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「大江戸捜査網」の版間の差分

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『'''大江戸捜査網'''』(おおえどそうさもう)は、東京12チャンネル→[[テレビ東京]]などで放送されたテレビ[[時代劇]]番組シリーズ。全6シリーズ・713話。初期は『大江戸捜査網 [[アンタッチャブル|'''アンタッチャブル''']]』とサブタイトルが付けられていた。
『'''大江戸捜査網'''』(おおえどそうさもう)は、東京12チャンネル→[[テレビ東京]]などで放送されたテレビ[[時代劇]]番組シリーズ。全6シリーズ・713話。初期は『大江戸捜査網 '''[[アンタッチャブル]]'''』とサブタイトルが付けられていた。


[[1970年]]から[[1984年]]まで、土曜夜に[[日産自動車|日産自動車グループ]]の[[一社提供]]による'''日産劇場'''として放送<ref group="注釈">番組販売による遅れネットで放送した地方局では、日産自動車と競合する自動車メーカー([[トヨタ自動車]]系の地元ディーラー・[[マツダ]]・[[三菱自動車]]など)がスポンサーだった例もある。</ref>。[[杉良太郎]] → [[里見浩太朗]] → [[松方弘樹]]と、後に時代劇の大看板となった俳優が主役を務めた。終了後は引き続き、[[並樹史朗]]主演で『'''新・大江戸捜査網'''』として放送されたが、日産のスポンサー降板による打ち切りで一旦幕を閉じた。[[1990年]]から1年半の間に、[[橋爪淳]]主演で年度下半期の半年間ずつ、金曜夜に計2シリーズ放送された。
[[1970年]]から[[1984年]]まで、土曜夜に[[日産自動車|日産]]グループの[[一社提供]]による'''日産劇場'''として放送<ref group="注釈">番組販売による遅れネットで放送した地方局では、[[日産自動車]]と競合する自動車メーカー([[トヨタ自動車]]系の地元ディーラー・[[マツダ]]・[[三菱自動車]]など)がスポンサーだった例もある。</ref>。[[杉良太郎]] → [[里見浩太朗]] → [[松方弘樹]]と、後に時代劇の大看板となった俳優が主役を務めた。終了後は引き続き、[[並樹史朗]]主演で『'''新・大江戸捜査網'''』として放送されたが、日産のスポンサー降板による打ち切りで一旦幕を閉じた。[[1990年]]から1年半の間に、[[橋爪淳]]主演で年度下半期の半年間ずつ、金曜夜に計2シリーズ放送された。


[[2015年]][[新春ワイド時代劇]]として、[[高橋克典]](十文字小弥太役)、[[村上弘明]](井坂十蔵役)らの出演で『'''大江戸捜査網2015'''』が放送された。前作からは23年ぶり。
[[2015年]][[新春ワイド時代劇]]として、[[高橋克典]](十文字小弥太役)、[[村上弘明]](井坂十蔵役)らの出演で『'''大江戸捜査網2015'''』が放送された。前作からは23年ぶり。
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本記事では、『'''新・大江戸捜査網'''』も含め、1970年から1992年に放送されたTVシリーズ、それに関係した映画版について説明する。
本記事では、『'''新・大江戸捜査網'''』も含め、1970年から1992年に放送されたTVシリーズ、それに関係した映画版について説明する。


==概要==
== 概要 ==
秘密捜査員「'''隠密同心'''」たちが、変装、潜入、囮など様々な手段を駆使しながら探索、事件の裏にはびこる[[江戸]]の悪を斬り捨てていく痛快時代劇。隠密同心とは[[松平定信]]が極秘に作った組織で、彼の命を受けた幕臣が隠密支配となって統括している。メンバーは、普段は町人として生活しており、江戸町内の地蔵の鉢巻きの合図を元に集結して、指令を受ける。メンバーは皆、隠密支配から承った証の懐剣を所持しており、ここぞというときに、悪人に見せつける場合もある(第3シリーズ 第62話)。
秘密捜査員「'''隠密同心'''」たちが、変装、潜入、囮など様々な手段を駆使しながら探索、事件の裏にはびこる[[江戸]]の悪を斬り捨てていく痛快時代劇。隠密同心とは[[松平定信]]が極秘に作った組織で、彼の命を受けた幕臣が隠密支配となって統括している。メンバーは、普段は町人として生活しており、江戸町内の地蔵の鉢巻きの合図を元に集結して、指令を受ける。メンバーは皆、隠密支配から承った証の懐剣を所持しており、ここぞというときに、悪人に見せつける場合もある(第3シリーズ 第62話)。


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隠密同心の活動拠点(アジト)は、日活制作編では「桜湯」の2階、第3シリーズでは浅草の小料理店「桔梗屋」の地下である。
隠密同心の活動拠点(アジト)は、日活制作編では「桜湯」の2階、第3シリーズでは浅草の小料理店「桔梗屋」の地下である。


==オープニング及びナレーション==
== 劇中のナレーション ==
第1シリーズ第1話のみ未使用で、第2話から挿入されるようになる。第40話までのものと第41話からのものの2種類が使用された。第2シリーズで基本の形式が誕生し、第3シリーズで完成する。

以後『新・大江戸捜査網』を除き、平成第2シリーズまで形式に変化はなかったが、時期によって若干言い回しが異なる。詳細は下記を参照。

なお、ナレーターは杉編、里見編、松方編、橋爪編と一貫して[[黒沢良]]が担当し、『新・大江戸捜査網』のみ[[日下武史]]が担当し、『大江戸捜査網2015』では[[山寺宏一]]が担当した。

===第1シリーズ===
;第1話
:第1話のみ、効果音のみでナレーションが入らず、各出演者に役名の表記もなく、物語の中でテロップとナレーションで紹介されるが、山猫お七は紹介されず、十文字小弥太・井坂十藏が隠密同心(話数によっては隠密廻り同心)とされ、小波は『内藤勘解由の個人的な人物か それは追って判明するだろう』と語られていた。
; 第2話 - 第40話
: 「隠密同心 それは時の老中 松平定信の命により、無役の旗本 内藤勘解由が悪の砦に向けて密かに放った、過酷非情の男たちだ。変装、囮、様々な手段を使い、彼らは身を挺(てい)して犯罪者及びその組織に挑戦する。相手を殺すのは自由だが、我が命を失っても省みる者はない。これは生と死のデッドラインを突っ走るアンタッチャブル。彼らに明日は無い」
第27話からオープニングに効果音が入り出し、梶芽衣子の紹介のシーンの映像が変わった。第40話まで、タイトルにアンタッチャブルの表示がついている。
; 第41話以降
: 「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、いつの頃からか、人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を背負った者たちである。凶悪な犯罪者を追及する一方、法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の民衆を、ある時は炎の様な熱情を込めて、又、ある時は影のように支える、この男たち。だが、彼らの生命を補償する物は、何も無い」
オープニングの映像は、27話以降と変わらない。なお、この回よりアンタッチャブルの文字が消える。

===第2シリーズ===
「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の犯罪を憎み、 過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、又、ある時は影のように支える男たち。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む彼らに、明日と言う日はない」

===第3シリーズ・平成第1シリーズ===
「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼ら。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

※途中隠密支配の変更に合わせ「大番頭 藤堂対馬に命を預け」(第409話~第510話)、「影の支配 幻の御前に命を預け」(第511話~第536話)、平成第1シリーズは「老中 松平定信に命を預け」と、それぞれ言い回しが異なっていた。

===「新・大江戸捜査網」===
「風が舞う、殺気が走る、きらめく刃が闇を裂く。大江戸八百八町が眠る頃、隠密同心 推参仕る」

===平成第2シリーズ===
「隠密同心 筆頭老中 松平定信に命を預け、人知れず人生の裏道を歩まねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼らだが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

===「大江戸捜査網2015」===
「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏街道を歩かねばならぬ宿命を自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、またある時は影のように支える彼ら。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に明日という日はない。」

==劇中のナレーション==
「'''隠密同心 心得之條 我が命我がものと思わず 武門之儀 あくまで陰にて 己の器量伏し 御下命 如何にても果す可し 尚 死して屍拾う者無し 死して屍拾う者無し'''」が、[[日活]]から[[三船プロダクション]]に製作が移って以降、多く用いられた。なお、他に2バージョンの心得の条がある。第2話の「'''およそ悪はその実態を見極め、その根源を断つべきこと。虎穴に入らば、己の肉を斬らせ、しかる後、敵を倒すべし。この定め、忘れることなかれ'''」第5話の「'''行動は風のごとく速やかに、いかなる窮地に陥るも、みだりに狼狽することなく、一度決すれば、必ず敵を斬るべし。一度決すれば、必ず敵を斬るべし。一度決すれば、必ず敵を斬るべし'''」の2つで、第3シリーズの杉良太郎編のみ流れた、珍しいものである。
「'''隠密同心 心得之條 我が命我がものと思わず 武門之儀 あくまで陰にて 己の器量伏し 御下命 如何にても果す可し 尚 死して屍拾う者無し 死して屍拾う者無し'''」が、[[日活]]から[[三船プロダクション]]に製作が移って以降、多く用いられた。なお、他に2バージョンの心得の条がある。第2話の「'''およそ悪はその実態を見極め、その根源を断つべきこと。虎穴に入らば、己の肉を斬らせ、しかる後、敵を倒すべし。この定め、忘れることなかれ'''」第5話の「'''行動は風のごとく速やかに、いかなる窮地に陥るも、みだりに狼狽することなく、一度決すれば、必ず敵を斬るべし。一度決すれば、必ず敵を斬るべし。一度決すれば、必ず敵を斬るべし'''」の2つで、第3シリーズの杉良太郎編のみ流れた、珍しいものである。


本当に死んだ隠密同心は第3シリーズの第27話(通算131話)に登場した、山口太兵衛と、くれないお蝶だけである。いずれも不憫に思った、伝法寺隼人以下の隠密同心たちが心得の条に背いて、その屍を拾い、弔っている。第3シリーズの最終回は、幻の御前が自害という形で死亡した。
本当に死んだ隠密同心は第3シリーズの第27話(通算131話)に登場した、山口太兵衛と、くれないお蝶だけである。いずれも不憫に思った、伝法寺隼人以下の隠密同心たちが心得の条に背いて、その屍を拾い、弔っている。第3シリーズの最終回は、幻の御前が自害という形で死亡した。


==成敗時==
== 成敗時 ==
第3シリーズでは、悪の黒幕らの談合や宴席が最高潮に盛り上がる最中に隠密同心が乗り込み、罪状を読み上げる。追い詰められた悪人たちが「貴様ら一体何者だ!」(もしくはそれに類する台詞)と尋ね、それに各自が名前を名乗ってから、悪人たちとの立ち回りが始まる。この際、筆頭同心(杉、里見、松方)が「隠密同心 ○○」と名乗り、以下次々と「同じく、○○」と名乗りを上げる。また、隠密同心たちと一緒に隠密支配も成敗に加わっている時には、最後に「そして隠密支配 ○○」(中村竹弥は初期には「旗本寄合席 内藤勘解由」)と名乗っている。
第3シリーズでは、悪の黒幕らの談合や宴席が最高潮に盛り上がる最中に隠密同心が乗り込み、罪状を読み上げる。追い詰められた悪人たちが「貴様ら一体何者だ!」(もしくはそれに類する台詞)と尋ね、それに各自が名前を名乗ってから、悪人たちとの立ち回りが始まる。この際、筆頭同心(杉、里見、松方)が「隠密同心 ○○」と名乗り、以下次々と「同じく、○○」と名乗りを上げる。また、隠密同心たちと一緒に隠密支配も成敗に加わっている時には、最後に「そして隠密支配 ○○」(中村竹弥は初期には「旗本寄合席 内藤勘解由」)と名乗っている。
また、主人公が名乗りを挙げる際に決め台詞を言うパターンも存在する。
また、主人公が名乗りを挙げる際に決め台詞を言うパターンも存在する。
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『新』では、成敗時に隠密支配 日向主水正から流し目のお紺によって、あらかじめ敵に成敗書が投函される。旧シリーズと異なり、相手が1人であるなど数が少ない場合もある。
『新』では、成敗時に隠密支配 日向主水正から流し目のお紺によって、あらかじめ敵に成敗書が投函される。旧シリーズと異なり、相手が1人であるなど数が少ない場合もある。


==音楽==
== 音楽 ==
[[玉木宏樹]]作曲によるオープニング・テーマ曲は、単純拍子と変拍子を巧みに使い分け、軽快かつ緊張感に満ちたもので、テレビ時代劇テーマ曲の代表作であり、チャンバラシーンでも用いられた。前奏は、使用時期によってメロディが全く異なる複数のバージョンがある。新と平成第1シリーズの初期のオープニングテーマ曲は、お馴染みのテーマ曲とは別バージョンである。なお、第1シリーズ(第26話まで)は、エンディングでもオープニングテーマ曲が使用されていた。
[[玉木宏樹]]作曲によるオープニング・テーマ曲は、単純拍子と変拍子を巧みに使い分け、軽快かつ緊張感に満ちたもので、テレビ時代劇テーマ曲の代表作であり、チャンバラシーンでも用いられた。前奏は、使用時期によってメロディが全く異なる複数のバージョンがある。新と平成第1シリーズの初期のオープニングテーマ曲は、お馴染みのテーマ曲とは別バージョンである。なお、第1シリーズ(第26話まで)は、エンディングでもオープニングテーマ曲が使用されていた。


ステレオ録音のフルバージョンはCDちょんまげ天国 ~TV時代劇音楽集~」(2002年ソニーミュージック、MHCL-161)などで聞く事が出来る。
ステレオ録音のフルバージョンはCDちょんまげ天国 〜TV時代劇音楽集〜』(2002年ソニーミュージック、MHCL-161)などで聞く事が出来る。


玉木自身の編曲・演奏のヴァイオリンのための“大江戸捜査網”がCD玉木宏樹の大冗談音楽会!!(1995年コロムビア、COCO-78584)に収録。
玉木自身の編曲・演奏のヴァイオリンのための“大江戸捜査網”がCD玉木宏樹の大冗談音楽会!!(1995年コロムビア、COCO-78584)に収録。
[[シエナ・ウインド・オーケストラ]]演奏の原曲にほぼ忠実なカヴァー版(編曲:福田洋介)がCD[[THE刑事]]☆究極の刑事ドラマ・テーマ集(2009年[[avex-CLASSICS]]、AVCL-25459)に収録。その吹奏楽譜は[[ウィンズスコア]]から発売。
[[シエナ・ウインド・オーケストラ]]演奏の原曲にほぼ忠実なカヴァー版(編曲:福田洋介)がCD[[THE刑事]]☆究極の刑事ドラマ・テーマ集(2009年[[avex-CLASSICS]]、AVCL-25459)に収録。その吹奏楽譜は[[ウィンズスコア]]から発売。


玉木宏樹は2010年に[[ジェイムズ・スウェアリンジェン]]作曲の[[吹奏楽曲]][[インヴィクタ序曲]](1981年発表)が大江戸捜査網のテーマ曲に似ていることをツイッターで指摘され、「これは完全にパクられましたね。[[短三度]]上の転調、そして変拍子、私は作曲家ですからパクリかどうかはすぐに判断出来ます。唯一の救いは、向こうはカッコ良くないと言うことですね。」とコメントしている<ref>[http://togetter.com/li/69311 Togetter/インヴィクタ序曲は @tamakihiroki 「大江戸捜査網のテーマ」のパクリか?][http://twitter.com/tamakihiroki/status/4022233760534528 玉木宏樹の2010年11月15日のツイート]2014年1月27日閲覧</ref>。
玉木宏樹は2010年に[[ジェイムズ・スウェアリンジェン]]作曲の[[吹奏楽曲]][[インヴィクタ序曲]](1981年発表)が大江戸捜査網のテーマ曲に似ていることをツイッターで指摘され、「これは完全にパクられましたね。[[短三度]]上の転調、そして変拍子、私は作曲家ですからパクリかどうかはすぐに判断出来ます。唯一の救いは、向こうはカッコ良くないと言うことですね。」とコメントしている<ref>[http://togetter.com/li/69311 Togetter/インヴィクタ序曲は @tamakihiroki 「大江戸捜査網のテーマ」のパクリか?][http://twitter.com/tamakihiroki/status/4022233760534528 玉木宏樹の2010年11月15日のツイート]2014年1月27日閲覧</ref>。


[[2014年]][[10月11日]]から[[テレビ朝日]]系列で放送中のバラエティ『[[世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団]]』のOPにも、本曲が使われている。
[[2014年]][[10月11日]]から[[テレビ朝日]]系列で放送中のバラエティ『[[世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団]]』のOPにも、本曲が使われている。
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=== 1972年 ===
=== 1972年 ===
3月25日:第2期シリーズを、第1シリーズと同じメンバーで開始。但し次の第3シリーズから、三船プロダクションの製作に変わる為に岡田可愛は中盤で、梶芽衣子はポルノになるその前にから退社するが、日活の女優であった為にこの第2シリーズをもって降板をする。
3月25日:第2期シリーズを、第1シリーズと同じメンバーで開始。但し次の第3シリーズから、三船プロダクションの製作に変わる為に岡田可愛は中盤で、梶芽衣子は日活の女優であった<ref>但し、[[日活ロマンポルノ|ロマンポルノ]]開始迄に退社。</ref>為にこの第2シリーズをもって降板をする。


=== 1973年 ===
=== 1973年 ===
3月17日:第2シリーズ終了。
3月17日:第2シリーズ終了。
9月22日:製作会社を三船プロに変更、女性メンバーを江崎英子、古城都に一新し第3スタート。
9月22日:製作会社を三船プロダクションに変更、女性メンバーを江崎英子、古城都に一新し第3シリーズスタート。
12月29日:第15話「大江戸残酷秘話」で杉良太郎が脚本を執筆。
12月29日:第15話「大江戸残酷秘話」で杉良太郎が脚本を執筆。


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=== 1977年 ===
=== 1977年 ===
7月16日:第1シリーズからの、シリーズ通算300回記念作に三船プロの代表・三船敏郎がゲスト出演。
7月16日:第1シリーズからの、シリーズ通算300回記念作に三船プロダクションの代表・三船敏郎がゲスト出演。
9月:志穂美悦子が[[明日の刑事]]出演のため降板。後任に安西マリアが登板。
9月:志穂美悦子が[[明日の刑事]]』([[TBSテレビ|TBS]])出演のため降板。後任に安西マリアが登板。


=== 1978年 ===
=== 1978年 ===
4月:安西マリア降板。三船プロ期待の新星だった、かたせ梨乃が参入。
4月:安西マリア降板。三船プロダクション期待の新星だった、かたせ梨乃が参入。


=== 1979年 ===
=== 1979年 ===
9月:里見浩太朗が京都での仕事の多忙化のために、伝法寺隼人が栄転するという形で降板。3人目の主役に松方弘樹登場。
9月:里見浩太朗が京都での仕事の多忙化のために、伝法寺隼人が栄転するという形で降板。3人目の主役に松方弘樹登場。
12月1日:シリーズ初の映画化となる隠密同心・大江戸捜査網が封切り。
12月1日:シリーズ初の映画化となる隠密同心・大江戸捜査網が封切り。


=== 1980年 ===
=== 1980年 ===
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9月26日:土田早苗と、第1シリーズの第1話スタート時から隠密支配のメンバーだった中村竹弥が降板。
9月26日:土田早苗と、第1シリーズの第1話スタート時から隠密支配のメンバーだった中村竹弥が降板。
10月3日:新隠密支配に大山勝巳が登場。岡江久美子、南条弘二が加わり、メンバーも一新され心機一転のスタート。
10月3日:新隠密支配に大山勝巳が登場。岡江久美子、南条弘二が加わり、メンバーも一新され心機一転のスタート。
また、同時期に制作局である東京12チャンネルがテレビ東京へ改称。
これ以降サスペンスドラマ色が強まる。
これ以降サスペンスドラマ色が強まる。


=== 1982年 ===
=== 1982年 ===
9月-10月:女性メンバーをかたせ梨乃、岡江久美子から、夏樹陽子、山田由紀子に再び一新。製作会社もそれまでの三船プロからヴァンフィルに移る。
9月-10月:女性メンバーをかたせ梨乃、岡江久美子から、夏樹陽子、山田由紀子に再び一新。製作会社もそれまでの三船プロダクションからヴァンフィルに移る。


=== 1983年 ===
=== 1983年 ===
この年に入ると[[積木くずし]][[蒲田行進曲]]など当時のヒット作をストーリーに取り入れたエピソードや、「悪女シリーズ」「衝撃事件シリーズ」などの集中したテーマ、さらには小森和子や大川栄策など当時のテレビの人気者を出演させるなどエンターテイメント重視の路線になる。10月1日:当シリーズ最後の新メンバー清原美華加入。
この年に入ると[[積木くずし]][[蒲田行進曲]]など当時のヒット作をストーリーに取り入れたエピソードや、「悪女シリーズ」「衝撃事件シリーズ」などの集中したテーマ、さらには小森和子や大川栄策など当時のテレビの人気者を出演させるなどエンターテイメント重視の路線になる。10月1日:当シリーズ最後の新メンバー清原美華加入。


=== 1984年 ===
=== 1984年 ===
3月いっぱいで10年半に及ぶ第3期が終了。続いて4月から出演者を一新した新大江戸捜査網がスタート。しかし、視聴率的に苦戦を強いられたまま半年で終了。足かけ14年にわたる大江戸捜査網シリーズはひとまず終了した。
3月いっぱいで10年半に及ぶ第3期が終了。続いて4月から出演者を一新した大江戸捜査網がスタート。しかし、視聴率的に苦戦を強いられたまま半年で終了。足かけ14年にわたる大江戸捜査網シリーズはひとまず終了した。


==シリーズ一覧==
==シリーズ一覧==
===1970年 - 1984年放送===
===1970年 - 1984年放送===
====第1シリーズ====
==== 第1シリーズ ====
1970年10月3日 - 1971年9月25日放送(制作:日活 東京12チャンネル)。
1970年10月3日 - 1971年9月25日放送(制作:日活 東京12チャンネル)。


第26話までは、エンディングで、オープニングテーマ曲が流れていた。第27話から、杉良太郎が歌う主題歌江戸の夜明けが流れるようになった。第1作では立ち回りで、オープニングテーマ曲が流れることはあまりなかった(第6話、第20話、第22話など)。
第26話までは、エンディングで、オープニングテーマ曲が流れていた。第27話から、杉良太郎が歌う主題歌江戸の夜明けが流れるようになった。第1作では立ち回りで、オープニングテーマ曲が流れることはあまりなかった(第6話、第20話、第22話など)。


;スタッフ
;スタッフ
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*現像:[[IMAGICA|東洋現像所]]
*現像:[[IMAGICA|東洋現像所]]
*風俗構成:[[林美一]]
*風俗構成:[[林美一]]
*ナレーター:[[黒沢良]](ただし、第14話第16話では[[糸博]]。糸博は第1シリーズの後半では、予告編の語りを担当することが多かった)
*ナレーター:[[黒沢良]](ただし、第14話 - 第16話では[[糸博]]。糸博は第1シリーズの後半では、予告編の語りを担当することが多かった)
*協力:[[金剛プロダクション]]
*協力:[[金剛プロダクション]]
;主題歌
;主題歌
192行目: 159行目:
:北町奉行所同心。事件のたびに関わってくる珊次郎を怪しんでいる。責任感が強く、真面目な性格。此の話数以降深江は、忠義者や、悪役でのゲスト出演に代わって行く。
:北町奉行所同心。事件のたびに関わってくる珊次郎を怪しんでいる。責任感が強く、真面目な性格。此の話数以降深江は、忠義者や、悪役でのゲスト出演に代わって行く。


===== オープニング及びナレーション =====
====第2シリーズ====
;第1話
1972年4月3日 - 1973年3月17日放送(制作:日活 東京12チャンネル)。
:第1話のみ、効果音のみでナレーションが入らず、各出演者に役名の表記もなく、物語の中でテロップとナレーションで紹介されるが、山猫お七は紹介されず、十文字小弥太・井坂十藏が隠密同心(話数によっては隠密廻り同心)とされ、小波は『内藤勘解由の個人的な人物か それは追って判明するだろう』と語られていた。
; 第2話 - 第40話
: 「隠密同心 それは時の老中 松平定信の命により、無役の旗本 内藤勘解由が悪の砦に向けて密かに放った、過酷非情の男たちだ。変装、囮、様々な手段を使い、彼らは身を挺(てい)して犯罪者及びその組織に挑戦する。相手を殺すのは自由だが、我が命を失っても省みる者はない。これは生と死のデッドラインを突っ走るアンタッチャブル。彼らに明日は無い」
第27話からオープニングに効果音が入り出し、梶芽衣子の紹介のシーンの映像が変わった。第40話まで、タイトルにアンタッチャブルの表示がついている。
; 第41話以降
: 「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、いつの頃からか、人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を背負った者たちである。凶悪な犯罪者を追及する一方、法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の民衆を、ある時は炎の様な熱情を込めて、又、ある時は影のように支える、この男たち。だが、彼らの生命を補償する物は、何も無い」
オープニングの映像は、27話以降と変わらない。なお、この回よりアンタッチャブルの文字が消える。


===== 放送リスト =====
;スタッフ
*脚本:中野顕彰(10回)、山浦弘靖(9回)、[[山崎巌 (脚本家)|山崎巖]](8回)、小川英(4回)、胡桃哲(同)、[[武末勝]](同)、[[吉岡昭三]](同)、[[大和久守正]](3回)、蘇武路夫(2回)、[[中西隆三]](同) 他
*監督:斎藤光正(16本)、西山正輝(12本)、樋口弘美(9本)、[[小沢啓一]](6本)、磯見忠彦(5本)、手銭弘喜(4本)
*ナレーター:黒沢良
*協力:金剛プロダクション
;主題歌
*『江戸の夜明け』
**作詞:川内康範、作曲・編曲:曽根幸明、唄:杉良太郎

;登場人物
*'''隠密同心 十文字小弥太:杉良太郎'''
:前作と同じく、「相模無宿の珊次郎」で活躍をしている。成敗時に名乗ることが格段に増えてくる。
*'''隠密同心 井坂十蔵:瑳川哲朗'''
:前作と同じく素浪人姿で活躍をするが、第1シリーズのようにつぎはぎの袴姿は減り、黒の着物に袴が多くなった。珊次郎には‘山猫お七’が居るが、十蔵の‘おとら’は早耳金太と交代で居なくなった。
*'''隠密同心 小波:梶芽衣子'''
:ポジションは前作と同じであるが、正式に隠密同心と表記されるようになった。また、任侠一家の娘だった過去や当初から隠密同心であった(松平家の家紋入りの懐剣を所持)ことも、このシリーズで正式に明かされる。
*'''隠密補佐 山猫お七:岡田可愛'''
:このシリーズでは、内藤邸への出入りや、正式に捜査を担当したり、名乗りを上げるシーンにも出ているが、あくまで隠密同心ではなかった。花札を手裏剣として武器に使う。第26話(通算第78話)を最後に、姿を消す。尚岡田可愛は、第3シリーズで、娘瓦版売りのお花としてゲスト出演する。
*'''旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥'''
:前作と同じ旗本寄合席で、隠密支配をしている。第3シリーズ以降に比べ、出演話数も多かった。

*'''おかん:白木マリ'''
:前作と同じく、居酒屋の女将である。ただし、居候の音吉は登場しない。
*'''早耳金太:[[古今亭志ん駒]]'''
:珊次郎たちと旧知の瓦版売り。前作のおとら、仙吉に代わり登場。
*'''おせん:太田とも子'''
*'''萩乃:花ノ本以知子'''

*第17(通算69)話「琉球の女」(1972年7月15日放送)では3日間の沖縄ロケが行われた。ロケ地は[[那覇市]]内の名所、[[玉城村]]の[[玉泉洞]]、[[奥武島]]など。[[沖縄返還|沖縄本土復帰]]に合わせる予定が出演者のスケジュールが合わなかったという。前年12月までは第1シリーズが沖縄テレビで放送されていた事もあり、見物にファンが押し寄せた。ロケを伝える新聞記事では「美しき哉、琉球」というタイトルだった<ref>読売新聞1972年6月18日朝刊21面『隠密同心、沖縄に参上 東京12「大江戸捜査網」ロケ 一行、暑さに悲鳴』</ref>。

====第3シリーズ====
1973年9月22日 - 1984年3月31日放送。制作は三船プロに移行するも、お家騒動の余波から、1982年10月より、ヴァンフィルに(ただし「制作協力」として、三船プロのクレジットは終盤近くまで続けられた)。2007年1月に発売されたパチンコ「CR大江戸捜査網」のモチーフになっているのは、このシリーズである。
なお、2003年にキングレコードから発売された「大江戸捜査網オリジナルサウンドトラック」はジャケットに「アンタッチャブル」と記されているが、収録されているメインテーマは第3シリーズ里見浩太朗編のものである。

;スタッフ
*脚本:中野顕彰、[[山崎巌 (脚本家)|山崎巌]]、蘇武路夫、[[武末勝]]、[[胡桃哲]]、[[小川英]]、[[池田一朗]]、[[山本英明]]、[[津田幸於]]、[[服部一久]]、[[柴英三郎]]、[[佐治乾]]、[[山浦弘靖]]、[[加賀美しげ子]]、[[横田与志]]、[[渡辺豊彦]]、[[伊上勝]]、[[天野恒幸]]、大工原正泰、中西隆三、[[杉良太郎]]、[[松岡志奈]]、[[黒土三男]]、[[宮川一郎]]ほか
*監督:[[斎藤光正]]、[[手銭弘喜]]、[[小沢啓一]]、[[宮越澄]]、[[江崎実生]]、[[坪島孝]]、[[松尾昭典]]、[[内藤三郎]]、[[長谷部安春]]、[[松森健]]、[[吉川一義 (テレビドラマ監督)|吉川一義]]、[[丸輝夫]]、[[井上昭]]、[[外山徹]]、[[高橋勝]]、[[内出好吉]]、[[原田雄一 (テレビドラマ監督)|原田雄一]]、[[鹿島章弘]]、[[黒田義之]]、[[高橋繁男]]、天野恒幸、[[池広一夫]]、[[山崎大助]]、[[松尾正武]]、[[原田隆司]]、[[居川靖彦]]ほか
*企画:時崎克彦、元村武
*プロデューサー:岡哲男、小川清澄、小林尚武、石川博、佐々木太郎、木村博人、内藤三郎、新藤次郎、田辺隆史
*プロデューサー補:犬飼佳春
*音楽:[[玉木宏樹]]
*脚本協力:[[ジャック・プロダクション]]
*選曲:[[鈴木清司]]、[[合田豊]]
*原案:日活株式会社(第1話 - 第305話)
*撮影:岩橋秀光、[[原一民]]、[[山田一夫]]、村野信明、[[斉藤孝雄]]、小野進、坪井誠、森隆吉、有吉英敏、[[小泉一]]、笹木欣二、[[緒方博]]
*美術:川島泰造、福留八郎、筒井増男、上條文雄、石田良之、木村晃广
*録音:近藤克巳、吉沢昭一、大野久男、宮永晋、秋山一三、八木多木之助、浜勝堂、宮永サウンド
*照明:窪田彰、土井直之、遠藤克己、佐藤幸郎、釜田一、北爪勇、内田皓三、嶋田宜代士
*編集:岡田三知夫、井上親弥、岡村博也
*助監督:宮本淳郎、布施修、佐野正弘、宮越澄、鹿島章弘、下村優、北村武司、白井政一、岡康季、武内孝吉、大久保直実
*記録:中川節子、内田絢子、石川恵与、浅野秀子、照井鈴子、黒岩美穂子、森靖子、東紀子、沢田享子、福島勇子、堀北昌子、小池美智子、小島秀子、広川貴美子、椎塚二三
*演技事務:長崎洋二郎、石坂久美男、佐々木健一、前原満司、宮下博、真鍋和己、大場正弘、平林俊夫、[[松本清孝]]
*製作主任:力武敏彦
*製作担当:江成健、河井正一、守屋徹、平林俊夫、荻原静、高橋憲行、福塚孝哉、吉田由二
*殺陣:林成二郎、[[渡辺高光]]、[[山口博義]]、[[伊奈貫太]]、上野隆三、[[三好郁夫]]、[[高倉英二]]
*効果:[[東洋音響効果グループ|東洋音響]]、宮田音響
*整音:[[星一郎]]、[[アオイスタジオ]]、トリッセン・スタジオ、黒丸治夫
*レーザーサウンド:[[ヨコシネ ディー アイ エー|横浜シネマ]](513話-)
*現像:東洋現像所、[[東京現像所]]
*装置:三船プロ、トリッセン、[[美建興業]]
*小道具:[[高津映画装飾]]
*装飾:[[三度屋美術工房]]
*衣裳:[[京都衣裳]]
*美粧:[[山田かつら店]]
*協力:三船芸術学院(第409話-第510話)
*ナレーター:黒沢良
*製作協力:金剛プロダクション、[[六本木オフィス]]、[[松プロダクション]]、三船プロダクション(第460話-第510話)
;主題歌
*『江戸の夜明け』(第26話まで)
**作詞:川内康範、作曲:曽根幸明、唄:杉良太郎、[[コロムビアレコード]]
*『ながれ橋』(第27話 - 第78話)
**作詞:[[葉方丹|葉方八郎]]、作曲:玉木宏樹、唄:[[若子内悦郎]]
*『砂の枕』(第79話 - 第131話)
**作詞:[[菅野さほ子]]、作曲:[[遠藤実]]、編曲:[[斉藤恒夫]]、唄:里見浩太朗、発売:[[ポリドールレコード]]
*『微笑みをすてる時』(第132話 - 第305話)
**作詞:[[石原信一]]、作曲:[[竜崎孝路]]、編曲:[[小谷充]]、唄:里見浩太朗、発売:[[RCAレコード]]
*『燃えよ夕陽』(第306話 - 第408話)
**作詞:[[柴田陽平]]、作編曲:玉木宏樹、唄:[[たきまさと]]、発売:[[CBSソニー]]
*『落日』(第409話 - 第442話)
**作詞:[[なかにし礼]]、作曲:[[浜圭介]]、編曲:竜崎孝路、唄:南条弘二、発売:コロムビアレコード
*『漂流者たち』(第443話 - 第510話)
**作詞:[[大津あきら]]、作編曲・唄:[[ノーザン・ライツ]]、発売:[[東芝EMI]]イーストワールドレーベル
*『陽だまり』(第511話 - 第536話)
**作詞:[[山上路夫]]、作曲:[[平尾昌晃]]、編曲:[[馬飼野俊一]]、唄:[[西尾ふじ美]]、発売:東芝EMI
;挿入歌
*『愛しいバラのように』
**作詞:大津あきら、作曲:[[小田裕一郎]]、編曲・唄:ノーザン・ライツ

;登場人物
:;隠密同心(レギュラー)
*'''十文字小弥太:杉良太郎'''
:前シリーズ同様普段は遊び人の珊次郎として活動。第7話(通算112話)以降、能面をつけて悪人の前に現れることがある。野性味あふれる太刀さばきが特徴。隠密装束は黒や紺の着流しを着用する。第26話(通算130話)で、定信を失脚させようとした若年寄の堀田と北町与力の森川の野望を阻止し、吟味役与力に任命されて仲間の前から去った。
*'''伝法寺隼人(でんぽうじ はやと):[[里見浩太朗]]'''
:小弥太の後任として、第27話(通算131話)から登場。表向きは'''音次郎'''として、新内流しや遊び人風体で活動。仲間からは「'''音さん'''」と呼ばれる。一刀流が中心だが、実は二刀流の達人。元々は200石の旗本出身。第38話の時点から8年前までは、矢作二刀流道場で親友の小早川と共に竜虎の異名をとるほどで、しばしば二刀流で戦うことがある(第27、28、30~32、38、46、53、54、62、80、116、127、178、194、205、220、243、300話など)。その太刀さばきは華麗。遊び人では素手や鎖(第29、31、37、46、47、51、55話)または仕込み煙草入れ(第47話、第52話)、新内流しでは棹や撥に刃を内蔵した仕込み三味線で闘うこともある。隠密装束は青や紺、紫(第60・273話)の着流しを着用。リーダーシップに長け、使命感に強い。第305話で、爆破事件の黒幕が[[将軍家]][[御家門]]である筆頭若年寄の菅沼だったため、切腹を覚悟で成敗するが、定信の計らいで菅沼は病死となり、上方に新設される隠密同心組織の隠密支配に任命され、旅立って行った。
*'''左文字右京(さもんじ うきょう):[[松方弘樹]]'''
:隼人の後任として、第306話(通算410話)から登場。表向きは桔梗屋の板前・'''清次郎'''で、「'''清さん'''」の愛称で呼ばれる。元は御家人の次男坊で、御家人の仕組みに嫌気がさして刀を捨てたが、内藤勘解由にその腕を見込まれ、1年間、隠密同心としての修行を積んだ。直心影流の使い手で、野性味と華麗さを併せ持った太刀さばきを見せる。隠密装束は306話の初登場から白の着流しで二刀流での立ち回りも多い。第331話からは浅葱色(水色)の着流し。さらに終盤は紺の着流しで一本差になる。茶目っ気ある気さくな性格で江戸庶民との交友関係も幅広いが、許せぬ悪人に対しては荒っぽい言動をするほど直情的になる。第536話で幻の御前の死と旧知の町人たちを自らの暗殺計画に利用された怒りから、隠密同心の証の懐剣を返上。全ての黒幕である将軍家御家門・立花左馬介を成敗した後、いずこともなく去っていった。
*'''井坂十蔵:瑳川哲朗'''
:前作同様、虚無僧や同心などの活動が多いが、第122話で寺子屋の先生をしてからはシリーズ後半の表向きとして定着するようになる。第27話から椿の花の代わりに、太刀の柄と鞘を組み合わせた即席の[[長巻]]を武器とし(第27、29、31 - 34、39、40、48 - 50、53話)、髪型も総髪の他に第1シリーズ初期の御家人ムシリや(第27話 - 第39話)、月代の武家髷に一時期変更されていた。仲間からは'''「旦那」'''と呼ばれる。剣の流派は神明一刀流。かつて父親は普請方に勤めていたが、上役の賄賂による不正に巻き込まれ切腹し、お家断絶で天涯孤独となり、神明一刀流道場主の脇坂玄藩に育てられた(第122話)。にわかながら医術の腕もあるようで、負傷した仲間や町人の手当てを行ったこともある。隠密装束は初期は薄いグレー、第27話~第305話は黒の着流し。第306話~330話は白の着流しに黒白の帯。第331話からは薄いグレーや濃いグレーの着流しを着用。吹雪と新太郎が参入した後は紋付の黒の着流しを着用。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
*'''夕霧:[[古城都]]'''(第1話、第17話、第18話、第23話)
:第1話(通算105話)から登場。芸者、武家女中、男装の剣士などの顔を持つ女隠密。演じた古城のスケジュールの影響か、わずか4回の出演回数にとどまり、特に説明のないまま姿を消した。隠密装束は赤紫の忍装束。
*'''不知火お吉(しらぬい おきち):[[江崎英子]](第132話から江崎由梨に改名)'''(第32、34 - 36、42、49、60、71 - 75、157話を除く)
:第1話(通算第105話)で隠密同心に加入。初代魚屋隠密。盗賊・不知火吉兵衛の娘。9歳の頃から掏りをしていたことがあった。幼い頃、内藤勘解由に拾われ、[[鞍馬山]]のぜんこう和尚に預け、修行させた。隠密装束は初期は半袖の黒地上着に、黒のショートパンツと網タイツ、髪型はポニーテール。中期からは下半身はパンタロンになり髪型も下ろした簡単な一つ結びに。後期は黒地に朱色の細い斑線の革製半袖上着に左手に手甲を装着、終盤は赤と黒の斑模様襟の黒地の長袖上着、赤と黒の斑模様の細い帯に両手首に黒のリストバンドを装着(装着してない回もある)、第158話で、幼馴染の新吉を救おうとして、屋形船で銃弾を浴びる。重傷の身でどうにか事件の黒幕を成敗した後、勘解由の計らいもあり、新吉の故郷で治療するため、彼と共に江戸を去った。
*'''くれないお蝶:[[大楠道代|安田道代]]'''(第26 - 30、32 - 36、38、42 - 47、49、59、60、66、67、69 - 73、78話)
:戦力補充のため、第26話から登場。普段は'''胡蝶(こちょう)'''という名の芸者で活動。成敗時は、唯一焦げ茶色や紫色の仕込み和傘の刀を逆手持ちで戦う。隠密装束は青の着物に赤地に白の模様帯。髪型はやや丸みのある結髪。第78話で、敵の仕掛けた罠から少女を庇い、爆発に巻き込まれて死亡。遺骨は音次郎によって故郷へ帰された。
*'''いさり火お紺:[[山口いづみ (女優)|山口いづみ]]'''(第66、67、69、70、78、110、114、125、137話を除く)
:第62話から登場。これにより女隠密がシリーズ唯一の3人体制になる(が、女隠密が3人同時に出演することはなかった)。基本的にはお蝶の代役だが第71話ではそのお蝶とコンビを組んでいる。表向きは芸者、酒豪で壷振りの名手でもある。隠密装束は、初期は桃色の着流しに髪はポニーテールで青い柄の刀だったが、第76話からは朱色の鞘の合口の小太刀を使用。さらに第86話からは赤の着物に髪は結髪に変更される。第158話を最後に将軍の護衛につくため、隠密同心の任を退いた。
*'''稲妻のお竜(名乗る時は稲妻お竜。第203話からはクレジットも稲妻お竜となる):[[土田早苗]]'''
:第159話から登場(第328話から第336話の間は急病のため、出演していない)。表向きは芸者'''玉竜(たまりゅう)'''として活動する。花札占いを得意とし、鉄火肌で男相手にも引けをとらない性格の持ち主。元々は武家の娘。隠密装束は、初期は黒の折り返し袖に白の飾りの付いた半袖の赤紫色の忍装束に両手首に赤紫色のリストバンドで、紫色の柄の刀を逆手(順手の時もあり)で使用。髪型は三人官女風の結髪。第203話~第305話からは青の着物→紫の着物に白の帯に赤い帯紐(337・338話も紫色着用)を着用、髪はキッチリした結髪に変更、刀は鍔無しの紺色の鞘の刀を使用。第306話からは白の着物に紫白の帯、第339話からは青紫色地に白い胡蝶柄の着物。第408話で、事件に巻き込まれた少年の目を治すため、亡くなった母親に代わり、少年と共に長崎へ旅立った。
*'''風(かぜ):[[志穂美悦子]]'''(第165話、第185話、第186話、第199話、第201話を除く)
:第159話から登場。風では呼びづらいこともあり、勘解由から'''お新'''の通り名を与えられ、二代目魚屋隠密として活躍。空手と男勝りの大胆なアクションで、新風を巻き起こす。隠密装束は背中に風の文字が書かれた赤い袖なしの忍装束で、両手と下半身は紺のタイツ、髪型はポニーテール、刀は背中に差している。第202話で、身分を明かしてまで恋仲になった友吉の娘おさきを救出する際、爆風によって失明寸前になるが、自力で敵を討ち、友吉親子と共に治療のため、江戸を旅立った。
*'''はやぶさお銀:[[安西マリア]]'''(第206話、第215話、第218話、第222話、第227話を除く)
:三代目魚屋隠密。第203話から登場。年齢19歳。抜荷の疑いをかけられ死罪になった、長崎の回船問屋南海屋の娘。その仇を探し求めていくうちに、女郎屋の下働きとして売り飛ばされた過去がある。身請け寸前に手裏剣の師匠と出会い、その際に手裏剣技を会得。普段から護衛用にくない型手裏剣を隠し持っている(仲間に知らせる目印にもなる)。隠密装束は上半身、赤色地の縦横白線一本線模様で、下半身は黒のレオタードスパッツ姿の岡っ引き風、髪型はポニーテール。左手首に棒手裏剣を携帯している。第230話で、自分と似た境遇の千太との出会いが縁で役目を退いて彼と共に旅出った。
*'''流れ星おりん:[[かたせ梨乃]]'''(第326話を除く)
:第231話から登場した、四代目魚屋隠密。お竜との女隠密最強コンビは、シリーズ全盛期を支えた。松平定信の身代わりとなって地雷の犠牲となった側近片桐十郎太の娘で、本名は片桐楓。亡き父の願いで、隠密同心になるべく修行を重ねていた。初期の武器は赤鞘の刀だが、第254話で赤い短槍と脇差に変更、槍の先に鞘が付いていたが、数話で省略された。隠密装束は初期は、上半身赤色地の縦白線の二本線模様で、岡っ引き風の上着に黒の帯、両手に黒のリストバンドを装着。254話からは真紅色地に細い針状花弁の花模様の岡っ引き風上着に黒の帯に両手首に黒のリストバンドを装着し、前髪を下げたポニーテールから整髪されたポニーテールに、306話からは白の岡っ引き風上着で赤白の帯に、両手に黒の手甲当てを装着。第331話からは真紅色地に六枚花弁模様の岡っ引き風の上着で黒の帯に両手黒色の手甲当てを装着、下半身は黒ショートパンツに膝下黒の足当て姿。終盤では白頭巾に扮して活動することも多かった。第459話で、私情から隠密同心の肩書を捨てた上に公儀御庭番・天馬一真たちの襲撃を受け重傷を負い、治療のため春香と共に江戸を離れた。
*'''吹雪:[[岡江久美子]]'''
:第409話から登場。隠密支配の座を退いた内藤勘解由の置き土産という形で加入。表の顔は芸者'''春香'''として、情報収集などに活動。新太郎とは対照的に金にはうるさいが、芸者の仕事はあまり好きではない様子。本当の名はお春で、材木問屋の娘だったが幼少の頃に両親を賊に殺され危ういところを根来忍者の残党だった疾風の源次に助けられ妹同然に育てられたが江戸の父の知り合いによって引き取られた(第434話)。隠密装束は紫の着物に黒の藤巻合口の刀で、右の袖を外して、緑地に白の花柄の肌襦袢を見せて立ち回る。第459話で、おりんとともに負傷。涙ながらに隠密同心を引退した。
*'''九條新太郎:[[南条弘二]]'''
:第409話から登場。春香と同じ理由で加入。表の顔は小石川養生所の見習い医者だが、表の仕事に積極的でないらしく、養生所にもめったに顔を見せないため先輩医者たちを困らせている。しかし医術の腕はそれなりにあるようで、怪我を負った仲間や町人の治療や手術を行う場面も多い。清次郎や春香からは'''「新の字」'''、おりんやおせんからは'''「新さん」'''と呼ばれる。女に色目がなく女郎屋に足しげく通い、清次郎に金の前借りを無心する事もしばしば。それが原因でトラブルを起こしてしまうことも多く、自分の身代わりで捕縛された清次郎を処刑寸前の危機に晒してしまう事態に発展したこともあった(第518話)。髪型は最初の頃は総髪髷だったが第423話からポニーテールに変わり、普段の着物も最初は灰色だったが第423話から緑色、第511話から紺色に変わった。隠密装束は前半は青の着流しで太刀を武器としていたが、460話からは紺の半袖忍装束に白の布帯に左腕に手甲を装着、武器も忍者刀に変更され、蹴りなどのアクションを多用。さらに終盤は緑の半袖忍装束と黒の布帯に左腕に手甲を装着。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
*'''風車のお菊:[[夏樹陽子]]'''
:第460話から登場。 [[雑賀衆|雑賀衆(さいかしゅう)]]出身の忍者崩れで、風車が装飾された簪を手裏剣代わりに使用する。実父の仲間の猿(ましら)の右源太によって実の娘同然に育てられ、その後忍者狩りの命を受け村を訪れた対馬に命乞いされたことがきっかけで隠密同心にスカウトされた。普段は芸者'''菊丸'''として、情報収集などに活動。隠密装束は藤色(薄紫色)地に白の白鷺柄の着物。得物は白い藤巻合口拵えの刀。吹雪という双子の妹(夏樹二役)がいる。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
*'''疾風のおせん:[[山田由起子|山田由紀子]]'''
:五代目魚屋隠密、第460話から登場。 左腕に昇り鯉の刺青を施している。直情的な面があり、若さと感情に任せて発言・行動することが少なからず見受けられ、仲間から指摘されることもある。また、その姿勢が原因で敵に捕らえられ新太郎と共に処刑寸前の危機に発展してしまうこともあった(第477話)。発言の端々から思い遣りに溢れ、仲間を大切にしていることがよくわかる隠密である。隠密装束は袖なしの黄色の忍び上着に黄色のショートパンツ、髪型はポニーテール、額は鉢巻代わりの三色の組紐、オレンジ色の細い組紐が付いた特殊な小太刀とアクロバット戦法を得意とする。第499話を最後に、プライベートな事情から降板。
*'''つばくろの茜:[[清原美華]]'''
:第511話から登場。幻の御前の命を受けて密かに御子神の動向を探り、その過程で清次郎たちと知り合う。幻の御前の隠密支配着任に合わせて隠密同心に加入。酒豪。魚屋隠密ポジションではあるが、男装の遊び人が表向きの模様。渡り髪結いや桔梗屋の女中として働くこともある。3年前に不良集団の一味として荒んだ生活を過ごしていた過去が明かされているが、隠密同心にスカウトされた経緯が明かされることはなかった。隠密装束は赤地に金色の牡丹柄の岡っ引き風長袖に、黒の一本線入りの茶色とベージュの帯に、黒のショートパンツ姿に黒の足当てを着用、髪型はポニーテール。刀は逆手持ち。赤房付の短剣を投げて戦うこともある。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。

:;隠密支配
*'''旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥'''
:第51話で、7年前に勘定奉行に任命されるが爆薬で妻子を殺され、政に対する自責の念から、勘定奉行の役職を退いた過去が判明している。同回で再び勘定奉行に推挙されるも「庶民を犠牲にする政には興味がない」との一念から拒否している。名乗りの際は初期の「旗本寄合席〜」パターンと「そして隠密支配〜」のパターンがある。隠密装束は特に決まっていないが、第306話、第307話のみ白の着流し、後半は紫の着流しが多い。第404話が最後の出演となったが、特に理由を説明されないまま姿を消した。井坂十蔵によれば家紋は「源氏車に八枚笹」とのこと(第124話)。
*'''[[番頭#大番頭(おおばんがしら)|大番頭(おおばんがしら)]] 藤堂対馬(とうどう つしま):[[大山克巳|大山勝巳]]'''
:第409話から登場。内藤勘解由より隠密支配を引き継いだ。清次郎たちには「お頭」と呼ぶよう頼んでいる。第416話で、佐竹藩藩主小池左馬介の義理の弟であることが明かされた。隠密装束は紫の着流し。名乗りの際は「そして大番頭、またの名を隠密支配〜」。前の大番頭だった中津川隼人の推挙によって大番頭に就いたが、その中津川が隠し金山に絡む悪事に加担していた疑惑で、良心の呵責から犠牲になった人足夫婦の仇討ちに躍起になっていた春香とおりんに手を引くよう警告した結果、2人に懐剣を返上させてしまう事態を招いたこともある。第497話が最後の出演であるが、第511話で御子神安房守から大坂城代となったため、隠密支配の職を辞したことが語られた。
*'''影の支配 幻の御前(声):黒沢良'''
:第511話から登場。本名や素性などは一切謎。普段は顔も編笠で隠れたり、姿を見せず声だけだったりと正体不明の存在。[[側用人|御側用人]]・土屋伊賀守<ref group="注釈">表記は異なる可能性あり</ref>なる人物が正体であることを促す描写がある(第525話)が、真相は不明。指令は大概口頭で行なうが、時に文書で事情を伝えることもある(第519話など)。清次郎との初顔合わせでいずれ正体を明かすことを語ったが、その日が来ることなく、最終回にあたる第536話で、清次郎たちの素性を若年寄・津島大膳に洩らし、それが敵の隠密同心抹殺計画に利用されたことを苦に切腹し、果てた。

:;暫定メンバー
*'''山口太兵衛:[[左右田一平]]'''
:音次郎とともに隠密同心に加入。いささか堅物の武士で、隠密としては掟違反ながら、おはまという情妻とその間にできた赤ん坊がおり、この点は内藤勘解由も黙認している。探索中に事件に関わっていた浪人の不意打ちを受け殉死。第27話のみの出演。
*'''火車おもん:[[高瀬春奈]]'''
:実の父親は、南町奉行所与力で勘解由の将棋仲間だったが、抜荷の犯人に撃たれて死亡。勘解由の計らいで、町火消し「は」組の頭(かしら)辰造の娘として育てられた。辰造が殺された復讐を果たすべく、勘解由に懇願して隠密同心に加入した。
:土田早苗の急病で、第331話 - 第336話の短期間の出演。隠密装束は赤紫色の地に白色の車輪と纏の柄の着物で、赤い鞘の刀(331・332話)と紺の鍔なし鞘の刀(333~336話)を使用。
*'''矢車お菊:[[中島ゆたか]]'''
:根来忍者の生き残りで、'''菊弥'''という名前で芸者をしている。内藤勘解由が隠密同心に入れようと育てていたが、悪阻で倒れていた所を町医者・高木新之助(第356話)に救われ、彼に恋をしてしまい、隠密同心の申し出を一度は断った。しかし、高木新之助の死をきっかけに、隠密同心に加入する。隠密装束は赤紫色地に矢車柄の着物。おもん同様お竜の代理による臨時参加で、第388話 - 第390話・第401話・第402話の短期間の出演だった。
*'''御子神安房守:[[葉山良二]]'''
:若年寄。藤堂対馬が大坂城代となったため、後任が決定されるまでの間、暫定的に隠密支配の座に就いた。だがその実態は木暮藩に絡む砂金横領の黒幕で、差し向けた隠密を手にかけた兵助の抹殺を清次郎に指示するが、逆にからくりを知った隠密同心たちの刀の前に散った。第511話のみの出演。

:;その他のレギュラー・準レギュラー
*'''早耳金太:古今亭志ん駒'''
:瓦版屋。事件解決のために貢献するが、大麻入りの煙草を吸わされたり、囮にされて殺されかけたりとロクな目に遭わない。いつも「桔梗屋」にいる珊次郎や音次郎、清次郎、井坂らの正体が隠密同心であることは知らない。第401話までの出演。
*'''萩乃:花ノ本以知子'''
:当シリーズ初期における「桔梗屋」の女将。珊次郎たちの正体を知っている。
*'''白木万理'''
:「桔梗屋」の女将。
*'''お春:立花かおる'''
:「桔梗屋」の女中。
*''' 千代松:[[山田隆夫]]'''
:当初は井坂を親の仇と思っていたが、後に違うことがわかり、奉行所から目明しとして十手を授かる。お調子者で清次郎達に大きなことを言っては空回りをするが、憎めない存在。後に、早耳金太と共に姿を見せなくなる。
*'''瓦版売り:[[鹿島信哉]]、[[石山かつみ]]'''
:
*'''おみつ:[[小堺寛子]]'''
:第409話~。「桔梗屋」の女中。
*'''お夏:[[早瀬さとみ]]'''
:おみつに代わって登場した「桔梗屋」の女中。清次郎と昔知り合ったことがある。491話までの出演。
*'''おたね:[[丹阿弥谷津子]]'''
:ある盗賊団の探索中に行方不明になった目明しの夫を探すため自らも十手を授かった小母の女目明しで、肝も据わっており、情に厚い。清次郎とは親子同然に仲がいいが、清次郎が只者でない事を知っている節がある。
*'''松平定信:[[黒川弥太郎]]→[[永井秀明]]'''
:内藤勘解由と旧知の幕府老中で隠密同心の創設者。
:第71話では実弟が鉄砲密輸に加担しているらしいことを知り、隠密同心たちに捜査解任を通告するも、懐剣を返上しながらも探索に乗り出す胡蝶の執念に心動かされた勘解由の「隠密同心は我が子以上の存在」という言葉に絆され、実弟の成敗の許可を下す。
:第536話では立花左馬介の陰謀に利用され、責任を取る形で自害した幻の御前の切腹に立ち会った。

*第109話(通算213話)「火花散る隠密七変化」で、元隠密同心「葉隠れお雪」役で、[[美空ひばり]]が出演し、仇討ちを果たしている。
*稲妻お竜役の土田早苗は、2回、長期病欠している。そのため、芸者隠密同心のピンチヒッターとして、火車おもんと矢車お菊が登場しているが、それぞれ約2、3か月しか登場していないため、オープニングには登場せず、エンドクレジットのゲスト扱いである。

=== 新・大江戸捜査網 ===
*1984年4月7日 - 1984年9月29日(制作:ヴァンフィル テレビ東京)
'''スタッフ'''
*企画:時崎克彦、元村武
*プロデューサー:石川博、田辺隆史
*音楽:玉木宏樹
*撮影:緒方博
*照明:嶋田宣代士
*選曲:合田豊
*殺陣:高倉英二
*レーザーサウンド:横浜シネマ
*ナレーター:[[日下武史]]
*協力:84プロモーション
*脚本:山崎巖、小川英、胡桃哲、和久田正明、土橋成男、大工原正泰、下飯坂菊馬、富田富美
*監督:長谷部安春、猪崎宣昭、岡康季、小澤啓一、手銭弘喜、宮越澄、白井政一、[[山城新伍]]、[[吉田啓一郎]]、大久保直実
;主題歌
*『信じますか』
**作詞曲唄:[[松本ひでき]]、編曲:[[松井忠重]]

;登場人物
*'''隠密同心 新十郎:[[並樹史朗|並木史朗]]'''
:本シリーズのリーダー格。表向きは飛脚だが、雇われているわけではなく、長屋の住居が飛脚屋を兼ねている模様。お紺からは「新さん」、銀次や長庵、松五郎からは「新の字」と呼ばれる。粋で情にもろい性格と隠密同心としての未熟さもあるゆえか、立ち回りや探索で苦戦を強いられることも多かった。実は福山藩の隣国の今は取り潰された浅尾藩の殿の御落胤で、福山藩の下級武士の娘であるお袖と恋仲になるも身分の差で引き裂かれ山寺に一年閉じ込められたあと武士の身分を捨て江戸に来た(第17話)。第26話で敵に正体をバラされ窮地に落ちるが、役目を返上し、定信を失脚させて尾張藩主を将軍にと画策した江戸家老南原守膳らを負傷しながらも成敗して、仲間たちと共に江戸から姿を消した。
*'''隠密同心 銀次:[[三浦浩一]]'''
:楽天家で、お役者銀次を自称してはいるが、実際は現代でいうフリーターである。そのため毎回、松五郎の斡旋で、さまざまな仕事を買ってはいるが、いずれもまともなものではない。新十郎とは殴り合うほど仲のいいコンビぶりを見せるが、悪女集団に叩きのめされたりとこちらも隠密同心としての未熟さが目立つ。お役者を自称するだけに岡っ引きや太鼓持ちなどに変装し、呼び笛を吹くなどピンチを救うこともしばしば。成敗の際には総髪の浪人風情になる。後半では、必殺シリーズで用いられるような技で成敗を行ったこともある。
*'''隠密同心 お紺:[[佳那晃子]]'''
:表向きは、流し目のお紺という通り名のはぐれ芸者。主に情報収集と主水正から承った御成敗書を敵の居場所に届けるのが役目で成敗には参加しないことが多いが第7話では悪人を簪で成敗していたり、第26話では新十郎たちと共に成敗に参加していた。また、御成敗書を矢につけて飛ばす際に悪人を倒したこともある。成敗時の装束は御成敗書を届ける際の紫の頭巾姿で鍔無しの黒色の鞘の刀を使用。なお、演じた佳那晃子は、「大江戸捜査網」時代には大関優子名義で多数ゲスト出演をしていた。
*'''隠密同心 榊原長庵:[[橋幸夫]]'''
:長屋に住居を構える町医者で、貧しい人からは治療代を取らず、住人からの信頼も厚い。その反面、悪人には厳しく、口より先に手を出し、手荒な事も厭わない。徹底した個人主義者で、隠密同心としての職務にはあまり関わりたがらないが、いざという時はメンバーの力になることもある。人差し指で、相手の体を貫通したり、関節を外したりと怪しげな秘術の使い手でもある。成敗の際は手甲を着け素手で戦うが、とどめには脇差を使う。
*'''隠密支配 日向主水正:瑳川哲朗'''
:新十郎たちから御支配と呼ばれているが、表の役職は不明。松平定信からの御成敗書をお紺に渡している。新十郎たちと繋ぎを取る場面で出ることがほとんどで、成敗には参加せず立ち回りもしない。
*'''さすらいの松五郎:[[ガッツ石松]]'''
:隠密同心の溜り場である居酒屋「いちょう屋」の主。居酒屋自体は、青と黄色を基調としたお洒落な外装。お清と夫婦になる前は喧嘩っ早い性格だったらしく、そのせいか時折、感情的になるとすぐ相手を殴ってしまう癖がある。毎度、銀次に仕事を斡旋している。新十郎たちが隠密同心であることは知らないが、後半は彼らをサポートする面が随所に見られた。
*'''お清:[[甲斐智枝美]]'''
:松五郎の妻。松五郎との夫婦仲は良く、喧嘩をすることもあるがすぐに仲直りする。たまに新十郎に気があるかのようなことを口にする。
*'''三太:[[岩瀬威司]]'''
:長庵のところに住み込んで手伝いをしている子供。長庵とは親子ではないようだが、父親のように慕っている。
'''補足'''
*並樹編で、夫婦役で共演したガッツ石松と甲斐智枝美は、同時期放送されていたドラマ『[[京都マル秘指令 ザ新選組]]』([[テレビ朝日]]系で1984年2月 - 5月放送)でもレギュラーで共演。

===1990年 - 1992年放送===
====第1期====
1990年10月12日 - 1991年3月29日放送(制作:G・カンパニー、テレビ東京)。

;スタッフ
*制作:遠藤慎介、元村武
*プロデューサー:江津兵太、小川治、真鍋和己
*脚本:小川英、中野顕彰、胡桃哲、山崎巖、[[大西信行]]、石川孝人、武末勝、[[いずみ玲]]、[[杉昌英]]、大平洋ほか
*監督:江崎実生、居川靖彦、長谷部安春、関本郁夫、岡康季、[[白井政一]]、[[大久保直実]]、[[山城新伍]]、[[杉村六郎]]ほか
*音楽:玉木宏樹
*選曲:合田豊
*撮影:中間政治
*美術:松井敏行、望月正照
*録音:秋山一三、井家眞紀夫
*制作担当:松本洋二
*殺陣:[[宇仁貫三]]
*効果:宮田音響
*整音:[[映広]]
*現像:[[IMAGICA]]
*衣裳:[[東宝コスチューム]]
*スタジオ:[[東宝ビルト]]
*車輌:[[マエダ・オート]]
;主題歌
*『めぐり逢い』
**作詞:[[たかたかし]]、作曲:[[小椋佳]]、編曲:[[川口真]]、唄:[[野中二郎]]

;キャスト
*'''隠密同心 葉月裕之介:[[橋爪淳]]'''
:普段は、寺子屋の先生。みなし子で、義憤から悪人狩りをしていた。当初は定信を世を乱す元凶と考え、小鈴と共に定信暗殺を企む元秋月藩家臣の大山に加担して定信を襲撃するが、何度か定信と顔を合わせるうちにその本心を知り、この一件をきっかけに親代わりの真善和尚が斬殺された事などの経緯を得て隠密同心に加入した。隠密装束は青い着流しを着用し、髪型も総髪に変わる。
*'''隠密同心 秋草新十郎:[[京本政樹]]'''
:普段は、酒・女・博打大好きな南町奉行所の高積み見回り役(往来に積んである貨物の高さを監視し、荷崩れ事故を防止する役目)同心で、うだつの上がらぬ様子を演じているため、「与太郎」と白壁から揶揄されている。同心のため、過去の事件の洗い出しにはもってこいの切れ者で、女形役者、太鼓もち、若旦那などに変装する。十手術や居合を得意とする。グレーの着流し着用。
*'''隠密同心 松原蔵人:[[隆大介]]'''
:普段は、剣術道場の道場主。腕は立つが道場が火の車なので、傘張りや道場破りで、小銭を稼いでいる。浪人故か、家柄やしきたりにとらわれる武家を嫌っている節がある。隠密装束は、黒の着流しを着用していたが途中から茶色の着流し着用。刀や槍を使用する。
*'''隠密同心 花の小路お光(はなのこうじ おこう):[[中村あずさ]]'''
:的屋(てきや)「花の小路一家」に生まれ、さる旗本に見初められるも、夫に先立たれ、家は断絶。強制的に落髪させられ、光明尼という名で、一人尼寺で夫の先祖の墓の墓守をしながら、夜には賭場でお金稼いだり賭場荒らしを行う。捨て身の度胸と小太刀の腕を定信に買われて、隠密同心となる。探索時には、芸者として振舞う。隠密装束は薄紫色の尼頭巾に紫の着物、手には数珠を携帯。刀は黒色鍔無しの鞘の刀を、普段は逆手持ちで使って応戦、刀の柄の下部と鞘の下部は接続出来る仕掛けがあり、薙刀のようにしての応戦も可能。
:なお、隠密同心四人は成敗時には、額に正の一文字の入った金属性の額当て鉢巻を巻いている(お光は尼頭巾に縫いつけている)。
*'''隠密補佐 お七:[[吉野真弓]]'''
:普段は、魚屋。主に情報収集と定信との繋ぎ役。
*'''六助:[[小松政夫]]'''
:普段は、裕之介たちが屯する小料理屋の主人兼板前。もともとは義賊と謳われた盗賊「霞小僧」で、町方与力に捕縛されかけたがその与力に情けを掛けられたことで足を洗い、その後、裕之介と出会ったことで彼の悪人狩りのための情報収集をしていた。裕之介が隠密同心となった後も、引き続き情報収集を担当する。
:なお、六助の過去にまつわる話は本編11話で語られている。
*'''老中 松平定信:[[田村高廣]]'''
:老中着任後、田沼政権がもたらした悪政を根絶やしにし、江戸庶民に平和と安らぎを与えるべく伝説の存在だった隠密同心を結成。自らその支配として直接、隠密同心たちを束ねている。
*ナレーター:黒沢良

*'''小鈴:[[沢口靖子]]'''
:第一話と最終話のみ登場した松平定信の娘。裕之介同様に当初は定信暗殺を企てる大山に加担していたが、定信の用人である西澤と育ての親である[[旗本]]の山中から実の父が定信である事と、田沼政治を根絶やしにする際に巻き込まれないよう自分が山中に預けられた経緯を知り、定信とのわだかまりも解けた。
*'''おちか:[[辻沢杏子]]'''
:六助の妻。たまにはケンカもするがおしどり夫婦で、隠密同心の素性は知らないが、六助同様に何かと世話を焼いてくれる。
*'''白壁桂馬:[[龍虎勢朋|龍虎]]'''
:新十郎の上司の南町奉行所与力。口調が独特でオカマの気があり、新十郎に「相撲取りみてぇな身体しやがって」と陰で言われている。新十郎を「新十郎」、または「新ちゃん」と呼ぶ。
*'''菊池:[[高崎隆二]]'''
:定信の用人。
*'''お花:[[森下涼子|森下桂(森下涼子)]]'''
:小料理屋の店員。
*'''[[新城めぐみ]]'''

====第2期====
1991年10月11日 - 1992年3月27日放送(制作:G・カンパニー、テレビ東京)

好評だった前作に続いて製作。キャスト及び設定は前作の流れをついでいるものの、役名が代わり、オープニングなど昭和シリーズのオマージュ的部分が濃厚となっている。

;スタッフ
*制作:江津兵太、元村武
*プロデューサー:鈴木一巳、藤原幣吉、真鍋和己
*音楽:玉木宏樹
*選曲:合田豊
*撮影:中間政治
*美術:松井敏行
*録音:秋山一三
*制作担当:土肥裕二
*殺陣:高倉英二、[[中瀬博文]]
*効果:宮田音響
*整音:星一郎(アオイスタジオ)
*現像:[[東映ラボ・テック|東映化学]]
*衣裳:東宝コスチューム
*かつら:[[アートネイチャー]]
*大道具:[[KHKアート]]
*スタジオ:東宝ビルト、[[生田スタジオ]]
*車輌:マエダ・オート
*協力:[[根津神社]]
;主題歌
*『恋花火』
**作詞:たかたかし、作曲:[[弦哲也]]、編曲:[[前田俊明]]、唄:[[大石加奈子]]

;キャスト
*'''隠密同心 天竜寺隼人(てんりゅうじ はやと):橋爪淳'''
:普段は、小料理屋の板前の'''直次郎(なおじろう)'''。元は忍の出身で、いち丸が本名。隠密装束は白い着流しを着用。前作の葉月裕之介と同一人物かどうかは不明。
*'''隠密同心 秋草新十郎(あきくさ しんじゅうろう):京本政樹'''
:南町奉行所をクビとなり、浪人になった(普段は易者として働いている)。井坂十蔵を意識してか、虚無僧の姿で活動するようになる。情報収集は、元上司の同心から聞きだすことが多い。元上司の桂馬からは、相変わらず詰め寄られている様子。隠密装束は紫の着流しを着用。
*'''隠密同心 流れ星お蝶:中村あずさ'''
:普段は芸者。蝶丸として、情報収集など行う。紀州根来衆忍者で、幼い頃から隠密になるために奉公された。隠密装束は、赤の着物。刀は濃い茶色の鍔無し竹鞘の刀。前作の花の小路お光と同一人物であるかは不明。
*'''隠密同心 矢車お仙(やぐるまおせん):[[荒井乃梨子]]'''
:普段は魚屋。第19話まで情報収集と小笠原との繋ぎ役の隠密補佐で、第20話にて命の恩人である相良藩の家老坂巻の仇討ちを志願し、隠密同心として加入した。初参戦に成敗した仇相手がその家老が在籍していた相良藩主の相良修理亮と側用人の向井である。隠密装束は黄色地に赤い風車柄の岡っ引き風の上着に、黒のショートパンツに膝下は黒の足当て。成敗時は、手槍を使用して戦う。
*'''旗本寄合席(隠密支配) 小笠原甚内(おがさわら じんない):[[和崎俊哉]]'''
:隼人が敵のアジトに侵入した際、敵を欺くにはまず味方から騙すため、先回りして、浪人姿で潜入していた切れ者の隼人たちの上司。
*'''筆頭老中 松平定信:[[若林豪]]'''
:前作より引き続き隠密支配を兼任していたが、その役目を甚内に譲った。
*ナレーター:黒沢良

*'''お涼:[[山本リンダ]]'''
:直次郎が働く小料理屋「桔梗」の女将。酒癖が悪く酒が入るとリンダの持ち歌である「狙い撃ち」を十八番として熱唱する。直次郎に好意を持っている。
*'''白壁桂馬:龍虎'''
:南町奉行所与力。新十郎とは、依然つながりがある。
*'''お千代:[[北原歩]]'''
:小料理屋「桔梗」の看板娘。
*'''[[田沼意次]]:青木義朗'''
:第24話に登場した元老中。賂を取り続けていたのを理由に老中の座を追われ、一万石の大名に甘んじていた。自らの老中返り咲きと相良藩の再興を目的に、隠密同心の全滅と江戸の大火事の混乱に乗じた定信の暗殺を計画するが、チームワークと執念で危機を乗り越えた隠密同心の敵ではなく、隼人、新十郎に成敗された。その後定信の計らいで孫の[[田沼意明]]が田沼家の家督を継いだ。
*'''[[古手川伸子]]'''

== 放送リスト ==
CS放送局の番組表などでは、このリストと違い第2・3シリーズは第1シリーズからの通算話数となっている事が多い。朝日新聞出版とのコラボレーションで発売されている第3シリーズのDVDコレクションの、杉良太郎のインタビューの特典映像内で示されるフリップにも第1シリーズから通算での105話、106話…と、話数が記載されているのが確認が出来た。その為テレ東に問い合わせたところ、第3シリーズまでは、管理を通算で行われていると答えが返って来た。

※2016年二月現在CSホームドラマチャンネルで第三シリーズ(松方弘樹版)がリピート放送されています。
番組表No.#○○○ から104を引いた数字が各話リストの数字と一致しています。


==== 第1シリーズ ====
<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第1シリーズ)</div>
<div class="NavContent" style="text-align: left;">
<div class="NavContent" style="text-align: left;">
{| class="wikitable" align="center" style="text-align:center;font-size:small;"
{| class="wikitable" align="center" style="text-align:center;font-size:small;"
633行目: 279行目:
|第52話||1971年9月25日||男一匹殴り込み||川内康範<br>蘇武路夫||[[水上竜子]]、[[隅田和世]]、[[石立和男]]、[[田中春男]]||EDロングバージョン
|第52話||1971年9月25日||男一匹殴り込み||川内康範<br>蘇武路夫||[[水上竜子]]、[[隅田和世]]、[[石立和男]]、[[田中春男]]||EDロングバージョン
|}
|}

</div></div>
</div></div>


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==== 第2シリーズ ====
====第2シリーズ====
1972年4月3日 - 1973年3月17日放送(制作:日活 東京12チャンネル)。

;スタッフ
*脚本:中野顕彰(10回)、山浦弘靖(9回)、[[山崎巌 (脚本家)|山崎巖]](8回)、小川英(4回)、胡桃哲(同)、[[武末勝]](同)、[[吉岡昭三]](同)、[[大和久守正]](3回)、蘇武路夫(2回)、[[中西隆三]](同) 他
*監督:斎藤光正(16本)、西山正輝(12本)、樋口弘美(9本)、[[小沢啓一]](6本)、磯見忠彦(5本)、手銭弘喜(4本)
*ナレーター:黒沢良
*協力:金剛プロダクション
;主題歌
*『江戸の夜明け』
**作詞:川内康範、作曲・編曲:曽根幸明、唄:杉良太郎

;登場人物
*'''隠密同心 十文字小弥太:杉良太郎'''
:前作と同じく、「相模無宿の珊次郎」で活躍をしている。成敗時に名乗ることが格段に増えてくる。
*'''隠密同心 井坂十蔵:瑳川哲朗'''
:前作と同じく素浪人姿で活躍をするが、第1シリーズのようにつぎはぎの袴姿は減り、黒の着物に袴が多くなった。珊次郎には‘山猫お七’が居るが、十蔵の‘おとら’は早耳金太と交代で居なくなった。
*'''隠密同心 小波:梶芽衣子'''
:ポジションは前作と同じであるが、正式に隠密同心と表記されるようになった。また、任侠一家の娘だった過去や当初から隠密同心であった(松平家の家紋入りの懐剣を所持)ことも、このシリーズで正式に明かされる。
*'''隠密補佐 山猫お七:岡田可愛'''
:このシリーズでは、内藤邸への出入りや、正式に捜査を担当したり、名乗りを上げるシーンにも出ているが、あくまで隠密同心ではなかった。花札を手裏剣として武器に使う。第26話(通算第78話)を最後に、姿を消す。尚岡田可愛は、第3シリーズで、娘瓦版売りのお花としてゲスト出演する。
*'''旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥'''
:前作と同じ旗本寄合席で、隠密支配をしている。第3シリーズ以降に比べ、出演話数も多かった。

*'''おかん:白木マリ'''
:前作と同じく、居酒屋の女将である。ただし、居候の音吉は登場しない。
*'''早耳金太:[[古今亭志ん駒]]'''
:珊次郎たちと旧知の瓦版売り。前作のおとら、仙吉に代わり登場。
*'''おせん:太田とも子'''
*'''萩乃:花ノ本以知子'''

===== オープニング及びナレーション =====
「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の犯罪を憎み、 過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、又、ある時は影のように支える男たち。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む彼らに、明日と言う日はない」

===== 放送リスト =====
CS放送局の番組表などでは、このリストと違い第1シリーズからの通算話数となっている事が多い。
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第2シリーズ)</div>
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{| class="wikitable" align="center" style="text-align:center;font-size:small;"
679行目: 358行目:
|第16話||1972年7月8日||十手をすてた男||山浦弘靖||[[富川徹夫]]、[[光川環世]]、長谷川明男、[[高城淳一]]||
|第16話||1972年7月8日||十手をすてた男||山浦弘靖||[[富川徹夫]]、[[光川環世]]、長谷川明男、[[高城淳一]]||
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|第17話||1972年7月15日||琉球の女||中野顕彰||rowspan="2"|斉藤光正||松原智恵子、[[嘉手納清美]]、[[高城丈二]]、田口計||<ref>読売新聞1972年6月18日朝刊21面『隠密同心、沖縄に参上 東京12「大江戸捜査網」ロケ 一行、暑さに悲鳴』によると、3日間の沖縄ロケが行われた。ロケ地は[[那覇市]]内の名所、[[玉城村]]の[[玉泉洞]]、[[奥武島]]など。[[沖縄返還|沖縄本土復帰]]に合わせる予定が出演者のスケジュールが合わなかったという。前年12月までは第1シリーズが沖縄テレビで放送されていた事もあり、見物にファンが押し寄せた。ロケを伝える新聞記事では「美しき哉、琉球」というタイトルだった。</ref>
|第17話||1972年7月15日||琉球の女||中野顕彰||rowspan="2"|斉藤光正||松原智恵子、[[嘉手納清美]]、[[高城丈二]]、田口計||
|-
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|第18話||1972年7月22日||女隠密故郷へ帰る||山浦弘靖||[[美樹克彦]]、大山勝巳、[[河野秋武]]||
|第18話||1972年7月22日||女隠密故郷へ帰る||山浦弘靖||[[美樹克彦]]、大山勝巳、[[河野秋武]]||
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==== 第3シリーズ ====
==== 第3シリーズ ====
1973年9月22日 - 1984年3月31日放送。制作は三船プロダクションに移行するも、お家騒動の余波から、1982年10月より、ヴァンフィルに(ただし「制作協力」として、三船プロダクションのクレジットは終盤近くまで続けられた)。2007年1月に発売されたパチンコ「CR大江戸捜査網」のモチーフになっているのは、このシリーズである。
なお、2003年にキングレコードから発売された「大江戸捜査網オリジナルサウンドトラック」はジャケットに「アンタッチャブル」と記されているが、収録されているメインテーマは第3シリーズ里見浩太朗編のものである。

;スタッフ
*脚本:中野顕彰、[[山崎巌 (脚本家)|山崎巌]]、蘇武路夫、[[武末勝]]、[[胡桃哲]]、[[小川英]]、[[池田一朗]]、[[山本英明]]、[[津田幸於]]、[[服部一久]]、[[柴英三郎]]、[[佐治乾]]、[[山浦弘靖]]、[[加賀美しげ子]]、[[横田与志]]、[[渡辺豊彦]]、[[伊上勝]]、[[天野恒幸]]、大工原正泰、中西隆三、[[杉良太郎]]、[[松岡志奈]]、[[黒土三男]]、[[宮川一郎]]ほか
*監督:[[斎藤光正]]、[[手銭弘喜]]、[[小沢啓一]]、[[宮越澄]]、[[江崎実生]]、[[坪島孝]]、[[松尾昭典]]、[[内藤三郎]]、[[長谷部安春]]、[[松森健]]、[[吉川一義 (テレビドラマ監督)|吉川一義]]、[[丸輝夫]]、[[井上昭]]、[[外山徹]]、[[高橋勝]]、[[内出好吉]]、[[原田雄一 (テレビドラマ監督)|原田雄一]]、[[鹿島章弘]]、[[黒田義之]]、[[高橋繁男]]、天野恒幸、[[池広一夫]]、[[山崎大助]]、[[松尾正武]]、[[原田隆司]]、[[居川靖彦]]ほか
*企画:時崎克彦、元村武
*プロデューサー:岡哲男、小川清澄、小林尚武、石川博、佐々木太郎、木村博人、内藤三郎、新藤次郎、田辺隆史
*プロデューサー補:犬飼佳春
*音楽:[[玉木宏樹]]
*脚本協力:[[ジャック・プロダクション]]
*選曲:[[鈴木清司]]、[[合田豊]]
*原案:日活株式会社(第1話 - 第305話)
*撮影:岩橋秀光、[[原一民]]、[[山田一夫]]、村野信明、[[斉藤孝雄]]、小野進、坪井誠、森隆吉、有吉英敏、[[小泉一]]、笹木欣二、[[緒方博]]
*美術:川島泰造、福留八郎、筒井増男、上條文雄、石田良之、木村晃广
*録音:近藤克巳、吉沢昭一、大野久男、宮永晋、秋山一三、八木多木之助、浜勝堂、宮永サウンド
*照明:窪田彰、土井直之、遠藤克己、佐藤幸郎、釜田一、北爪勇、内田皓三、嶋田宜代士
*編集:岡田三知夫、井上親弥、岡村博也
*助監督:宮本淳郎、布施修、佐野正弘、宮越澄、鹿島章弘、下村優、北村武司、白井政一、岡康季、武内孝吉、大久保直実
*記録:中川節子、内田絢子、石川恵与、浅野秀子、照井鈴子、黒岩美穂子、森靖子、東紀子、沢田享子、福島勇子、堀北昌子、小池美智子、小島秀子、広川貴美子、椎塚二三
*演技事務:長崎洋二郎、石坂久美男、佐々木健一、前原満司、宮下博、真鍋和己、大場正弘、平林俊夫、[[松本清孝]]
*製作主任:力武敏彦
*製作担当:江成健、河井正一、守屋徹、平林俊夫、荻原静、高橋憲行、福塚孝哉、吉田由二
*殺陣:林成二郎、[[渡辺高光]]、[[山口博義]]、[[伊奈貫太]]、上野隆三、[[三好郁夫]]、[[高倉英二]]
*効果:[[東洋音響効果グループ|東洋音響]]、宮田音響
*整音:[[星一郎]]、[[アオイスタジオ]]、トリッセン・スタジオ、黒丸治夫
*レーザーサウンド:[[ヨコシネ ディー アイ エー|横浜シネマ]](513話-)
*現像:東洋現像所、[[東京現像所]]
*装置:三船プロ、トリッセン、[[美建興業]]
*小道具:[[高津映画装飾]]
*装飾:[[三度屋美術工房]]
*衣裳:[[京都衣裳]]
*美粧:[[山田かつら店]]
*協力:三船芸術学院(第409話-第510話)
*ナレーター:黒沢良
*製作協力:金剛プロダクション、[[六本木オフィス]]、[[松プロダクション]]、三船プロダクション(第460話-第510話)
;主題歌
*『江戸の夜明け』(第26話まで)
**作詞:川内康範、作曲:曽根幸明、唄:杉良太郎、[[コロムビアレコード]]
*『ながれ橋』(第27話 - 第78話)
**作詞:[[葉方丹|葉方八郎]]、作曲:玉木宏樹、唄:[[若子内悦郎]]
*『砂の枕』(第79話 - 第131話)
**作詞:[[菅野さほ子]]、作曲:[[遠藤実]]、編曲:[[斉藤恒夫]]、唄:里見浩太朗、発売:[[ポリドールレコード]]
*『微笑みをすてる時』(第132話 - 第305話)
**作詞:[[石原信一]]、作曲:[[竜崎孝路]]、編曲:[[小谷充]]、唄:里見浩太朗、発売:[[RCAレコード]]
*『燃えよ夕陽』(第306話 - 第408話)
**作詞:[[柴田陽平]]、作編曲:玉木宏樹、唄:[[たきまさと]]、発売:[[CBSソニー]]
*『落日』(第409話 - 第442話)
**作詞:[[なかにし礼]]、作曲:[[浜圭介]]、編曲:竜崎孝路、唄:南条弘二、発売:コロムビアレコード
*『漂流者たち』(第443話 - 第510話)
**作詞:[[大津あきら]]、作編曲・唄:[[ノーザン・ライツ]]、発売:[[東芝EMI]]イーストワールドレーベル
*『陽だまり』(第511話 - 第536話)
**作詞:[[山上路夫]]、作曲:[[平尾昌晃]]、編曲:[[馬飼野俊一]]、唄:[[西尾ふじ美]]、発売:東芝EMI
;挿入歌
*『愛しいバラのように』
**作詞:大津あきら、作曲:[[小田裕一郎]]、編曲・唄:ノーザン・ライツ

;登場人物
:;隠密同心(レギュラー)
*'''十文字小弥太:杉良太郎'''
:前シリーズ同様普段は遊び人の珊次郎として活動。第7話(通算112話)以降、能面をつけて悪人の前に現れることがある。野性味あふれる太刀さばきが特徴。隠密装束は黒や紺の着流しを着用する。第26話(通算130話)で、定信を失脚させようとした若年寄の堀田と北町与力の森川の野望を阻止し、吟味役与力に任命されて仲間の前から去った。
*'''伝法寺隼人(でんぽうじ はやと):[[里見浩太朗]]'''
:小弥太の後任として、第27話(通算131話)から登場。表向きは'''音次郎'''として、新内流しや遊び人風体で活動。仲間からは「'''音さん'''」と呼ばれる。一刀流が中心だが、実は二刀流の達人。元々は200石の旗本出身。第38話の時点から8年前までは、矢作二刀流道場で親友の小早川と共に竜虎の異名をとるほどで、しばしば二刀流で戦うことがある(第27、28、30~32、38、46、53、54、62、80、116、127、178、194、205、220、243、300話など)。その太刀さばきは華麗。遊び人では素手や鎖(第29、31、37、46、47、51、55話)または仕込み煙草入れ(第47話、第52話)、新内流しでは棹や撥に刃を内蔵した仕込み三味線で闘うこともある。隠密装束は青や紺、紫(第60・273話)の着流しを着用。リーダーシップに長け、使命感に強い。第305話で、爆破事件の黒幕が[[将軍家]][[御家門]]である筆頭若年寄の菅沼だったため、切腹を覚悟で成敗するが、定信の計らいで菅沼は病死となり、上方に新設される隠密同心組織の隠密支配に任命され、旅立って行った。
*'''左文字右京(さもんじ うきょう):[[松方弘樹]]'''
:隼人の後任として、第306話(通算410話)から登場。表向きは桔梗屋の板前・'''清次郎'''で、「'''清さん'''」の愛称で呼ばれる。元は御家人の次男坊で、御家人の仕組みに嫌気がさして刀を捨てたが、内藤勘解由にその腕を見込まれ、1年間、隠密同心としての修行を積んだ。直心影流の使い手で、野性味と華麗さを併せ持った太刀さばきを見せる。隠密装束は306話の初登場から白の着流しで二刀流での立ち回りも多い。第331話からは浅葱色(水色)の着流し。さらに終盤は紺の着流しで一本差になる。茶目っ気ある気さくな性格で江戸庶民との交友関係も幅広いが、許せぬ悪人に対しては荒っぽい言動をするほど直情的になる。第536話で幻の御前の死と旧知の町人たちを自らの暗殺計画に利用された怒りから、隠密同心の証の懐剣を返上。全ての黒幕である将軍家御家門・立花左馬介を成敗した後、いずこともなく去っていった。
*'''井坂十蔵:瑳川哲朗'''
:前作同様、虚無僧や同心などの活動が多いが、第122話で寺子屋の先生をしてからはシリーズ後半の表向きとして定着するようになる。第27話から椿の花の代わりに、太刀の柄と鞘を組み合わせた即席の[[長巻]]を武器とし(第27、29、31 - 34、39、40、48 - 50、53話)、髪型も総髪の他に第1シリーズ初期の御家人ムシリや(第27話 - 第39話)、月代の武家髷に一時期変更されていた。仲間からは'''「旦那」'''と呼ばれる。剣の流派は神明一刀流。かつて父親は普請方に勤めていたが、上役の賄賂による不正に巻き込まれ切腹し、お家断絶で天涯孤独となり、神明一刀流道場主の脇坂玄藩に育てられた(第122話)。にわかながら医術の腕もあるようで、負傷した仲間や町人の手当てを行ったこともある。隠密装束は初期は薄いグレー、第27話~第305話は黒の着流し。第306話~330話は白の着流しに黒白の帯。第331話からは薄いグレーや濃いグレーの着流しを着用。吹雪と新太郎が参入した後は紋付の黒の着流しを着用。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
*'''夕霧:[[古城都]]'''(第1話、第17話、第18話、第23話)
:第1話(通算105話)から登場。芸者、武家女中、男装の剣士などの顔を持つ女隠密。演じた古城のスケジュールの影響か、わずか4回の出演回数にとどまり、特に説明のないまま姿を消した。隠密装束は赤紫の忍装束。
*'''不知火お吉(しらぬい おきち):[[江崎英子]](第132話から江崎由梨に改名)'''(第32、34 - 36、42、49、60、71 - 75、157話を除く)
:第1話(通算第105話)で隠密同心に加入。初代魚屋隠密。盗賊・不知火吉兵衛の娘。9歳の頃から掏りをしていたことがあった。幼い頃、内藤勘解由に拾われ、[[鞍馬山]]のぜんこう和尚に預け、修行させた。隠密装束は初期は半袖の黒地上着に、黒のショートパンツと網タイツ、髪型はポニーテール。中期からは下半身はパンタロンになり髪型も下ろした簡単な一つ結びに。後期は黒地に朱色の細い斑線の革製半袖上着に左手に手甲を装着、終盤は赤と黒の斑模様襟の黒地の長袖上着、赤と黒の斑模様の細い帯に両手首に黒のリストバンドを装着(装着してない回もある)、第158話で、幼馴染の新吉を救おうとして、屋形船で銃弾を浴びる。重傷の身でどうにか事件の黒幕を成敗した後、勘解由の計らいもあり、新吉の故郷で治療するため、彼と共に江戸を去った。
*'''くれないお蝶:[[大楠道代|安田道代]]'''(第26 - 30、32 - 36、38、42 - 47、49、59、60、66、67、69 - 73、78話)
:戦力補充のため、第26話から登場。普段は'''胡蝶(こちょう)'''という名の芸者で活動。成敗時は、唯一焦げ茶色や紫色の仕込み和傘の刀を逆手持ちで戦う。隠密装束は青の着物に赤地に白の模様帯。髪型はやや丸みのある結髪。第78話で、敵の仕掛けた罠から少女を庇い、爆発に巻き込まれて死亡。遺骨は音次郎によって故郷へ帰された。
*'''いさり火お紺:[[山口いづみ (女優)|山口いづみ]]'''(第66、67、69、70、78、110、114、125、137話を除く)
:第62話から登場。これにより女隠密がシリーズ唯一の3人体制になる(が、女隠密が3人同時に出演することはなかった)。基本的にはお蝶の代役だが第71話ではそのお蝶とコンビを組んでいる。表向きは芸者、酒豪で壷振りの名手でもある。隠密装束は、初期は桃色の着流しに髪はポニーテールで青い柄の刀だったが、第76話からは朱色の鞘の合口の小太刀を使用。さらに第86話からは赤の着物に髪は結髪に変更される。第158話を最後に将軍の護衛につくため、隠密同心の任を退いた。
*'''稲妻のお竜(名乗る時は稲妻お竜。第203話からはクレジットも稲妻お竜となる):[[土田早苗]]'''
:第159話から登場(第328話から第336話の間は急病のため、出演していない)。表向きは芸者'''玉竜(たまりゅう)'''として活動する。花札占いを得意とし、鉄火肌で男相手にも引けをとらない性格の持ち主。元々は武家の娘。隠密装束は、初期は黒の折り返し袖に白の飾りの付いた半袖の赤紫色の忍装束に両手首に赤紫色のリストバンドで、紫色の柄の刀を逆手(順手の時もあり)で使用。髪型は三人官女風の結髪。第203話~第305話からは青の着物→紫の着物に白の帯に赤い帯紐(337・338話も紫色着用)を着用、髪はキッチリした結髪に変更、刀は鍔無しの紺色の鞘の刀を使用。第306話からは白の着物に紫白の帯、第339話からは青紫色地に白い胡蝶柄の着物。第408話で、事件に巻き込まれた少年の目を治すため、亡くなった母親に代わり、少年と共に長崎へ旅立った。
*'''風(かぜ):[[志穂美悦子]]'''(第165話、第185話、第186話、第199話、第201話を除く)
:第159話から登場。風では呼びづらいこともあり、勘解由から'''お新'''の通り名を与えられ、二代目魚屋隠密として活躍。空手と男勝りの大胆なアクションで、新風を巻き起こす。隠密装束は背中に風の文字が書かれた赤い袖なしの忍装束で、両手と下半身は紺のタイツ、髪型はポニーテール、刀は背中に差している。第202話で、身分を明かしてまで恋仲になった友吉の娘おさきを救出する際、爆風によって失明寸前になるが、自力で敵を討ち、友吉親子と共に治療のため、江戸を旅立った。
*'''はやぶさお銀:[[安西マリア]]'''(第206話、第215話、第218話、第222話、第227話を除く)
:三代目魚屋隠密。第203話から登場。年齢19歳。抜荷の疑いをかけられ死罪になった、長崎の回船問屋南海屋の娘。その仇を探し求めていくうちに、女郎屋の下働きとして売り飛ばされた過去がある。身請け寸前に手裏剣の師匠と出会い、その際に手裏剣技を会得。普段から護衛用にくない型手裏剣を隠し持っている(仲間に知らせる目印にもなる)。隠密装束は上半身、赤色地の縦横白線一本線模様で、下半身は黒のレオタードスパッツ姿の岡っ引き風、髪型はポニーテール。左手首に棒手裏剣を携帯している。第230話で、自分と似た境遇の千太との出会いが縁で役目を退いて彼と共に旅出った。
*'''流れ星おりん:[[かたせ梨乃]]'''(第326話を除く)
:第231話から登場した、四代目魚屋隠密。お竜との女隠密最強コンビは、シリーズ全盛期を支えた。松平定信の身代わりとなって地雷の犠牲となった側近片桐十郎太の娘で、本名は片桐楓。亡き父の願いで、隠密同心になるべく修行を重ねていた。初期の武器は赤鞘の刀だが、第254話で赤い短槍と脇差に変更、槍の先に鞘が付いていたが、数話で省略された。隠密装束は初期は、上半身赤色地の縦白線の二本線模様で、岡っ引き風の上着に黒の帯、両手に黒のリストバンドを装着。254話からは真紅色地に細い針状花弁の花模様の岡っ引き風上着に黒の帯に両手首に黒のリストバンドを装着し、前髪を下げたポニーテールから整髪されたポニーテールに、306話からは白の岡っ引き風上着で赤白の帯に、両手に黒の手甲当てを装着。第331話からは真紅色地に六枚花弁模様の岡っ引き風の上着で黒の帯に両手黒色の手甲当てを装着、下半身は黒ショートパンツに膝下黒の足当て姿。終盤では白頭巾に扮して活動することも多かった。第459話で、私情から隠密同心の肩書を捨てた上に公儀御庭番・天馬一真たちの襲撃を受け重傷を負い、治療のため春香と共に江戸を離れた。
*'''吹雪:[[岡江久美子]]'''
:第409話から登場。隠密支配の座を退いた内藤勘解由の置き土産という形で加入。表の顔は芸者'''春香'''として、情報収集などに活動。新太郎とは対照的に金にはうるさいが、芸者の仕事はあまり好きではない様子。本当の名はお春で、材木問屋の娘だったが幼少の頃に両親を賊に殺され危ういところを根来忍者の残党だった疾風の源次に助けられ妹同然に育てられたが江戸の父の知り合いによって引き取られた(第434話)。隠密装束は紫の着物に黒の藤巻合口の刀で、右の袖を外して、緑地に白の花柄の肌襦袢を見せて立ち回る。第459話で、おりんとともに負傷。涙ながらに隠密同心を引退した。
*'''九條新太郎:[[南条弘二]]'''
:第409話から登場。春香と同じ理由で加入。表の顔は小石川養生所の見習い医者だが、表の仕事に積極的でないらしく、養生所にもめったに顔を見せないため先輩医者たちを困らせている。しかし医術の腕はそれなりにあるようで、怪我を負った仲間や町人の治療や手術を行う場面も多い。清次郎や春香からは'''「新の字」'''、おりんやおせんからは'''「新さん」'''と呼ばれる。女に色目がなく女郎屋に足しげく通い、清次郎に金の前借りを無心する事もしばしば。それが原因でトラブルを起こしてしまうことも多く、自分の身代わりで捕縛された清次郎を処刑寸前の危機に晒してしまう事態に発展したこともあった(第518話)。髪型は最初の頃は総髪髷だったが第423話からポニーテールに変わり、普段の着物も最初は灰色だったが第423話から緑色、第511話から紺色に変わった。隠密装束は前半は青の着流しで太刀を武器としていたが、460話からは紺の半袖忍装束に白の布帯に左腕に手甲を装着、武器も忍者刀に変更され、蹴りなどのアクションを多用。さらに終盤は緑の半袖忍装束と黒の布帯に左腕に手甲を装着。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
*'''風車のお菊:[[夏樹陽子]]'''
:第460話から登場。 [[雑賀衆|雑賀衆(さいかしゅう)]]出身の忍者崩れで、風車が装飾された簪を手裏剣代わりに使用する。実父の仲間の猿(ましら)の右源太によって実の娘同然に育てられ、その後忍者狩りの命を受け村を訪れた対馬に命乞いされたことがきっかけで隠密同心にスカウトされた。普段は芸者'''菊丸'''として、情報収集などに活動。隠密装束は藤色(薄紫色)地に白の白鷺柄の着物。得物は白い藤巻合口拵えの刀。吹雪という双子の妹(夏樹二役)がいる。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
*'''疾風のおせん:[[山田由起子|山田由紀子]]'''
:五代目魚屋隠密、第460話から登場。 左腕に昇り鯉の刺青を施している。直情的な面があり、若さと感情に任せて発言・行動することが少なからず見受けられ、仲間から指摘されることもある。また、その姿勢が原因で敵に捕らえられ新太郎と共に処刑寸前の危機に発展してしまうこともあった(第477話)。発言の端々から思い遣りに溢れ、仲間を大切にしていることがよくわかる隠密である。隠密装束は袖なしの黄色の忍び上着に黄色のショートパンツ、髪型はポニーテール、額は鉢巻代わりの三色の組紐、オレンジ色の細い組紐が付いた特殊な小太刀とアクロバット戦法を得意とする。第499話を最後に、プライベートな事情から降板。
*'''つばくろの茜:[[清原美華]]'''
:第511話から登場。幻の御前の命を受けて密かに御子神の動向を探り、その過程で清次郎たちと知り合う。幻の御前の隠密支配着任に合わせて隠密同心に加入。酒豪。魚屋隠密ポジションではあるが、男装の遊び人が表向きの模様。渡り髪結いや桔梗屋の女中として働くこともある。3年前に不良集団の一味として荒んだ生活を過ごしていた過去が明かされているが、隠密同心にスカウトされた経緯が明かされることはなかった。隠密装束は赤地に金色の牡丹柄の岡っ引き風長袖に、黒の一本線入りの茶色とベージュの帯に、黒のショートパンツ姿に黒の足当てを着用、髪型はポニーテール。刀は逆手持ち。赤房付の短剣を投げて戦うこともある。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。

:;隠密支配
*'''旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥'''
:第51話で、7年前に勘定奉行に任命されるが爆薬で妻子を殺され、政に対する自責の念から、勘定奉行の役職を退いた過去が判明している。同回で再び勘定奉行に推挙されるも「庶民を犠牲にする政には興味がない」との一念から拒否している。名乗りの際は初期の「旗本寄合席〜」パターンと「そして隠密支配〜」のパターンがある。隠密装束は特に決まっていないが、第306話、第307話のみ白の着流し、後半は紫の着流しが多い。第404話が最後の出演となったが、特に理由を説明されないまま姿を消した。井坂十蔵によれば家紋は「源氏車に八枚笹」とのこと(第124話)。
*'''[[番頭#大番頭(おおばんがしら)|大番頭(おおばんがしら)]] 藤堂対馬(とうどう つしま):[[大山克巳|大山勝巳]]'''
:第409話から登場。内藤勘解由より隠密支配を引き継いだ。清次郎たちには「お頭」と呼ぶよう頼んでいる。第416話で、佐竹藩藩主小池左馬介の義理の弟であることが明かされた。隠密装束は紫の着流し。名乗りの際は「そして大番頭、またの名を隠密支配〜」。前の大番頭だった中津川隼人の推挙によって大番頭に就いたが、その中津川が隠し金山に絡む悪事に加担していた疑惑で、良心の呵責から犠牲になった人足夫婦の仇討ちに躍起になっていた春香とおりんに手を引くよう警告した結果、2人に懐剣を返上させてしまう事態を招いたこともある。第497話が最後の出演であるが、第511話で御子神安房守から大坂城代となったため、隠密支配の職を辞したことが語られた。
*'''影の支配 幻の御前(声):黒沢良'''
:第511話から登場。本名や素性などは一切謎。普段は顔も編笠で隠れたり、姿を見せず声だけだったりと正体不明の存在。[[側用人|御側用人]]・土屋伊賀守<ref group="注釈">表記は異なる可能性あり</ref>なる人物が正体であることを促す描写がある(第525話)が、真相は不明。指令は大概口頭で行なうが、時に文書で事情を伝えることもある(第519話など)。清次郎との初顔合わせでいずれ正体を明かすことを語ったが、その日が来ることなく、最終回にあたる第536話で、清次郎たちの素性を若年寄・津島大膳に洩らし、それが敵の隠密同心抹殺計画に利用されたことを苦に切腹し、果てた。

:;暫定メンバー
*'''山口太兵衛:[[左右田一平]]'''
:音次郎とともに隠密同心に加入。いささか堅物の武士で、隠密としては掟違反ながら、おはまという情妻とその間にできた赤ん坊がおり、この点は内藤勘解由も黙認している。探索中に事件に関わっていた浪人の不意打ちを受け殉死。第27話のみの出演。
*'''火車おもん:[[高瀬春奈]]'''
:実の父親は、南町奉行所与力で勘解由の将棋仲間だったが、抜荷の犯人に撃たれて死亡。勘解由の計らいで、町火消し「は」組の頭(かしら)辰造の娘として育てられた。辰造が殺された復讐を果たすべく、勘解由に懇願して隠密同心に加入した。
:土田早苗の急病で、第331話 - 第336話の短期間の出演。隠密装束は赤紫色の地に白色の車輪と纏の柄の着物で、赤い鞘の刀(331・332話)と紺の鍔なし鞘の刀(333~336話)を使用。
*'''矢車お菊:[[中島ゆたか]]'''
:根来忍者の生き残りで、'''菊弥'''という名前で芸者をしている。内藤勘解由が隠密同心に入れようと育てていたが、悪阻で倒れていた所を町医者・高木新之助(第356話)に救われ、彼に恋をしてしまい、隠密同心の申し出を一度は断った。しかし、高木新之助の死をきっかけに、隠密同心に加入する。隠密装束は赤紫色地に矢車柄の着物。おもん同様お竜の代理による臨時参加で、第388話 - 第390話・第401話・第402話の短期間の出演だった。
*'''御子神安房守:[[葉山良二]]'''
:若年寄。藤堂対馬が大坂城代となったため、後任が決定されるまでの間、暫定的に隠密支配の座に就いた。だがその実態は木暮藩に絡む砂金横領の黒幕で、差し向けた隠密を手にかけた兵助の抹殺を清次郎に指示するが、逆にからくりを知った隠密同心たちの刀の前に散った。第511話のみの出演。

:;その他のレギュラー・準レギュラー
*'''早耳金太:古今亭志ん駒'''
:瓦版屋。事件解決のために貢献するが、大麻入りの煙草を吸わされたり、囮にされて殺されかけたりとロクな目に遭わない。いつも「桔梗屋」にいる珊次郎や音次郎、清次郎、井坂らの正体が隠密同心であることは知らない。第401話までの出演。
*'''萩乃:花ノ本以知子'''
:当シリーズ初期における「桔梗屋」の女将。珊次郎たちの正体を知っている。
*'''白木万理'''
:「桔梗屋」の女将。
*'''お春:立花かおる'''
:「桔梗屋」の女中。
*''' 千代松:[[山田隆夫]]'''
:当初は井坂を親の仇と思っていたが、後に違うことがわかり、奉行所から目明しとして十手を授かる。お調子者で清次郎達に大きなことを言っては空回りをするが、憎めない存在。後に、早耳金太と共に姿を見せなくなる。
*'''瓦版売り:[[鹿島信哉]]、[[石山かつみ]]'''
:
*'''おみつ:[[小堺寛子]]'''
:第409話~。「桔梗屋」の女中。
*'''お夏:[[早瀬さとみ]]'''
:おみつに代わって登場した「桔梗屋」の女中。清次郎と昔知り合ったことがある。491話までの出演。
*'''おたね:[[丹阿弥谷津子]]'''
:ある盗賊団の探索中に行方不明になった目明しの夫を探すため自らも十手を授かった小母の女目明しで、肝も据わっており、情に厚い。清次郎とは親子同然に仲がいいが、清次郎が只者でない事を知っている節がある。
*'''松平定信:[[黒川弥太郎]]→[[永井秀明]]'''
:内藤勘解由と旧知の幕府老中で隠密同心の創設者。
:第71話では実弟が鉄砲密輸に加担しているらしいことを知り、隠密同心たちに捜査解任を通告するも、懐剣を返上しながらも探索に乗り出す胡蝶の執念に心動かされた勘解由の「隠密同心は我が子以上の存在」という言葉に絆され、実弟の成敗の許可を下す。
:第536話では立花左馬介の陰謀に利用され、責任を取る形で自害した幻の御前の切腹に立ち会った。

*第109話(通算213話)「火花散る隠密七変化」で、元隠密同心「葉隠れお雪」役で、[[美空ひばり]]が出演し、仇討ちを果たしている。
*稲妻お竜役の土田早苗は、2回、長期病欠している。そのため、芸者隠密同心のピンチヒッターとして、火車おもんと矢車お菊が登場しているが、それぞれ約2、3か月しか登場していないため、オープニングには登場せず、エンドクレジットのゲスト扱いである。

===== オープニング及びナレーション =====
「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼ら。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

※途中隠密支配の変更に合わせ「大番頭 藤堂対馬に命を預け」(第409話 - 第510話)、「影の支配 幻の御前に命を預け」(第511話 - 第536話)、平成第1シリーズは「老中 松平定信に命を預け」と、それぞれ言い回しが異なっていた。

===== 放送リスト =====
CS放送局の番組表などでは、このリストと違い第2シリーズ同様、第1シリーズからの通算話数となっている事が多い。朝日新聞出版とのコラボレーションで発売されている第3シリーズのDVDコレクションの、杉良太郎のインタビューの特典映像内で示されるフリップにも第1シリーズから通算での105話、106話…と、話数が記載されているのが確認が出来た。その為テレ東に問い合わせたところ、第3シリーズまでは、管理を通算で行われていると答えが返って来た。

※2016年2月現在CSホームドラマチャンネルで第3シリーズ(松方弘樹版)がリピート放送されていて、番組表No.#○○○ から104を引いた数字が各話リストの数字と一致している。
1973年
1973年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1973年)</div>
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799行目: 626行目:
1974年
1974年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1974年)</div>
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911行目: 737行目:
1975年
1975年
<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1975年)</div>
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<div class="NavContent" style="text-align: left;">
*第68話「盗まれた花嫁」<!-- 1975年 -->1月4日、監督:丸輝夫、脚本:中野顕彰、出演:[[小柳ルミ子]]、[[田辺靖雄]]、[[村上冬樹]]、[[江見俊太郎]]
*第68話「盗まれた花嫁」<!-- 1975年 -->1月4日、監督:丸輝夫、脚本:中野顕彰、出演:[[小柳ルミ子]]、[[田辺靖雄]]、[[村上冬樹]]、[[江見俊太郎]]
968行目: 793行目:
1976年
1976年
<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1976年)</div>
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<div class="NavContent" style="text-align: left;">
*第120話「殺しの夜明け」<!-- 1976年 -->1月3日、監督:長谷部安春、脚本:胡桃哲、出演:[[菅貫太郎]]、[[岡崎二朗]]、[[田中浩 (俳優)|田中浩]]、[[長谷川澄子]]、[[幸田宗丸]]、[[池田忠夫]]、[[晴海勇三]]、[[上野綾子]]、[[小高まさる]]、石山雄大、[[鹿島信哉]]、[[影信之介]]、[[今井和雄]]、[[東静子]]、[[松尾文人]]、[[栗原すみ江]]、[[加藤茂雄]]、[[佐久間亮]]、[[植田多華子]]
*第120話「殺しの夜明け」<!-- 1976年 -->1月3日、監督:長谷部安春、脚本:胡桃哲、出演:[[菅貫太郎]]、[[岡崎二朗]]、[[田中浩 (俳優)|田中浩]]、[[長谷川澄子]]、[[幸田宗丸]]、[[池田忠夫]]、[[晴海勇三]]、[[上野綾子]]、[[小高まさる]]、石山雄大、[[鹿島信哉]]、[[影信之介]]、[[今井和雄]]、[[東静子]]、[[松尾文人]]、[[栗原すみ江]]、[[加藤茂雄]]、[[佐久間亮]]、[[植田多華子]]
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1977年
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<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavFrame" style="clear: both; border:0;">
<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1977年)</div>
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<div class="NavContent" style="text-align: left;">
*第169話「女盗賊初春に舞う」八名信夫、[[片桐夕子]]、[[田口計]]、[[宮口二郎]]、山本紀彦、[[大森暁美]]、[[原恵子]]、[[稲川善一]]、[[会田由来]]、[[田辺洋]]、門脇三郎、[[時任ゆかり]]、[[野口利明]]、[[野瀬大輔]]、[[大屋光子]]、[[池田誠一]]、時任やまと、[[多田禎亜]]、[[石川えり子]]
*第169話「女盗賊初春に舞う」八名信夫、[[片桐夕子]]、[[田口計]]、[[宮口二郎]]、山本紀彦、[[大森暁美]]、[[原恵子]]、[[稲川善一]]、[[会田由来]]、[[田辺洋]]、門脇三郎、[[時任ゆかり]]、[[野口利明]]、[[野瀬大輔]]、[[大屋光子]]、[[池田誠一]]、時任やまと、[[多田禎亜]]、[[石川えり子]]
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1978年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1978年)</div>
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<div class="NavContent" style="text-align: left;">
*第217話「初春雪どけを待つ女」<!-- 1978年 -->1月7日、監督:長谷部安春、脚本:中野顕彰、出演:[[紀比呂子]]、[[久富惟晴]]、[[川地民夫]]、[[近藤宏]]、[[新井和夫]]、[[倉島襄]]、[[五藤雅博]]、[[林孝一]]、[[菊地優子]]、[[門脇三郎]]、吉中正一、川口節子、[[記平佳枝]]、大島光幸、[[古今亭志ん橋|古今亭志ん太]]
*第217話「初春雪どけを待つ女」<!-- 1978年 -->1月7日、監督:長谷部安春、脚本:中野顕彰、出演:[[紀比呂子]]、[[久富惟晴]]、[[川地民夫]]、[[近藤宏]]、[[新井和夫]]、[[倉島襄]]、[[五藤雅博]]、[[林孝一]]、[[菊地優子]]、[[門脇三郎]]、吉中正一、川口節子、[[記平佳枝]]、大島光幸、[[古今亭志ん橋|古今亭志ん太]]
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1979年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1979年)</div>
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*第269話「女掏摸 初春に翔ぶ」<!-- 1979年 -->1月6日、監督:宮越澄、脚本:中野顕彰、出演:[[望月真理子]]、中田浩二、[[花原照子]]、[[外山高士]]、[[山谷初男]]、[[うえだ峻]]、[[山岡徹也]]、[[幸田宗丸]]、[[別所立木]]、北九州男、[[加藤茂雄]]、[[若原初子]]、[[志村幸江]]、[[君塚正統]]、森下明、大貫幸雄、[[古今亭志ん橋|古今亭志ん太]]
*第269話「女掏摸 初春に翔ぶ」<!-- 1979年 -->1月6日、監督:宮越澄、脚本:中野顕彰、出演:[[望月真理子]]、中田浩二、[[花原照子]]、[[外山高士]]、[[山谷初男]]、[[うえだ峻]]、[[山岡徹也]]、[[幸田宗丸]]、[[別所立木]]、北九州男、[[加藤茂雄]]、[[若原初子]]、[[志村幸江]]、[[君塚正統]]、森下明、大貫幸雄、[[古今亭志ん橋|古今亭志ん太]]
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1980年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1980年)</div>
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{| class="wikitable" align="center" style="text-align:center;font-size:small;"
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1,297行目: 1,117行目:
1981年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1981年)</div>
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|第421話|| || ||紅花は女の涙|| || ||川合伸旺、平泉成、[[高沢順子]]、幸田宗丸、秋谷陽子、[[鈴木和夫]]、大島光幸、新井一夫、[[溝口順子]]、村上久勝、戸塚孝||
|第421話|| || ||紅花は女の涙|| || ||川合伸旺、平泉成、[[高沢順子]]、幸田宗丸、秋谷陽子、[[鈴木和夫]]、大島光幸、新井一夫、[[溝口順子]]、村上久勝、戸塚孝||
|}
|}

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1982年
1982年
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1983年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1983年)</div>
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*第473話「妖花一輪 男殺しの手毬歌」[[風祭ゆき]]、倉島襄、[[大木正司]]、伊沢一郎、[[北條清嗣]]、[[灰地順]]、[[伊吹徹]]、[[徳弘夏生]]、[[佐藤了一]]、和田正義、[[田付貴彦]]、[[斉藤みよ子]]、[[立木アリサ]]、中瀬博文、北斗太郎、藤田康之
*第473話「妖花一輪 男殺しの手毬歌」[[風祭ゆき]]、倉島襄、[[大木正司]]、伊沢一郎、[[北條清嗣]]、[[灰地順]]、[[伊吹徹]]、[[徳弘夏生]]、[[佐藤了一]]、和田正義、[[田付貴彦]]、[[斉藤みよ子]]、[[立木アリサ]]、中瀬博文、北斗太郎、藤田康之
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1984年
1984年
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(第3シリーズ 1984年)</div>
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</div></div>
</div></div>


==== 新大江戸捜査網 ====
=== 新大江戸捜査網 ===
*1984年4月7日 - 1984年9月29日(制作:ヴァンフィル テレビ東京)
'''スタッフ'''
*企画:時崎克彦、元村武
*プロデューサー:石川博、田辺隆史
*音楽:玉木宏樹
*撮影:緒方博
*照明:嶋田宣代士
*選曲:合田豊
*殺陣:高倉英二
*レーザーサウンド:横浜シネマ
*ナレーター:[[日下武史]]
*協力:84プロモーション
*脚本:山崎巖、小川英、胡桃哲、和久田正明、土橋成男、大工原正泰、下飯坂菊馬、富田富美
*監督:長谷部安春、猪崎宣昭、岡康季、小澤啓一、手銭弘喜、宮越澄、白井政一、[[山城新伍]]、[[吉田啓一郎]]、大久保直実
;主題歌
*『信じますか』
**作詞曲・唄:[[松本ひでき]]、編曲:[[松井忠重]]

;登場人物
*'''隠密同心 新十郎:[[並樹史朗|並木史朗]]'''
:本シリーズのリーダー格。表向きは飛脚だが、雇われているわけではなく、長屋の住居が飛脚屋を兼ねている模様。お紺からは「新さん」、銀次や長庵、松五郎からは「新の字」と呼ばれる。粋で情にもろい性格と隠密同心としての未熟さもあるゆえか、立ち回りや探索で苦戦を強いられることも多かった。実は福山藩の隣国の今は取り潰された浅尾藩の殿の御落胤で、福山藩の下級武士の娘であるお袖と恋仲になるも身分の差で引き裂かれ山寺に一年閉じ込められたあと武士の身分を捨て江戸に来た(第17話)。第26話で敵に正体をバラされ窮地に落ちるが、役目を返上し、定信を失脚させて尾張藩主を将軍にと画策した江戸家老南原守膳らを負傷しながらも成敗して、仲間たちと共に江戸から姿を消した。
*'''隠密同心 銀次:[[三浦浩一]]'''
:楽天家で、お役者銀次を自称してはいるが、実際は現代でいうフリーターである。そのため毎回、松五郎の斡旋で、さまざまな仕事を買ってはいるが、いずれもまともなものではない。新十郎とは殴り合うほど仲のいいコンビぶりを見せるが、悪女集団に叩きのめされたりとこちらも隠密同心としての未熟さが目立つ。お役者を自称するだけに岡っ引きや太鼓持ちなどに変装し、呼び笛を吹くなどピンチを救うこともしばしば。成敗の際には総髪の浪人風情になる。後半では、必殺シリーズで用いられるような技で成敗を行ったこともある。
*'''隠密同心 お紺:[[佳那晃子]]'''
:表向きは、流し目のお紺という通り名のはぐれ芸者。主に情報収集と主水正から承った御成敗書を敵の居場所に届けるのが役目で成敗には参加しないことが多いが第7話では悪人を簪で成敗していたり、第26話では新十郎たちと共に成敗に参加していた。また、御成敗書を矢につけて飛ばす際に悪人を倒したこともある。成敗時の装束は御成敗書を届ける際の紫の頭巾姿で鍔無しの黒色の鞘の刀を使用。なお、演じた佳那晃子は、「大江戸捜査網」時代には大関優子名義で多数ゲスト出演をしていた。
*'''隠密同心 榊原長庵:[[橋幸夫]]'''
:長屋に住居を構える町医者で、貧しい人からは治療代を取らず、住人からの信頼も厚い。その反面、悪人には厳しく、口より先に手を出し、手荒な事も厭わない。徹底した個人主義者で、隠密同心としての職務にはあまり関わりたがらないが、いざという時はメンバーの力になることもある。人差し指で、相手の体を貫通したり、関節を外したりと怪しげな秘術の使い手でもある。成敗の際は手甲を着け素手で戦うが、とどめには脇差を使う。
*'''隠密支配 日向主水正:瑳川哲朗'''
:新十郎たちから御支配と呼ばれているが、表の役職は不明。松平定信からの御成敗書をお紺に渡している。新十郎たちと繋ぎを取る場面で出ることがほとんどで、成敗には参加せず立ち回りもしない。
*'''さすらいの松五郎:[[ガッツ石松]]'''
:隠密同心の溜り場である居酒屋「いちょう屋」の主。居酒屋自体は、青と黄色を基調としたお洒落な外装。お清と夫婦になる前は喧嘩っ早い性格だったらしく、そのせいか時折、感情的になるとすぐ相手を殴ってしまう癖がある。毎度、銀次に仕事を斡旋している。新十郎たちが隠密同心であることは知らないが、後半は彼らをサポートする面が随所に見られた。
*'''お清:[[甲斐智枝美]]'''
:松五郎の妻。松五郎との夫婦仲は良く、喧嘩をすることもあるがすぐに仲直りする。たまに新十郎に気があるかのようなことを口にする。
*'''三太:[[岩瀬威司]]'''
:長庵のところに住み込んで手伝いをしている子供。長庵とは親子ではないようだが、父親のように慕っている。
'''補足'''
*並樹編で、夫婦役で共演したガッツ石松と甲斐智枝美は、同時期放送されていたドラマ『[[京都マル秘指令 ザ新選組]]』([[ABCテレビ|朝日放送]]制作・[[テレビ朝日]]系で1984年2月 - 5月放送)でもレギュラーで共演。

==== オープニング及びナレーション ====
「風が舞う、殺気が走る、きらめく刃が闇を裂く。大江戸八百八町が眠る頃、隠密同心 推参仕る」

==== 放送リスト ====
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(新大江戸捜査網)</div>
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==== 平成版第1シリーズ ====
=== 1990年 - 1992年放送 ===
==== オープニング及びナレーション ====
「隠密同心 筆頭老中 松平定信に命を預け、人知れず人生の裏道を歩まねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼らだが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

==== 第1期 ====
1990年10月12日 - 1991年3月29日放送(制作:G・カンパニー、テレビ東京)。

;スタッフ
*制作:遠藤慎介、元村武
*プロデューサー:江津兵太、小川治、真鍋和己
*脚本:小川英、中野顕彰、胡桃哲、山崎巖、[[大西信行]]、石川孝人、武末勝、[[いずみ玲]]、[[杉昌英]]、大平洋ほか
*監督:江崎実生、居川靖彦、長谷部安春、関本郁夫、岡康季、[[白井政一]]、[[大久保直実]]、[[山城新伍]]、[[杉村六郎]]ほか
*音楽:玉木宏樹
*選曲:合田豊
*撮影:中間政治
*美術:松井敏行、望月正照
*録音:秋山一三、井家眞紀夫
*制作担当:松本洋二
*殺陣:[[宇仁貫三]]
*効果:宮田音響
*整音:[[映広]]
*現像:[[IMAGICA]]
*衣裳:[[東宝コスチューム]]
*スタジオ:[[東宝ビルト]]
*車輌:[[マエダ・オート]]
;主題歌
*『めぐり逢い』
**作詞:[[たかたかし]]、作曲:[[小椋佳]]、編曲:[[川口真]]、唄:[[野中二郎]]

;キャスト
*'''隠密同心 葉月裕之介:[[橋爪淳]]'''
:普段は、寺子屋の先生。みなし子で、義憤から悪人狩りをしていた。当初は定信を世を乱す元凶と考え、小鈴と共に定信暗殺を企む元秋月藩家臣の大山に加担して定信を襲撃するが、何度か定信と顔を合わせるうちにその本心を知り、この一件をきっかけに親代わりの真善和尚が斬殺された事などの経緯を得て隠密同心に加入した。隠密装束は青い着流しを着用し、髪型も総髪に変わる。
*'''隠密同心 秋草新十郎:[[京本政樹]]'''
:普段は、酒・女・博打大好きな南町奉行所の高積み見回り役(往来に積んである貨物の高さを監視し、荷崩れ事故を防止する役目)同心で、うだつの上がらぬ様子を演じているため、「与太郎」と白壁から揶揄されている。同心のため、過去の事件の洗い出しにはもってこいの切れ者で、女形役者、太鼓もち、若旦那などに変装する。十手術や居合を得意とする。グレーの着流し着用。
*'''隠密同心 松原蔵人:[[隆大介]]'''
:普段は、剣術道場の道場主。腕は立つが道場が火の車なので、傘張りや道場破りで、小銭を稼いでいる。浪人故か、家柄やしきたりにとらわれる武家を嫌っている節がある。隠密装束は、黒の着流しを着用していたが途中から茶色の着流し着用。刀や槍を使用する。
*'''隠密同心 花の小路お光(はなのこうじ おこう):[[中村あずさ]]'''
:的屋(てきや)「花の小路一家」に生まれ、さる旗本に見初められるも、夫に先立たれ、家は断絶。強制的に落髪させられ、光明尼という名で、一人尼寺で夫の先祖の墓の墓守をしながら、夜には賭場でお金稼いだり賭場荒らしを行う。捨て身の度胸と小太刀の腕を定信に買われて、隠密同心となる。探索時には、芸者として振舞う。隠密装束は薄紫色の尼頭巾に紫の着物、手には数珠を携帯。刀は黒色鍔無しの鞘の刀を、普段は逆手持ちで使って応戦、刀の柄の下部と鞘の下部は接続出来る仕掛けがあり、薙刀のようにしての応戦も可能。
:なお、隠密同心四人は成敗時には、額に正の一文字の入った金属性の額当て鉢巻を巻いている(お光は尼頭巾に縫いつけている)。
*'''隠密補佐 お七:[[吉野真弓]]'''
:普段は、魚屋。主に情報収集と定信との繋ぎ役。
*'''六助:[[小松政夫]]'''
:普段は、裕之介たちが屯する小料理屋の主人兼板前。もともとは義賊と謳われた盗賊「霞小僧」で、町方与力に捕縛されかけたがその与力に情けを掛けられたことで足を洗い、その後、裕之介と出会ったことで彼の悪人狩りのための情報収集をしていた。裕之介が隠密同心となった後も、引き続き情報収集を担当する。
:なお、六助の過去にまつわる話は本編11話で語られている。
*'''老中 松平定信:[[田村高廣]]'''
:老中着任後、田沼政権がもたらした悪政を根絶やしにし、江戸庶民に平和と安らぎを与えるべく伝説の存在だった隠密同心を結成。自らその支配として直接、隠密同心たちを束ねている。
*ナレーター:黒沢良

*'''小鈴:[[沢口靖子]]'''
:第一話と最終話のみ登場した松平定信の娘。裕之介同様に当初は定信暗殺を企てる大山に加担していたが、定信の用人である西澤と育ての親である[[旗本]]の山中から実の父が定信である事と、田沼政治を根絶やしにする際に巻き込まれないよう自分が山中に預けられた経緯を知り、定信とのわだかまりも解けた。
*'''おちか:[[辻沢杏子]]'''
:六助の妻。たまにはケンカもするがおしどり夫婦で、隠密同心の素性は知らないが、六助同様に何かと世話を焼いてくれる。
*'''白壁桂馬:[[龍虎勢朋|龍虎]]'''
:新十郎の上司の南町奉行所与力。口調が独特でオカマの気があり、新十郎に「相撲取りみてぇな身体しやがって」と陰で言われている。新十郎を「新十郎」、または「新ちゃん」と呼ぶ。
*'''菊池:[[高崎隆二]]'''
:定信の用人。
*'''お花:森下桂([[森下涼子]])'''
:小料理屋の店員。
*'''[[新城めぐみ]]'''

===== 放送リスト =====
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(平成版第1シリーズ)</div>
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==== 平成版第2シリーズ ====
==== 第2 ====
1991年10月11日 - 1992年3月27日放送(制作:G・カンパニー、テレビ東京)

好評だった前作に続いて製作。キャスト及び設定は前作の流れをついでいるものの、役名が代わり、オープニングなど昭和シリーズのオマージュ的部分が濃厚となっている。

;スタッフ
*制作:江津兵太、元村武
*プロデューサー:鈴木一巳、藤原幣吉、真鍋和己
*音楽:玉木宏樹
*選曲:合田豊
*撮影:中間政治
*美術:松井敏行
*録音:秋山一三
*制作担当:土肥裕二
*殺陣:高倉英二、[[中瀬博文]]
*効果:宮田音響
*整音:星一郎(アオイスタジオ)
*現像:[[東映ラボ・テック|東映化学]]
*衣裳:東宝コスチューム
*かつら:[[アートネイチャー]]
*大道具:[[KHKアート]]
*スタジオ:東宝ビルト、[[生田スタジオ]]
*車輌:マエダ・オート
*協力:[[根津神社]]
;主題歌
*『恋花火』
**作詞:たかたかし、作曲:[[弦哲也]]、編曲:[[前田俊明]]、唄:[[大石加奈子]]

;キャスト
*'''隠密同心 天竜寺隼人(てんりゅうじ はやと):橋爪淳'''
:普段は、小料理屋の板前の'''直次郎(なおじろう)'''。元は忍の出身で、いち丸が本名。隠密装束は白い着流しを着用。前作の葉月裕之介と同一人物かどうかは不明。
*'''隠密同心 秋草新十郎(あきくさ しんじゅうろう):京本政樹'''
:南町奉行所をクビとなり、浪人になった(普段は易者として働いている)。井坂十蔵を意識してか、虚無僧の姿で活動するようになる。情報収集は、元上司の同心から聞きだすことが多い。元上司の桂馬からは、相変わらず詰め寄られている様子。隠密装束は紫の着流しを着用。
*'''隠密同心 流れ星お蝶:中村あずさ'''
:普段は芸者。蝶丸として、情報収集など行う。紀州根来衆忍者で、幼い頃から隠密になるために奉公された。隠密装束は、赤の着物。刀は濃い茶色の鍔無し竹鞘の刀。前作の花の小路お光と同一人物であるかは不明。
*'''隠密同心 矢車お仙(やぐるまおせん):[[荒井乃梨子]]'''
:普段は魚屋。第19話まで情報収集と小笠原との繋ぎ役の隠密補佐で、第20話にて命の恩人である相良藩の家老坂巻の仇討ちを志願し、隠密同心として加入した。初参戦に成敗した仇相手がその家老が在籍していた相良藩主の相良修理亮と側用人の向井である。隠密装束は黄色地に赤い風車柄の岡っ引き風の上着に、黒のショートパンツに膝下は黒の足当て。成敗時は、手槍を使用して戦う。
*'''旗本寄合席(隠密支配) 小笠原甚内(おがさわら じんない):[[和崎俊哉]]'''
:隼人が敵のアジトに侵入した際、敵を欺くにはまず味方から騙すため、先回りして、浪人姿で潜入していた切れ者の隼人たちの上司。
*'''筆頭老中 松平定信:[[若林豪]]'''
:前作より引き続き隠密支配を兼任していたが、その役目を甚内に譲った。
*ナレーター:黒沢良

*'''お涼:[[山本リンダ]]'''
:直次郎が働く小料理屋「桔梗」の女将。酒癖が悪く酒が入るとリンダの持ち歌である「狙い撃ち」を十八番として熱唱する。直次郎に好意を持っている。
*'''白壁桂馬:龍虎'''
:南町奉行所与力。新十郎とは、依然つながりがある。
*'''お千代:[[北原歩]]'''
:小料理屋「桔梗」の看板娘。
*'''[[田沼意次]]:青木義朗'''
:第24話に登場した元老中。賂を取り続けていたのを理由に老中の座を追われ、一万石の大名に甘んじていた。自らの老中返り咲きと相良藩の再興を目的に、隠密同心の全滅と江戸の大火事の混乱に乗じた定信の暗殺を計画するが、チームワークと執念で危機を乗り越えた隠密同心の敵ではなく、隼人、新十郎に成敗された。その後定信の計らいで孫の[[田沼意明]]が田沼家の家督を継いだ。
*'''[[古手川伸子]]'''

===== 放送リスト =====
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<div class="NavHead" style="text-align: left;">各話リスト(平成版第2シリーズ)</div>
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== 劇場映画 ==
== 映画『隠密同心・大江戸捜査網』 ==
{{Infobox Film
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| 作品名 = <small>隠密同心・大江戸捜査網</small>
| 作品名 = <small>隠密同心・大江戸捜査網</small>
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| 次作 =
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}}
放送していた東京12チャンネルの開局15周年企画として、[[1979年]][[12月1日]]に劇場版が公開された。配給は[[東宝]]。併映は[[岡本喜八]]監督『英霊たちの応援歌最後の早慶戦』。
放送していた東京12チャンネルの開局15周年企画として、[[1979年]][[12月1日]]に劇場版が公開された。配給は[[東宝]]。併映は[[岡本喜八]]監督『[[英霊たちの応援歌 最後の早慶戦]]』。


物語は将軍の御落胤を巡る、[[松平定信]]失脚を図る鳴神鉄山と、松平定信・隠密同心達の暗闘を描いている。芦田が鉄山を、三船が松平定信を演じた。
物語は将軍の御落胤を巡る、[[松平定信]]失脚を図る鳴神鉄山と、松平定信・隠密同心達の暗闘を描いている。芦田が鉄山を、三船が松平定信を演じた。
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* [[三船敏郎]] - 松平定信
* [[三船敏郎]] - 松平定信


== 大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る! ==
== 新春ワイド時代劇『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る! ==
{{基礎情報 テレビ番組
{{基礎情報 テレビ番組
| 番組名 = 大江戸捜査網2015<br />〜隠密同心、悪を斬る!
| 番組名 = 大江戸捜査網2015<br />〜隠密同心、悪を斬る!
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| 特記事項 =
| 特記事項 =
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}}
『'''大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!'''』(おおえどそうさもう2015 おんみつどうしん あくをきる)のタイトルにより、テレビ東京系で毎年[[正月]]に放送されている[[ヤマダ電機|YAMADA]][[新春ワイド時代劇]]で、同局の開局50周年記念特別企画として[[2015年]][[1月2日]]に放送された。
『'''大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!'''』(おおえどそうさもう2015 おんみつどうしん あくをきる)のタイトルにより、テレビ東京系で毎年[[正月]]に放送されている[[ヤマダ電機|YAMADA]][[新春ワイド時代劇]]で、同局の開局50周年記念特別企画として[[2015年]][[1月2日]]に放送された。


なお次作『[[信長燃ゆ]]』から放送時間が3時間に縮小、枠名も'''[[新春ワイド時代劇|新春時代劇]]'''に変更された。
なお次作『[[信長燃ゆ#テレビドラマ|信長燃ゆ]]』から放送時間が3時間に縮小、枠名も'''[[新春ワイド時代劇|新春時代劇]]'''に変更された。


=== キャスト ===
=== キャスト ===
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== 隠密同心の組み合わせ ==
== 隠密同心の組み合わせ ==
時期ごとの隠密同心の組み合わせを以下に記す。なお、1980年3月22日~1980年5月3日には[[高瀬春奈]]演じる火車おもんが、1981年5月9日~1981年9月26日には[[中島ゆたか]]演じる矢車お菊が出てくるが、これは稲妻お竜:[[土田早苗]]の一時的な代役で、OPにはクレジットされていないのでこの表からは除外した。
時期ごとの隠密同心の組み合わせを以下に記す。なお、1980年3月22日~1980年5月3日には[[高瀬春奈]]演じる火車おもんが、1981年5月9日 - 1981年9月26日には[[中島ゆたか]]演じる矢車お菊が出てくるが、これは稲妻お竜:[[土田早苗]]の一時的な代役で、OPにはクレジットされていないのでこの表からは除外した。


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:*中京テレビは系列外にもかかわらず、当時出資していた[[日本経済新聞]]との関係や、当時の[[名古屋テレビ放送|名古屋テレビ]]との変則クロスネットの名残から、12chとは準系列局的な関係があったことから、初期は日曜20:00に放送。土曜の同時間帯を経て金曜16:15に変更となる。
:*中京テレビは系列外にもかかわらず、当時出資していた[[日本経済新聞]]との関係や、当時の[[名古屋テレビ放送|名古屋テレビ]]との変則クロスネットの名残から、12chとは準系列局的な関係があったことから、初期は日曜20:00に放送。土曜の同時間帯を経て金曜16:15に変更となる。
:*第3シリーズから土曜22:00の放送となり、1975年4月に日本テレビで放送を開始した『[[テレビ3面記事 ウィークエンダー|ウィークエンダー]]』のゴールデンでの放送を拒否したため土曜22:00の枠を維持していた。1975年10月に『ウィークエンダー』のプライム帯での放送を開始してからは、金曜19:00に移動<ref group="注釈">この改編によって、これまで金曜19:00で放送されていた『[[日米対抗ローラーゲーム]]』は、土曜17:00に移り、同時間でそれまで放送されていた日本テレビ系列の『[[金曜10時!うわさのチャンネル!!]]』は『ウィークエンダー』が放送されていた土曜23:45に移動した。</ref>。その後、1977年4月から金曜22:00での放送となり、中京テレビでの末期は土曜23:55からの放送となった。
:*第3シリーズから土曜22:00の放送となり、1975年4月に日本テレビで放送を開始した『[[テレビ3面記事 ウィークエンダー|ウィークエンダー]]』のゴールデンでの放送を拒否したため土曜22:00の枠を維持していた。1975年10月に『ウィークエンダー』のプライム帯での放送を開始してからは、金曜19:00に移動<ref group="注釈">この改編によって、これまで金曜19:00で放送されていた『[[日米対抗ローラーゲーム]]』は、土曜17:00に移り、同時間でそれまで放送されていた日本テレビ系列の『[[金曜10時!うわさのチャンネル!!]]』は『ウィークエンダー』が放送されていた土曜23:45に移動した。</ref>。その後、1977年4月から金曜22:00での放送となり、中京テレビでの末期は土曜23:55からの放送となった。
:*中京テレビではキー局と同じく'''日産劇場'''として、冒頭の[[世界の恋人]]入りの提供クレジットも含めての、日産グループの一社提供という形でネットしていた。後に継承したTXN系のテレビ愛知も同様。なお[[岐阜放送]]や[[三重テレビ放送|三重テレビ]]への継承はなかった(版権が切れた後は放送)。
:*中京テレビではキー局と同じく'''日産劇場'''として、冒頭の[[世界の恋人]]入りの提供クレジットも含めての、日産グループの一社提供という形でネットしていた。後に継承したTXN系のテレビ愛知も同様。なお[[岐阜放送]]や[[三重テレビ放送|三重テレビ]]への継承はなかった(版権が切れた後は放送)。
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;岡山県・香川県
;岡山県・香川県
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:*昭和50年代後半には、午前中に杉編を[[九州朝日放送]]と[[テレビ西日本]]で時差放送されていた時期もあり、一方のRKBでは、昭和61年夏ごろに里見編を平日17:00 - 18:00枠で再放送。昭和60年代には[[福岡放送]]でも、平日10:30 - 11:30枠で第1シリーズのみを再放送している。
:*昭和50年代後半には、午前中に杉編を[[九州朝日放送]]と[[テレビ西日本]]で時差放送されていた時期もあり、一方のRKBでは、昭和61年夏ごろに里見編を平日17:00 - 18:00枠で再放送。昭和60年代には[[福岡放送]]でも、平日10:30 - 11:30枠で第1シリーズのみを再放送している。
;その他地上波
;その他地上波
:*[[青森県]]では、[[青森テレビ]]が第2シリーズは約11ヵ月遅れの日曜22:30から、その後は土曜夕方に放送。「…2015」は、[[青森朝日放送]]が2015年6月の平日9:55 - 10:55に分割して放送。<!---青森県の状況は現在調査中。--->
:*[[山口県]]では12ch時代から[[テレビ山口]]で土曜24:30から放送。
:*[[宮城県]]では12ch時代からの作品を1980年代まで[[仙台放送]]で放送(当初は日曜午後放送→土曜13:00 - )していた他、[[東日本放送]]が1980年代に初期作品(杉~里見編)の再放送を平日10:00から行っていた。なお、橋爪編については、[[東北放送]]で[[2009年]]4月から5月にかけてpart1を、2009年8月からはPART2を『ドラマシアター』枠(9:58 - 10:50)で放送。
:*[[秋田県]]では、[[秋田放送]]が第1シリーズを約9ヶ月半遅れの土曜22:30から放送。<!---上記内部リンクと昭和48年6月の東奥日報秋田放送テレビ欄から--->
:*[[埼玉県]]では、[[テレビ埼玉]]では2012年6月<ref>2016年2月時点では、火曜日15時05分から放送。(TVガイド関東版平成28年2月5日号から)</ref>から、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送。
:*[[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]では2009年8月から、杉良太郎出演の昭和編第1シリーズより順次継続して放送されていた。
:*[[新潟県]]では12ch時代から[[新潟総合テレビ]]で日曜15:15(1983年10月以降は15:00)から約2ヶ月遅れで放送。
:*[[新潟県]]では12ch時代から[[新潟総合テレビ]]で日曜15:15(1983年10月以降は15:00)から約2ヶ月遅れで放送。
:*[[長野県]]では12ch時代から[[長野放送]]で第1シリーズは日曜13:00、第2シリーズ以降は日曜14:00から放送
:*[[長野県]]では12ch時代から[[長野放送]]で第1シリーズは日曜13:00、第2シリーズ以降は日曜14:00から放送
:*[[静岡県]]では、[[静岡放送]](SBS)が当初、里見編の途中まで水曜16時台に放送していたが( - [[1979年]]6月)、同年7月に[[静岡第一テレビ]](SDT)が開局するのを受けて、それまで火曜日22時台のローカルセールス枠で放送されていた「[[土曜ドラマ (日本テレビ)|グランド劇場]]」が、SDTの土曜21時台に移動するのに伴い、SBSでの同番組の後番組として火曜日22時枠に移動し、放送した<ref group="注釈">なお、『[[そこが知りたい]]』が同枠に移動してからの放送枠の扱いについては不明</ref>。なお、平成橋爪編は第1・第2シリーズともに、土曜10時30分から放送していた。ちなみに[[1986年]]から[[1987年]]に掛けて、杉編の第1・第2シリーズがSDTの平日10時30分からの時代劇枠で放送されている。
:*[[宮城県]]では12ch時代からの作品を1980年代まで[[仙台放送]]で放送(当初は日曜午後放送→土曜13:00 - )していた他、[[東日本放送]]が1980年代に初期作品(杉~里見編)の再放送を平日10:00から行っていた。なお、橋爪編については、[[東北放送]]で[[2009年]]4月から5月にかけてpart1を、2009年8月からはPART2を『ドラマシアター』枠(9:58 - 10:50)で放送。
:*[[富山県]]では12ch時代から[[富山テレビ放送|富山テレビ]]で日曜13:00から放送。
:*[[富山県]]では12ch時代から[[富山テレビ放送|富山テレビ]]で日曜13:00から放送。
:*[[奈良県]]では、[[奈良テレビ放送|奈良テレビ]]では2012年1月から、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送。
:*[[広島県]]では、[[中国放送]]が土曜午後に放送していた他、[[広島ホームテレビ]]が、初期作品(杉〜里見編)の再放送を行っていた。
:*[[広島県]]では、[[中国放送]]が土曜午後に放送していた他、[[広島ホームテレビ]]が、初期作品(杉〜里見編)の再放送を行っていた。
:*[[沖縄県]]では[[沖縄テレビ放送|沖縄テレビ]]が昭和編第一期のみを土曜深夜に放送していた
:*[[山口県]]では12ch時代から[[テレビ山口]]土曜24:30から放送。
:*[[愛媛県]]では、[[南海放送]]が木曜深夜に放送していた。
:*[[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]では2009年8月から、杉良太郎出演の昭和編第1シリーズより順次継続して放送されていた。
:*[[奈良県]]では、[[奈良テレビ放送|奈良テレビ]]では2012年1月から、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送。
:*[[埼玉県]]では、[[テレビ埼玉]]では2012年6月<ref>2016年2月時点では、火曜日15時05分から放送。(TVガイド関東版平成28年2月5日号から)</ref>から、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送。
:*[[長崎県]]では、[[テレビ長崎]]が土曜深夜に放送していた。
:*[[長崎県]]では、[[テレビ長崎]]が土曜深夜に放送していた。
:*[[愛媛県]]では、[[南海放送]]が曜深夜に放送していた。
:*[[沖縄県]]では、[[沖縄テレビ放送|沖縄テレビ]]が昭和編第1シリーズのみを土曜深夜に放送していた。
:*[[静岡県]]では、[[静岡放送]](SBS)が当初、里見編の途中まで水曜16時台に放送していたが( - [[1979年]]6月)、同年7月に[[静岡第一テレビ]](SDT)が開局するのを受けて、それまで火曜日22時台のローカルセールス枠で放送されていた「[[土曜ドラマ (日本テレビ)|グランド劇場]]」が、SDTの土曜21時台に移動するのに伴い、SBSでの同番組の後番組として火曜日22時枠に移動し、放送した<ref group="注釈">なお、『[[そこが知りたい]]』が同枠に移動してからの放送枠の扱いについては不明</ref>。なお、平成橋爪編は第1・第2シリーズともに、土曜10時30分から放送していた。ちなみに[[1986年]]から[[1987年]]に掛けて、杉編の第1・第2シリーズがSDTの平日10時30分からの時代劇枠で放送されている。
:*[[青森県]]では、[[青森テレビ]]が第2シリーズは約11ヵ月遅れの日曜22:30から、その後は土曜夕方に放送。「…2015」は、[[青森朝日放送]]が2015年6月の平日9:55 - 10:55に分割して放送。<!---青森県の状況は現在調査中。--->
:*[[秋田県]]では、[[秋田放送]]が第1シリーズを約9ヶ月半遅れの土曜22:30から放送。<!---上記内部リンクと昭和48年6月の東奥日報秋田放送テレビ欄から--->
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;衛星波
;衛星波
:*『[[時代劇専門チャンネル]]』では、[[2004年]][[9月7日]]から[[2007年]][[7月11日]]まで、第11話を除く、全715話<ref group="注釈">2時間スペシャル版が3話存在し、それぞれ1時間枠で分割放映しているため、全体の話数713話より多くなる</ref>が再放送された。同チャンネルでは、2007年[[9月18日]]から2010年9月30日にかけて再び、第1話から再放送された。なお、第11話は原版破損のため、現在では放送できない。また、保存状態が比較的良くない作品を放送するときは、冒頭及び末尾にその旨を説明するテロップが挿入されている。
:*『[[時代劇専門チャンネル]]』では、[[2004年]][[9月7日]]から[[2007年]][[7月11日]]まで、第11話を除く、全715話<ref group="注釈">2時間スペシャル版が3話存在し、それぞれ1時間枠で分割放映しているため、全体の話数713話より多くなる</ref>が再放送された。同チャンネルでは、2007年[[9月18日]]から2010年9月30日にかけて再び、第1話から再放送された。なお、第11話は原版破損のため、現在では放送できない。また、保存状態が比較的良くない作品を放送するときは、冒頭及び末尾にその旨を説明するテロップが挿入されている。
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;スポンサー
;スポンサー
:[[日産自動車]]の当時の宣伝部長の[[石原俊]](後の日産自動車社長・会長・相談役)が、大の時代劇ファンで「[[土曜日]]の夜に時代劇を見たい」という後押しもあり、14年のロングランとなった<ref>「東京12チャンネルの挑戦」([[金子明雄]]著、[[三一書房]])p.140</ref>。
:[[日産自動車]]の当時の宣伝部長の[[石原俊]](後の日産自動車社長・会長・相談役)が、大の時代劇ファンで「[[土曜日]]の夜に時代劇を見たい」という後押しもあり、14年のロングランとなった<ref>「東京12チャンネルの挑戦」([[金子明雄]]著、[[三一書房]])p.140</ref>。
:番組開始冒頭では日産の[[コマーシャルソング]]「[[世界の恋人]]」([[シンガーズ・スリー]]バージョン。作曲:[[芥川也寸志]]編曲:[[大野雄二]])が30秒流れ、最後の数秒で「人とクルマの明日をめざす、技術の日産グループの提供でお送りします。」のあとに、オープニングとなった。また、(キー局での)本放送時のオープニング冒頭に『'''日産劇場'''』というテロップを挿入していた時期もあった。
:番組開始冒頭では日産の[[コマーシャルソング]]「[[世界の恋人]]」([[シンガーズ・スリー]]バージョン。作曲:[[芥川也寸志]]/編曲:[[大野雄二]])が30秒流れ、最後の数秒で「人とクルマの明日をめざす、技術の日産グループの提供でお送りします。」のあとに、オープニングとなった。また、(キー局での)本放送時のオープニング冒頭に『'''日産劇場'''』というテロップを挿入していた時期もあった。
:『大江戸捜査網』の後輩番組(『[[テレビあっとランダム]]』など)は、日産が筆頭スポンサーになっているが、複数社提供になっている。
:『大江戸捜査網』の後輩番組(『[[テレビあっとランダム]]』など)は、日産が筆頭スポンサーになっているが、複数社提供になっている。
;題名
;題名
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==サウンドトラック==
==サウンドトラック==
*2002年にキングレコードからCD大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック(KICS-2376)が発売。ジャケットに「アンタッチャブル」の文字があるが、第3シリーズの里見編製作の際に新録されたBGMを収録。これは、玉木氏が曲の注文は「俺が注文を受けたときは、大江戸アンタッチャブルだったからつけよう」といったからであると、2回目のCDの解説に書かれている。全曲モノラル。オープニングテーマはTVサイズ1種のみ収録し、エンディングテーマは未収録。エンディングテーマながれ橋のアレンジBGMは「挿入歌いろはにほへと バリエーション」と誤って表記されていると思われていたが、2回目のサウンドトラック解説によると、現場ではいろはにを使おうなどと言われていたため、初めのCD制作時に、いろはにほへとバリエーションと、玉木氏自身が命名したと書かれている。
*2002年にキングレコードからCD大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック(KICS-2376)が発売。ジャケットに「アンタッチャブル」の文字があるが、第3シリーズの里見編製作の際に新録されたBGMを収録。これは、玉木氏が曲の注文は「俺が注文を受けたときは、大江戸アンタッチャブルだったからつけよう」といったからであると、2回目のCDの解説に書かれている。全曲モノラル。オープニングテーマはTVサイズ1種のみ収録し、エンディングテーマは未収録。エンディングテーマながれ橋のアレンジBGMは「挿入歌いろはにほへと バリエーション」と誤って表記されていると思われていたが、2回目のサウンドトラック解説によると、現場では<いろはにを使おう>などと言われていたため、初めのCD制作時に、いろはにほへとバリエーションと、玉木氏自身が命名したと書かれている。
ブックレットには玉木宏樹(作曲)と合田豊(選曲)のメッセージを掲載。チャンバラシーンで多く使用された曲<ref group="注釈">第3シリーズ第1話では隠密同心心得の条のシーンで使用。</ref>などが未収録のため、選曲の不備にファンから不満の声が上がっている<ref>[http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B00005V2CB/ref=pr_all_summary_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=bySubmissionDateDescending カスタマーレビュー: 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック/Amazon.co.jp]2014年1月23日閲覧</ref>。2014年10月に、これに新たに発掘された音源を20トラック追加して再発売された(KICS-3083)<ref>[http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E6%B1%9F%E6%88%B8%E6%8D%9C%E6%9F%BB%E7%B6%B2-%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF/dp/B00LY9WBOY/ref=dp_return_1?ie=UTF8&n=561956&s=music 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック/Amazon.co.jp]2014年
ブックレットには玉木宏樹(作曲)と合田豊(選曲)のメッセージを掲載。チャンバラシーンで多く使用された曲<ref group="注釈">第3シリーズ第1話では隠密同心心得の条のシーンで使用。</ref>などが未収録のため、選曲の不備にファンから不満の声が上がっている<ref>[http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B00005V2CB/ref=pr_all_summary_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=bySubmissionDateDescending カスタマーレビュー: 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック/Amazon.co.jp]2014年1月23日閲覧</ref>。2014年10月に、これに新たに発掘された音源を20トラック追加して再発売された(KICS-3083)<ref>[http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E6%B1%9F%E6%88%B8%E6%8D%9C%E6%9F%BB%E7%B6%B2-%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF/dp/B00LY9WBOY/ref=dp_return_1?ie=UTF8&n=561956&s=music 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック/Amazon.co.jp]2014年
item/itemShw.php?site=S&cd=DYCL000000063 オリジナル・サウンドトラック 大江戸捜査網「隠密同心」/Sony Music Shop]2015年2月11日閲覧。</ref>。
item/itemShw.php?site=S&cd=DYCL000000063 オリジナル・サウンドトラック 大江戸捜査網「隠密同心」/Sony Music Shop]2015年2月11日閲覧。</ref>。
*[[新世紀エヴァンゲリオン]](テレビ東京系)の監督として知られる[[庵野秀明]]が[[テレビ東京ミュージック]]社長(当時)の[[金子明雄 (テレビプロデューサー)|金子明雄]]と飲んだ際、「金子さん!是非とも大江戸捜査網をLD化してくださいよそれが駄目ならせめて番組音楽のCDだけでも出してください。お願いします」と懇願し、金子が真剣に検討したという逸話がある<ref>「東京12チャンネルの挑戦」p.141</ref>
*[[新世紀エヴァンゲリオン]](テレビ東京系)の監督として知られる[[庵野秀明]]が[[テレビ東京ミュージック]]社長(当時)の[[金子明雄 (テレビプロデューサー)|金子明雄]]と飲んだ際、「金子さん!是非とも大江戸捜査網をLD化してくださいよ!それが駄目ならせめて番組音楽のCDだけでも出してください。お願いします!」と懇願し、金子が真剣に検討したという逸話がある<ref>「東京12チャンネルの挑戦」p.141</ref>


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.tv-tokyo.co.jp/official/ooedo.sousamou/ テレビ東京『大江戸捜査網2015~隠密同心、悪を斬る』特設サイト]
* [http://www.tv-tokyo.co.jp/official/ooedo.sousamou/ テレビ東京『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』特設サイト]




{{前後番組
{{前後番組
|放送局=[[テレビ東京|東京12チャンネル→テレビ東京]]
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|前番組=[[日本怪談劇場]]
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|8番組名=大江戸捜査網2015<br />(2015年)
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{{テレビ東京金曜時代劇}}
{{テレビ東京金曜時代劇}}

2016年2月11日 (木) 04:14時点における版

大江戸捜査網』(おおえどそうさもう)は、東京12チャンネル→テレビ東京などで放送されたテレビ時代劇番組シリーズ。全6シリーズ・713話。初期は『大江戸捜査網 アンタッチャブル』とサブタイトルが付けられていた。

1970年から1984年まで、土曜夜に日産グループの一社提供による「日産劇場」として放送[注釈 1]杉良太郎里見浩太朗松方弘樹と、後に時代劇の大看板となった俳優が主役を務めた。終了後は引き続き、並樹史朗主演で『新・大江戸捜査網』として放送されたが、日産のスポンサー降板による打ち切りで一旦幕を閉じた。1990年から1年半の間に、橋爪淳主演で年度下半期の半年間ずつ、金曜夜に計2シリーズ放送された。

2015年新春ワイド時代劇として、高橋克典(十文字小弥太役)、村上弘明(井坂十蔵役)らの出演で『大江戸捜査網2015』が放送された。前作からは23年ぶり。

本記事では、『新・大江戸捜査網』も含め、1970年から1992年に放送されたTVシリーズ、それに関係した映画版について説明する。

概要

秘密捜査員「隠密同心」たちが、変装、潜入、囮など様々な手段を駆使しながら探索、事件の裏にはびこる江戸の悪を斬り捨てていく痛快時代劇。隠密同心とは松平定信が極秘に作った組織で、彼の命を受けた幕臣が隠密支配となって統括している。メンバーは、普段は町人として生活しており、江戸町内の地蔵の鉢巻きの合図を元に集結して、指令を受ける。メンバーは皆、隠密支配から承った証の懐剣を所持しており、ここぞというときに、悪人に見せつける場合もある(第3シリーズ 第62話)。

テレビシリーズ本編で定信が直接隠密同心を統率したのは、平成版の第1シリーズだけである。それ以前、松平定信が登場した時は、日活製作編では堀雄二、三船プロ編では黒川弥太郎、ヴァンフィル編では永井秀明がそれぞれが定信役を、劇場版では三船敏郎が演じている。

隠密同心の活動拠点(アジト)は、日活制作編では「桜湯」の2階、第3シリーズでは浅草の小料理店「桔梗屋」の地下である。

劇中のナレーション

隠密同心 心得之條 我が命我がものと思わず 武門之儀 あくまで陰にて 己の器量伏し 御下命 如何にても果す可し 尚 死して屍拾う者無し 死して屍拾う者無し」が、日活から三船プロダクションに製作が移って以降、多く用いられた。なお、他に2バージョンの心得の条がある。第2話の「およそ悪はその実態を見極め、その根源を断つべきこと。虎穴に入らば、己の肉を斬らせ、しかる後、敵を倒すべし。この定め、忘れることなかれ」第5話の「行動は風のごとく速やかに、いかなる窮地に陥るも、みだりに狼狽することなく、一度決すれば、必ず敵を斬るべし。一度決すれば、必ず敵を斬るべし。一度決すれば、必ず敵を斬るべし」の2つで、第3シリーズの杉良太郎編のみ流れた、珍しいものである。

本当に死んだ隠密同心は第3シリーズの第27話(通算131話)に登場した、山口太兵衛と、くれないお蝶だけである。いずれも不憫に思った、伝法寺隼人以下の隠密同心たちが心得の条に背いて、その屍を拾い、弔っている。第3シリーズの最終回は、幻の御前が自害という形で死亡した。

成敗時

第3シリーズでは、悪の黒幕らの談合や宴席が最高潮に盛り上がる最中に隠密同心が乗り込み、罪状を読み上げる。追い詰められた悪人たちが「貴様ら一体何者だ!」(もしくはそれに類する台詞)と尋ね、それに各自が名前を名乗ってから、悪人たちとの立ち回りが始まる。この際、筆頭同心(杉、里見、松方)が「隠密同心 ○○」と名乗り、以下次々と「同じく、○○」と名乗りを上げる。また、隠密同心たちと一緒に隠密支配も成敗に加わっている時には、最後に「そして隠密支配 ○○」(中村竹弥は初期には「旗本寄合席 内藤勘解由」)と名乗っている。 また、主人公が名乗りを挙げる際に決め台詞を言うパターンも存在する。 杉良太郎編では「天知る」「地知る」「人ぞ知る」とお吉、井坂、小弥太の順番で言いながら現れることもある(夕霧は登場せず。出演者の人数によっては2人で言い分ける回も存在する)。

第3シリーズと、第4シリーズに当たる新大江戸捜査網での筆頭同心の決め台詞は下記の通り。

  1. 杉良太郎(十文字小弥太):第3シリーズの初期で「俺たちが知ったが最後、悪の華は咲かさん」
  2. 里見浩太朗(伝法寺隼人):第3シリーズの終盤で「冥土の土産に聞かせてやろう」
  3. 松方弘樹(左文字右京):「三途の川の渡し守」(以降、名乗りへ)「たとえ世間が黙って見逃したとしても、この懐剣が承知できねぇとよ」「てめえたちに、明日のお天道様を拝ませるわけにはいかねぇ」(「三途の川」の前の台詞。松方編でも後期に用いられた)
  4. 並樹史朗(新十郎):相手を切り倒す際に、「役儀により、冥土への速飛脚、ご案内仕る!」

日活製作の第1、第2シリーズは心得の条のナレーションはなく、隠密同心が名乗らずに成敗する事や、第3シリーズよりも出演回数が多かった隠密支配の内藤勘解由だけが「旗本寄合席 内藤勘解由。松平定信様の命により、成敗をする」と言うと、隠密同心達に「それ!」と合図をしたり、そのまま成敗に入ることもある。 また、正体を名乗る場合でも、姿は町人(遊び人)や浪人姿のままで戦い、小波のみが忍者装束を着用しているということも多かった。 第2シリーズになると名乗りを上げるシーンが増え、名乗り方が第3シリーズの様に変わって「隠密同心 十文字小弥太」、「同じく、井坂十蔵」、「同じく、小波」と、第3シリーズに通じるシーンが増える。隠密同心では無い山猫お七も「同じく、仲間の山猫お七だよ」などと名乗ったことがある。 第3シリーズから、悪を斬り捨てる隠密同心の行進のシーンをバックに、「隠密同心 心得之条」がナレーションで入る様になる。第65話、第91話、第112話、第165話、第186話、第207話と、第408話以降では、成敗時の名乗りが終わって悪人たちとの立ち回りが始まってから心得之条が挿入されることが多くなり、心得之条をバックに行進する場面はあまり見られなくなっている。なお、第306(通算411)話から第330話までは、成敗時に隠密同心は白装束姿で現れた。

『新』では、成敗時に隠密支配 日向主水正から流し目のお紺によって、あらかじめ敵に成敗書が投函される。旧シリーズと異なり、相手が1人であるなど数が少ない場合もある。

音楽

玉木宏樹作曲によるオープニング・テーマ曲は、単純拍子と変拍子を巧みに使い分け、軽快かつ緊張感に満ちたもので、テレビ時代劇テーマ曲の代表作であり、チャンバラシーンでも用いられた。前奏は、使用時期によってメロディが全く異なる複数のバージョンがある。新と平成第1シリーズの初期のオープニングテーマ曲は、お馴染みのテーマ曲とは別バージョンである。なお、第1シリーズ(第26話まで)は、エンディングでもオープニングテーマ曲が使用されていた。

ステレオ録音のフルバージョンはCD『ちょんまげ天国 〜TV時代劇音楽集〜』(2002年ソニーミュージック、MHCL-161)などで聞く事が出来る。

玉木自身の編曲・演奏の『ヴァイオリンのための“大江戸捜査網”』がCD『玉木宏樹の大冗談音楽会!!』(1995年コロムビア、COCO-78584)に収録。 シエナ・ウインド・オーケストラ演奏の原曲にほぼ忠実なカヴァー版(編曲:福田洋介)がCD『THE刑事☆究極の刑事ドラマ・テーマ集』(2009年avex-CLASSICS、AVCL-25459)に収録。その吹奏楽譜はウィンズスコアから発売。

玉木宏樹は2010年にジェイムズ・スウェアリンジェン作曲の吹奏楽曲インヴィクタ序曲』(1981年発表)が大江戸捜査網のテーマ曲に似ていることをツイッターで指摘され、「これは完全にパクられましたね。短三度上の転調、そして変拍子、私は作曲家ですからパクリかどうかはすぐに判断出来ます。唯一の救いは、向こうはカッコ良くないと言うことですね。」とコメントしている[1]

2014年10月11日からテレビ朝日系列で放送中のバラエティ『世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団』のOPにも、本曲が使われている。

番組の歴史

1970年

10月3日:「時代劇版のアルカポネのアンタッチャブル」のコンセプトで、杉良太郎、瑳川哲朗、中村竹弥、梶芽衣子、岡田可愛でスタート。

1971年

9月25日:第1期シリーズ終了。

1972年

3月25日:第2期シリーズを、第1シリーズと同じメンバーで開始。但し次の第3シリーズから、三船プロダクションの製作に変わる為に岡田可愛は中盤で、梶芽衣子は日活の女優であった[2]為に、この第2シリーズをもって降板をする。

1973年

3月17日:第2シリーズ終了。 9月22日:製作会社を三船プロダクションに変更、女性メンバーを江崎英子、古城都に一新し第3シリーズスタート。 12月29日:第15話「大江戸残酷秘話」で杉良太郎が脚本を執筆。

1974年

2月-3月:第1シリーズのスタート時からの主演だった杉良太郎が通算130話・第3シリーズ第26話をもって与力に昇進という形で、そして4回しか出演しなかったレギュラー・古城都が相次いで降板。新主演に里見浩太朗と新メンバー安田道代を迎えた。 11月23日:山口いづみが新メンバーに加わり6人になるも、一同に会する回がないまま、翌75年3月にくれないお蝶が殉職という形で降板。以後レギュラーにおける隠密同心の殉職者は出ず。

1976年

9月-10月:女性メンバーを、土田早苗、志穂美悦子に再度一新。アクション性が強化された。

1977年

7月16日:第1シリーズからの、シリーズ通算300回記念作に三船プロダクションの代表・三船敏郎がゲスト出演。 9月:志穂美悦子が『明日の刑事』(TBS)出演のため降板。後任に安西マリアが登板。

1978年

4月:安西マリア降板。三船プロダクション期待の新星だった、かたせ梨乃が参入。

1979年

9月:里見浩太朗が京都での仕事の多忙化のために、伝法寺隼人が栄転するという形で降板。3人目の主役に松方弘樹登場。 12月1日:シリーズ初の映画化となる『隠密同心・大江戸捜査網』が封切り。

1980年

3月-5月:高瀬春奈(火車おもんとして)が土田早苗の代理メンバーとして短期出演。

1981年

5月-6月:第1シリーズの第1話から数えて、500回記念シリーズ。中島ゆたか(矢車お菊.菊弥として)が土田早苗の代理メンバーとして短期出演。佐渡ロケーション敢行。 この時期「心得の状」の口上が立ち回りのシーンに流れるなど若干の作風の変化が起こり始める。

9月26日:土田早苗と、第1シリーズの第1話スタート時から隠密支配のメンバーだった中村竹弥が降板。 10月3日:新隠密支配に大山勝巳が登場。岡江久美子、南条弘二が加わり、メンバーも一新され心機一転のスタート。 また、同時期に制作局である東京12チャンネルがテレビ東京へ改称。 これ以降サスペンスドラマ色が強まる。

1982年

9月-10月:女性メンバーをかたせ梨乃、岡江久美子から、夏樹陽子、山田由紀子に再び一新。製作会社もそれまでの三船プロダクションからヴァンフィルに移る。

1983年

この年に入ると『積木くずし』や『蒲田行進曲』など当時のヒット作をストーリーに取り入れたエピソードや、「悪女シリーズ」「衝撃事件シリーズ」などの集中したテーマ、さらには小森和子や大川栄策など当時のテレビの人気者を出演させるなどエンターテイメント重視の路線になる。10月1日:当シリーズ最後の新メンバー清原美華加入。

1984年

3月いっぱいで10年半に及ぶ第3期が終了。続いて4月から出演者を一新した『新・大江戸捜査網』がスタート。しかし、視聴率的に苦戦を強いられたまま半年で終了。足かけ14年にわたる『大江戸捜査網』シリーズはひとまず終了した。

シリーズ一覧

1970年 - 1984年放送

第1シリーズ

1970年10月3日 - 1971年9月25日放送(制作:日活 東京12チャンネル)。

第26話までは、エンディングで、オープニングテーマ曲が流れていた。第27話から、杉良太郎が歌う主題歌『江戸の夜明け』が流れるようになった。第1作では立ち回りで、オープニングテーマ曲が流れることはあまりなかった(第6話、第20話、第22話など)。

スタッフ
主題歌
  • 『江戸の夜明け』(第27話から)
    • 作詞:川内康範、作曲・編曲:曽根幸明、唄:杉良太郎、コロムビア男声合唱団

杉が後年コロムビアからCBSソニーに移籍してから録音したセルフカヴァー版は演奏、歌い方がかなり異なるが、ソニー・ミュージックのCDでは放送当時の音源のような扱いで収録されることがある[3]

登場人物
普段は、「相模無宿の珊次郎」として活動。髪型は、当初は町人月代だったが第6話でムシリになって以降、交互に使い分けるようになる。任務に対する非情さと江戸庶民を愛する人情を持ち合わせている。村育ちの島帰りだったが、勘解由に拾われて隠密同心となる。初期には着流しではなく、密偵で入り込んだままでの衣装や、黒の忍者服を着て成敗をし、また、名乗るのは一緒に来ていた時に内藤勘解由のみが名乗ることが多かった。後期の隠密装束は黒の着流しになる。
普段は、素浪人としての活動が多い。髪型は、当初は御家人ムシリだったが第23話で総髪になって以降、交互に使い分けるようになる。珊次郎とは対照的に情にもろく、対立したりすることがある。椿の花を武器に愛用している。初期は紋付のつぎはぎの着物に袴姿が多かったが、次第に黒の着物に袴が多くなる。しかし、浪人での操作であるから、第3シリーズまで続くが、綺麗な服装では無かった。
勘解由配下の密偵で勘解由と小弥太、十蔵との橋渡し的な役割も務める。身分は隠密同心であり、懐剣も所持している。隠密装束は特に決まっていないが黒の忍装束が多い。
  • 山猫お七:岡田可愛(第1話 - 第28話、第31話、第32話 - 第41話。第43話、第44話、第47話、第48話、第50話、第51話)
男装の女掏り師。年齢17歳。珊次郎たちが隠密同心であることを知らずにいたが、第4話で見破ってからは協力するようになる。珊次郎を「アニキ」と呼んで好意を抱いている。天涯孤独の身の上で、生き別れになった兄(演;夏八木勲)がいるらしい(第7話)。常に伸縮自在の釣竿を携帯している。
四千石をたまわる旗本。かつては幕府の要職に就いていたが、無類の道楽好きが祟り、無役となり、旧友でもある定信の頼みで、隠密支配という裏の職に就き、隠密同心に指令を送る。
  • おとら:悠木千帆(第4、18、20、23、26、27、31、36、38 - 44、46、49 - 51話を除く)
将棋の駒で占いをする占い師。何かとお七と行動を共にすることが多い。井坂に惚れている。
  • おかん:白木マリ(第1 - 17、21 - 27、34、37、38、40、42、46、47、49、51話)
音吉の元・師匠の女房。未亡人になり、居酒屋を営んでいる。どんな相手にも物怖じしない肝っ玉女将。
元・無宿人でおかんの家に居候している飴売り。珊次郎が盗賊一味の探索のため接近してきたので最初は煙たがっていたが、彼の男気に惚れ義兄弟の契りを交わし、探索などに協力する。珊次郎を「アニキ」と呼ぶ。しかし、下記の深江章喜の様に、これ(18話)以降は、やくざの手先やチンピラ等の悪役等のゲスト出演に変わった。
お七の友人。彼もまた珊次郎を「アニキ」と呼ぶ。何かとお七と行動を共にすることが多い。お調子者で減らず口を叩くことが多いが、友人のために命を捨てようとする一本気な面がある。
  • 島田又五郎:深江章喜(第1話 - 第3話、第5話、第6話、第8話 - 第11話、第14話 - 第17話)
北町奉行所同心。事件のたびに関わってくる珊次郎を怪しんでいる。責任感が強く、真面目な性格。此の話数以降深江は、忠義者や、悪役でのゲスト出演に代わって行く。
オープニング及びナレーション
第1話
第1話のみ、効果音のみでナレーションが入らず、各出演者に役名の表記もなく、物語の中でテロップとナレーションで紹介されるが、山猫お七は紹介されず、十文字小弥太・井坂十藏が隠密同心(話数によっては隠密廻り同心)とされ、小波は『内藤勘解由の個人的な人物か それは追って判明するだろう』と語られていた。
第2話 - 第40話
「隠密同心 それは時の老中 松平定信の命により、無役の旗本 内藤勘解由が悪の砦に向けて密かに放った、過酷非情の男たちだ。変装、囮、様々な手段を使い、彼らは身を挺(てい)して犯罪者及びその組織に挑戦する。相手を殺すのは自由だが、我が命を失っても省みる者はない。これは生と死のデッドラインを突っ走るアンタッチャブル。彼らに明日は無い」

第27話からオープニングに効果音が入り出し、梶芽衣子の紹介のシーンの映像が変わった。第40話まで、タイトルにアンタッチャブルの表示がついている。

第41話以降
「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、いつの頃からか、人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を背負った者たちである。凶悪な犯罪者を追及する一方、法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の民衆を、ある時は炎の様な熱情を込めて、又、ある時は影のように支える、この男たち。だが、彼らの生命を補償する物は、何も無い」

オープニングの映像は、27話以降と変わらない。なお、この回よりアンタッチャブルの文字が消える。

放送リスト

第2シリーズ

1972年4月3日 - 1973年3月17日放送(制作:日活 東京12チャンネル)。

スタッフ
  • 脚本:中野顕彰(10回)、山浦弘靖(9回)、山崎巖(8回)、小川英(4回)、胡桃哲(同)、武末勝(同)、吉岡昭三(同)、大和久守正(3回)、蘇武路夫(2回)、中西隆三(同) 他
  • 監督:斎藤光正(16本)、西山正輝(12本)、樋口弘美(9本)、小沢啓一(6本)、磯見忠彦(5本)、手銭弘喜(4本)
  • ナレーター:黒沢良
  • 協力:金剛プロダクション
主題歌
  • 『江戸の夜明け』
    • 作詞:川内康範、作曲・編曲:曽根幸明、唄:杉良太郎
登場人物
  • 隠密同心 十文字小弥太:杉良太郎
前作と同じく、「相模無宿の珊次郎」で活躍をしている。成敗時に名乗ることが格段に増えてくる。
  • 隠密同心 井坂十蔵:瑳川哲朗
前作と同じく素浪人姿で活躍をするが、第1シリーズのようにつぎはぎの袴姿は減り、黒の着物に袴が多くなった。珊次郎には‘山猫お七’が居るが、十蔵の‘おとら’は早耳金太と交代で居なくなった。
  • 隠密同心 小波:梶芽衣子
ポジションは前作と同じであるが、正式に隠密同心と表記されるようになった。また、任侠一家の娘だった過去や当初から隠密同心であった(松平家の家紋入りの懐剣を所持)ことも、このシリーズで正式に明かされる。
  • 隠密補佐 山猫お七:岡田可愛
このシリーズでは、内藤邸への出入りや、正式に捜査を担当したり、名乗りを上げるシーンにも出ているが、あくまで隠密同心ではなかった。花札を手裏剣として武器に使う。第26話(通算第78話)を最後に、姿を消す。尚岡田可愛は、第3シリーズで、娘瓦版売りのお花としてゲスト出演する。
  • 旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥
前作と同じ旗本寄合席で、隠密支配をしている。第3シリーズ以降に比べ、出演話数も多かった。
  • おかん:白木マリ
前作と同じく、居酒屋の女将である。ただし、居候の音吉は登場しない。
珊次郎たちと旧知の瓦版売り。前作のおとら、仙吉に代わり登場。
  • おせん:太田とも子
  • 萩乃:花ノ本以知子
オープニング及びナレーション

「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の犯罪を憎み、 過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、又、ある時は影のように支える男たち。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む彼らに、明日と言う日はない」

放送リスト

CS放送局の番組表などでは、このリストと違い第1シリーズからの通算話数となっている事が多い。

第3シリーズ

1973年9月22日 - 1984年3月31日放送。制作は三船プロダクションに移行するも、お家騒動の余波から、1982年10月より、ヴァンフィルに(ただし「制作協力」として、三船プロダクションのクレジットは終盤近くまで続けられた)。2007年1月に発売されたパチンコ「CR大江戸捜査網」のモチーフになっているのは、このシリーズである。 なお、2003年にキングレコードから発売された「大江戸捜査網オリジナルサウンドトラック」はジャケットに「アンタッチャブル」と記されているが、収録されているメインテーマは第3シリーズ里見浩太朗編のものである。

スタッフ
主題歌
挿入歌
  • 『愛しいバラのように』
    • 作詞:大津あきら、作曲:小田裕一郎、編曲・唄:ノーザン・ライツ
登場人物
隠密同心(レギュラー)
  • 十文字小弥太:杉良太郎
前シリーズ同様普段は遊び人の珊次郎として活動。第7話(通算112話)以降、能面をつけて悪人の前に現れることがある。野性味あふれる太刀さばきが特徴。隠密装束は黒や紺の着流しを着用する。第26話(通算130話)で、定信を失脚させようとした若年寄の堀田と北町与力の森川の野望を阻止し、吟味役与力に任命されて仲間の前から去った。
小弥太の後任として、第27話(通算131話)から登場。表向きは音次郎として、新内流しや遊び人風体で活動。仲間からは「音さん」と呼ばれる。一刀流が中心だが、実は二刀流の達人。元々は200石の旗本出身。第38話の時点から8年前までは、矢作二刀流道場で親友の小早川と共に竜虎の異名をとるほどで、しばしば二刀流で戦うことがある(第27、28、30~32、38、46、53、54、62、80、116、127、178、194、205、220、243、300話など)。その太刀さばきは華麗。遊び人では素手や鎖(第29、31、37、46、47、51、55話)または仕込み煙草入れ(第47話、第52話)、新内流しでは棹や撥に刃を内蔵した仕込み三味線で闘うこともある。隠密装束は青や紺、紫(第60・273話)の着流しを着用。リーダーシップに長け、使命感に強い。第305話で、爆破事件の黒幕が将軍家御家門である筆頭若年寄の菅沼だったため、切腹を覚悟で成敗するが、定信の計らいで菅沼は病死となり、上方に新設される隠密同心組織の隠密支配に任命され、旅立って行った。
  • 左文字右京(さもんじ うきょう):松方弘樹
隼人の後任として、第306話(通算410話)から登場。表向きは桔梗屋の板前・清次郎で、「清さん」の愛称で呼ばれる。元は御家人の次男坊で、御家人の仕組みに嫌気がさして刀を捨てたが、内藤勘解由にその腕を見込まれ、1年間、隠密同心としての修行を積んだ。直心影流の使い手で、野性味と華麗さを併せ持った太刀さばきを見せる。隠密装束は306話の初登場から白の着流しで二刀流での立ち回りも多い。第331話からは浅葱色(水色)の着流し。さらに終盤は紺の着流しで一本差になる。茶目っ気ある気さくな性格で江戸庶民との交友関係も幅広いが、許せぬ悪人に対しては荒っぽい言動をするほど直情的になる。第536話で幻の御前の死と旧知の町人たちを自らの暗殺計画に利用された怒りから、隠密同心の証の懐剣を返上。全ての黒幕である将軍家御家門・立花左馬介を成敗した後、いずこともなく去っていった。
  • 井坂十蔵:瑳川哲朗
前作同様、虚無僧や同心などの活動が多いが、第122話で寺子屋の先生をしてからはシリーズ後半の表向きとして定着するようになる。第27話から椿の花の代わりに、太刀の柄と鞘を組み合わせた即席の長巻を武器とし(第27、29、31 - 34、39、40、48 - 50、53話)、髪型も総髪の他に第1シリーズ初期の御家人ムシリや(第27話 - 第39話)、月代の武家髷に一時期変更されていた。仲間からは「旦那」と呼ばれる。剣の流派は神明一刀流。かつて父親は普請方に勤めていたが、上役の賄賂による不正に巻き込まれ切腹し、お家断絶で天涯孤独となり、神明一刀流道場主の脇坂玄藩に育てられた(第122話)。にわかながら医術の腕もあるようで、負傷した仲間や町人の手当てを行ったこともある。隠密装束は初期は薄いグレー、第27話~第305話は黒の着流し。第306話~330話は白の着流しに黒白の帯。第331話からは薄いグレーや濃いグレーの着流しを着用。吹雪と新太郎が参入した後は紋付の黒の着流しを着用。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
  • 夕霧:古城都(第1話、第17話、第18話、第23話)
第1話(通算105話)から登場。芸者、武家女中、男装の剣士などの顔を持つ女隠密。演じた古城のスケジュールの影響か、わずか4回の出演回数にとどまり、特に説明のないまま姿を消した。隠密装束は赤紫の忍装束。
  • 不知火お吉(しらぬい おきち):江崎英子(第132話から江崎由梨に改名)(第32、34 - 36、42、49、60、71 - 75、157話を除く)
第1話(通算第105話)で隠密同心に加入。初代魚屋隠密。盗賊・不知火吉兵衛の娘。9歳の頃から掏りをしていたことがあった。幼い頃、内藤勘解由に拾われ、鞍馬山のぜんこう和尚に預け、修行させた。隠密装束は初期は半袖の黒地上着に、黒のショートパンツと網タイツ、髪型はポニーテール。中期からは下半身はパンタロンになり髪型も下ろした簡単な一つ結びに。後期は黒地に朱色の細い斑線の革製半袖上着に左手に手甲を装着、終盤は赤と黒の斑模様襟の黒地の長袖上着、赤と黒の斑模様の細い帯に両手首に黒のリストバンドを装着(装着してない回もある)、第158話で、幼馴染の新吉を救おうとして、屋形船で銃弾を浴びる。重傷の身でどうにか事件の黒幕を成敗した後、勘解由の計らいもあり、新吉の故郷で治療するため、彼と共に江戸を去った。
  • くれないお蝶:安田道代(第26 - 30、32 - 36、38、42 - 47、49、59、60、66、67、69 - 73、78話)
戦力補充のため、第26話から登場。普段は胡蝶(こちょう)という名の芸者で活動。成敗時は、唯一焦げ茶色や紫色の仕込み和傘の刀を逆手持ちで戦う。隠密装束は青の着物に赤地に白の模様帯。髪型はやや丸みのある結髪。第78話で、敵の仕掛けた罠から少女を庇い、爆発に巻き込まれて死亡。遺骨は音次郎によって故郷へ帰された。
  • いさり火お紺:山口いづみ(第66、67、69、70、78、110、114、125、137話を除く)
第62話から登場。これにより女隠密がシリーズ唯一の3人体制になる(が、女隠密が3人同時に出演することはなかった)。基本的にはお蝶の代役だが第71話ではそのお蝶とコンビを組んでいる。表向きは芸者、酒豪で壷振りの名手でもある。隠密装束は、初期は桃色の着流しに髪はポニーテールで青い柄の刀だったが、第76話からは朱色の鞘の合口の小太刀を使用。さらに第86話からは赤の着物に髪は結髪に変更される。第158話を最後に将軍の護衛につくため、隠密同心の任を退いた。
  • 稲妻のお竜(名乗る時は稲妻お竜。第203話からはクレジットも稲妻お竜となる):土田早苗
第159話から登場(第328話から第336話の間は急病のため、出演していない)。表向きは芸者玉竜(たまりゅう)として活動する。花札占いを得意とし、鉄火肌で男相手にも引けをとらない性格の持ち主。元々は武家の娘。隠密装束は、初期は黒の折り返し袖に白の飾りの付いた半袖の赤紫色の忍装束に両手首に赤紫色のリストバンドで、紫色の柄の刀を逆手(順手の時もあり)で使用。髪型は三人官女風の結髪。第203話~第305話からは青の着物→紫の着物に白の帯に赤い帯紐(337・338話も紫色着用)を着用、髪はキッチリした結髪に変更、刀は鍔無しの紺色の鞘の刀を使用。第306話からは白の着物に紫白の帯、第339話からは青紫色地に白い胡蝶柄の着物。第408話で、事件に巻き込まれた少年の目を治すため、亡くなった母親に代わり、少年と共に長崎へ旅立った。
  • 風(かぜ):志穂美悦子(第165話、第185話、第186話、第199話、第201話を除く)
第159話から登場。風では呼びづらいこともあり、勘解由からお新の通り名を与えられ、二代目魚屋隠密として活躍。空手と男勝りの大胆なアクションで、新風を巻き起こす。隠密装束は背中に風の文字が書かれた赤い袖なしの忍装束で、両手と下半身は紺のタイツ、髪型はポニーテール、刀は背中に差している。第202話で、身分を明かしてまで恋仲になった友吉の娘おさきを救出する際、爆風によって失明寸前になるが、自力で敵を討ち、友吉親子と共に治療のため、江戸を旅立った。
  • はやぶさお銀:安西マリア(第206話、第215話、第218話、第222話、第227話を除く)
三代目魚屋隠密。第203話から登場。年齢19歳。抜荷の疑いをかけられ死罪になった、長崎の回船問屋南海屋の娘。その仇を探し求めていくうちに、女郎屋の下働きとして売り飛ばされた過去がある。身請け寸前に手裏剣の師匠と出会い、その際に手裏剣技を会得。普段から護衛用にくない型手裏剣を隠し持っている(仲間に知らせる目印にもなる)。隠密装束は上半身、赤色地の縦横白線一本線模様で、下半身は黒のレオタードスパッツ姿の岡っ引き風、髪型はポニーテール。左手首に棒手裏剣を携帯している。第230話で、自分と似た境遇の千太との出会いが縁で役目を退いて彼と共に旅出った。
第231話から登場した、四代目魚屋隠密。お竜との女隠密最強コンビは、シリーズ全盛期を支えた。松平定信の身代わりとなって地雷の犠牲となった側近片桐十郎太の娘で、本名は片桐楓。亡き父の願いで、隠密同心になるべく修行を重ねていた。初期の武器は赤鞘の刀だが、第254話で赤い短槍と脇差に変更、槍の先に鞘が付いていたが、数話で省略された。隠密装束は初期は、上半身赤色地の縦白線の二本線模様で、岡っ引き風の上着に黒の帯、両手に黒のリストバンドを装着。254話からは真紅色地に細い針状花弁の花模様の岡っ引き風上着に黒の帯に両手首に黒のリストバンドを装着し、前髪を下げたポニーテールから整髪されたポニーテールに、306話からは白の岡っ引き風上着で赤白の帯に、両手に黒の手甲当てを装着。第331話からは真紅色地に六枚花弁模様の岡っ引き風の上着で黒の帯に両手黒色の手甲当てを装着、下半身は黒ショートパンツに膝下黒の足当て姿。終盤では白頭巾に扮して活動することも多かった。第459話で、私情から隠密同心の肩書を捨てた上に公儀御庭番・天馬一真たちの襲撃を受け重傷を負い、治療のため春香と共に江戸を離れた。
第409話から登場。隠密支配の座を退いた内藤勘解由の置き土産という形で加入。表の顔は芸者春香として、情報収集などに活動。新太郎とは対照的に金にはうるさいが、芸者の仕事はあまり好きではない様子。本当の名はお春で、材木問屋の娘だったが幼少の頃に両親を賊に殺され危ういところを根来忍者の残党だった疾風の源次に助けられ妹同然に育てられたが江戸の父の知り合いによって引き取られた(第434話)。隠密装束は紫の着物に黒の藤巻合口の刀で、右の袖を外して、緑地に白の花柄の肌襦袢を見せて立ち回る。第459話で、おりんとともに負傷。涙ながらに隠密同心を引退した。
第409話から登場。春香と同じ理由で加入。表の顔は小石川養生所の見習い医者だが、表の仕事に積極的でないらしく、養生所にもめったに顔を見せないため先輩医者たちを困らせている。しかし医術の腕はそれなりにあるようで、怪我を負った仲間や町人の治療や手術を行う場面も多い。清次郎や春香からは「新の字」、おりんやおせんからは「新さん」と呼ばれる。女に色目がなく女郎屋に足しげく通い、清次郎に金の前借りを無心する事もしばしば。それが原因でトラブルを起こしてしまうことも多く、自分の身代わりで捕縛された清次郎を処刑寸前の危機に晒してしまう事態に発展したこともあった(第518話)。髪型は最初の頃は総髪髷だったが第423話からポニーテールに変わり、普段の着物も最初は灰色だったが第423話から緑色、第511話から紺色に変わった。隠密装束は前半は青の着流しで太刀を武器としていたが、460話からは紺の半袖忍装束に白の布帯に左腕に手甲を装着、武器も忍者刀に変更され、蹴りなどのアクションを多用。さらに終盤は緑の半袖忍装束と黒の布帯に左腕に手甲を装着。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
第460話から登場。 雑賀衆(さいかしゅう)出身の忍者崩れで、風車が装飾された簪を手裏剣代わりに使用する。実父の仲間の猿(ましら)の右源太によって実の娘同然に育てられ、その後忍者狩りの命を受け村を訪れた対馬に命乞いされたことがきっかけで隠密同心にスカウトされた。普段は芸者菊丸として、情報収集などに活動。隠密装束は藤色(薄紫色)地に白の白鷺柄の着物。得物は白い藤巻合口拵えの刀。吹雪という双子の妹(夏樹二役)がいる。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
五代目魚屋隠密、第460話から登場。 左腕に昇り鯉の刺青を施している。直情的な面があり、若さと感情に任せて発言・行動することが少なからず見受けられ、仲間から指摘されることもある。また、その姿勢が原因で敵に捕らえられ新太郎と共に処刑寸前の危機に発展してしまうこともあった(第477話)。発言の端々から思い遣りに溢れ、仲間を大切にしていることがよくわかる隠密である。隠密装束は袖なしの黄色の忍び上着に黄色のショートパンツ、髪型はポニーテール、額は鉢巻代わりの三色の組紐、オレンジ色の細い組紐が付いた特殊な小太刀とアクロバット戦法を得意とする。第499話を最後に、プライベートな事情から降板。
第511話から登場。幻の御前の命を受けて密かに御子神の動向を探り、その過程で清次郎たちと知り合う。幻の御前の隠密支配着任に合わせて隠密同心に加入。酒豪。魚屋隠密ポジションではあるが、男装の遊び人が表向きの模様。渡り髪結いや桔梗屋の女中として働くこともある。3年前に不良集団の一味として荒んだ生活を過ごしていた過去が明かされているが、隠密同心にスカウトされた経緯が明かされることはなかった。隠密装束は赤地に金色の牡丹柄の岡っ引き風長袖に、黒の一本線入りの茶色とベージュの帯に、黒のショートパンツ姿に黒の足当てを着用、髪型はポニーテール。刀は逆手持ち。赤房付の短剣を投げて戦うこともある。第536話で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
隠密支配
  • 旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥
第51話で、7年前に勘定奉行に任命されるが爆薬で妻子を殺され、政に対する自責の念から、勘定奉行の役職を退いた過去が判明している。同回で再び勘定奉行に推挙されるも「庶民を犠牲にする政には興味がない」との一念から拒否している。名乗りの際は初期の「旗本寄合席〜」パターンと「そして隠密支配〜」のパターンがある。隠密装束は特に決まっていないが、第306話、第307話のみ白の着流し、後半は紫の着流しが多い。第404話が最後の出演となったが、特に理由を説明されないまま姿を消した。井坂十蔵によれば家紋は「源氏車に八枚笹」とのこと(第124話)。
第409話から登場。内藤勘解由より隠密支配を引き継いだ。清次郎たちには「お頭」と呼ぶよう頼んでいる。第416話で、佐竹藩藩主小池左馬介の義理の弟であることが明かされた。隠密装束は紫の着流し。名乗りの際は「そして大番頭、またの名を隠密支配〜」。前の大番頭だった中津川隼人の推挙によって大番頭に就いたが、その中津川が隠し金山に絡む悪事に加担していた疑惑で、良心の呵責から犠牲になった人足夫婦の仇討ちに躍起になっていた春香とおりんに手を引くよう警告した結果、2人に懐剣を返上させてしまう事態を招いたこともある。第497話が最後の出演であるが、第511話で御子神安房守から大坂城代となったため、隠密支配の職を辞したことが語られた。
  • 影の支配 幻の御前(声):黒沢良
第511話から登場。本名や素性などは一切謎。普段は顔も編笠で隠れたり、姿を見せず声だけだったりと正体不明の存在。御側用人・土屋伊賀守[注釈 2]なる人物が正体であることを促す描写がある(第525話)が、真相は不明。指令は大概口頭で行なうが、時に文書で事情を伝えることもある(第519話など)。清次郎との初顔合わせでいずれ正体を明かすことを語ったが、その日が来ることなく、最終回にあたる第536話で、清次郎たちの素性を若年寄・津島大膳に洩らし、それが敵の隠密同心抹殺計画に利用されたことを苦に切腹し、果てた。
暫定メンバー
音次郎とともに隠密同心に加入。いささか堅物の武士で、隠密としては掟違反ながら、おはまという情妻とその間にできた赤ん坊がおり、この点は内藤勘解由も黙認している。探索中に事件に関わっていた浪人の不意打ちを受け殉死。第27話のみの出演。
実の父親は、南町奉行所与力で勘解由の将棋仲間だったが、抜荷の犯人に撃たれて死亡。勘解由の計らいで、町火消し「は」組の頭(かしら)辰造の娘として育てられた。辰造が殺された復讐を果たすべく、勘解由に懇願して隠密同心に加入した。
土田早苗の急病で、第331話 - 第336話の短期間の出演。隠密装束は赤紫色の地に白色の車輪と纏の柄の着物で、赤い鞘の刀(331・332話)と紺の鍔なし鞘の刀(333~336話)を使用。
根来忍者の生き残りで、菊弥という名前で芸者をしている。内藤勘解由が隠密同心に入れようと育てていたが、悪阻で倒れていた所を町医者・高木新之助(第356話)に救われ、彼に恋をしてしまい、隠密同心の申し出を一度は断った。しかし、高木新之助の死をきっかけに、隠密同心に加入する。隠密装束は赤紫色地に矢車柄の着物。おもん同様お竜の代理による臨時参加で、第388話 - 第390話・第401話・第402話の短期間の出演だった。
若年寄。藤堂対馬が大坂城代となったため、後任が決定されるまでの間、暫定的に隠密支配の座に就いた。だがその実態は木暮藩に絡む砂金横領の黒幕で、差し向けた隠密を手にかけた兵助の抹殺を清次郎に指示するが、逆にからくりを知った隠密同心たちの刀の前に散った。第511話のみの出演。
その他のレギュラー・準レギュラー
  • 早耳金太:古今亭志ん駒
瓦版屋。事件解決のために貢献するが、大麻入りの煙草を吸わされたり、囮にされて殺されかけたりとロクな目に遭わない。いつも「桔梗屋」にいる珊次郎や音次郎、清次郎、井坂らの正体が隠密同心であることは知らない。第401話までの出演。
  • 萩乃:花ノ本以知子
当シリーズ初期における「桔梗屋」の女将。珊次郎たちの正体を知っている。
  • 白木万理
「桔梗屋」の女将。
  • お春:立花かおる
「桔梗屋」の女中。
当初は井坂を親の仇と思っていたが、後に違うことがわかり、奉行所から目明しとして十手を授かる。お調子者で清次郎達に大きなことを言っては空回りをするが、憎めない存在。後に、早耳金太と共に姿を見せなくなる。
第409話~。「桔梗屋」の女中。
おみつに代わって登場した「桔梗屋」の女中。清次郎と昔知り合ったことがある。491話までの出演。
ある盗賊団の探索中に行方不明になった目明しの夫を探すため自らも十手を授かった小母の女目明しで、肝も据わっており、情に厚い。清次郎とは親子同然に仲がいいが、清次郎が只者でない事を知っている節がある。
内藤勘解由と旧知の幕府老中で隠密同心の創設者。
第71話では実弟が鉄砲密輸に加担しているらしいことを知り、隠密同心たちに捜査解任を通告するも、懐剣を返上しながらも探索に乗り出す胡蝶の執念に心動かされた勘解由の「隠密同心は我が子以上の存在」という言葉に絆され、実弟の成敗の許可を下す。
第536話では立花左馬介の陰謀に利用され、責任を取る形で自害した幻の御前の切腹に立ち会った。
  • 第109話(通算213話)「火花散る隠密七変化」で、元隠密同心「葉隠れお雪」役で、美空ひばりが出演し、仇討ちを果たしている。
  • 稲妻お竜役の土田早苗は、2回、長期病欠している。そのため、芸者隠密同心のピンチヒッターとして、火車おもんと矢車お菊が登場しているが、それぞれ約2、3か月しか登場していないため、オープニングには登場せず、エンドクレジットのゲスト扱いである。
オープニング及びナレーション

「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼ら。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

※途中隠密支配の変更に合わせ「大番頭 藤堂対馬に命を預け」(第409話 - 第510話)、「影の支配 幻の御前に命を預け」(第511話 - 第536話)、平成第1シリーズは「老中 松平定信に命を預け」と、それぞれ言い回しが異なっていた。

放送リスト

CS放送局の番組表などでは、このリストと違い第2シリーズ同様、第1シリーズからの通算話数となっている事が多い。朝日新聞出版とのコラボレーションで発売されている第3シリーズのDVDコレクションの、杉良太郎のインタビューの特典映像内で示されるフリップにも第1シリーズから通算での105話、106話…と、話数が記載されているのが確認が出来た。その為テレ東に問い合わせたところ、第3シリーズまでは、管理を通算で行われていると答えが返って来た。

※2016年2月現在CSホームドラマチャンネルで第3シリーズ(松方弘樹版)がリピート放送されていて、番組表No.#○○○ から104を引いた数字が各話リストの数字と一致している。 1973年

1974年

1975年

1976年

1977年

1978年

1979年

1980年

1981年

1982年

1983年

1984年

新・大江戸捜査網

  • 1984年4月7日 - 1984年9月29日(制作:ヴァンフィル テレビ東京)

スタッフ

  • 企画:時崎克彦、元村武
  • プロデューサー:石川博、田辺隆史
  • 音楽:玉木宏樹
  • 撮影:緒方博
  • 照明:嶋田宣代士
  • 選曲:合田豊
  • 殺陣:高倉英二
  • レーザーサウンド:横浜シネマ
  • ナレーター:日下武史
  • 協力:84プロモーション
  • 脚本:山崎巖、小川英、胡桃哲、和久田正明、土橋成男、大工原正泰、下飯坂菊馬、富田富美
  • 監督:長谷部安春、猪崎宣昭、岡康季、小澤啓一、手銭弘喜、宮越澄、白井政一、山城新伍吉田啓一郎、大久保直実
主題歌
登場人物
本シリーズのリーダー格。表向きは飛脚だが、雇われているわけではなく、長屋の住居が飛脚屋を兼ねている模様。お紺からは「新さん」、銀次や長庵、松五郎からは「新の字」と呼ばれる。粋で情にもろい性格と隠密同心としての未熟さもあるゆえか、立ち回りや探索で苦戦を強いられることも多かった。実は福山藩の隣国の今は取り潰された浅尾藩の殿の御落胤で、福山藩の下級武士の娘であるお袖と恋仲になるも身分の差で引き裂かれ山寺に一年閉じ込められたあと武士の身分を捨て江戸に来た(第17話)。第26話で敵に正体をバラされ窮地に落ちるが、役目を返上し、定信を失脚させて尾張藩主を将軍にと画策した江戸家老南原守膳らを負傷しながらも成敗して、仲間たちと共に江戸から姿を消した。
楽天家で、お役者銀次を自称してはいるが、実際は現代でいうフリーターである。そのため毎回、松五郎の斡旋で、さまざまな仕事を買ってはいるが、いずれもまともなものではない。新十郎とは殴り合うほど仲のいいコンビぶりを見せるが、悪女集団に叩きのめされたりとこちらも隠密同心としての未熟さが目立つ。お役者を自称するだけに岡っ引きや太鼓持ちなどに変装し、呼び笛を吹くなどピンチを救うこともしばしば。成敗の際には総髪の浪人風情になる。後半では、必殺シリーズで用いられるような技で成敗を行ったこともある。
表向きは、流し目のお紺という通り名のはぐれ芸者。主に情報収集と主水正から承った御成敗書を敵の居場所に届けるのが役目で成敗には参加しないことが多いが第7話では悪人を簪で成敗していたり、第26話では新十郎たちと共に成敗に参加していた。また、御成敗書を矢につけて飛ばす際に悪人を倒したこともある。成敗時の装束は御成敗書を届ける際の紫の頭巾姿で鍔無しの黒色の鞘の刀を使用。なお、演じた佳那晃子は、「大江戸捜査網」時代には大関優子名義で多数ゲスト出演をしていた。
長屋に住居を構える町医者で、貧しい人からは治療代を取らず、住人からの信頼も厚い。その反面、悪人には厳しく、口より先に手を出し、手荒な事も厭わない。徹底した個人主義者で、隠密同心としての職務にはあまり関わりたがらないが、いざという時はメンバーの力になることもある。人差し指で、相手の体を貫通したり、関節を外したりと怪しげな秘術の使い手でもある。成敗の際は手甲を着け素手で戦うが、とどめには脇差を使う。
  • 隠密支配 日向主水正:瑳川哲朗
新十郎たちから御支配と呼ばれているが、表の役職は不明。松平定信からの御成敗書をお紺に渡している。新十郎たちと繋ぎを取る場面で出ることがほとんどで、成敗には参加せず立ち回りもしない。
隠密同心の溜り場である居酒屋「いちょう屋」の主。居酒屋自体は、青と黄色を基調としたお洒落な外装。お清と夫婦になる前は喧嘩っ早い性格だったらしく、そのせいか時折、感情的になるとすぐ相手を殴ってしまう癖がある。毎度、銀次に仕事を斡旋している。新十郎たちが隠密同心であることは知らないが、後半は彼らをサポートする面が随所に見られた。
松五郎の妻。松五郎との夫婦仲は良く、喧嘩をすることもあるがすぐに仲直りする。たまに新十郎に気があるかのようなことを口にする。
長庵のところに住み込んで手伝いをしている子供。長庵とは親子ではないようだが、父親のように慕っている。

補足

オープニング及びナレーション

「風が舞う、殺気が走る、きらめく刃が闇を裂く。大江戸八百八町が眠る頃、隠密同心 推参仕る」

放送リスト

1990年 - 1992年放送

オープニング及びナレーション

「隠密同心 筆頭老中 松平定信に命を預け、人知れず人生の裏道を歩まねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼らだが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

第1期

1990年10月12日 - 1991年3月29日放送(制作:G・カンパニー、テレビ東京)。

スタッフ
主題歌
キャスト
普段は、寺子屋の先生。みなし子で、義憤から悪人狩りをしていた。当初は定信を世を乱す元凶と考え、小鈴と共に定信暗殺を企む元秋月藩家臣の大山に加担して定信を襲撃するが、何度か定信と顔を合わせるうちにその本心を知り、この一件をきっかけに親代わりの真善和尚が斬殺された事などの経緯を得て隠密同心に加入した。隠密装束は青い着流しを着用し、髪型も総髪に変わる。
普段は、酒・女・博打大好きな南町奉行所の高積み見回り役(往来に積んである貨物の高さを監視し、荷崩れ事故を防止する役目)同心で、うだつの上がらぬ様子を演じているため、「与太郎」と白壁から揶揄されている。同心のため、過去の事件の洗い出しにはもってこいの切れ者で、女形役者、太鼓もち、若旦那などに変装する。十手術や居合を得意とする。グレーの着流し着用。
普段は、剣術道場の道場主。腕は立つが道場が火の車なので、傘張りや道場破りで、小銭を稼いでいる。浪人故か、家柄やしきたりにとらわれる武家を嫌っている節がある。隠密装束は、黒の着流しを着用していたが途中から茶色の着流し着用。刀や槍を使用する。
  • 隠密同心 花の小路お光(はなのこうじ おこう):中村あずさ
的屋(てきや)「花の小路一家」に生まれ、さる旗本に見初められるも、夫に先立たれ、家は断絶。強制的に落髪させられ、光明尼という名で、一人尼寺で夫の先祖の墓の墓守をしながら、夜には賭場でお金稼いだり賭場荒らしを行う。捨て身の度胸と小太刀の腕を定信に買われて、隠密同心となる。探索時には、芸者として振舞う。隠密装束は薄紫色の尼頭巾に紫の着物、手には数珠を携帯。刀は黒色鍔無しの鞘の刀を、普段は逆手持ちで使って応戦、刀の柄の下部と鞘の下部は接続出来る仕掛けがあり、薙刀のようにしての応戦も可能。
なお、隠密同心四人は成敗時には、額に正の一文字の入った金属性の額当て鉢巻を巻いている(お光は尼頭巾に縫いつけている)。
普段は、魚屋。主に情報収集と定信との繋ぎ役。
普段は、裕之介たちが屯する小料理屋の主人兼板前。もともとは義賊と謳われた盗賊「霞小僧」で、町方与力に捕縛されかけたがその与力に情けを掛けられたことで足を洗い、その後、裕之介と出会ったことで彼の悪人狩りのための情報収集をしていた。裕之介が隠密同心となった後も、引き続き情報収集を担当する。
なお、六助の過去にまつわる話は本編11話で語られている。
老中着任後、田沼政権がもたらした悪政を根絶やしにし、江戸庶民に平和と安らぎを与えるべく伝説の存在だった隠密同心を結成。自らその支配として直接、隠密同心たちを束ねている。
  • ナレーター:黒沢良
第一話と最終話のみ登場した松平定信の娘。裕之介同様に当初は定信暗殺を企てる大山に加担していたが、定信の用人である西澤と育ての親である旗本の山中から実の父が定信である事と、田沼政治を根絶やしにする際に巻き込まれないよう自分が山中に預けられた経緯を知り、定信とのわだかまりも解けた。
六助の妻。たまにはケンカもするがおしどり夫婦で、隠密同心の素性は知らないが、六助同様に何かと世話を焼いてくれる。
新十郎の上司の南町奉行所与力。口調が独特でオカマの気があり、新十郎に「相撲取りみてぇな身体しやがって」と陰で言われている。新十郎を「新十郎」、または「新ちゃん」と呼ぶ。
定信の用人。
小料理屋の店員。
放送リスト

第2期

1991年10月11日 - 1992年3月27日放送(制作:G・カンパニー、テレビ東京)

好評だった前作に続いて製作。キャスト及び設定は前作の流れをついでいるものの、役名が代わり、オープニングなど昭和シリーズのオマージュ的部分が濃厚となっている。

スタッフ
  • 制作:江津兵太、元村武
  • プロデューサー:鈴木一巳、藤原幣吉、真鍋和己
  • 音楽:玉木宏樹
  • 選曲:合田豊
  • 撮影:中間政治
  • 美術:松井敏行
  • 録音:秋山一三
  • 制作担当:土肥裕二
  • 殺陣:高倉英二、中瀬博文
  • 効果:宮田音響
  • 整音:星一郎(アオイスタジオ)
  • 現像:東映化学
  • 衣裳:東宝コスチューム
  • かつら:アートネイチャー
  • 大道具:KHKアート
  • スタジオ:東宝ビルト、生田スタジオ
  • 車輌:マエダ・オート
  • 協力:根津神社
主題歌
キャスト
  • 隠密同心 天竜寺隼人(てんりゅうじ はやと):橋爪淳
普段は、小料理屋の板前の直次郎(なおじろう)。元は忍の出身で、いち丸が本名。隠密装束は白い着流しを着用。前作の葉月裕之介と同一人物かどうかは不明。
  • 隠密同心 秋草新十郎(あきくさ しんじゅうろう):京本政樹
南町奉行所をクビとなり、浪人になった(普段は易者として働いている)。井坂十蔵を意識してか、虚無僧の姿で活動するようになる。情報収集は、元上司の同心から聞きだすことが多い。元上司の桂馬からは、相変わらず詰め寄られている様子。隠密装束は紫の着流しを着用。
  • 隠密同心 流れ星お蝶:中村あずさ
普段は芸者。蝶丸として、情報収集など行う。紀州根来衆忍者で、幼い頃から隠密になるために奉公された。隠密装束は、赤の着物。刀は濃い茶色の鍔無し竹鞘の刀。前作の花の小路お光と同一人物であるかは不明。
普段は魚屋。第19話まで情報収集と小笠原との繋ぎ役の隠密補佐で、第20話にて命の恩人である相良藩の家老坂巻の仇討ちを志願し、隠密同心として加入した。初参戦に成敗した仇相手がその家老が在籍していた相良藩主の相良修理亮と側用人の向井である。隠密装束は黄色地に赤い風車柄の岡っ引き風の上着に、黒のショートパンツに膝下は黒の足当て。成敗時は、手槍を使用して戦う。
  • 旗本寄合席(隠密支配) 小笠原甚内(おがさわら じんない):和崎俊哉
隼人が敵のアジトに侵入した際、敵を欺くにはまず味方から騙すため、先回りして、浪人姿で潜入していた切れ者の隼人たちの上司。
前作より引き続き隠密支配を兼任していたが、その役目を甚内に譲った。
  • ナレーター:黒沢良
直次郎が働く小料理屋「桔梗」の女将。酒癖が悪く酒が入るとリンダの持ち歌である「狙い撃ち」を十八番として熱唱する。直次郎に好意を持っている。
  • 白壁桂馬:龍虎
南町奉行所与力。新十郎とは、依然つながりがある。
小料理屋「桔梗」の看板娘。
第24話に登場した元老中。賂を取り続けていたのを理由に老中の座を追われ、一万石の大名に甘んじていた。自らの老中返り咲きと相良藩の再興を目的に、隠密同心の全滅と江戸の大火事の混乱に乗じた定信の暗殺を計画するが、チームワークと執念で危機を乗り越えた隠密同心の敵ではなく、隼人、新十郎に成敗された。その後定信の計らいで孫の田沼意明が田沼家の家督を継いだ。
放送リスト

映画『隠密同心・大江戸捜査網』

隠密同心・大江戸捜査網
監督 松尾昭典
脚本 小川英胡桃哲
製作 元村武小川清澄内藤三郎
製作総指揮 国保徳丸
出演者 松方弘樹
瑳川哲朗
土田早苗
かたせ梨乃
中村竹弥
岡田奈々
伊吹吾郎
大和田獏
三船敏郎
音楽 玉木宏樹
撮影 山田一夫
編集 井上親弥
配給 東宝
公開 1979年12月1日
上映時間 86分
製作国 日本
言語 日本語
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放送していた東京12チャンネルの開局15周年企画として、1979年12月1日に劇場版が公開された。配給は東宝。併映は岡本喜八監督『英霊たちの応援歌 最後の早慶戦』。

物語は将軍の御落胤を巡る、松平定信失脚を図る鳴神鉄山と、松平定信・隠密同心達の暗闘を描いている。芦田が鉄山を、三船が松平定信を演じた。

ストーリー

  • 寛政11年、秋、10数人の侍たちが、武州小牧村を襲い、村人達を斬殺した。そのころ、江戸では、老中松平定信の邸に、将軍家斉の御落胤と称する徳川信吾と用人・稲村重兵衛が訪れ信吾は2年前に亡くなった家斉側室・お牧の方の子で、18歳だと言い、将軍との対面を6日以内に取りはからうように申し入れた。

出演者

新春ワイド時代劇『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』

大江戸捜査網2015
〜隠密同心、悪を斬る!
ジャンル テレビドラマ
企画 元村武(Gカンパニー、企画監修)
脚本 山本むつみ
監督 猪原達三
出演者 高橋克典
藤原紀香
夏菜
柄本時生
村上弘明
ナレーター 山寺宏一
製作
制作 テレビ東京
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2015年1月2日
放送時間金曜18:00 - 23:10
放送枠新春ワイド時代劇
回数1
公式サイト
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大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』(おおえどそうさもう2015 おんみつどうしん あくをきる)のタイトルにより、テレビ東京系で毎年正月に放送されている「YAMADA新春ワイド時代劇」で、同局の開局50周年記念特別企画として2015年1月2日に放送された。

なお次作『信長燃ゆ』から放送時間が3時間に縮小、枠名も「新春時代劇」に変更された。

キャスト

本作での隠密同心は、歴代のシリーズに登場した隠密同心の名前を再利用している。

  • 十文字小弥太:高橋克典
    • 表向きは珊次郎(さんじろう)として、粋な江戸の遊び人を名乗っているが、その腕前を内藤勘解由に見込まれて隠密同心となる。
    • 元々は、名字帯刀を許された豪農の出だったが、凶賊に一家を惨殺された際に侍が役に立たなかったことから、侍嫌いとなり無宿人になる。剣の腕前も一流であり頭脳明晰な、隠密同心の筆頭格である。
  • 井坂十蔵:村上弘明
    • 剣の腕も確かな実直な人情肌の浪人。元々は、歴とした侍だったが、目付の人足締め上げによる暴動の責任を取らされ、お家は断絶され妻も自害した。そのため浪人となった過去があるため、幕府を毛嫌いしている。
  • 稲妻お竜:藤原紀香
    • 剣術も学んだ御家人の家の娘だが、貧しい暮らし故に芸者となる。
    • 表向きは玉竜(たまりゅう)という芸者として、情報探索の役目を負う。
  • 不知火お吉:夏菜
    • 父は義賊の不知火吉兵衛であり、内藤勘解由の計らいで減刑された恩義から、いち早く隠密同心となる。錠前破りもお手の物で、普段は男勝りの鯔背な魚屋である。
  • 榊原長庵:柄本時生
    • 飄々とした若者だが、杉田玄白に師事した優秀な蘭学医であり、優れた検死官でもある。元々は内気な性格であり、町道場で稽古に励んでいた。お結に思いを寄せていたが…。
  • 秋草新十郎:松岡昌宏
    • 御家人の冷や飯食いだったが、養子に出された先の義父が同心株を買ったことから、同心となって北町奉行所勤めとなる。当初は何かと珊次郎と対立するも、奉行の町村に裏切られて隠密同心となる。
  • 田沼早苗:波瑠
    • 田沼意次の娘。並外れた記憶力(瞬間記憶能力)を持ち、珊次郎に惹かれる。
  • 平賀源内小林稔侍
    • 表向きは死罪となっていたが、田沼意次の計らいで生きており、早苗を匿っている。
  • 春朗(後の葛飾北斎):永井大
    • 源内と早苗と行動を共にする若者。元は、田沼意次に仕える間者であった。絵師としての腕も確かである。
  • 松平定信加藤雅也
    • 田沼意次に代わって老中となり、内藤勘解由に隠密同心を結成させた。
  • 内藤勘解由:里見浩太朗
    • 旗本寄合席で隠密支配。江戸の治安を守るべく、珊次郎達を集めて隠密同心を結成した。
    • 表だって感情を露わにすることはないが、誰よりも珊次郎達を案じている。
  • 田沼意次瑳川哲朗
    • 経済と文化を活性化させたが、賄賂が蔓延る政治をもたらしたとして、老中の座から失脚した。
  • 松島(御中臈):かたせ梨乃
    • 御台所付き。家斉の女癖の悪さを案じ、憤りこぼしていたが御台所に窘められた。
  • お栄(お道の母親):山口いづみ
  • 一橋治済御三卿一橋家当主):西村雅彦
    • 松平定信と手を組んで田沼を失脚させたが、次の老中を狙い松平失脚を画策する。
  • 伊兵衛(隠密同心の集合場所 わび助の主人):笹野高史
    • 元は吉兵衛の配下で、お吉をお嬢と呼ぶ初老の主人。隠密同心の集合場所としてわび助を提供する理解者。
  • 町村典膳(北町奉行):榎木孝明
  • 巴屋忠兵衛(吉原の楼主):鶴田忍
  • 蔦屋重三郎(版元):山田純大
  • お結(伊兵衛の孫娘):新川優愛
    • わび助の看板娘。珊次郎に惚れているため、長庵の気持ちに気づいていない。
  • 山川喜八郎(十蔵の元部下):宮川一朗太
  • 近衛寔子(家斉の正室(御台所)):小芝風花
    • 家斉の御台所となるが、夫は女癖が悪くあまり省みられていない様子。
    • 松島が家斉の女癖の悪さに憤っていたが、「将軍家には跡継ぎが必要です」と窘めた。
  • 五十鈴屋の女将:滝沢沙織
  • 山川智寿(山川喜八郎の娘):谷花音
    • 父喜八郎亡き後、新十郎のもとに身を寄せる。
  • 善太(瓦版屋):林家三平
    • 珊次郎達の知り合いの瓦版屋で、情報提供者である。
  • 平太(瓦版屋):スギちゃん
    • 善太と何かにつけて張り合うライバルの瓦版屋。
  • 田沼意知高知東生
    • 意次の嫡男。江戸城内で、佐野善左衛門(後述)に斬殺された。
  • 佐野善左衛門佐野圭亮
    • 江戸城内で、田沼意知を斬殺。その後、江戸市民から「世直し大明神」と褒め称えられた。
  • 川路左太夫(根来衆の棟梁、治済の配下):小沢和義
  • 孫六(寄場の人足):近藤芳正
  • 島津重豪(寔子の父、薩摩藩第8代藩主):伊吹吾郎
  • 徳川家斉江戸幕府11代将軍):小澤亮太
    • 先の将軍・家冶の後を継ぎ、征夷大将軍となるが女癖が悪い。そのせいか『オットセイ将軍』と渾名された。
  • 中瀬彦十郎:和田聰宏
  • 松原裕之介:嘉島典俊
  • 切見世の遊女:宮地真緒
  • お道:松本花奈
  • 海原かなた増田修一朗ひろみどり白井滋郎峰蘭太郎稲田龍雄 ほか

スタッフ

隠密同心の組み合わせ

時期ごとの隠密同心の組み合わせを以下に記す。なお、1980年3月22日~1980年5月3日には高瀬春奈演じる火車おもんが、1981年5月9日 - 1981年9月26日には中島ゆたか演じる矢車お菊が出てくるが、これは稲妻お竜:土田早苗の一時的な代役で、OPにはクレジットされていないのでこの表からは除外した。

シリーズと放送期間 シリーズ  主人公 浪人・男隠密同心 芸者 魚屋(遊び人や補佐) 隠密支配
1970年10月3日 1971年9月25日 1 杉良太郎 瑳川哲朗 梶芽衣子 岡田可愛 中村竹弥
1972年4月3日 1973年3月17日 2  
1973年9月22日 1974年3月16日 3 古城都 江崎英子
1974年3月23日 1974年11月16日 3 里見浩太朗 安田道代
1974年11月23日 1975年3月15日 3 〃・山口いづみ
1975年3月24日 1976年9月25日 3 山口いづみ
1976年10月2日 1977年9月17日 3 土田早苗 志穂美悦子
1977年9月24日 1978年4月8日 3 安西マリア
1978年4月15日 1979年9月15日 3 かたせ梨乃
1979年9月22日 1981年9月26日 3 松方弘樹
1981年10月3日 1982年9月25日 3 〃・南条弘二 岡江久美子 大山勝巳
1982年10月2日 1983年5月14日 3 〃・〃 夏樹陽子 山田由紀子
1983年10月1日 1984年3月31日 3 〃・〃 清原美華 黒沢良
1984年4月7日 1984年9月29日 並木史朗 三浦浩一橋幸夫 佳那晃子 瑳川哲朗
1990年10月12日 1991年3月29日 90年版 橋爪淳 京本政樹隆大介 中村あずさ 吉野真弓 田村高廣
1991年10月11日 1992年3月27日 91年版 京本政樹 荒井乃梨子 和崎俊哉
2015年1月2日 2015 高橋克典 村上弘明柄本時生松岡昌宏 藤原紀香 夏菜 里見浩太朗

ネット局

このシリーズはTXN誕生前からの放送だったこともあり、TXN系列局でも同時ネットしていない回が多いという特徴がある。このため、各地域ごとに解説する。

関東広域圏
東京12チャンネル→テレビ東京(制作局、1973年11月以降は同一法人。1981年10月1日社名変更)
  • 昭和期:土曜 21:00 - 21:56→21:55→21:54(『新‐』を含む)「日産劇場」の字幕は、提供スポンサー表示テロップベースでオープニング画面から後付けされて表示された。
  • 平成期:金曜 21:00 - 21:54
  • その後同時ネットに移行した地域は上記時間で放送。
近畿広域圏
毎日放送(MBS、当時12ch系列の準キー局。1981年末まで)→一時休止→TXN テレビ大阪(開局は1982年3月)
  • MBSでは、日曜15:00 - 15:55→土曜13:00 - 13:55の枠で放送していた。ネットチェンジ前後とも日産自動車提供ではなくローカルスポンサーによる放送だった。
  • 再放送は朝日放送(ABC)で実施されることが多かった。
    • 1975年4月編成では、ABCで平日の16:00 - 16:55に帯放送されていたが、同局で同時期に放送されたNET・TBSの再放送番組と異なり(再)マークがないため、MBSから一時的に初回放送を移譲されたのか、過去の再放送を実施したのかは不明。
  • MBSの打ち切り後、テレビ大阪が土曜夜のサービス放送を開始するまでは放送が無かった。
中京広域圏
中京テレビ→TXN テレビ愛知(1983年9月開局)
  • 中京テレビは系列外にもかかわらず、当時出資していた日本経済新聞との関係や、当時の名古屋テレビとの変則クロスネットの名残から、12chとは準系列局的な関係があったことから、初期は日曜20:00に放送。土曜の同時間帯を経て金曜16:15に変更となる。
  • 第3シリーズから土曜22:00の放送となり、1975年4月に日本テレビで放送を開始した『ウィークエンダー』のゴールデンでの放送を拒否したため土曜22:00の枠を維持していた。1975年10月に『ウィークエンダー』のプライム帯での放送を開始してからは、金曜19:00に移動[注釈 3]。その後、1977年4月から金曜22:00での放送となり、中京テレビでの末期は土曜23:55からの放送となった。
  • 中京テレビではキー局と同じく「日産劇場」として、冒頭の『世界の恋人』入りの提供クレジットも含めての、日産グループの一社提供という形でネットしていた。後に継承したTXN系のテレビ愛知も同様。なお岐阜放送三重テレビへの継承はなかった(版権が切れた後は放送)。
岡山県・香川県
テレビ岡山(OHK、昭和編のみ放送)→テレビせとうち(平成橋爪編のみ放送、1985年10月開局)
  • OHKで放送されていたが放送時間は不明。ただし平日14:00に再放送されていた。
  • テレビせとうち開局後は、昭和編の放送を1990年代半ばまで平日14:00から放送されていた。2013年2月より朝のドラマ再放送枠【おはようドラマ】にて、杉良太郎出演版を再放送。2014年12月から2015年8月21日まで、松方弘樹版を再放送していた。
  • 2015年8月24日から、里見浩太朗版を再放送している。
山陽放送(RSK)でも放送された。
北海道
北海道放送(HBC、第1シリーズのみ放送)→北海道文化放送(uhb、昭和編のみ放送)→TXN テレビ北海道(平成橋爪編のみ放送、1989年10月開局)
  • 放送開始当時、HBCで毎週土曜日の午後に放送されていた。
  • uhbでは、水曜(1976年9月まで)と木曜(1982年3月まで)の22:00 - 23:00の時間帯をローカルセールス枠としていたため、昭和編を1976年まで木曜22:00 - 22:54の枠で放送し、水曜日のフジ系列同時枠化に伴い、同じく東京12チャンネル制作の『金曜スペシャル』を水曜から移動させたため[注釈 4]、土曜正午からの放送に移行した。スポンサーは、北の誉酒造とダイヤグロ紋付だった。この関係で、関西テレビ制作の全国ネット番組『凡児の娘をよろしく』→『恋のトリプルチャンス』→『三枝の爆笑美女対談』が、土曜午後に遅れネットとなっていた。
  • uhbでの昭和編ネットが終了した後、HBCが再放送扱いで平日の17時に放送していた。
  • テレビ北海道は平成編をフルネットしたが、全道ネットワークの整備が困難だったため見られない地域の方が多かった。
福岡県
RKB毎日放送(RKB、昭和編のみ放送)→休止→TXN TVQ九州放送(TVQ、最終シリーズのみ放送、1991年4月開局)
  • 昭和編放送期間中、福岡県苅田町に日産九州工場(現:日産自動車九州)が開業したという事情があり、RKBが開始時期不明ながら昭和編を最後まで日産自動車をメインスポンサーとして日曜10:00 - 10:55→日曜23:56-月曜0:51→金曜深夜→土曜13:00 - 13:55(2週遅れ)に放送していた[注釈 5]
  • TVQ開局が平成橋爪編第1シリーズ終了後のため、同時ネットは最終シリーズのみで、ほかは朝9時台のアンコールドラマ枠で放送した。
  • TVQ開局後の再放送で杉編に関しては、日曜日の早朝に放送されていた。これは『眠狂四郎シリーズ』でも同様の再放送となった。
  • 昭和50年代後半には、午前中に杉編を九州朝日放送テレビ西日本で時差放送されていた時期もあり、一方のRKBでは、昭和61年夏ごろに里見編を平日17:00 - 18:00枠で再放送。昭和60年代には福岡放送でも、平日10:30 - 11:30枠で第1シリーズのみを再放送している。
その他地上波
  • 青森県では、青森テレビが第2シリーズは約11ヵ月遅れの日曜22:30から、その後は土曜夕方に放送。「…2015」は、青森朝日放送が2015年6月の平日9:55 - 10:55に分割して放送。
  • 宮城県では12ch時代からの作品を1980年代まで仙台放送で放送(当初は日曜午後放送→土曜13:00 - )していた他、東日本放送が1980年代に初期作品(杉~里見編)の再放送を平日10:00から行っていた。なお、橋爪編については、東北放送2009年4月から5月にかけてpart1を、2009年8月からはPART2を『ドラマシアター』枠(9:58 - 10:50)で放送。
  • 秋田県では、秋田放送が第1シリーズを約9ヶ月半遅れの土曜22:30から放送。
  • 埼玉県では、テレビ埼玉では2012年6月[5]から、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送。
  • TOKYO MXでは2009年8月から、杉良太郎出演の昭和編第1シリーズより順次継続して放送されていた。
  • 新潟県では12ch時代から新潟総合テレビで日曜15:15(1983年10月以降は15:00)から約2ヶ月遅れで放送。
  • 長野県では12ch時代から長野放送で第1シリーズは日曜13:00、第2シリーズ以降は日曜14:00から放送
  • 静岡県では、静岡放送(SBS)が当初、里見編の途中まで水曜16時台に放送していたが( - 1979年6月)、同年7月に静岡第一テレビ(SDT)が開局するのを受けて、それまで火曜日22時台のローカルセールス枠で放送されていた「グランド劇場」が、SDTの土曜21時台に移動するのに伴い、SBSでの同番組の後番組として火曜日22時枠に移動し、放送した[注釈 6]。なお、平成橋爪編は第1・第2シリーズともに、土曜10時30分から放送していた。ちなみに1986年から1987年に掛けて、杉編の第1・第2シリーズがSDTの平日10時30分からの時代劇枠で放送されている。
  • 富山県では12ch時代から富山テレビで日曜13:00から放送。
  • 奈良県では、奈良テレビでは2012年1月から、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送。
  • 広島県では、中国放送が土曜午後に放送していた他、広島ホームテレビが、初期作品(杉〜里見編)の再放送を行っていた。
  • 山口県では12ch時代からテレビ山口で土曜24:30から放送。
  • 愛媛県では、南海放送が木曜深夜に放送していた。
  • 長崎県では、テレビ長崎が土曜深夜に放送していた。
  • 沖縄県では、沖縄テレビが昭和編第1シリーズのみを土曜深夜に放送していた。
衛星波
  • 時代劇専門チャンネル』では、2004年9月7日から2007年7月11日まで、第11話を除く、全715話[注釈 7]が再放送された。同チャンネルでは、2007年9月18日から2010年9月30日にかけて再び、第1話から再放送された。なお、第11話は原版破損のため、現在では放送できない。また、保存状態が比較的良くない作品を放送するときは、冒頭及び末尾にその旨を説明するテロップが挿入されている。
  • テレビ東京系列のBSデジタル放送局・BSジャパンでは、出演者の肖像権問題により(BSジャパンの当該項参照)開局以来放送できずにいたが、2010年4月4日から放送を開始。当初は日曜正午枠で毎週1話ずつ放送し、その後、月 - 木曜の正午枠で2011年12月5日まで連日放送されていた。視聴契約が必要な有料系専門局での放送を除くと初めての全国放送で、BSデジタルの受信に対応した受信機器があれば、日本全域で視聴可能だった。
  • 2014年1月6日から里見編第3シリーズ第27話から月 - 金曜の朝に再放送が開始された。2014年の1月から3月まで、月初めの1週間は2話連続で放送された。開始日は後述のDVDコレクション発売日の前日である。
  • 2015年12月下旬から大江戸捜査網の後枠で新大江戸捜査網が放送。更に2016年1月20日からは大江戸捜査網(平成版)が放送される。

パチンコ

藤商事からパチンコ台『CR大江戸捜査網』がリリースされ、2007年1月より、全国のパチンコ店に設置されていた。

制作の事情

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日産自動車の当時の宣伝部長の石原俊(後の日産自動車社長・会長・相談役)が、大の時代劇ファンで「土曜日の夜に時代劇を見たい」という後押しもあり、14年のロングランとなった[6]
番組開始冒頭では日産のコマーシャルソング世界の恋人」(シンガーズ・スリーバージョン。作曲:芥川也寸志/編曲:大野雄二)が30秒流れ、最後の数秒で「人とクルマの明日をめざす、技術の日産グループの提供でお送りします。」のあとに、オープニングとなった。また、(キー局での)本放送時のオープニング冒頭に『日産劇場』というテロップを挿入していた時期もあった。
『大江戸捜査網』の後輩番組(『テレビあっとランダム』など)は、日産が筆頭スポンサーになっているが、複数社提供になっている。
題名
放送開始時の時代劇ドラマは股旅物や主人公が単独のものが主流であり、複数人の主人公による集団捜査劇は異例である。そのため、初期はエリオット・ネス率いる捜査チームがアル・カポネを追い詰める、米国の集団捜査テレビドラマアンタッチャブルのタイトルを借りて、「大江戸捜査網 アンタッチャブル」という題名だった(杉編・第1シリーズ 第1話 - 第40話まで)。当時の日活は現代劇中心の制作体制を取っていたために、時代劇の制作ノウハウがなかったので、それを逆手に取り、現代劇の手法で時代劇を作ることを狙ったのが背景にあったという[7]
OP(横書き)では「捜査網」の下、台本(縦書き)では右に「アンタッチャブル」の文字があった[8]が、それをルビと解釈している関係者もいる。杉良太郎へのインタビューによると、「初めは『大江戸アンタッチャブル』であり、世間から『時代劇にアンタッチャブルとは何事だ』と言われ、大江戸捜査網に変更をした」と語っている。また、作曲家の玉木宏樹も最初は大江戸捜査網に「大江戸アンタッチャブル」のルビがあったと述べている[9]。ただし、初期から次回予告では単に「大江戸捜査網」と読まれていてた。
日活と杉とテレビ局
杉良太郎はもともと、日活での映画出演歴がありながらも、他社で時代劇スターとしての知名度が上がりつつあった。この番組は、彼を再び自社制作で育てるために企画された、日活初のテレビ時代劇である。日活はテレビ時代劇の制作では後発だったために、東京12チャンネル(現:テレビ東京)に放送を依頼せざるを得なかった。
生みの親
『大江戸捜査網』の生みの親は元村武である。日活のプロデューサーとして本作を企画した元村は、日活の事情で製作が打ち切られた後も、東京12チャンネルと日産自動車の意向で放送復活が決まると、三船プロダクションに移籍して『大江戸捜査網』の制作を続けた。その後、三船プロダクション重役にまで登りつめた元村は1981年、伊藤満らとともに、自ら制作会社・ヴァンフィルを設立し独立。三船プロの実質製作は松方弘樹版で終了し、ヴァンフィルに移行した。半年で終了した『新・大江戸捜査網』から数年後にヴァンフィルは解散したが、1988年に新会社「Gカンパニー」を設立。1990年から平成復活版を手がけた。
スタッフ
本作は東京を本拠にして制作された。日活撮影所東宝ビルト、自社所有の時代劇のオープンセットをもった三船プロ、同様のオープンセットをもった国際放映生田スタジオの各所が使われた。時代劇の量産体制が整っている京都と違い、東京ではロケ地やスタッフが限られている中、黒澤組のスタッフ、東宝・大映のスタッフたちが集結し、良質の時代劇を作り続けた。
出演者
流れ星おりん役のかたせ梨乃は売れっ子のCMモデルだったが、役者になりたい、大江戸捜査網に出たいと売り込みに来て出演することになった。胸が大きいため激しく動くとさらしがずれて胸が露出しそうになることが良くあり、何か所もピンで留めさせられた[10]
設定年代
作中の設定年代は、松平定信の老中在任期間から1787年(天明7年)-1793年(寛政5年)となる。当時の東京12チャンネル側プロデューサー・神山安平(映画製作部長)は、番組開始当初「歴史的背景、出演者が使う小道具など時代考証はきちんと守りますが、セリフ回しやアクションなどは現代風に」と語っている[11]。ただし、設定年代より後の1830年代に実用化されたリボルバー式拳銃[注釈 8]が登場するなど、必ずしも時代考証は徹底されてはいなかった。

ソフト化

第1シリーズ
2004年にポニーキャニオンから発売。欠番の第11話を除き、第1話から第19話まで次回予告を含め収録。各巻単品の発売はされていないが、DMMぽすれんで宅配レンタルは行われている。
第3シリーズ
2000年にバップビデオから里見浩太朗主演期の厳選エピソードを2話ずつ収録したVHSが3巻発売。
2014年1月7日より、第3シリーズを厳選し各号4話ずつ収録した『大江戸捜査網DVDコレクション』(分冊百科)が、朝日新聞出版から月2回刊行されている。全75号の予定。次回予告は収録されておらず、DVD冒頭の断りの通り一部の台詞の音声がカットがされている。
平成シリーズ
2013年に全話収録したDVD-BOXがエイベックス・マーケティングから発売。
映画版
2001年にキングレコードからDVDが発売。

サウンドトラック

  • 2002年にキングレコードからCD『大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック』(KICS-2376)が発売。ジャケットに「アンタッチャブル」の文字があるが、第3シリーズの里見編製作の際に新録されたBGMを収録。これは、玉木氏が曲の注文は「俺が注文を受けたときは、大江戸アンタッチャブルだったからつけよう」といったからであると、2回目のCDの解説に書かれている。全曲モノラル。オープニングテーマはTVサイズ1種のみ収録し、エンディングテーマは未収録。エンディングテーマ『ながれ橋』のアレンジBGMは「挿入歌いろはにほへと バリエーション」と誤って表記されていると思われていたが、2回目のサウンドトラック解説によると、現場では<いろはにを使おう>などと言われていたため、初めのCD制作時に、「いろはにほへとバリエーション」と、玉木氏自身が命名したと書かれている。

ブックレットには玉木宏樹(作曲)と合田豊(選曲)のメッセージを掲載。チャンバラシーンで多く使用された曲[注釈 9]などが未収録のため、選曲の不備にファンから不満の声が上がっている[12]。2014年10月に、これに新たに発掘された音源を20トラック追加して再発売された(KICS-3083)[13]

脚注

注釈

  1. ^ 番組販売による遅れネットで放送した地方局では、日産自動車と競合する自動車メーカー(トヨタ自動車系の地元ディーラー・マツダ三菱自動車など)がスポンサーだった例もある。
  2. ^ 表記は異なる可能性あり
  3. ^ この改編によって、これまで金曜19:00で放送されていた『日米対抗ローラーゲーム』は、土曜17:00に移り、同時間でそれまで放送されていた日本テレビ系列の『金曜10時!うわさのチャンネル!!』は『ウィークエンダー』が放送されていた土曜23:45に移動した。
  4. ^ 『金曜スペシャル』は成人向けの内容が多く、昼間の放送に適さないためと考えられる。1982年4月以降は金曜深夜に移動
  5. ^ なお昭和編終了後のTXN日産枠番組『テレビあっとランダム』も、遅れネットで放送された福岡放送(FBS)で、日産がメインスポンサーとなっていた。
  6. ^ なお、『そこが知りたい』が同枠に移動してからの放送枠の扱いについては不明
  7. ^ 2時間スペシャル版が3話存在し、それぞれ1時間枠で分割放映しているため、全体の話数713話より多くなる
  8. ^ 作中では短筒(たんづつ)、連発銃と呼ばれる。
  9. ^ 第3シリーズ第1話では隠密同心心得の条のシーンで使用。

出典

  1. ^ Togetter/インヴィクタ序曲は @tamakihiroki 「大江戸捜査網のテーマ」のパクリか?玉木宏樹の2010年11月15日のツイート2014年1月27日閲覧
  2. ^ 但し、ロマンポルノ開始迄に退社。
  3. ^ 「ちょんまげ天国 in DEEP 大江戸サラウンド仕様」(2003年ソニーミュージック、MHCL-289)など
  4. ^ 読売新聞1972年6月18日朝刊21面『隠密同心、沖縄に参上 東京12「大江戸捜査網」ロケ 一行、暑さに悲鳴』によると、3日間の沖縄ロケが行われた。ロケ地は那覇市内の名所、玉城村玉泉洞奥武島など。沖縄本土復帰に合わせる予定が出演者のスケジュールが合わなかったという。前年12月までは第1シリーズが沖縄テレビで放送されていた事もあり、見物にファンが押し寄せた。ロケを伝える新聞記事では「美しき哉、琉球」というタイトルだった。
  5. ^ 2016年2月時点では、火曜日15時05分から放送。(TVガイド関東版平成28年2月5日号から)
  6. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」(金子明雄著、三一書房)p.140
  7. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」p.139
  8. ^ 立命館大学ARCシナリオ検索システム 大江戸捜査網(アンタッチャブル) 初姿、花の喧嘩状(2015年2月11日閲覧)
  9. ^ 『大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック』(キングレコード)解説書
  10. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」p.140-141
  11. ^ 読売新聞1970年9月10日朝刊23面『大江戸捜査網 東京12の型破り捕り物帳 アクションは現代風に』
  12. ^ カスタマーレビュー: 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック/Amazon.co.jp2014年1月23日閲覧
  13. ^ 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック/Amazon.co.jp2014年 item/itemShw.php?site=S&cd=DYCL000000063 オリジナル・サウンドトラック 大江戸捜査網「隠密同心」/Sony Music Shop]2015年2月11日閲覧。
  14. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」p.141

関連項目

  • 世界の恋人:日産自動車のテーマ曲。『大江戸捜査網』で初めて放送された。

外部リンク


東京12チャンネル→テレビ東京 土曜21時台
前番組 番組名 次番組
大江戸捜査網(第1シリーズ)
土曜邦画劇場
(第2期)
(21:00 - 22:26)
大江戸捜査網(第2シリーズ)
旅人異三郎
大江戸捜査網(第3シリーズ)

新大江戸捜査網
※本番組まで時代劇枠
東京12チャンネル 土曜21:55 - 21:56枠
旅人異三郎
(21:00 - 21:56)
大江戸捜査網(第3シリーズ)
(1973.9 - 1974.9)
【1分縮小して継続】
天気予報
(21:55 - 22:00)
【1分拡大して継続】
東京12チャンネル 土曜21:54 - 21:55枠
大江戸捜査網
(第3シリーズ)

(21:00 - 21:56)
大江戸捜査網
(第3シリーズ)
(1974.10 - 1975.9)
【更に1分縮小して継続】
天気予報
(21:54 - 22:00)
【更に1分拡大して継続】
テレビ東京 金曜21時台の時代劇枠
江戸中町奉行所
(第1シリーズ)
大江戸捜査網(1990年)
あばれ八州御用旅
(第2シリーズ)
あばれ八州御用旅
(第2シリーズ)
大江戸捜査網(1991年)
江戸中町奉行所
(第2シリーズ)
テレビ東京 新春ワイド時代劇(本作まで)
大江戸捜査網2015
(2015年)
信長燃ゆ
(2016年)
【ここから新春時代劇