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当作品は、[[2007年]]の単発スペシャル『[[必殺仕事人2007]]』、[[2009年]]の単発スペシャル・[[朝日放送・テレビ朝日金曜9時枠の連続ドラマ|連続ドラマ]]の『[[必殺仕事人2009]]』に続くものである。 |
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上述の2作品にも出演し、長年[[必殺シリーズ]]で[[中村主水]]を演じてきた[[藤田まこと]]も出演予定であったが、[[2010年]][[2月17日]]に死去<ref name="oricon76308" />。これに伴い、藤田の追悼特番の意味合いも込めて制作された本作には、[[番組宣伝]]や公式サイトで「'''追悼・藤田まことさん'''」や「'''“中村主水”に捧ぐ-'''」という[[キャッチコピー|キャッチフレーズ]]が使用されている。また、回想シーンでは[[早坂暁]]による『[[必殺仕事人]]』のOPナレーションを引用し、哀悼の意を表した。 |
2017年9月23日 (土) 02:45時点における版
必殺仕事人2010 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 森下直 |
監督 | 石原興 |
出演者 |
東山紀之 松岡昌宏 田中聖 和久井映見 内藤剛志 谷村美月 野際陽子 中越典子 藤田まこと 小澤征悦 前田亜季 かたせ梨乃 津川雅彦 |
ナレーター | 春風亭小朝 |
エンディング | The SHIGOTONIN「鏡花水月」 |
製作 | |
プロデューサー |
内山聖子(テレビ朝日) 柴田聡(ABC) 武田功(松竹) 渡邊竜(松竹) |
制作 |
ABC テレビ朝日 |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2010年7月10日 |
放送時間 | 土曜21:00 - 23:06 |
放送分 | 126分 |
回数 | 1 |
公式サイト |
ドラマ |
『必殺仕事人2010』(ひっさつしごとにん にせんじゅう)は、2010年7月10日の土曜日21:00 - 23:06に、ABCとテレビ朝日が共同製作・テレビ朝日系で放送された時代劇[1]。主演は東山紀之。
視聴率は関東地区で14.4%、関西地区で19.9%を記録した。
概要
当作品は、2007年の単発スペシャル『必殺仕事人2007』、2009年の単発スペシャル・連続ドラマの『必殺仕事人2009』に続くものである。
上述の2作品にも出演し、長年必殺シリーズで中村主水を演じてきた藤田まことも出演予定であったが、2010年2月17日に死去[1]。これに伴い、藤田の追悼特番の意味合いも込めて制作された本作には、番組宣伝や公式サイトで「追悼・藤田まことさん」や「“中村主水”に捧ぐ-」というキャッチフレーズが使用されている。また、回想シーンでは早坂暁による『必殺仕事人』のOPナレーションを引用し、哀悼の意を表した。
本作では藤田に代わり、内藤剛志が「流し」の仕事人役として参加している。脚本については派遣切り、公共事業削減・事業仕分けといった、放映当時の世相を反映した要素が盛り込まれている。また、放送形態については、シリーズ初の解説放送が行われた[2]。
キャスト
『仕事人2009』のレギュラーのほかに、新キャストが参加している。
仕事人
- 渡辺小五郎(わたなべ しょうごろう)
- 演 - 東山紀之(少年隊)
- 南町奉行所の定町廻り同心。『仕事人2009』後も仕事を続けてきたが、妻のふくの懐妊の知らせと涼次の仕事の標的である右京乃助の善行と人柄を見て、仕事人としての己の在り方に苦悩する。
- ふくの懐妊に対して、かつて主水が妻のりつが懐妊した時と同じく複雑な思いを抱いている。その悩みから、衆目の前で豹変した右京乃助と斬り合う寸前まで激昂してしまったが、土壇場で匳に救われる。
- 経師屋の涼次(きょうじやのりょうじ)
- 演 - 松岡昌宏(TOKIO)
- 『仕事人2009』の最終話で如月と共に江戸から旅立ち、地方で泥棒をしつつ生活していたが、右京乃助の事業仕分けのために両親が職を失って自殺した少女から仕事を受け、江戸へ舞い戻って右京乃助の身辺を探り始める。悪人を臭いで察知できるようになっている。
- 仕立て屋の匳(したてやのれん)
- 演 - 田中聖(当時KAT-TUN)
- 『仕事人2009』では坊主頭だったが、今回は髪を伸ばして束ねている。
- 冒頭で何者かに仕事を見られて窮地に立たされてしまい、主水に相談しようとする。お菊の提案でお伊勢参りに便乗する形で江戸を抜けたため、中盤では出番はなかった。終盤、江戸へ舞い戻って小五郎の窮地を救い、そのまま仕事にも参加する。
- 花御殿のお菊(はなごてんのおきく)
- 演 - 和久井映見
- 主水と匳が江戸から去ったことで弱気になり、小五郎に愚痴を零していたが、終盤の仕事で、無事に元締の役割を果たした。
- カルタのリキ(かるたのりき)
- 演 - 内藤剛志[3]
- 主水に代わり、新たに加入した流しの仕事人。常にカルタを携帯しており、掴み所がなく、不気味な笑みを絶やさない謎の男。表向きは坊主の童山(どうざん)を名乗り、用心棒を生業としている。輔忠からの依頼で右京乃助を護衛し、仕事を行おうとした涼次を妨害していたが、右京乃助が依頼人である輔忠を手に掛けたことを見抜き、小五郎らに協力する形で自らも仕事に参加する。
- お菊の古くからの知り合いであり[4]、投げるカルタには裏仕事のキーワードが隠されている。カルタは通常の紙製のものと、仕事に用いられる金属製のものの2種類がある。
- 中村主水(なかむら もんど)
- 演 - 藤田まこと
- 回想シーンのみの登場。長きに渡って法で裁けぬ悪人達を数多く始末し、小五郎たちを支え続けてきた、ベテランの仕事人。しかし、西方へ配置換えのため、家に置手紙と根付を残し、誰にも挨拶せず、江戸を去っていった。その後の消息は不明。
- 小五郎は、置手紙を見つけた際に『必殺仕事人』の前口上を口ずさんだ上、仕事の際には主水の残していった十手を懐から覗かせた上で、悪人への止めに彼の技(刀で突き刺す)を使った。涼次は、もし主水が今も江戸にいたら彼が仕事を担当したであろう悪人に「中村」の根付を持って、仕事を遂行[5]し、その完了時には口上を口ずさんだ[6]上で「合掌」と呟いた。匳は仕事の遂行の際に、主水のトレード マークであるマフラーを着用していた。
その他
- 如月(きさらぎ)
- 演 - 谷村美月
- 『仕事人2009』の最終話で涼次の正体を知ったが、彼とは共に何事もなかったかのように江戸を旅立っていった。後に涼次と別れて江戸へ戻った後、柿本平三郎を名乗る風間右京乃助が行う炊き出しを手伝っていたところ、江戸へ戻ってきた涼次と偶然再会する。
- お咲とは特に親しくなっていたため、彼女の死で右京乃助の豹変を悟り、江戸から出ていくという条件で今回の頼み人となった。
- 坂本勘助(さかもと かんすけ)
- 演 - 宇梶剛士
- 南町奉行所の筆頭同心で、小五郎の上司。相次ぐ武家殺しの解決に躍起になる。
- 結城新之助(ゆうき しんのすけ)
- 演 - 田口浩正
- 新たに、南町奉行所へ配属された定町廻り同心。『仕事人2009』の最終話で絶命した大河原伝七の後任に当たる人物である。主水が去った後の屋敷へ移住してきた。
- 両親、妻、8人の子供という12人の大家族とともに暮らす。ふくの妊娠の知らせを聞き、小五郎に世話を焼く。
- なお、『仕事人2009』第13話「給付金vs新仕事人」のラスト シーンで、役人でありながら「ご公儀振る舞い金(定額給付金)」を辞退しなかった人物の一人として、こうとふくの会話の中で名前だけ登場している。
- はつ
- 演 - 久保田磨希
- 結城新之助の妻。新之助曰く、「8人の年子を男女交互に産み分けた偉丈夫」。ふくの体調の変化に敏感に反応し、こうにおめでたを告げる。
- 渡辺こう
- 演 - 野際陽子
- 今回、ふくが妊娠したと聞いて飛び上がって大喜びする。
- 渡辺ふく
- 演 - 中越典子
- 今回、待望の跡取りを妊娠するが、実は狂言であったことが判明する。
ゲスト
- 風間右京乃助
- 演 - 小澤征悦
- 幕府方勘定吟味役として、江戸城の改築や橋の付け替えの中止など、事業仕分けを次々と行い、幕府の財政を立て直そうとする。守旧派からは反発を受け、公共事業削減により、庶民生活の大不況を招いたことから、内外から「天下の敵役」と見なされている。
- 自分の事業仕分けで庶民が困窮したことに悩み、代償行為として「旗本の三男坊 柿本平三郎」を名乗り、身銭を切って炊き出しを行った。炊き出し仲間に対して理想の平等社会を説いたが、それが陣吉らによる武士連続殺人事件を招くこととなる。
- 陣吉らによる暴走やお咲の懐妊に懊悩している最中、霧島に弱みを握られ、豹変してしまう。
- 陣吉
- 演 - 猪野学
- 飾り職人で、右京乃助の炊き出しを手伝っている。右京乃助の掲げる理想社会に共鳴しているが、そのためには武士を一掃しなければならないという原理主義に走り、仲間とともに武士の連続殺人を行ってしまう。
- お咲
- 演 - 前田亜季
- 陣吉の妹。右京乃助に思いを寄せ、彼の子を身ごもるが、後にそれが原因で命を落とす。
- 上州屋総兵衛
- 演 - 赤塚真人
- 材木商。右京乃助の事業仕分けにより、手がけている猟場の工事が中止してしまう。仕事が無くなった人足たちに、せめてもの温情でわずかばかりの生活費を配るが、実は風間右京乃助の悪評を広めるための行動であった。
- 右京乃助の豹変で再び仕事が来ることになり、酒巻を料亭に招いて豪奢な接待をする。
- 酒巻勘解由
- 演 - 本田博太郎[7]
- 幕府方普請奉行。右京乃助の事業仕分けに反発している。
- 霧島に右京乃助が取り込まれた後は、逆に右京乃助と組む立場になる。しかし、老中に昇進した右京乃助とは立場が逆転してしまう。
- 椿弥一郎
- 演 - 木下ほうか
- 普請組頭。酒巻勘解由の部下。
- 霧島
- 演 - かたせ梨乃
- 大奥の奥女中の頂点に立つ御年寄。右京乃助の言葉を無視し、贅沢三昧の暮らしを続けようとする。小判増産による財政再建を言い出す。
- 右京乃助の弱みを握り、さらに昇進をちらつかせることで自在に操るなど、極めて狡猾。右京乃助の男前ぶりに惚れたため、彼を取り込んだ後は男女の関係になり、逆に右京乃助の頼みを聞き入れる立場になる。
- 沢木丹波守輔忠
- 演 - 津川雅彦[8]
- 幕府方筆頭老中。風間右京乃助の改革の後ろ盾。性急な改革により恨みを買っている右京乃助のためを思い、彼と勘解由や霧島との間を取り持とうとし、本人の知らない所で用心棒を雇って身辺を守らせる。しかし、政治手法は重要な案件でも「熟慮する」という言葉で先伸ばしにする事なかれ主義であり、かえって右京乃助を苛立たせる。その右京乃助の態度に、一時憤慨したこともあった。
- 霧島に取り込まれた右京乃助に暗殺され、その死は乱心の末の自害とされてしまった。
殺し技
- 渡辺小五郎
- 剣の達人であり、大刀で悪人を斬り倒す。今回は、江戸を去った主水の技も扱う。本作以降のBGMは「中村主水のテーマ」に乗せて仕事を遂行する。
- 経師屋の涼次
- 悪人の背後に回り、仕込み筆から抜き出した長い錐[9]を相手の背中から深く突き刺して心臓まで到達させ、血を体内に噴出させる。
- 藤枝梅安の針、念仏の鉄の骨外しで使用したレントゲン演出(本作ではCG)、村雨の大吉の心臓掴みの心音挿入を融合させた描写が特徴。
- 仕立て屋の匳
- 仕立てに使う針と仕付け糸を投げて悪人の首に絡ませ、絞殺する。
- 『仕事人2009』では絞殺の際に足で相手の身体を固定していたが、本作では行われていない。
- 冒頭の仕事のシーンでは、針と糸を投げる演出が組紐屋の竜の組紐に似たものとなっていた。
- カルタのリキ
- 金属製のカルタを手裏剣のように飛ばし、悪人の喉元を切り裂く。
- 悪人が絶命する際、絵札に描かれている文字にちなんだ、ことわざを呟く[10]。
スタッフ
- 脚本 - 森下直
- 音楽 - 平尾昌晃
- 監督 - 石原興
- テーマ曲 - The SHIGOTONIN「鏡花水月」
- 撮影 - 藤原三郎
- 照明 - 林利夫
- 編集 - 園井弘一
- スクリプター - 野崎八重子
- VFX・技術協力 - IMAGICAウエスト
- 題字 - 糸見渓南
- 衣装 - 松竹衣装
- 語り - 春風亭小朝
- 監督補 - 酒井信行
- 劇中ダンス指導 - コトバタクミ
- ワイヤーセッティング - 夏山剛一
- チーフ プロデューサー - 森山浩一(ABC)
- プロデューサー - 内山聖子(テレビ朝日)、柴田聡(ABC)、武田功(松竹)、渡邊竜(松竹)
- 制作協力 - 松竹京都撮影所
- 制作 - ABC、テレビ朝日、松竹株式会社
遅れネット局
脚注
- ^ a b “藤田まことさんを追悼 東山紀之らが『必殺2010』にかける思い語る”. ORICON STYLE (2010年5月17日). 2015年12月26日閲覧。
- ^ この枠は通常、『土曜ワイド劇場』の時間で朝日放送も月1回(原則第3週)解説入り放送をしているが、2010年7月はその代替で放送されるため。
- ^ 内藤は『必殺仕事人V・激闘編』において、鍛冶屋の政の旧友 ムササビの健役でゲスト出演の経験がある。正道の仕事人役として出演するのは本作が初めて。
- ^ 主水との面識の有無は不明。
- ^ BGMも、主水の曲『仕事人から一言〜中村主水のテーマ』が流れた。
- ^ この口上は、藤田が口上を担当した『必殺必中仕事屋稼業』の前口上の一部である。
- ^ 本田は『必殺仕舞人』における直次郎役。『仕事人2009』に永井為蔵<石川六右衛門>役で出演。
- ^ 津川は必殺シリーズで数多くの悪役を演じ、『必殺橋掛人』では主人公の柳次役で出演。
- ^ 必殺仕事人2009「経師屋の涼次」
- ^ 酒巻の部下 椿を「み」の文字が書かれたカルタで仕留め、酒巻に対し「身から出た錆」と呟いている