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{{Otheruses|刀|ネコ科の1種|サーバル}}
[[Image:MuseeMarine-sabreOfficer-p1000451.jpg|thumb|right|240px|[[19世紀]][[フランス海軍]]の[[将校]]用サーベル]]
[[Image:MuseeMarine-sabreOfficer-p1000451.jpg|thumb|right|240px|[[19世紀]][[フランス海軍]]の[[将校]]用サーベル]]
'''サーベル'''({{lang-nl|sabel}})は、[[ヨーロッパ]]の片刃の[[刀]]である。
'''サーベル'''(洋刀、{{lang-nl|sabel}})は、[[ヨーロッパ]]の[[刀]]<ref group=注釈>刃渡りは806㎜から860㎜が好ましいとされ。</ref>


'''セーバー'''、'''セイバー'''({{lang-en|sabre, saber}})、'''サブル'''({{lang-fr|sabre}})とも。[[ポルトガル語]]のサブレ({{pt|sabre}})に由来。
'''セイバー'''({{lang-en|sabre, saber}})、'''サブル'''({{lang-fr|sabre}})[[ポルトガル語]]の'''サブレ'''({{pt|sabre}})に由来。


== 構造 ==
== 構造 ==
[[Image:Sabre mg 0644.jpg|thumb|right|200px|サーベルの柄の部分の一例 大きな「護拳」があるタイプの柄]]
[[Image:Sabre mg 0644.jpg|thumb|right|200px|サーベルの柄の部分の一例 大きな「護拳」があるタイプの柄]]
[[File:海軍長剣の柄部分と略刀緒.jpg|thumb|海軍長剣柄部分と略刀緒。柄は親粒付の鮫皮、金線を巻く。両手で握る大振りなもの。]]
[[File:海軍長剣の柄部分と略刀緒.jpg|thumb|海軍長剣柄部分と略刀緒。柄は親粒付の鮫皮、金線を巻く。両手で握る大振りなもの。]]
[[柄]]には護拳(ごけん、{{en|guard}})と呼ばれる枠状、もしくは半円の大きな[[鍔]]がついており、[[指]]や[[手]]を保護している。サーベルにはさまざまな長さのものがあるが、身に着けるときは常に腰から下げた[[鞘]]に収められている。
[[柄]]には護拳(ごけん、{{en|guard}})と呼ばれる枠状、もしくは半円や半球の大きな[[鍔]]がついており、[[指]]や[[手]]を保護している。サーベルにはさまざまな長さのものがあるが、身に着けるときは常に腰から下げた[[鞘]]に収められている。


== 由来 ==
== 由来 ==
その起源はわかっていないが、[[ファルシオン]]や[[シミター]]のデザインを元にしたと見られる。もともとは[[騎兵]]の武器として、それまでの直線状の[[剣]]に代わって使われ始めた。
その起源はわかっていないが、[[ファルシオン]]や[[シャムシール|シミター]]のデザインを元にしたと見られる。もともとは[[騎兵]]の武器として、それまでの直線状の[[剣]]に代わって使われ始めた。


== 使用 ==
== 使用 ==
サーベルは湾曲していために適している。ポーリッシュサーベルは鍔元から直線で中心あたりから大きく湾曲しそのカーブは日本刀よりも大きい。また、多くのサーベルは1/3ほどに裏刃がついていて手首を返すことで先端カットができる。乗馬して使用する場合、馬のスピードによって打撃力が強くなるため、肩を脱臼したり剣が抜けず[[落馬]]することもある。剣術ではセンターライン、フロントライン、と2つの中心線がある。[[剣道]]ではこの2つは同一だが、サーベルではセンターラインは馬の軸線(自分の腰から下のライン)フロントラインは敵は正面にはいないので敵に向けた上半身をいう。ガードには切っ先を下に腕を伸ばす防御と突撃の構えのほか、馬の首を守るガード、馬の尻を守るガード自分の足を守るガードなどがある。基本的に相手の馬を切るのは[[マナー]]違反とされているが、相手の手綱をったり、すれ違いざまに馬の尻を切ることもある。
サーベル騎兵が片手で扱えよう軽く、できるだけ長く作られた刀剣で、剣身は直刀タイプ、曲刀タイプ、半曲刀タイプがあ、その用法はそれぞれ刺突、斬撃、その両方を兼用と大別できる。<ref name=":0">{{Cite book|author=市川定春|title=武器と防具 西洋編|date=|year=|accessdate=|publisher=新紀元文庫|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>ポーリッシュサーベルは鍔元から直線で中心あたりから大きく湾曲しそのカーブは日本刀よりも大きい。また、多くのサーベルは1/3ほどに裏刃がついていて手首を返すことで先端カットができる。乗馬して使用する場合、馬のスピードによって打撃力が強くなるため、肩を脱臼したり剣が抜けず[[落馬]]することもある。剣術ではセンターライン、フロントライン、と2つの中心線がある。[[剣道]]ではこの2つは同一だが、サーベルではセンターラインは馬の軸線(自分の腰から下のライン)フロントラインは敵は正面にはいないので敵に向けた上半身をいう。ガードには切っ先を下に腕を伸ばす防御と突撃の構えのほか、馬の首を守るガード、馬の尻を守るガード自分の足を守るガードなどがある。基本的に相手の馬を切るのは[[マナー]]違反とされているが、相手の手綱をったり、すれ違いざまに馬の尻を切ることもある。


=== 軍隊 ===
=== 軍隊 ===
大小の火器が戦場で普及した16世紀以降、サーベルはポピュラーな刀剣となっていった。<ref name=":0" />敵を斬り下ろすに適した曲刀型のサーベルは[[軽騎兵]]や歩兵用の武器として使われ、直刀型のサーベルは斬るよりも刺し貫く用途に適しており、こちらは[[重騎兵]]に好まれた。<ref name=":1" />しかし、歩兵にとっては騎兵に対しても有効なリーチの長い銃剣の方が好まれ、歩兵が武器としてサーベルを使うことはほとんどなかった。<ref name=":1" />
時代を下ると、サーベルは多くの国の[[軍隊]]で[[軍刀]]として[[将校]]([[士官]])の[[軍隊における階級呼称一覧|階級]]を示すシンボルともなり、[[銃|銃器]]が主流兵器となってからも精神的・装飾的な意味合いとして携帯され続けた。[[20世紀]]初頭頃までは[[下士官]][[兵]]の間でも乗馬本分の騎兵が[[カービン|騎兵銃]]と共にサーベルを装備した。


近世以降のヨーロッパでは銃の発達とともに歩兵が単独で強力な火力を手に入れ、さらにパイク(長槍)兵との混合陣形を組むようになると、騎兵槍(ランス)を主武装とする[[槍騎兵]]の突撃は効果を得られなくなっていった。そのため騎兵槍はポーランドやハンガリーを除いて<ref name=":7">{{Cite book|author=|title=武器|date=|year=|accessdate=|publisher=マール社|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>ヨーロッパの戦場では廃れていった<ref name=":1">{{Cite book|author=|title=図解 ナポレオンの時代 武器・防具・戦術大全|date=|year=|accessdate=|publisher=レッカ社|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>。17世紀になると、中世以来の騎兵槍は戦場で使われることはほとんどなくなった<ref name=":2">{{Cite book|author=ハーピー・J・S・ウィザーズ|title=世界の刀剣歴史図鑑|date=|year=|accessdate=|publisher=原書房|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>が、一方で槍騎兵そのものは18世紀になるとポーランドやロシア、ハンガリーなどで一部復活していった。<ref name=":1" />これは、騎兵が槍を装備しなくなったため、騎兵の突撃に対処するために考えられた方陣などの歩兵陣形が必要なくなり、突撃に対しては脆弱だが銃を持つ歩兵が一斉射撃できるような横列隊形が主流になったからと考えられる。<ref name=":1" />多くの近世・近代ヨーロッパの騎兵は、刀剣類とピストルを同時に装備するようになっていった<ref>{{Cite book|author=松村劭|title=戦争学|date=|year=|accessdate=|publisher=文春新書|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref><ref name=":3">{{Cite book|author=|title=戦闘技術の歴史3 近世編|date=|year=|accessdate=|publisher=創元社|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>。
[[第一次世界大戦]]以降は軍隊自体や[[戦闘教義|戦闘ドクトリン]]等の更なる[[近代化]](一対一の斬り合いではなく銃撃戦が主になる)により、多くの国では将校[[准士官]]のサーベル(軍刀)佩用は[[正装]]や[[礼服|礼装]]時、[[栄誉礼]]や[[観兵式]]などの儀式時に限られるようになった。

18世紀の騎兵にとって、刀剣類は彼らの攻撃・防御に最も有効な武器であった<ref name=":2" />。そのころにはサーベルは多くの騎兵の主力武器となり<ref>{{Cite book|author=市川定春|title=武器事典|date=|year=|accessdate=|publisher=新紀元社|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>、ナポレオン時代には、直刀型のサーベルを装備した<ref name=":2" />フランスの胸甲騎兵はその時代の最強の騎兵として恐れられた。<ref name=":4">{{Cite book|author=|title=戦闘技術の歴史4 ナポレオンの時代編|date=|year=|accessdate=|publisher=創元社|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref><ref>{{Cite book|author=|title=戦略戦術兵器事典3 ヨーロッパ近代編|date=|year=|accessdate=|publisher=学研|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref><ref name=":1" />また、ナポレオン時代の槍騎兵もサブウェポンとしてカービン銃の他にサーベルを装備していた。敵騎兵との戦いでは、騎兵槍が乱戦で扱いにくいため、槍を捨てて接戦格闘でより効果的なサーベルを抜くことも珍しくなかった。<ref name=":4" />槍騎兵もサブウェポンのサーベルを引き抜くことで敵騎兵との乱戦に対応できた。<ref name=":1" />また槍騎兵連隊では一部の兵士に騎兵槍を装備させず、騎兵槍を持つ兵士をサーベルを主武器とする兵士が援護するようにしていた。<ref>{{Cite book|author=R・G・グラント|title=兵士の歴史大図鑑|date=|year=|accessdate=|publisher=創元社|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>ナポレオン戦争は、大規模な戦争としては刀剣が活躍した最後の舞台であった。<ref name=":6" />歩兵隊は刀剣を使用しなかったが、先に旗をつけた槍で武装する特殊軽騎兵連隊を除き、騎兵隊の攻撃用には相変わらず好まれていた。<ref name=":6" />騎兵のサーベルは他の騎兵隊や分散した歩兵、または集団の歩兵に対しては非常に有効な武器であったが<ref name=":6">{{Cite book|author=R・G・グラント|title=戦争の世界史大図鑑|date=|year=|accessdate=|publisher=河出書房新社|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>、長槍の代わりに銃剣で方陣を組んだ歩兵相手には何の役にも立たなかった。<ref name=":6" />

それでも第一次世界大戦までは騎兵の刀剣は重要な武器であり、騎兵槍の流行も第一次世界大戦までは続いた。<ref name=":7" />騎兵の突撃が時代遅れと認識されたのはアメリカでは南北戦争、ヨーロッパでは第一次世界大戦である。<ref>{{Cite book|title=武器と防具 中国編|date=|year=|publisher=新紀元社}}</ref>時代を下ると、サーベルは多くの国の[[軍隊]]で[[軍刀]]として[[将校]]([[士官]])の[[軍隊の階級|階級]]を示すシンボルともなり、[[銃|銃器]]が主流兵器となってからも精神的・装飾的な意味合いとして携帯され続けた。[[20世紀]]初頭頃までは[[下士官]][[兵]]の間でも、乗馬本分の兵種を中心に、騎兵・輜重兵・憲兵などで[[カービン|騎兵銃]]と共にサーベルが装備された。[[第一次世界大戦]]以降は軍隊自体や[[戦闘教義|戦闘ドクトリン]]等の更なる[[近代化]](一対一の斬り合いではなく銃撃戦が主になり、モータリゼーションが進んで「騎兵部隊」が名前だけの存在になる)により、多くの国では将校[[准士官]]のサーベル(軍刀)佩用は[[正装]]や[[礼服|礼装]]時、[[栄誉礼]]や[[観兵式]]などの儀式時に限られるようになり、その刀剣も必ずしも真剣ではなく模造刀を制作・利用する場合も出てきた。


==== 日本 ====
==== 日本 ====
[[File:大日本帝国陸軍尉官用軍刀.JPG|thumb|略刀緒をつけた尉官用旧型軍刀尉官用は背金に唐草模様がない]]
[[File:大日本帝国陸軍尉官用軍刀.JPG|thumb|略刀緒をつけた尉官用旧型軍刀尉官用は背金に唐草模様がない]]
[[File:海軍長剣(海軍旧型軍刀).jpg|thumb|海軍長剣(海軍旧型軍刀)鞘は鮫皮研出。海軍は短剣に対して軍刀を長剣と呼ぶ。]]
[[File:海軍長剣(海軍旧型軍刀).jpg|thumb|海軍長剣(海軍旧型軍刀)鞘は鮫皮研出。海軍は短剣に対して軍刀を長剣と呼ぶ。]]
[[Image:Banzai on Guanghua Gate01.jpg|thumb|right|200px|[[1937年]]当時の[[大日本帝国陸軍|日本陸軍]]。手前の[[歩兵連隊]]長は日本刀仕込みのサーベル(明治19年制式刀)をもって「投げ刀」の[[敬礼]]([[軍旗#大日本帝国陸軍|軍旗]]の敬礼)]]
[[Image:Banzai on Guanghua Gate01.jpg|thumb|right|200px|[[1937年]]当時の[[大日本帝国陸軍|日本陸軍]]。手前の[[歩兵連隊]]長は日本刀仕込みのサーベル(明治19年制式刀)をもって「投げ刀」の[[敬礼]]([[軍旗#大日本帝国陸軍|軍旗]]の敬礼)]]


{{main|軍刀#概要}}
{{main|軍刀#概要}}
[[日本軍|旧日本軍]]では、[[明治]]の建軍当初に将校と帯刀本分者たる下士官兵が佩用・装備する軍刀としてサーベル採用た。将校准士官将校准士官が佩する軍刀は[[軍服 (大日本帝国陸軍)|軍服]]と同じ服制の扱いであり[[兵器]]はない)は当初は外装のみならず刀身もサーベル(西洋型)であったが、これは[[日本人]]には馴染みの薄い片手握り刺突向きであること、また精神的な意味合いから将校准士官の間では[[日本刀]]をサーベル外装に仕込む事多かった。そのため明治中期頃には[[大日本帝国陸軍|陸軍]]・[[大日本帝国海軍|海軍]]共に「日本刀仕込みのサーベル」が制式とされ、[[昭和]]期に外装も[[太刀]]型へ改められるまで主用されていた。
[[日本軍|旧日本軍]]では、[[明治]]の建軍当初に将校と帯刀本分者たる下士官兵(上級下士官・騎兵・輜重兵・憲兵など)が佩用・装備する軍刀としてサーベル採用された。この軍の扱いは、将校用が[[兵器]]でなく[[軍服 (大日本帝国陸軍)|軍服]]と同じ服制の一部、自弁調達の必要がったのに対し、下士官兵用は官給品の兵器であった。当初は外装のみならず刀身もサーベル(西洋型)であったが、[[日本人]]片手握り刺突向きの薄い刀剣に馴染んいなかったこと精神的な意味合いから将校がサーベル外装に[[日本刀]]を仕込む事多かった。そのため明治中期頃には[[大日本帝国陸軍|陸軍]]・[[大日本帝国海軍|海軍]]共に、片手半ないし両手で保持できる長い柄・護拳を備えた「日本刀仕込みの将校用サーベル」が登場し、[[昭和]]期に外装も[[太刀]]型へ改められるまで主用されていた。下士官兵用の軍刀も、1935年(昭和10年)制式からは太刀型(鞘のみサーベル型)になった。一方で模造刀身が仕込まれ、将校が常勤時や演習時に佩用した「指揮刀」は片手サーベル様式のままであった。


儀礼刀としてのサーベルは現在の[[自衛隊]]でも使用されている。
儀礼刀としての片手用サーベルは現在の[[自衛隊]]でも使用されている。


=== 警察 ===
=== 警察 ===
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==== 日本 ====
==== 日本 ====
[[File:巡査サーベル.jpg|thumb|官給品の巡査サーベル。革刀緒付く。柄の護憲、背金は無垢真鍮、鞘は鉄鞘メッキ。巡査サーベルは短く脇差しサイズ。外装会社により柄等の形状に違いがある。]]
[[File:巡査サーベル.jpg|thumb|革刀緒が付された官給品の巡査サーベル。柄には護拳無いデザイン鍔と柄の背金は無垢真鍮、鞘は鉄鞘メッキ。巡査サーベルは短く脇差しサイズ。外装会社により柄等の形状に違いがある。]]
[[Image:Policeman at the Meiji era.jpg|thumb|right|200px|サーベルを持つ[[明治]]時代の[[日本の警察官]]<ref>[http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesa4903.htm#meiji5 写真でみる神奈川県警察の歴史 ら卒課当時の警察官(明治5年)]</ref>]]
[[Image:Japanese Policeman circa 1875.JPG|thumb|right|200px|サーベルを持つ[[明治]]時代の[[日本の警察官]]<ref>[http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesa4903.htm#meiji5 写真でみる神奈川県警察の歴史 ら卒課当時の警察官(明治5年)]</ref>]]


[[日本の警察]]で[[巡査]]に初めて帯剣が許されたのは[[1874年]]([[明治]]7年)8月5日であるが、このときは一等巡査(現在の[[警部補]]に相当)のみが許され、二等巡査以下は[[警棒]]や[[警杖]]を携帯していた。[[1877年]](明治10年)に[[西南戦争]]で[[抜刀隊]]が活躍し、それをきっかけに警察で[[警視流|剣術が奨励]]されたことなどにより、[[1883年]](明治16年)5月24日に下級巡査も帯剣できるようになった。[[幹部]]は刀身が私物の[[日本刀]]の場合もあり、外装も高級であった<ref>[http://blogs.yahoo.co.jp/mononofu_hayate/11147245.html 警察佩刀(筑前國住 左 安廣)]</ref>が、巡査は官給品のサーベル<ref>[http://blogs.yahoo.co.jp/mononofu_hayate/23358564.html 巡査サーベル]</ref>が多かった。
[[日本の警察]]で[[巡査]]に初めて帯剣が許されたのは[[1874年]]([[明治]]7年)8月5日であるが、このときは一等巡査(現在の[[警部補]]に相当)のみが許され、二等巡査以下は[[警棒]]や[[警杖]]を携帯していた。[[1877年]](明治10年)に[[西南戦争]]で[[抜刀隊]]が活躍し、それをきっかけに警察で[[警視流|剣術が奨励]]されたことなどにより、[[1883年]](明治16年)5月24日に下級巡査も帯剣できるようになった。[[幹部]]は刀身が私物の[[日本刀]]の場合もあり、外装も高級であった<ref>[https://web.archive.org/web/20130927124806/http://blogs.yahoo.co.jp/mononofu_hayate/11147245.html 警察佩刀(筑前國住 左 安廣)]</ref>が、巡査は官給品のサーベル<ref>[https://web.archive.org/web/20130927124803/http://blogs.yahoo.co.jp/mononofu_hayate/23358564.html 巡査サーベル]</ref>が多かった。


使用に際しては現在の警察官が[[拳銃]]を使用するのと同じぐらい厳しい制限があった。このため凶器を持った犯人を素手で捕らえようとして[[殉職]]した警察官が少なくなかった。戦前・戦中の日本の警察官の佩用していたサーベルは実戦的な武器としてよりも国家権力・権威の象徴という意味合いが強かった<ref>明治十七年一月内務省達乙三号「巡査帯剣心得方」</ref><ref>『陸軍戸山流で検証する日本刀真剣斬り』(並木書房、2006年)19-20ページ参照</ref><ref>『三重県警察史 第三巻』(三重県警察本部警務部警務課、昭和41年)585ページ参照</ref>。
戦前・戦中の日本の警察官の佩用していたサーベルは実戦的な武器としてよりも[[国家権力]][[権威]]の象徴という意味合いが強<ref>明治十七年一月内務省達乙三号「巡査帯剣心得方」</ref><ref>『陸軍戸山流で検証する日本刀真剣斬り』(並木書房、2006年)19-20ページ参照</ref><ref>『三重県警察史 第三巻』(三重県警察本部警務部警務課、昭和41年)585ページ参照</ref>、使用に際しては現在の警察官が[[拳銃]]を使用するのと同じぐらい厳しい制限があった。このため、凶器を持った犯人を素手で捕らえようとして[[殉職]]した警察官も少なくなかった


[[第二次世界大戦]]後、治安維持の目的で警察官の剣は認められていた。しかし進駐軍兵士が警察官の剣を上陸記念品として非常に欲しがり強奪する事件が相次
[[第二次世界大戦]]後、治安維持の目的で警察官の剣は認められていたが、進駐軍兵士が警察官の剣を上陸記念品として欲しがり強奪する事件が相次いだ
昭和20年12月に、鹿児島県鹿屋市で農業を営む男性から警察官佩剣禁止の請願<ref>官報1945年12月20日146p (特別報告第六三號)警察官ノ佩劍廢止ニ關スル請願 </ref>が第八十九回[[帝国議会]]の衆議院に提出され、昭和21年7月31日<ref>官報1946年7月31日 217p-218p 警察官及び消防官服制(昭和21年7月31日勅令第367号)</ref><ref group=注釈>ただし昭和21年7月31日の官報の警察官及び消防官服制には「從前の規定による制服は、當分の間、なほこれを用ひることができる。ただし、別表備考第六號に規定する場合を除いては、刀又は短刀は、これを佩用できない。(217p)」とあり、備考第六號では「警備上特別の必要があるときは、當分の間、從前の規定による刀又は短刀を佩用することができる。(218p)」とある。また「日本警察の沿革 : 維新から終戦まで(内務省警保局。昭和21年10月)」によれば「更に終戰後警察の民衆化が叫ばれ一面兇悪犯罪が大規模に頻發するに及び全國警察官吏の帯劔を廢し拳銃を携行せしむべく企圖されつゝある。(19p)」とある。なお、昭和22年には旧警察法(昭和22年12月17日法律第196号)が施行されて昭和29年に現行の警察法が施行されるまでは自治体警察となっており、装備に関する規定は従前のものが適用されたと考えられる。最終的に昭和二十九年政令第百五十一号警察法施行令(政令)、第九条において警察官に貸与される装備品から刀が除かれている。
昭和20年12月に鹿児島県鹿屋市で農業を営む男性から警察官佩剣禁止の請願が第八十九回[[帝国議会]]の衆議院に提出される。
日本の警察は昭和21年7月31日サーベル・短剣を廃止し、警棒と[[回転式拳銃]]を装備するようになった。
</ref>をもって日本の警察はサーベル・短剣を廃止し、警棒と[[拳銃#自動式拳銃|自動式]]ないし[[回転式拳銃|回転式の拳銃]]を装備するようになった。


== 武器以外として ==
== 武器以外として ==
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また、現代では、[[カラーガード]]の[[踊り]]の[[美術 (職業)#小道具|小道具]]としても使用されている。
また、現代では、[[カラーガード]]の[[踊り]]の[[美術 (職業)#小道具|小道具]]としても使用されている。

軍人の結婚式においてサーベルでアーチを作る伝統がある({{仮リンク|サーベルアーチ|en|Saber arch}})


== 派生語 ==
== 派生語 ==
* [[剣歯虎|サーベルタイガー]] - サーベルのような[[犬歯]]を持つ[[ネコ科]]の動物。
* [[剣歯虎|サーベルタイガー]] - サーベルのような[[犬歯]]を持つ[[ネコ科]]の動物。
* [[ライトセーバー]]・[[ビームサーベル]]・[[重力サーベル]] - 創作([[SF]])における刀剣状の武器。
* [[ライトセーバー]]・[[ビームサーベル]]・[[重力サーベル]] - 創作[[サイエンス・フィクション|SF]]における刀剣状の武器。
* [[F-86 (戦闘機)|F-86 セイバー]]・[[F-100 (戦闘機)|F-100 スーパーセイバー]] - [[ノースアメリカン]]社の戦闘機の愛称。
* [[F-86 (戦闘機)|F-86 セイバー]]・[[F-100 (戦闘機)|F-100 スーパーセイバー]] - [[ノースアメリカン]]社の戦闘機の愛称。
* [[ホンダ・セイバー]] - [[本田技研工業]]がかつて生産・販売していた[[自動車|普通乗用車]]、および[[大型自動二輪車]]。
* [[ホンダ・セイバー]] - [[本田技研工業]]がかつて生産・販売していた[[自動車|普通乗用車]]、および[[大型自動二輪車]]。
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== 脚注 ==
== 脚注 ==
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<references />
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注釈}}

=== 出典 ===
{{Reflist}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commons|Category:Sabre}}
* [[軍刀]]
* [[軍刀]]
* [[レイピア]]
* [[レイピア]]
*[[フェンシング]]
* [[フェンシング]]
* [[シャシュカ]]
* [[シャシュカ]]
* [[剣の舞]]
* [[大津事件]]
* [[サーベル登録拒否事件]]

== 外部リンク ==
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2024年10月11日 (金) 06:57時点における最新版

19世紀フランス海軍将校用サーベル

サーベル(洋刀、オランダ語: sabel)は、ヨーロッパ湾刀[注釈 1]

セイバー英語: sabre, saber)、サブルフランス語: sabre)、ポルトガル語サブレsabre)に由来。

構造

[編集]
サーベルの柄の部分の一例 大きな「護拳」があるタイプの柄
海軍長剣柄部分と略刀緒。柄は親粒付の鮫皮、金線を巻く。両手で握る大振りなもの。

には護拳(ごけん、guard)と呼ばれる枠状、もしくは半円や半球の大きながついており、を保護している。サーベルにはさまざまな長さのものがあるが、身に着けるときは常に腰から下げたに収められている。

由来

[編集]

その起源はわかっていないが、ファルシオンシミターのデザインを元にしたと見られる。もともとは騎兵の武器として、それまでの直線状のに代わって使われ始めた。

使用

[編集]

サーベルには騎兵が片手で扱えるように軽く、できるだけ長く作られた刀剣で、剣身は直刀タイプ、曲刀タイプ、半曲刀タイプがあり、その用法はそれぞれ刺突、斬撃、その両方を兼用と大別できる。[1]ポーリッシュサーベルは鍔元から直線で中心あたりから大きく湾曲しそのカーブは日本刀よりも大きい。また、多くのサーベルは1/3ほどに裏刃がついていて手首を返すことで先端カットができる。乗馬して使用する場合、馬のスピードによって打撃力が強くなるため、肩を脱臼したり剣が抜けず落馬することもある。剣術ではセンターライン、フロントライン、と2つの中心線がある。剣道ではこの2つは同一だが、サーベルではセンターラインは馬の軸線(自分の腰から下のライン)フロントラインは敵は正面にはいないので敵に向けた上半身をいう。ガードには切っ先を下に腕を伸ばす防御と突撃の構えのほか、馬の首を守るガード、馬の尻を守るガード、自分の足を守るガードなどがある。基本的に相手の馬を切るのはマナー違反とされているが、相手の手綱を断ったり、すれ違いざまに馬の尻を切ることもある。

軍隊

[編集]

大小の火器が戦場で普及した16世紀以降、サーベルはポピュラーな刀剣となっていった。[1]敵を斬り下ろすに適した曲刀型のサーベルは軽騎兵や歩兵用の武器として使われ、直刀型のサーベルは斬るよりも刺し貫く用途に適しており、こちらは重騎兵に好まれた。[2]しかし、歩兵にとっては騎兵に対しても有効なリーチの長い銃剣の方が好まれ、歩兵が武器としてサーベルを使うことはほとんどなかった。[2]

近世以降のヨーロッパでは銃の発達とともに歩兵が単独で強力な火力を手に入れ、さらにパイク(長槍)兵との混合陣形を組むようになると、騎兵槍(ランス)を主武装とする槍騎兵の突撃は効果を得られなくなっていった。そのため騎兵槍はポーランドやハンガリーを除いて[3]ヨーロッパの戦場では廃れていった[2]。17世紀になると、中世以来の騎兵槍は戦場で使われることはほとんどなくなった[4]が、一方で槍騎兵そのものは18世紀になるとポーランドやロシア、ハンガリーなどで一部復活していった。[2]これは、騎兵が槍を装備しなくなったため、騎兵の突撃に対処するために考えられた方陣などの歩兵陣形が必要なくなり、突撃に対しては脆弱だが銃を持つ歩兵が一斉射撃できるような横列隊形が主流になったからと考えられる。[2]多くの近世・近代ヨーロッパの騎兵は、刀剣類とピストルを同時に装備するようになっていった[5][6]

18世紀の騎兵にとって、刀剣類は彼らの攻撃・防御に最も有効な武器であった[4]。そのころにはサーベルは多くの騎兵の主力武器となり[7]、ナポレオン時代には、直刀型のサーベルを装備した[4]フランスの胸甲騎兵はその時代の最強の騎兵として恐れられた。[8][9][2]また、ナポレオン時代の槍騎兵もサブウェポンとしてカービン銃の他にサーベルを装備していた。敵騎兵との戦いでは、騎兵槍が乱戦で扱いにくいため、槍を捨てて接戦格闘でより効果的なサーベルを抜くことも珍しくなかった。[8]槍騎兵もサブウェポンのサーベルを引き抜くことで敵騎兵との乱戦に対応できた。[2]また槍騎兵連隊では一部の兵士に騎兵槍を装備させず、騎兵槍を持つ兵士をサーベルを主武器とする兵士が援護するようにしていた。[10]ナポレオン戦争は、大規模な戦争としては刀剣が活躍した最後の舞台であった。[11]歩兵隊は刀剣を使用しなかったが、先に旗をつけた槍で武装する特殊軽騎兵連隊を除き、騎兵隊の攻撃用には相変わらず好まれていた。[11]騎兵のサーベルは他の騎兵隊や分散した歩兵、または集団の歩兵に対しては非常に有効な武器であったが[11]、長槍の代わりに銃剣で方陣を組んだ歩兵相手には何の役にも立たなかった。[11]

それでも第一次世界大戦までは騎兵の刀剣は重要な武器であり、騎兵槍の流行も第一次世界大戦までは続いた。[3]騎兵の突撃が時代遅れと認識されたのはアメリカでは南北戦争、ヨーロッパでは第一次世界大戦である。[12]時代を下ると、サーベルは多くの国の軍隊軍刀として将校士官)の階級を示すシンボルともなり、銃器が主流兵器となってからも精神的・装飾的な意味合いとして携帯され続けた。20世紀初頭頃までは下士官の間でも、乗馬本分の兵種を中心に、騎兵・輜重兵・憲兵などで騎兵銃と共にサーベルが装備された。第一次世界大戦以降は軍隊自体や戦闘ドクトリン等の更なる近代化(一対一の斬り合いではなく銃撃戦が主になり、モータリゼーションが進んで「騎兵部隊」が名前だけの存在になる)により、多くの国では将校准士官のサーベル(軍刀)佩用は正装礼装時、栄誉礼観兵式などの儀式時に限られるようになり、その刀剣も必ずしも真剣ではなく模造刀を制作・利用する場合も出てきた。

日本

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略刀緒をつけた尉官用旧型軍刀。尉官用は背金に唐草模様がない
海軍長剣(海軍旧型軍刀)鞘は鮫皮研出。海軍は短剣に対して軍刀を長剣と呼ぶ。
1937年当時の日本陸軍。手前の歩兵連隊長は日本刀仕込みのサーベル(明治19年制式刀)をもって「投げ刀」の敬礼軍旗の敬礼)

旧日本軍では、明治の建軍当初に将校と帯刀本分者たる下士官兵(上級下士官・騎兵・輜重兵・憲兵など)が佩用・装備する軍刀としてサーベルが採用された。この軍刀の扱いは、将校用が兵器ではなく軍服と同じ服制の一部で、自弁調達の必要があったのに対し、下士官兵用は官給品の兵器であった。当初は外装のみならず刀身もサーベル(西洋型)であったが、日本人が片手握り・刺突向きの薄い刀剣に馴染んでいなかったことや精神的な意味合いから、将校がサーベル外装に日本刀を仕込む事も多かった。そのため明治中期頃には、陸軍海軍共に、片手半ないし両手で保持できる長い柄・護拳を備えた「日本刀仕込みの将校用サーベル」が登場し、昭和期に外装も太刀型へ改められるまで主用されていた。下士官兵用の軍刀も、1935年(昭和10年)制式からは太刀型(鞘のみサーベル型)になった。一方で模造刀身が仕込まれ、将校が常勤時や演習時に佩用した「指揮刀」は片手サーベル様式のままであった。

儀礼刀としての片手用サーベルは現在の自衛隊でも使用されている。

警察

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19世紀から20世紀初頭~中期ごろまで、いくつかの国の警察でも警察官の武器として使用されたが、のちに人道的な理由などから徐々に警棒などに置き換えられた。

日本

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革刀緒が付された官給品の巡査サーベル。柄には護拳が無いデザイン。鍔と柄の背金は無垢真鍮、鞘は鉄鞘メッキ。巡査サーベルは短く脇差しサイズ。外装会社により柄等の形状に違いがある。
サーベルを持つ明治時代の日本の警察官[13]

日本の警察巡査に初めて帯剣が許されたのは1874年明治7年)8月5日であるが、このときは一等巡査(現在の警部補に相当)のみが許され、二等巡査以下は警棒警杖を携帯していた。1877年(明治10年)に西南戦争抜刀隊が活躍し、それをきっかけに警察で剣術が奨励されたことなどにより、1883年(明治16年)5月24日に下級巡査も帯剣できるようになった。幹部は刀身が私物の日本刀の場合もあり、外装も高級であった[14]が、巡査は官給品のサーベル[15]が多かった。

戦前・戦中の日本の警察官の佩用していたサーベルは実戦的な武器としてよりも国家権力権威の象徴という意味合いが強く[16][17][18]、使用に際しては現在の警察官が拳銃を使用するのと同じぐらい厳しい制限があった。このため、凶器を持った犯人を素手で捕らえようとして殉職した警察官も少なくなかった。

第二次世界大戦後も、治安維持の目的で警察官の帯剣は認められていたが、進駐軍兵士が警察官の剣を上陸記念品として欲しがり強奪する事件が相次いだ。 昭和20年12月に、鹿児島県鹿屋市で農業を営む男性から警察官佩剣禁止の請願[19]が第八十九回帝国議会の衆議院に提出され、昭和21年7月31日[20][注釈 2]をもって日本の警察はサーベル・短剣を廃止し、警棒と自動式ないし回転式の拳銃を装備するようになった。

武器以外として

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このサーベルから派生した武器が、夏季オリンピックの競技の一つであるフェンシングにおいてサーブルフランス語: sabre)の名前で使われている。

また、現代では、カラーガード踊り小道具としても使用されている。

軍人の結婚式においてサーベルでアーチを作る伝統がある(サーベルアーチ英語版

派生語

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脚注

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注釈

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  1. ^ 刃渡りは806㎜から860㎜が好ましいとされる。
  2. ^ ただし昭和21年7月31日の官報の警察官及び消防官服制には「從前の規定による制服は、當分の間、なほこれを用ひることができる。ただし、別表備考第六號に規定する場合を除いては、刀又は短刀は、これを佩用できない。(217p)」とあり、備考第六號では「警備上特別の必要があるときは、當分の間、從前の規定による刀又は短刀を佩用することができる。(218p)」とある。また「日本警察の沿革 : 維新から終戦まで(内務省警保局。昭和21年10月)」によれば「更に終戰後警察の民衆化が叫ばれ一面兇悪犯罪が大規模に頻發するに及び全國警察官吏の帯劔を廢し拳銃を携行せしむべく企圖されつゝある。(19p)」とある。なお、昭和22年には旧警察法(昭和22年12月17日法律第196号)が施行されて昭和29年に現行の警察法が施行されるまでは自治体警察となっており、装備に関する規定は従前のものが適用されたと考えられる。最終的に昭和二十九年政令第百五十一号警察法施行令(政令)、第九条において警察官に貸与される装備品から刀が除かれている。

出典

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  1. ^ a b 市川定春. 武器と防具 西洋編. 新紀元文庫 
  2. ^ a b c d e f g 図解 ナポレオンの時代 武器・防具・戦術大全. レッカ社 
  3. ^ a b 武器. マール社 
  4. ^ a b c ハーピー・J・S・ウィザーズ. 世界の刀剣歴史図鑑. 原書房 
  5. ^ 松村劭. 戦争学. 文春新書 
  6. ^ 戦闘技術の歴史3 近世編. 創元社 
  7. ^ 市川定春. 武器事典. 新紀元社 
  8. ^ a b 戦闘技術の歴史4 ナポレオンの時代編. 創元社 
  9. ^ 戦略戦術兵器事典3 ヨーロッパ近代編. 学研 
  10. ^ R・G・グラント. 兵士の歴史大図鑑. 創元社 
  11. ^ a b c d R・G・グラント. 戦争の世界史大図鑑. 河出書房新社 
  12. ^ 武器と防具 中国編. 新紀元社 
  13. ^ 写真でみる神奈川県警察の歴史 ら卒課当時の警察官(明治5年)
  14. ^ 警察佩刀(筑前國住 左 安廣)
  15. ^ 巡査サーベル
  16. ^ 明治十七年一月内務省達乙三号「巡査帯剣心得方」
  17. ^ 『陸軍戸山流で検証する日本刀真剣斬り』(並木書房、2006年)19-20ページ参照
  18. ^ 『三重県警察史 第三巻』(三重県警察本部警務部警務課、昭和41年)585ページ参照
  19. ^ 官報1945年12月20日146p (特別報告第六三號)警察官ノ佩劍廢止ニ關スル請願
  20. ^ 官報1946年7月31日 217p-218p 警察官及び消防官服制(昭和21年7月31日勅令第367号)

関連項目

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外部リンク

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