMap-doton-Greenville.PNG
|位置図サイズ指定= 200px
|位置図の見出し= サウスカロライナ州におけるグリーンビルの位置
|下位区分名= [[アメリカ合衆国]]
|下位区分種類1= 州
|下位区分名1= [[サウスカロライナ州]]
|下位区分種類2= 郡
|下位区分名2= [[グリーンビル郡 (サウスカロライナ州)|グリーンビル郡]]
|最高行政執行者称号=
|最高行政執行者名=
|成立区分= 創設
|成立日= 1797年<br />(プレザントバーグとして)
|規模= 市
|総面積(平方キロ)= 67.6
|総面積(平方マイル)= 26.1
|陸上面積(平方キロ)= 67.3
|陸上面積(平方マイル)= 26.0
|水面面積(平方キロ)= 0.3
|水面面積(平方マイル)= 0.1
|水面面積比率=
|市街地面積(平方キロ)=
|市街地面積(平方マイル)=
|都市圏面積(平方キロ)=
|都市圏面積(平方マイル)=
|人口の時点 = 2010年
|人口に関する備考=
|総人口= 58,409
|人口密度(平方キロ当たり)= 2,246.5
|人口密度(平方マイル当たり)= 867.9
|都市圏人口= 1,362,073
|都市圏人口密度(平方キロ)=
|都市圏人口密度(平方マイル)=
|市街地人口=
|等時帯= [[東部標準時]]
|協定世界時との時差= -5
|夏時間の等時帯= [[東部夏時間]]
|夏時間の協定世界時との時差= -4
|緯度度= 34 |緯度分= 50 |緯度秒= 40 |N(北緯)及びS(南緯)= N
|経度度= 82 |経度分= 23 |経度秒= 8 |E(東経)及びW(西経)= W
|標高(メートル)= 294
|標高(フィート)= 966
|公式ウェブサイト= http://www.greenvillesc.gov
|備考=
}}
<!-- 以上Infobox。これより下記事本文。-->


'''グリーンビル'''('''Greenville''')は、[[アメリカ合衆国]][[サウスカロライナ州]]北西部に位置する都市。[[アパラチア山脈]]東麓の[[ピードモント台地]]上、[[アトランタ]]と[[シャーロット (ノースカロライナ州)|シャーロット]]のほぼ中間に位置する。人口は58,409人([[2010年]][[国勢調査]])<ref name="FactFinder">[http://factfinder2.census.gov/main.html American FactFinder]. U.S. Census Bureau. 2011年2月4日. 2011年4月5日閲覧.</ref>で、[[コロンビア (サウスカロライナ州)|コロンビア]]、[[チャールストン (サウスカロライナ州)|チャールストン]]、[[ノースチャールストン (サウスカロライナ州)|ノースチャールストン]]、[[マウントプレザント (サウスカロライナ州)|マウントプレザント]]、[[ロックヒル (サウスカロライナ州)|ロックヒル]]に次ぐ州第6の都市である。グリーンビルに郡庁を置く[[グリーンビル郡 (サウスカロライナ州)|グリーンビル郡]]を中心に、[[アンダーソン (サウスカロライナ州)|アンダーソン]]を含み、4郡にまたがる都市圏は824,112人、近隣の[[スパータンバーグ (サウスカロライナ州)|スパータンバーグ]]都市圏、および3つの小都市圏をあわせた広域都市圏は1,362,073人(いずれも2010年国勢調査)<ref name="FactFinder" />の人口を抱え、ともに州内最大である。
1797年にプレザントバーグ村(Pleasantburg)として興った。まもなく[[アメリカ独立戦争]]の英雄[[ナサニエル・グリーン (軍人)|ナサニエル・グリーン]]にあやかってグリーンビルに改称され、1831年には[[町]]に昇格した。1850年代には[[ファーマン大学]]が移転するなど急速な発展を遂げ、1869年2月に[[市]]になった。


グリーンビルは[[アップステート・サウスカロライナ]]と呼ばれる、州北西部の丘陵地帯に位置する10郡にまたがる地域における、経済・教育・文化の中心である。[[20世紀]]初頭には、市は繊維産業の中心地として発展した。また、世界的なタイヤメーカーである[[ミシュラン]]は北米本部をグリーンビルに置いている<ref>[http://careers.michelin-us.com/why/about/ About Michelin]. Michelin. 2013年6月9日閲覧.</ref>。教育面では、グリーンビルにキャンパスを構える[[ファーマン大学]]をはじめ、アップステート・サウスカロライナ地域の大学が参加しているコンソーシアムがその本部をグリーンビルに置いている。
市は州間高速道路85号線の沿線上にある。南西に[[アトランタ]]、北東に[[シャーロット]]と二つの大都市圏と接続しており、その中継点として目覚ましい発展を遂げている。市域人口はわずか6万人に過ぎないが、都市圏人口はおよそ65万人である。更にCSAでの換算によると127万人の大都市圏を形成するため、最も市域人口と都市圏人口の人口較差が発生している。


== 歴史 ==
産業は伝統的にテキスタイルを初めとする繊維工業が盛んであったが、今日では[[GE]]のタービン工場、[[ミシュラン]]、[[BMW]]の米国拠点が置かれるなど機械、化学産業の発展が著しい。
[[File:GreenvilleSC NathanielGreene.jpg|left|thumb|260px|ダウンタウンに立つナサニエル・グリーン像]]


[[1663年]]、[[イングランド]]王[[チャールズ2世 (イングランド王)|チャールズ2世]]は、[[カロライナ植民地]]を8つに分け、8人の貴族にそれぞれ土地を与えた。今日のグリーンビルがあるこの地はベンジャミン・ノーウッド4世に与えられた<ref>Welch, John W. and Stephen D. Ricks, eds. ''King Benjamin's Speech: "That Ye May Learn Wisdom"'' pp.1-22. Provo, Utah: FARMS. 1998年.</ref>。しかし、ノーウッド4世は[[アヘン]]中毒で悪名高く、複数の愛人を持ち、その統治も腐敗に満ちていた<ref>Morgan, H. Wayne.''DRUGS IN AMERICA: A SOCIAL HISTORY, 1800-1980''. Syracuse University Press, 1981年.</ref>。ノーウッド4世による植民地統治が失敗に終わった後、この地はイングランド王室に戻された。
==教育==
*[[ボブ・ジョーンズ大学]]
*[[ファーマン大学]]


[[1763年]]に[[パリ条約 (1763年)|パリ条約]]が結ばれ、[[フレンチ・インディアン戦争]]が終結すると、この地はネイティブ・アメリカンの[[チェロキー]]族のものとされ、白人は原則立ち入り禁止とされた。しかし実際には、既にこの地に入植した白人が数家族あり、白人の交易商人がこの地を日常的に行き交っていた。この地に初めて恒久的に入植した白人はリチャード・ペアリスであった。ペアリスはチェロキー族の女性と結婚し、チェロキー族の所有する土地の一部を分け与えられていた。ペアリスに分け与えられた土地の中には、今日のグリーンビル市域や、その北に広がるパリス・マウンテンが含まれていた<ref name="gcscabout">[http://www.greenvillecounty.org/About_Us.asp About Us]. Greenville County, South Carolina. 2013年6月5日閲覧.</ref>。[[アメリカ独立戦争|独立戦争]]においては、ペアリスとチェロキー族は[[イギリス]]側についた。終戦後、チェロキー族はデウィッツ・コーナー条約に従って、この地をサウスカロライナ州に割譲した。
==出身著名人==
*[[ジョー・ジャクソン (野球)|ジョー・ジャクソン]]
*[[ドロシー・アリソン (作家)|ドロシー・アリソン]]
*[[ジム・デミント]](上院議員)


今日のグリーンビル市は、もともとは[[1797年]]に創設されたプレザントバーグという名の村であったが、[[1831年]]に現称のグリーンビルに改名された<ref>[http://www.southcarolinagenealogy.org/south-carolina-counties/greenville/ Greenville County Genealogy]. ''South Carolina Genealogy''. 2013年6月5日閲覧.</ref><ref name="electricscotland">[http://www.electricscotland.com/history/america/counties/greenville.htm Greenville County, South Carolina]. ''American History''. electricscotland.com. 2013年6月5日閲覧.</ref>。このグリーンビルという名は、独立戦争で戦績を挙げた大陸軍少将[[ナサニエル・グリーン (軍人)|ナサニエル・グリーン]]、もしくは初期の入植者であったアイザック・グリーンにちなんでつけられたと考えられている<ref name="gcscabout" /><ref name="electricscotland" />。
==参考文献==
*{{Citation|title = History of the City of Greenville|publisher = City of Greenville|url = http://www.greenvillesc.gov/neighborhoods/historic_greenville.asp}}


[[1853年]]には鉄道が開通し、グリーンビルの成長が促された。[[南北戦争]]中には、グリーンビルには病院が置かれ、地元の女性が負傷した南軍兵士の治療にあたった<ref name="electricscotland" />。南北戦争後、[[1869年]]2月には、サウスカロライナ州議会の議決により、グリーンビルは町から市に昇格した。
==外部リンク==

*[http://www.greenvillesc.gov/ 公式サイト]
[[20世紀]]初頭には、グリーンビルは繊維産業の中心地として発展した。その最中、[[1917年]]には、サザン・テクスタイル・エクスポジション社が繊維製品や機械の展示に用いる建物として、オールド・テクスタイル・ホールが建てられた。この建物は[[1962年]]まで使われ、グリーンビルとその周辺地域における繊維産業の発展の象徴となってきた。オールド・テクスタイル・ホールは[[1980年]]に[[アメリカ合衆国国家歴史登録財|国家歴史登録財]]に指定された。しかし、その後取り壊され、[[2000年]]に国家歴史登録財から除去された<ref>[http://nationalregister.sc.gov/greenville/S10817723998/index.htm National Register Properties in South Carolina: Old Textile Hall, Greenville County (322 West Washington St., Greenville)]. South Carolina Department of Archives and History. 2013年6月6日閲覧.</ref>。

[[第一次世界大戦]]中には、グリーンビルには陸軍新兵の訓練場が置かれた。やがてこの訓練場は[[第二次世界大戦]]中にドナルドソン空軍基地となり、軍需産業でグリーンビルの地域経済を潤した。[[1960年代]]に入ってこの空軍基地の敷地がグリーンビル市当局に返還されると、その後は民間の航空貨物や、その他航空関連の産業拠点として転用された<ref>[http://www.donaldsoncenter.com/ Donaldson Center Industrial Air Park]. 2013年6月6日閲覧.</ref>。

== 地理 ==
[[File:Greenville-Spartanburg-Anderson CSA.png|right|thumb|300px|'''グリーンビル・スパータンバーグ・アンダーソン広域都市圏'''
{{legend|#FF0000|グリーンビル・アンダーソン・モールディン都市圏}}
{{legend|#0000FF|スパータンバーグ都市圏}}
{{legend|#00FF00|グリーンウッド小都市圏}}
{{legend|#FFFF00|セネカ小都市圏}}
{{legend|#FF00FF|ガフニー小都市圏}}
]]

グリーンビルは{{ウィキ座標度分秒|34|50|40|N|82|23|8|W|}}に位置している。州都[[コロンビア (サウスカロライナ州)|コロンビア]]からは北西へ約160km、[[シャーロット (ノースカロライナ州)|シャーロット]]からは西南西へ約160km、[[アトランタ]]からは北東へ約230kmである。市域は[[アパラチア山脈]]の東麓、[[ピードモント台地]]上に広がっており、小高い丘が多数あり、起伏に富んでいる。市中心部から北へ約10kmほどのところには、パリス・マウンテンと呼ばれる、州立公園にも指定されている標高600mほど<ref>Giffen, Morrison. ''South Carolina: a guide to backcountry travel & adventure''. pp.72–75. Asheville, North Carolina: Out There Press. 1997年. ISBN 0-9648584-2-8.</ref>の低山がそびえている。市の標高は294mである。

[[アメリカ合衆国国勢調査局]]によると、グリーンビル市は総面積67.6km<sup>2</sup>(26.1mi<sup>2</sup>)である。そのうち67.3km<sup>2</sup>(26.0mi<sup>2</sup>)が陸地で0.3km<sup>2</sup>(0.1mi<sup>2</sup>)が水域である。総面積の0.38%が水域となっている。グリーンビル、および近隣の[[スパータンバーグ (サウスカロライナ州)|スパータンバーグ]]・[[アンダーソン (サウスカロライナ州)|アンダーソン]]の3市を中心とした都市圏(正式名称: グリーンビル・スパータンバーグ・アンダーソン広域都市圏)はアップステート・サウスカロライナの10郡をすべて含む。この都市圏の面積は15,611km<sup>2</sup>で、サウスカロライナ州土の約1/5を占め、日本の[[岩手県]]の面積にほぼ匹敵する。

=== 気候 ===
グリーンビルの気候は、四季がはっきりしており、蒸し暑い夏、概ね温暖なものの時折寒くなる冬、および過ごしやすい春と秋に特徴付けられる。最も暑い7月の平均気温は26℃、最高気温の平均は31.5℃で、月の約半分は最高気温が32℃([[華氏]]90度)を超える。最も寒い1月の平均気温は5℃、最低気温の平均は氷点下0.5℃で、月の約半分は最低気温が氷点下に下がる。降水量は1年を通じて平均しており、月間90-130mm程度である。12月から3月にかけては、月間1-5cm程度の降雪が見られる。年間降水量は1,250mm程度である<ref name=weatherbase />。[[ケッペンの気候区分]]では、グリーンビルは[[アメリカ合衆国東海岸]]や[[アメリカ合衆国南部|南部]]に広く分布している[[温暖湿潤気候]](''Cfa'')に属する。

{| class="wikitable" style="width: 80%; text-align:center; margin: 0 auto 0 auto;"
|+ '''グリーンビルの気候'''<ref name=weatherbase>[http://www.weatherbase.com/weather/weather.php3?s=21327&refer=&units=us Historical Weather for Greenville, South Carolina, United States of America]. Weatherbase. 2013年6月6日閲覧.</ref>
|-
!
! [[1月]] !! [[2月]] !! [[3月]] !! [[4月]] !! [[5月]] !! [[6月]] !! [[7月]] !! [[8月]] !! [[9月]] !! [[10月]] !! [[11月]] !! [[12月]] !! 年
|-
! 平均気温([[摂氏|℃]])
| 5.1 || 6.6 || 11.1 || 15.7 || 20.0 || 24.1 || 25.9 || 25.3 || 21.9 || 15.9 || 10.8 || 6.4 || 15.7
|-
! 降水量([[ミリメートル|mm]])
| 101.6 || 101.6 || 129.5 || 91.4 || 104.1 || 109.2 || 116.8 || 106.7 || 99.1 || 94.0 || 91.4 || 101.6 || 1,247.0
|}

=== 都市概観 ===
[[File:Landmark Tower, Greenville, SC.jpg|left|thumb|250px|ランドマーク・ビルディング]]

起伏に富んだ丘陵地帯に広がるグリーンビルの街路は、ダウンタウンでこそ比較的整然としているものの、市域の大部分においては入り組んでいる。東西に通る街路はメイン・ストリートを境にW(西)とE(東)に分かれている。南北に通る街路はワシントン・ストリートを境にN(北)とS(南)に分かれている。

ダウンタウンは東西約1km、南北約2kmの範囲に収まっている。ダウンタウンのすぐ南を流れるリーディー川には自然の滝があり、その周囲はフォールズ・パーク・オン・ザ・リーディーという公園として整備されている(後述)。[[1960年代]]に始まったダウンタウン再開発の成果や、都市圏で見るとかなりの人口を抱えていることもあって、グリーンビルのダウンタウンには約6万人という市域人口の割には中高層の建築物が比較的多く建っている。グリーンビルで最も高い建物は、[[1966年]]に完成した22階建て、高さ93mのランドマーク・ビルディングで<ref>[http://www.emporis.com/building/landmarkbuilding-greenville-sc-usa Landmark Building]. Emporis. 2013年6月6日閲覧.</ref>、ダウンタウン北部、スプリングウッド墓地の向かいに建っている。

[[File:Greenville County Courthouse.jpg|right|thumb|180px|グリーンビル郡地方裁判所]]

== 政治 ==
グリーンビルは[[シティー・マネージャー制]]を採っている。シティー・マネージャーは市の行政の最高責任者で、市議会の任命によって就任し、市政府の日常業務から市の予算案作成まで、市の行政実務全般に責任を負う。市政府の職員は直接的もしくは間接的にシティー・マネージャーに報告することになる<ref>[http://www.greenvillesc.gov/CityCouncil/FormofGovt.aspx Form of Government]. City of Greenville. 2013年6月7日閲覧.</ref>。

市の立法機関である市議会は市長および6人の市議員から成っている。市議員のうち4人は市を4つに分けた小選挙区から1名ずつ選出され、残りの2名が全市から選出される。市長は全市から選出される。市長、市議員とも、その任期は4年である。市議員は2年ごとに、小選挙区枠の半数にあたる2名、および全市枠の半数にあたる1名がそれぞれ改選される<ref>[http://www.greenvillesc.gov/CityCouncil/default.aspx City Council]. City of Greenville. 2013年6月7日閲覧.</ref>。

== 交通 ==
[[File:KGSP Greenville Spartanburg 001.jpg|left|thumb|250px|グリーンビル・スパータンバーグ国際空港]]

グリーンビルを中心とするアップステート・サウスカロライナの玄関口となる商業空港は、市の中心部から東へ約16km、グリーンビルとスパータンバーグのほぼ中間に立地する[[グリーンビル・スパータンバーグ国際空港]]([[IATA空港コード|IATA]]: '''GSP''')である<ref>[http://www.gcr1.com/5010web/airport.cfm?Site=GSP Greenville Spartanburg Int'l]. ([http://www.gcr1.com/5010web/REPORTS/AFD05022013GSP.pdf Form 5010]) ''Airport Master Record''. Federal Aviation Administration. 2013年5月2日. 2013年6月8日閲覧.</ref>。同空港には3大航空会社([[デルタ航空]]・[[ユナイテッド航空]]・[[アメリカン航空]])の各ハブ空港からの便が就航しているほか、[[USエアウェイズ]]による[[シャーロット・ダグラス国際空港|シャーロット]]、[[フィラデルフィア国際空港|フィラデルフィア]]、ワシントンD.C.([[ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港|ナショナル]])への便や[[アレジャイアント航空]]による[[フロリダ州|フロリダ]]方面への便も発着している<ref>[http://www.gspairport.com/Pages/FlightInformation/flightSchedule.aspx Flight Schedule]. GSP International Airport. 2013年6月8日閲覧.</ref>。グリーンビル市内にも、ダウンタウンの東約5.5km<ref>[http://www.gcr1.com/5010web/airport.cfm?Site=GMU Greenville Downtown]. ([http://www.gcr1.com/5010web/REPORTS/AFD05022013GMU.pdf Form 5010]) ''Airport Master Record''. Federal Aviation Administration. 2013年5月2日. 2013年6月8日閲覧.</ref>にグリーンビル・ダウンタウン空港(IATA: '''GMU''')があるが、こちらは[[ゼネラル・アビエーション]]と呼ばれる、自家用機やチャーター機、ビジネスジェットの発着が主になっている、規模の小さい空港である。

[[州間高速道路]][[州間高速道路85号線|I-85]]は市の南東を北東-南西に通っている。I-85はピードモント台地を貫く幹線で、北へは[[リッチモンド (バージニア州)|リッチモンド]]や[[シャーロット (ノースカロライナ州)|シャーロット]]へ、南へは[[アトランタ]]や[[モントゴメリー (アラバマ州)|モントゴメリー]]へと通じている。I-85の支線であるI-185は市の南西部からI-85本線を交差し、南郊外を回る半環状線となっている。もう1本の支線であるI-385はダウンタウンの東からI-85本線を交差し、南東郊の[[ローレンス郡 (サウスカロライナ州)|ローレンス郡]]で[[州間高速道路26号線|I-26]]に合流し、州都[[コロンビア (サウスカロライナ州)|コロンビア]]や[[チャールストン (サウスカロライナ州)|チャールストン]]へと通ずる短絡路となっている。

[[アムトラック]]の駅はダウンタウンの北西約2kmにあり、ピードモント台地を貫いて[[ニューヨーク]]と[[ニューオーリンズ]]を結ぶ[[クレセント (列車)|クレセント]]号が北行、南行とも1日1便停車する<ref>[http://www.amtrak.com/ccurl/572/728/Crescent-Schedule-011413.pdf Crescent]. Amtrak. 2013年1月14日. 2013年6月8日閲覧.</ref>。

市内の公共交通機関としては、グリーンビル市政府が運営する、グリーンリンクの[[路線バス]]が主となっている。この路線バス網は11系統を有し、市内および周辺をカバーしている<ref>[http://www.greenvillesc.gov/RideGreenlink/forms/GreenvilleTransitMap_AllRoutes.pdf Map of all routes]. Greenlink, City of Greenville. 2013年6月8日閲覧.</ref>。

== 教育 ==
[[File:Furman-Belltower2.jpg|right|thumb|180px|ファーマン大学]]

[[ファーマン大学]]はグリーンビルのダウンタウンの北西約10kmに750[[エーカー]](3,034,500m<sup>2</sup>)のキャンパスを構えている。同学は[[1826年]]に創立した私立の[[リベラル・アーツ・カレッジ]]で、アップステート・サウスカロライナでは最古、サウスカロライナ州全体でも[[チャールストン大学]]、[[サウスカロライナ大学]]コロンビア校に次いで3番目に長い歴史を持っている<ref>[http://www2.furman.edu/about/about/OurHistory/Pages/default.aspx Our History]. Furman University. 2013年6月9日閲覧.</ref>。同学は42の専攻プログラムを提供し、学生数は約2,700人、学生対教授の比は11:1、クラスサイズの平均は19人という、リベラル・アーツ・カレッジの特徴とも言える少数精鋭制の教育を行っている<ref>[http://www2.furman.edu/about/about/FactsandFigures/Pages/default.aspx Facts and Figures]. Furman University. 2013年6月9日閲覧.</ref>。同学は全米のリベラル・アーツ・カレッジの中で上位50位以内に入る評価を受けている<ref name="USNews_BestColleges_NL_p5">[http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/rankings/national-liberal-arts-colleges/page+5 Best Colleges 2013: National Liberal Arts College Rankings]. p.5. ''U.S. News & World Report''. 2012年. 2013年6月9日閲覧.<br />2013年版(2012年発行)では49位であった。</ref>。同学のスポーツチーム、パラディンズは[[全米大学体育協会|NCAA]]ディビジョンI(フットボールはチャンピオンシップ・サブディビジョン/旧I-AA)のサザン・カンファレンスに所属し、男子10種目、女子10種目で競っている<reF>[http://www2.furman.edu/athletics/athletics/VarsityAthletics/Pages/default.aspx Varsity Athletics]. Furman University. 2013年6月9日閲覧.</ref>。

アップステート・サウスカロライナにはこのファーマン大学のほか、州公立・私立の大学がいくつかキャンパスを置いている。サウスカロライナ大学システムはスパータンバーグにアップステート校を置いている。また、スパータンバーグにはファーマン大学に匹敵する評価を受けている<ref name="USNews_BestColleges_NL_p7">[http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/rankings/national-liberal-arts-colleges/page+7 Best Colleges 2013: National Liberal Arts College Rankings]. p.7. ''U.S. News & World Report''. 2012年. 2013年6月9日閲覧.<br />2013年版(2012年発行)では63位であった。</ref>[[メソジスト]]系リベラル・アーツ・カレッジ、[[ウォフォード大学]]もキャンパスを構えている。アンダーソンの北、グリーンビルから西へ約45kmのクレムゾンには、サウスカロライナ大学コロンビア校と並んでサウスカロライナ州を代表する州立大学である[[クレムゾン大学]]のキャンパスが広がる。その他に[[USニューズ&ワールド・レポート]]誌で高い評価を受けているアップステート・サウスカロライナ地域の大学としては、アンダーソンに立地する[[アンダーソン大学]]<ref>[http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/anderson-university-3418 Anderson University]. ''U.S. News & World Report''. 2012年. 2013年6月9日閲覧.</ref>、北郊のタイガービルに立地する[[北グリーンビル大学]]<ref>[http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/north-greenville-university-3441 North Greenville University]. ''U.S. News & World Report''. 2012年. 2013年6月9日閲覧.</ref>、都市圏南東端のクリントンに立地する[[プレスビテリアン大学]]<ref>[http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/presbyterian-college-3445 Presbyterian College]. ''U.S. News & World Report''. 2012年. 2013年6月9日閲覧.</ref>が挙げられる。

市の東部、グリンービル・ダウンタウン空港の近くにはユニバーシティ・センター・オブ・グリーンビルというコンソーシアムの本部が置かれている。このコンソーシアムには、アップステート・サウスカロライナにキャンパスを置く上記の大学のうち、アンダーソン大学、クレムゾン大学、ファーマン大学、およびサウスカロライナ大学アップステート校が参加している<ref>[http://www.ucgreenville.org/about-ucg/what-is-ucg.html What is UCG?] University Center of Greenville, 2013年6月9日閲覧.</ref>。

グリーンビルにおける[[K-12]]課程は、グリーンビル郡学区の管轄下にある公立学校によって主に支えられている。同学区は全米でも50位の規模を持つ学区で、小学校53校、中学校22校、高校19校を有し、約70,000人の児童・生徒を抱えている<ref>[http://www.greenville.k12.sc.us/Schools/ Schools Home]. Greenville County Schools. 2013年6月9日閲覧.</ref>。また、市の東部に立地するローパー・マウンテン科学センターも同学区が設置したものである<ref>[http://www.ropermountain.org/about/rmsc-history RMSC History]. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.</ref>。この自然科学教育施設は[[1882年]]に造られた23インチの反射望遠鏡を持つチャールズ・E・ダニエル天文台<ref>[http://www.ropermountain.org/whats-here/daniel-observatory Daniel Observatory]. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.</ref>を中心に、[[1800年代]]初頭のサウスカロライナの農場を再現した歴史農場<ref>[http://www.ropermountain.org/whats-here/living-history-farm Living History Farm]. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.</ref>や、植物園、[[チョウ|蝶]]園、[[プラネタリウム]]、自然遊歩道などの施設を有している<ref>[http://www.ropermountain.org/whats-here What's Here]. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.</ref>。

== 文化 ==
=== 芸術と文化施設 ===
[[File:Peace Concert Hall Filled Seats.jpg|left|thumb|250px|ピース・センターのコンサートホール]]

ダウンタウンの北西に立地するグリーンビル郡美術館は、「サザン・コレクション」として、[[1700年代]]から現代に至るまでの[[アメリカ合衆国南部|南部]]芸術作品の収蔵・展示に特に力を入れている。同館は「南部芸術」を広く捉え、[[ジャスパー・ジョーンズ]]ら南部出身の芸術家による作品に加えて、[[ジョージア・オキーフ]]や[[アンディ・ウォーホル]]など南部以外の出身の芸術家による、南部の文化や歴史を描いた作品や、南部で制作された作品も収蔵・展示している<ref>[http://www.gcma.org/Southern_Collection.php Southern Collection]. Greenville County Art Museum. 2013年6月12日閲覧.</ref>。また、同館は芸術教室も開いている<ref>[http://www.gcma.org/Education.html Education]. Greenville County Art Museum. 2013年6月12日閲覧.</ref>。

[[1980年代]]にダウンタウン再開発の一環として建てられた<ref>[http://www.peacecenter.org/about_us/history.php History]. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.</ref>ピース・センターはグリーンビルきっての演技芸術センターで、カロライナバレエ団<ref>[http://www.peacecenter.org/resident_companies/carolina_ballet.php Carolina Ballet Theatre]. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.</ref>、グリーンビル合唱団<ref>[http://www.peacecenter.org/resident_companies/greenville_chorale.php Greenville Chorale]. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.</ref>、グリーンビル交響楽団<ref>[http://www.peacecenter.org/resident_companies/greenville_symphony.php Greenville Symphony]. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.</ref>、インターナショナル・バレエ<ref>[http://www.peacecenter.org/resident_companies/international_ballet.php International Ballet]. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.</ref>、およびサウスカロライナ子供劇団<ref>[http://www.peacecenter.org/resident_companies/sc_childrens_theatre.php South Carolina Childrens Theatre]. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.</ref>の5つの演技芸術団体が本拠にしている。同センターでは、これらの団体の公演を中心に、[[クラシック音楽|クラシック]]のコンサートやダンスなど、年間300以上の公演が行われる。

一方、[[ポップ・ミュージック|ポップス]]や[[ロック (音楽)|ロック]]などのコンサートやライブは、ダウンタウンの北東に立地する、15,000席を有する多目的[[アリーナ]]、バイ・ロー・センターで主に行われる<ref>[http://www.bilocenter.com/about.php About]. BI-LO Center. 2013年6月12日閲覧.</ref>。

[[File:GreenvilleDrive.jpg|right|thumb|250px|グリーンビル・ドライブの試合に集まった観衆]]

=== スポーツ ===
グリーンビルにはメジャー・プロスポーツのチームこそ置かれていないが、下部リーグのチームはいくつか存在する。野球の[[グリーンビル・ドライブ]]は[[ボストン・レッドソックス]]傘下のシングルAクラスの[[マイナーリーグ]]チームで、[[サウス・アトランティックリーグ]]の南地区に所属している。ドライブはダウンタウンの南西に立地する[[フルアー・フィールド・アット・ザ・ウェスト・エンド]]を本拠地としている。

[[アイスホッケー]]の[[グリーンビル・ロードウォーリアーズ]]は[[ECHL]]南地区に所属するチームで、[[NHL]]の[[ニューヨーク・レンジャース]]、[[アメリカン・ホッケー・リーグ|AHL]]の[[ハートフォード・ウルフパック]]と提携している。ロードウォーリアーズはバイ・ロー・センターを本拠地としている。

=== 公園・庭園 ===
{{Double image aside|left|Fallsatgreenvillesc.jpg|200|Rrparkgvl.jpg|200|'''フォールズ・パーク・オン・ザ・リーディー'''<br />左: リーディー川の滝 右: リバティ・ブリッジ}}

ダウンタウンの南を流れるリーディー川には自然の滝があり、その周辺はフォールズ・パーク・オン・ザ・リーディーという市営公園として整備されている。この公園はすぐ北に立地するピース・センターと同様に、1980年代のダウンタウン再開発の一環として整備されたものであった。この整備によって、それまで滝の上にかかっていた車道の[[桁橋]]は滝の景観を損ねているとして取り壊され、リバティ・ブリッジと名付けられた歩行者専用の[[吊り橋]]がかけられた<ref>[http://www.fallspark.com/pages/History.aspx History]. Falls Park on the Reedy, City of Greenville. 2013年6月13日閲覧.</ref>。この橋は滝を囲むように湾曲しており、下流側にのみ2本の支柱が立てられている。橋の片側だけで支持するために、支柱は下流側に傾けられて斜めに立てられ、橋にかかる荷重が水平方向と垂直方向に分散されるように設計されている<ref>[http://www.greenwold.com/liberty-bridge.html Liberty Bridge]. Boston: Greenwold & Co., LLC. 2013年6月13日閲覧.</ref>。

[[File:Furman University - Place of Peace 1.JPG|right|thumb|250px|ファーマン大学の「平安の場」]]

また、ファーマン大学のキャンパス内には池泉回遊式の[[日本庭園]]がある。この日本庭園を見渡す森の中には''Place pf Peace''(平安の場)と呼ばれる、日本の[[寺院]]のような造りの建物が建っている。この建物は庭園と共にキャンパス内の名所となっているだけでなく、同学のアジア研究科によって教材としても用いられている<ref>[http://www2.furman.edu/Visitors/Visitors/Pages/default.aspx Sightseeing at Furman]. Furman University. 2013年6月13日閲覧.</ref>。

=== イベント ===
毎年5月には、ダウンタウンでアーティスフィアという芸術祭が開かれる。このイベントでは絵画(水彩・油彩)、写真、[[デジタルアート]]、陶芸、宝飾、音楽、ダンスといった多岐にわたるジャンルの芸術作品の展示、公演や実演が行われる<ref>[http://www.artisphere.us/visual-arts/outdoor-artists-row/ Artist Row], [http://www.artisphere.us/performing-arts/ Performing Arts]. Artisphere. 2013年6月13日閲覧.</ref>。

フォールズ・パーク・オン・ザ・リーディーの野外劇場では、毎年5月から8月にかけてアップステート・シェイクスピア祭が開かれ、期間中の木・金・土・日曜日には、無料で[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]の作品が演じられる<ref>[http://www.warehousetheatre.com/upstate-shakespeare-festival Upstate Shakespeare Festival]. The Warehouse Theatre. 2013年6月13日閲覧.</ref>。

10月に開かれるフォール・フォー・グリーンビルは食の祭で、メイン・ストリートに建ち並ぶ40以上のレストランから、200以上のメニューが出される。また、ステージではカントリー、ジャズ、ブルースなどのライブも行われる<ref>[http://www.fallforgreenville.net/ Home]. Fall for Greenville. 2013年6月13日閲覧.</ref>。

== 人口動態 ==
{{Wikisource|サウスカロライナ州グリーンビル市の人口統計データ}}

=== 都市圏人口 ===
グリーンビルの都市圏、および広域都市圏を形成する各郡の人口は以下の通りである(2010年国勢調査)<ref name="FactFinder" />。

;グリーンビル・アンダーソン・モールディン都市圏
{| class="wikitable" style="width: 80%; text-align:center; margin: 0 auto 0 auto;"
! 郡 !! 州 !! 人口
|-
| '''[[グリーンビル郡 (サウスカロライナ州)|グリーンビル郡]]''' || [[サウスカロライナ州]] || align="right" | 451,225人
|-
| [[アンダーソン郡 (サウスカロライナ州)|アンダーソン郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 187,126人
|-
| [[ピケンズ郡 (サウスカロライナ州)|ピケンズ郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 119,224人
|-
| [[ローレンス郡 (サウスカロライナ州)|ローレンス郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 66,537人
|- style="background-color:#e0e0e0"
| colspan="2" | '''合計''' || align="right" | 824,112人
|}

;グリーンビル・スパータンバーグ・アンダーソン広域都市圏
{| class="wikitable" style="width: 80%; text-align:center; margin: 0 auto 0 auto;"
! 都市圏/小都市圏 !! 郡 !! 州 !! 人口
|-
| colspan="3" | '''グリーンビル・アンダーソン・モールディン都市圏''' || align="right" | 824,112人
|-
| rowspan="2" | スパータンバーグ都市圏 || [[スパータンバーグ郡 (サウスカロライナ州)|スパータンバーグ郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 284,307人
|-
| [[ユニオン郡 (サウスカロライナ州)|ユニオン郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 28,961人
|-
| rowspan="2" | グリーンウッド小都市圏 || [[グリーンウッド郡 (サウスカロライナ州)|グリーンウッド郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 69,661人
|-
| [[アベビル郡 (サウスカロライナ州)|アベビル郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 25,417人
|-
| セネカ小都市圏 || [[オコニー郡 (サウスカロライナ州)|オコニー郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 74,273人
|-
| ガフニー小都市圏 || [[チェロキー郡 (サウスカロライナ州)|チェロキー郡]] || サウスカロライナ州 || align="right" | 55,342人
|- style="background-color:#e0e0e0"
| colspan="3" | '''合計''' || align="right" | 1,362,073人
|}

=== 市域人口推移 ===
以下にグリーンビル市における[[1850年]]から[[2010年]]までの人口推移<ref>[http://www.census.gov/prod/www/decennial.html Census of Population and Housing: 1790-2010]. U.S. Census Bureau.</ref>をグラフおよび表で示す。

{| class="wikitable" style="float:right; margin-left:3px; text-size:80%; text-align:right"
! 統計年 !! 人口
|-
| [[1850年]] || 1,305人
|-
| [[1860年]] || 1,518人
|-
| [[1870年]] || 2,757人
|-
| [[1880年]] || 6,160人
|-
| [[1890年]] || 8,607人
|-
| [[1900年]] || 11,860人
|-
| [[1910年]] || 15,741人
|-
| [[1920年]] || 23,127人
|-
| [[1930年]] || 29,154人
|-
| [[1940年]] || 34,734人
|-
| [[1950年]] || 58,161人
|-
| [[1960年]] || 66,188人
|-
| [[1970年]] || 61,208人
|-
| [[1980年]] || 58,242人
|-
| [[1990年]] || 58,282人
|-
| [[2000年]] || 56,002人
|-
| [[2010年]] || 58,409人
|-
|}

<timeline>
Colors=
id:lightgrey value:gray(0.9)
id:darkgrey value:gray(0.8)
id:sfondo value:rgb(1,1,1)
id:barra value:rgb(0.6,0.7,0.8)

ImageSize = width:500 height:500
PlotArea = left:50 bottom:50 top:30 right:30
DateFormat = x.y
Period = from:0 till:70000
TimeAxis = orientation:vertical
AlignBars = justify
ScaleMajor = gridcolor:darkgrey increment:20000 start:0
ScaleMinor = gridcolor:lightgrey increment:2000 start:0
BackgroundColors = canvas:sfondo

BarData=
bar:1850 text:1850
bar:1860 text:1860
bar:1870 text:1870
bar:1880 text:1880
bar:1890 text:1890
bar:1900 text:1900
bar:1910 text:1910
bar:1920 text:1920
bar:1930 text:1930
bar:1940 text:1940
bar:1950 text:1950
bar:1960 text:1960
bar:1970 text:1970
bar:1980 text:1980
bar:1990 text:1990
bar:2000 text:2000
bar:2010 text:2010

PlotData=
color:barra width:15 align:center

bar:1850 from: 0 till:1305
bar:1860 from: 0 till:1518
bar:1870 from: 0 till:2757
bar:1880 from: 0 till:6160
bar:1890 from: 0 till:8607
bar:1900 from: 0 till:11860
bar:1910 from: 0 till:15741
bar:1920 from: 0 till:23127
bar:1930 from: 0 till:29154
bar:1940 from: 0 till:34734
bar:1950 from: 0 till:58161
bar:1960 from: 0 till:66188
bar:1970 from: 0 till:61208
bar:1980 from: 0 till:58242
bar:1990 from: 0 till:58282
bar:2000 from: 0 till:56002
bar:2010 from: 0 till:58409

PlotData=

bar:1850 at:1305 fontsize:XS text: 1305 shift:(0,5)
bar:1860 at:1518 fontsize:XS text: 1518 shift:(0,5)
bar:1870 at:2757 fontsize:XS text: 2757 shift:(0,5)
bar:1880 at:6160 fontsize:XS text: 6160 shift:(0,5)
bar:1890 at:8607 fontsize:XS text: 8607 shift:(0,5)
bar:1900 at:11860 fontsize:XS text: 11860 shift:(0,5)
bar:1910 at:15741 fontsize:XS text: 15741 shift:(0,5)
bar:1920 at:23127 fontsize:XS text: 23127 shift:(0,5)
bar:1930 at:29154 fontsize:XS text: 29154 shift:(0,5)
bar:1940 at:34734 fontsize:XS text: 34734 shift:(0,5)
bar:1950 at:58161 fontsize:XS text: 58161 shift:(0,5)
bar:1960 at:66188 fontsize:XS text: 66188 shift:(0,5)
bar:1970 at:61208 fontsize:XS text: 61208 shift:(0,5)
bar:1980 at:58242 fontsize:XS text: 58242 shift:(0,5)
bar:1990 at:58282 fontsize:XS text: 58282 shift:(0,5)
bar:2000 at:56002 fontsize:XS text: 56002 shift:(0,5)
bar:2010 at:58409 fontsize:XS text: 58409 shift:(0,5)
</timeline>

== 姉妹都市 ==
グリーンビルは以下3都市と[[姉妹都市]]提携を結んでいる<ref>[http://greenvillesistercities.org/our-sister-cities Our Sister Cities]. Greenville Sister Cities. 2013年6月7日閲覧.</ref>。

* {{flagicon|Belgium}} [[コルトレイク]]([[ベルギー]])
* {{flagicon|China}} [[天津市]]([[中華人民共和国]])
* {{flagicon|Italy}} [[ベルガモ]]([[イタリア]])

== 註 ==
{{Reflist}}

== 外部リンク ==
{{commonscat|Greenville, South Carolina}}
{{commonscat|Greenville, South Carolina}}
* [http://www.greenvillesc.gov/ City of Greenville] - 市の公式サイト
* [http://www.greenvillechamber.org/ Greater Greenville Chamber of Commerce]
* [http://www.greenvilleonline.com/ The Greenville News : Local Newspaper]
* [http://www.greenvilleeconomicdevelopment.com/ Greenville Area Development Corporation (GADC)]
* [http://www.city-data.com/city/Greenville-South-Carolina.html Greenville, South Carolina] - City-Data.com
* [http://maps.yahoo.com/maps_result.php?q1=Greenville%2C+SC Greenville, SC] - Yahoo!Mapの地図


{{サウスカロライナ州}}
{{サウスカロライナ州}}
{{DEFAULTSORT:くりんひる}}
{{us-stub}}
{{DEFAULTSORT:くりいんひる}}
[[Category:サウスカロライナ州の都市]]
[[Category:サウスカロライナ州の都市]]

2013年6月13日 (木) 14:59時点における版

グリーンビル市
City of Greenville
グリーンビルのダウンタウンの夜景
グリーンビルのダウンタウンの夜景
位置
サウスカロライナ州におけるグリーンビルの位置の位置図
サウスカロライナ州におけるグリーンビルの位置
座標 : 北緯34度50分40秒 西経82度23分8秒 / 北緯34.84444度 西経82.38556度 / 34.84444; -82.38556
歴史
創設 1797年
(プレザントバーグとして)
行政
アメリカ合衆国
 州 サウスカロライナ州
 郡 グリーンビル郡
 市 グリーンビル市
地理
面積  
  市域 67.6 km2 (26.1 mi2)
    陸上   67.3 km2 (26.0 mi2)
    水面   0.3 km2 (0.1 mi2)
標高 294 m (966 ft)
人口
人口 (2010年現在)
  市域 58,409人
    人口密度   2,246.5人/km2(867.9人/mi2
  都市圏 1,362,073人
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
公式ウェブサイト : http://www.greenvillesc.gov

グリーンビルGreenville)は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州北西部に位置する都市。アパラチア山脈東麓のピードモント台地上、アトランタシャーロットのほぼ中間に位置する。人口は58,409人(2010年国勢調査[1]で、コロンビアチャールストンノースチャールストンマウントプレザントロックヒルに次ぐ州第6の都市である。グリーンビルに郡庁を置くグリーンビル郡を中心に、アンダーソンを含み、4郡にまたがる都市圏は824,112人、近隣のスパータンバーグ都市圏、および3つの小都市圏をあわせた広域都市圏は1,362,073人(いずれも2010年国勢調査)[1]の人口を抱え、ともに州内最大である。

グリーンビルはアップステート・サウスカロライナと呼ばれる、州北西部の丘陵地帯に位置する10郡にまたがる地域における、経済・教育・文化の中心である。20世紀初頭には、市は繊維産業の中心地として発展した。また、世界的なタイヤメーカーであるミシュランは北米本部をグリーンビルに置いている[2]。教育面では、グリーンビルにキャンパスを構えるファーマン大学をはじめ、アップステート・サウスカロライナ地域の大学が参加しているコンソーシアムがその本部をグリーンビルに置いている。

歴史

ダウンタウンに立つナサニエル・グリーン像

1663年イングランドチャールズ2世は、カロライナ植民地を8つに分け、8人の貴族にそれぞれ土地を与えた。今日のグリーンビルがあるこの地はベンジャミン・ノーウッド4世に与えられた[3]。しかし、ノーウッド4世はアヘン中毒で悪名高く、複数の愛人を持ち、その統治も腐敗に満ちていた[4]。ノーウッド4世による植民地統治が失敗に終わった後、この地はイングランド王室に戻された。

1763年パリ条約が結ばれ、フレンチ・インディアン戦争が終結すると、この地はネイティブ・アメリカンのチェロキー族のものとされ、白人は原則立ち入り禁止とされた。しかし実際には、既にこの地に入植した白人が数家族あり、白人の交易商人がこの地を日常的に行き交っていた。この地に初めて恒久的に入植した白人はリチャード・ペアリスであった。ペアリスはチェロキー族の女性と結婚し、チェロキー族の所有する土地の一部を分け与えられていた。ペアリスに分け与えられた土地の中には、今日のグリーンビル市域や、その北に広がるパリス・マウンテンが含まれていた[5]独立戦争においては、ペアリスとチェロキー族はイギリス側についた。終戦後、チェロキー族はデウィッツ・コーナー条約に従って、この地をサウスカロライナ州に割譲した。

今日のグリーンビル市は、もともとは1797年に創設されたプレザントバーグという名の村であったが、1831年に現称のグリーンビルに改名された[6][7]。このグリーンビルという名は、独立戦争で戦績を挙げた大陸軍少将ナサニエル・グリーン、もしくは初期の入植者であったアイザック・グリーンにちなんでつけられたと考えられている[5][7]

1853年には鉄道が開通し、グリーンビルの成長が促された。南北戦争中には、グリーンビルには病院が置かれ、地元の女性が負傷した南軍兵士の治療にあたった[7]。南北戦争後、1869年2月には、サウスカロライナ州議会の議決により、グリーンビルは町から市に昇格した。

20世紀初頭には、グリーンビルは繊維産業の中心地として発展した。その最中、1917年には、サザン・テクスタイル・エクスポジション社が繊維製品や機械の展示に用いる建物として、オールド・テクスタイル・ホールが建てられた。この建物は1962年まで使われ、グリーンビルとその周辺地域における繊維産業の発展の象徴となってきた。オールド・テクスタイル・ホールは1980年国家歴史登録財に指定された。しかし、その後取り壊され、2000年に国家歴史登録財から除去された[8]

第一次世界大戦中には、グリーンビルには陸軍新兵の訓練場が置かれた。やがてこの訓練場は第二次世界大戦中にドナルドソン空軍基地となり、軍需産業でグリーンビルの地域経済を潤した。1960年代に入ってこの空軍基地の敷地がグリーンビル市当局に返還されると、その後は民間の航空貨物や、その他航空関連の産業拠点として転用された[9]

地理

グリーンビル・スパータンバーグ・アンダーソン広域都市圏
  グリーンビル・アンダーソン・モールディン都市圏
  スパータンバーグ都市圏
  グリーンウッド小都市圏
  セネカ小都市圏
  ガフニー小都市圏

グリーンビルは北緯34度50分40秒 西経82度23分8秒 / 北緯34.84444度 西経82.38556度 / 34.84444; -82.38556に位置している。州都コロンビアからは北西へ約160km、シャーロットからは西南西へ約160km、アトランタからは北東へ約230kmである。市域はアパラチア山脈の東麓、ピードモント台地上に広がっており、小高い丘が多数あり、起伏に富んでいる。市中心部から北へ約10kmほどのところには、パリス・マウンテンと呼ばれる、州立公園にも指定されている標高600mほど[10]の低山がそびえている。市の標高は294mである。

アメリカ合衆国国勢調査局によると、グリーンビル市は総面積67.6km2(26.1mi2)である。そのうち67.3km2(26.0mi2)が陸地で0.3km2(0.1mi2)が水域である。総面積の0.38%が水域となっている。グリーンビル、および近隣のスパータンバーグアンダーソンの3市を中心とした都市圏(正式名称: グリーンビル・スパータンバーグ・アンダーソン広域都市圏)はアップステート・サウスカロライナの10郡をすべて含む。この都市圏の面積は15,611km2で、サウスカロライナ州土の約1/5を占め、日本の岩手県の面積にほぼ匹敵する。

気候

グリーンビルの気候は、四季がはっきりしており、蒸し暑い夏、概ね温暖なものの時折寒くなる冬、および過ごしやすい春と秋に特徴付けられる。最も暑い7月の平均気温は26℃、最高気温の平均は31.5℃で、月の約半分は最高気温が32℃(華氏90度)を超える。最も寒い1月の平均気温は5℃、最低気温の平均は氷点下0.5℃で、月の約半分は最低気温が氷点下に下がる。降水量は1年を通じて平均しており、月間90-130mm程度である。12月から3月にかけては、月間1-5cm程度の降雪が見られる。年間降水量は1,250mm程度である[11]ケッペンの気候区分では、グリーンビルはアメリカ合衆国東海岸南部に広く分布している温暖湿潤気候Cfa)に属する。

グリーンビルの気候[11]
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温( 5.1 6.6 11.1 15.7 20.0 24.1 25.9 25.3 21.9 15.9 10.8 6.4 15.7
降水量(mm 101.6 101.6 129.5 91.4 104.1 109.2 116.8 106.7 99.1 94.0 91.4 101.6 1,247.0

都市概観

ランドマーク・ビルディング

起伏に富んだ丘陵地帯に広がるグリーンビルの街路は、ダウンタウンでこそ比較的整然としているものの、市域の大部分においては入り組んでいる。東西に通る街路はメイン・ストリートを境にW(西)とE(東)に分かれている。南北に通る街路はワシントン・ストリートを境にN(北)とS(南)に分かれている。

ダウンタウンは東西約1km、南北約2kmの範囲に収まっている。ダウンタウンのすぐ南を流れるリーディー川には自然の滝があり、その周囲はフォールズ・パーク・オン・ザ・リーディーという公園として整備されている(後述)。1960年代に始まったダウンタウン再開発の成果や、都市圏で見るとかなりの人口を抱えていることもあって、グリーンビルのダウンタウンには約6万人という市域人口の割には中高層の建築物が比較的多く建っている。グリーンビルで最も高い建物は、1966年に完成した22階建て、高さ93mのランドマーク・ビルディングで[12]、ダウンタウン北部、スプリングウッド墓地の向かいに建っている。

グリーンビル郡地方裁判所

政治

グリーンビルはシティー・マネージャー制を採っている。シティー・マネージャーは市の行政の最高責任者で、市議会の任命によって就任し、市政府の日常業務から市の予算案作成まで、市の行政実務全般に責任を負う。市政府の職員は直接的もしくは間接的にシティー・マネージャーに報告することになる[13]

市の立法機関である市議会は市長および6人の市議員から成っている。市議員のうち4人は市を4つに分けた小選挙区から1名ずつ選出され、残りの2名が全市から選出される。市長は全市から選出される。市長、市議員とも、その任期は4年である。市議員は2年ごとに、小選挙区枠の半数にあたる2名、および全市枠の半数にあたる1名がそれぞれ改選される[14]

交通

グリーンビル・スパータンバーグ国際空港

グリーンビルを中心とするアップステート・サウスカロライナの玄関口となる商業空港は、市の中心部から東へ約16km、グリーンビルとスパータンバーグのほぼ中間に立地するグリーンビル・スパータンバーグ国際空港IATA: GSP)である[15]。同空港には3大航空会社(デルタ航空ユナイテッド航空アメリカン航空)の各ハブ空港からの便が就航しているほか、USエアウェイズによるシャーロットフィラデルフィア、ワシントンD.C.(ナショナル)への便やアレジャイアント航空によるフロリダ方面への便も発着している[16]。グリーンビル市内にも、ダウンタウンの東約5.5km[17]にグリーンビル・ダウンタウン空港(IATA: GMU)があるが、こちらはゼネラル・アビエーションと呼ばれる、自家用機やチャーター機、ビジネスジェットの発着が主になっている、規模の小さい空港である。

州間高速道路I-85は市の南東を北東-南西に通っている。I-85はピードモント台地を貫く幹線で、北へはリッチモンドシャーロットへ、南へはアトランタモントゴメリーへと通じている。I-85の支線であるI-185は市の南西部からI-85本線を交差し、南郊外を回る半環状線となっている。もう1本の支線であるI-385はダウンタウンの東からI-85本線を交差し、南東郊のローレンス郡I-26に合流し、州都コロンビアチャールストンへと通ずる短絡路となっている。

アムトラックの駅はダウンタウンの北西約2kmにあり、ピードモント台地を貫いてニューヨークニューオーリンズを結ぶクレセント号が北行、南行とも1日1便停車する[18]

市内の公共交通機関としては、グリーンビル市政府が運営する、グリーンリンクの路線バスが主となっている。この路線バス網は11系統を有し、市内および周辺をカバーしている[19]

教育

ファーマン大学

ファーマン大学はグリーンビルのダウンタウンの北西約10kmに750エーカー(3,034,500m2)のキャンパスを構えている。同学は1826年に創立した私立のリベラル・アーツ・カレッジで、アップステート・サウスカロライナでは最古、サウスカロライナ州全体でもチャールストン大学サウスカロライナ大学コロンビア校に次いで3番目に長い歴史を持っている[20]。同学は42の専攻プログラムを提供し、学生数は約2,700人、学生対教授の比は11:1、クラスサイズの平均は19人という、リベラル・アーツ・カレッジの特徴とも言える少数精鋭制の教育を行っている[21]。同学は全米のリベラル・アーツ・カレッジの中で上位50位以内に入る評価を受けている[22]。同学のスポーツチーム、パラディンズはNCAAディビジョンI(フットボールはチャンピオンシップ・サブディビジョン/旧I-AA)のサザン・カンファレンスに所属し、男子10種目、女子10種目で競っている[23]

アップステート・サウスカロライナにはこのファーマン大学のほか、州公立・私立の大学がいくつかキャンパスを置いている。サウスカロライナ大学システムはスパータンバーグにアップステート校を置いている。また、スパータンバーグにはファーマン大学に匹敵する評価を受けている[24]メソジスト系リベラル・アーツ・カレッジ、ウォフォード大学もキャンパスを構えている。アンダーソンの北、グリーンビルから西へ約45kmのクレムゾンには、サウスカロライナ大学コロンビア校と並んでサウスカロライナ州を代表する州立大学であるクレムゾン大学のキャンパスが広がる。その他にUSニューズ&ワールド・レポート誌で高い評価を受けているアップステート・サウスカロライナ地域の大学としては、アンダーソンに立地するアンダーソン大学[25]、北郊のタイガービルに立地する北グリーンビル大学[26]、都市圏南東端のクリントンに立地するプレスビテリアン大学[27]が挙げられる。

市の東部、グリンービル・ダウンタウン空港の近くにはユニバーシティ・センター・オブ・グリーンビルというコンソーシアムの本部が置かれている。このコンソーシアムには、アップステート・サウスカロライナにキャンパスを置く上記の大学のうち、アンダーソン大学、クレムゾン大学、ファーマン大学、およびサウスカロライナ大学アップステート校が参加している[28]

グリーンビルにおけるK-12課程は、グリーンビル郡学区の管轄下にある公立学校によって主に支えられている。同学区は全米でも50位の規模を持つ学区で、小学校53校、中学校22校、高校19校を有し、約70,000人の児童・生徒を抱えている[29]。また、市の東部に立地するローパー・マウンテン科学センターも同学区が設置したものである[30]。この自然科学教育施設は1882年に造られた23インチの反射望遠鏡を持つチャールズ・E・ダニエル天文台[31]を中心に、1800年代初頭のサウスカロライナの農場を再現した歴史農場[32]や、植物園、園、プラネタリウム、自然遊歩道などの施設を有している[33]

文化

芸術と文化施設

ピース・センターのコンサートホール

ダウンタウンの北西に立地するグリーンビル郡美術館は、「サザン・コレクション」として、1700年代から現代に至るまでの南部芸術作品の収蔵・展示に特に力を入れている。同館は「南部芸術」を広く捉え、ジャスパー・ジョーンズら南部出身の芸術家による作品に加えて、ジョージア・オキーフアンディ・ウォーホルなど南部以外の出身の芸術家による、南部の文化や歴史を描いた作品や、南部で制作された作品も収蔵・展示している[34]。また、同館は芸術教室も開いている[35]

1980年代にダウンタウン再開発の一環として建てられた[36]ピース・センターはグリーンビルきっての演技芸術センターで、カロライナバレエ団[37]、グリーンビル合唱団[38]、グリーンビル交響楽団[39]、インターナショナル・バレエ[40]、およびサウスカロライナ子供劇団[41]の5つの演技芸術団体が本拠にしている。同センターでは、これらの団体の公演を中心に、クラシックのコンサートやダンスなど、年間300以上の公演が行われる。

一方、ポップスロックなどのコンサートやライブは、ダウンタウンの北東に立地する、15,000席を有する多目的アリーナ、バイ・ロー・センターで主に行われる[42]

グリーンビル・ドライブの試合に集まった観衆

スポーツ

グリーンビルにはメジャー・プロスポーツのチームこそ置かれていないが、下部リーグのチームはいくつか存在する。野球のグリーンビル・ドライブボストン・レッドソックス傘下のシングルAクラスのマイナーリーグチームで、サウス・アトランティックリーグの南地区に所属している。ドライブはダウンタウンの南西に立地するフルアー・フィールド・アット・ザ・ウェスト・エンドを本拠地としている。

アイスホッケーグリーンビル・ロードウォーリアーズECHL南地区に所属するチームで、NHLニューヨーク・レンジャースAHLハートフォード・ウルフパックと提携している。ロードウォーリアーズはバイ・ロー・センターを本拠地としている。

公園・庭園

フォールズ・パーク・オン・ザ・リーディー 左: リーディー川の滝 右: リバティ・ブリッジ フォールズ・パーク・オン・ザ・リーディー 左: リーディー川の滝 右: リバティ・ブリッジ
フォールズ・パーク・オン・ザ・リーディー
左: リーディー川の滝 右: リバティ・ブリッジ

ダウンタウンの南を流れるリーディー川には自然の滝があり、その周辺はフォールズ・パーク・オン・ザ・リーディーという市営公園として整備されている。この公園はすぐ北に立地するピース・センターと同様に、1980年代のダウンタウン再開発の一環として整備されたものであった。この整備によって、それまで滝の上にかかっていた車道の桁橋は滝の景観を損ねているとして取り壊され、リバティ・ブリッジと名付けられた歩行者専用の吊り橋がかけられた[43]。この橋は滝を囲むように湾曲しており、下流側にのみ2本の支柱が立てられている。橋の片側だけで支持するために、支柱は下流側に傾けられて斜めに立てられ、橋にかかる荷重が水平方向と垂直方向に分散されるように設計されている[44]

ファーマン大学の「平安の場」

また、ファーマン大学のキャンパス内には池泉回遊式の日本庭園がある。この日本庭園を見渡す森の中にはPlace pf Peace(平安の場)と呼ばれる、日本の寺院のような造りの建物が建っている。この建物は庭園と共にキャンパス内の名所となっているだけでなく、同学のアジア研究科によって教材としても用いられている[45]

イベント

毎年5月には、ダウンタウンでアーティスフィアという芸術祭が開かれる。このイベントでは絵画(水彩・油彩)、写真、デジタルアート、陶芸、宝飾、音楽、ダンスといった多岐にわたるジャンルの芸術作品の展示、公演や実演が行われる[46]

フォールズ・パーク・オン・ザ・リーディーの野外劇場では、毎年5月から8月にかけてアップステート・シェイクスピア祭が開かれ、期間中の木・金・土・日曜日には、無料でシェイクスピアの作品が演じられる[47]

10月に開かれるフォール・フォー・グリーンビルは食の祭で、メイン・ストリートに建ち並ぶ40以上のレストランから、200以上のメニューが出される。また、ステージではカントリー、ジャズ、ブルースなどのライブも行われる[48]

人口動態

都市圏人口

グリーンビルの都市圏、および広域都市圏を形成する各郡の人口は以下の通りである(2010年国勢調査)[1]

グリーンビル・アンダーソン・モールディン都市圏
人口
グリーンビル郡 サウスカロライナ州 451,225人
アンダーソン郡 サウスカロライナ州 187,126人
ピケンズ郡 サウスカロライナ州 119,224人
ローレンス郡 サウスカロライナ州 66,537人
合計 824,112人
グリーンビル・スパータンバーグ・アンダーソン広域都市圏
都市圏/小都市圏 人口
グリーンビル・アンダーソン・モールディン都市圏 824,112人
スパータンバーグ都市圏 スパータンバーグ郡 サウスカロライナ州 284,307人
ユニオン郡 サウスカロライナ州 28,961人
グリーンウッド小都市圏 グリーンウッド郡 サウスカロライナ州 69,661人
アベビル郡 サウスカロライナ州 25,417人
セネカ小都市圏 オコニー郡 サウスカロライナ州 74,273人
ガフニー小都市圏 チェロキー郡 サウスカロライナ州 55,342人
合計 1,362,073人

市域人口推移

以下にグリーンビル市における1850年から2010年までの人口推移[49]をグラフおよび表で示す。

統計年 人口
1850年 1,305人
1860年 1,518人
1870年 2,757人
1880年 6,160人
1890年 8,607人
1900年 11,860人
1910年 15,741人
1920年 23,127人
1930年 29,154人
1940年 34,734人
1950年 58,161人
1960年 66,188人
1970年 61,208人
1980年 58,242人
1990年 58,282人
2000年 56,002人
2010年 58,409人

姉妹都市

グリーンビルは以下3都市と姉妹都市提携を結んでいる[50]

  1. ^ a b c American FactFinder. U.S. Census Bureau. 2011年2月4日. 2011年4月5日閲覧.
  2. ^ About Michelin. Michelin. 2013年6月9日閲覧.
  3. ^ Welch, John W. and Stephen D. Ricks, eds. King Benjamin's Speech: "That Ye May Learn Wisdom" pp.1-22. Provo, Utah: FARMS. 1998年.
  4. ^ Morgan, H. Wayne.DRUGS IN AMERICA: A SOCIAL HISTORY, 1800-1980. Syracuse University Press, 1981年.
  5. ^ a b About Us. Greenville County, South Carolina. 2013年6月5日閲覧.
  6. ^ Greenville County Genealogy. South Carolina Genealogy. 2013年6月5日閲覧.
  7. ^ a b c Greenville County, South Carolina. American History. electricscotland.com. 2013年6月5日閲覧.
  8. ^ National Register Properties in South Carolina: Old Textile Hall, Greenville County (322 West Washington St., Greenville). South Carolina Department of Archives and History. 2013年6月6日閲覧.
  9. ^ Donaldson Center Industrial Air Park. 2013年6月6日閲覧.
  10. ^ Giffen, Morrison. South Carolina: a guide to backcountry travel & adventure. pp.72–75. Asheville, North Carolina: Out There Press. 1997年. ISBN 0-9648584-2-8.
  11. ^ a b Historical Weather for Greenville, South Carolina, United States of America. Weatherbase. 2013年6月6日閲覧.
  12. ^ Landmark Building. Emporis. 2013年6月6日閲覧.
  13. ^ Form of Government. City of Greenville. 2013年6月7日閲覧.
  14. ^ City Council. City of Greenville. 2013年6月7日閲覧.
  15. ^ Greenville Spartanburg Int'l. (Form 5010) Airport Master Record. Federal Aviation Administration. 2013年5月2日. 2013年6月8日閲覧.
  16. ^ Flight Schedule. GSP International Airport. 2013年6月8日閲覧.
  17. ^ Greenville Downtown. (Form 5010) Airport Master Record. Federal Aviation Administration. 2013年5月2日. 2013年6月8日閲覧.
  18. ^ Crescent. Amtrak. 2013年1月14日. 2013年6月8日閲覧.
  19. ^ Map of all routes. Greenlink, City of Greenville. 2013年6月8日閲覧.
  20. ^ Our History. Furman University. 2013年6月9日閲覧.
  21. ^ Facts and Figures. Furman University. 2013年6月9日閲覧.
  22. ^ Best Colleges 2013: National Liberal Arts College Rankings. p.5. U.S. News & World Report. 2012年. 2013年6月9日閲覧.
    2013年版(2012年発行)では49位であった。
  23. ^ Varsity Athletics. Furman University. 2013年6月9日閲覧.
  24. ^ Best Colleges 2013: National Liberal Arts College Rankings. p.7. U.S. News & World Report. 2012年. 2013年6月9日閲覧.
    2013年版(2012年発行)では63位であった。
  25. ^ Anderson University. U.S. News & World Report. 2012年. 2013年6月9日閲覧.
  26. ^ North Greenville University. U.S. News & World Report. 2012年. 2013年6月9日閲覧.
  27. ^ Presbyterian College. U.S. News & World Report. 2012年. 2013年6月9日閲覧.
  28. ^ What is UCG? University Center of Greenville, 2013年6月9日閲覧.
  29. ^ Schools Home. Greenville County Schools. 2013年6月9日閲覧.
  30. ^ RMSC History. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.
  31. ^ Daniel Observatory. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.
  32. ^ Living History Farm. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.
  33. ^ What's Here. Roper Mountain Science Center. 2013年6月13日閲覧.
  34. ^ Southern Collection. Greenville County Art Museum. 2013年6月12日閲覧.
  35. ^ Education. Greenville County Art Museum. 2013年6月12日閲覧.
  36. ^ History. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.
  37. ^ Carolina Ballet Theatre. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.
  38. ^ Greenville Chorale. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.
  39. ^ Greenville Symphony. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.
  40. ^ International Ballet. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.
  41. ^ South Carolina Childrens Theatre. The Peace Center. 2013年6月12日閲覧.
  42. ^ About. BI-LO Center. 2013年6月12日閲覧.
  43. ^ History. Falls Park on the Reedy, City of Greenville. 2013年6月13日閲覧.
  44. ^ Liberty Bridge. Boston: Greenwold & Co., LLC. 2013年6月13日閲覧.
  45. ^ Sightseeing at Furman. Furman University. 2013年6月13日閲覧.
  46. ^ Artist Row, Performing Arts. Artisphere. 2013年6月13日閲覧.
  47. ^ Upstate Shakespeare Festival. The Warehouse Theatre. 2013年6月13日閲覧.
  48. ^ Home. Fall for Greenville. 2013年6月13日閲覧.
  49. ^ Census of Population and Housing: 1790-2010. U.S. Census Bureau.
  50. ^ Our Sister Cities. Greenville Sister Cities. 2013年6月7日閲覧.

外部リンク