豊浦層群

豊浦層群（とよらそうぐん、Toyora Group）は、日本のジュラ系で、矢部 (1920)により豊浦層と命名されたのが最初。Matsumoto (1949)により現在の名称となる。矢部 (1920)では、Toyoura Seriesという英語名が与えられたが、地層名は豊浦郡（とよらぐん）に由来する。地名の読みが不適切である場合、その先取権を尊重する必要はないため、現在の読みと英語綴りに変更されている。

概要

豊浦層群は、山口県西部の下関市（2005年2月に旧下関市と旧豊浦郡の範囲が合併）に分布する下部 - 上部ジュラ系で、その模式地の位置する北部地区および、田部盆地（下関市菊川町に位置する盆地）より南方の南部地区に隔てられており、古生代の蓮華変成岩および豊東層群を傾斜不整合で覆い、ジュラ紀末期 - 白亜紀前期の豊西層群に平行不整合ないし、一部、軽微な傾斜不整合で覆われる。

本層群は、全層厚約1000 - 2000 m、下位から東長野層、西中山層、歌野層、阿内層に区分され、内湾の主に浅海域で堆積した剥離性 - 塊状の黒色泥岩・砂質泥岩、砂岩、礫岩などからなり、堆積物重力流によって特徴づけられる岩相を示す。本層群の各層に生痕属Phycosiphonの単一相からなる生物擾乱泥岩の挟在が認められる。

参考文献

• 河村博之「山口県、田部盆地南部のジュラ系豊浦層群の層序の再検討」『地質学雑誌』第116巻第1号、2010年、27-44頁、doi:10.5575/geosoc.116.27、ISSN 0016-7630、OCLC 5179144764。 
• 君波和雄「豊浦層群」『中国地方』朝倉書店〈日本地方地質誌〉、2009年、100-102頁。ISBN 978-4-254-16786-3。 
• Matsumoto, T. (1949). “The Late Mesozoic geological history in the Nagato Province, southwest Japan”. Japan. Jour. Geol. Geogr. 21: 235-243. OCLC 610397819. 
• 佐藤正「ジュラ紀 - 日本のジュラ紀地史」『下巻』朝倉書店〈地史学〉、1967年、386-407頁。OCLC 833343664。 
• 矢部長克「豊前企救半島の所謂中生層に就いて」『地学雑誌』第32巻、1920年、513-520頁、OCLC 1554202。 
• 吉冨健一「豊西層群」『中国地方』朝倉書店〈日本地方地質誌〉、2009年、100-102頁。ISBN 978-4-254-16786-3。 

関連項目

• 豊西層群