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2020年6月23日 (火) 01:14時点における版

宇良 和輝
基礎情報
四股名 宇良
本名 宇良 和輝
生年月日 (1992-06-22) 1992年6月22日(32歳)
出身 大阪府寝屋川市
身長 172cm
体重 135kg
BMI 45.63
所属部屋 木瀬部屋
得意技 突き押し・足取り
成績
現在の番付 東幕下19枚目
最高位 東前頭4枚目
生涯戦歴 146勝59敗93休(31場所)
幕内戦歴 27勝21敗27休(5場所)
優勝 三段目優勝2回
序二段優勝1回
序ノ口優勝1回
データ
初土俵 2015年3月場所
備考
金星1個(日馬富士1個)
2020年4月27日現在

宇良 和輝(うら かずき、1992年6月22日 - )は、日本大相撲力士大阪府寝屋川市出身。木瀬部屋所属。最高位は東前頭4枚目(2017年7月場所)。血液型はB型。好物は卵、スパムのおにぎり。嫌いなものは甘いもの[1]。趣味はラップ(特にMCバトル[2]。平成4年度生まれの関取を指す、いわゆる「花のヨン組」の1人[3]と言われていたが、怪我により2019年9月場所序二段に陥落した。

来歴

入門前

1992年6月22日、4020gの大きめの赤ん坊として生まれる。母はこれについて後の取材で「予定日より2週間遅れたから、でかくなったんかなあ」と懐かしんでいる。後に相撲で活かされる運動神経は生後6ヶ月の時点で発揮されており、この頃に立って歩いて見せて周囲を驚かせた。まだ6ヶ月であったため小さな足に合う靴が無く、家族は滑り止めのイボがついた靴下などを履かせて、道路を歩いていた[4]

4歳で相撲を始める。2歳年上の姉が6歳になってわんぱく相撲の試合に出場していたところ、応援に出掛けていた宇良は関係者から出場を許され、これが初めて相撲を取った経験となった。終了後に遊具で腕を骨折するハプニングもあったが、骨折の痛みで泣きながらもらった敢闘賞のお菓子に宇良は喜んだ[4]

通っていた寝屋川相撲連盟では、元幕下立花の菊池弘至が指導者であり「強く当たれ。前に出ろ」と教わった。菊池が胸を出すぶつかり稽古は、まだ子供であった宇良には長く厳しかった。「土俵にたたきつけても(宇良)和輝は泣きもせずバンバン立ってきた。舞の海さんには失礼だけど、和輝は『舞の海2世』じゃない。大きい相手にもバチンと当たっていけるから」と菊池は低い体勢から出す技ではなく、宇良の押す力に太鼓判を押す。厳しい稽古を積んだが、体が思うように成長せず小学6年でも139cm、42kgと小柄で勝てなかった。いつ折れてもおかしくなかった心は、母が支えてくれた。母は春場所は毎年観戦に連れて行ってくれ、子供弓取り式用に、1日がかりで化粧まわしも作ってくれた。「しんどい」「疲れた」は家では禁句で、「自分で決めたことは必ずやる」も家訓だったため、ある日はすり足のノルマを昼間できず、夜中に起きてやり遂げたことがある[5]

相撲と並行し小学3年からレスリングにも取り組み、階級性を採っており大きな相手と戦わなくても良いレスリングに中学時代は軸足を置いていた[6]。エンジョイ・レスリングクラブの東嗣朗代表は「タックルに失敗したら、相手に覆いかぶされる。がぶられる、と言うんですが、そうなると我慢しかない。宇良もよく耐えていた」と振り返る。低い姿勢で耐えることで腰が強くなり、隙を見て仕掛けたのが飛行機投げであり、担ぎ上げて左肩方向に落とす技で、居反りの原型になった。レスリングでは1度全国2位になった。「鼻血や突き指は、しょっちゅうでした」と東代表は語り、小4から週3回通ったクラブでの練習は1日80分で休憩は2分だけであった。このような厳しい練習で培った根性と体力も大相撲で生かされた[7]

中学時代は体が大きくなっていなかったばかりか声変わりもしていなかったため、両親はホルモン異常などの病気を疑って医師の元へ宇良を連れて行ったが、異常はなく「奥手なだけだ」と言われた[8]

レスリングで高校の推薦が取れなかったこともあり、相撲部のある京都府立鳥羽高等学校に進学すると再び相撲中心となった。高校時代は相撲が弱かったため稽古では指名されず、他校との合同試合では「一人で体育館でトレーニングしてろ!」と、稽古場から追い出されたこともあった。土日に稽古に参加していた小学生に負けたこともあるなど、当時は大相撲力士として活躍する見込みがあるようには見えなかった[9]

推薦で関西学院大学教育学部に進学し、1年時に全国学生相撲個人体重別選手権65kg未満級で優勝、3年時から肉体改造に取り組んだ[10]こともあって、4年時に無差別級で3位に入った。特に3年時の和歌山大会準決勝では足取りで当時から活躍していた中村大輝に土を付け、これが注目を浴びるきっかけとなった[11]2013年にはロシアで開催された第2回ワールドコンバットゲームズ相撲軽量級で世界一になった[12]。大学時代に65㎏未満級で試合を行っていたのは層が薄くて勝てるからという理由からであり、高校3年生の頃から大きくなって平常時の体重が80㎏近くになっていた当時の宇良にとって減量は過酷であった。同時に、小学校時代にあれほど欲しがっていた体重を落としている矛盾に気づき、これが大相撲で大きな相手を倒したいという気持ちにつながった[8]

小学校と幼稚園の教員免許を取得して卒業したが、プロ入りを決断し、2015年木瀬部屋に入門[13]。宇良は十両に昇進した後に木瀬部屋を選んだ理由について「僕は1年を捨てる余裕はない年齢」と答えている。[10]この言葉は宇良が影響を受けたマッスル北村の口癖「僕には時間がない」に由来する。因みに宇良は生卵を10個一気飲みにするといったマッスル北村の食事稽古に関しては「あれを真似したら体を壊しますよ(笑)」「間違っても真に受けたらダメです」と鵜呑みにはしない一方で、2017年11月の取材では1日最低ゆで卵を5個食べることを明かしている[2]

宇良は寝屋川市出身であるため、先輩力士の豪栄道豪太郎とは出身地が同じであり、さらに同じく宇良の先輩力士である勢翔太は出身地が隣接市同士である(勢は交野市出身)。両力士とは幕内での対戦歴があり、特に同郷の対豪栄道戦では寝屋川市役所内でパブリックビューイングを実施した(結果は宇良の負けであった。なお寝屋川市ではパブリックビューイング自体は宇良対豪栄道戦が実現した場合に実施することを計画していた)[14]

入門後

2015年3月場所にて初土俵。初めて番付に四股名が載った5月場所では7戦全勝で序ノ口優勝を果たした[15]。7月場所は東序二段10枚目で迎え、7戦全勝で千秋楽の優勝決定戦に進出したが、大輝(のち北勝富士)に敗れ、序ノ口、序二段の連続優勝を逃した[16]。西三段目18枚目で迎えた9月場所は6日目に荒篤山に寄り倒され本割での連勝が16でストップし[17]、最終的に5勝2敗の成績で終えた。東幕下54枚目で迎えた11月場所は7戦全勝で千秋楽の優勝決定戦に進出したが、同部屋のに敗れ優勝を逃した。「自分は相撲を取って強くなってきたわけではない」と相撲の稽古よりも体作りに軸足を置いており、入門後も申し合いの番数は10数番と決して多くはないが「自分で考えて工夫しながら毎日、取っている」と木瀬からは評されている。[10]

2016年1月場所は、8日目に栃丸に敗れるも6勝1敗で並んだ8人による優勝決定戦に進出した。同部屋の濱口(のち志摩ノ海)、照強と破ったが決勝で栃丸に本割に続いて敗れ優勝を逃した[18]。2月11日に行われたNHK福祉大相撲の幕下優秀力士トーナメントで優勝した[19]。新十両が狙える地位である西幕下2枚目で迎えた3月場所は、9日目に幕下優勝の佐藤(のち貴景勝)に敗れたものの6勝1敗で終えた。3月場所後に行われた5月場所番付編成会議で新十両昇進が決まった[20]。新十両となる5月場所は10勝5敗で2けた白星を挙げた。続く7月場所は初日に付け人の手違いで、兄弟子・臥牙丸の化粧まわしをつけて土俵入り[21]、9日目に右足首を痛めた[22]もののそのまま皆勤して11勝4敗の好成績。翌9月場所は東十両筆頭と、もし半枚上昇幅が大きければ兄弟子の常幸龍に並ぶ前相撲から所要9場所での新入幕で前相撲からのスピード入幕記録1位タイとなるところであったが、本人は「狙っていったわけではないですし、あくまで結果論です」と2017年のインタビューで答えている[2]東十両筆頭と新入幕目前の地位で迎えた9月場所では3日目から入門後初めての連敗を経験し、最終的に6勝9敗と自身初めての負け越しに終わった。10日目の豊響戦は5日目の大栄翔戦に次ぐ自身2度目の中入り後の取組であり、この取り組みに勝って自身初となる懸賞金を獲得(3本)[23]。この場所中には左手甲付近を骨折しており、場所直後に手術を受けた[24]

2017年の年明けは再び幕内目前の東十両3枚目の地位で迎えた。1月場所では13日目に、1955年に日本相撲協会が公式に決まり手を発表するようになって以降の十両以上の取組では初めてとなる、襷反り天風に対して決めた[2][25]。14日目終了時点で3敗で大栄翔と並び優勝争いのトップだったが、千秋楽で里山に敗れ、大栄翔は勝利したため十両優勝とはならなかった。それでも11勝4敗の好成績で終え、翌3月場所での新入幕を決めた。この新入幕によって宇良は部屋頭となった[26]。「2年で関取になる」と公言していたが、実際は関取どころか新入幕を果たしており、この時点で史上7位タイとなる初土俵から所要12場所でのスピード記録であった[27]。3月場所は一進一退の星勘定を続け、千秋楽に勝って8勝7敗と新入幕での勝ち越しを決めた。5月場所は11勝4敗と好成績であったが予想されていた技能賞はなく、解説者の北の富士が中継で「11番とって(三賞を)あげないの? そりゃないよ」と同情する一幕もあり、宇良も「技能賞、欲しかったです」とがっかりした表情を浮かべた[28]。また、親方衆の中には宇良の取り口を“技能”でなく“異能”とする声があったという[29][30]

7月場所は東前頭4枚目まで最高位を更新。番付発表に際して「まず勝ち越しを目指す、と言える地位ではなくなってきている。怖いですね」と本場所へ緊張感を漂わせた[31]。迎えたこの場所の中日は、上位陣の途中休場により本来組まれる予定のなかった初の横綱戦を迎え白鵬に敗れるも、翌9日目は横綱・日馬富士とったりで破り初金星を挙げている。9日目の時点で6勝3敗と勝ち越しに近づいていたが、10日目から5連敗して負け越しを確定させた。それでも千秋楽は勝って7勝8敗と踏みとどまった。入門当初「1回だけ十両に上がれれば」程度にしか希望を持っていなかった宇良にとって金星を獲得した経験は想像以上に大きなものであったと同時に、体重を増やし実力を付けた宇良は技能賞に対するこだわりもなくなっていった[2]。宇良はまた「上位で戦う体ができてないと感じました。まだまだ力をつけないと」と、千秋楽の支度部屋でさらなる奮起を誓った[32]。しかしこの場所の相撲ぶりについて舞の海は「確実に悪くなっている。いつもの宇良の粘りがなくなっている」と言っており、場所10日目に高安に敗れた際に痛めた右ひざの状態を心配した。舞の海は宇良に対し「何とか(右ひざを)悪化させないように、思い切って夏巡業も休んでいいと思う。ファンには申し訳ないけど、ひざを治してまた楽しませる相撲を本場所で見せてほしい」と休場を促した[33]。直後の夏巡業は最序盤の滋賀場所と草津場所に参加しただけで途中休場。玉ノ井巡業副部長は「右膝の外側靱帯を痛めている。歩くのも引きずっていたからね。(全治)1カ月かな。今は無理して出る時期ではない。すぐ東京場所も来るから治すのが最優先でしょう」と説明した。宇良は「元気な相撲を見せられない。お客さんに大丈夫かと気を使われて見られるのは良くない」と話した[34]

2017年9月場所では痛めていた足を2日目の取組でさらに痛め、「ずれた。うわー、終わったなコレ」と話し、そのまま休場した[35]。3日目の逸ノ城戦は不戦敗。秋巡業は全休。宇良を始めとして休場者が続出した秋巡業では、木戸口で入場料を割引する対応を求める客がほんのわずかながら現われていた[36]。11月場所は全休し、場所後の冬巡業も全休[37]

2018年1月場所も十両で全休し、3月場所で幕下に陥落した。患部の手術を受けて松葉杖なしで歩けるようになったのは2018年1月場所後であり、その時点ではとても相撲を取れる状態ではなかった[38]。2018年7月場所も休場し、これで1月場所から4場所連続の全休となった[39]。2018年7月場所時点の番付は三段目30枚目となった[39]。7月時点でまだ稽古場で相撲を取るには至らず、筋力トレーニングに励んでいると報じられている[39]。9月場所で土俵に復帰し、6勝1敗と健闘した。翌11月場所は7戦全勝で三段目優勝を果たした。

西幕下23枚目で迎えた2019年1月場所は、10日目(この時点で2勝2敗)に豊昇龍に掛け投げで敗れた際に右膝付近を痛め、自力で歩行できなくなった。相手の豊昇龍は白星ながら表情は冴えず、「宇良さんがケガをしたみたいで心配です。後ですいませんと言おうと思います」と取材に応じた後、車椅子に乗って支度部屋付近の通路を通る宇良に謝罪。「大丈夫、大丈夫」と宇良は笑顔で応えたものの、病院での診断結果は2017年9月場所から6場所連続休場するきっかけとなった右膝前十字靭帯損傷の再発であり、この場所も6番相撲から休場することになった[40][41]。2月4日、宇良は「土俵でもう一回頑張りたい。ここでは終われない。元気です」と断言し、現役続行を表明した[42]。師匠は今度こそ心が折れるだろうと見ていたが、2019年5月場所直前の記事によるとちゃんこの時も笑っているとのこと[43]で、兄弟子・志摩ノ海の腐らない性格がリハビリ中の宇良に良い影響を与えているという[44]。11月場所に土俵復帰。この場所では両膝に分厚いサポーターを装着している[45]

2020年3月場所はかつての付け人である同部屋の南海力と三段目優勝決定戦で対戦し、叩き込みで勝利して三段目優勝を飾った。同部屋対決の前に「楽しみではないですね」と複雑な気持ちを明かしていたが、優勝に際して「(幕下では)きれいな相撲を取りたいです。きれいとは?ケガをしないような相撲です」と抱負を語っていた[46][47]

人物・評価

関西学院大学相撲部創部125年で初のプロ入り力士である[48]

レスリングの経験を活かした撞木反り[49]居反り足取りなどの珍しい技を繰り出す取り口の相撲は“アクロバット相撲”と評され入門前から注目されていたことから[48][50]、入門記者会見では報道陣100人が詰めかけた[51]2017年1月場所13日目には天風襷反りを決めたが、この技が十両以上の取り組みで決まったのは1960年1月に決まり手が制定されて以来初めての事であった[52]。同場所ではやはり滅多に出ず「幻の技」といわれる首ひねりを、2日目に青狼に対して決めている[53]

2016年の十両における敢闘精神あふれる力士評価では2位の石浦の2165(この年は十両5場所在位)を引き離して2604(4場所)で1位となった[54]締め込みの色は、関取では珍しく桃色である。

北勝富士はライバルである。2017年5月場所11日目に幕内での対戦が決まった際には「大学でやってますから。(2人と)力の差があるところから、ここまで上がってきた。挑戦者の気持ちで思い切っていきたいです」と闘志を燃やした[55]。北勝富士に対しては「序ノ口から当たってきた。番付を上げて対戦できるのがうれしい」という思いがある[56]

身体能力はかなり高く、握力は100を軽く超えたこともある。

取り口

前述のとおり、多彩な技を武器とする他、正攻法の押し相撲も強い[57]。低い体勢で相撲を取るので魁聖などの腰が高い大兵には「小さ過ぎるよ。下に突っ張る感じで全然効かない。みんなの(嫌がる)気持ちがやっと分かった」とその相撲ぶりを嫌がられている[58]。幕内石浦の父で、逸ノ城照ノ富士を育てた鳥取城北高校相撲部監督である石浦外喜義は宇良の居反りに関して「あまり勧められない」「首の神経を痛めたら相撲を取れなくなる恐れがある」と評している[59][60]2017年7月場所後の座談会では「体重が自分と同じくらいや少し重い力士には差しても押してもいいのですが、大きい力士に対して同じように差します。すべて自分の計算どおり、段取りどおりになったときはすごい相撲になります。これを毎場所、毎場所やっていたら危ないです。どんなに体幹が強くても、自分の倍くらいある力士には差してはだめだと思います。差さない相撲を取らないと体を預けられますから、取り口を改善してほしいですね」と阿武松に注文を付けられている[61]。2017年9月場所前の座談会では舞の海から「常に攻め続けるというよりも、相手の様子をうかがいつつ、待つ時と攻めどきをいろいろ考えながら相撲を取っているのが分かります。敢えて下がって俵を利用して踏ん張ったりとか、弾みをつけて押したり、その辺もよく考えていますね。自分の場合は中に入らなければ相撲になりませんでしたが、宇良は中に入るというよりも離れて押し合いの方が強さを発揮します。ちょっと自分とタイプが違うかなと」と評されている[62]。2017年11月場所前の座談会で舞の海が2017年の力士の傾向について、宇良個人を指しているのではないが「怪我をした瞬間を見ると、変にねじれたり、おかしな方向に曲がったりしているわけではないのに、膝を痛めている。やはり重すぎるのが問題だと思う」と、宇良自身は大柄ではないものの体重過多について警鐘を鳴らしていると同時に、宇良個人については「宇良は体の可動域が広すぎて、どこまでも粘れるのでひやひやします」とその傾向を指摘しており、座談会に同席していた阿武松も「あれだけの相撲を、入門してから取れるようになった力士ですから、攻撃相撲に変えたほうがいいのではないですかね。片足で残って、という相撲はもうやめてもらいたいです。ファンとしては、はらはらします。相撲界の宝だと思っていますから」[63]。作戦面では所作の時点で変更するなど柔軟な姿勢を取っている[2]。2017年9月に左手甲の手術を受けた際は左手の握力が35kgwまで落ちていたが、2018年の時点では稽古とリハビリの甲斐あってそれ以前までの50~60kgwという記録を上回る70kgwを記録[38]。三段目陥落後は、かつての変則的な相撲は影を潜め、決まり手に押し出しが大半を占めるようになり、正統派の押し相撲になってきている。

エピソード

  • 父親は沖縄県国頭郡国頭村宜名真の出身[64]。なお、同村には宇良という大字がある。
  • 御嶽海北勝富士などの平成4年生まれの幕内力士に関しては、相手がトップレベルの実績を持っていたのに対して自分は学生時代に2部リーグで取っていたことなどから、ライバルという意識はない[2]
  • 中学2年時の文化祭。有志で出し物をすることになり、宇良も友人と2人組で登場。相棒がジャグリングを披露した後、マットの上でバック転、前転宙返りと、アクロバットショーを独演した。「スマイリー宇良」という“芸名”を自ら名乗り、会場は大盛況に。当時150㎝、50㎏ほどで小柄なぽっちゃり体形だった宇良が、体操選手のような機敏な動きを見せたことに、当時の担任教員も「こんなんできるの!」と目を奪われたという[65]
  • 新入幕となる2017年3月場所、初日から千秋楽までの15日間、ソニー・インタラクティブエンタテインメントから大人気ゲーム「スーパーロボット大戦」(スパロボ)の25周年を記念した指定懸賞3本が懸けられた[66]
  • 2016年12月5日、大相撲冬巡業中津場所が行われ、宇良が新しい化粧まわしで土俵入りした。京都・浦嶋神社から贈呈されたもので、紺地に金の紋章とともに白字で「宇良」と描かれたデザイン。同神社は、昔話でおなじみの「浦島太郎」が祭神とされ、宇良神社とも呼ばれている。4本目となる真新しい化粧まわしに、宇良も「渋いですね」と笑顔を見せていた[67]
  • ゴキブリが大の苦手。1匹に対して殺虫剤1本を丸々使ったというエピソードもある[68]
  • 2017年4月13日、春巡業川崎場所で猫ひろしとの取組を行った[69]
  • 顔つきから「くまのプーさん」の実写版であるというファンの感想がある[70]。また2017年7月場所の5日目、宇良の足取りに屈した栃ノ心は「恥ずかしい負け方をした。(相手は)子どもみたいなかわいい顔してなあ。ちくしょう」と宇良の顔について言及している[71]
  • 遠藤と同じくピンクが好き[72]
  • 2017年7月場所後の報道によると仕切りの際に塩を撒く塩の量は極めて少なく、好角家で知られる山根千佳によると「本人が言っていましたが、指の第1関節くらいまでしか持っていないそうです」とのこと[72]
  • MCバトルを趣味とする[2]
  • 2020年1月場所中、枕元に置く一人用の加湿器に、水で薄めた殺菌効果のある次亜塩素酸を入れるという珍しい自己管理方法が報道によって公開された[73]
  • 2020年1月場所千秋楽に開催された序二段優勝決定戦に出場する前に、この日幕内最高優勝を懸ける部屋の兄弟子の徳勝龍から「和輝(宇良の本名)、緊張しているのか」と声をかけられた。すると宇良は「僕は(優勝賞金)20万円ですけど、青木(徳勝龍の本名)さんは1000万円ですからね」と徳勝龍にプレッシャーをかけた[74]

主な成績

2020年3月場所終了現在

通算成績

  • 通算成績:146勝59敗93休(31場所)
  • 幕内成績:27勝21敗27休(5場所)
  • 十両成績:46勝29敗15休(6場所)

三賞・金星

  • 三賞:なし
  • 金星:1個

各段優勝

  • 三段目優勝:2回(2018年11月場所、2020年3月場所)
  • 序二段優勝:1回(2020年1月場所)
  • 序ノ口優勝:1回(2015年5月場所)

場所別成績

 
宇良和輝
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2015年
(平成27年)
x (前相撲) 西序ノ口9枚目
優勝
7–0 
東序二段10枚目
7–0[75] 
西三段目18枚目
5–2 
西幕下54枚目
7–0[75] 
2016年
(平成28年)
西幕下8枚目
6–1[75] 
西幕下2枚目
6–1 
西十両13枚目
10–5 
西十両8枚目
11–4 
東十両筆頭
6–9 
東十両5枚目
8–7 
2017年
(平成29年)
東十両3枚目
11–4 
西前頭12枚目
8–7 
西前頭10枚目
11–4 
東前頭4枚目
7–8
西前頭4枚目
1–2–12[76] 
東前頭16枚目
休場[77]
0–0–15
2018年
(平成30年)
東十両11枚目
休場[77]
0–0–15
西幕下10枚目
休場[77]
0–0–7
西幕下50枚目
休場[77]
0–0–7
西三段目30枚目
休場[77]
0–0–7
東三段目91枚目
6–1 
東三段目33枚目
優勝
7–0 
2019年
(平成31年
/令和元年)
西幕下23枚目
2–3–2[78] 
西幕下36枚目
休場
0–0–7
西三段目16枚目
休場
0–0–7
西三段目76枚目
休場
0–0–7
西序二段36枚目
休場
0–0–7
西序二段106枚目
6–1 
2020年
(令和2年)
東序二段28枚目
優勝
7–0 
西三段目30枚目
優勝
7–0 
新型コロナウイルス
拡大により中止
東幕下19枚目
 
x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

幕内対戦成績

2020年1月場所終了現在

力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数
碧山 0 1 荒鷲 1 0 0 1 石浦 2 0
逸ノ城 2 2(1) 遠藤 1 0 阿武咲 2 0 魁聖 1 0
1 2 旭秀鵬 1 0 豪栄道 0 1 琴奨菊 0 1
琴勇輝 1 1 佐田の海 1 0 正代 2 0 松鳳山 1 0
蒼国来 1 0 大栄翔 1 0 大翔丸 1 1 貴景勝 1 3
髙安 0 1 玉鷲 0 1 千代ノ皇 1 0 千代翔馬 2 0
千代の国 1 0 栃煌山 0 1 栃ノ心 1 1 錦木 0 1
白鵬 0 1 日馬富士 1 0 北勝富士 1 0 御嶽海 0 1
妙義龍 0 1

(カッコ内は勝数、負数の中に占める不戦勝、不戦敗の数、太字は2020年1月場所終了現在、現役力士)

ギャラリー

主なメディア出演

脚注

  1. ^ 藤井聡太四段が応援する大相撲東前頭4枚目・宇良和輝(25歳)【スポーツ人間模様】 ニッポン放送 2017/07/18 10:30(2018年1月15日)
  2. ^ a b c d e f g h 大空出版『相撲ファン』vol.06 p39-43
  3. ^ 大空出版『相撲ファン』vol.06 p68-71
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外部リンク