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「大麻精神病」の版間の差分

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'''大麻精神病'''(cannabis psychosis、たいませいしんびょう)とは、[[大麻]]を摂取することによって引き起こされ多くは1日以内におさまる急性の[[精神障害]]である<ref name="dsm-iv-tr"/>。'''マリファナ精神病'''、'''カンナビス精神病'''とも表記される{{要出典|date=2014年6月}}。
'''大麻精神病'''(cannabis psychosis、たいませいしんびょう)とは、[[大麻]]を摂取することによって引き起こされ多くは1日以内におさまる急性の[[精神障害]]である<ref name="dsm-iv-tr"/>。'''マリファナ精神病'''、'''カンナビス精神病'''とも表記される{{要出典|date=2014年6月}}。


大麻への批判者は、大麻の摂取によって引き起こされる影響は軽視できるものではないと主張する。対照的に、世界保健機関やアメリカ精神医学会、また大麻の合法化を主張する側からは、大麻摂取による妄想や幻覚は一過性であり、摂取を止めればなくなることが指摘されている。
世界保健機関やアメリカ精神医学会、また大麻の合法化を主張する側からは、大麻摂取による妄想や幻覚は一過性であり、摂取を止めればなくなることが指摘されている。
精神に作用するだけの薬を大仰に精神病と呼ぶことが批判されている。

==定義==
==定義==
経過も多様であり、大麻との因果関係を確定することは困難で、診断基準や分類も一定せず、大麻精神病という疾患単位 (clinical entity) は確立していない<ref>横山尚友洋:大麻精神病.医学書院 精神医学 34巻 :839, 1992</ref>。
経過も多様であり、大麻との因果関係を確定することは困難で、診断基準や分類も一定せず、大麻精神病という疾患単位 (clinical entity) は確立していない<ref>横山尚友洋:大麻精神病.医学書院 精神医学 34巻 :839, 1992</ref>。
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一方で、後述するように、大麻摂取による慢性中毒性精神病との因果関係に否定的な研究報告が幾つかある。
一方で、後述するように、大麻摂取による慢性中毒性精神病との因果関係に否定的な研究報告が幾つかある。


===日本人の一般的な見解===
== 各国での精神病問題 ==
cannabis psychosis(大麻精神病)は海外HPを検索しても出てこないので厚労省が作った造語の可能性が高い。
; 日本
精神に作用する薬が「精神病」と呼ばれないといけないなら、アルコール、カフェイン、全部の薬が「精神病」になってしまう。
: [[厚生労働省]]所管の[[公益法人]]財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターの[[ウェブサイト]]である「[[ダメ。ゼッタイ。]]」では、以下のように説明している。
: <blockquote>『''大麻を乱用すると気管支や喉を痛めるほか、[[免疫力]]の低下や[[白血球]]の減少などの深刻な症状も報告されています。また「大麻精神病」と呼ばれる独特の[[妄想]]や異常行動、思考力低下などを引き起こし普通の社会生活を送れなくなるだけではなく犯罪の原因となる場合もあります。また、乱用を止めても[[フラッシュバック (薬物)|フラッシュバック]]という[[後遺症]]が長期にわたって残るため軽い気持ちで始めたつもりが一生の問題となってしまうのです。社会問題の元凶ともなる大麻について、正確な知識を身に付けてゆきましょう。''』</blockquote>
<!--(「ダメ、ゼッタイ」とは厚労省ではなくて、「財団法人 麻薬・覚せい剤乱用センター」のことです。財団法人や独立行政法人の独自文書は厚労省の著作物ではないので、その独自研究等の根拠となる「行政文書」が無いことは特に珍しいことではありません。「行政文書」が無いからといって、出典が不明とすることはできません。出典が行政文書でないということを示しているに過ぎません。カンナビストが出典不明と書いているのは「カンナビストは出典が分らなかったと」いう意味でしょう。ウィキペディアは辞書であるので、出典不明とするならば、出典不明の根拠を記載の上、コメントをはずしてください。)-->
: この主張に対して大麻への寛容な政策をもとめる民間団体「カンナビスト」(大麻非犯罪化人権運動)は、[[2004年]]、[[情報公開法]]に基づく複数の開示請求を[[厚生労働省]]に対して行ったが、[[厚生労働省]]は行政文書不開示決定通知書を通達、不開示とした理由に「開示請求に係る行政文書を保有していないため」との返答をした<ref>[http://www.cannabist.org/database/koukaiseikyu200404/index.html 「ダメ。ゼッタイ。」の大麻に関する見解には根拠がない] (大麻取締法変革センター)</ref>(なお、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第2条2項1号により、「官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの」は開示対象である行政文書ではないので、「行政文書を保有していない」との回答は、医療大麻についての論文を所持していないこことを意味しない<ref>http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/jyohokokai/kaiji.html</ref>)。これは後の2006年になって、アメリカから輸入した薬物標本の説明書を翻訳し、抜粋されたものと分かった<ref>[http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=128 スクープ!!「ダメ。ゼッタイ。」サイトの大麻に関する記述] (大麻取締法変革センター)</ref>。
: [[2004年]]に全国の[[精神科]][[病床]]を有する[[医療施設]]を対象にして行った実勢調査<ref name="ABC" />では[[アルコール]]以外の精神作用物質使用に関連した[[精神疾患]]患者の症例数は453症例あり、『覚せい剤症例』51%(233例),『有機溶剤症例』が17.0%(77例)と、両薬物合わせて症例全体の約70%を占め、この他は全て10%以下で、『睡眠薬症例』9.7%,『その他症例』4.4%と続き、『大麻症例』は3.8%であった。
; アメリカ
: 1972年のマリファナ及びドラッグ濫用に関する全国委員会(シャーファー委員会)で「大麻による急性の精神障害で入院しなければならないような例は、アルコールのように顕著なものではない。大麻関連の精神病で特別に長期化するようなものはほとんど見られない。もし、大麻の重度使用が特別な精神障害を引き起こすとしても、極めて稀であるか、あるいは他の原因で起こった急性または慢性の精神病と区別することも極度に難しい」との報告書<ref>[http://www.druglibrary.org/schaffer/library/studies/nc/ncmenu.htm The Report of the National Commission on Marihuana and Drug Abuse]</ref>の内容を認めた。
: この他にも1999年に全米疫学学会誌に掲載された1,300人を対象とした研究で「15年以上にわたって大麻のヘビーユーザーとライトユーザー、全く使わなかった人の間で有意な認知機能の低下はなかった」との報告<ref>[http://aje.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/149/9/794 Cannabis Use and Cognitive Decline in Persons under 65 Years of Age]</ref>など、精神病問題に否定的な研究報告がある。2009年以降、大麻系合成ドラッグが流出し問題になっている。合成大麻の一部は副作用が強く医薬品として使用することはできない。特に精神作用が強いスパイスゴールドと呼ばれるものはアメリカとイギリスでは麻薬取締法の第1種に指定されている<ref>薬物乱用中毒百科.丸善株式会社発行:2010</ref>。
; イギリス
: 1969年にイギリス政府の諮問していた委員会が「大麻の喫煙が直接、深刻な身体的危険に関連しているという証拠はない。」というウットン・レポート<ref>[http://www.druglibrary.org/schaffer/library/studies/wootton/wootmenu.htm The Wootton Report]</ref>を発表した。
: 2002年には薬物乱用諮問委員会 (ACMD) の「大麻の長期使用についての中心課題の一つは、それが心の病、特に精神病のリード役になるかどうかということで(中略)明確な因果関係は実証されなかった。」と報告<ref>[http://drugs.homeoffice.gov.uk/publication-search/acmd/cannabis-class-misuse-drugs-act The Classification of Cannabis under the Misuse of Drugs Act 1971 (2002)]</ref>した。2004年に政府は大麻の危険性と精神疾患の関連性は明白でないという薬物乱用諮問協議会の調査結果によって危険指定をランクBから1段階下げたCに指定した。しかし、大麻の蔓延と精神疾患の危険性の懸念する声は消えず、2008年5月に内相のジャッキー・スミスは大麻の薬物指定格を再びBに格上げした。
; スウェーデン
: スウェーデンでは徴兵検査を受けた18歳から20歳の青年を45,570人を15年間に渡って追跡調査を行った結果、大麻を1回以上使用したことのある者の統合失調症の相対的発症リスクは使用しなかった者と比較して2.4倍、50回使用した場合は6倍に上るとした<ref>薬物乱用中毒百科.丸善株式会社発行 :186p, 2010</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

==関連項目==
*[[大麻]]
*[[薬物乱用]]
*[[精神疾患]]

{{DEFAULTSORT:たいませいしんひよう}}
[[Category:精神病]]
[[Category:大麻]]
[[Category:物質関連障害]]
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[[de:Substanzinduzierte_Psychose#Cannabis]]
[[en:Long-term_effects_of_cannabis#Acute_Psychosis]]

2016年3月18日 (金) 07:12時点における版

大麻精神病(cannabis psychosis、たいませいしんびょう)とは、大麻を摂取することによって引き起こされ多くは1日以内におさまる急性の精神障害である[1]マリファナ精神病カンナビス精神病とも表記される[要出典]

世界保健機関やアメリカ精神医学会、また大麻の合法化を主張する側からは、大麻摂取による妄想や幻覚は一過性であり、摂取を止めればなくなることが指摘されている。 精神に作用するだけの薬を大仰に精神病と呼ぶことが批判されている。

定義

経過も多様であり、大麻との因果関係を確定することは困難で、診断基準や分類も一定せず、大麻精神病という疾患単位 (clinical entity) は確立していない[2]

世界保健機関

WHOは、大麻精神病(特に慢性中毒性精神病)は仮説の病態であり、その存在は調整因子を考慮していない臨床観察から言われており、大麻使用者に併発した統合失調症や、他の精神疾患と明確に区別できないとしている[3]

ICD-10では、向精神薬誘発性精神病の項にて、そのような精神病状態は短期的なものであり、誤ってより深刻な統合失調症のような状態が診断されれば、悲惨な影響を与えると注意している。また、高用量の大麻を摂取するなどの知覚の歪みや幻覚の体験は、急性中毒の診断を考慮せよとしている。

ICDには、精神障害の定義があるため、症状が機能不全を起こしていないものは精神障害ではない。

WHOの依頼により2015年に作成された「大麻とその医療使用についての最新版」は、「大麻による精神病の誘導は、当初1903年にワーノックによって概説されてその後 立証された」(10頁)等、精神病の危険性を指摘している[4]

アメリカ精神医学会

精神障害の診断と統計マニュアル』第4版(DSM-IV)では、大麻誘発性精神病性障害は、大量の大麻の使用後に、通常は被害妄想が起きることがあるが、これは明らかにまれであり1日以内に寛解し、2-3日のこともあるとされ、大麻には離脱の診断名が設けられておらず、理由は高用量の使用で生じると言われてはいるが臨床的に著名ではないことである[1]。精神病性症状が4週以上も続く場合には他の理由を考慮せよとしている[1]

DSM第3版-Rでは、大麻依存と乱用が治療を求めるのはまれだとしている[5]

DSMには、重症度の診断基準があるため、著しい苦痛や機能の障害を起こしていない場合は除外される。

アメリカ精神医学会は、2013年、「現在の証拠は、もっとも低く見積もっても、精神障害の発症と大麻利用の強い関係を支持する。若者は特に 、その精神の成長に関して、大麻の作用が与える危害に弱い」と述べている[6]

その他の者

高用量の大麻を長期にわたって手に入れやすい国では、顕著な精神病症状を示す患者が見られると述べる精神科医がいる[7]。また(他の薬物や既存の精神病兆候などの)交絡因子に関係なく、大麻摂取量と精神病発症リスクは正の相関があると報告されている[8]

大麻使用者の精神病の発症リスクが40%増加する調査結果がある[9]

日本では、2002年の有床精神科医療施設のみを対象とした実態調査では7例が、2004年の実態調査 [10]では8例が報告されている。

一方で、後述するように、大麻摂取による慢性中毒性精神病との因果関係に否定的な研究報告が幾つかある。

日本人の一般的な見解

cannabis psychosis(大麻精神病)は海外HPを検索しても出てこないので厚労省が作った造語の可能性が高い。 精神に作用する薬が「精神病」と呼ばれないといけないなら、アルコール、カフェイン、全部の薬が「精神病」になってしまう。

  1. ^ a b c アメリカ精神医学会『DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル(新訂版)』医学書院、2004年、193、232、329-330頁。ISBN 978-0890420256 
  2. ^ 横山尚友洋:大麻精神病.医学書院 精神医学 34巻 :839, 1992
  3. ^ Program on Substance Abuse : Cannabis: a health perspective and research agenda. WHO/MSA/PSA/97.4 (pdf) (Report). World Health Organization. 2014年6月10日閲覧
  4. ^ Update of Cannabis and its medical use (PDF)
  5. ^ アメリカ精神医学会『DSM-III-R 精神障害の診断・統計マニュアル』高橋三郎訳、医学書院、1988年、161頁。ISBN 978-4260117388 
  6. ^ http://www.psychiatry.org/File%20Library/About-APA/Organization-Documents-Policies/Policies/Position-2013-Marijuana-As-Medicine.pdf
  7. ^ Kaplan & Sadock's SYNOPSYS OF PSYCHIATRY: Behavioral Sciences/Clinical Psychiatry, 9th ed. Lippincott Willams & Wilkins. 2003.(書籍)
  8. ^ Verdoux H, Tournier M. Cannabis use and risk of psychosis: an etiological link? Epidemiol Psichiatr Soc. 2004 Apr-Jun;13(2):113-9.
  9. ^ Arseneault2004, Sumple2005, Henquest2005, Moore2007
  10. ^ 尾崎茂,和田 清,大槻直美. 全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査. 平成16 年度厚生労働科学研究費補助金分担研究報告書(改訂版)PDF文書