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『'''DRAGON BUSTER'''』(ドラゴン・バスター)とは、[[秋山瑞人]]が[[2006年]][[8月]]に発売された[[電撃hp]]誌上で連載を開始した[[龍盤七朝シリーズ]]の小説である。イラストは[[藤城陽]]。[[2007年]][[10月]]までに計4話が発表されている。01巻が[[2008年]][[5月]]、02巻が[[2012年]][[1月]]に発売された。最新の著者の言では、全三巻での完結の予定が公言されている。 |
『'''DRAGON BUSTER'''』(ドラゴン・バスター)とは、[[秋山瑞人]]が[[2006年]][[8月]]に発売された[[電撃hp]]誌上で連載を開始した[[龍盤七朝シリーズ]]の小説である。イラストは[[藤城陽]]。[[2007年]][[10月]]までに計4話が発表されている。01巻が[[2008年]][[5月]]、02巻が[[2012年]][[1月]]に発売された。最新の著者の言では、全三巻での完結の予定が公言されている。 |
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2020年5月20日 (水) 10:12時点における版
龍盤七朝 DRAGONBUSTER | |
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ジャンル | ファンタジー |
小説 | |
著者 | 秋山瑞人 |
イラスト | 藤城陽 |
出版社 | アスキー・メディアワークス |
レーベル | 電撃文庫 |
刊行期間 | 2008年5月10日 - |
巻数 | 既刊2巻 |
テンプレート - ノート |
『DRAGON BUSTER』(ドラゴン・バスター)とは、秋山瑞人が2006年8月に発売された電撃hp誌上で連載を開始した龍盤七朝シリーズの小説である。イラストは藤城陽。2007年10月までに計4話が発表されている。01巻が2008年5月、02巻が2012年1月に発売された。最新の著者の言では、全三巻での完結の予定が公言されている。
龍盤七朝シリーズについて
2006年8月に発売された電撃hp43号の誌上にて、デビュー前からの知己である秋山瑞人と古橋秀之によるシェアワールド企画、龍盤七朝シリーズが始動することが発表された。これは、龍盤世界という一つの世界の中で二人が話を作り上げる企画である。
龍盤世界とは、古代中国を基にした仮想世界で、一(いつ/イー)螺(ら/ルオ)平(へい/ピン)凌(りょう/リン)鍠(こう/ホアン)該(がい/ガイ)電(でん/ディエン)という七つの王朝が時代も別々に存在するという。それぞれの時代で技術や魔法などの違いがあるというが、詳細は不明。
『DRAGON BUSTER 01』からしばらく動きはなかったが、2009年12月に『ケルベロス』がメディアワークス文庫に移籍して刊行され、2012年1月に『DRAGON BUSTER 02』が刊行された。
あらすじ
卯の国、元都。虐げられる民“言愚”の象徴、青い眼を持つ涼孤は双剣を取り“龍を飲む”。卯王朝のまだあどけなさを残す第十八皇女“月華”はどぶ川の畔で“龍”を見る。二人は出会い、怒鳴りあい、笑いあい、そしてその先にあるものは……。
登場人物
- 月華(ベルカ)
- 主人公。卯王朝第十八皇女であり、正式な本名を「禁呪迷魔発 畏山 卯皇尊珀礼門天詩操宇慎望神狗守康倫下清姫 敬海 禁呪迷魔結」という。十四歳。第十八皇女という、平民と王族の悪いところを集めたような実に微妙な立場にあり、不遇を囲っていた。皇女として型破りな存在で、幼少の頃から宮廷の作法を教育されてきた一方で、それを窮屈なものだと思える自我を王族にしては精神的奇形といえるほど強く残しており、感情が昂ぶると「地団太を踏みながらぐるぐる回る」という当人にも訳の分からない動作をしたり、宮中ではとんでもない無作法とされる思い出し笑いの癖など、奇行が目立つ。女官達に、雅語で「思い出し笑い」と言う意味の『月華』という花の名前を渾名につけられるが、当人はこの不名誉な渾名を存外に気に入っており、正しくは『珀礼門』と呼称されるが、近しい者にはあえて『月華』の愛称で呼ばせている。ある夜、お忍びの最中、道に迷って辿り着いた運河の岸の焼き場で涼孤の舞う剣を目撃する。
- その涼孤の剣に魅せられ、自身も剣を習い始める。未熟であるが天賦の才があるらしく、群狗があてがった教師役の武人が本当に皇女なのか、と疑う程。その群狗の指示でお遊び程度の教えしか受けていなかったが、背守との実践の最中に開眼し、「猫が虎になった」と胡久梨が評価する程になる。「寝歩き」と名付けた双節棍で胡久梨に挑むが敗退する。
- 涼孤(ジャンゴ)
- 三十六番手講武所で下男として働く。年齢不詳だが、作者曰く十五~十六歳?言愚(ゴング)と呼ばれ蔑視される白陽天の山岳民族の末裔で、その碧眼故に幼い頃から迫害を受けてきた。貧民街出身で生みの親の記憶は無く、初老の画家、蛇楊(ダヤン)によって育てられた為、似顔絵描きもして生計を立てている。もの心がつく頃から迫害を受けてきた為、理不尽さに対して達観した卑屈さで応えることを厭わない面がある。顔は街を行く女がよく振り向くほど整っている。物乞いの老婆に剣術を教えてもらい、老婆の死後、ニ振りの剣を譲り受ける。老婆に伝授された剣を運河で舞っていた所を月華に目撃される。
- 卑屈なその精神とは裏腹に剣の達人。一度“龍”を呑めばその場にいる全員を剣も無しに殺戮できる、と群狗はみているが、“龍”を呑まずに手加減した状態でも群狗の急所に一瞬で手を伸ばす、銀箸で胡久梨を圧倒するなど、異様な戦闘能力を持つ。
- 群狗(グング)
- 月華のお守り役の老人。群狗とはあの世から死人を迎えに来る使者の化身のことで、本名は遠い昔に棄てている。かつては相当の猛者として知られていたらしい。屋敷の使用人らからは、地方の警務長官に類する肩書きの“鴉眼(アガン)”とも呼ばれる。67年前、従軍していた白陽天の砦がたった一人の女によって壊滅させられた“龍”の日、その場に居合わせ、生き永らえた数名の内の一人。市中にお忍びで出たまま帰らぬ月華を捜しに出、涼孤の剣に“龍”の末裔を見い出す。
- 参渦(シャンガ)
- 流派は六身仙合門、月華の剣術指南役。"乞食(おもらい)の参渦"と呼ばれている。科那国の韓鄲(かんたん)は御堂(ごどう)の町の出身。
- 珠会(シュア)
- 廓で客を取る遊女。年齢は十代半ばほど。月華とは、正月に祭の屋台に売れ残った肉饅頭をかけて大喧嘩して以来の友人。素性を隠す月華のことをあれこれ推測しつつも追求せず、その世間知らずに呆れながらも、お忍びで街に出る月華の遊び相手として面倒を見ている姉貴分。
- 蓮空(デクー)
- 第三十六手講武所の古参で、師範亡き後師範代に。講武所の実質的な指導者。生来の正義感で、被差別民である涼孤のことを気に掛けている。幼い頃に猛威を振るった熱病を辛くも生き残った引き換えに禿げている為、実年齢の22よりも10歳は老けて見られる。
- 背守(セス)
- 三十六番手講武所における蓮空に次ぐ兄貴分の一人。かつては七番手講武所の助教であった。素行、口が悪く、涼孤に冷たく当たる。月華曰く「尾籠千万な無理事をぬかすつり目の男」。月華に敗退して以後、失踪する。
- お婆
- 群狗が67年前に目撃した女と同じ剣術を涼孤に伝授し、面倒を見ていた物乞いの老婆。自身も黒目の言愚。その正体は不明だが既に故人。
- 胡久梨(コクリ)
- 特務機関「千尋衆」の生き残り。一見、気のいい貧乏書生風の優男だが、極道の剣客家業に落ちた身の上に含みを持ちながら笑みを絶やさない。
- 極道から財布を取り戻す為に殴り込みをかけた月華を撃退するが、乱入した涼狐に圧倒される。
- 羅寸(ラズン)
- 特務機関「千尋衆」の生き残り。胡久梨からはかつての階級で『禄長』と呼ばれる巨漢の男。
- 阿鈴(アレイ)
- 一番手講武所一番弟子。生来の生真面目さ故に大比武出場を決める。南邑の酒蔵の三男だが下戸。甘いものも苦手。
- 実家とは折り合いが悪いようで、死んだこととなっているが、叔父が時たま様子を見に来るなど、完全な絶縁とも言い難い状態。
- 総師範の許しもなく大比武への参加を表明した為、甘葉との婚約を破棄されるなど微妙な立ち位置にいる。
- 甘葉(カナハ)
- 一番手講武所総師範、尖将童惨(ドウザン)の娘。幼少の頃より病弱であり、父親に迷惑をかけないために逆らわないようにしていたが、阿鈴との婚約を破棄されたことを契機に、自分の意思で行動するようになる。
- 双菜(ソーニャ)
- 一番手講武所の下女で、かつての雇い主の権婆を南邑(なんおう)料理の師としている。
世界観・用語解説
- 卯国
- 『DRAGON BUSTER』の舞台は卯(ウー)王朝。首都は元都。大仙江という大河の流域にある。馬厨地方で興った素仏国という国が発展したもので、現在も王室では馬厨方言が使用される。現在の王室卯家は素仏時代の王室から政権を奪取した別の家柄であるらしく、正当な国権の委譲であることを示すために、表面上は卯家は素仏の遺物や制度を尊重する。建国以来戦乱が絶えなかったが、67年前に白陽天動乱が収まって以来周辺部に大きな戦の火種は無い。
- 言愚(ゴング)
- 卯国における被差別民族。元々は白陽天の山岳地方に住む少数民族であり、言語上の類似点から西方の遊牧氏族の末裔であると言われる。かつて白陽天には別の国があったが、その支配にも抵抗しており、一部は流民と化して現在も駐留軍と小競り合いを繰り返している。その最大の民族的特徴は十人に一人ほどの割合で碧眼の持ち主が出ることである。卯国の多数派民族から差別を受けている為、元都においては貧民街などに住み、寺院などには出入りが禁止されている。白陽の地では山駆(サンク)と称される。
- 武臣倫院
- 建国以来戦乱続きであった卯国の軍事を司る行政機関。作中に出てくる範囲では人材発掘を謳った兵法道場への補助金助成や大比武開催、崩れかかった城壁の管理など、いかにもお役所くさい業務を行っている。かつて千尋衆なる特務機関を抱えていた。
- 講武所
- 武臣倫院が補助金を助成している兵法道場。卯軍に貧困層から優秀な人材を供給することを目的にしており、命金という保証金を納める他に謝礼の類は必要なく、修行者は卯軍に入営すると命金の返還と共に修行年数に応じて最高で兵長までの階級が保障される。だが先の卯王の発案であるこの制度は、実は大した成果を挙げていない。元都に数多くあり、「○○番手」と冠せられる番号が若いほど筋が良いとされ、涼孤がいる三十六番手講武所は師範も弟子もろくなものがいないとされる。
- 大比武
- 素仏夾王の時代に始まり、現在は洞幡の演武場で毎年秋に挙行される真剣試合。在野の武人であれば誰でも参加資格が与えられ、観戦する武官たちに武技優秀と認められれば、試合の勝敗に関わらず相当の軍籍を得られる。腕に覚えのある強者のみを選別する制度で、最高でも兵長までしか保障されていない講武所制度と違い、一足飛びの出世が可能である。全ての対戦者を下して頂点に上がった者は「独峰(どっぽう)」と尊称され、出身地名にまで「嶺」という尊称が付けられるなど、卯の国の武人であれば誰しも一度は憧れる武の頂点だが、「本物」の武人がそう簡単に真剣試合に応じるのかと影では揶揄されている。元はと言えば素仏の儀式を建前上受け継いだものだったが、戦時において次第に国威発揚の気配を増し、洞幡(ドーハン)に演舞場を造成するに当たっては科那国より外債を導入するまでに至り、現在も完済に至っていない。
- 無人剣
- 涼狐とお婆が振るう、二刀流の剣術。背後から放たれる槍にすら後の先をとる、究極の受け身の剣。“龍”を呑む、と呼ばれる状態に入ると、間合いにあるものを見境なく斬殺する。作中描写ではその際に何を斬っているかは把握すらしていない様子。「人で無しの剣」「無人の剣」である。
- 特に何も口伝されていない為、涼狐も詳しい来歴などは把握していないが、彼が推測するところによると「創始者の癖と思われる部分が残る“若い”剣」「天才的な創始者の剣技をどうにか体系立てしようと、別の剣理に落とし込んだ」ような特徴がみられる。この剣を目撃した胡久梨は「五来剣の第二路(龍形)に似ている」と推測している(が、同時に羅寸が「五来剣で二刀は扱わない」とも述べている)。
- 五来剣
- 馬厨地方で民間伝承されていた剣法。大元の民間で伝わったものを馬厨五来、千尋集の内部で秘密裏に継承されたものを千尋五来と呼ぶ。
- 千尋衆
- 武臣倫院が抱えた秘密特務機関。通説によると、五来剣の達人、姿蘭(シェラ)という男が卯家の台頭後、武臣倫院の情報武官として転戦し、各軍の高手を集めて破壊工作や情報収集を始めたのが母体。卯の公然の秘密とされ、最盛期には二千を超える人員を抱え卯の血塗られた裏の歴史を支えてきたが、白陽天動乱の平定以後卯が軍縮に乗り出すと危険視され、長期的な解体計画の末、七年前に解体された。
書籍
- 龍盤七朝 DRAGONBUSTER
- 龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01、2008年5月10日初版発行、ISBN 978-4-04-867027-2
- 龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02、2012年1月10日初版発行、ISBN 978-4-04-886249-3