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'''国富'''(こくふ)とは、[[国民]]全体が保有する資産から負債を差し引いた正味資産。[[フローとストック|ストック]][[統計]]の1つである。[[自然災害]]や[[戦争]]、その他の出来事によって国富が減少することを「国富の喪失」という。 |
'''国富'''(こくふ)とは、[[国民]]全体が保有する資産から負債を差し引いた正味資産。[[フローとストック|ストック]][[統計]]の1つである。[[自然災害]]や[[戦争]]、その他の出来事によって国富が減少することを「国富の喪失」という。 |
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国富は[[再生産]]可能な生産資産である「在庫」、「有形固定資産(住宅・建物、構築物、機械・設備、耐久消費財など)」、「無形固定資産(コンピュータソフトウェア)」と、「非生産資産(土地、地下資源、漁場など)」を足し合わせたものに「[[対外資産負債残高|対外純資産]]」を加減して求められる。国民総資産から総負債を差し引いたものと同じとなる<ref>[ |
国富は[[再生産]]可能な生産資産である「在庫」、「有形固定資産(住宅・建物、構築物、機械・設備、耐久消費財など)」、「無形固定資産(コンピュータソフトウェア)」と、「非生産資産(土地、地下資源、漁場など)」を足し合わせたものに「[[対外資産負債残高|対外純資産]]」を加減して求められる。国民総資産から総負債を差し引いたものと同じとなる<ref>[https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h23/sankou/pdf/point20130118.pdf#search='%E5%9B%BD%E5%AF%8C+%E6%8E%A8%E7%A7%BB' 平成23年度国民経済計算確報(ストック編)ポイント] - [[内閣府]][[経済社会総合研究所]]国民経済計算部(平成25年1月18日)</ref>。日本の正味資産としての国富は、この10年ほど概ね3000兆円前後で推移している<ref>[http://tk.ismcdn.jp/mwimgs/2/e/-/img_2e833dd02a2f3ec7aca56ba4949cf26f150637.jpg 国富の推移]。</ref><ref>[http://www.nli-research.co.jp/report/shoho/2014/vol58/syo1407a.pdf#search='%E5%9B%BD%E5%AF%8C%E8%A8%88%E7%AE%97+2005%E5%B9%B4%E5%9F%BA%E6%BA%96' ストックから見た日本経済の課題~求められる投資効率の改善~][[ニッセイ基礎研究所]] 専務理事櫨(はじ)浩一 - ニッセイ基礎研所報 Vol.58 June 2014(Page1-6)。</ref>。 |
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計算基準には[[国連]]が[[1968年]]に定めた687SNA基準、後に改定された687SNA2000年基準、687SNA2005年基準があるが、いずれも無形の[[文化資本]]などは勘定に入らない。また、土地の価格([[地価]])によって国富は大きく変動する。[[バブル期]]には地価の急上昇にともなって国富も大幅に増加した。土地総額が国富に占める割合は、[[1989年]]のバブル末期では7割近く、[[2006年]]末では5割近くとなっている<ref>神樹兵輔 『面白いほどよくわかる 最新経済のしくみ-マクロ経済からミクロ経済まで素朴な疑問を一発解消(学校で教えない教科書)』 日本文芸社、2008年、230頁。</ref>。 |
計算基準には[[国連]]が[[1968年]]に定めた687SNA基準、後に改定された687SNA2000年基準、687SNA2005年基準があるが、いずれも無形の[[文化資本]]などは勘定に入らない。また、土地の価格([[地価]])によって国富は大きく変動する。[[バブル期]]には地価の急上昇にともなって国富も大幅に増加した。土地総額が国富に占める割合は、[[1989年]]のバブル末期では7割近く、[[2006年]]末では5割近くとなっている<ref>神樹兵輔 『面白いほどよくわかる 最新経済のしくみ-マクロ経済からミクロ経済まで素朴な疑問を一発解消(学校で教えない教科書)』 日本文芸社、2008年、230頁。</ref>。 |
2020年2月27日 (木) 13:25時点における版
国富(こくふ)とは、国民全体が保有する資産から負債を差し引いた正味資産。ストック統計の1つである。自然災害や戦争、その他の出来事によって国富が減少することを「国富の喪失」という。
国富は再生産可能な生産資産である「在庫」、「有形固定資産(住宅・建物、構築物、機械・設備、耐久消費財など)」、「無形固定資産(コンピュータソフトウェア)」と、「非生産資産(土地、地下資源、漁場など)」を足し合わせたものに「対外純資産」を加減して求められる。国民総資産から総負債を差し引いたものと同じとなる[1]。日本の正味資産としての国富は、この10年ほど概ね3000兆円前後で推移している[2][3]。
計算基準には国連が1968年に定めた687SNA基準、後に改定された687SNA2000年基準、687SNA2005年基準があるが、いずれも無形の文化資本などは勘定に入らない。また、土地の価格(地価)によって国富は大きく変動する。バブル期には地価の急上昇にともなって国富も大幅に増加した。土地総額が国富に占める割合は、1989年のバブル末期では7割近く、2006年末では5割近くとなっている[4]。
脚注
- ^ 平成23年度国民経済計算確報(ストック編)ポイント - 内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部(平成25年1月18日)
- ^ 国富の推移。
- ^ ストックから見た日本経済の課題~求められる投資効率の改善~ニッセイ基礎研究所 専務理事櫨(はじ)浩一 - ニッセイ基礎研所報 Vol.58 June 2014(Page1-6)。
- ^ 神樹兵輔 『面白いほどよくわかる 最新経済のしくみ-マクロ経済からミクロ経済まで素朴な疑問を一発解消(学校で教えない教科書)』 日本文芸社、2008年、230頁。