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「スバル・EL15」の版間の差分

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2017年4月20日 (木) 08:35時点における版

EL15とは、富士重工業水平対向4気筒ガソリンエンジンである。EJ15の後継機種として、2006年から2011年までスバル・インプレッサシリーズに搭載された。

EL15型水平対向4気筒エンジン

概要

2006年に行われたインプレッサシリーズの部分改良で追加された新グレード「1.5R」に初めて搭載された[1]。なお、この部分改良以前から存在するグレード「1.5i」にはEJ15が継続して搭載されていた。翌年行われたフルモデルチェンジにより、同車の1.5Lグレード「15S」(後に「1.5i」に変更[2])はEL15を搭載しEJ15は消滅、同社の1.5LエンジンはEL15へと完全に引き継がれた[3]

海外については地域により採用時期が異なるが、EJ15、EJ16に代わり、3代目インプレッサからは全てEL15へ切り替わっている。

構造的にはEJ型エンジンを基本としており、多くの部品を共用している。

搭載車種

基本仕様

  • 種類:1.5L DOHC 16バルブ EGI
  • 排気量:1,498cc
  • 内径×行程: 77.7 mm×79.0 mm
  • 圧縮比:10.1
  • 最大出力:110PS(81kW)/6,400rpm
  • 最大トルク:14.7kgf·m(144N·m)/3,200rpm
  • 使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
  • 可変動弁機構:吸気AVCS

基本仕様にはその変化が現れないが、2007年のインプレッサフルモデルチェンジ後のEL15はシリンダーヘッドやピストンなど一部本体部品まで変更されている[4]

EJエンジンとの関係

EL15は基本構造、使用部品の観点から、新エンジンというよりもEJ型エンジンシリーズの一つと考えることができる。

ボアピッチが113mmで共通なだけでなく、シリンダーブロック及びシリンダーヘッドについてはEJ型エンジンのものを改良して使用している。クランクシャフトコンロッドは行程が同一であるEJ25のものを流用し、AVCS関係の部品についてもDOHCのEJエンジンと同一のものが適用されている[5]。補機類についてもEJエンジンとの共通部品が多いため、エンジン全体で見てもDOHCのEJエンジンとの見分けはつきにくい。

EL15発表後、EJエンジンの後継としてEL20やEL25が開発されているのではないかとの憶測もあったが、その後の新モデルでもEJ20、EJ25が搭載され続けた。上記のようにEL15はEJエンジンの派生であり、また2007年には新世代の水平対向エンジンを2010年に投入することがアナウンスされ[6]、その後、2010年9月にEJエンジンの正式な後継となる新世代のボクサーエンジン、FB型エンジンの開発が正式発表[7]されたため、EL20やEL25といったエンジンは開発されなかったものと思われる。

脚注・出典

  1. ^ スバル インプレッサシリーズを一部改良富士重工業ニュースリリース、2006年6月19日
  2. ^ スバル インプレッサ シリーズを一部改良あわせて4ドアモデル「インプレッサ アネシス」を追加設定富士重工業ニュースリリース、2008年10月8日
  3. ^ スバル インプレッサ シリーズをフルモデルチェンジ富士重工業ニュースリリース、2007年6月5日
  4. ^ 『スバル技報第34号』2007年6月発行
  5. ^ 『スバル技報第33号』2006年6月発行
  6. ^ 『スバルの環境対応技術、安全技術に関する取り組みについて』2007年12月25日発表
  7. ^ 『富士重工業、新世代ボクサーエンジンを開発』 (PDF) 2010年9月23日発表

関連項目