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2020年7月17日 (金) 14:33時点における版
SHORT PEACE | |
---|---|
監督 |
森本晃司(オープニング) 森田修平(九十九) 大友克洋(火要鎮) 安藤裕章(GAMBO) カトキハジメ(武器よさらば) |
脚本 |
森田修平(九十九) 大友克洋(火要鎮) 石井克人(GAMBO) 山本健介(GAMBO) カトキハジメ(武器よさらば) |
原作 | 大友克洋(武器よさらば) |
音楽 |
Minilogue(オープニング) 久保田麻琴(火要鎮) 北里玲二(九十九) 七瀬光(GAMBO) 石川智久(武器よさらば) |
制作会社 | サンライズ |
製作会社 | ショート・ピース製作委員会 |
配給 | 松竹 |
公開 | 2013年7月20日 |
上映時間 | 68分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『SHORT PEACE』(ショート・ピース)は、日本のアニメ映画。
概要
の4作品によるオムニバス形式で上映された[1]。また、『SHORT PEACE』の最初に森本晃司監督による「オープニング」アニメーションが流れる。タイトルの由来は大友克洋監督の作品集で、それぞれの作品はいずれも「日本」をテーマにしている。
上記4作品のうちまず「火要鎮」と「九十九」が先行して制作され、アヌシー国際アニメーション映画祭2012や第14回広島国際アニメーションフェスティバルで短編作品として単独上映されている。その後「SHORT PEACE」として一般劇場用に公開されることとなり、これにあわせ既に完成している2作品に加え「GAMBO」と「武器よさらば」、「オープニング」が制作され、2013年7月20日に公開された[2]。
全国25スクリーンという小規模公開ながら、2013年7月20日、21日の2日間で映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第12位となった[3]。
スタッフ
- 企画:浅沼誠、上山公一、植村祐嗣、河口佳高、伊藤善之
- 製作:大下聡、川城和実、遠谷信幸、内田健二、井上俊次、秋元一孝
- プロデューサー:土屋康昌、内山大輔、向井地基起、小池克実
- 製作委員会:バンダイナムコゲームス、バンダイビジュアル、電通、サンライズ、ランティス、松竹、 トリガー
- アニメーション制作:サンライズ
- 配給:松竹
オープニング
キャスト
スタッフ
九十九
『九十九』(つくも)。18世紀のある山中が舞台で、道に迷った男が祠を見つけ、その中で起きた出来事を描いている。祠では、使い古された唐傘や絹織物が化けて出ていたが、男はお化けたちを修理してやる。最後に修理できないほど古い道具が化けて出てくるが、男は道具をねぎらい、道具は満足する。朝目覚めると、新品同然の唐傘と絹織物が置いてあり、男はそれを持って祠を去る。
キャスト
スタッフ
- 脚本・監督:森田修平
- ストーリー原案・コンセプトデザイン:岸啓介
- キャラクターデザイン:桟敷大祐
- CGI監督:坂本隆輔
- 美術:中村豪希
- 作画:堀内博之
- CGI:佐藤広大
- 題字:木下真理子
- 音楽:北里玲二
- 音響監督:鶴岡陽太
火要鎮
『火要鎮』(ひのようじん)。18世紀の江戸が舞台で、火消となった男のことが忘れられず火をつけた女の物語を描いている。物語の内容から「八百屋お七」と落語「火事息子」をモチーフにしていると推測される。
キャスト
- お若
- 声 - 早見沙織[脚 1](子供時代の声 - 石井心愛[脚 2])
- 松吉
- 声 - 森田成一[脚 1](子供時代の声 - 佐藤瑠生亮[脚 1])
- お梅
- 声 - 小林ゆう[脚 2]
- 鶴之助
- 声 - 石田太郎[脚 2]
- 仲人
- 声 - 江森正明[脚 2]
- 仲人夫人
- 声 - 落合るみ[脚 2]
- お若の父
- 声 - 飯島肇[脚 2]
- お若の母
- 声 - 久保田民絵[脚 2]
- 番頭
- 声 - 神奈延年[脚 2]
- 定吉
- 声 - 相ヶ瀬龍史[脚 2]
- 火消し頭
- 声 - 高瀬哲朗[脚 2]
- 火消し
- 声 - 西前忠久、川原慶久[脚 2]
スタッフ
- 脚本・監督:大友克洋
- キャラクターデザイン・ビジュアルコンセプト:小原秀一
- 音楽:久保田麻琴
- 作画監督:外丸達也
- エフェクト作画監督:橋本敬史
- 演出:安藤裕章
- 美術:谷口淳一、本間禎章
- CGI監督:篠田周二
- 画面設計:山浦晶代
- 音響監督:鶴岡陽太
GAMBO
『GAMBO』(がんぼ)。16世紀の東北地方[脚 3]が舞台で、人里に突然降りた鬼と、少女から救いを求められた白色の熊との戦いを描いている。鬼の巣に向かった白熊は、鬼に捕まっていた女性を目撃する。鬼の子を身ごもっていた女性は熊に自分を殺すよう嘆願し、熊は女性の願いを聞き入れる。熊は戻ってきた鬼と鉢合わせ、死闘を演じるが、熊に助けを求め、そばで見守っていた少女は恐怖から逃げ出そうとする。侍の青年は少女をたしなめ、熊のために祈るように伝える。侍の青年は駆けつけた鉄砲隊とともに鬼に蹴散らされるが、熊は鬼と相打ちとなる。
キャスト
- カオ
- 声 - 田村睦心[脚 1]
- 最上領に住む少女。民衆を襲撃する鬼になすすべなく、悔しさをにじませる。現れたガンホに助けを求め、ガンホと鬼の死闘の前から逃げ出そうとするも二元次の叫びを聞き祈り続ける。鬼を退治した後絶命したガンホの前でありがとうと泣き叫ぶ。
- ガンホ
- 声 - 酒井敬幸[脚 2]
- カオの前に現れた白い熊。カオの懇願を聞き鬼の巣を攻撃する。帰ってきた鬼と死闘を演じ、最後は致命傷を負いながらも鬼を噛み殺し、絶命する。
- 鬼
- 声 - 室園丈裕[脚 2]
- 最上領に突如現れた赤い鬼。宇宙船らしき巣からして宇宙人と推測される。シカを連れて巣に連れ帰るも、獲物をとっている間にシカを巣ごとガンホに破壊されて怒り狂う。ガンホや二元次、さらには最上兵を次々となぎ倒していくも最後はガンホに噛み殺される。
- 二元次
- 声 - 浪川大輔[脚 1]
- 最上氏に仕える侍の青年。着物にあった家紋は明石屋に似た「丸に十文字」。兵を連れ鬼退治に出るが返り討ちに遭う。ガンホと鬼の死闘から逃げ出そうとするカオに対し逃げずに祈れと叫び、ガンホを助けるため長槍を持って襲撃をするが再度払われてしまう。重傷を負いながらも生存。
- シカ
- 声 - 宮川美保[脚 2]
- 最上領に住む女性。家族と共に鬼に拉致され、巣の中で鬼の子を妊娠させられていた。ガンホが現れると殺してくれと嘆願し、巣ごと爆死する。
- 村長
- 声 - 糸博[脚 2]
- 最上領にある村の長。起き上がった鬼を退治するよう二元次に依頼する。
- 猿一
- 声 - 田尻浩章[脚 2]
- 二元次と共に鬼退治に出るも返り討ちに合う。
- 最上軍隊長
- 声 - 森一馬[脚 2]
- 鬼退治のため兵を連れて現れ、馬に乗り指揮を執っていた。鬼を倒した後、カオに対し「この白い熊は何者だ?」と問いただす。
- シカの母
- 声 - 風村綾乃[脚 2]
- シカと共に鬼を家に連れて看病するが、起き上がった鬼に殺される。
- シカの夫
- 声 - 河相智哉[脚 2]
- シカと共に鬼を家に連れて看病するが、起き上がった鬼に殺される。
- 僧侶
- 声 - 仁科洋平[脚 2]
- シカの家でお経を唱えていた人物。シカの夫や母が殺された後も祈り続けており、生死は不明。
スタッフ
- 監督:安藤裕章
- 原案・脚本・クリエイティブディレクター:石井克人
- キャラクターデザイン原案:貞本義行
- 脚本:山本健介
- キャラクターデザイン・作画監督:芳垣祐介
- 美術監督:本間禎章
- CGI監督:小久保将志
- CGアニメーションチーフ:坂本隆輔
- 色彩設計・色指定:久保木裕一
- コンポジットチーフ:佐藤広大
- 音楽:七瀬光
- 音響監督:鶴岡陽太
武器よさらば
『武器よさらば』(ぶきよさらば)。近未来の東京(新宿)舞台で、廃墟の中兵器の爆破処理のためパワードスーツで武装した5人組と無人兵器との遭遇戦を描いている。5人組は無人兵器と死闘を演じ、戦死してしまうが、武器がつかえなくなったマールだけは無人兵器から民間人とみなされ、助かる。
上記3作品の時代背景が過去なのに対し、この作品だけ未来と大きく異なる。また、上記3作品は映画オリジナルなのに対しこの作品は大友克洋が『週刊ヤングマガジン』1981年11月16日号に読み切りとして掲載したものをアニメ映像化したものである(ただし、本プロジェクトの統一テーマに即し、舞台は東京に設定している)。ガンダムシリーズなどのメカデザインで知られるカトキのアニメ初監督作であり、以前から原作のファンである事を公言していた事から大友に起用された。
キャスト
- マール
- 声 - 二又一成[脚 1]
- 眼鏡をかけた人物。パワードスーツの番号は「4」。無人兵器戦では使い捨ての武装UAVの展開・管制を担当。探索開始時に地雷を踏み、パワードスーツを着ていたおかげで無傷であったがこれが原因で無人兵器に探知される。地下戦で仲間の犠牲と引き換えにミサイルの爆破に成功した後無人兵器に追い詰められるが、損傷したパワードスーツから脱出する際認識票を落としていた為民間人と見做され唯一生き残る。無人兵器から戦争は終了したとのカタログを見せられ、全裸の状態で岩を持ち上げて追いかける所で物語は終了する。
- ラム
- 声 - 檀臣幸[脚 1]
- 釣り目の人物。パワードスーツの番号は「2」。無人兵器戦では対物ライフルによる狙撃を担当。地上戦で無人兵器の攻撃を受け、マールに助けられるも地下駅で再び攻撃され、パワードスーツの故障で動けなくなったところで光線を浴び蒸発する。
- ギムレット
- 声 - 牛山茂[脚 1]
- 初老の人物でリーダー的存在。パワードスーツの番号は「1」。無人兵器戦では前線指揮を担当。ミサイルの爆破後マールと共に唯一生き残ったかに見られたが、再度現れた無人兵器に頭を撃ち抜かれ即死、その後光線を浴び死体はパワードスーツごと蒸発。
- ジン
- 声 - 大塚明夫[脚 1]
- ヒゲを生やした人物。パワードスーツの番号は「3」。無人兵器戦では遠隔操作型のロケットランチャーの設置・発射管制を担当。地下駅でマールを助けるため無人兵器と光線の撃ち合いになるが、相手の光線が勝り蒸発する。
- ジャンキー
- 声 - 置鮎龍太郎[脚 1]
- 装甲車の運転手であり、唯一パワードスーツを着用しなかった人物。探索の際装甲車に残り無人探査機の操作をしていたが、地下戦でギムレットの呼びかけに対し炎上する装甲車の外で倒れている映像が映し出され、死亡したとみられる。
スタッフ
- 脚本・監督:カトキハジメ
- 原作:大友克洋
- キャラクターデザイン:田中達之
- メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利
- CGI監督:若間真
- 作画監督:堀内博之
- 美術監督:小倉宏昌
- 演出:森田修平
- 絵コンテ:カトキハジメ、片山一良
- ストーリーアドバイジング:佐藤順一
- 色彩設計:山浦晶代
- 撮影監督:田沢二郎
- 編集:瀬山武司
- 音楽:石川智久
- 音響監督:鶴岡陽太
受賞
- 火要鎮
- 第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞[4]
- 第67回毎日映画コンクール大藤信郎賞[5]
- 九十九
- 第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品 [6]
- 第86回アカデミー賞短編アニメ賞ノミネート[7]
関連項目
- MEMORIES (映画) - 18年前に公開された松竹配給、大友克洋監修・監督によるオムニバス形式のアニメ映画。
- FREEDOM-PROJECT - 森田修平監督、大友克洋デザインによる日清食品のプロモーションプロジェクト。
- SHORT PEACE 月極蘭子のいちばん長い日 - 本プロジェクト5番目の作品と位置づけられたバンダイナムコゲームス販売のテレビゲームソフト。ゲームシナリオ原作は須田剛一(グラスホッパー・マニファクチュア)、ゲーム開発はクリスピーズ社。
出典・脚注
- 出典
- ^ “大友克洋最新アニメ「SHORT PEACE」劇中写真を一挙20点独占公開”. 映画.com. 2013年3月23日閲覧。
- ^ “「SHORT PEACE」7月20日公開決定 大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメ、4監督が競演”. animeanime.jp. 2013年3月23日閲覧。
- ^ 宮崎駿監督『風立ちぬ』が今年最高のオープニング!順風満帆の1位スタート!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年7月23日
- ^ “アニメーション部門|大賞”. 第16回文化庁メディア芸術祭. 2013年3月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “毎日映画コンクール:大友克洋監督と「おおかみこども」の細田守監督ら受賞者が喜びの声”. 毎日.JP. 2013年3月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “アニメーション部門|審査委員会推薦作品”. 第16回文化庁メディア芸術祭. 2013年3月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “アカデミー賞短編アニメ賞に森田修平監督『九十九』がノミネート!【第86回アカデミー賞】”. シネマトゥデイ. 2015年5月6日閲覧。
- 脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 公式ホームページに記載されている声優。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 公式ホームページには記載されていないが、エンディングスタッフロールに記載されている声優。
- ^ 公式には「最上領」とあることから最上氏が戦国時代に治めていた出羽国と推測される。
外部リンク
- 『SHORT PEACE』公式
- SHORT PEACE 公式 (@shortpeacemovie) - X(旧Twitter)
- SHORT PEACE allcinema