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「シドニー・トレインズS形電車」の版間の差分

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2019年5月11日 (土) 01:15時点における版

シドニー・トレインズS Set形電車
Erskineville駅に到着するS Set形電車
基本情報
運用者 シドニー・トレインズ
製造所 Comeng
A Gonian & Co
製造年 1972年 - 1980年
製造数 509両
運用開始 1972年
投入先 T2、T3、T6、T7、T8
主要諸元
編成 2・3両(L set)、6両(R Set)、4両(S Set)
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式)
設計最高速度 115 km/h
自重 Comeng製:47t(電動車)
34t(制御車)
Gonian製:45t(電動車)
全長 20,220 mm
全幅 Comeng製:3.080 mm
Gonian製:3.040 mm
全高 Comeng製:4,380 mm
Gonian製:4,370 mm
車体 オールステンレス製車体
主電動機 三菱電機製
主電動機出力 150kW
制御方式 カム軸式抵抗制御
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シドニー・トレインズS Set形電車(シドニートレインズS セットがたでんしゃ)は、1972年に登場したシドニー・トレインズ電車

2両および3両編成のL set、6両編成のR set、そして4両編成のS Setが広義のS set形電車に含まれる。1972年から1980年にかけて509両が製造された。

概要

ニューサウスウェールズ州営鉄道(現シドニー・トレインズ)は1964年よりダブルデッカー付随車を製造して従来車の編成に組み込み、好評を博していた。これに伴い、同鉄道は本格的なオールダブルデッカー編成の導入を検討した。
オールダブルデッカー編成の試作車として、Tulloch社は1968年にダブルデッカー電動車4両を製造した。4両にはイングリッシュ・エレクトリック東芝日立三菱の4社の電装品がそれぞれ搭載されており、比較検討の結果量産車では三菱製の電装品の採用が決まった。
こうして三菱製の電装品にオールステンレス車体を組み合わせ、同鉄道初の本格的オールダブルデッカー編成電車として登場したのがS Setである。

概説

改修工事前の内装。側面窓の構造などが現在と異なる。

車体はコルゲート付きのオールステンレス車体で、すべての車両が二階建て車両である。
初期に製造された車両(一次車)に関してはステンレス車体ながら車体全体に塗装(登場時は青地に白線、1976年より赤に塗り替え)がなされていたが、1978年登場の車両(二次車)からは無塗装となり、初期製造車両も後にこれに合わせて無塗装となった。[1][2]現在では前面下部およびドア部を黄色に塗装している。
車内は2-3列の転換クロスシートを採用している。内装は登場当初暖色系であったが、後述の改修工事を経て現在は寒色系となっている。冷房装置は登場時から現在に至るまで搭載されていない。
電動機類は先述の通り、三菱電機製のものを採用している。同社製の電動機類は後年のTangaraに至るまでシドニーの近郊電車で採用され続けた。

形態分類

Comeng社とGonian社により、合計509両が製造された。詳しい分類は以下の通りである。

Comeng製グループ

Comeng社製造グループの先頭車。
  • 1972年から1980年までの間に合計359両がComeng社によって製造された。[3] 運転台部分に丸みを帯びたデザインが特徴である。
  • Series 1(1次車)には車体下部のコルゲートが存在せず、車体の両端が丸みを帯びたデザインになっている。
  • Series 2(3次車)およびSeries 3(3次車)には車体下部のコルゲートが存在し、先頭部のみが丸みを帯びたデザインになっている。
  • Series 4(4次車)においては、前面上部にヘッドライトが追加された。
  • 制御車の内、D4011-D4020の車番とD4021-D4095とでは窓配置が異なる。
次数 タイプ 車番
53 1次車 制御電動車 C3805-C3857
154 2次車 C3858-C3911
3次車 C3912-C3986
4次車 C3741-C3765
87 Mk1 付随車 T4921-T4962
Mk2 T4963-T4987
85 Mk3 制御車 D4011-D4020
Mk4 D4021-D4095

Gonian製グループ

Goninan社製造グループの先頭車。
  • 1978年から1980年までの間に合計150両がGonian社によって製造された。[4] 切妻型の前面デザインが特徴である。
タイプ
C3001-C3080 制御電動車
T4101-T4170 付随車

編成

2・3両編成は"L set"、6両編成は"R set"、4両編成は"S set"として区分される。なお"S set"2編成を連結した8連運用が存在する。

Set 編成
L(2両) C-D
L(3両) C-T-C
S C-T-T-C
R C-T-C-T-T-C
C-T-C-C-T-C

【凡例】

  • C=制御電動車
  • T=付随車
  • D=制御車

改造

改修工事

1990年代に改修工事を受け、車内化粧板交換、座席モケット張替え、前面行先表示機設置、窓サッシの交換などが行われた。

先頭車の中間車化改造

中間車化改造車の一例。

2004年に元来編成中に組み込まれていたTulloch社製旧型付随車が退役したため、先頭車に対して中間車が不足する事態が発生した。それに伴い、先頭車の一部が中間付随車化改造を受けた。

23両が改造を受け、その内全ての車両がComeng製1次車および2次車であった。改造内容は以下の通り。

  • 前面黄塗装の剥離
  • 乗務員室の開放
  • パンタグラフ撤去
  • 前照灯撤去(一部車両)
  • 乗務員室撤去(一部車両)

なお電動機やコンプレッサーは撤去されず存置された。前面行先表示機は撤去されず塗りつぶされた。

現況

S setはシドニー・トレインズ最古参車両である事に加えて冷房装置を搭載しておらず、他車と比較して旅客サービス面で遜色がある。その為近年ではA Set及びB Setによる置き換えが進行している。
2019年現在、S setは全車がフレミントン車両基地に所属し、T2、T3、T6、T7、T8の5路線にて運用されているが、従来K Setが運用されていた路線にB setを投入することによってK setを押し出し、それによってS setを置き換える玉突き転用が進んでおり、2019年3月時点で残るS setは4両編成4本のみとなっている。B setが出揃い次第、S setは一部の予備車を除いて全て退役する予定である。 [5] [6]

保存車

C3805、T4150、C3814の3両が有志の手によって保存されている。

また、C3840およびT4058がPetersham駅にて訓練教材として使用されている。

脚注

  1. ^ "EMU Review" Railway Digest March 1989 page 86
  2. ^ "Rolling Stock - The EMU Review" Railway Digest March 1991 page 96
  3. ^ L, R and S Set (Comeng type) control motor - CityRail (Internet Archive)
  4. ^ R and S Set (Goninan type) control motor - CityRail (Internet Archive)
  5. ^ Commuters stuck with old trains on new rail link Sydney Morning Herald 15 March 2013
  6. ^ NSW Government delivers final Waratah train: all Sydney services air-conditioned”. Transport for NSW (2014年6月2日). 2014年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月9日閲覧。