「排外主義」の版間の差分
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[[File:The Chinese Must Go - Magic Washer - 1886 anti-Chinese US cartoon.jpg|thumb|[[中国人排斥法]]に関して19世紀に描かれたアメリカ合衆国の人種差別風刺画]] |
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'''排外主義'''(はいがいしゅぎ)とは、[[外国人]]や外国製の[[商品]]、[[思想]]を排斥すべきだとする思想傾向。'''外国嫌い'''(がいこくぎらい)や'''ゼノフォビア'''(英: xenophobia)ともいう。 |
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'''排外主義'''(はいがいしゅぎ)とは、外国人や外国を排斥する考え方や立場のこと<ref name="コトバンク">[https://kotobank.jp/word/%E6%8E%92%E5%A4%96%E4%B8%BB%E7%BE%A9-684494 排外主義]</ref>。 |
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==類義語== |
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排外主義に関連する語として、'''[[外国人嫌悪|ゼノフォビア]]'''([[:en:Xenophobia|xenophobia]])、'''ショーヴィニズム'''([[:en:Chauvinism|chauvinism]])や'''[[ジンゴイズム]]'''([[:en:Jingoism|jingoism]])があ |
排外主義に関連する語として、'''反移民'''、'''[[外国人嫌悪|ゼノフォビア]]'''([[:en:Xenophobia|xenophobia]])、'''ネイティビズム'''([[:en:Nativism|nativism]])、'''[[ショーヴィニズム]]'''([[:en:Chauvinism|chauvinism]])や'''[[ジンゴイズム]]'''([[:en:Jingoism|jingoism]])があり、{{要出典範囲|通常、「排外主義」という場合にはこのゼノフォビアが同義語に充てられる。|date=2019年5月}}「ショーヴィニズム」は、[[愛国主義]]を排他的に高揚させ、他の国家や民族に対する攻撃的敵対感情に昇華させるもので、「男性至上主義」は、英語では「male chauvinism」と呼ばれる。由来は、[[石版画]]と[[戯曲]]に登場し、[[ナポレオン・ボナパルト]]を崇拝したとされる[[フランス]]兵の[[ニコラ・ショーヴァン]]から。「ジンゴイズム」は、排外的愛国主義、盲目的主戦論、対外強硬論を指す言葉である。 |
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「ゼノフォビア」は、外国嫌いや、外来の人物や風習を'''嫌悪・排斥'''することを指す語であり、「[[攘夷論|攘夷]]」に近い意味合いである。通常、「排外主義」という場合にはこのゼノフォビアが同義語に充てられる。これに対し「ショーヴィニズム」は、外国の嫌悪と同時に'''自国の優越'''を強調する語で、「○○至上主義」「○○優越主義」に近い語である。例えば、「男性至上主義」は、英語では「male chauvinism」と呼ばれる。由来は、[[石版画]]と[[戯曲]]に登場し、[[ナポレオン・ボナパルト]]を崇拝したとされる[[フランス]]兵の[[ニコラ・ショーヴァン]]から。また「ジンゴイズム」は、好戦的な排外・愛国主義を指す語で、'''戦争を辞さない'''姿勢を強調する。 |
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19世紀から20世紀にかけて成立した[[国民国家]]がその成立過程で国内の[[社会的少数者]]を国外に追放したり、虐殺したりした事例が多くある。[[20世紀]]には[[ナチス・ドイツ]]が[[ユダヤ人]]・[[ロマ]]・[[スラブ人]]の追放政策を実行(後にユダヤ人・ロマに関しては追放から[[ホロコースト|絶滅政策]]に転換)、戦後はドイツ人が東欧諸国の排外主義による[[ドイツ人追放]]に遭った。民主国家である[[アメリカ合衆国]]でも[[清教徒]]が[[カトリック]]のメキシコ人を認めず排斥したり、[[アンドリュー・ジャクソン]]の「先住民強制移住法」による先住民の強制排除<ref>{{Cite web|和書|author=茂木誠|date=2019-07-01|url=https://president.jp/articles/-/28894|title=アメリカ人がトランプを選んだ納得の理由|website=プレジデントオンライン|publisher=プレジデント社|page=1|accessdate=2019-12-07}}</ref>、[[黄禍論]]が唱えられたり[[排日移民法]]が制定されたりした事実がある。 |
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日本本土、朝鮮半島では[[朝鮮排華事件]]が起きた。[[山川均]]は中国政府が[[反日教育|抗日教育]]を普及して[[反日感情|抗日感情]]を煽ったことが、1937年の[[通州事件]]における鬼畜以上の残虐性に繋がったとして、人間の一皮下に隠れている鬼畜が排外主義と国民感情で扇動すると鼻孔に針金を通すまでになると扇動を批評している<ref name="matsuda">「[http://www.kaikosha.or.jp/_userdata/kin-10.pdf 通州事件について]」[[偕行社]]近現代史研究会報告第10回、平成19年(2007年)10月号。</ref>。[[茂木誠]]によれば、[[ドナルド・トランプ]]政権は建国以来の本来の米国の姿に先祖返りしただけであり、[[ブレクジット]]は「光栄ある孤立」への回帰かもしれないとされる<ref>{{Cite web|和書|author=茂木誠|date=2019-07-01|url=https://president.jp/articles/-/28894?page=2|title=アメリカ人がトランプを選んだ納得の理由|website=プレジデントオンライン|publisher=プレジデント社|page=2|accessdate=2019-12-07}}</ref>。 |
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いずれの語に相当する現象も、不況期に強く現れる傾向があるが、好況期に現れる場合もある。 |
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19世紀から20世紀にかけて成立した[[国民国家]]がその成立過程で国内の[[社会的少数者]]を国外に追放したり、虐殺したりした事例が多くある。[[20世紀]]には[[ナチス・ドイツ]]が東欧の[[ユダヤ人]]・[[ロマ]]・[[スラブ人]]の追放政策を実行(後にユダヤ人に関しては追放から[[ホロコースト|絶滅政策]]に転換)、戦後はドイツ人が東欧諸国の排外主義による[[ドイツ人追放]]に遭った。民主国家である[[アメリカ合衆国]]でも[[黄禍論]]が唱えられたり[[排日移民法]]が制定されたりした事実がある。日本本土、朝鮮半島では[[朝鮮排華事件]]が起きた。[[山川均]]は中国政府が[[反日教育|抗日教育]]を普及して[[反日感情|抗日感情]]を煽ったことが、1937年の[[通州事件]]における鬼畜以上の残虐性に繋がったとして、人間の一皮下に隠れている鬼畜が排外主義と国民感情で扇動すると鼻孔に針金を通すまでになると扇動を批評している<ref name="matsuda">「[http://www.kaikosha.or.jp/_userdata/kin-10.pdf 通州事件について]」[[偕行社]]近現代史研究会報告第10回、平成19年(2007年)10月号。</ref>。 |
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== 現代 == |
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現代は[[移民]]や[[外国人労働者]]を数多く受け入れ、[[失業率]]が高い国家で唱えられる排外的な主張が社会問題化しており、[[オーストラリア]]の[[在豪インド人連続襲撃事件|カレー・バッシング]]は国際問題化している。[[ヨーロッパ|欧州]]では、各国で極右政党も台頭している。「邦人が外国人に[[仕事]]を奪われたこと」や「[[外国人犯罪]]が激増し、[[治安]]が悪くなったこと」「外国人が出身地の習慣に固執し、地域社会に溶け込もうとしないこと」などによるものである。 |
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また、歴史的な被害者意識から排外主義に走ったり、政府批判がタブーになっているために鬱積した不満が外国人に向けられていることがしばしばある。20世紀の中国に見られた[[排日運動]]や、現代中国の反日・反仏暴動、モンゴルにおける反中主義も、明白な排外主義の現れである。 |
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また、排外主義から派生するものに、[[新攘夷運動 排害社]]代表の[[金友隆幸]]により提唱されている'''[[排害主義]]'''がある。排害主義は、共同体の内部に含まれている害となる存在を排除することを基軸に置く思想。これらは、他の例とは違い珍しく「排外主義者」を自認している者たちである。 |
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== 排外主義を主張 |
== 排外主義を主張しているとされる団体・政党 == |
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*{{USA}} - [[クー・クラックス・クラン]]、[[アメリカ・ナチ党]] |
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*[[アクション・フランセーズ]]、[[国民 |
*{{FRA}} - [[アクション・フランセーズ]]、[[国民連合 (フランス)|国民戦線]] |
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*{{DEU}} - [[ドイツ国家民主党]]、[[ドイツのための選択肢]] |
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*{{RUS}} - [[ロシア自由民主党]]、[[国家ボリシェヴィキ党]] |
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** ''[[ロシアの政党#民族主義・愛国主義]]も参照の事。'' |
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*{{AFG}} - [[ターリバーン]] |
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== 風刺作品 == |
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* アニメ「[[ザ・シンプソンズ]]」 |
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** [[ザ・シンプソンズのエピソード一覧#シーズン20|シーズン20]] 第21回「[[スプリングフィールドへ大移動]](原題:"[[:en:Coming to Homerica|Coming to Homerica]]")」([[専門チャンネル]][[フォックス放送|FOX]]) |
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* 演劇「[[ツレがウヨになりまして。]]」 |
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* [[水晶の夜]]、[[反日デモ]]、[[五四運動]]、[[義和団の乱]] |
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* [[フィアモンガリング]] |
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* [[外国人恐怖症]] |
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* [[嫌韓]]/[[嫌中]]/[[ネット右翼]] |
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* [[ミーンワールド症候群]] |
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* [[外国人恐怖症]]、[[黄禍論]]、[[タタールのくびき#モンゴル支配からの脱却]]、[[攘夷論]]、[[尊皇攘夷]]、[[暴支膺懲]]、[[脱亜入欧]] |
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* [[根本的な帰属の誤り]] |
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* [[カントリーリスク]] |
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* [[同調現象]] |
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排外主義(はいがいしゅぎ)とは、外国人や外国を排斥する考え方や立場のこと[1]。
類義語
[編集]排外主義に関連する語として、反移民、ゼノフォビア(xenophobia)、ネイティビズム(nativism)、ショーヴィニズム(chauvinism)やジンゴイズム(jingoism)があり、通常、「排外主義」という場合にはこのゼノフォビアが同義語に充てられる。[要出典]「ショーヴィニズム」は、愛国主義を排他的に高揚させ、他の国家や民族に対する攻撃的敵対感情に昇華させるもので、「男性至上主義」は、英語では「male chauvinism」と呼ばれる。由来は、石版画と戯曲に登場し、ナポレオン・ボナパルトを崇拝したとされるフランス兵のニコラ・ショーヴァンから。「ジンゴイズム」は、排外的愛国主義、盲目的主戦論、対外強硬論を指す言葉である。
歴史
[編集]19世紀から20世紀にかけて成立した国民国家がその成立過程で国内の社会的少数者を国外に追放したり、虐殺したりした事例が多くある。20世紀にはナチス・ドイツがユダヤ人・ロマ・スラブ人の追放政策を実行(後にユダヤ人・ロマに関しては追放から絶滅政策に転換)、戦後はドイツ人が東欧諸国の排外主義によるドイツ人追放に遭った。民主国家であるアメリカ合衆国でも清教徒がカトリックのメキシコ人を認めず排斥したり、アンドリュー・ジャクソンの「先住民強制移住法」による先住民の強制排除[2]、黄禍論が唱えられたり排日移民法が制定されたりした事実がある。
日本本土、朝鮮半島では朝鮮排華事件が起きた。山川均は中国政府が抗日教育を普及して抗日感情を煽ったことが、1937年の通州事件における鬼畜以上の残虐性に繋がったとして、人間の一皮下に隠れている鬼畜が排外主義と国民感情で扇動すると鼻孔に針金を通すまでになると扇動を批評している[3]。茂木誠によれば、ドナルド・トランプ政権は建国以来の本来の米国の姿に先祖返りしただけであり、ブレクジットは「光栄ある孤立」への回帰かもしれないとされる[4]。
排外主義を主張しているとされる団体・政党
[編集]この節に雑多な内容が羅列されています。 |
※現存しないものを含む。
- 日本 - 右翼団体、国家社会主義日本労働者党、新攘夷運動 排害社、新社会運動、維新政党・新風、在日特権を許さない市民の会、日本保守党
- 各種ネオナチ団体 - 欧米諸国、モンゴル
- アメリカ合衆国 - クー・クラックス・クラン、アメリカ・ナチ党
- イギリス - イングランド防衛同盟
- フランス - アクション・フランセーズ、国民戦線
- ドイツ - ドイツ国家民主党、ドイツのための選択肢
- ロシア - ロシア自由民主党、国家ボリシェヴィキ党
- ロシアの政党#民族主義・愛国主義も参照の事。
- アフガニスタン - ターリバーン
- ISILイラクレバントのイスラム国
- イスラエル - イスラエル我が家、カハ
- ギリシャ - 黄金の夜明け (ギリシャの政党)
- オーストリア - オーストリア自由党、オーストリア未来同盟
- デンマーク - デンマーク国民党
- ブルガリア - アタカ国民連合
- ウクライナ - 右派セクター
- インド - シヴ・セーナー
- 南アフリカ共和国 - アフリカーナー抵抗運動
- 清朝 - 義和団
風刺作品
[編集]- アニメ「ザ・シンプソンズ」
- シーズン20 第21回「スプリングフィールドへ大移動(原題:"Coming to Homerica")」(専門チャンネルFOX)
脚注
[編集]- ^ 排外主義
- ^ 茂木誠 (2019年7月1日). “アメリカ人がトランプを選んだ納得の理由”. プレジデントオンライン. プレジデント社. p. 1. 2019年12月7日閲覧。
- ^ 「通州事件について」偕行社近現代史研究会報告第10回、平成19年(2007年)10月号。
- ^ 茂木誠 (2019年7月1日). “アメリカ人がトランプを選んだ納得の理由”. プレジデントオンライン. プレジデント社. p. 2. 2019年12月7日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 欧州で勢いを増す反移民感情・極右発言 - スラヴォイ・ジジェク、デモクラシー・ナウ、2010/10/18