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「D.P.S.」の版間の差分

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『'''D.P.S'''』は、アリスソフトから[[1989年]]12月に発売されたアダルトゲームである{{r|maeda56|pcangel36}}。シリーズ第1作である同作は{{r|maeda56}}、3本のシナリオ(「プリンセス・ファンタジー」・「なんてったって芸能人」・「いけない!! 内科検診」)が収録された[[アドベンチャーゲーム]]である{{r|pcangel36}}{{efn|シナリオタイトルに関して「Princess Fantasy」{{r|taizen65|maeda56}}、「いけない内科検診」{{r|taizen65|maeda56}}という表記も見られる。}}。
『'''D.P.S'''』は、アリスソフトから[[1989年]]12月に発売されたアダルトゲームである{{r|maeda56|pcangel36}}。シリーズ第1作である同作は{{r|maeda56}}、3本のシナリオ(「プリンセス・ファンタジー」・「なんてったって芸能人」・「いけない!! 内科検診」)が収録された[[アドベンチャーゲーム]]である{{r|pcangel36}}{{efn|シナリオタイトルに関して「Princess Fantasy」{{r|taizen65|maeda56}}、「いけない内科検診」{{r|taizen65|maeda56}}という表記も見られる。}}。


「プリンセス・ファンタジー」では主人公の騎士・カスタムがリーナス姫を護衛しつつ{{r|pcangel37}}、魔物の手から逃れる{{r|pcangel36}}[[ファンタジー]]風の作品になっている{{r|taizen65}}。「なんてったって芸能人」は売れっ子アイドル・ひとみと、彼女への憧れを抱く木下真理子が登場する{{r|pcangel37}}。プレイヤーはどちらかの視点を選択して物語が展開し、2人の間の[[同性愛]]が描かれる{{r|pcangel36}}。そして「いけない!! 内科検診」はプレイヤーが医者目線話が進行し{{r|pcangel37}}、女子高校でお目当ての学生相手に検診を行う内容となっている{{r|pcangel36}}。
「プリンセス・ファンタジー」では主人公の騎士・カスタムがリーナス姫を護衛しつつ{{r|pcangel37}}、魔物の手から逃れる{{r|pcangel36}}[[ファンタジー]]風の作品になっている{{r|taizen65}}。「なんてったって芸能人」は売れっ子アイドル・ひとみと、彼女への憧れを抱く木下真理子が登場する{{r|pcangel37}}。プレイヤーはどちらかの視点を選択して物語が展開し、2人の間の[[同性愛]]が描かれる{{r|pcangel36}}。そして「いけない!! 内科検診」はプレイヤーが医者目線となって話が進行し{{r|pcangel37}}、女子高校でお目当ての学生相手に検診を行う内容となっている{{r|pcangel36}}。

==== 評価 ====
書籍『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』においてレビュアーを担当したごうすとは、作品のストーリーに関しては「当時を感じさせ、多少の理不尽さを感じたりする」と言及した{{r|taizen65}}。その一方、3本の短編を収録した本作が5,800円で販売されたその値段設定自体には「お買い得感はあり」と、好感を示している{{r|taizen65}}。『[[PC Angel neo|PC ANGEL]] シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』誌の考察では、それぞれのシナリオでの心を引きつける設定になっている点が評価されている{{r|pcangel36}}。


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: 書籍『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』においてレビュアーを担当したごうすとは、作品のストーリーに関しては「当時を感じさせ、多少の理不尽さを感じたりする」と言及した{{r|taizen65}}。その一方、3本の短編を収録した本作が5,800円で販売されたその値段設定自体には「お買い得感はあり」と、好感を示している{{r|taizen65}}。『[[PC Angel neo|PC ANGEL]] シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』誌の考察では、それぞれのシナリオでプレイヤーの心を引きつける設定になっている点が評価されている{{r|pcangel36}}。
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『'''D.P.S. SG'''』は、アリスソフトから[[1990年]]8月に発売されたアダルトゲームである{{r|maeda56|dpssg28}}。『D.P.S.』シリーズ2作目で{{r|pcangel38}}ジャンルとしては[[アドベンチャーゲーム]]に分類され{{r|taizen70}}、[[フロッピーディスク]]にて販売された{{r|maeda56}}。本作には「家庭教師はステキなお仕事」と「Fahnen Fliegen」、「信長の淫謀」の3本のシナリオが収録されている{{r|dpssg28|pcangel38|taizen70}}。このうち「Fahnen Fliegen」と「信長の淫謀」には隠しグラフィックが存在する{{R|dpssg29}}。
『'''D.P.S. SG'''』は、アリスソフトから[[1990年]]8月に発売されたアダルトゲームである{{r|maeda56|dpssg28}}。『D.P.S.』シリーズ2作目で{{r|pcangel38}}ジャンルとしては[[アドベンチャーゲーム]]に分類され{{r|taizen70}}、[[フロッピーディスク]]にて販売された{{r|maeda56}}。本作には「家庭教師はステキなお仕事」と「Fahnen Fliegen」、「信長の淫謀」の3本のシナリオが収録されている{{r|dpssg28|pcangel38|taizen70}}。このうち「Fahnen Fliegen」と「信長の淫謀」には隠しグラフィックが存在する{{R|dpssg29}}。


「家庭教師はステキなお仕事」は高校受験を控える少女・舞子と、彼女に英語を教える家庭教師のたくやとの恋愛を描いた内容となっている{{R|dpssg28}}。プレイヤーは両者の視点ゲームを進行することが可能で{{r|pcangel38}}、舞子を主人公にした「生徒バージョン」ではたくみを誘って処女を卒業するとゲームクリアになるのに対し、たくみを主人公にした「先生バージョン」では、舞子と少しずつ距離を詰めていくことでゲームクリアとなる{{R|dpssg72}}。
「家庭教師はステキなお仕事」は高校受験を控える少女・舞子と、彼女に英語を教える家庭教師のたくやとの恋愛を描いた内容となっている{{R|dpssg28}}。プレイヤーは両者の視点からゲームを進行することが可能で{{r|pcangel38}}、舞子を主人公にした「生徒バージョン」ではたくみを誘って処女を卒業するとゲームクリアになるのに対し、たくみを主人公にした「先生バージョン」では、舞子と少しずつ距離を詰めていくことでゲームクリアとなる{{R|dpssg72}}。


「Fahnen Fliegen」は[[第二次世界大戦]]時における[[国家社会主義ドイツ労働者党|ナチス]][[武装親衛隊]]を舞台としている{{r|pcangel38}}。捕虜となったフランス人女性・ロザリーに対する尋問を題材としており{{efn|捕虜の女性の名前をロゼとする文献も存在する{{r|pcangel39}}。}}、「お偉い軍人バージョン」では主人公である冷血な軍人ハインツによる拷問が展開される{{R|dpssg72}}。一方、「新人バージョン」では主人公である新米軍人が上官を追い出したうえで、彼女の心を開かせながら尋問し、同意のうえでの性交に持ち込む様子が描かれている{{R|dpssg73}}。
「Fahnen Fliegen」は[[第二次世界大戦]]時における[[国家社会主義ドイツ労働者党|ナチス]][[武装親衛隊]]を舞台としている{{r|pcangel38}}。捕虜となったフランス人女性・ロザリー{{efn|捕虜の女性の名前をロゼとする文献も存在する{{r|pcangel39}}。}}に対する尋問を題材としており、「お偉い軍人バージョン」では主人公である冷血な軍人ハインツによる拷問が展開される{{R|dpssg72}}。一方、「新人バージョン」では主人公である新米軍人が上官を追い出したうえで、彼女の心を開かせながら尋問し、同意のうえでの性交に持ち込む様子が描かれている{{R|dpssg73}}。


「信長の淫謀」は戦国時代を舞台した作品で同シナリオにおいて蘭丸は男装の少女として設定されている{{R|dpssg73}}。[[織田信長]]の寵児・[[森成利|森蘭丸]]と家臣・[[明智光秀]]が主君・信長や{{R|dpssg73}}その娘に当たる姫{{r|pcangel39}}に振り回される様子が描かれ{{R|dpssg73}}、彼らのところへ潜入してきた忍者も合わせて淫蕩へ落ちていく話が展開する{{r|pcangel38}}。
「信長の淫謀」は戦国時代を舞台した作品で同シナリオにおいて蘭丸は男装の少女として設定されている{{R|dpssg73}}。[[織田信長]]の寵児・[[森成利|森蘭丸]]と家臣・[[明智光秀]]が主君・信長や{{R|dpssg73}}その娘に当たる姫{{r|pcangel39}}に振り回される様子が描かれ{{R|dpssg73}}、彼らのところへ潜入してきた忍者も合わせて淫蕩へ落ちていく話が展開する{{r|pcangel38}}。


==== 開発 ====
; 開発
アリスソフト所属のとりは今までのジャンルにとらわれないゲームを作ろうという考えから、『D.P.S. SG』シリーズにおいては様々な試みをしたと述べている{{R|scenario}}。また、画面数の少なさゆえに通常のアドベンチャーゲームのようなインターバルの中でキャラクターの「味」(個性)を出すのに苦労したとも語っている{{R|scenario}}。
: アリスソフト所属のとりは今までのジャンルにとらわれないゲームを作ろうという考えから、『D.P.S. SG』シリーズにおいては様々な試みをしたと述べている{{R|scenario}}。また、画面数の少なさゆえに通常のアドベンチャーゲームのようなインターバルの中でキャラクターの「味」(個性)を出すのに苦労したとも語っている{{R|scenario}}。
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==== 評価 ====
; 評価
本作のグラフィックに関しては以下のようなね肯定的な評価がある。まず『PC ANGEL』誌の美少女ゲーム傑作選ではシリーズ1作目に比べて「大幅にCGがキレイになった」と述べられており{{r|pcangel38}}、『美少女ゲーム最前線』パート5に掲載された紹介記事では露骨な絵柄はあまりないものの、グラフィックが丹念に描かれている点や、Hシーンの情景描写に熱が入っている点が評価されている{{R|dpssg28}}。そして、パソコンゲーム誌の編集者・前田尋之は性に溺れた女性キャラクターの表情を褒め称えている{{r|maeda56}}。
: 本作のグラフィックに関しては以下のようなおおむね肯定的な評価がある。まず『PC ANGEL』誌の美少女ゲーム傑作選ではシリーズ1作目に比べて「大幅にCGがキレイになった」と述べられており{{r|pcangel38}}、『美少女ゲーム最前線』パート5に掲載された紹介記事では露骨な絵柄はあまりないものの、グラフィックが丹念に描かれている点や、Hシーンの情景描写に熱が入っている点が評価されている{{R|dpssg28}}。そして、パソコンゲーム誌の編集者・前田尋之は性に溺れた女性キャラクターの表情を褒め称えている{{r|maeda56}}。
: 一方、シナリオに関しては、『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』に寄稿したライター・くれあ☆ばいぶるが展開の理不尽さを指摘し、リリース当時の時代を感じる内容になっていると述べたうえ、森蘭丸を女体化した初めてのゲーム作品ではないかという論考を加えている{{r|taizen70}}。そのほか『PC ANGEL』誌は本作におけるナチスの武装親衛隊から家庭教師といった設定の幅広さについて取り上げ、エンターテイメント性のある作品とした{{r|pcangel38}}。

一方、シナリオに関しては、『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』に寄稿したライター・くれあ☆ばいぶるが展開の理不尽さを指摘し、リリース当時の時代を感じる内容になっていると述べた{{r|taizen70}}。その上で同氏は本作が森蘭丸を女体化した初めてのゲーム作品ではないかと論考を加えている{{r|taizen70}}。そのほか『PC ANGEL』誌は本作におけるナチスの武装親衛隊から家庭教師といった設定の幅広さについて取り上げ、エンターテイメント性のある作品とした{{r|pcangel38}}。
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=== これD.P.S? ===
=== これD.P.S? ===
「'''これD.P.S?'''」は、2000年12月7日に発売された『20世紀アリス』(『[[ALICEの館]]』シリーズ作品)に収録されたゲーム作品である{{r|bb200012_110}}。本作『20世紀アリス』はWindows 95[[Microsoft Windows 98|98]]に向けて発売され、ゲーム「[[かえるにょ・ぱにょ〜ん|かえるにょ国にょアリス]]」なども同梱されていた{{r|bb200012_110}}{{efn|公式サイトによれば、『20世紀アリス』は[[Microsoft Windows Millennium Edition|Windows Me]]および[[Microsoft Windows 2000|2000]]にも対応していた{{r|koredps}}。}}。「これD.P.S?」内には4つの短編(「Keep out」・「Iron maiden」・「超伝説古代ロボ レッドサンダー」・「闇黒-アンコク-」)収録ていた{{r|koredps}}。
「'''これD.P.S?'''」は、2000年12月7日に発売された『20世紀アリス』(『[[ALICEの館]]』シリーズ作品)に収録されたゲーム作品である{{r|bb200012_110}}。本作『20世紀アリス』はWindows 95/[[Microsoft Windows 98|98]]用として発売され、ゲーム「[[かえるにょ・ぱにょ〜ん|かえるにょ国にょアリス]]」なども同梱されていた{{r|bb200012_110}}{{efn|公式サイトによれば、『20世紀アリス』は[[Microsoft Windows Millennium Edition|Windows Me]]および[[Microsoft Windows 2000|2000]]にも対応していた{{r|koredps}}。}}。「これD.P.S?」内には4つの短編(「Keep out」・「Iron maiden」・「超伝説古代ロボ レッドサンダー」・「闇黒-アンコク-」)収録されていた{{r|koredps}}。


== シリーズに対する反響 ==
== シリーズに対する反響 ==

2020年4月20日 (月) 02:09時点における版

D.P.S.』(ディー・ピー・エス)は、日本のゲームブランド・アリスソフトより発売されたアダルトゲームおよびそのシリーズである。「D.P.S.」は "Dream Program System" の略となっている[1][2]

シリーズ概要

本シリーズは「夢の中で自分のやりたいことを」というコンセプトをもつ、オムニバス形式のアドベンチャーゲームである[2]。本シリーズのシナリオは夢という設定で[3]、1作品につき3つのショートストーリーが収録されている[4]。また、各ストーリーには2つのバージョンが存在するため、実質的には6種類のシナリオが収録されている[3]。バージョン分けの方法はシナリオによって異なり、短編「家庭教師はステキなお仕事」(『D.P.S. SG』収録)のようにキャラクターの立ち位置によってバージョン分けがされているもの[3]や、「ANTIQUE HOUSE」(『D.P.S. SG set2』収録)のように、登場人物の性格によってバージョン分けされている場合もある[5]

販売されたゲームはシステムディスクとシナリオディスクを分けた状態で販売された[1]。このシステムディスクはハードウェアのように扱うことが可能で[1]、シリーズ2作目の『D.P.S. SG』から『D.P.S. SG set3』までは[6]システムが他のシリーズ作品との互換性を有している[2]。そのほか、廉価版としてシステムディスクの付属しないバージョンも販売された[2]

1995年11月に発売された『D.P.S. 全部』を最後にシリーズは途切れていたが、2000年12月7日に発売された『20世紀アリス』の収録作品『これD.P.S.?』で復活を果たした。なお、『D.P.S.全部』以前の作品はいずれも配布フリー宣言に指定されている。

シリーズ各作品 

D.P.S.

D.P.S.
ジャンル アドベンチャーゲーム[7][1]
対応機種 PC-8801/PC-9801/X68000/MSX2/FM TOWNS[7][注釈 1]
発売元 アリスソフト[2]
キャラクターデザイン MIN-NARAKEN[8]
発売日 1989年12月[2][7]
レイティング 18禁[7]
テンプレートを表示

D.P.S』は、アリスソフトから1989年12月に発売されたアダルトゲームである[2][7]。シリーズ第1作である同作は[2]、3本のシナリオ(「プリンセス・ファンタジー」・「なんてったって芸能人」・「いけない!! 内科検診」)が収録されたアドベンチャーゲームである[7][注釈 2]

「プリンセス・ファンタジー」では主人公の騎士・カスタムがリーナス姫を護衛しつつ[9]、魔物の手から逃れる[7]ファンタジー風の作品になっている[1]。「なんてったって芸能人」は売れっ子アイドル・ひとみと、彼女への憧れを抱く木下真理子が登場する[9]。プレイヤーはどちらかの視点を選択して物語が展開し、2人の間の同性愛が描かれる[7]。そして、「いけない!! 内科検診」はプレイヤーが医者の目線となって話が進行し[9]、女子高校でお目当ての学生相手に検診を行う内容となっている[7]

評価
書籍『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』においてレビュアーを担当したごうすとは、作品のストーリーに関しては「当時を感じさせ、多少の理不尽さを感じたりする」と言及した[1]。その一方、3本の短編を収録した本作が5,800円で販売されたその値段設定自体には「お買い得感はあり」と、好感を示している[1]。『PC ANGEL シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』誌の考察では、それぞれのシナリオでプレイヤーの心を引きつける設定になっている点が評価されている[7]

D.P.S. SG

D.P.S. SG
ジャンル アドベンチャーゲーム[10]
対応機種 PC-9801/PC-8801/PC-88VA/X68000/MSX2/FM TOWNS[3][6][注釈 3]
発売元 アリスソフト[2]
発売日 1990年8月[2][3]
レイティング 18禁[6]
メディア フロッピーディスク[2]
テンプレートを表示

D.P.S. SG』は、アリスソフトから1990年8月に発売されたアダルトゲームである[2][3]。『D.P.S.』シリーズ2作目で[6]ジャンルとしてはアドベンチャーゲームに分類され[10]フロッピーディスクにて販売された[2]。本作には「家庭教師はステキなお仕事」と「Fahnen Fliegen」、「信長の淫謀」の3本のシナリオが収録されている[3][6][10]。このうち、「Fahnen Fliegen」と「信長の淫謀」には隠しグラフィックが存在する[11]

「家庭教師はステキなお仕事」は高校受験を控える少女・舞子と、彼女に英語を教える家庭教師のたくやとの恋愛を描いた内容となっている[3]。プレイヤーは両者の視点からゲームを進行することが可能で[6]、舞子を主人公にした「生徒バージョン」ではたくみを誘って処女を卒業するとゲームクリアになるのに対し、たくみを主人公にした「先生バージョン」では、舞子と少しずつ距離を詰めていくことでゲームクリアとなる[12]

「Fahnen Fliegen」は第二次世界大戦時におけるナチス武装親衛隊を舞台としている[6]。捕虜となったフランス人女性・ロザリー[注釈 4]に対する尋問を題材としており、「お偉い軍人バージョン」では主人公である冷血な軍人ハインツによる拷問が展開される[12]。一方、「新人バージョン」では主人公である新米軍人が上官を追い出したうえで、彼女の心を開かせながら尋問し、同意のうえでの性交に持ち込む様子が描かれている[14]

「信長の淫謀」は戦国時代を舞台した作品で同シナリオにおいて蘭丸は男装の少女として設定されている[14]織田信長の寵児・森蘭丸と家臣・明智光秀が主君・信長や[14]その娘に当たる姫[13]に振り回される様子が描かれ[14]、彼らのところへ潜入してきた忍者も合わせて淫蕩へ落ちていく話が展開する[6]

開発
アリスソフト所属のとりは今までのジャンルにとらわれないゲームを作ろうという考えから、『D.P.S. SG』シリーズにおいては様々な試みをしたと述べている[15]。また、画面数の少なさゆえに通常のアドベンチャーゲームのようなインターバルの中でキャラクターの「味」(個性)を出すのに苦労したとも語っている[15]
評価
本作のグラフィックに関しては、以下のようなおおむね肯定的な評価がある。まず『PC ANGEL』誌の美少女ゲーム傑作選ではシリーズ1作目に比べて「大幅にCGがキレイになった」と述べられており[6]、『美少女ゲーム最前線』パート5に掲載された紹介記事では露骨な絵柄はあまりないものの、グラフィックが丹念に描かれている点や、Hシーンの情景描写に熱が入っている点が評価されている[3]。そして、パソコンゲーム誌の編集者・前田尋之は性に溺れた女性キャラクターの表情を褒め称えている[2]
一方、シナリオに関しては、『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』に寄稿したライター・くれあ☆ばいぶるが展開の理不尽さを指摘し、リリース当時の時代を感じる内容になっていると述べたうえ、森蘭丸を女体化した初めてのゲーム作品ではないかという論考を加えている[10]。そのほか、『PC ANGEL』誌は本作におけるナチスの武装親衛隊から家庭教師といった設定の幅広さについてを取り上げ、エンターテイメント性のある作品と評した[6]

D.P.S. SG set2

D.P.S. SG set2
対応機種 PC-9801/PC-88VA/X68000/MSX2/FM TOWNS用[16]
発売元 アリスソフト
キャラクターデザイン むつみまさと[8]
発売日 1991年4月発売[16]
レイティング 18禁
テンプレートを表示

D.P.S. SG set2』は1991年4月に発売されたアダルトゲームであり、シリーズ3作目である同作には、「ANTIQUE HOUSE」と「朱い夜」、「いけない内科検診 再び」の3本のシナリオが収録されている[16]

「朱い夜」は、火災が起きたホテルを舞台に、ホテルのオーナーが宿泊客であるエリスを救出する様子を描いている[5]。 「いけない内科検診 再び」は、「いけない内科検診」の続編であり[16]、産婦人科の代わりに女子校生・由美子を診察する内容となっている[5]。「ANTIQUE HOUSE」は、主人公が小間使いのテスを脅かすために語った怖い話が現実のものになる、ホラー調の物語である[17]

本作のシナリオの文字数は約16万字と、これまでのアリスソフトの製品の中で最も多かったにもかかわらず、とりは物語が短く感じたと『美少女ゲーム最前線』パート5の記事の中で語っている[15]

D.P.S. SG set3

D.P.S. SG set3
対応機種 PC-9801/PC-88VA/X68000/MSX2/FM TOWNS
発売元 アリスソフト
発売日 1991年12月発売
レイティング 18禁
テンプレートを表示

D.P.S. SG set3』は1991年12月に発売されたアダルトゲームであり、同作には新婚夫婦の初夜をそれぞれの視点で描いた「しんこんさんものがたり」、卒業式の日の告白とその顛末を描いた「卒業」、うさぎ娘を追う貴族を描いた「Rabbit〜P4P〜」の3本が収録されている。

Super D.P.S.

Super D.P.S.
対応機種 PC-9801/X68000/FM TOWNS
発売元 アリスソフト
発売日 1992年9月
レイティング 18禁
テンプレートを表示

Super D.P.S.』は1992年9月に発売されたアダルトゲームであり、当時のアダルトゲーム業界初の256色対応作品。

同作にはRanceシリーズに登場するマリアと彼女が作ったロボット・カンパンを描いた「マリアとカンパン」、2人の少年少女が遠野の森からの脱出を目指す「遠野の森」、女宇宙海賊カメリアの狼藉を描いた「うれしたのし海賊稼業」が収録されている。

D.P.S. 全部

D.P.S. 全部』は1995年11月に発売されたアダルトゲームであり、過去のシリーズ全作品に収録された全シナリオと、新作シナリオ『めぐみちゃん物語』が収録されている。

PC-9801/FM TOWNS/Windows3.1/95用。256色対応。

これD.P.S? 

これD.P.S?」は、2000年12月7日に発売された『20世紀アリス』(『ALICEの館』シリーズ作品)に収録されたゲーム作品である[18]。本作『20世紀アリス』はWindows 95/98用として発売され、ゲーム「かえるにょ国にょアリス」なども同梱されていた[18][注釈 5]。「これD.P.S?」内には、4つの短編(「Keep out」・「Iron maiden」・「超伝説古代ロボ レッドサンダー」・「闇黒-アンコク-」)が収録されていた[19]

シリーズに対する反響

1991年11月15日に発行された『美少女ゲーム最前線』パート5に掲載された『D.P.S. SG set2』の攻略記事にて、どの作品のシナリオにおいてもグラフィックの使いまわしがあるにもかかわらず、バージョンごとに異なる状況を当てはめることに成功したと評価されている[5]

脚注

注釈 

  1. ^ PC-8801SR・PC-88VA・PC-9801VM・X68000・MSX2・FM TOWNSとする文献も存在する[2]
  2. ^ シナリオタイトルに関して「Princess Fantasy」[1][2]、「いけない内科検診」[1][2]という表記も見られる。
  3. ^ PC-8801VA・PC-9801VM・X68000・FM TOWNS・MSX2とする文献も存在する[2]
  4. ^ 捕虜の女性の名前をロゼとする文献も存在する[13]
  5. ^ 公式サイトによれば、『20世紀アリス』はWindows Meおよび2000にも対応していた[19]

出典 

  1. ^ a b c d e f g h i ごうすと 2000, p. 65.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 前田 2016, p. 56.
  3. ^ a b c d e f g h i 「よくわかる美少女ゲーム 傾向と対策編 D・P・S SG」, 美少女ゲーム最前線パート5』, p. 28.
  4. ^ 「D.P.S」, 『PC ANGEL シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』, p. 35.
  5. ^ a b c d 「よくわかる美少女ゲーム 深〜く愛して攻略データ編 D・P・S SG set2」, 『美少女ゲーム最前線パート5』, p. 74.
  6. ^ a b c d e f g h i j 「D.P.S SG」, 『PC ANGEL シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』, p. 38.
  7. ^ a b c d e f g h i j 「D.P.S」, 『PC ANGEL シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』, p. 36.
  8. ^ a b 今俊郎,黛宏和 (2019年8月1日). “【ゲームの企画書】エロゲー業界の重鎮アリスソフトのTADA氏が駆け抜けた現場30年。平成に始まり平成に終わった『Rance』シリーズを完結させた「作り続ける人」が向かう先”. 電ファミニコゲーマー. 2019年8月4日閲覧。
  9. ^ a b c 「D.P.S」, 『PC ANGEL シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』, p. 37.
  10. ^ a b c d くれあ 2000, p. 70.
  11. ^ 「よくわかる美少女ゲーム 傾向と対策編 D・P・S SG」, 『美少女ゲーム最前線パート5』, p. 29.
  12. ^ a b 「よくわかる美少女ゲーム 深〜く愛して攻略データ編 D・P・S SG」, 『美少女ゲーム最前線パート5』, p. 72.
  13. ^ a b 「D.P.S SG」, 『PC ANGEL シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』, p. 39.
  14. ^ a b c d 「よくわかる美少女ゲーム 深〜く愛して攻略データ編 D・P・S SG」, 『美少女ゲーム最前線パート5』, p. 73.
  15. ^ a b c 「季刊ピ〜イング創刊号 開発秘話『怒涛のシナリオ編』, 『美少女ゲーム最前線パート5』, p. 101.
  16. ^ a b c d 「よくわかる美少女ゲーム 傾向と対策編 D・P・S SG set2」, 『美少女ゲーム最前線パート5』, p. 30.
  17. ^ 「よくわかる美少女ゲーム 深〜く愛して攻略データ編 D・P・S SG set2」, 『美少女ゲーム最前線パート5』, p. 75.
  18. ^ a b 「20世紀アリス」, 『BugBug 2000年12月号』, p. 110.
  19. ^ a b これD.P.S.?”. アリスソフト. 2001年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月4日閲覧。

参考文献

書籍 

  • 前田尋之「D.P.S. SG」『ぼくたちの美少女ゲーム クロニクル』(第二刷)オークス、2016年8月8日、56 - 57頁。ISBN 978-4-7990-0809-6 
  • 『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』(初版第1刷)ぶんか社、2000年10月10日。ISBN 4-8211-0717-1 
    • ごうすと「Dream Program System(D.P.S.)」、65頁。
    • くれあ☆ばいぶる「DPS SG」、70頁。

雑誌 

  • 「20世紀アリス」『BugBug』2000年12月号、マガジンマガジン、2000年12月1日、110頁。 
  • 『美少女ゲーム最前線 パート5』辰巳出版、1991年11月1日。 
    • 「よくわかる美少女ゲーム 傾向と対策編 D・P・S SG」、28 - 29頁。
    • 「よくわかる美少女ゲーム 傾向と対策編 D・P・S SG set2」、30 - 31頁。
    • 「よくわかる美少女ゲーム 深〜く愛して攻略データ編 編 D・P・S SG」、72 - 73頁。
    • 「よくわかる美少女ゲーム 深〜く愛して攻略データ編 編 D・P・S SG set2」、74 - 75頁。
    • 「季刊ピ〜イング創刊号 開発秘話「怒涛のシナリオ編」」、100 - 101頁。
  • 『PC ANGEL シリーズ研究総集編 美少女ゲーム傑作選』PC ANGEL 10月号増刊、オデッセウス、1994年10月31日。 
    • 「D.P.S」、35 - 46頁。

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