コンテンツにスキップ

「Hitman: Blood Money」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Cewbot (会話 | 投稿記録)
m Bot作業依頼: ブランドとしてのXboxの記事作成に伴うリンク修正 - log
14行目: 14行目:
| series = ''[[ヒットマン (ゲームシリーズ)|Hitman]]''
| series = ''[[ヒットマン (ゲームシリーズ)|Hitman]]''
| engine = Glacier
| engine = Glacier
| platforms = [[Microsoft Windows]], [[PlayStation 2]], [[Xbox]], [[Xbox 360]]
| platforms = [[Microsoft Windows]], [[PlayStation 2]], [[Xbox (ゲーム機)|Xbox]], [[Xbox 360]]
| released ='''PlayStation 2''','''Xbox'''<br />{{vgrelease new|EU|2006年5月26日|NA|2006年5月30日}}'''Microsoft Windows'''<br />{{vgrelease new|EU|2006年5月26日|NA|2006年5月30日|JP|2007年11月30日}}'''Xbox 360'''<br />{{vgrelease new|EU|2006年5月26日|NA|2006年5月30日|JP|2007年8月30日}}
| released ='''PlayStation 2''','''Xbox'''<br />{{vgrelease new|EU|2006年5月26日|NA|2006年5月30日}}'''Microsoft Windows'''<br />{{vgrelease new|EU|2006年5月26日|NA|2006年5月30日|JP|2007年11月30日}}'''Xbox 360'''<br />{{vgrelease new|EU|2006年5月26日|NA|2006年5月30日|JP|2007年8月30日}}
| genre = [[ステルスゲーム|ステルス]]
| genre = [[ステルスゲーム|ステルス]]
| modes = 1人
| modes = 1人
}}
}}
『'''Hitman: Blood Money'''』(ヒットマン:ブラッドマネー)は、[[ヒットマン (ゲーム)|HITMAN]]シリーズの第4作目として[[アイドス]]より発売された[[ステルスゲーム|ステルス性]]重視の[[サードパーソン・シューティングゲーム]]である。[[2007年]][[8月30日]]に[[スパイク (ゲーム会社)|スパイク]]からコンシューマ版([[Xbox 360]])が、[[2007年]][[11月30日]]にズーよりパソコン版がそれぞれ日本語版で発売された。海外では[[PlayStation 2]]、[[Xbox]]版も発売されているが、日本国内では未発売。
『'''Hitman: Blood Money'''』(ヒットマン:ブラッドマネー)は、[[ヒットマン (ゲーム)|HITMAN]]シリーズの第4作目として[[アイドス]]より発売された[[ステルスゲーム|ステルス性]]重視の[[サードパーソン・シューティングゲーム]]である。[[2007年]][[8月30日]]に[[スパイク (ゲーム会社)|スパイク]]からコンシューマ版([[Xbox 360]])が、[[2007年]][[11月30日]]にズーよりパソコン版がそれぞれ日本語版で発売された。海外では[[PlayStation 2]]、[[Xbox (ゲーム機)|Xbox]]版も発売されているが、日本国内では未発売。


== プロット ==
== プロット ==

2020年1月1日 (水) 08:59時点における版

Hitman: Blood Money
ジャンル ステルス
対応機種 Microsoft Windows, PlayStation 2, Xbox, Xbox 360
開発元 IO Interactive
発売元 アイドス
プロデューサー Helle Marijnissen
ディレクター Rasmus Højengaard
デザイナー Peter Fleckenstein
シナリオ Greg Nagan
Morten Iversen
音楽 イェスパー・キッド
シリーズ Hitman
人数 1人
発売日 PlayStation 2,Xbox
ヨーロッパ 2006年5月26日
アメリカ合衆国 2006年5月30日
Microsoft Windows
ヨーロッパ 2006年5月26日
アメリカ合衆国 2006年5月30日
日本 2007年11月30日
Xbox 360
ヨーロッパ 2006年5月26日
アメリカ合衆国 2006年5月30日
日本 2007年8月30日
エンジン Glacier
テンプレートを表示

Hitman: Blood Money』(ヒットマン:ブラッドマネー)は、HITMANシリーズの第4作目としてアイドスより発売されたステルス性重視のサードパーソン・シューティングゲームである。2007年8月30日スパイクからコンシューマ版(Xbox 360)が、2007年11月30日にズーよりパソコン版がそれぞれ日本語版で発売された。海外ではPlayStation 2Xbox版も発売されているが、日本国内では未発売。

プロット

雑誌記者のリックは、先日起こった副大統領暗殺事件についてインタビューするため元CIA長官アレキサンダーの下を訪れる。アレキサンダーは、47のことを語り、信じないリックに47が過去1年半の間に行った一連の暗殺事件について語り始める。今作はアレキサンダーが、47が関わった事件を時系列順に回想するという形で進み、下記のストーリーが徐々に明らかになっていき、最後に現行の出来事へと移る。

物語前半では、47の通常の任務の幕間で、彼が所属する「ザ・エージェンシー」(ICA)が、敵対組織「フランチャイズ」と抗争していることが明かされる。前作(Contracts)で、47がパリで襲われたのもフランチャイズの仕業であった。フランチャイズは、暗殺者集団「ザ・クロウズ」を抱えており、クロウズのメンバーは47と同じ暗殺稼業に特化したクローン人間であった。じつは、クロウズのクローンは、オートマイヤー博士のクローン技術を盗んで作られたもので、寿命が極端に短いなどの弱点がある不完全なものだった。そこでフランチャイズは、完全なクローン体である47のことも狙っていた。

物語の中終盤では、「フランチャイズ」及びその上部組織である「アルファ・ゼロックス」の計画を阻止するため、47自身もフランチャイズの暗殺者と戦うこととなる。しかし、ICAとフランチャイズの抗争は、フランチャイズが勝ってICAの職員は次々に殺され、最終的に47のオペレーターであるダイアナは、もはやICAは自分たち2人だけであると明かす。ダイアナはICA最後の仕事として依頼を出し、残りの資産を分割する。47を狙うフランチャイズの暗殺者もいる中で、最後の依頼を片付けた47であったが、そこにCIAのエージェント・スミスが接触してくる。スミスは、アルファ・ゼロックスによってスチュワート合衆国大統領の命が狙われており、これを防止するため、アルファ・ゼロックスの構成員である副大統領ダニエル・モリスの暗殺を依頼する。クロウズのリーダーであるマーク・パーチェッツィ3世も潜む中、ホワイトハウスに潜入した47は、副大統領の暗殺に成功する(これが物語冒頭でリックが尋ねた副大統領暗殺事件である)。しかし、47は警察に捜索され、隠れ家に逃げ込むも厳重な包囲網を敷かれてしまう。そこに突如ダイアナが現れ、脱出計画を提案する。不審に思いつつ47が検討に入ったわずかな隙を突いて、ダイアナは47の首筋に毒のようなものが入った注射を打ち、彼は倒れる。それを見届けるとダイアナは、アレキサンダーに連絡を取り、フランチャイズに寝返る見返りとして、47を片付けたと報告する。

ここで物語は現在に移る。アレキサンダーはリックを連れて葬儀場へとやってくる。それは47の葬儀であり、彼を火葬することでオートマイヤー博士のクローン技術は永久に失われ、フランチャイズが独占するのが目的であった。葬儀の列席者の中にはダイアナの姿もあり、彼女は棺に納められた47の胸元に、彼が愛用したシルバーポーラーを置くと、新鮮な口紅を付けて彼にキスをし、葬儀場を去る。実は、彼女が47に注射した毒は、物語前半で登場した仮死剤であり、口紅は仮死状態から覚醒するための解毒剤であった。その後、目を覚ました47は、葬儀場にいた全員を殺害し、現場を去る。

エピローグにおいてダイアナは「閣下」と呼ぶ人物に連絡を取り、すべて片付いたことや、ICAの復活について話す。一方で47については見失ったと言う。47は、どこかの中華街に現れ、そこの怪しげな男たちと話した後、彼らの施設の中へと通され、カーテンが閉じたところでゲームは終了する。

新しく付加された要素

本作は、前シリーズまでと比べて一段と自由度を高くしたことが売りとなっている。

アクションの追加

まず基本的な殺害方法が増えており、相手を押す、物を投げるなどのシステムが追加されている。例えば前者なら、ベランダ越しにいる相手を押すことで階下に突き落として殺害する、任務開始直後から最低1つは所持しているリモコン爆弾でシャンデリア等を落として圧殺するなど、従来の作品より事故死に見せかけること(アクシデントキル)が容易となっている。後者の場合、ナイフを遠投することで攻撃する、柵の外から敷地内に武器を放り込み金属探知機などを回避する、無限に所持しているコイン等を投げて音を立て、注意を引く、などが挙げられ、他にも多様な使用法がある(後述)。

次に、拳銃を持っている場合、背後から襲うことで人間の盾にしたり、そのまま後頭部を殴って気絶させることもできる。

また、従来の作品においては素手の場合は何も行動ができなかったが、今作では相手を背後から押す、真正面から相手を殴る、戦闘中であれば相手の武器を奪うといった行動が取れるようになった。加えて、拳銃や注射器など小型の武器を持っている場合、人物が近づくと自動的に後ろ手に隠す動作が加わり、武器を持っているところを見られることによる警戒度上昇がされにくくなっている。

報酬制度と装備、銃器のカスタマイズ

今作から報酬制度が追加されており、任務の達成法によって上下する仕組みとなっている。基本的に隠密性が高いほど報酬が高くなるが、ステージ中でダイアモンドのケースを奪ってクリアするなど、ボーナスが加算されることもある。逆に、デフォルトのスーツを置いてきたために、その分減算されるということもある。

得た報酬は、装備の購入や銃器のカスタマイズにあてることができる。基本5種の銃器(シルバーボーラーを始めサブマシンガンや狙撃銃など)は最初から選択可能であるが、サイレンサーが付いていない、スコープが無いなど、任務を完璧に達成するには不利な物となっている。それら装備を得た報酬で買うことによって強化することが可能であり、場合によってはステージ毎に装備を変更して、より任務達成にあった物に変えるということも可能である。強化アイテムには他にも手ぶれの低減や威力の増加、装弾数の増加などがある。

あるいは、回復アイテムや防弾チョッキの購入などサブ装備の調達および強化も可能であり、ピッキング時間を減らす、スナイパーライフルが入ったケースを金属探知機に引っかからなくする等ができる。

また、それまでステージ特有のアイテムであった、爆弾や毒薬が標準装備となっており、報酬を使うことで1ステージにおける数を増やしたり強化することが可能である。

他にも、任務開始前のブリーフィングで情報(ヒント)を買うということもできる。また、後述する指名手配度を下げるために、マスメディアに賄賂を贈るということも可能である。

新聞記事と指名手配度

本作はステージが終了するたびに新聞記事を読むことができる。新聞記事には、47が任務で行った暗殺のことが書かれるが、任務の達成法によって記事内容が変わる。他にも、物語や別のステージに関わる記事が載っていたりする。

また、任務中に殺すところ等を見られたままステージを終えると指名手配される。10段階評価であり、高くなると何もしていなくても、顔を見られただけで警戒度が上がるということが起こる。また、新聞には顔写真が載るが、指名手配度が高くなるほど、47そっくりになってくる。これを回避するには、目撃者を殺す、マスメディアに賄賂を贈るなどがある。

その他の要素

ゴミ箱など、ステージにおける死体などを隠す場所の数が増えている。また、クローゼットなど自分が隠れることができる場所も追加されている。

エレベーターのあるステージも多く、エレベーター内では天井裏に隠れることが可能である。さらにワイヤーを使うことで、エレベーター内にいる人間を吊り上げて殺し、隠すこともできる。

これまでの作品よりも自由度が高くなっている分、サイレントアサシン(最高の称号)取得の条件が若干厳しくなっている。前作、前々作ではターゲット以外の敵(武装した護衛など)は一人までなら殺害しても取得に影響は無かったが、今作では一般人同様、一人でも直接殺害すると取得不可能になっている(アクシデントキルは例外)。また、改造した武器を持ち帰らなかったり、最初に着ていたスーツを着ずにミッションクリアした場合も取得は不可能になった。

登場人物

主要人物

エージェント・47(Agent 47)
裏の世界で最高の暗殺者と知られるも、あくまで一般には都市伝説扱いされている。彼が依頼を請け負うICAとその敵対組織「フランチャイズ」の対立に巻き込まれ、彼自身も完璧なクローンのサンプルとして狙われることとなる。
ダイアナ・バーンウッド(Diana Burnwood)
裏組織「ザ・エージェンシー」(ICA)に所属し、47とのコンタクトを取る女性。敵対組織「フランチャイズ」(またはアルファ・ゼロックス)の攻勢により最後の方ではICAが壊滅し彼女1人になる。
エージェント・スミス(Agent Carlton Smith)
CIAの諜報部員。よく敵に正体がばれて大変なことになっていることが多く、物語前半ではアルコール中毒者向けのクリニックに監禁されている。終盤において、大統領暗殺阻止のために副大統領暗殺を47に依頼する。

フランチャイズ

アレキサンダー・リーランド・"ジャック"・ケイン(Alexander Leland 'Jack' Cayne)
CIA長官。元CIA長官は新聞記事での肩書きだが、リックは元FBI長官と言っている。どちらが正しいかは不明。ただし、リックはFBI長官と言っている。CIAと表記は新聞記事。どちらが正しいかは不明。フランチャイズの幹部。顔の酷い火傷痕と車椅子が特徴。
リックを自身の下に呼び、47とクローンの危険性について語るが、裏ではクローン暗殺集団「ザ・クロウズ」を使って世界中の暗殺事件に関与している。47と「組織」を追い詰め、「組織」の壊滅と47の肉体を手に入れることに成功する。しかし、これはダイアナが仕掛けた罠であり、自身が主催した47の葬儀の場で目覚めた彼に殺害される。
マーク・パーチェッツィ三世(Mark Parchezzi III)
「ザ・クロウズ」のリーダーで、同じクローン達の中でも最も完璧に近い。だが、クラス2のクローンに違いは無く、自身の死に怯えている。死を回避するため、完璧なクローンである47を狙いホワイトハウスで対決する。
ダニエル・モリス(Daniel Morris)
アメリカ合衆国副大統領。前の副大統領が交通事故で死亡したため、議会の全会一致で指名され就任した。ただし、彼は「アルファ・ゼロックス」の一員であり、前副大統領の死も偶然ではない。大統領を暗殺し、大統領職を継承しようとするが47に暗殺される。公式にはクローン反対派である。また大統領夫人に弱い。
マーク・プラヤ二世(Mark Purayah II)
「ザ・クロウズ」の一員でクラスⅡのクローン。レイモンド・クリンスキーとアンジェリーナ・メイソンを従え、ニューオーリンズマルディ・グラに紛れてアメリカ内務長官の命を狙う。
レイモンド・クリンスキー(Raymond Kulinsky)
元世界レベルのバイアスロン選手。マーク・プラヤ2世の指揮下で内務長官の命を狙う。相棒のアンジェリーナとは恋仲であり、彼女が死んだことを知ると暴走する。
アンジェリーナ・メイソン(Angelina Mason)
元サーカス団所属。レイモンドの相棒であり恋人。任務中はもっぱら偵察などの裏方に徹する。レイモンドが死んだことを知ると暴走する。
イヴ(Eve)
フランチャイズに雇われた女暗殺者。依頼のため訪れたラスベガスのパーティにてメイナードと共に47を狙う。自身を蜘蛛に例え、ターゲットを罠に誘いこんで襲いかかる。美人だが歌は上手くない。
メイナード・ジョン(Maynard John)
フランチャイズに雇われた暗殺者。依頼のために訪れたラスベガスのパーティでイヴと共に47を狙う。優秀であるが、芝居がかった回りくどい手法を好む。

その他

リック・ヘンダーソン(Rick Henderson)
「ファースト・エディション」誌の記者。アレキサンダーに客観的な記事を書くということで気に入られている。最初は47を都市伝説の1つにしか思っていなかったが、アレキサンダーの話を聞いて実在することを信じるようになる。
最後、アレキサンダーが主催した47の葬儀に参加するが、彼と共に殺害される。
トム・スチュワート(Tom Steward)
アメリカ合衆国大統領クローン支持者であるが、それを良く思わない「アルファ・ゼロックス」に命を狙われる。本作では直接は登場しない。
スポールディング・バーク
アメリカ合衆国前副大統領。故人。公には自動車事故で死亡したことになっているが、ダニエル・モリスを副大統領職につけたい「アルファ・ゼロックス」によって暗殺されたと推測される。
ジム・シリー(Jimmy Macklin)
アメリカ合衆国内務長官。クローン技術や妊娠中絶などを支持する典型的な反保守派。「アルファ・ゼロックス」に命を狙われる。

用語

アルファ・ゼロックス(Alpha Zerox's)
通称"陰の政府機関"。規模や目的など不明だが、副大統領の暗殺とそれに伴う副大統領指名の操作など、かなり大掛かりな組織である。一応、CIAやFBIは尻尾を掴んではいるようだが、スミスの話やアレキサンダーの例を見る限り、上層部にシンパがいる可能性は高い。
フランチャイズ(the Franchise)
アルファ・ゼロックスの下部組織。クローン暗殺者集団「ザ・クロウズ」を有し、世界中で暗殺事件を起こす。本作では「組織」こと「ザ・エージェンシー」と抗争を広げ、最終的には「組織」を壊滅させることに成功する。
ザ・クロウズ
フランチャイズに所属するクローン暗殺者集団の総称。表舞台ではクラス2・クローンの特徴から「アルビノ」もしくは「アルビノ暗殺団」と呼ばれる。クローンらしく非常に高い能力を有すが、皆クラス2ゆえに短命である。
クラス
クローンの種類。より正確には成人までに加速成長させたヒト・クローンの種類である。クラス1と2がある。
クラス1
完全なクローン。現状ではオルトマイヤー博士のみが完成させた。47によって後継の「48」もろとも博士が殺害されたため、現在クラス1の技術は事実上失われたと言っていい。しかし、このクローン技術の資料を手に入れたフランチャイズは、現在わかっている唯一のクラス1・クローンである47を手に入れれば技術的にクラス1・クローンを作れるようになると考えている。ただし、2作目に登場したセルゲイの部下「17」のようにクラス1クローンが他にもいる可能性は否定できない。
クラス2
不完全なクローン。一応、成人して能力を発揮するが、成熟後18か月以内に大半は死亡してしまう。アルビノであることも特徴の1つ。

外部リンク