「ヴァードー」の版間の差分
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[[File:Vardo Ort und Kirche.jpg|thumb|left|220px|2001年4月のヴァードー]] |
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ヴァードーはノルウェーで最も東にある町で、実際に[[サンクトペテルブルク]]、[[キエフ]]、[[イスタンブル]]よりも東に位置している。フィンマルク県の東端は、たとえ日中の時間が1時間以上多くても、県内の他所と同じ[[標準時]]である。 |
ヴァードーはノルウェーで最も東にある町で、実際に[[サンクトペテルブルク]]、[[キエフ]]、[[イスタンブール]]よりも東に位置している。フィンマルク県の東端は、たとえ日中の時間が1時間以上多くても、県内の他所と同じ[[標準時]]である。 |
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ヴァードー港は[[バレンツ海]]に面し、[[暖流]]の[[北大西洋海流]]の影響で一年を通して[[不凍港]]である。ヴァードーはいつも、寒帯にあるノルウェー唯一の本土の町と称される。しかし厳密に言えばヴァードーのある島は{{仮リンク|ヴァランゲル半島|en|Varanger Peninsula}}の北東岸より2キロの位置にある。ヴァードーの7月の平均気温は9.1℃しかないが、冬は高緯度の割に温暖で、1月の平均気温は-5.1℃である。 |
ヴァードー港は[[バレンツ海]]に面し、[[暖流]]の[[北大西洋海流]]の影響で一年を通して[[不凍港]]である。ヴァードーはいつも、寒帯にあるノルウェー唯一の本土の町と称される。しかし厳密に言えばヴァードーのある島は{{仮リンク|ヴァランゲル半島|en|Varanger Peninsula}}の北東岸より2キロの位置にある。ヴァードーの7月の平均気温は9.1℃しかないが、冬は高緯度の割に温暖で、1月の平均気温は-5.1℃である。 |
2016年10月18日 (火) 11:42時点における版
ヴァードー ( Vardø , フィンランド語:Vuoreija, Vuorea, サーミ語:Várggát)は、ノルウェー・フィンマルク県の町。面積600平方キロメートル、人口2,396人(2004年)。ノルウェーの最も北東の地点にある。
地名の由来
ノース語のVargøyに由来する。vargrはオオカミ、øyは島を表す。vargrはのちにケアンを意味するvarðaと替わった。
紋章
1895年から使用されている。漁船とタラ、朝日を表す。ラテン語でモットーVARDØENSIS INSIGNIA URBIS. CEDANT TENEBRÆ SOLI.(ヴァードーの紋章。暗闇は太陽への道筋を常に与える)が書かれている。
歴史
石器時代やサーミ鉄器時代の遺跡が島に残っており、定住者が居たと考えられている。
1307年、教会と最初の要塞が同時期に建てられた。中世にはノルウェー王国最東の要塞として重要視された。南東部のØstervågen地区では、800年以上前から住民が居たと記録されている。フィンマルクで唯一要塞や役所が有る重要な土地だったが、漁獲高の減少に伴って衰退した。
16世紀中期、人口は約400~500人だった。
17世紀、ヴァードーは魔女狩りの中心地だった。90人以上のノルウェー人やサーミ人が処刑された。
1789年、ヴァードーは町の地位を得た。人口は約100人まで減少した。
1850年以降、ロシアの白海地方とのポモー交易によって町は再び発展した。1850年には人口は400人まで回復した。
1910年、人口が3000人を突破した。
第二次世界大戦では、ノルウェーはドイツ国防軍に占領された。ヴァードーはロシアを中心とする連合軍に激しく爆撃された。中心部の殆どは破壊され、住人は避難した。
戦後、中心部は完全に復興された。古い伝統的な建物はØstervågen地区等周辺部に残っている。
地理と気候
ヴァードーはノルウェーで最も東にある町で、実際にサンクトペテルブルク、キエフ、イスタンブールよりも東に位置している。フィンマルク県の東端は、たとえ日中の時間が1時間以上多くても、県内の他所と同じ標準時である。
ヴァードー港はバレンツ海に面し、暖流の北大西洋海流の影響で一年を通して不凍港である。ヴァードーはいつも、寒帯にあるノルウェー唯一の本土の町と称される。しかし厳密に言えばヴァードーのある島はヴァランゲル半島の北東岸より2キロの位置にある。ヴァードーの7月の平均気温は9.1℃しかないが、冬は高緯度の割に温暖で、1月の平均気温は-5.1℃である。
島は海底トンネルを経由して本土とつながっている(ノルウェー初の海底トンネル)。ヴァードー空港はトンネル入り口の反対側にある、本土の自治体Svartnesである。ヴァードーは、ノルウェー沿岸部の町をまわるフェリーの寄港地の一つである。町はクレタ島シティアから続いたE75の最終地点である。
経済と観光
漁業と水産品加工がヴァードーの主たる収入源であるが、観光も重要な経済要素となりつつある。
ヴァードーの観光の目玉は、13世紀後半にできたというVardøhus城塞で、現在のものは1734年に作られたものである。町には2つの博物館があり、1つは白海沿岸貿易などの地域史と、野鳥、第二次世界大戦中のドイツ軍防御物の名残などを展示する。ヴァードーの雪合戦大会はユニークな催しとして知られる。
Vardøhus城塞には2本のナナカマドの木が立ち、入念に育てられ冬も暖かくしていた(普通、北極の樹木生育境界線より北にあるヴァードーの冷涼な気候では樹木が育つことはない)。1960年に最初に7本の木が植林された。そのうち1本は成長し、花を2度咲かせた。その木も寒い気候のため2002年に倒れてしまったが、新たに2本の若木が同じ場所に植えられた。
グローバスIIレーダー
1998年より、町にはグローバスIIという名のレーダーが配備されている。公式目的はスペースデブリ追跡となっている。しかし、設置場所がロシア国境に非常に近いことから、グローバスIIシステムとアメリカの迎撃ミサイルシステムとの関連が揶揄され、外交上の議論を巻き起こした。
野鳥
ヴァードーのホルノーとレイノーにある海鳥のコロニーは、海岸部で最も目を引く場所である。ウミガラス類の小さな繁殖地となっている。港ではいつもシロカモメとアイスランド・カモメが見られる。