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2020年7月8日 (水) 21:34時点における版
「Woman "Wの悲劇"より」(ウーマン ダブリューのひげき より)は、映画『Wの悲劇』の主題歌で、主演女優の薬師丸ひろ子により歌唱された。
薬師丸の通算4枚目のシングルとして1984年10月24日にリリースされた。発売元は東芝EMI(現・EMIミュージック・ジャパン)。EPの規格品番はWTP-17660。
「Woman "Wの悲劇"より」 | ||||
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薬師丸ひろ子 の シングル | ||||
リリース | ||||
規格 | シングルレコード | |||
ジャンル | J-POP | |||
レーベル | 東芝EMI | |||
作詞・作曲 |
作詞: 松本隆 作曲: 呉田軽穂 | |||
チャート最高順位 | ||||
薬師丸ひろ子 シングル 年表 | ||||
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タイトル
1986年頃までにリリースしたシングルのA面曲が映画主題歌に起用される場合、曲名がそのまま出演した映画タイトルになっていることがあったが[注 1]、本楽曲は初めて映画とは別のタイトルがつけられている。ただし、サブ・タイトルは映画名であり、「Wの悲劇」の W は Woman も意味している[4]。
ヒット
オリコン週間ヒットチャートで「探偵物語/すこしだけやさしく」(1983年)以来の第1位を記録、TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』では最高4位を記録した。オリコンチャートの登場週数は15週、累計37.3万枚のセールスを記録した[1]。
歌唱
12月15日の映画公開を前に今作でも映画宣伝期間として1週間のみテレビに出演し本曲を披露した。10日には第6位でザ・トップテン、13日には第9位でザ・ベストテンに出演したが夜のヒットスタジオには出演しなかった。
数年ぶりの音楽番組出演となった2006年3月16日放送のNHK『音楽・夢くらぶ』[5]、及び2008年9月3日放送のNHK『SONGS』に出演し、「Woman "Wの悲劇"より」も披露された[6]。2011年4月8日放送のフジテレビ『僕らの音楽』にて、薬師丸ひろ子と松任谷由実が初共演、「Woman "Wの悲劇"より」をデュエットした[7]。
2013年10月に東京と大阪で計4回開催され、23年ぶりの単独コンサートとなった「薬師丸ひろ子 35th Anniversary Concert 2013」では、ラストで歌われた[8]。
2014年12月の『第65回NHK紅白歌合戦』で薬師丸は松任谷正隆による紅白用アレンジ・ピアノ伴奏で「Woman "Wの悲劇"より」を披露した[9][10]。
2017年のインタビューで、薬師丸は難しく、一生課題としていける曲を持ち歌としてる幸せを語るとともに、この詩の世界を忠実に歌い続けたいと答えている[11]。
評価
- 音楽雑誌『レコード・コレクターズ』(2014年11月号)の特集「80年代女性アイドル・ソング・ベスト100」で17位になった[12]。選定者の遠藤哲夫は、松本隆の歌詞は恋愛の終わりの揺れる心を表現し、詩的な表現でカバーされているが、解釈によっては心中さえも予感させ悲しくも美しいと賞賛している[12][注 2]。松任谷由実が「自分が提供した曲の中で一番好きかもしれない。」と言った逸話もある[14][12]。難解なコード進行が話題になることも多く[15]、選定者の大久達朗はアイドル曲とは別ステージの曲と評価している[15]。遠藤は、サビでの地声に近いファルセットはクラシカルな気品を感じさせるとコメントしている[12]。
- スージー鈴木によれば、「Woman "Wの悲劇"より」は1980年代を代表する一曲である[16]。この曲の名曲性として、ずっと「一音分浮いている」ナインス(9th)を使用した不安定で独創的なサビのメロディと、本編のコード Cm からサビは色彩が変わるように A♭ コードになる「時の河転調」の2点を挙げている[17][注 3]。浮遊感のある、歌いにくい、(良い意味で)変態的なサビの音程を少しの狂いもなく、澄んだ高音で歌い上げる歌手・薬師丸の実力も評価している[19]。
- 作詞家の松本隆は、「薬師丸は神秘的な存在、また、繊細かつ大胆なので、予測不能の詞をいつも私に書かせた」と語っている[20]。
ディスク
パッケージ
6面フォトジャケット仕様。
収録曲
- Woman "Wの悲劇"より
- 冬のバラ
- 作詞: 松本隆 /作曲: 呉田軽穂(松任谷由実) /編曲: 松任谷正隆
両楽曲とも、松任谷由実(ユーミン)がペンネーム "呉田軽穂" 名義で作曲した(松任谷由実が薬師丸ひろ子に提供した楽曲は、2014年時点までに本シングル盤に収録された2曲のみである)。ユーミン自身もアルバム『Yuming Compositions: FACES』(2003年)でセルフカヴァーをしている。作詞の松本隆は3作連続(「探偵物語/すこしだけやさしく」「メイン・テーマ」と本シングル)となる。
その他の収録ディスク
- 「Woman "Wの悲劇"より」を収録
リリース日 | タイトル | 規格品番 | 備考 |
---|---|---|---|
1987年12月25日 | '87 薬師丸ひろ子ファーストライヴ 星紀行 | CT32-5080 | ライブアルバム |
1998年 | 3月28日薬師丸ひろ子 ツイン・ベスト | TOCT-10240 | 非公式ベスト |
1998年11月26日 | 角川映画 女優ヴォーカル セレクション | CPC8-3010 | Various Artists |
2002年11月20日 | GOLDEN☆BEST 薬師丸ひろ子 | TOCT-10875 | 非公式ベスト |
2007年 | 8月22日エッセンシャル・ベスト 薬師丸ひろ子 | TOCT-10240 | 非公式ベスト |
2007年11月21日 | 風街少女 | UMCK-1235 | 松本隆WORKSコンピレーション |
2011年 | 3月 2日歌物語 | TOCT-28030/1 | 薬師丸ひろ子公認のベスト・アルバム |
- 「Woman "Wの悲劇"より」、「冬のバラ」を収録
リリース日 | タイトル | 規格品番 |
---|---|---|
1984年12月21日 | Wの悲劇 オリジナル・サウンドトラック | WTP-90308 |
カバー
リリース日 | アーティスト | 媒体・内容 |
---|---|---|
2001年 | 6月30日Port of Notes | アルバム『Duet With Birds』に収録。 |
2007年10月17日 | 安藤裕子 | シングル「海原の月」のカップリング。 |
2008年 | 9月 3日Donna Fiore | アルバム『fiore』に収録。 |
2010年 | 8月18日中森明菜 | ライブDVD『AKINA NAKAMORI Special Live 2009 “Empress at Yokohama”』に収録。 |
2012年 | 5月30日平井堅 | シングル「告白」のカップリング。2011年12月7日放送の『FNS歌謡祭』では、薬師丸ひろ子と平井堅でデュエットした。 |
2014年 | 3月19日菊地成孔 | アルバム『戦前と戦後』に収録。 |
2014年 | 12月3日村上ゆき | アルバム『Piano Woman〜友だちから〜』に収録。 |
2015年 | 1月14日Spinna B-ILL | カバーアルバム『ROMANTIK NOIZE』に収録。 |
2015年 | 1月21日徳永英明 | カバーアルバム『VOCALIST 6』に収録。 |
2015年 | 2月11日石川綾子 | カバーアルバム『CINEMA CLASSIC』に収録。ヴァイオリン演奏。 |
2015年 | 6月10日宮本毅尚 | 冨田恵一によるプロデュース。Sing! Sing! Sing! 2nd Seasonにて公演。 |
2015年10月28日 | 上野優華 | シングル「南くんの恋人〜my little lover」のカップリング。 |
2016年 | 7月13日露崎春女 | カバーアルバム『ONE VOICE II』に収録。 |
2016年 | 8月31日川島ケイジ | メジャーデビューミニアルバム『KEIJI』に収録。 |
2016年10月 | 5日上白石萌音 | カバーミニアルバム『chouchou』に収録。 |
2016年11月 | 2日信近エリ | ミニアルバム『Ⅲ -THREE-』に収録。 |
脚注
注釈
出典
- ^ a b 『オリコン・シングル・チャートブック(完全版):1968 - 2010』オリコン・エンタテインメント、2012年2月、802頁。ISBN 978-4-87131-088-8。
- ^ スージー鈴木 2017, p. 179.
- ^ 山田修爾『ザ・ベストテン』ソニー・マガジンズ、2008年、319頁。ISBN 978-4-78-973372-4。
- ^ 映画内の台詞より。
- ^ “音楽・夢くらぶ 薬師丸ひろ子&HIS” (2006年3月16日). 2017年1月30日閲覧。
- ^ “第58回 SONGS 薬師丸ひろ子” (2008年9月3日). 2014年11月2日閲覧。
- ^ “僕らの音楽 #350 松任谷由実×おすぎ - フジテレビ” (2011年4月8日). 2015年2月4日閲覧。
- ^ “薬師丸ひろ子、映画デビュー35周年記念、23年ぶり単独コンサートに大喝采 BARKS音楽ニュース” (2013年10月12日). 2014年3月10日閲覧。
- ^ “【紅白リハ】初出場・薬師丸を松任谷夫妻が応援”. ORICON STYLE (2014年12月29日). 2014年12月29日閲覧。
- ^ “【紅白】初出場・薬師丸ひろ子、30年前の名曲熱唱”. ORICON STYLE (2014年12月31日). 2015年1月6日閲覧。
- ^ 「(都ものがたり 奈良)薬師丸ひろ子、飛火野のステージ 神宿る場に歌声、千年の時を超え」『朝日新聞』2017年7月20日付夕刊、第3版、第7面。
- ^ a b c d 遠藤哲夫「80年代女性アイドル・ソング・ベスト100」『レコード・コレクターズ』2014年(平成26年)11月号、ミュージックマガジン、2014年、44頁。
- ^ 「松本隆 書きかけの… 4)ラブソング、これからも」『朝日新聞』2017年7月10日付夕刊、第3版、第3面。
- ^ “ユーミンが宇多田ヒカルと薬師丸ひろ子の声を絶賛。「“Wの悲劇”は最も好き」” (2014年4月30日). 2014年7月21日閲覧。
- ^ a b 大久達朗「80年代女性アイドル・ソング・ベスト100」『レコード・コレクターズ』2014年(平成26年)11月号、ミュージックマガジン、2014年、110頁。
- ^ スージー鈴木 2017, p. 266.
- ^ スージー鈴木 2017, pp. 184–187.
- ^ スージー鈴木 2017, pp. 187–189.
- ^ スージー鈴木 2017, p. 187.
- ^ “作詞家・松本隆のSONGSスペシャル放送決定 松田聖子、KinKiKidsらが出演”. ORICON STYLE (2015年10月16日). 2015年10月29日閲覧。
参考文献
- スージー鈴木『1984年の歌謡曲』イースト・プレス〈イースト新書〉、2017年2月。ISBN 978-4-7816-5080-7。
外部リンク
- スージー鈴木 (2017年10月1日). “見事なまでの浮遊感、1979年+80年代の9th(ナインス)名曲ベスト3”. リマインダー. 2017年10月2日閲覧。