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;不謹慎系ユーチューバー
;不謹慎系ユーチューバー


不謹慎な動画に加え、 社会的関心の高い事件事故・訃報があった際に当事者の感情を逆なでしたり、関係者を装ったりして注目を集めるユーチューバーが後を絶たず、「不謹慎ユーチューバー」と呼ばれ問題になっている。亡くなった人物を侮辱するようなタイトルの動画は 「逆張り系」「不謹慎系」と呼ばれ、専門に扱う投稿者が少なくない<ref>{{Cite web|title=勝手に犯人や故人の関係者を自称 不謹慎系ユーチューバー続出の訳|url=https://news.livedoor.com/article/detail/18322115/|website=ライブドアニュース|accessdate=2020-05-27|language=ja}}</ref>。
不謹慎な動画に加え、 社会的関心の高い事件事故・訃報があった際に当事者の感情を逆なでしたり、関係者を装ったりして注目を集めるユーチューバーが後を絶たず、「不謹慎ユーチューバー」と呼ばれ問題になっている。亡くなった人物を侮辱するようなタイトルの動画は 「逆張り系」「不謹慎系」と呼ばれ、専門に扱う投稿者が少なくない<ref>{{Cite web|title=勝手に犯人や故人の関係者を自称 不謹慎系ユーチューバー続出の訳|url=https://news.livedoor.com/article/detail/18322115/|website=ライブドアニュース|accessdate=2020-05-27|language=ja}}</ref>。


;繰り返しの多いコンテンツの動画
;繰り返しの多いコンテンツの動画


YouTuberの中には文字と人工音声を使い、ニュースサイト・まとめサイトを引用した動画を収益化してるものがおり、繰り返しの多いコンテンツとみなして2019年4月~5月ごろに除外されるケースが相次いで発生した<ref>{{Cite web|url=https://times.abema.tv/posts/7000720|title=人気YouTuberに突然「収益化無効」 “文字だけ動画”が対象に?|publisher=AbemaTIMES|accessdate=2019-12-08|date=2019-04-23}}</ref>。
YouTuberの中には文字と人工音声を使い、ニュースサイト・まとめサイトを引用した動画を収益化してるものがおり、繰り返しの多いコンテンツとみなして2019年4月から5月ごろに除外されるケースが相次いで発生した<ref>{{Cite web|url=https://times.abema.tv/posts/7000720|title=人気YouTuberに突然「収益化無効」 “文字だけ動画”が対象に?|publisher=AbemaTIMES|accessdate=2019-12-08|date=2019-04-23}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2020年6月6日 (土) 03:54時点における版

ピューディパイ(2019年)登録者数世界最多を誇る個人ユーチューバー

YouTuberユーチューバーは、動画共有サイトYouTube上で自主制作の動画作品を継続的に公開しつつ、YouTube社が定める提携プログラムに従い、公開動画に付帯された広告収益による配当を得ている個人または組織を指す[1]。現在では正式な職業を指す言葉としても認知されている。

「YouTuber」という呼称は世界的に使われている。その他にも英語圏では「YouTube Creator」「YouTube Personality」「YouTube Star[2]」「YouTube Celebrity[3]」などの呼び方もされている。

概要

YouTuberは、2007年5月頃にYouTubeが閲覧数の多いユーザーに「YouTubeパートナープログラム」への参加を勧誘したことが始まりとされる(当初は商業コンテンツ供給者だけに勧められたものだった)[4]。後にビデオ画面の隣側に広告掲載を条件にユーザーが利益を得ることが可能になり、2011年4月にはパートナープログラムを一般ユーザーにも開放。より多くのユーザーが利用できるようになり、YouTubeの広告で収入を得る人物も現れた[5]。なお、2017年4月から総再生回数が10,000回以上でないとパートナープログラムへの参加が認められなくなったが、2018年2月からはさらに過去12ヶ月間の総再生時間が4,000時間以上、かつチャンネル登録者数が1,000人以上とより厳しい条件に引き上げられた。加えてコミュニティのストライキ、スパムなどの監視が強化され、ポリシーに準拠していることの評価が厳格化されるようになった[6][7]

認知度

日本の小学生『なりたい職業ランキング』によると2016年まではランキング外だったが、2017年に4位、2018年には3位にランクしており[8]子供が目指す職業としても人気が高くなっている。立教大学身体映像学科では大半がYouTuberや関連した職業に就き、放送業界に進んだのは1人という現象も起きている[9]

イギリスでも3人に1人の子供の憧れの職業になっている[10]。大韓民国教育部発表の小学生のなりたい職業でも3位になり、就職情報サイト「サラムイン(사람인)」の調査では成年者の63%がユーチューバーに挑戦する意向を示している[11]

マスメディアへの露出もあり、年収が数億~十数億円にも達する者や、独自に握手会等のイベントを開く者もいるが、ごく少数である[12]

収入

ドイツオッフェンブルク大学のマティアス・バルトル教授の調査によると、「広告収入で生計を立てることを企てるユーチューバーの96.5%が平均的なアメリカの貧困ラインを下回る収入しか得られない。再生回数が上位3%の人気ユーチューバーは一ヶ月の再生回数が140万回を超えるが、それでも平均年収は16,800ドルであり、アメリカの貧困ライン収入12,140ドルをかろうじて上回る程度だ」としている。加えて、上位1%にあたる最高レベルのユーチューバーは一ヶ月の再生回数が220万回から4210万回以上であるが、彼らはYouTubeからの広告収入以外にスポンサー契約などの副収入があり、単にYouTubeからの収入だけではないとしている。このため上位3%のユーチューバーと1%のユーチューバーでは収入に雲泥の差がある。また、2006年には上位3%の人気ユーチューバーが全再生回数の63%を占めていたものが、2016年には90%に増加しており、2016年以降に活動を始めた新人ユーチューバーの85%は一ヶ月の再生回数が最大485回程度しかなく、市場は人気ユーチューバーの寡占化がさらに進行しているという[10]

YouTubeの広告収入のアルゴリズムは常に変化しており詳細は公表されていない。バルトル教授は再生回数1,000回につき1ドル程度と算出しているが、インフルエンサーマーケティングの調査会社であるヒューゴ・オブ・エージェンシーのハリー・ヒューゴによると収入は一定ではなく、再生回数1,000回につき35セントや5ドルの場合もあるという。YouTubeの広報担当者は「スーパーチャット」機能[1]を利用すれば収入アップになるとし、2017年と比較し2018年はチャンネル登録者数10万人を超えたクリエイターの比率は40%増えているとしている[10]

2019年6月5日にインターネット上のビデオや音楽分析プラットフォームである分析会社Pexは、公開されたYouTubeコンテンツを分析した結果、10万回以上再生される動画は全体の0.64%ほどにしか過ぎず、それがYouTube全体の再生数の81.6%を占めていることを明らかにした[13]。Pexは他にもYouTubeで10億回以上再生された動画の大部分が音楽コンテンツであり、YouTubeの全コンテンツのうち音楽コンテンツは5%ほどしか占めていないが、すべての再生回数のうち20%を占めていることも示した[13]

YouTube収益化の基準は、チャンネル登録者1,000人以上が1つの条件となっているが[14]、2018年9月19日に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した「口コミサイト・インフルエンサーマーケティングの動向整理」によると、2015年から2017年まで国内で1万人以上の登録者数を持つYouTubeチャンネルは毎年150%以上増加し2017年は4,063件に達した[15]。そのうち、100万人以上の登録者数をもつチャンネルは63件である[15]

表彰プログラム

YouTubeでは、一定の登録者数を有しており、不正と違反警告の無い配信基準を満たしているチャンネルに対して表彰が行われている[16]。チャンネルに対しての表彰であるため、複数の表彰を受けるユーチューバーも存在する。表彰基準に達するとノミネート者が使用している「Creator Studio」にYouTube側から通知が送られ、それに対してノミネート者の宛先を提出することで表彰記念品が贈与される。

クリエイター特典レベルCreator Benefit Levels

  • グラファイト (登録者数 ~1000人)
  • オパール   (1000人~1万人)- YouTubeパートナープログラム(収益化)利用資格の最低条件。
  • ブロンズ   (1万人~10万人)- 世界各地にあるYouTubeスペースの利用資格を得る。

クリエイター表彰マイルストーンThe Creator Award Milestones

  • シルバー   (10万人~100万人)- 再生ボタンを模った銀の表彰盾が贈られる。パートナーマネージャーが付く。
  • ゴールド   (100万人~1000万人)- 金の表彰盾が贈られる。
  • ダイヤモンド (1000万人~1億人)- ダイヤの彫刻表彰盾が贈られる。5000万人を超えると更にカスタムメイドな立体彫刻盾が贈られる。
  • レッドダイヤモンド(1億人~ )- 赤いダイヤの彫刻表彰盾が贈られる。

YouTube Space

YouTubeスペースは、ブロンズ以上の特典資格を持つユーチューバーに対して開かれた創造空間施設である。様々な撮影用機材と演出ステージを揃えたプロダクションスタジオを中心にして、著名ユーチューバーによる催し物が定期的に行われるイベントルーム、クリエイター講習会や研鑽会が開かれるワークショップルーム、全国から集まったユーチューバーが互いに交流しながら制作に励めるよう開放されたコワーキングルーム、配信スタジオ、上映スクリーンルーム、メイクアップルーム、洗練されたカフェとラウンジなどが設置されている。表彰されたユーチューバーに対する特典として無料で利用できる。

YouTubeスペースは世界各地の大都市にオープンされている。2012年7月のロンドンと11月のロサンゼルスを皮切りにして、2013年2月15日に東京の六本木ヒルズにもオープンした[17]。その後はニューヨーク、サンパウロ、リオデジャネイロ、ベルリン、パリ、ムンバイ、ドバイの七都市にオープンされて合計十スペースになった。これら常設スペースの他に期間限定のポップアップスペースも存在する。ポップアップスペースはこれまでにバンコク、マドリッド、メキシコシティの三都市でオープンされている[18][19]。なお、東京のYouTubeスペースは2020年に六本木ヒルズから渋谷駅付近に移転予定である[19]

バーチャルYouTuber(Vtuber)

2017年頃より、CGなどを用いて製作したキャラクターに声や動きを当てて、あたかもそのキャラクターがYouTuberとして振る舞っているように表現する動画が投稿されるようになった[20]。こういった動画の投稿者はバーチャルYouTuberと称される。

マルチチャンネルネットワーク(MCN)

企業が人気のあるYouTuberに対し、商品の宣伝動画の制作を依頼するといったタイアップの例も増加傾向している。 そのような動画制作の仲介サービスを手がけるマルチチャンネルネットワークも存在する[21]。複数のYouTubeチャンネルと提携し、サービス・プログラムの作成・資金・相互プロモーション・パートナー管理・デジタル著作権管理・収益受け取り/販売・視聴者の獲得などの面で支援をする。

問題点

不謹慎な動画

YouTuberは、YouTubeでの再生回数に伴った広告収入を得ている関係で再生回数を稼ぐために無思慮な動画及び過激な内容の動画を投稿する者もおり、社会問題にもなっている。

これらの過激な動画に対してYouTubeが提携を解除した例がある[22]。2018年1月にローガン・ポールが、日本山梨県青木ヶ原樹海で自殺したとみられる遺体を発見し、ショックを受けつつも冗談を口にする等した様子を自身のYouTubeチャンネルで公開した[22]。この行為に世界中から批判を受けたのみならず、YouTubeは「グーグル・プリファード」(YouTubeの人気チャンネルへ広告を出稿できるセールス枠)の対象であったポールのチャンネルをこれから除外した[22]。後にポールは謝罪動画を公開している[22]

日本においても2020年2月4日、はじめしゃちょー1971年(昭和46年)に発生した全日空機雫石衝突事故の犠牲者を追悼する「慰霊の森」(岩手県雫石町)を、「心霊スポット」として紹介する動画を投稿。「亡くなった人に失礼」などと視聴者からの批判が相次ぎ、2月6日、ツイッターで動画を非公開にしたことを報告し、「不快に思われた方、申し訳ありませんでした」と謝罪した[23]

不謹慎系ユーチューバー

不謹慎な動画に加え、 社会的関心の高い事件・事故・訃報があった際に当事者の感情を逆なでしたり、関係者を装ったりして注目を集めるユーチューバーが後を絶たず、「不謹慎ユーチューバー」と呼ばれ問題になっている。亡くなった人物を侮辱するようなタイトルの動画は 「逆張り系」「不謹慎系」と呼ばれ、専門に扱う投稿者が少なくない[24]

繰り返しの多いコンテンツの動画

YouTuberの中には文字と人工音声を使い、ニュースサイト・まとめサイトを引用した動画を収益化しているものがおり、繰り返しの多いコンテンツとみなして2019年4月から5月ごろに除外されるケースが相次いで発生した[25]

脚注

注釈

出典

  1. ^ 動画職人になって Yahoo!ニュース・2014年3月6日
  2. ^ We Ranked YouTube's Biggest Stars By How Much Money They Make - Business Insider、2014年3月10日
  3. ^ The rise and fall of YouTube's celebrity pioneers - wired.co.uk、2013年11月27日
  4. ^ YouTube、ついにムービー投稿者に広告収入の分配を開始
  5. ^ YouTubeの収益化プログラム、日本のユーザー収入が3年で4倍に「それで生活している人もいる」 - ITmediaニュース・2012年7月30日
  6. ^ YouTubeの収益化、10,000再生以上が条件に!悲報ではなく、朗報! - bbtvニュース・2017年
  7. ^ YouTube が「 YouTube パートナープログラム」をアップデート|広告表示に不適切な動画への対応を強化 - Unyoo.jp、2018年1月19日
  8. ^ 小学生のなりたい職業ランキング、YouTuberが3位に 保護者の本音は? - Yahoo!ニュース・2019年2月24日
  9. ^ YouTube世代の僕がラジオに就職した理由。いつか2つのメディアの融合を - Business Insider Japan
  10. ^ a b c ライブドアニュース - 子どもの3人に1人が憧れる職業「ユーチューバー」が生活できるようになるまでの壁とは?2018年3月4日 8時23分
  11. ^ 20代70%「ユーチューバーになりたい」…韓国の大学に「YouTube学科」も登場中央日報日本語版、2019年12月13日 17時14分。
  12. ^ 年収数千万とも言われており、YouTuber - Livedoor NEWS、2014年4月23日
  13. ^ a b Less than 1% of all videos on YouTube ever reach more than 100,000 views” (英語). Music Business Worldwide (2019年6月12日). 2019年10月25日閲覧。
  14. ^ クリエイターを保護するための YouTube パートナー プログラム(YPP)の新たな変更点に関するお知らせ”. 日本版 YouTube クリエイター ブログ. 2020年3月14日閲覧。
  15. ^ a b 口コミサイト・インフルエンサーマーケティングの動向整理” (2020年3月14日). 2020年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月14日閲覧。
  16. ^ 表彰プログラム”. YouTube. 2019年1月12日閲覧。
  17. ^ “YouTubeクリエイターが無料で使える本格撮影スタジオ、グーグルが都内に開設”. (2013年2月14日). http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130214_587787.html 2013年2月19日閲覧。 
  18. ^ ニューヨーク、ロンドン、ロサンゼルス、東京、リオデジャネイロ、トロント、ムンバイ、ベルリン、パリ、ドバイ
  19. ^ a b “YouTuberの拠点”が渋谷の中心に誕生 『YouTube Space Tokyo』2020年移転”. 2019年8月29日閲覧。
  20. ^ “「動く抗うつ剤」「ストロングゼロの擬人化」―― バーチャルYouTuber輝夜月(かぐや・るな)を見て今年も元気にやっていこう”. ITmedia ねとらぼ. (2018年1月6日). http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1801/05/news085.html 2018年3月21日閲覧。 
  21. ^ 女性YouTuberネットワーク『womedia ch.ウーメディアチャンネル 』、企業タイアップ動画制作サービス提供開始 第1弾はセゾンカードのTVCM - トレンダーズ・2014年3月26日
  22. ^ a b c d YouTube、日本の自殺者を映した人気投稿者との提携解除”. BBC (2018年1月11日). 2018年5月22日閲覧。
  23. ^ はじめしゃちょーが不謹慎動画を謝罪 慰霊の森を心霊スポットと紹介し”. ライブドアニュース. 2020年5月27日閲覧。
  24. ^ 勝手に犯人や故人の関係者を自称 不謹慎系ユーチューバー続出の訳”. ライブドアニュース. 2020年5月27日閲覧。
  25. ^ 人気YouTuberに突然「収益化無効」 “文字だけ動画”が対象に?”. AbemaTIMES (2019年4月23日). 2019年12月8日閲覧。

関連項目

外部リンク