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'''matsutake 00'''(まつたけゼロゼロ)は、[[2018年]][[8月19日]]にアカウントを取得し、同日より活動している[[Wikipedia:利用者|Wikipediaの利用者]]です。中学3年生で漢検準2級、英検3級を取得。新海誠作品が好きで、自称「君の名は。」マニア。 |
'''matsutake 00'''(まつたけゼロゼロ)は、[[2018年]][[8月19日]]にアカウントを取得し、同日より活動している[[Wikipedia:利用者|Wikipediaの利用者]]です。中学3年生で漢検準2級、英検3級を取得。新海誠作品が好きで、自称「君の名は。」マニア。 |
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==自説== |
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こんな利用者ページまでやって来てくださる物好き(?)な方は、どうぞご覧になってください。根拠をもって自論を述べることが私のポリシーですので、読んで損はないですし、新しい発見をすることができますよ。 |
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「君の名は。」を「なんかわからなかった」または「なんか嫌い」と思っている方は、もう一度映画を見てみてください。その理由は次項目「新海作品との出会い」で説明しますが、この物語の本当の意味を理解したとき、あなたはきっと「君の名は。」を好きになるでしょう。 |
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「君の名は。」を見ると、誰でも何かしらの疑問を持つはずです。あれだけ濃縮された映画だと、理解するのが難しくなるのですね。だからこそ、ネット上でも色々な考えや解釈があるわけです。映画鑑賞後にこれだけ考えさせられる作品はなかなか無いと思います。まずはよくある疑問を片付けてしまいましょう。きっとあなたも抱いたことのある疑問があるはずですよ。 |
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●時間軸がわからない |
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そのために、私が付録として年表を作りました。 |
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●なんで三年のズレに気付かないの |
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二人の入れ替わりは、目覚めるとすぐに忘れてしまうからです。おそらく、「俺が生きている今、三葉という女の子が向こうで確かに生きている」「私が生きている今、瀧くんという男の子も向こうで確かに生きている」ということさえも、記憶に留めようと努力しない限り、忘れてしまうような状態だったのではないかと思います。だからこそ、瀧くんは「糸守」という地名さえも忘れてしまっていたのです。ただ、入れ替わるたびに徐々に記憶をキープできるようになっていったので、瀧くんは入れ替わりの最後の方では、三年のズレに気付き始めていたようです。「ずっと胸の中にあった考えを、俺は口に出してみる。『三年前のあいつと、俺は入れ替わってたってことか?』」(小より) |
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●入れ替わってすぐに他の人の生活に対応できるのがわからない |
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そこまで二人は上手く対応してましたかね?あ瀧にはバイトのある日もありますが、二人とも、生活の基本は「学校に行くこと」です。それを考えれば、大変そうだけどなんとかなりそうじゃないですか?便利なスマホもありますし。また中身がバレなかったことについては、私たちの日常に照らせば納得できます。まさか「自分の親や配偶者の中身が別の人だ」とは思わないでしょう。ととえそういう入れ替わりが起こっても、司らと同じように「アイツ、最近変だよな」と思う程度でしょう。 |
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●「名前がわからない」がわからない |
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名前を忘れてしまったことについてでしょうか。これは原作では全く語られていませんが、ぽてとDAさんが素晴らしい答え(解釈)を示してくれています。 |
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●瀧くんはなぜ三葉にすきだと書いたのか |
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「なぜ、いつお互いに好きになったのか」については、私も相当疑問に思っていました。監督は「そういうことを描いてしまうと、時に物語を貧しくしてしまう」と言っていますけど。でもね。これは、入れ替わっていた二人だからこそ抱けた、特別な感情なんだと思います。映画「転校生」を見ると、少しわかるようになるかもしれません。私もこの映画を見た後、いつの間にか自然と納得していました。 |
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で、すきだと書いた理由ですが、瀧くんは一度三葉の「情報」が消えたのを経験しています。瀧くんは、消されるかもしれない自分の名前という「情報」より、自分が抱いている素直な「感情」を、カタワレ時という限られた時間の中で伝えたくなった(伝えるべきだと思った)のかもしれません。 |
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●三葉は瀧くんの手に何と書こうとしたのか |
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「すき」と「三葉」の二説が有力ですが、私は「すき」を推しています。まず、「三葉」を否定する理由ですが、三葉は一度、瀧くんの手に「みつは」と書いています。以前はひらがなで書いたのに、今度は漢字で書くのは不自然ですよね。(「みつは」の「み」は丸みを帯びていますが、瀧くんの手に書こうとした文字は丸みを帯びていないため、「みつは」はそもそも候補ではありません)また、夢灯籠の冒頭に「そしたらね二人でどんな言葉を放とう消えることない約束を二人でせーので言おう」という歌詞があります。「約束を二人で言う」のは映画ラストを思い浮かべるかもしれませんが、あれは約束ではないですよね。それに、約束は約束でも「消えることない約束」なのですから、きっとマーカーで書いていたあれですよ。夢のように、そして灯籠のような朧げな時間なんて、あのカタワレ時しか考えられません。そして「二人でせーので」ですよ?あ瀧くんが「すきだ」って書いたのなら、三葉も当然…、ですよね。 |
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●男の子のほうがなぜ彼(瀧)だったのか、その必然性がわからない |
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三葉が瀧くんを(組紐を渡すことによって)選んだからだと思います。それがトリガーとなって、二人はカタワレ時に出逢うことができた。(入れ替わりのトリガーではない。それは宮水の血によるもの)必然性?「運命」に必然性が要ると言うのですか。「運命」に必然性があるかないかなんて、わからないと思います。問題外。 |
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●二葉と俊樹は入れ替わっていたのか |
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二葉は、未来の俊樹と入れ替わったのだと思います。これについては後述の年表に詳しく書いていますので、(今すぐ)ご覧ください。 |
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その補足説明として、まずは「二葉はいつ頃の俊樹と入れ替わったのか」を考えていきたいと思います。候補は六つ。①~1989年②90年~93年③94年~07年④08年~09年⑤10年~12年⑥14年~16年 |
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① 小説にある通り、宮水の入れ替わり能力は「災厄を回避するために、数年先を生きる人間と夢を通じて交信する」能力なのです。これを考慮すると①は不適です。つまり、二葉は十二歳以上年上の俊樹と入れ替わることが前提なのです。 |
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② 俊樹が初めて二葉と出会ったとき、俊樹は運命を感じていないので、出会う前に入れ替わったとするのは不適。 |
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③ 出会い以降二人が(入れ替わって)おかしくなる描写は無いので、不適。 |
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④ 二葉が相談に的確に答えられる力をもったことが説明できません。町長(元町長)の俊樹と入れ替わったからこそ得られた不思議な力なのです。不適。 |
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①~④は不適ということが分かりましたが、⑤と⑥のどちらが正しいのかはいまいち判断できません。それには、俊樹の「お前は誰だ?」のセリフが深く関わっています。 |
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「お前は誰だ」は、俊樹の直感によるセリフです。(外より)ただ、この直感が過去の入れ替わりによるものなのかは分かりません。しかし「過去の入れ替わりに基づく直感」の方が説得力がありますし、そう考えている人も実際多いようです。だから⑤が正しいのでしょうか。ですが思い出してください。俊樹は二葉の死後六年間、ずっと二葉のことを「氷づけ」にしてきたのです。もし⑤の時期に入れ替わっていたのなら、多かれ少なかれ、その氷は解けるのではないでしょうか?あなぜなら、俊樹はもう二度と顔を見ることができないと思っていた妻に逢えた上に、「これがお別れではないから」の本当の意味を知るのですから…。 |
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それに、「彗星被害から町民を救える自分の立場」に気付き、入れ替わりによって、「これがお別れではないから」の本当の意味、そして失われていた「家族の大切さ」に改めて気付き、そして一葉や四葉に歩み寄り、一緒に暮らすようになる、という流れの方がすごく自然ですし、「君の名は。」の物語性にも合っているのではないでしょうか。 |
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まとめると次のようになります。 |
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⑤ 「お前は誰だ」を説得力持って説明できる。 しかし俊樹の心情変化が不自然である。 |
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⑥ 「お前は誰だ」以外の全ての内容を矛盾なく、自然な流れで説明できている。(入れ替わりに基づかない「直感」かもしれないし。) |
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私はもちろん⑥を推していますが、現実的には以下のような結論になるのではないかと思います。まず新海監督は、「俊樹も入れ替わっていた」(二葉と〝ムスビ〟があった)ことをただ示したかった。しかし外伝の著者加納は、「俊樹の入れ替わりはこれから起こる」と考えており、それを描いた。実際先ほどのように外伝を分析してみても、そのように伺えます。確かに元々外伝は「加納の解釈」であり、新海の考えではないのです。(公式ビジュアルガイドのインタビューで加納自らそう述べている)ですからこれは、判断の材料が異なるために、答えも変わってくる問題だ、ということでしょう。 |
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次に二葉と俊樹の入れ替わりを思わせる、重要な描写の補足説明をしておきます。 |
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一「妄言は宮水の血か」一葉お祖母ちゃんは長い間入れ替わりのことを忘れていたようなので、三葉の前に妄言を言ったのは二葉でしょう。確かに二葉は「どうしてだかわからないのですが、初めてお会いしたとき、私はあなたと結婚するような気がしたのです。」なんて、出会った当初から妄言ともとれる発言をしていますからね(笑)。俊樹はその後も度々こうした妄言を聞いていたのかもしれません。 |
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二「救えなかった…」これは「俊樹が入れ替わりで二葉が死ぬ運命を変えようとした」という説もありますが、外伝に述べてある通り、二葉の大病院への入院を実行できなかった結果、二葉を死なせてしまったことを嘆いている表現です。外伝を読んでいないとわかりませんよね。 |
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三「お前は…誰だ」前述の通りです。 |
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また【『スパークル』の歌詞にみる俊樹の愛】という記事も非常に参考になります。<ref>{{cite news|url=http://blog.livedoor.jp/mugimeshicom/archives/7692742.html|title=『スパークル』の歌詞にみる俊樹の愛}}</ref> |
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この記事の補足として、私の新しい発見を書いておきます。スパークル「orignal ver.」には「嘘みたいな日々を規格外の意味を悲劇だっていいから望んだよそしたらドアの外に君が全部抱えて立っていたよ」という歌詞が挿入されています。さあ、外伝を思い出してください…。自分の今いる立場が定められた一つの導きだったという規格外の意味に気付いたのは誰ですか?あ そしてその後、全てを有機的に結合させる鍵(答え)を抱えてやって来たのは誰ですか?(ドアの外っていうのは、過去に縛られ続けていた俊樹が自分の今いる立場の意味に気付いたことで、新たな世界を見たことを表しているのではないか、と私は考えています。) |
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それでは次に、「君の名は。」の本質を解説していきます。 |
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まずは、東浩紀という人と匿名さんのツイッターを見た、とあるブログ主(てらもろす)のブログをご覧ください。 |
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東―ひとつ繰り返しておきたいのは、あの作品は運命の相手と結ばれる作品では【なく】、なぜ人々が運命の相手がいると思い込んでしまうのか、その理由こそが語られた作品だということです。この読みの背景には「ゲーム的リアリズム」があるのですが…でもこれもツイッターでは説明不可能ですね(笑) |
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匿名―東さんのこの解釈は、隕石によって糸守の住人たちが死なず、主人公たちが互いの名を忘れたまま出会う世界を基準となる現実とみなすもので、要するにこの映画全体を遡行的に生み出される条件法過去(可能世界)のファンタジーとして読むという路線かな。 |
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東―そうです。運命の相手なんていないんですよ。(※注1)ただ「運命の相手がいるはずだ」という感覚 |
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だけがある(これはもっているひとともっていないひとがいる)。そこから遡行的に見いだされるファンタジーがセカイ系の本質です。 |
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※注1シマネトゥデイのインタビューで新海監督は「運命の人はいる、ということを伝えたかった」と言っているので、これは誤り。 |
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以下、てらもろすのブログ |
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ラストの5年後(8年後)こそが現在の世界(映画が公開された2016年という意味ではなく、基準・出発点となる世界)であり、まず、2人が出会った。で、〝なぜか〟運命を感じた。その運命を感じた理由として、「過去に(前世に)あったかもしれない一つの可能性」の物語が遡って生み出された。 |
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この、「あったかもしれない一つの可能性」というのが超重要ワードなのです。 |
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選択肢を選んでいくようなゲームで、複数のルートが用意されていて、その全部のルートをプレイヤーが見ることで初めてそのゲームの世界全体を理解できるようになってるゲームってありますよね?あそれがゲーム的リアリズムなのです(詳細は東浩紀の本を読め)。 |
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「君の名は。」は、糸守の人が死ぬルートと死なないルートの2つを僕らが見せられて、だけど登場人物たちは片方のルートしか覚えてない、というのが一番のポイントだと思うんですよ。 |
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拡大解釈として、三葉は瀧くん以外の男の子とも入れ替わっていたかもしれない(そういう世界線もあるかもしれない)とも考えられる。 |
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じゃあ、なぜ入れ替わりが起こったのか?あ入れ替わり能力は宮水の、すなわち三葉側の能力だとして、なぜ瀧くんが選ばれたのか?って言うところなんですが、これこそまさに、はじめに書いた「あったかもしれない一つの可能性」で考えればいいと思うんですよね。多元世界解釈です。 |
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三葉が、「来世は大阪のイケメン男子に」と願った世界線もあったかもしれない。でもその世界線では、お互いに会いたいと思うまでには至らなかった。そういういくつもの可能性の中で、〝たまたま〟瀧くんがうまく行った。つまり瀧くんは確率的に選ばれたにすぎない、と。 |
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理解できましたかね? |
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私(編者)が思う「君の名は。」の本質は、先ほど登場した「多世界解釈」にあると思っています。 |
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糸守高校にて、三葉が「昨日見た変な夢(入れ替わり)」について話していると、テッシーは以下のようなセリフを言います。 |
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「わかった。それって前世の記憶!あもしくはエヴェレット解釈に基づくマルチバースに無意識が接続したっちゅう…」 (映より) |
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これはまさしく、「入れ替わり」は「エヴェレット解釈に基づくマルチバースに無意識が接続した」ということでしょう。これが誤りなのなら、わざわざこんなセリフを入れるはずがありません。 |
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では、そもそも「エヴェレット解釈」や「マルチバース」って何なのでしょう? |
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旺文社物理辞典のマルチバースの説明には「我々の宇宙と同じような宇宙の集団。我々の観測できる宇宙の外側にも同じような宇宙があり、大きなマルチバース(多宇宙)を形作るという考え方がある」とあります。そう。この考え方こそ、エヴェレットの多世界解釈なのです。この考え方は実はとても奥が深いのですが、何しろとても難解です。興味のある人は調べてみてください。(オススメサイト「[意外と奥が深い]エヴェレットの多世界解釈の利点と問題点」「多世界解釈―量子論と不思議な世界」) |
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となると、「前世」も一つの宇宙なのかもしれませんね。 |
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「つまり瀧くんは確率的に選ばれたにすぎない」…エヴェレットの多世界解釈に基づくと、そうなんだと思います。でもね。それが「運命」ってやつなのではないでしょうか?あそう思いません? |
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他にも、「君の名は。」の背景を説明している「君の名は。について(たぶん)どこよりも詳しく解説してみました!」というサイトが非常に参考になります。また、「君の名は。」中の神話などの関連をまとめたサイト「君の名は。量子論や神話で見えてきた隠された意味とは?」もオススメです。(しかし、これは少し考え過ぎだと思うが。制作陣はここまで考えて作ってはいないと思う) |
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(※ 小小説、映映画、外外伝、ママンガ、と略称しています) |
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==新海作品との出会い== |
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==年表== |
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「君の名は。」は時間軸が非常に複雑なので、年表にしてみると理解しやすくなります。年表を通して、また違った世界を見つけることができますよ。 |
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まずは先ほど述べた、二葉と俊樹に関する年表です。ネット上の年表は誤りが多く、修正しました。人物名に続く括弧内の数字は満年齢を表していますので、注意してください。『a』は「君の名は。Another Side:Earthbound」本文からの引用です。 |
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1989年 |
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宮水二葉(18)は夢の中で、2014~2016年もしくはもう少し先の未来の宮水俊樹(55~?)と入れ替わる。何度か入れ替わりを繰り返すうちに、彗星被害から町民を救った筋書き、自分が死ぬ運命を悟る。 |
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また、未来を知ったことと、六十歳手前の政治家のフリをしなければならなかったため、齢十八にして人の相談に的確に答える力を身につける。それが町民からは人智を超えたような神格が備わって見え、町民から神のように崇められる。 |
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『まるで、《この世のすべての疑問に対する正しい答えが書かれた本》を持っていて、それをいつでも参照できるかのようだと俊樹は思う。高校を卒業するかしないかのころから、こうした相談ごとが舞いこむようになったのだと二葉は言っていた。』※注1 |
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1994年頃 |
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溝口俊樹(35?)が宮水神社にやってきて、二葉(23?)と出逢う。 |
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この時二葉は、俊樹を見て『何かに驚いた顔をして、それからすぐに「あら」と言ってにっこりした。まるでしばらく会わなかった親しい友人を迎えたような破顔だった』『女性は長いこと探していた大事なものを今見つけたような笑みを含んで俊樹を見ていた。』 |
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二葉は入れ替わり後なので俊樹に運命を感じるものの、俊樹は入れ替わる前なので二葉の態度を不思議に思う。 |
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『自分の背後に別の客人がいるのかと俊樹は一瞬振り向いたくらいだ』『(何だ?)』 |
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また、別れ際に俊樹がその時の態度について尋ねると、二葉は『「どうしてだかわからないのですが、初めてお会いしたとき、私はあなたと結婚するような気がしたのです。どうしてでしょう。ふしぎですね」』と言った。 |
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その後、二葉の口説き文句に俊樹はまんまと落ちて、二人の距離はどんどん縮まってゆく。 |
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1995年頃 |
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俊樹と二葉が結婚する。 |
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民俗学者としての職も親族もすべて捨てて、二葉と結婚し神職についた俊樹が、自分の運命を不思議がっていると二葉は言う。『この世のすべてはあるべきところにおさまるんやよ』 |
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1996年 ※注2 |
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三葉出産『この子も、なにかしらの意味があってここに生まれてくるんやよ』 |
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2002年 |
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本を読む俊樹の膝の上で、三葉が絵本を読む。 |
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2003年 |
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四葉出産 |
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2005年 |
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二葉(34)は三葉(9)に里芋の剥き方など家事を教え始める。 |
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包丁を使わせるのは早すぎるのでは、と言った俊樹(46)に二葉は、『この子たちには少しでも早くいろいろなことを教えておきたいから』と言う。 |
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二葉は自分の死期を悟っていたため、準備を始めていた。 |
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2007年 |
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あ二葉(36)は病気を発症するも、大病院への入院を拒み続けて亡くなる。 |
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二葉が最後に俊樹に宛てたメッセージは、『《これがお別れではないから》』 |
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俊樹(48)は『いつも正しいことを言っていた彼女が、最後に間違えた。死ぬということは、最終的な別れではないか。』と悲しみにくれ、かなり荒れる。 |
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二葉の死を運命として受け入れる一葉や町民が憎らしくなり、糸守町にはびこる宮水神社への信仰を恨み、そうした因習を払拭するために政治の道に進むことを決意する。 |
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2009年 |
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俊樹(50)糸守町長に当選する。 |
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2013年 |
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映画本編の、三葉(17)と三年後2016年の瀧(17)の入れ替わりが発動する。 |
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瀧が入った三葉と遭った俊樹(54)は、中身が三葉ではないことに気付き、そして二葉と出会った二十年ほど前に想いを馳せる。 |
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そして二葉と語った様々な言葉を思い出して、三葉が言う「彗星被害から町民を救える自分の立場」に気付き始める。 |
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そこへ異常事態を察した一葉と四葉が面会に来たことでほぼ確信に変わり、元の体に戻った三葉本人が説得に来た時には、すでに確信していた。 |
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『今、自分が、この立場で、ここにいるということが、定められたひとつの導きだというのか。 三葉の非現実的な言葉を聞くことのできる自分が、町のすべての人々に干渉できる権限を持っている。』 |
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『そういうことすべてが、「あるべきところに自然に導かれる」ということなのか。自分は意味があってここにいるのか。』 |
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そして、三葉の顔を見た俊樹は思う。 |
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『とてもなつかしい顔をしていた。完全に同じではないが、はっきりとした面影が残っていた。もう二度と見ることができないと思っていた顔が、そこにあった。』 |
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『そうだ。二葉の言った通りだ。あれがお別れではなかった。彼女はいつも正しかった。』 |
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そして町民を糸守高校に避難させ、五百人を超える町民の命を救う。 |
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2014~2016年頃もしくはもう少し先の未来 |
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俊樹(55~?)は1989年の二葉(18)と入れ替わる。 |
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そして『《これがお別れではないから》』という、二葉の言葉の本当の意味を知る。 |
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※注1この部分は推測ですが、おそらく二葉も三葉が瀧に会いに行ったように、俊樹に接触しようとした可能性があります。当時の俊樹(30)は全く覚えていないし身に覚えもないでしょう。二葉にとっても、入れ替わった先の時代があまりにも未来なため、時間軸のズレにも気づいていて、若いだろうことは承知で会いに行ったのではないかと思われます。この時の接触が入れ替わりのトリガーになり、またその後a溝口俊樹は何かに導かれるかのように宮水神社へやってくることになります。また、「高校を卒業するかしないかのころから」とあるので、実際は90年2、3月頃なのですが、単純計算しやすいよう、敢えて89年にしています。 |
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※注2私(編者)は、二人は94年に出会い、95年に結婚し、96年に三葉誕生と考えています。(96年三葉誕生は確定事項) |
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次に、瀧と三葉に関する年表です。丸囲み数字は入れ替わりの回数を表しています。 |
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あくまで私が様々な資料を基に考えた、最も矛盾の無い時系列を掲載しているので、悪しからず。 |
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9 2 月①三葉と瀧の入れ替わりが始まる 番外編第四話 ※注一 |
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3 火三葉、昨日の異常ぶりを知る テッシー「腐敗の匂いがするなあ」※注二 |
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5 木② |
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6 金 三葉、入れ替わりに気付き「変態ッ!」と入力 ※注三 |
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7 土③瀧、「変態じゃねえよ!」 |
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8 日 三葉、「私の身体を自由にしてるんだから、変態に決まってるでしょう!?」 |
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豊穣祭 ※注四 |
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9 月④瀧、マイケルダンスをしている所を後輩に目撃される |
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木⑤瀧、美術の時間に騒動を起こす 瀧、ノーブラでバスケをする ※注五 |
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テッシー松本へ行く 瀧、四葉が誤って三葉のアイスを食べたのを咎めず |
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金 入れ替わりに気付く? 三葉、四葉がアイスを食べているのを発見し、落ち込む ※注六 |
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月⑥瀧、アプローチしてきたクラスメイトに「ああ?誰だっけ?」後輩からクッキーをもらう |
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火 四葉、三葉が「シャーしんおれろー」と念じていると思う ※注七 |
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水 三葉、四葉の妄想に驚き、「猛犬か何かかの」 ※注八 |
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木⑦瀧、ブラに苦戦する バスケ2 手作りカフェ作り開始 組紐作りを眺める |
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※注九 |
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四葉、おっぱいについて考察する ※注十 |
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火あ⑨瀧、「全部聞いた」という三葉の返信を見る 瀧、サヤちんを手作りカフェに招待する ※注十一 |
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四葉、サヤちんにおっぱいについて質問する ※注十二 |
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四葉が夕食当番 「お姉ちゃんはどうしておっぱいを揉むの?」「詳しく聞かせなさい」 |
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日⑩四葉、自分の口噛み酒を盗み飲みし、千年前の巫女と入れ替わる ※注十三 |
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月四葉、三葉の問いかけに「忘れちゃったなあ」 |
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2 水あ⑪瀧、口噛み酒を奉納 ※注十四 |
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3 木 あ三葉、東京へ行く 髪を切る |
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4 金 あ秋祭り 彗星が落下し、三葉死亡 |
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あ 再演 番外編第五話 三葉生存 |
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9 1 木「二学期」 |
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2 金①入れ替わりが始まる ※注一 |
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4 日「バイト」 |
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5 月②三葉、迷いながらも学校へ辿り着く カフェを満喫 バイト後奥寺先輩のスカートに刺繡をする |
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6 火 瀧、バイトで詰問される |
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7 水③「初♡原宿 表参道パニーニざんまい」 |
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8 木 「中間テスト開始」 |
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9 金④「お台場水族館に男子二人と」 |
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日 「バイト」 |
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月⑤「展望台巡りとフリーマーケット♡」「お父さまの仕事場訪問♡霞ヶ関」※注十五 |
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火 入れ替わりに気付く? |
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1964、子供たち |
2018年10月30日 (火) 16:32時点における版
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matsutake 00 | ||||
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matsutake 00(まつたけゼロゼロ)は、2018年8月19日にアカウントを取得し、同日より活動しているWikipediaの利用者です。中学3年生で漢検準2級、英検3級を取得。新海誠作品が好きで、自称「君の名は。」マニア。
自説
こんな利用者ページまでやって来てくださる物好き(?)な方は、どうぞご覧になってください。根拠をもって自論を述べることが私のポリシーですので、読んで損はないですし、新しい発見をすることができますよ。 「君の名は。」を「なんかわからなかった」または「なんか嫌い」と思っている方は、もう一度映画を見てみてください。その理由は次項目「新海作品との出会い」で説明しますが、この物語の本当の意味を理解したとき、あなたはきっと「君の名は。」を好きになるでしょう。
「君の名は。」を見ると、誰でも何かしらの疑問を持つはずです。あれだけ濃縮された映画だと、理解するのが難しくなるのですね。だからこそ、ネット上でも色々な考えや解釈があるわけです。映画鑑賞後にこれだけ考えさせられる作品はなかなか無いと思います。まずはよくある疑問を片付けてしまいましょう。きっとあなたも抱いたことのある疑問があるはずですよ。
●時間軸がわからない
そのために、私が付録として年表を作りました。
●なんで三年のズレに気付かないの
二人の入れ替わりは、目覚めるとすぐに忘れてしまうからです。おそらく、「俺が生きている今、三葉という女の子が向こうで確かに生きている」「私が生きている今、瀧くんという男の子も向こうで確かに生きている」ということさえも、記憶に留めようと努力しない限り、忘れてしまうような状態だったのではないかと思います。だからこそ、瀧くんは「糸守」という地名さえも忘れてしまっていたのです。ただ、入れ替わるたびに徐々に記憶をキープできるようになっていったので、瀧くんは入れ替わりの最後の方では、三年のズレに気付き始めていたようです。「ずっと胸の中にあった考えを、俺は口に出してみる。『三年前のあいつと、俺は入れ替わってたってことか?』」(小より)
●入れ替わってすぐに他の人の生活に対応できるのがわからない
そこまで二人は上手く対応してましたかね?あ瀧にはバイトのある日もありますが、二人とも、生活の基本は「学校に行くこと」です。それを考えれば、大変そうだけどなんとかなりそうじゃないですか?便利なスマホもありますし。また中身がバレなかったことについては、私たちの日常に照らせば納得できます。まさか「自分の親や配偶者の中身が別の人だ」とは思わないでしょう。ととえそういう入れ替わりが起こっても、司らと同じように「アイツ、最近変だよな」と思う程度でしょう。
●「名前がわからない」がわからない
名前を忘れてしまったことについてでしょうか。これは原作では全く語られていませんが、ぽてとDAさんが素晴らしい答え(解釈)を示してくれています。
●瀧くんはなぜ三葉にすきだと書いたのか
「なぜ、いつお互いに好きになったのか」については、私も相当疑問に思っていました。監督は「そういうことを描いてしまうと、時に物語を貧しくしてしまう」と言っていますけど。でもね。これは、入れ替わっていた二人だからこそ抱けた、特別な感情なんだと思います。映画「転校生」を見ると、少しわかるようになるかもしれません。私もこの映画を見た後、いつの間にか自然と納得していました。
で、すきだと書いた理由ですが、瀧くんは一度三葉の「情報」が消えたのを経験しています。瀧くんは、消されるかもしれない自分の名前という「情報」より、自分が抱いている素直な「感情」を、カタワレ時という限られた時間の中で伝えたくなった(伝えるべきだと思った)のかもしれません。
●三葉は瀧くんの手に何と書こうとしたのか
「すき」と「三葉」の二説が有力ですが、私は「すき」を推しています。まず、「三葉」を否定する理由ですが、三葉は一度、瀧くんの手に「みつは」と書いています。以前はひらがなで書いたのに、今度は漢字で書くのは不自然ですよね。(「みつは」の「み」は丸みを帯びていますが、瀧くんの手に書こうとした文字は丸みを帯びていないため、「みつは」はそもそも候補ではありません)また、夢灯籠の冒頭に「そしたらね二人でどんな言葉を放とう消えることない約束を二人でせーので言おう」という歌詞があります。「約束を二人で言う」のは映画ラストを思い浮かべるかもしれませんが、あれは約束ではないですよね。それに、約束は約束でも「消えることない約束」なのですから、きっとマーカーで書いていたあれですよ。夢のように、そして灯籠のような朧げな時間なんて、あのカタワレ時しか考えられません。そして「二人でせーので」ですよ?あ瀧くんが「すきだ」って書いたのなら、三葉も当然…、ですよね。
●男の子のほうがなぜ彼(瀧)だったのか、その必然性がわからない
三葉が瀧くんを(組紐を渡すことによって)選んだからだと思います。それがトリガーとなって、二人はカタワレ時に出逢うことができた。(入れ替わりのトリガーではない。それは宮水の血によるもの)必然性?「運命」に必然性が要ると言うのですか。「運命」に必然性があるかないかなんて、わからないと思います。問題外。
●二葉と俊樹は入れ替わっていたのか
二葉は、未来の俊樹と入れ替わったのだと思います。これについては後述の年表に詳しく書いていますので、(今すぐ)ご覧ください。 その補足説明として、まずは「二葉はいつ頃の俊樹と入れ替わったのか」を考えていきたいと思います。候補は六つ。①~1989年②90年~93年③94年~07年④08年~09年⑤10年~12年⑥14年~16年
① 小説にある通り、宮水の入れ替わり能力は「災厄を回避するために、数年先を生きる人間と夢を通じて交信する」能力なのです。これを考慮すると①は不適です。つまり、二葉は十二歳以上年上の俊樹と入れ替わることが前提なのです。
② 俊樹が初めて二葉と出会ったとき、俊樹は運命を感じていないので、出会う前に入れ替わったとするのは不適。
③ 出会い以降二人が(入れ替わって)おかしくなる描写は無いので、不適。
④ 二葉が相談に的確に答えられる力をもったことが説明できません。町長(元町長)の俊樹と入れ替わったからこそ得られた不思議な力なのです。不適。
①~④は不適ということが分かりましたが、⑤と⑥のどちらが正しいのかはいまいち判断できません。それには、俊樹の「お前は誰だ?」のセリフが深く関わっています。
「お前は誰だ」は、俊樹の直感によるセリフです。(外より)ただ、この直感が過去の入れ替わりによるものなのかは分かりません。しかし「過去の入れ替わりに基づく直感」の方が説得力がありますし、そう考えている人も実際多いようです。だから⑤が正しいのでしょうか。ですが思い出してください。俊樹は二葉の死後六年間、ずっと二葉のことを「氷づけ」にしてきたのです。もし⑤の時期に入れ替わっていたのなら、多かれ少なかれ、その氷は解けるのではないでしょうか?あなぜなら、俊樹はもう二度と顔を見ることができないと思っていた妻に逢えた上に、「これがお別れではないから」の本当の意味を知るのですから…。
それに、「彗星被害から町民を救える自分の立場」に気付き、入れ替わりによって、「これがお別れではないから」の本当の意味、そして失われていた「家族の大切さ」に改めて気付き、そして一葉や四葉に歩み寄り、一緒に暮らすようになる、という流れの方がすごく自然ですし、「君の名は。」の物語性にも合っているのではないでしょうか。
まとめると次のようになります。
⑤ 「お前は誰だ」を説得力持って説明できる。 しかし俊樹の心情変化が不自然である。
⑥ 「お前は誰だ」以外の全ての内容を矛盾なく、自然な流れで説明できている。(入れ替わりに基づかない「直感」かもしれないし。)
私はもちろん⑥を推していますが、現実的には以下のような結論になるのではないかと思います。まず新海監督は、「俊樹も入れ替わっていた」(二葉と〝ムスビ〟があった)ことをただ示したかった。しかし外伝の著者加納は、「俊樹の入れ替わりはこれから起こる」と考えており、それを描いた。実際先ほどのように外伝を分析してみても、そのように伺えます。確かに元々外伝は「加納の解釈」であり、新海の考えではないのです。(公式ビジュアルガイドのインタビューで加納自らそう述べている)ですからこれは、判断の材料が異なるために、答えも変わってくる問題だ、ということでしょう。
次に二葉と俊樹の入れ替わりを思わせる、重要な描写の補足説明をしておきます。
一「妄言は宮水の血か」一葉お祖母ちゃんは長い間入れ替わりのことを忘れていたようなので、三葉の前に妄言を言ったのは二葉でしょう。確かに二葉は「どうしてだかわからないのですが、初めてお会いしたとき、私はあなたと結婚するような気がしたのです。」なんて、出会った当初から妄言ともとれる発言をしていますからね(笑)。俊樹はその後も度々こうした妄言を聞いていたのかもしれません。
二「救えなかった…」これは「俊樹が入れ替わりで二葉が死ぬ運命を変えようとした」という説もありますが、外伝に述べてある通り、二葉の大病院への入院を実行できなかった結果、二葉を死なせてしまったことを嘆いている表現です。外伝を読んでいないとわかりませんよね。
三「お前は…誰だ」前述の通りです。
また【『スパークル』の歌詞にみる俊樹の愛】という記事も非常に参考になります。[1]
この記事の補足として、私の新しい発見を書いておきます。スパークル「orignal ver.」には「嘘みたいな日々を規格外の意味を悲劇だっていいから望んだよそしたらドアの外に君が全部抱えて立っていたよ」という歌詞が挿入されています。さあ、外伝を思い出してください…。自分の今いる立場が定められた一つの導きだったという規格外の意味に気付いたのは誰ですか?あ そしてその後、全てを有機的に結合させる鍵(答え)を抱えてやって来たのは誰ですか?(ドアの外っていうのは、過去に縛られ続けていた俊樹が自分の今いる立場の意味に気付いたことで、新たな世界を見たことを表しているのではないか、と私は考えています。)
それでは次に、「君の名は。」の本質を解説していきます。 まずは、東浩紀という人と匿名さんのツイッターを見た、とあるブログ主(てらもろす)のブログをご覧ください。
東―ひとつ繰り返しておきたいのは、あの作品は運命の相手と結ばれる作品では【なく】、なぜ人々が運命の相手がいると思い込んでしまうのか、その理由こそが語られた作品だということです。この読みの背景には「ゲーム的リアリズム」があるのですが…でもこれもツイッターでは説明不可能ですね(笑) 匿名―東さんのこの解釈は、隕石によって糸守の住人たちが死なず、主人公たちが互いの名を忘れたまま出会う世界を基準となる現実とみなすもので、要するにこの映画全体を遡行的に生み出される条件法過去(可能世界)のファンタジーとして読むという路線かな。
東―そうです。運命の相手なんていないんですよ。(※注1)ただ「運命の相手がいるはずだ」という感覚 だけがある(これはもっているひとともっていないひとがいる)。そこから遡行的に見いだされるファンタジーがセカイ系の本質です。
※注1シマネトゥデイのインタビューで新海監督は「運命の人はいる、ということを伝えたかった」と言っているので、これは誤り。
以下、てらもろすのブログ ラストの5年後(8年後)こそが現在の世界(映画が公開された2016年という意味ではなく、基準・出発点となる世界)であり、まず、2人が出会った。で、〝なぜか〟運命を感じた。その運命を感じた理由として、「過去に(前世に)あったかもしれない一つの可能性」の物語が遡って生み出された。 この、「あったかもしれない一つの可能性」というのが超重要ワードなのです。 選択肢を選んでいくようなゲームで、複数のルートが用意されていて、その全部のルートをプレイヤーが見ることで初めてそのゲームの世界全体を理解できるようになってるゲームってありますよね?あそれがゲーム的リアリズムなのです(詳細は東浩紀の本を読め)。 「君の名は。」は、糸守の人が死ぬルートと死なないルートの2つを僕らが見せられて、だけど登場人物たちは片方のルートしか覚えてない、というのが一番のポイントだと思うんですよ。 拡大解釈として、三葉は瀧くん以外の男の子とも入れ替わっていたかもしれない(そういう世界線もあるかもしれない)とも考えられる。 じゃあ、なぜ入れ替わりが起こったのか?あ入れ替わり能力は宮水の、すなわち三葉側の能力だとして、なぜ瀧くんが選ばれたのか?って言うところなんですが、これこそまさに、はじめに書いた「あったかもしれない一つの可能性」で考えればいいと思うんですよね。多元世界解釈です。 三葉が、「来世は大阪のイケメン男子に」と願った世界線もあったかもしれない。でもその世界線では、お互いに会いたいと思うまでには至らなかった。そういういくつもの可能性の中で、〝たまたま〟瀧くんがうまく行った。つまり瀧くんは確率的に選ばれたにすぎない、と。
理解できましたかね? 私(編者)が思う「君の名は。」の本質は、先ほど登場した「多世界解釈」にあると思っています。 糸守高校にて、三葉が「昨日見た変な夢(入れ替わり)」について話していると、テッシーは以下のようなセリフを言います。 「わかった。それって前世の記憶!あもしくはエヴェレット解釈に基づくマルチバースに無意識が接続したっちゅう…」 (映より)
これはまさしく、「入れ替わり」は「エヴェレット解釈に基づくマルチバースに無意識が接続した」ということでしょう。これが誤りなのなら、わざわざこんなセリフを入れるはずがありません。 では、そもそも「エヴェレット解釈」や「マルチバース」って何なのでしょう? 旺文社物理辞典のマルチバースの説明には「我々の宇宙と同じような宇宙の集団。我々の観測できる宇宙の外側にも同じような宇宙があり、大きなマルチバース(多宇宙)を形作るという考え方がある」とあります。そう。この考え方こそ、エヴェレットの多世界解釈なのです。この考え方は実はとても奥が深いのですが、何しろとても難解です。興味のある人は調べてみてください。(オススメサイト「[意外と奥が深い]エヴェレットの多世界解釈の利点と問題点」「多世界解釈―量子論と不思議な世界」) となると、「前世」も一つの宇宙なのかもしれませんね。 「つまり瀧くんは確率的に選ばれたにすぎない」…エヴェレットの多世界解釈に基づくと、そうなんだと思います。でもね。それが「運命」ってやつなのではないでしょうか?あそう思いません?
他にも、「君の名は。」の背景を説明している「君の名は。について(たぶん)どこよりも詳しく解説してみました!」というサイトが非常に参考になります。また、「君の名は。」中の神話などの関連をまとめたサイト「君の名は。量子論や神話で見えてきた隠された意味とは?」もオススメです。(しかし、これは少し考え過ぎだと思うが。制作陣はここまで考えて作ってはいないと思う)
(※ 小小説、映映画、外外伝、ママンガ、と略称しています)
新海作品との出会い
年表
「君の名は。」は時間軸が非常に複雑なので、年表にしてみると理解しやすくなります。年表を通して、また違った世界を見つけることができますよ。 まずは先ほど述べた、二葉と俊樹に関する年表です。ネット上の年表は誤りが多く、修正しました。人物名に続く括弧内の数字は満年齢を表していますので、注意してください。『a』は「君の名は。Another Side:Earthbound」本文からの引用です。
1989年 宮水二葉(18)は夢の中で、2014~2016年もしくはもう少し先の未来の宮水俊樹(55~?)と入れ替わる。何度か入れ替わりを繰り返すうちに、彗星被害から町民を救った筋書き、自分が死ぬ運命を悟る。 また、未来を知ったことと、六十歳手前の政治家のフリをしなければならなかったため、齢十八にして人の相談に的確に答える力を身につける。それが町民からは人智を超えたような神格が備わって見え、町民から神のように崇められる。 『まるで、《この世のすべての疑問に対する正しい答えが書かれた本》を持っていて、それをいつでも参照できるかのようだと俊樹は思う。高校を卒業するかしないかのころから、こうした相談ごとが舞いこむようになったのだと二葉は言っていた。』※注1
1994年頃 溝口俊樹(35?)が宮水神社にやってきて、二葉(23?)と出逢う。 この時二葉は、俊樹を見て『何かに驚いた顔をして、それからすぐに「あら」と言ってにっこりした。まるでしばらく会わなかった親しい友人を迎えたような破顔だった』『女性は長いこと探していた大事なものを今見つけたような笑みを含んで俊樹を見ていた。』 二葉は入れ替わり後なので俊樹に運命を感じるものの、俊樹は入れ替わる前なので二葉の態度を不思議に思う。 『自分の背後に別の客人がいるのかと俊樹は一瞬振り向いたくらいだ』『(何だ?)』 また、別れ際に俊樹がその時の態度について尋ねると、二葉は『「どうしてだかわからないのですが、初めてお会いしたとき、私はあなたと結婚するような気がしたのです。どうしてでしょう。ふしぎですね」』と言った。 その後、二葉の口説き文句に俊樹はまんまと落ちて、二人の距離はどんどん縮まってゆく。
1995年頃 俊樹と二葉が結婚する。 民俗学者としての職も親族もすべて捨てて、二葉と結婚し神職についた俊樹が、自分の運命を不思議がっていると二葉は言う。『この世のすべてはあるべきところにおさまるんやよ』
1996年 ※注2 三葉出産『この子も、なにかしらの意味があってここに生まれてくるんやよ』
2002年 本を読む俊樹の膝の上で、三葉が絵本を読む。
2003年 四葉出産
2005年 二葉(34)は三葉(9)に里芋の剥き方など家事を教え始める。 包丁を使わせるのは早すぎるのでは、と言った俊樹(46)に二葉は、『この子たちには少しでも早くいろいろなことを教えておきたいから』と言う。 二葉は自分の死期を悟っていたため、準備を始めていた。
2007年 あ二葉(36)は病気を発症するも、大病院への入院を拒み続けて亡くなる。 二葉が最後に俊樹に宛てたメッセージは、『《これがお別れではないから》』
俊樹(48)は『いつも正しいことを言っていた彼女が、最後に間違えた。死ぬということは、最終的な別れではないか。』と悲しみにくれ、かなり荒れる。 二葉の死を運命として受け入れる一葉や町民が憎らしくなり、糸守町にはびこる宮水神社への信仰を恨み、そうした因習を払拭するために政治の道に進むことを決意する。
2009年 俊樹(50)糸守町長に当選する。
2013年 映画本編の、三葉(17)と三年後2016年の瀧(17)の入れ替わりが発動する。 瀧が入った三葉と遭った俊樹(54)は、中身が三葉ではないことに気付き、そして二葉と出会った二十年ほど前に想いを馳せる。 そして二葉と語った様々な言葉を思い出して、三葉が言う「彗星被害から町民を救える自分の立場」に気付き始める。 そこへ異常事態を察した一葉と四葉が面会に来たことでほぼ確信に変わり、元の体に戻った三葉本人が説得に来た時には、すでに確信していた。 『今、自分が、この立場で、ここにいるということが、定められたひとつの導きだというのか。 三葉の非現実的な言葉を聞くことのできる自分が、町のすべての人々に干渉できる権限を持っている。』
『そういうことすべてが、「あるべきところに自然に導かれる」ということなのか。自分は意味があってここにいるのか。』 そして、三葉の顔を見た俊樹は思う。 『とてもなつかしい顔をしていた。完全に同じではないが、はっきりとした面影が残っていた。もう二度と見ることができないと思っていた顔が、そこにあった。』 『そうだ。二葉の言った通りだ。あれがお別れではなかった。彼女はいつも正しかった。』 そして町民を糸守高校に避難させ、五百人を超える町民の命を救う。
2014~2016年頃もしくはもう少し先の未来 俊樹(55~?)は1989年の二葉(18)と入れ替わる。 そして『《これがお別れではないから》』という、二葉の言葉の本当の意味を知る。
※注1この部分は推測ですが、おそらく二葉も三葉が瀧に会いに行ったように、俊樹に接触しようとした可能性があります。当時の俊樹(30)は全く覚えていないし身に覚えもないでしょう。二葉にとっても、入れ替わった先の時代があまりにも未来なため、時間軸のズレにも気づいていて、若いだろうことは承知で会いに行ったのではないかと思われます。この時の接触が入れ替わりのトリガーになり、またその後a溝口俊樹は何かに導かれるかのように宮水神社へやってくることになります。また、「高校を卒業するかしないかのころから」とあるので、実際は90年2、3月頃なのですが、単純計算しやすいよう、敢えて89年にしています。 ※注2私(編者)は、二人は94年に出会い、95年に結婚し、96年に三葉誕生と考えています。(96年三葉誕生は確定事項)
次に、瀧と三葉に関する年表です。丸囲み数字は入れ替わりの回数を表しています。 あくまで私が様々な資料を基に考えた、最も矛盾の無い時系列を掲載しているので、悪しからず。
9 2 月①三葉と瀧の入れ替わりが始まる 番外編第四話 ※注一
3 火三葉、昨日の異常ぶりを知る テッシー「腐敗の匂いがするなあ」※注二
5 木②
6 金 三葉、入れ替わりに気付き「変態ッ!」と入力 ※注三
7 土③瀧、「変態じゃねえよ!」
8 日 三葉、「私の身体を自由にしてるんだから、変態に決まってるでしょう!?」
豊穣祭 ※注四
9 月④瀧、マイケルダンスをしている所を後輩に目撃される
木⑤瀧、美術の時間に騒動を起こす 瀧、ノーブラでバスケをする ※注五
テッシー松本へ行く 瀧、四葉が誤って三葉のアイスを食べたのを咎めず
金 入れ替わりに気付く? 三葉、四葉がアイスを食べているのを発見し、落ち込む ※注六
月⑥瀧、アプローチしてきたクラスメイトに「ああ?誰だっけ?」後輩からクッキーをもらう
火 四葉、三葉が「シャーしんおれろー」と念じていると思う ※注七
水 三葉、四葉の妄想に驚き、「猛犬か何かかの」 ※注八
木⑦瀧、ブラに苦戦する バスケ2 手作りカフェ作り開始 組紐作りを眺める
※注九 四葉、おっぱいについて考察する ※注十
火あ⑨瀧、「全部聞いた」という三葉の返信を見る 瀧、サヤちんを手作りカフェに招待する ※注十一
四葉、サヤちんにおっぱいについて質問する ※注十二
四葉が夕食当番 「お姉ちゃんはどうしておっぱいを揉むの?」「詳しく聞かせなさい」
日⑩四葉、自分の口噛み酒を盗み飲みし、千年前の巫女と入れ替わる ※注十三
月四葉、三葉の問いかけに「忘れちゃったなあ」
2 水あ⑪瀧、口噛み酒を奉納 ※注十四 3 木 あ三葉、東京へ行く 髪を切る 4 金 あ秋祭り 彗星が落下し、三葉死亡 あ 再演 番外編第五話 三葉生存
9 1 木「二学期」
2 金①入れ替わりが始まる ※注一
4 日「バイト」
5 月②三葉、迷いながらも学校へ辿り着く カフェを満喫 バイト後奥寺先輩のスカートに刺繡をする
6 火 瀧、バイトで詰問される
7 水③「初♡原宿 表参道パニーニざんまい」
8 木 「中間テスト開始」
9 金④「お台場水族館に男子二人と」
日 「バイト」
月⑤「展望台巡りとフリーマーケット♡」「お父さまの仕事場訪問♡霞ヶ関」※注十五
火 入れ替わりに気付く?
1964、子供たち