「森田思軒」の版間の差分
→外部リンク: 外部リンクの修正 http:// -> https:// |
m Bot作業依頼: 森鷗外への記事名変更に伴う変更 - log |
||
42行目: | 42行目: | ||
1897年(明治30年)、[[腸チフス]]のため死去<ref>[[服部敏良]]『事典有名人の死亡診断 近代編』付録「近代有名人の死因一覧」(吉川弘文館、2010年)28頁</ref>。 |
1897年(明治30年)、[[腸チフス]]のため死去<ref>[[服部敏良]]『事典有名人の死亡診断 近代編』付録「近代有名人の死因一覧」(吉川弘文館、2010年)28頁</ref>。 |
||
門下に[[原抱一庵]]などがいる。また、[[1907年]](明治40年)に『[[#森田&石割1907|思軒全集]]』が刊行される。解説を[[森 |
門下に[[原抱一庵]]などがいる。また、[[1907年]](明治40年)に『[[#森田&石割1907|思軒全集]]』が刊行される。解説を[[森鷗外]]、[[徳富蘇峰]]、[[幸田露伴]]らが著している。 |
||
[[笠岡市]]では森田の業績を記念して「森田思軒顕彰会」が作られ、[[1968年]](昭和43年)に生誕百年を記念して、同市に「思軒森田文蔵生誕之地碑」が建立された。[[笠岡市立図書館]]には「森田思軒顕彰コーナー」がある<ref>[[#refM08012710564673|国会図書館レファレンス]]</ref>。 |
[[笠岡市]]では森田の業績を記念して「森田思軒顕彰会」が作られ、[[1968年]](昭和43年)に生誕百年を記念して、同市に「思軒森田文蔵生誕之地碑」が建立された。[[笠岡市立図書館]]には「森田思軒顕彰コーナー」がある<ref>[[#refM08012710564673|国会図書館レファレンス]]</ref>。 |
2020年6月18日 (木) 10:57時点における版
森田 思軒 | |
---|---|
明治期の思軒 | |
ペンネーム | 埜客、羊角山人、白蓮庵主人、紅芍園主人など |
誕生 |
森田 文蔵(文藏) 1861年8月26日 備中国小田郡笠岡(現・岡山県笠岡市) |
死没 | 1897年11月14日(36歳没) |
墓地 | 世尊寺 |
職業 | 新聞記者・翻訳家・漢学者 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
教育 | 岡山興譲館 |
最終学歴 |
慶應義塾 大阪慶應義塾 徳島慶應義塾 (現・慶應義塾大学) |
活動期間 | 1882年 - 1897年 |
ジャンル | 小説 |
主題 | 翻訳・漢文 |
文学活動 | 周密文体 |
代表作 |
『十五少年』(1896年) 『頼山陽及其時代』(1898年) |
影響を与えたもの
| |
ウィキポータル 文学 |
森田 思軒(もりた しけん、1861年8月26日(文久元年7月21日)[注 1] - 1897年(明治30年)11月14日)は、日本のジャーナリスト・翻訳家・漢文学者。本名は文蔵。別号に埜客(やきゃく)、羊角山人(ようかくさんじん)、白蓮庵主人(びゃくれんあんしゅじん)、紅芍園主人(こうしゃくえんしゅじん)など。
略歴
1861年(文久元年)、備中国小田郡笠岡(現・岡山県笠岡市西本町)に生まれる。1874年(明治7年)、大阪慶應義塾に入塾し、1875年(明治8年)に徳島慶應義塾に移動し、1876年(明治9年)に三田の慶應義塾本校で英文学を学ぶ。1879年(明治12年)には岡山の興譲館で坂田警軒について漢学を修めた。1882年(明治15年)に上京して、矢野龍渓の経営する『郵便報知新聞』に入社し、漢文の頭評と後序を担当する。1885年(明治18年)、清国へ特派され、「訪事日録」「北京紀行」などの紀行文を『報知新聞』に掲載。のち編集長となり敏腕を振い、徳富蘇峰の『国民之友』に、ビクトル・ユゴーを紹介する作品を発表する。
『報知新聞』分裂の際に退社し、1891年(明治24年)に『国会新聞』に入社して1895年(明治28年)の廃刊まで社員となる。この間、同紙のほかに『太陽』や『少年世界』等にも執筆。続いて『萬朝報』に高待遇で迎えられ、黒岩涙香とともに、明治期に「翻訳王」の異名をとるほどに活躍した[1][2]。森田は多くの翻訳書において、従来の乱訳語調を一新し「周密文体」という独自のスタイルを生み、我が国近代文学史上に大きな足跡を残している。
門下に原抱一庵などがいる。また、1907年(明治40年)に『思軒全集』が刊行される。解説を森鷗外、徳富蘇峰、幸田露伴らが著している。
笠岡市では森田の業績を記念して「森田思軒顕彰会」が作られ、1968年(昭和43年)に生誕百年を記念して、同市に「思軒森田文蔵生誕之地碑」が建立された。笠岡市立図書館には「森田思軒顕彰コーナー」がある[4]。
著作
単著
共著
- 松葉卓爾(鶴巣) 編 編『西俗雑話』森田文蔵 刪潤、矢野文雄 閲、成文堂、1887年10月。NDLJP:767913。
- 森田思軒 著「昔し昔し」、高橋省三 編 編『少年雅賞(しょうねんがしょう)』学齢館、1893年5月19日。NDLJP:1919756/24。
- ビュールヴェルレーヌ 著「大東号航海日記」、民友社編 編『国民小説』 第1巻、森田思軒 訳、民友社、1890-1896。NDLJP:886334。
- チャールズ・ディッケンス 著「伊太利の囚人」、民友社編 編『国民小説』 第2巻、森田思軒 訳、民友社、1890-1896。NDLJP:886334。
- 森田思軒 著「羅馬人叢話」、春陽堂 編 編『青すたれ』春陽堂、1901年1月。NDLJP:885252。
翻訳書
- ジュールー・ヴェルーヌ『鉄世界』森田文藏 訳述、集成社、1887年9月。NDLJP:879153。
- アプレイウス『金驢譚(きんろものがたり) 希臘異聞(ぎりしあいぶん)』不語軒主人 訳、文泉堂、1888年7月。NDLJP:896810。
- ユーゴー『探偵ユーベル』森田思軒 訳、民友社、1889年6月19日。NDLJP:896690。
- ヴヰクトル・ユーゴー『探偵ユーベル及クラウド』森田思軒 訳(増補3版)、民友社、1891年10月。NDLJP:897042。
- ジュルー・ヴェルーヌ『大叛魁(だいはんかい) 新小説』森田思軒 訳、和田篤太郎、1890年。NDLJP:987876。
- ジュール・ヴェルーヌ『瞽使者(めくらししゃ)』 上、森田思軒 訳、報知社、1888年。NDLJP:876666。 - 巻頭・表紙には羊角山人訳述、思軒居士刪潤と記載。
- ジュール・ヴェルーヌ『瞽使者(めくらししゃ)』 前編、森田思軒 訳(5版)、国民書院、1904年10月21日。NDLJP:876668。
- ジュール・ヴェルーヌ『瞽使者(めくらししゃ)』 下、森田文藏 訳、報知社、1891年11月2日。NDLJP:876667/1。 - 巻頭・表紙には羊角山人訳述、思軒居士刪潤と記載。
- ジュール・ヴェルーヌ『瞽使者(めくらししゃ)』 後編、森田思軒 訳(5版)、国民書院、1904年11月19日。NDLJP:876669/1。
- ユーゴー『懐旧』森田思軒(文蔵) 訳、民友社、1892年12月16日。NDLJP:896730。
- ジュウールス・ヴェルヌ『十五少年』森田文藏 訳、博文館、1896年12月18日。NDLJP:896730。
- ポー『間一髪』森田思軒 訳、博文館〈袖珍小説 第2編〉、1897年1月14日。NDLJP:896784。 - 付:『亜歴山セルカーク』。
- 『無名氏』森田文藏 訳、春陽堂、1898年9月11日。NDLJP:876663。 - 原著:ジュール・ヴェルヌ Family Without a Name.
- ユーゴー『ユーゴー小品』森田思軒 訳、民友社、1898年6月4日。NDLJP:888808。 - 収録:『随見録』・『探偵ユーベル』・『クラウド』、『死刑前の六時間』。
- ユーゴー「死刑前の六時間」『明治文学名著全集』 第6巻、森田思軒 訳、東京堂、1926年。NDLJP:1019138。
- ジュウールスヴェルヌ「十五少年」『明治大正文学全集』 第8巻、森田思軒 訳、春陽堂、1927-1932。NDLJP:1884246。
- ジュウールス・ヴェルヌ『十五少年』森田思軒 訳、岩波書店〈岩波文庫 1781-1782〉、1938年10月1日。ISBN 4-00-325691-3。NDLJP:1238243 。
- 福田清人 編 編「十五少年」『明治少年文学集』森田思軒 訳、筑摩書房〈明治文学全集 第95巻〉、1970年。
- 稲垣達郎 編 編「森田思軒篇 文章世界の陳言ほか29篇」『根岸派文学集』筑摩書房〈明治文学全集 第26巻〉、1981年4月。
- 長山靖生 編 編『森田思軒・村井弦斎集』尾崎秀樹ほか監修、三一書房〈少年小説大系 第13巻〉、1996年2月。ISBN 4-380-96547-3。 - 収録:『大東号航海日記』・『探偵ユーベル』・『クラウド』・『大叛魁(だいはんかい)』・『十五少年』・『間一髪』。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』 6巻、大空社〈新聞雑誌編 6(ディケンズ集)〉、1996年6月。ISBN 4-7568-0270-2。 - 収録:『伊太利の囚人』森田思軒 訳(『国民之友』明治22年5月~6月)、『牢帰り』森田思軒 訳(『家庭雑誌』明治29年8月)。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 19(ポー集)〉、1996年6月。ISBN 4-7568-0270-2。 - 収録:『秘密書類』森田思軒 訳(『名家談叢』明治29年1月)、『間一髪』森田思軒 訳(『太陽』明治29年2月)。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 24(ユゴー集 1)〉、1996年10月。ISBN 4-7568-0310-5。 - 収録:『随見録』森田思軒 訳(『国民之友』明治21年5月~10月)、『探偵ユーベル』森田思軒 訳(『国民之友』明治22年1月~3月)、『クラウド』森田思軒 訳(『国民之友』明治23年1月~2月)、『懐旧』森田思軒 訳(『国民之友』明治25年1月~10月)。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 27(ヴェルヌ集 1)〉、1996年6月。ISBN 4-7568-0270-2。 - 収録:『仏、曼二学士の譚』・『天外異譚』・『煙波の裏』・『盲目使者』森田思軒 訳(『郵便報知新聞』明治20年3月~12月)、『大東号航海日記』森田思軒 訳(『国民之友』明治21年1月~4月)。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 17(アーヴィング集)〉、1997年10月。ISBN 4-7568-0312-1。 - 収録:『旅館の夕』・『幽霊新郎』・『肥大紳士』。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 18(ホーソーン集)〉、1997年4月。ISBN 4-7568-0311-3。 - 収録:『昼寝』・『観物師の函』・『用達会社』。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 28(ヴェルヌ集 2)〉、1997年10月。ISBN 4-7568-0312-1。 - 収録:『炭坑秘事』・『余が少時』・『入雲異譚』・『冒険奇譚十五少年』。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 25(ユゴー集 2)〉、1998年5月。ISBN 4-7568-0313-X。 - 収録:『死刑前の六時間』森田思軒 訳(『国民之友』明治29年)。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 9(コリンズ集)〉、1998年11月。ISBN 4-7568-0314-8。 - 収録:『月珠』。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治翻訳文学全集』大空社〈新聞雑誌編 13(十八世紀イギリス文学集)〉、2000年4月。ISBN 4-7568-0317-2。 - 収録:『亜歴セルカーク』。
- 川戸道昭・榊原貴教 編 編『明治の翻訳ミステリー』(復刻版)五月書房〈明治文学復刻叢書 翻訳編 第2巻(ミステリー小説の成立)〉、2001年7月。ISBN 4-7727-0352-7。 - 収録:『秘密書類』(E.A.ポー)。
- ジュール・ベルヌ 著、赤木かん子 編 編『十五少年漂流記(抄)』森田思軒 訳、ポプラ社〈ポプラ・ブック・ボックス 王冠の巻 5〉、2008年4月。ISBN 978-4-591-10210-7。
- 中野三敏・十川信介・延広真治・日野龍夫 編 編『海外見聞集』岩波書店〈新日本古典文学大系 明治編 5〉、2009年6月26日。ISBN 978-4-00-240205-5 。 - 収録:『訪事日録』(抄)。
- 坪内祐三 編 編『明治二十九年の大津波 復刻『文藝倶樂部』臨時増刊「海嘯義捐小説」号』毎日新聞社、2011年10月。ISBN 978-4-620-32079-3。 - 収録:『渉筆一則』。
選集・全集
- 石割松太郎 編 編『思軒全集』 巻1、森田思軒 訳、石割書店、1907年5月。NDLJP:896910。 - 収録:『随見録』(ユーゴー)、『探偵ユーベル』(ユーゴー)、『クラウド』(ユーゴー)、『懐旧』(ユーゴー)、『死刑前の六時間』(ユーゴー)、『大東号航海日記』(ジュール・ウエルーヌ)、『大叛魁(だいはんかい)』(ジュール・ウエルーヌ)、『破茶碗』(ツエツケ)、『用達会社』(ホウソン)、『千人会』(エツヂウオース)、『間一髪』(ポー)。
- 川戸道昭・中林良雄・榊原貴教 編 編『続 明治翻訳文学全集』大空社〈翻訳家編 5(森田思軒集 1)〉、2002年1月。ISBN 4-283-00199-6。 - 収録:『印度太子舎摩の物語』ほか。
- 川戸道昭・中林良雄・榊原貴教 編 編『続 明治翻訳文学全集』大空社〈翻訳家編 6(森田思軒集 2)〉、2003年7月。ISBN 4-283-00202-X。 - 収録:『金驢譚(きんろものがたり)』(アプレイアス)・『大氷塊』(ヴェルヌ)・『探征隊』(ヴェルヌ)。
校閲
脚注
注釈
出典
- ^ 倉敷ぶんか倶楽部(2011)
- ^ 谷口(2000)
- ^ 服部敏良『事典有名人の死亡診断 近代編』付録「近代有名人の死因一覧」(吉川弘文館、2010年)28頁
- ^ 国会図書館レファレンス
関連文献
- 倉敷ぶんか倶楽部 編 編『森田思軒の世界 明治の翻訳王・ジャーナリスト』日本文教出版〈岡山文庫 274〉、2011年10月。ISBN 978-4-8212-5274-9。
- 倉智恒夫 著「西洋近代小説の日本的翻案――森田思軒と泉鏡花」、芳賀徹ほか編 編『講座比較文学』 4(近代日本の思想と芸術 2)、東京大学出版会、1974年。
- 昭和女子大学近代文学研究室 編 編『近代文学研究叢書』 第3巻、昭和女子大学光葉会、1956年、193-242頁。
- 谷口靖彦『森田思軒 明治の翻訳王 伝記』山陽新聞社、2000年6月。ISBN 4-88197-682-6。
- 丸山信 編 編『福沢諭吉門下』日外アソシエーツ(出版) 紀伊国屋書店(発売)〈人物書誌大系 30〉、1995年3月。ISBN 4-8169-1284-3。
- 森田思軒研究会 編著『図録新資料でみる 森田思軒とその交友 龍渓・蘇峰・鴎外・天心・涙香』白石静子 監修、松柏社、2005年11月。ISBN 4-7754-0106-8。
- 森田章三郎『思軒森田文蔵小伝』森田章三郎、1940年。
関連項目
外部リンク
- 有山輝雄『森田思軒』 - コトバンク
- 『森田思軒』 - コトバンク
- 日本漢文の世界|森田 思軒(もりた しけん)
- 森田思軒訳 十五少年 - 物語倶楽部のインターネットアーカイブ。
- Notes for the E-text of "Fifteen Boys" - ウェイバックマシン(2008年1月5日アーカイブ分) - 物語倶楽部のコンテンツから森田思軒訳『十五少年』を公開している。
- 森田思軒の墓(もりたしけんのはか) - 笠岡市ホームページ。
- 森田思軒(もりたしけん)について知りたい。 - 国立国会図書館。