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2020年7月24日 (金) 07:04時点における版

宋慶（そうけい、Song Qing、1820年 - 1902年（光緒28年）1月4日）は清末の軍人。字は祝三、諡は忠勤^[1]。

生涯

山東省蓬莱県出身。24歳のとき同郷の亳州知州宮国勛の衛士となり、宮の推薦で千総となった。以後、宋慶の部隊は河南省南部から安徽省北部にかけて捻軍と戦った。1862年、功績により総兵に昇進し、バトゥルの称号を得た。その後淮軍に編入されて三営を統括し、宋慶の軍は「毅軍」と称されるようになった。

毅軍成立後も功績をあげ、1864年にはセンゲリンチン（僧格林沁）が苗沛霖を滅ぼすのを助けた。1865年から1868年の間、河南省・安徽省・直隷省・湖北省・山東省で捻軍と戦っている。その間に宋慶は南陽鎮総兵となって、河南省に毅軍の根拠地を置き、捻軍鎮圧後も解散されることなく、河南省に駐屯した。1869年、左宗棠が回民蜂起の鎮圧に向かうとこれに従った。同治11年（1872年）、粛州での治安戦に派遣され、双眼花翎を授与される^[2]。その後、涼州駐屯を経て、同治13年（1874年）9月に湖南提督・四川提督に任命されたが^[2]、実際には赴いていない。

光緒6年（1880年）、ロシアとの関係が緊張すると、清朝は旅順を軍港として経営することを始め、毅軍に旅順の防衛にあたらせた。宋慶は当初奉天で、光緒8年（1882年）以降は十数年にわたって旅順に駐屯し、日清戦争の直前には九営の軍を擁するまでになった。光緒12年（1886年）、醇親王の校閲で督練^[2]。

光緒16年（1890年）、太子少保。光緒20年（1894年）には尚書^[2]。

1894年、日清戦争が勃発すると、平壌に馬玉昆の4個営を派遣、また9月2日より幇弁（中国語版）北洋軍務として前方各軍を指揮したが、9月14日より李鴻章の命により九連城に赴き、葉志超（中国語版）に代わって前線で指揮を行う^[2]。しかし諸将を統率できず、軍紀も乱れていたため平壌の戦いで敗走。27日には九連城も陥落し、旅順の陥落を招くこととなった。その後、12月21日より劉坤一を補佐して30個営の援軍を派遣^[2]、営口を守っていたが、再び日本軍に敗れ、遼河以東の領土を失ったため処罰された。

1898年、毅軍は武衛左軍と改称され、錦州に駐屯した。この時すでに80歳と高齢であったため、義和団の乱の際は光緒26年6月4日（1900年7月）より馬玉昆（中国語版）を武衛左軍総統に継がせ^[3]、天津に派遣。しかし北京に進撃する八カ国連合軍に北倉で敗北した。また、新軍15営を玉田県に召募し親軍の編成を命じられ、程允和に主事を任せるも、こちらも敗走した^[3]。12月8日、武衛左軍の再編を立案し^[4]、光緒27年（1901年）4月、武衛左軍から9営を抽出して毅軍を再編、総統に姜桂題^[5]。

光緒28年（1902年）1月4日、中風により河南にて病死^[5]^[1]。三等男爵、二等軽車都尉。賢良祠（中国語版）に入祀^[1]。

評価

仁和寺にある扁額「功参造化」。「光著丁亥季春穀旦総統毅軍四川提督宋慶敬立」とある。

徐世昌は光緒20年（1884年）の「請召詢重臣以定大計摺」で宋慶を「経験豊富な老将で、計略の雄大さは群を抜いている。独断で物事を進める余裕はあるが、統一的な立案には欠けている（老成宿将、雄略過人、獨當一面則有餘、統籌全局則不足）」と評している^[5]。

出典

^ ^a ^b ^c 劉 1978, p. 414.
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 劉 1978, p. 411.
^ ^a ^b 劉 1978, p. 415.
^ 劉 1978, p. 412.
^ ^a ^b ^c 劉 1978, p. 413.

参考文献

劉鳳翰著 (1978) (PDF). 武衛軍. 中央研究院近代史研究所専刊. 38. 中央研究院近代史研究所

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[FOOTNOTE劉1978414-1] 劉 1978, p. 414.

[FOOTNOTE劉1978411-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 劉 1978, p. 411.

[FOOTNOTE劉1978415-3] 劉 1978, p. 415.

[FOOTNOTE劉1978412-4] 劉 1978, p. 412.

[FOOTNOTE劉1978413-5] 劉 1978, p. 413.

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 毅軍成立後も功績をあげ、[[1864年]]には[[センゲリンチン]]（僧格林沁）が[[苗沛霖]]を滅ぼすのを助けた。[[1865年]]から[[1868年]]の間、河南省・安徽省・[[直隷省]]・[[湖北省]]・山東省で捻軍と戦っている。その間に宋慶は南陽鎮総兵となって、河南省に毅軍の根拠地を置き、捻軍鎮圧後も解散されることなく、河南省に駐屯した。[[1869年]]、[[左宗棠]]が[[回民蜂起]]の鎮圧に向かうとこれに従った。同治11年（1872年）、[[粛州]]での治安戦に派遣され、双眼花翎を授与される{{Sfn|劉|1978|p=411}}。その後、涼州駐屯を経て、同治13年（1874年）9月に湖南[[提督 (清朝)|提督]]・四川提督に任命されたが{{Sfn|劉|1978|p=411}}、実際には赴いていない。
-光緒6年（[[1880年]]）、[[ロシア帝国|ロシア]]との関係が緊張すると、清朝は[[旅順口区|旅順]]を軍港として経営することを始め、毅軍に旅順の防衛にあたらせた。宋慶は当初奉天で、光緒8年（1882年）以降は十数年にわたって旅順に駐屯し、[[日清戦争]]の直前には九営の軍を擁するまでになった。光緒12年（1886年）、[[愛新覚羅奕ケン|醇親王]]の校閲で督練{{Sfn|劉|1978|p=411}}。
+光緒6年（[[1880年]]）、[[ロシア帝国|ロシア]]との関係が緊張すると、清朝は[[旅順口区|旅順]]を軍港として経営することを始め、毅軍に旅順の防衛にあたらせた。宋慶は当初奉天で、光緒8年（1882年）以降は十数年にわたって旅順に駐屯し、[[日清戦争]]の直前には九営の軍を擁するまでになった。光緒12年（1886年）、[[愛新覚羅奕譞|醇親王]]の校閲で督練{{Sfn|劉|1978|p=411}}。
 光緒16年（1890年）、太子少保。光緒20年（1894年）には尚書{{Sfn|劉|1978|p=411}}。