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2020年7月26日 (日) 21:53時点における版
『拾芥抄』(しゅうがいしょう)は、中世日本にて出された類書(百科事典)。全3巻。元は『拾芥略要抄』とも呼ばれ、『略要抄』とも略されていた。
概要
古くは南北朝時代の洞院公賢が著し、子孫の実熙が増補したとされてきたが、永仁2年(1294年、公賢4歳の年)に書写された『本朝書籍目録』写本に「拾芥抄」の名が見られることから、今日では鎌倉時代中期には原型が成立し、暦応年間に公賢がそれを増補・校訂したと考えられている。現存本は『口遊』・『二中歴』などの先行の書物の流れを引き継ぎ、歳時以下、経史、和歌、風俗、百官、年中行事など公家社会に必要な知識を中心とした99部(上巻35・中巻25・下巻39)及び「宮城指図」「八省指図」「東西京図」などの地図・図面類を多数含んでいる。『源氏物語』について、その巻名目録に現行の54帖に含まれない桜人の巻を挙げるなど独自の記述を有している。
現存最古の写本として、室町時代初期のものと推定される東京大学史料編纂所所蔵の残欠本(重要文化財)があるほか、室町時代から戦国時代にかけての写本が多数現存し、江戸時代には慶長活字本などがたびたび刊行された。
参考文献
- 山田英雄「拾芥抄」(『国史大辞典 7』(吉川弘文館、1986年) ISBN 978-4-642-00507-4)
- 清田善樹「拾芥抄」(『日本史大事典 3』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13103-1)