「切歯」の版間の差分
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'''切歯'''(せっし、 |
'''切歯'''(せっし、incisor)は[[異歯型]]の[[哺乳類]]中の1番目の[[歯]]である。[[ヒト]]では'''切歯'''と呼び、[[動物]]では'''門歯'''(もんし、英語は同じ incisor)と呼ぶことが多い。[[ヒト]]の場合、前歯を構成する歯である。[[ヒト]]や[[ウマ]]のような多くの[[草食性]]や[[雑食性]]の哺乳類は、この切歯によって食物をかみ切ることに適応している。一方、[[ネコ]]や[[イヌ]]のような[[肉食性]]の動物では、切歯が小さく、かみ切る力は比較的弱く、肉をかみ切るには主に[[犬歯]]や[[裂肉歯]]を使う。かれらはこの小さな切歯を[[グルーミング|毛繕い]]に用いている。[[ゾウ]]の[[牙]]は、上顎切歯が変化したものである。[[ネズミ目]]の切歯は生涯成長し続け、物を齧る事で磨り減っていく。 |
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[[ヒト]]は、上下の中切歯4本、上下の側切歯4本の計8本(上下各左右2対)の切歯をもっている。他の[[霊長類]]、ネコ、ウマ等は12本(上下各左右3対)の切歯をもっている。ネズミ目の切歯は4本(上下各左右1対)である。[[ウサギ目]]の動物はかつてネズミ目に含まれると考えられていたが、切歯を6本(上左右2対・下左右1対)持っていることにより識別された。 |
[[ヒト]]は、上下の中切歯4本、上下の側切歯4本の計8本(上下各左右2対)の切歯をもっている。他の[[霊長類]]、ネコ、ウマ等は12本(上下各左右3対)の切歯をもっている。ネズミ目の切歯は4本(上下各左右1対)である。[[ウサギ目]]の動物はかつてネズミ目に含まれると考えられていたが、切歯を6本(上左右2対・下左右1対)持っていることにより識別された。 |
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2017年2月16日 (木) 12:11時点における版
切歯(せっし、incisor)は異歯型の哺乳類中の1番目の歯である。ヒトでは切歯と呼び、動物では門歯(もんし、英語は同じ incisor)と呼ぶことが多い。ヒトの場合、前歯を構成する歯である。ヒトやウマのような多くの草食性や雑食性の哺乳類は、この切歯によって食物をかみ切ることに適応している。一方、ネコやイヌのような肉食性の動物では、切歯が小さく、かみ切る力は比較的弱く、肉をかみ切るには主に犬歯や裂肉歯を使う。かれらはこの小さな切歯を毛繕いに用いている。ゾウの牙は、上顎切歯が変化したものである。ネズミ目の切歯は生涯成長し続け、物を齧る事で磨り減っていく。 ヒトは、上下の中切歯4本、上下の側切歯4本の計8本(上下各左右2対)の切歯をもっている。他の霊長類、ネコ、ウマ等は12本(上下各左右3対)の切歯をもっている。ネズミ目の切歯は4本(上下各左右1対)である。ウサギ目の動物はかつてネズミ目に含まれると考えられていたが、切歯を6本(上左右2対・下左右1対)持っていることにより識別された。
なお、ヒトの切歯もかつては上下各左右3対がにあったが、進化の途上で1対が失われた。失われたのはもっとも近心側の切歯であると考えられており、上顎中切歯間の口蓋側にまれに萌出する正中過剰歯は、その名残であるとされる。
ヒトの切歯
名称
現在、最も使われているのは、dens incisivus,Incisorの訳語として作られた切歯であるが、この他にもいくつかの名称がある。和名類聚抄には板齒との記載があり、この名称は解体新書でも使われている[1]。明治の初期の解剖学の書籍では、「門齒」という言葉が出てくる他、「前齒」という表記を犬歯と区別して切歯を示す言葉として使用している[1]。(現在では前歯という言葉は切歯と犬歯の両方を指す言葉である。)切歯という言葉が出てくるのは明治10年頃からである[1]。