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脳噛ネウロと桂木弥子のコンビが、テレビドラマ『[[トリック (テレビドラマ)|トリック]]』の凸凹探偵コンビ、[[物理学]]者の上田次郎と[[奇術師]]の山田奈緒子の性格や役割を逆転させた形になっている事や、登場人物の奇抜な性格描写という共通点から、キャラクター創りには『トリック』の影響が見られる。 |
脳噛ネウロと桂木弥子のコンビが、テレビドラマ『[[トリック (テレビドラマ)|トリック]]』の凸凹探偵コンビ、[[物理学]]者の上田次郎と[[奇術師]]の山田奈緒子の性格や役割を逆転させた形になっている事や、登場人物の奇抜な性格描写という共通点から、キャラクター創りには『トリック』の影響が見られる。 |
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;穂村徹行(ほむら てつゆき) |
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:塗装工であり、連続[[放火]]魔。[[火炎放射器]]で様々な建物を焼いていた。放火する際には、「急に」丸メガネをかけたり、シャツをズボンにしまったり、バンダナを頭に巻いたりと、[[秋葉系|アキバ系]][[おたく|オタク]]のような格好をしたくなるらしい。放火をすると「燃える(=[[萌え]]る)」らしく、「燃え~」などと口にする。最後はネウロにより自分自身が燃やされてしまう。 |
:塗装工であり、連続[[放火]]魔。[[火炎放射器]]で様々な建物を焼いていた。放火する際には、「急に」丸メガネをかけたり、シャツをズボンにしまったり、バンダナを頭に巻いたりと、[[秋葉系|アキバ系]][[おたく|オタク]]のような格好をしたくなるらしい。放火をすると「燃える(=[[萌え]]る)」らしく、「燃え~」などと口にする。最後はネウロにより自分自身が燃やされてしまう。 |
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==魔界777ツ能力(どうぐ)== |
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#「鎧の兄弟」 ISBN 4-08-874043-2 |
#「鎧の兄弟」 ISBN 4-08-874043-2 |
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#「髪とハサミとキリトリ線」 ISBN 4-08-874113-7 |
#「髪とハサミとキリトリ線」 ISBN 4-08-874113-7 |
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*[[魔人探偵脳噛ネウロの登場人物]] |
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==外部リンク== |
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2006年6月14日 (水) 14:13時点における版
『魔人探偵脳噛ネウロ』(まじんたんてい のうがみねうろ)は、「週刊少年ジャンプ」2005年12号より連載中の少年漫画作品。作者曰く「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」。作者はこれがデビュー作となる松井優征。本作のプロトタイプとして「赤マルジャンプ」2004年夏号と「週刊少年ジャンプ」2004年41号に掲載された二つの同タイトルの読切がある。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
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概要
主人公はタイトルにもなっている魔人(異世界の生物)の脳噛ネウロと食欲以外はごく普通の女子高生、桂木弥子(かつらぎ やこ)の二人。
本作は、「謎」を「食糧」とする(より正確には、謎が解かれたことによって開放される、秘められた悪意のエネルギーを捕食する)ネウロが、魔界の謎を食べつくしてしまったため、新たな謎をもとめて人間界を訪れるところからスタートする。ネウロは人間界で生活するために弥子を探偵役に仕立て上げ、自らが解いた難事件をあたかも弥子が解いたかのように見せかけ、その事件の謎を「食べる」ことを始める。こういった筋立てであるため、本作には「グルメ」、「食事」といったテーマが底辺に流れている。
また、推理そのものは本格推理の在り方を継承しているが、主人公のネウロそのものがファンタジー的な存在であるため、普通の推理ものでは反則と言われそうなことを平気でやってのけられる強みがある。よって推理方法は他に前例が見当たらない非常に個性的なものである。詳しく書くと、読者にろくにヒントを与えずに、主人公が「魔界777ツ道具」という魔界の便利道具を使ってすぐに犯人を捜しあてるという、強引極まりないやり方である。これは、この作品の真の娯しみどころは、突出したガジェットや荒唐無稽なトリック、犯人の異常な心理や奇怪なリアクションであって、事件の動機を犯人に問い、語らせることは無粋以外の何物でもないからである。しかし、ストーリーが進むに従って、事件の動機に関する部分は弥子の人間への探究心と絡めて描かれる様になった。
また、作者は推理小説ファンではないため「推理小説の犯人は勘で当てる」と言い切っており、「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」として受け止めて欲しいと1巻表紙コメントに書き残している。
連載開始からしばらくの間はネウロを推理漫画として批評していた者も少なからずいたが、単行本が発売された現在では、インターネット界隈の評価にも娯楽漫画として割り切って楽しむというスタンスが浸透している。
なお、その単行本の表紙と背表紙には、プリント基板の写真を背景にしたキャラクターのイラストが描かれており、また、裏表紙には、そのプリント基板の写真を基にしてして作られたシングル・イメージ・ステレオグラムが印刷されている。ステレオグラムの内容がクイズになっており、次巻の巻末で答えが示される構成になっている。他にも巻ごとにオマケ漫画やイラストが追加されている。(その中ではあえて放置した誤字・誤植すらもがネタになっている。)
作者は、挿絵画家の石原豪人の毒気と色気を手本にし、また師匠である澤井啓夫の豪快でざっくばらんな画風を色濃く受け継いでいるため、本作は非常に奇妙で滑稽な独特の作風となっている。また、犯人・サブキャラ・小ネタに世間一般を面白おかしく少々過激に皮肉ったブラックユーモア溢れる描写が多々見られるのも本作の特徴の1つといえる。最近では狂気的なパロディも取り入れている。
「ストーリー上では特に重要なわけではなく、登場回数も1回きりだが、それでも読者の記憶に鮮明に刻み込まれる奇抜なキャラ」が数多く登場し、キャラクター人気投票で候補リストにそれらのキャラが一同集結した(しかも投票の為に数多くのキャラに名前が付けられた)様子は、まさに圧巻の一言であった。
あらすじ
謎を食料とし、魔界に存在するありとあらゆる謎を食い尽くしても脳髄の空腹が満たされない一人の魔人、脳噛ネウロ。彼は、魔界の単純な謎では自身の脳髄の空腹を満たすことができるようなものはないと悟り、人間界にあるであろう「脳髄の空腹を満たす究極の謎」を求めに人間界へと赴く。
ネウロが最初に見つけた謎は昨日の朝まであった平穏な生活が、悪意によって脆くも崩れ去った女子高生、桂木弥子の家にあった。ネウロは弥子の謎を解決する代わりに、探偵という傀儡・・・もとい奴隷人形を演じろと強制する。弥子は断れば間違いなく殺されると悟ったためか、嫌々ではあるが探偵になることとなった。喫茶店で起きた最初の事件をネウロの奇妙な能力『魔界777ッ能力(どうぐ)』で解決し(あくまでも表向きは弥子が解決したこととなっている)、続く弥子の謎もネウロの力であっさり解決へと至った。
犯行を看破された犯人たちが奇妙なリアクションを取ったり、とんでもない行動に出たりと、様々な光景を見ていくうちに弥子はこれまでの日常を逸脱した奇妙な日常に慣れていき、女子高生探偵桂木弥子としてネウロの傀儡を演じていくのであった。怪盗“X”や事件の犯人たちとかかわるうちに、弥子の中には人間の精神の底への興味が芽生えていく…。
主要登場人物
脳噛ネウロと桂木弥子のコンビが、テレビドラマ『トリック』の凸凹探偵コンビ、物理学者の上田次郎と奇術師の山田奈緒子の性格や役割を逆転させた形になっている事や、登場人物の奇抜な性格描写という共通点から、キャラクター創りには『トリック』の影響が見られる。
桂木弥子探偵事務所
- 脳噛ネウロ(のうがみ ねうろ)
- 表向きは「桂木弥子探偵事務所」の探偵助手。実は「謎」を食料とする魔人だが一般人の前では腰の低い青年助手を演じており、それを知る者は数少ない。魔界の謎をすべて喰らい尽くして人間界に降りてきた。魔界の突然変異生物で、常識を超えた頭脳と身体を持つ。(たとえば、普通の人間なら読んで楽しむ程度しかできないジャンプで人を殺すことも可能)性格は傲岸不遜で、かなりサディスティック。理由があれば必ず、なくても積極的に奴隷(弥子や吾代)を虐める。そのレベルは生命の危機に瀕することもあるようになってきた。普段は人間に変身しており、能力使用時と犯人などを威嚇する時、および「謎の気配」を見つけて嬉しくなった時には魔人の姿になる。一人称は「我が輩」と「僕」を使い分けている。暇つぶしとして自動車や携帯電話と言った複雑な機械を分解したり、弥子に試されて高校生の試験問題をあっさりと解いたりもしたが、そういう種類の謎には人間の悪意が介在しないので、腹が膨れない様である。最近体の調子がおかしいが、どうやら瘴気の薄い地上に長く居すぎたせいで徐々に人間に近づいているらしく、本人曰く「魔界から来た当初は核弾頭でも殺れなかった」そうだが、今では普通の火器類でも防御しなければダメージを受けてしまうらしい。しかし、現時点では念には念を程度のモノらしく、まだかなり魔人としての部分が残っている。また最近は弥子や怪盗Xが困難を克服すべく工夫や努力をして進化する姿を見て、「究極の謎を作り出す可能性を秘めた人間という種族」に興味を持っている。誕生日は16月344日(ちなみにこれを普通の日にちで計算すると弥子と同じ3月10日になる)。年齢は表記できないような字で書かれている。
- 「脳噛ネウロ」の名は、英語で「神経」を意味する接頭辞'Neuro-'をそのままローマ字読みしたものか、或いはレックス・スタウトの探偵小説に登場する美食家探偵「ネロ・ウルフ」をもじった「狼・ネロ」が由来という説がある。
- 桂木弥子(かつらぎ やこ)
- 表向きは「桂木弥子探偵事務所」の所長兼女子高生探偵だが、本当はネウロが己の姿を世間に晒さないための傀儡。当初は有名建築家だった父を殺した犯人を見つけてくれたネウロに恩義を感じ、戸惑いながらも言いなり同然に行動していたが、最近は数々の犯人の行動などを見ていったためか、人間の心に興味を持ち始め進んで行動をとるようになった。犯人を当てるなど活躍も見せ始め、ネウロも多少認めている節がある。
- 細身の見かけによらず大食いの美食家で、都内でも有名な難関私立高校に、学食の為だけに無理やり偏差値を上げて合格したほど(入学後は当然赤点三昧)。その大食いぶりは最早人間のレベルを超えており、ネウロですらしばしば呆れている。探偵になった後宝石にも詳しくなったが、その理由も「キラキラしておいしそうだから」というとんでもない理由で食につながっている。毎週の登場人物紹介でその食に対するこだわりが垣間見られるような好物が一つずつ紹介される。色気で髪(あかねちゃん)に負ける。誕生日は3月10日で座右の銘は「まず白米ありき」。
- 吾代忍(ごだい しのぶ)
- 元は「桂木弥子探偵事務所」が入る前にあったやくざ運営の金融会社『早乙女金融』の副社長代理。建物を追い出されてコンビニのバイトなどをしていたが、その後ネウロに事務所雑用として無理矢理雇われ、現在は事務所のパトロンとなった望月総合信用調査の副社長兼監査役として出向中(ある意味栄転か)。しかしその会社は、社長の望月以下まともに働ける人間が少なく(経営は早坂兄弟あってのものだったらしい)実質彼が社長の任をこなしている。民事法の知識はあるが、最終学歴が小卒(義務教育は6年だと思っている)で、数学は全く出来ない。元やくざだけに血の気が多い性格。喧嘩の腕は非常に強く、空腹でフラフラの状態でも大の男数人を一瞬で倒すなど、その道ではそれなりに有名であるようだ。裏の世界の情報網にも詳しく、「国会議員が騙されたタチの悪い情報屋」の事も知っていた。他の元闇金融会社メンバーや鷲尾の級友のネーミングの傾向から察するに、名前のモデルはファミコンゲームのくにおくんシリーズの名脇役「五代奨」であると思われる。
- あかねちゃん
- 探偵事務所の前の金融会社が入るその前からその部屋にあったと思われる、コンクリート壁に塗り込められた女性の死体。生前は美少女だったらしい。魔人ネウロの瘴気にあてられて後ろ髪のおさげに意識が蘇った。壁の隙間からおさげを使って筆談で意思疎通し、パソコンのキーボードを叩いて電子メールに応対できる。直接話す事はできないが英語も堪能で「桂木弥子探偵事務所」の有能秘書として活躍している。何気に腹黒な一面をみせることもある。ネウロによっておさげだけを短時間なら外出できるように改造されており、初代ポータブル改造である「数学の参考書の問題」(の謎)をエネルギーにしていたときはすぐしおれてしまったが、続く「ケータイのメモリー」(の謎?)を利用した改造のときは2日はもつように。さらに「魔界777ツ能力」を使った改造ではかなりの間外出が可能になった。「能力」を利用しているときは弥子と合体し、「弥かねちゃん」となって行動する。しかし、この状態のままある程度の時間が過ぎると二人のあいだで人格が入れ替わってしまうらしい。週五回、弥子にトリートメントしてもらっている。そのおかげか表現できないほどの美しい髪である。なぜ殺されてしまったかについてはネウロにとっても価値のある謎が存在する様だが、今のところ、ネウロはその謎を解くのを後回しにしている。(犯人がその場に居ないと「謎を喰えない」からだと思われるが、ネウロは理由を述べていない。)
警察関係者
警察に所属する人物の名前には、なぜか文字の一部に全員「竹冠」が入っている。(ただし、後述するOBの望月建雄には入っていない。)
- 笹塚衛士(ささづか えいし)
- 事件現場などで度々会う顎ひげの30代の刑事。低いテンションと高い実力で有名らしい。射撃の腕前は天才的で遠く離れた時限爆弾装置を1発で撃ちぬくほど。資料提供など弥子に協力的姿勢を見せるが、ネウロのことを怪しんでいる節もある。笛吹、筑紫とは大学時代の旧友。大学在学中に家族(父、母、妹)を怪盗Xにより皆殺しにされ、それに関連して大学を卒業してから警察に入るまで1年ほど、行方をくらましていた。本来ならキャリア組として警察に入るはずだったが、Xの一件からノンキャリア組で警察に入っている。弥子のことを容姿や雰囲気の似ていた妹と重ねているとみられ、あまり大きな事件に巻き込みたくないようだ。誕生日は7月20日。好物はたこわさと焼酎。
- 石垣筍(いしがき じゅん)
- 弥子父殺人事件解決以降から笹塚とコンビを組む若き刑事。高いテンションと低いプライドを合わせ持つ今時の若者っぽい性格。趣味は食玩集めやプラモデルやフィギュアなど、ホビー類全般だと思われる。ただし収集物・作成品は完成形態に近づいた段階、或いは完成した時点で笹塚に破棄・破壊される場合が多い。だがその腕前は確かのようで雑誌で賞を取ったり、不良っぽい弟子もいる。自分たちより先に事件を解決してしまう弥子達に対して余りいい感情を持っていない。が、その彼が有能かというとそうでもない。よく笹塚にプラモデルを壊される。単行本2巻において、本来の名前の読みは「いしがき しゅん」だったが、誤植によって「じゅん」が正式な名前になったことが明かされた。誕生日は4月18日。年齢・身長・体重が笹塚よりも7ずつ小さい。
- 笛吹直大(うすい なおひろ)
- 笹塚の上司で、キャリア組。大学時代は笹塚といがみ合いながらも良き友だったが、その後笹塚がXの一件のショックで国家試験に来なかったことで険悪となり、現在は刺々しい態度を見せる。一般人にも関わらず事件に首を突っ込む弥子とネウロを快く思っておらず、彼らを「汚い者」と見なしている。根っからのキャリアタイプで、現場では空回りが多いようだが捜査指揮など管理・戦略側の仕事においては比類なき才能を見せる。態度が大きく、きつい性格をしているが、可愛いものを好む意外な一面も見せる。誕生日は4月18日(石垣と同じ)。背が低く、そのことを自分でも気にしているようだ。なお、コーヒーはブラックが苦手。
- 筑紫侯平(つくし こうへい)
- 笹塚の同僚、笛吹の部下で、大学時代の旧友。非常に無口だが、二人のことを気遣っている。解説やフォローが得意で仕事もできる。尊敬する人は笹塚、笛吹、ピロリ菌を飲んだ人。
- 筒井壮太(つつい そうた)
- 警視庁の刑事で、怪盗X事件でネウロたちと出会う。出世欲が異常に強く、Xを逮捕することにより一気に昇進しようと息巻くが、そのXによりあえなく「殉職=二階級特進」させられる羽目となった。最期は何が起こったかわからないまま「ぇはん」という情けない断末魔を挙げて死んだ。
- 箕野将三(みの しょうぞう)
- 警視庁捜査一課の刑事。
- 笠木(かさぎ)
- 笛吹の部下。
- 管野広志(かんのひろし)
- 県警刑事。扇子を持っている。弥子のファンで、物分りがいい。
怪盗“X”と協力者たち
ネウロの命をつけ狙う世界的な犯罪者、怪盗"X"と彼に力を貸す者。現在判明している協力者は一人だけだが、Xの口ぶりから他にも複数存在するとの見解が有力である。
- 怪盗X (Monster Robber X.I) (かいとうサイ)
- 世界を騒がす怪盗。作中ではX(サイ)と略されることが多い。怪盗Xは日本での略称であり、正しくは未知を表すXと、不可視(Invisible)を表すIを合わせた“怪物強盗X.I”。語源は全く目撃されない上に証拠一つ残さない手際の良さと後述するある特徴を指して海外のメディアが率直に表現した呼称だが、作者の意図的には“魔人探偵”脳噛ネウロと対比させたネーミングと思われる。
- 人間の突然変異とも言うべき存在で、細胞を変化させ、子供から老婆までありとあらゆる人物の顔に化けることが出来る。また、脳細胞が常に変化する為に記憶が常に失われ続ける。故に己が何であるか、年齢、性別などを含めたその全てが自分でも分からず、「作った奴の中身が全部詰まった」美術品を盗んだり、主にその過程で出会った他人を解体(殺害)しその中身を“箱”として見ることで、自分が何であるかの答えを探し出そうとしている。自分の姿が分かっていないが便宜上普段は少年の姿をとる。性格も外見年齢を反映してか極めて無邪気、そのくせ残酷。ただし、内面には「自分の中身がわからない」ゆえの苦悩と不安を抱え込んでいる。
- 人間でないネウロに深く興味を持ち、彼の中身を見ることに執着している。殺した人間に化けることで、一般人から著名人まで多くの人間に『なって』おり、現在は内閣総理大臣にすら成り代わっている。
- 細胞の変異が急ピッチで進行中。現在は外見だけなら動物に成り代わることや体の一部を増やすことすら可能。ネウロの人間化と対比される形で、これから更に化物化していくことが予想される。
- アイ
- Xの犯行を影ながらサポートする、謎の女性。主に死体の処理、Xの記憶の補完、彼が"なっている"人々のリスト管理などを担当しているらしい。他にも仕事を与えられている可能性はあるが、未確認。Xが内閣総理大臣に成り代わったときには、首相官邸付のメイドに変装し彼とともに官邸に潜入していた。性格は寡黙で礼儀正しい。Xに対しても付き従う者としての姿勢を常時崩さないが、時に盗みを面倒がる彼に"怪盗キャラ"としての振る舞いを求めることも。Xが適当に選んだ盗品(B級グッズ)を下げ渡されることもしばしばで、自宅にはそうした品がどんどん溜まっていっている。
- 素性は不明。Xに対する言動、態度その他の要素から堀口明のような単なるX信奉者ではないと推測される。Xの正体を知ることだけが自分の望みであると語る。Xは彼女の中身にも興味を持っている。
その他
- 籠原叶絵(かごはら かなえ)
- 弥子の友人。弥子の大食いぶりに呆れたり振り回されたりだが、元気のない弥子を心配するなど、優しい面も見せる。名前に竹冠が入っているので、身内が警察関係者か?
- 桂木遥(かつらぎ はるか)
- 弥子の母。情報誌の編集者が仕事で、その関係で弥子に食事券などをあげることもある。しかし、本人は殺人的に料理が下手で、夫を危うく殺しかけたことがある。そのため桂木家では家政婦を雇っている。突然に探偵を始めた弥子に戸惑うが、弥子が父の死にポジティブに向き合う様を見て、探偵業に理解を示している。
- 浅田忠信(あさだ ただのぶ)
- 弥子と同じ学校の生徒。弥子のファンらしく、常に弥子のことを見守っている、いわゆるストーカー。太った外見に似合わず、俊敏な動きを見せる。いつも弥子の直筆サイン入りTシャツを着ている。しかし、弥子の試験勉強を手伝ってはくれなかった。名前は浅野忠信からと思われる。
- 春川英輔(はるかわ えいすけ)
- 大学教授。専攻は脳科学。(本人は近いうち、新聞に自分の名前が載る事になるだろうと豪語していた。)アヤ・エイジアや弥子(ネウロ)の能力に関心を持つ。
犯人たち
『ネウロ』の最大の特徴であり魅力になっているのは、個性的な犯人たちの描写である。「謎」が解き明かされた瞬間、性格や、時には姿までが豹変して狂った本性を見せる犯人のシーンは、同作品の見せ場の一つになっている。そのため本誌では人気投票とは別に「"犯"人気投票」なるものが行われた。ここでは、前述した怪盗Xを除き「犯人気投票」にエントリーされた犯人たちと、その後の事件の犯人たちを掲載するが、厳密には犯人ではない者も含まれている。
- 毒殺女
- 本名は不明。恋人の下呂光に裏切られた恨みから、下呂を毒殺する。この作品では珍しい「普通の」犯罪者で、犯行を看破されても豹変などはしなかった。また、彼女が語る犯行の動機にネウロは一切の関心を示さなかった。
- 竹田敬太郎(たけだ けいたろう)
- 捜査一課の刑事で笹塚の上司。長く殺人事件を調査するうちに人間の恐怖や悲しみに「加工」された表情を見ることに快感を覚えるようになり、弥子の父親をはじめ、多数の人間を殺害する。自分が犯した(そして捜査するふりをしている)事件を捜査すると言い出した弥子を「ポジティブに向き合っている」と評した。犯行が発覚すると異常に舌(ピアス付)の伸びた恐ろしい表情を見せた。ネウロに実験的に脳をいじられ、廃人と化した。
- 至郎田正影(しろた まさかげ)
- 「奇跡を呼ぶ店」と呼ばれるフレンチレストラン「シュプリームS(シロタ)」のオーナーシェフ。その料理には違法な薬物が多量に含まれており、それを用いて「食の千年帝国」を作ろうと画策し、反対するシェフの海野(うんの)浩二を殺す。編み出した究極の料理「ドーピングコンソメスープ」(後述)で肉体を強化し逃走を図ったが、ネウロには全く通じず痩せ細った姿に変えられた。そのあまりのインパクト故に、インターネット上などの一部における彼の人気は多大なものである。登場した時点で殺人を犯している事も含め、この漫画が色々な意味で、推理漫画では無い事を読者に知らしめた人物とも言える。名前のモデルは田代まさし+美味しんぼの主人公の山岡士郎だと言われている。ちなみに彼が作中で自分の料理を評した『至高にして究極』という言葉も、同作品の山岡士郎の『究極のメニュー』と、海原雄山の『至高の料理』のパロディだと思われる。
- 鷲尾正勝(わしお まさかつ)
- 吾代が勤めていた金融会社の社長代理。自分が自分のいる巣(集団)の中心(一番になりたいわけではない)にいないと気がすまない性格で、それゆえ社長を殺害する。犯行がばれると鼻が嘴型に伸び、鳥のような姿に顔が変化した。ネウロに怯えて逃走し、まだ捕まっていない。名前のモデルはくにおくんシリーズの鷲尾修二。
- 糸田(いとだ)
- アヤ・エイジアに執着し、動物の死体を事務所に送る、窓を割るなどの過激なストーカー行為を繰り返した。締めつけられることに快感と万能感を覚える男。アヤを拘束しようとするが、笹塚に顔面を蹴られ、ネウロの「エグい能力」により痛覚神経を直に弾かれあえなく悶絶。糸田の場合は、元々本性剥き出しであり、ネウロが追っていた謎の主でもないので、特に豹変はしない。逮捕されても異常な性癖は結局直らなかったが、もう音楽どころか音すらも聴きたくはない様である。
- アヤ・エイジア
- 本名は逢沢綾(あいざわ あや:正確には「逢」の文字はしんにょうの点が二つ)。探偵事務所開設後最初の依頼客。世界的な知名度と不動の地位を築いた本格派歌手だが「世界中で自分はひとりきり」だと思っており、それが彼女の歌の根源となっている。同じように「世界中で自分はひとりきり」だと思っている人が彼女の歌を聞くと、ダイレクトに脳を揺らされて感動のあまり失神する。「ひとりきり」でなくなることに恐怖を感じ、親しくなったプロデューサー台島拓郎やマネージャー大泉ひばりを殺害した。ただしそのことに多少の罪悪感は感じており、贖罪の賭けとして桂木弥子探偵事務所に捜査を依頼した。この為、他の犯人たちとは違い、犯行を看破されても豹変する様な事はなかった。
- 現在は罪を償う為に服役しているが、色々と心の整理がついたのか現在の彼女の歌う歌は「ひとりきり」ではない人の脳も揺らすまでにレベルアップしている。その歌の力は人一人を失神させる程で、本人の意思次第では脱獄も可能なようだが、殺した2人への償いのためと自分の犯行を看破した弥子への敬意ゆえに行わない。『噛み切り美容師』の事件で自信を無くしてしまった弥子を励ます。アヤ・エイジアという名前はサザンオールスターズの曲、「彩~Aja~」が元ネタと思われる。また、大泉ひばりは大泉逸郎と美空ひばりが名前のモデルだと思われる。
- 篠原紀夫(しのはら のりお)
- ハンディーカメラ片手に情報を集めるフリーライター。報道の自由を勘違いしており、「有名人はマスコミに有名税を払う義務がある」をモットーに過去多くの芸能人・文化人をデマや過剰報道で失脚させてきた。右目は何故かカメラのレンズと一体化している。弥子に笑顔で強引な取材を試みたが、吾代に殴られて阻止されてからは本性を表し、異常な方法での「密着取材」を試みる。ネウロに気を狂わされた挙句、怪盗Xに殺され、“箱”にされた。名前のモデルは篠山紀信か? また、フィギュア萌え族(仮)報道で物議を醸した、ジャーナリストの大谷昭宏に顔が似ているという指摘もある。マスコミ対策としてネウロからの制裁を受けはしたが、厳密にはネウロが解決した事件の犯人という訳ではない。
- 堀口明(ほりぐち あきら)
- 怪盗Xに憧れ、動物などを殺して“箱”に詰めていた引きこもりの青年。Xのことを考えるだけで鳥肌が止まらないらしく、怪盗Xの模倣犯に到る。怪盗Xに憧れている点を除けは「普通の」犯人であり、犯行が発覚しても、鳥肌を出しながら「未成年だし大した刑期にもならないでしょ」と居直るのみ。ネウロには全然相手にされず、憧れていたX直々に「形だけ“箱”っぽくまとめ」られ絶命。ガラスの箱には入れられていないので、厳密な意味で箱にはされていない。
- 賀久安由美(かく あゆみ) = 爆弾魔ヒステリア (Histerrier)(ばくだんま-)
- 二人の子供を持つ一般主婦。自分の中にあらゆる破壊衝動を掻き集めて組み立てた『本能(カレ)=爆弾魔ヒステリア』というもう一つの人格がいると本人は言うが、いわゆる多重人格者(解離性同一性障害)のそれとは違い、明らかに多重人格者を演じているか、そう思いこんでいるだけのどちらかである。ヒステリアはある一定の法則で爆弾テロを起こす巷で話題の爆弾魔。「人間は本能に忠実な犬である」が持論で、本能を表にさらけ出すことを「ブッちゃける」と呼ぶ。仕掛けられたもう一つの爆弾をネウロに暴かれ、笹塚の精密射撃により爆破を阻止される。直後ネウロの圧倒的な気迫に脅されて犬同然に。
- デイビッド・ライス
- 異文化交流を研究する、私立大学の留学生。自分を振った友人の露木さくらを毒ガスで殺害。親日家を装っていたが、実は狂信的なまでの愛国主義者で、自国のネガティブな部分すら全肯定し、日本の文化を見下している。犯行がばれるとピノッキオが嘘をついたときのように鼻が伸び、鼻の下を覗くと髑髏の形にも見えるように。常にリボルバーを携帯していないと安心できないらしい。異文化交流を勘違いしており、「格上が格下を見下げる事が異文化交流」だと思っていたが、その考えを弥子に「考え方そのものが幼稚で格下」と指摘され逆上。発砲したがネウロに指弾きで鼻に返され、その上納豆を食べ続けないと呼吸出来ない状態にされる。なお、明らかにアメリカ人に対する偏見を風刺したキャラクターだが、少年漫画としては過激な論を語るせいか、劇中では「アメリカ」という具体名は一切登場しなかった。余談だが、この事件の関係者は全員名前にライス→米国の「米」というように日本での世界各国の通称となる漢字が含まれている。
- 早坂久宜(はやさか ひさのり)
- 望月総合信用調査の総務部長。常に笑顔で応対する男だが、その笑顔は本物ではなく作り物の笑顔である。麻薬と共に武器の密輸を行い社長である望月建雄を殺してトップに立つ予定だったが、濡れ衣を着せた相手が不運にもネウロだった。ネウロの犯人の中では唯一謎らしき謎は持っていない(ネウロたちが謎に組み込まれかけた為)。当然、犯行が発覚しても「笑顔の鎧」が崩れる事はなかった。ネウロに犯行を阻止され、最後に笑顔が取れた時も、読者には素顔を見せないようになっていた。弟は同社トラブル処理班の早坂幸宜。早坂兄弟と望月が起こした事件については、ネウロは謎を喰えず、犯人達の暴走も全くない。
- 早坂幸宜(はやさか ゆきのり)
- 通称はユキ。早坂久宜の弟で望月総合信用調査のトラブル処理班所属。故郷が雪里。幼い頃、雪崩に呑み込まれて死にかけた事が原因か常に冬物のコートを着用。手をかざすだけで相手を切り刻む攻撃を得意としていたが、実はコートの袖から目に見えにくいガラス製の釣針を出して相手に引っ掛けていた。「兄弟の絆こそ最強」と豪語し吾代と二度戦うが、二度目の戦いで事前にネウロから(全く役に立たない)ヒントを貰っていた吾代にタネを見破られ敗北。その後、燃え盛る倉庫に閉じ込められた兄を助け、二人でどこかへと去っていった。苗字は、くにおくんシリーズの早坂良麻からか。
- 望月建雄(もちづき たてお)
- 警視庁OB。退職後、警察時代で得た経験やパイプを利用し望月総合信用調査を設立する。IT業界とは違う情報を取り扱う会社だが、手に入れた情報は全て本物になっている事を笹塚は疑問に思っている。探偵の真似事をするネウロ達に近づき、あわよくば麻薬密輸の現行犯としてでっち上げ自社の評判を上げるつもりだったが、早坂の裏切りとネウロのしたたかさに負け、吾代の出向と悪事を証明するカセットテープによりパトロンという名の奴隷と化した。「犯人気投票」にエントリーされた中では唯一、ネウロに協力する立場に居る。しかし仕事自体は早坂兄弟に任せっきりだったので何もできない無能だった。この為、吾代が忙しくなってしまう。
- 百舌貴泰(もず たかやす) = 噛み切り美容師
- 美容院「ファング」を経営するカリスマ美容師。人を髪の毛で判断する性格。美しい髪の持ち主の首を切断して殺害した後、血液を整髪剤に使って髪をセットするという犯行を繰り返し、世間では『噛み切り美容師』と呼ばれていた。自称『髪の神』。無名の頃に女性に暴行を働いた上で無理やりセットするという事件を起こしている。トリックを見破られると口封じのために弥子たちを襲い、その際目と眉毛が切り離され、はさみのような形になってくっついた。結局最後は彼等の元に駆けつけたネウロに魂ごと髪の毛を全部刈り取られる。名前の元ネタは、整髪料ブランドのモッズ・ヘアシリーズと鳥の百舌をかけた物だと思われる。
ここからは「犯人気投票」よりも後の話での犯人たちを挙げる。
- 真栗一茂(まぐり かずしげ)
- 絵石家塔湖(えしや とうご)とその夫人である実の姉・妙(たえ)を殺害した犯人。犯行がバレた際には豪快に養毛剤を飲み始めた挙げ句、それを頭に大量に振りかけ頭頂部の髪の毛で『枝』を形成した。犯行に及んだのは、家族(えだ)を切れば切るほど残った家族(えだ)に栄養が集中する(=遺産の取り分が増える)という理屈からであった。最終的にはネウロが手をチェーンソーらしきものに変化させて髪の毛の木の枝を刈り取ったことで、彼自身が"剪定"されることとなる。直後にXがネウロを殺そうとしたときに、ショットガンの流れ弾が額に当たって死亡した。
- ちなみに真栗・絵石家という苗字の由来は画家の「マウリッツ・エッシャー」、また真栗は同じく画家の「ルネ・マグリット」だと思われる。
- 穂村徹行(ほむら てつゆき)
- 塗装工であり、連続放火魔。火炎放射器で様々な建物を焼いていた。放火する際には、「急に」丸メガネをかけたり、シャツをズボンにしまったり、バンダナを頭に巻いたりと、アキバ系オタクのような格好をしたくなるらしい。放火をすると「燃える(=萌える)」らしく、「燃え~」などと口にする。最後はネウロにより自分自身が燃やされてしまう。
魔界777ツ能力(どうぐ)
ネウロが犯行現場の捜査や犯人への制裁、時には単なる娯楽に用いる様々な奇妙な道具の事を、「魔界777ツ能力」(能力と書いて「どうぐ」と読む)と呼ぶ。言葉通りに777種類あるのかどうかは不明であるが、「ネウロ」を盛り上げる重要なアイテムである。何れも強力な道具であるが、使用するとネウロのエネルギーをある程度は消費してしまうらしく、多用はできないらしい。
- 魔界の凝視虫(イビルフライデー)
- 目玉の形をした虫を大量に放出。謎を解く手がかりを見つける。また、ネウロの雑務の助手も務める。読みきり版でも類似の魔界能力が登場しており、そちらは「魔界の千里眼(イビルフォーカス)」。
- 異次元の侵略者(イビルスクリプト)
- パソコンなどのモニターに直接手を入れてハッキングを行う。デジタル信号に変換されていないようで、ファイアウォール自体が無意味。ちなみにファイアウォールとは本来ネウロが言うような火の壁ではなく、防火壁のことである。意図的なものか作者の間違いかは定かでない。
- 断面への投擲(イビルジャベリン)
- 刃先から発せられるソナーにより、通過した物質の材料を解析する。シュプリームSのメインディッシュの原料及び殺人トリックの道具を看破した。
- 無気力な幻灯機(イビルブラインド)
- これの効果を受けた者は半径10m内に限り、「存在の解像度」が大幅に下がる(簡単に言うと極端に目立たなくなる)。同類として毒入り消毒液があるが、どちらかというと暗殺向きな道具。
- 魔界の追尾蟲(イビルストーカー)
- 狙った人物を追跡する。吾代の場所を把握するのに使用。
- 拷問楽器「妖謡・魔」(イビルストリンガー)
- 弦のない弦楽器の形をしている。寄生対象の痛覚神経を引きずり出して弦とし、激痛とともに弾く。糸田の気を狂わせた。能力の名前はチェリストのヨーヨー・マに由来する。
- 卑焼け線照射器(イビルロウビーム)
- 対象者の網膜に、無数の目から見られている映像を焼き付ける。篠原に対して使用。
- 毒入り消毒液(イビルキャンセラー)
- 液を被った者は他人の目には見えなくなる。ただし効果が働くのは視覚へのみのため、足音や話し声などで気付かれる可能性がある。同類として無気力な幻灯機があるが、どちらかというと追跡行動に向いている道具。
- 孔雀色の絵の具(イビルコクーン)
- 背中に一塗りするだけで、上半身だけ卑しムードに包まれる。例えば、陸上部の学生が学校の屋上から遠く離れたプールにトぶくらい卑される。
- 目潰し目薬(イビルドロップ)
- 目に注して瞬きをすると破壊光線を発射できる。ヒステリアの爆弾を処理する際に最終手段として弥子が無理矢理使用することになりかけたが、笹塚の活躍で使用せずに済んだ。
- 生まない女王様(イビルバジャー)
- 大変偏食な魔界の虫。胃に寄生し、そこから脳に常に一つの食べ物だけを求めるように働きかける。デイビット・ライスに取り付いた個体が求めたのは納豆だった。
- 単行本5巻で「生まない女王様」は誤字&誤植であり、本来は「産まない女王蟻」であったことが判明したが、この誤植が敢えて残されている為、「生まない女王様」が正式名称の様である。
- 追尾蟲の追尾蟲(イビルステッカー)
- 魔界の追尾蟲に対応した受信機。対象者が近くにいると反応が強くなって立つので、間違っても中指の腹に貼ってはいけない。
- 虚栄の兜(イビルフルフェイス)
- 煙幕。それ以上でもそれ以下でもないただの煙幕。望月らに嵌められた際にその場から逃亡する為に使用したが、毒入り消毒液は効きはじめるまでに時間がかかる様子だったこと、無気力な幻灯機は範囲が狭い上長く持たないことから、特殊効果はないが即時に有効となるこれを選択したと思われる。
- 泥の指輪(イビルディバーシー)
- ネウロの魔力がこめられた、人肉色(人間界で言うピンク色)の魔界電池。これによりあかねちゃんの活動時間や髪型は思いのままとなる。
- 禁断の退屈(イビルステーション)
- ネウロが魔界から持ってきたゲーム機。化け物だらけの魔界の様子を再現できる。ネウロ曰く、人間界のゲームジャンルでいうなら恋愛シミュレーションに一番近いらしい。
- 地獄の地獄耳(イビルバタフライ)
- 魔界の盗聴器。これの前ではコンクリの壁も紙ペラ同然らしい。子機を耳につければ拾った会話を囁いてくれる。が、時折くしゃみをしてその度に人間の脳を軽く貫くほどの針が飛び出すので耳につけている間は常に警戒しなければならない。
- 理性の媚薬(イビルアンプル)
- 飲むと脳内の伝達物質の回転速度が2倍になる液体。テストが赤点のピンチに瀕した弥子に薦めた。ちなみに代金はネウロの靴舐め3分間(もちろん弥子は拒否)。
- 理性的逆上(イビルファンブル)
- 理性の媚薬(イビルアンプル)を魔人に使う際の強化版。これを服用すれば、十倍の難易度のテストが作れるようになる。しかし、ネウロが人間への加減を知らなかったので、これを滲み込ませたカキフライを食べた教師や生徒の脳が暴走、魔界の知恵熱を出してしまう。しかし、そのおかげでテストは延期されたため、結果として弥子を助けた。
小道具
- ドーピングコンソメスープ
- 略称はDCS、コンソメなど。至郎田正影が考案した、数え切れない食材と薬物を精密なバランスで配合、特殊な味付けを施し7日7晩煮込み続けた究極の料理。血管から注入(たべ)る。一応推理漫画と言われていたのに犯人がドーピングで強引に逃亡しようとする超展開、究極の『料理』にも関わらず血管注入するという不条理さ、これによって上半身だけが筋骨隆々な体型になった至郎田の外見的なインパクトの大きさ、更に同時にその回に見られた「クシカツ(「クシャッ」という物をつぶす擬音表現が、作者の癖字により誤読されたもの)」、「ゴシカァン(同様に「ゴシャァン」の誤読)」、「フゥーフゥー…クワッ(「ククッ」という笑い声の誤植だと思われるが、読者に受けたことを察してか、単行本でも修正が行われなかった)」などの独特の表現が、「インターネットコミュニティや一部の漫画ファンの間では大きな話題となり、。『ネウロ』が「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」であることを決定付けたアイテムである。
- 後に、単行本1巻にレシピが掲載されたが、所々墨で塗り潰されていたり「電球の■」等訳の分からない材料が数多く混じっていた。
- 箱
- 怪盗Xが盗みの現場に必ず置く、殺した人間が詰まった“赤い箱”。人間の細胞を余すところなく観察するために製作される。本来Xにとって重要なのは、盗みよりもこの“箱”を作って人間の中身を覗き見ることであるが、既に世間では「怪盗キャラ」として定着してしまっているため、目ぼしい美術品が無い場合は後付けとして何の価値もない置物を適当に盗む事もある(その場合、助手アイに盗んだ品物が手渡されるが、渡された本人曰く「どんどんB級グッズが溜まっていく」らしい)。模倣犯である堀口明が作った箱は、Xいわく「出来損ないの箱」。
- 2005年に広島市で発生した広島小1女児殺害事件において、被害者の女児が段ボール箱に詰められていたことから、日本テレビ、週刊文春などの一部マスメディアで、この“箱”の模倣犯ではないかという指摘が報道された。しかし、逮捕された犯人は日本語を満足に話すことも出来ないペルー人の移民であり、この指摘は全くの的はずれだった。なお、この指摘は事件報道での再現映像において段ボール箱にビニールテープが"XI"の字の形に巻かれていた事から来ていると見られるが、その段ボール箱は再現映像のために作られた別物であり、実際に犯行に使われた段ボール箱の状態とは無関係である。このことから、この指摘はマスメディアによる強引なこじつけであったと考えられる。
- 後に本編に怪盗Xが再登場した際、Xの「下らないことを書いたマスコミも“箱”にした」という台詞とともに、日本テレビのマスコットである「なんだろう」によく似た豚が箱に閉じ込められているイメージカットが描かれ、一部ファンの間で「松井からの、日テレに対する意趣返しではないか」と話題になった。これが意図したものであるかどうかの真偽は定かではない。
- ヒステリアの犯行予告カード
- 無差別爆弾魔ヒステリアによる犯行現場に必ず落ちている金属製のカード。「I AM BOMMER SO I AM CUTE I AM HISTERRIER(私は爆弾魔 だから私はカワイイ 私の名前はヒステリア)」と刻まれている。またヨークシャテリアを模したと思われる絵も描かれている。本来、ボマー(爆弾魔)のつづりはBOMBERだが、これは意図的な誤字であり、爆破の場所を暗示するものであった。
- 片栗粉
- 弥子が事務所の台所で注射器と共に大量に見つけた。前に事務所を使用していた『早乙女金融』のものなのかどうかは不明。パッケージには片栗粉と書いてあるが、中身は恐らく、というか確実に麻薬の類。とろみをつける片栗粉と、頭がトロンとする麻薬の効果をかけたものと考えられる。弥子はしばしばネウロにこれを頭からかけられ、トロンとなる。
ネウロ魔界トークシリーズ
矛盾しているようにも見えたり、理屈で説明しづらいような部分も多数ある。基本的に人間の住む世界とは違う何か混沌としたものの演出であるようだ。
- 魔界
- ネウロの故郷。
- 読切では「腐った百合が乱れ咲く」と形容されていたが、連載においてはそういった描写はなし。同じく読切の設定では、ネウロが謎を食い尽くしたことにより退屈しのぎに最終戦争を始めて滅んだことになっていたが、そういう設定もやはりなし。
- 瘴気
- 魔人にとっては酸素と同じ。魔界には満ち満ちているが地上では薄いらしい。このためネウロは地上では3時間は睡眠を取らないといけない。壁に死体が埋まっているヤミ金融の事務所や、灼熱の源泉は地上の割には瘴気が濃い。
- 魔界の謎
- ネウロいわくどれも単純で小さい。
- 魔界の料理
- 食べると体が炎上する料理や、食べた者がのたうち回るので、皆でそれを見て楽しむ料理など。たぶん他にも色々ロクでもない料理がある。なお、「謎」が唯一の主食であるネウロは食べることができない。
- 魔界の2時間ドラマ
- 最初の5分で全員死んで、あとはずっと死体を映している。もちろん10時またぎも延々と死体。
- 魔界カピバラ
- 魔界の生物。地上のカピバラに類似? 第一巻のプロフィールにネウロの苦手な生物はカピバラとあるが、地上のものではなく恐らくこちらを指すと思われる。角があり、サイズは都庁を軽くしのぐ。
- 魔界独特の歩行法
- 靴の気配を消して歩く。言いでもしなければ他の者には気付かれない。ネウロはこれで室内でも土足だが、なぜそこまでして靴の気配を消す必要があるのかは定かでない。
- 魔界のいい人
- 人の傷口を嬉々としてえぐり、好んで再起不能にする人のこと。この基準で行くとネウロは「いい人」。
- 魔界の順番
- 魔界にも階級、上下関係が存在する模様。ネウロはこの階級制の中でも頭を下げた覚えがないらしい。
- 魔界地獄谷温泉
- まさにこの世の地獄絵図。死体と腐臭とマグマにあふれた絶叫スポット。浮かぶ白骨が偽物であることが発覚して客足が落ちた(2004年7月に白骨温泉で入浴剤が使われていたことが発覚して問題になっていたことのパロディだと思われる。)。「タオルもちこむな」という看板が立っている。
- 魔界魚
- 読んで字の如く魔界の魚。凶暴。温泉旅行編にて、ネウロが95度の源泉の中で戦わせて遊んでいたが逃げてしまい、ラストでは弥子の宿泊する宿の湯船に流れ着いていたというオチに。サイズはフナの十倍以上。オスなのか弥子との混浴に照れる一面も。
- 魔界のクリスマスツリー
- オーナメントに混じって死体がいくつも下がっている。ついでにXの赤い箱も下がっている。
- 魔界が嫉妬する髪
- 全長およそ420km、暗闇に紛れて襲いかかり、トリートメントと称して手当たり次第に周囲の生物の養分を吸う化け物髪。元ネタは花王のCM。
- 魔界の住人の元気な姿
- 斧で斬られたり爆発したり、謎の消化液(?)で溶かされたりして、どんどん肉片になっていく姿のこと。
コミックス
- 「脳髄の空腹」 ISBN 4-08-873834-9
- 「ひとりきりの歌姫」 ISBN 4-08-873854-3
- 「鮮明なる“X(アンノウン)”」 ISBN 4-08-873875-6
- 「犬に爆弾」 ISBN 4-08-874007-6
- 「鎧の兄弟」 ISBN 4-08-874043-2
- 「髪とハサミとキリトリ線」 ISBN 4-08-874113-7