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「イラクのお尋ね者トランプカード」の版間の差分

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* キング ♣: [[イッザト・イブラーヒーム]], 革命指導評議会副議長 (#6).2015年治安部隊による急襲作戦により死亡。死亡するまで逃走中の幹部の中で最上位だった。
* キング ♣: [[イッザト・イブラーヒーム]], 革命指導評議会副議長 (#6).2015年治安部隊による急襲作戦により死亡。死亡するまで逃走中の幹部の中で最上位だった。
* クイーン ♣: [[カマール・ムスタファー・アブドゥッラー・スルターン]], 共和国防衛隊事務局長 (#10、最初は#8)2003年逮捕。
* クイーン ♣: [[カマール・ムスタファー・アブドゥッラー・スルターン]], 共和国防衛隊事務局長 (#10、最初は#8)2003年逮捕。
* ジャック ♣: [[サイフッディーン・フライイフ・ハサン・ターハー・アッ=ラーウィー]], 共和国防衛隊参謀長 (#14、最初は#12)現在逃走中。イブラーヒーム死亡後逃走を続ける軍幹部の大物
* ジャック ♣: [[サイフッディーン・フライイフ・ハサン・ターハー・アッ=ラーウィー]], 共和国防衛隊参謀長 (#14、最初は#12)2003年5月に投降
* 10 ♣: [[ラティーフ・ジャースィム・アッ=ドゥライミー]], 党軍事局副議長(#18、最初は#37)2003年逮捕。
* 10 ♣: [[ラティーフ・ジャースィム・アッ=ドゥライミー]], 党軍事局副議長(#18、最初は#37)2003年逮捕。
* 9 ♣: [[ジャマール・ムスタファー・アブドゥッラー・スルターン]], 元大統領府部族問題局副局長 (#22、最初は#40)2003年逮捕。
* 9 ♣: [[ジャマール・ムスタファー・アブドゥッラー・スルターン]], 元大統領府部族問題局副局長 (#22、最初は#40)2003年逮捕。

2019年11月7日 (木) 14:21時点における版

サッダーム・フセイン(スペードのエース ♠)

イラクのお尋ね者トランプカード(イラクのおたずねものトランプカード)とは、2003年におけるアメリカ合衆国および有志連合国によるイラク侵攻において、兵士らがサッダーム・フセイン政権のお尋ね者やバアス党の幹部や革命指導評議会のメンバーを特定するのに助けとなるようアメリカ軍が開発したトランプセットである。

カードについて

それぞれのカードにはお尋ね者の名前、写真(入手可能な者のみ)、肩書が記されている。エース、キングなど、もっとも高いランクのカードは、お尋ね者リスト(U.S. list of most-wanted Iraqis)の上位の人物に使われた。スペードのエースはサッダーム・フセイン、クラブ及びハートのエースはそれぞれ彼の息子クサイウダイであり、ダイヤのエースはサッダームの大統領秘書官アービド・ハーミド・マフムードである。作成当初はカードの順番は前述のお尋ね者リストの順番と完全には一致していなかったが、2003年後半にお尋ね者リストの方の順番が入れ替えられ、カードの順番とほぼ一致するようになった。

このようなトランプカードは南北戦争のときから使用されている。第二次世界大戦に空軍が作ったものにはドイツと日本の戦闘機のシルエットが印刷され、現在では数百ドルの価値がある。朝鮮戦争でもこのようなカードが作られた。兵士は暇をつぶすためによくトランプをし、ゲームの間にお尋ね者の名前や顔や肩書を見たりすることは、兵が戦場でお尋ね者に遭遇したときに助けになる。(アメリカ国防情報局による説明)[1]

このトランプは、2003年の4月11日に、中央軍の作戦副司令官のVincent Brooks陸軍准将による記者会見で初めて公に発表された。その晩、ヒューストン実業家Max Hodgesは、国防総省ウェブサーバからトランプのための高画質の画像ファイルを発見し、ダウンロードした。翌日ファイルがウェブサーバから消えたことに気づいて、彼はカードを複製できるPDF形式で提供する、最初のeBayの売り手になった[1]。彼は約4000ドルで1000組のトランプを印刷する契約をGemaco Playing Card Companyと速やかに結び、印刷が終わる前にeBay、Amazon.com、彼自身のウェブサイトでトランプを売り出し始めた。4ドルのトランプの早い時期でのオークションがすぐに120ドル以上に高騰したとき[2]、ほかのeBayユーザが便乗し、彼ら自身が売り出すためにトランプを印刷したり注文したりするようになるまで時間はかからなかった。たった数日で何百人もの売り手が出現し、価格は1組あたり数ドルにまで下降した。

記者会見から数時間のうちに、ニューヨークの企業家はこのカードを販売するためのウェブサイト BaghdadRummy.com(Rummyとは当時の国防長官ラムズフェルドニックネームとトランプゲームのラミーをかけたもの)を立ち上げ、のちにほかの実業家たちによって同様のウェブサイトが数十個誕生した。

テキサスのLiberty Playing Card Co.は、クウェートのアメリカ大使館よりトランプを製造するよう注文を受け、「政府の正式な契約者」であることを自称し、すぐに国内市場での供給者として人気の高いものの一つとなった。アメリカ軍はうっかりジョーカーに「Hoyle」ブランドのトランプのジョーカーの絵柄を含めてしまい、これはオハイオ州シンシナティにあるU.Sプレイング・カード社商標登録されていた。U.Sプレイング・カード社は政府がその絵柄を使用することには抗議しなかったが、他の企業がその絵柄を使用することには抗議した。従って、そのジョーカーの絵柄が正規品であるための要件と考えるなら、ある意味、アメリカ軍ははからずもU.Sプレイング・カード社に正規品の独占的製造権を与えたことになる。

このトランプからは様々な模造品やパロディが生まれた。例えばブッシュ政権共和党のメンバーが載っているもの、[3]著名なリベラリスト民主党の党員を載せたものがある。[4]また、後の大統領選挙を記念するトランプも作られた。そのうちの一つであるPresidential Poker [5]は各スートを政治的な視点(積極的な共和党員、消極的な共和党員、積極的な民主党員、消極的な民主党員)に対応させたもので、2004年の大統領選挙での論争を風刺するポーカーの独自のルールが付いてくる。

ブッシュ政権がイラクに夢中になるあまり、ウサーマ・ビン=ラーディンアルカーイダへの視点を見失っているとする批判がある。この立場を取る者はしばしばその例として、政府がアルカーイダの幹部を使ったこのようなトランプを作っていないことを指摘する。

このトランプはエフェメラの好例である。なぜならいずれ近いうちに当初の目的は失われ、好奇の目も消え、歴史上の大きな出来事に関する独特な印刷された証拠品になるからである。

トランプカード

スペード

クラブ

ハート

ダイヤ

ジョーカー

普通のジョーカー。写真ではない。

脚注

  1. ^ Burgess, Lisa (2003年4月17日). “Buyers beware: The real Iraq 'most wanted' cards are still awaiting distribution”. Stars and Stripes. http://www.stripes.com/news/buyers-beware-the-real-iraq-most-wanted-cards-are-still-awaiting-distribution-1.4525 

関連項目

外部リンク