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「スイカ」の版間の差分

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紀元前500年頃には地中海を通じヨーロッパ南部へ伝来。地中海の乾燥地帯での栽培が続けられるうちに果実を食べる植物として発達した<ref name="iwaki" />。[[ヒポクラテス]]や[[ディオスコリデス]]は医薬品としてスイカについて言及している。古代ローマでは大[[プリニウス]]が『[[博物誌]]』の中で強力な解熱効果がある食品としてスイカを紹介している。古代[[イスラエル]]では「アヴァッティヒム(avattihim)」という名で貢税対象として扱われ、さらに200年頃に書かれた文献の中で[[イチジク]]、[[ブドウ]]、[[ザクロ]]と同じ仲間に分類されていることから、すでに甘味嗜好品として品種改良に成功していたことが窺える。もっとも、地中海地域で普及したスイカは黒皮または無地皮のものが一般的だった<ref name="iwaki" />。またこの頃の文献では「熟したスイカの果肉は黄色」と記述されており、425年頃のイスラエルのモザイク画にもオレンジがかったスイカの断面が描かれており、こちらもやはりオレンジがかった黄色い果肉が描かれている。スイカは糖度を決定する遺伝子と果肉を赤くする遺伝子とがペアになっているため、まだ現代品種ほど甘くはなかったことが推察される。果肉が赤いスイカが描かれた最初期の資料は14世紀のイタリア語版『[[健康全書]]』であり、楕円形で緑色の筋の入ったスイカが収穫される様子や赤い断面を晒して販売されるスイカの図が描かれている<ref>[https://megalodon.jp/2019-0824-2148-44/https://natgeo.nikkeibp.co.jp:443/atcl/news/15/a/082500029/ スイカ、知られざる5000年の歴史 - NATIONAL GEOGRAPHIC 2015年8月27日]</ref>。
紀元前500年頃には地中海を通じヨーロッパ南部へ伝来。地中海の乾燥地帯での栽培が続けられるうちに果実を食べる植物として発達した<ref name="iwaki" />。[[ヒポクラテス]]や[[ディオスコリデス]]は医薬品としてスイカについて言及している。古代ローマでは大[[プリニウス]]が『[[博物誌]]』の中で強力な解熱効果がある食品としてスイカを紹介している。古代[[イスラエル]]では「アヴァッティヒム(avattihim)」という名で貢税対象として扱われ、さらに200年頃に書かれた文献の中で[[イチジク]]、[[ブドウ]]、[[ザクロ]]と同じ仲間に分類されていることから、すでに甘味嗜好品として品種改良に成功していたことが窺える。もっとも、地中海地域で普及したスイカは黒皮または無地皮のものが一般的だった<ref name="iwaki" />。またこの頃の文献では「熟したスイカの果肉は黄色」と記述されており、425年頃のイスラエルのモザイク画にもオレンジがかったスイカの断面が描かれており、こちらもやはりオレンジがかった黄色い果肉が描かれている。スイカは糖度を決定する遺伝子と果肉を赤くする遺伝子とがペアになっているため、まだ現代品種ほど甘くはなかったことが推察される。果肉が赤いスイカが描かれた最初期の資料は14世紀のイタリア語版『[[健康全書]]』であり、楕円形で緑色の筋の入ったスイカが収穫される様子や赤い断面を晒して販売されるスイカの図が描かれている<ref>[https://megalodon.jp/2019-0824-2148-44/https://natgeo.nikkeibp.co.jp:443/atcl/news/15/a/082500029/ スイカ、知られざる5000年の歴史 - NATIONAL GEOGRAPHIC 2015年8月27日]</ref>。


[[日本]]に伝わった時期は定かでないが、[[室町時代]]以降とされる。[[天正]]7年、[[ポルトガル人]]が長崎に[[カボチャ]]とスイカの種を持ち込んだ説や、[[慶安]]年間[[隠元隆|隠元禅師]]が中国から種を持ち込んだ説がある<ref>{{Cite web|url=http://www.suikachallenge.com/knowledge/history.html|title=西瓜の歴史 【スイカにちゃれんじ!】|accessdate=2018-08-23|website=www.suikachallenge.com}}</ref>。『[[農業全書]]』(1697年)では「西瓜ハ昔ハ日本になし。[[寛永]]の末初て其種子来り。其後やうやく諸州にひろまる。」と記されている<ref name="iwaki" /><ref>{{Cite web|url=http://suicup.jp/blog/archives/657|title=西瓜(スイカ)の歴史 前編 - 東京スイカ研究会|accessdate=2018-08-23|website=suicup.jp}}</ref>。一方、『[[和漢三才図会]]』では慶安年間に隠元禅師が中国大陸から持ち帰った説をとっている<ref name="iwaki" />。日本全国に広まったのは江戸時代後期である<ref>{{Cite web|url=http://www.yc.zennoh.or.jp/web/shoku/0108_1.html|title=すいか(西瓜)の歴史・効能・レシピ|accessdate=2018-08-23|website=www.yc.zennoh.or.jp}}</ref>。しかし、果肉が赤いことからなかなか受け入れられず、品種改良による大衆化によって栽培面積が増えるのは大正時代になってからである<ref name="iwaki" />。
[[日本]]に伝わった時期は定かでないが、[[室町時代]]以降とされる。[[天正]]7年、[[ポルトガル人]]が長崎に[[カボチャ]]とスイカの種を持ち込んだ説や、[[慶安]]年間[[隠元隆|隠元禅師]]が中国から種を持ち込んだ説がある<ref>{{Cite web|url=http://www.suikachallenge.com/knowledge/history.html|title=西瓜の歴史 【スイカにちゃれんじ!】|accessdate=2018-08-23|website=www.suikachallenge.com}}</ref>。『[[農業全書]]』(1697年)では「西瓜ハ昔ハ日本になし。[[寛永]]の末初て其種子来り。其後やうやく諸州にひろまる。」と記されている<ref name="iwaki" /><ref>{{Cite web|url=http://suicup.jp/blog/archives/657|title=西瓜(スイカ)の歴史 前編 - 東京スイカ研究会|accessdate=2018-08-23|website=suicup.jp}}</ref>。一方、『[[和漢三才図会]]』では慶安年間に隠元禅師が中国大陸から持ち帰った説をとっている<ref name="iwaki" />。日本全国に広まったのは江戸時代後期である<ref>{{Cite web|url=http://www.yc.zennoh.or.jp/web/shoku/0108_1.html|title=すいか(西瓜)の歴史・効能・レシピ|accessdate=2018-08-23|website=www.yc.zennoh.or.jp}}</ref>。しかし、果肉が赤いことからなかなか受け入れられず、品種改良による大衆化によって栽培面積が増えるのは大正時代になってからである<ref name="iwaki" />。


1927年、兵庫県明石郡林崎村(現・[[明石市]]林崎町)の農家、竹中長蔵がスイカの[[つる割病]]対策として、抵抗性をもつカボチャの[[接ぎ木|台木]]にスイカを接ぐ方法を開発した<ref>{{Cite web|title=戦後日本のイノベーション100選 高度経済成長期 接ぎ木(野菜)|url=http://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00044&age=high-growth&page=keii|website=koueki.jiii.or.jp|accessdate=2020-04-15|publisher=公益社団法人発明協会}}</ref>。野菜での[[接ぎ木]]栽培は世界で初めて開発された技術であり、その後、ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、メロン等、様々な野菜の接ぎ木栽培技術が開発されることとなった。
1927年、兵庫県明石郡林崎村(現・[[明石市]]林崎町)の農家、竹中長蔵がスイカの[[つる割病]]対策として、抵抗性をもつカボチャの[[接ぎ木|台木]]にスイカを接ぐ方法を開発した<ref>{{Cite web|title=戦後日本のイノベーション100選 高度経済成長期 接ぎ木(野菜)|url=http://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00044&age=high-growth&page=keii|website=koueki.jiii.or.jp|accessdate=2020-04-15|publisher=公益社団法人発明協会}}</ref>。野菜での[[接ぎ木]]栽培は世界で初めて開発された技術であり、その後、ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、メロン等、様々な野菜の接ぎ木栽培技術が開発されることとなった。

2020年8月2日 (日) 22:09時点における版

スイカ
スイカ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
: ウリ目 Cucurbitales
: ウリ科 Cucurbitaceae
: スイカ属 Citrullus
: スイカ C. lanatus
学名
Citrullus lanatus
和名
スイカ(西瓜)
英名
Watermelon
すいか 赤肉種 生[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 155 kJ (37 kcal)
9.5 g
デンプン 正確性注意 (7.6) g
食物繊維 0.3 g
0.1 g
飽和脂肪酸 (0.01) g
一価不飽和 (0.02) g
多価不飽和 (0.03) g
0.6 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(9%)
69 µg
(8%)
830 µg
チアミン (B1)
(3%)
0.03 mg
リボフラビン (B2)
(2%)
0.02 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.2 mg
パントテン酸 (B5)
(4%)
0.22 mg
ビタミンB6
(5%)
0.07 mg
葉酸 (B9)
(1%)
3 µg
ビタミンC
(12%)
10 mg
ビタミンE
(1%)
0.1 mg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(3%)
120 mg
カルシウム
(0%)
4 mg
マグネシウム
(3%)
11 mg
リン
(1%)
8 mg
鉄分
(2%)
0.2 mg
亜鉛
(1%)
0.1 mg
(2%)
0.03 mg
他の成分
水分 89.6 g
水溶性食物繊維 0.1 g
不溶性食物繊維 0.2 g
ビオチン(B7 0.9 µg

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。廃棄部位: 果皮及び種子。廃棄率: 小玉種の場合 50 %
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
スイカの花
日本の農業百科事典のイラスト(1804)

スイカ西瓜水瓜、学名: Citrullus lanatus)は、果実食用にするために栽培されるウリ科つる性一年草。また、その果実のこと。

原産は、熱帯アフリカサバンナ地帯や砂漠地帯。西瓜の漢字は中国語の西瓜(北京語:シーグァ xīguā)に由来する。日本語のスイカは「西瓜」の唐音である。中国の西方(中央アジア)から伝来したとされるためこの名称が付いた。

に球形または楕円形の甘味を持つ果実を付ける。果実は園芸分野では果菜(野菜)とされる[3]が、青果市場での取り扱い[3]や、栄養学上の分類[4]では果実的野菜に分類される。

歴史

原種は西アフリカ原産のエグシメロン、アフリカ北東部原産のCitrullus lanatus var.colocynthoides等、様々な説が存在する。リビアでは5000年前の集落の遺跡よりスイカの種が見つかっていることから、それよりも以前から品種改良が行われていたことが判明している。

エジプトでは4000年前の壁画にスイカが描かれているが当時は種のほうを食べていたとみられている[5]ツタンカーメンの墳墓等、4000年以上前の遺跡から種が発見されており、各種壁画にも原種の球形ではなく栽培種特有の楕円形をしたスイカが描かれている。またこの頃、現在カラハリ砂漠で栽培されるシトロンメロンが発明された。

紀元前500年頃には地中海を通じヨーロッパ南部へ伝来。地中海の乾燥地帯での栽培が続けられるうちに果実を食べる植物として発達した[5]ヒポクラテスディオスコリデスは医薬品としてスイカについて言及している。古代ローマでは大プリニウスが『博物誌』の中で強力な解熱効果がある食品としてスイカを紹介している。古代イスラエルでは「アヴァッティヒム(avattihim)」という名で貢税対象として扱われ、さらに200年頃に書かれた文献の中でイチジクブドウザクロと同じ仲間に分類されていることから、すでに甘味嗜好品として品種改良に成功していたことが窺える。もっとも、地中海地域で普及したスイカは黒皮または無地皮のものが一般的だった[5]。またこの頃の文献では「熟したスイカの果肉は黄色」と記述されており、425年頃のイスラエルのモザイク画にもオレンジがかったスイカの断面が描かれており、こちらもやはりオレンジがかった黄色い果肉が描かれている。スイカは糖度を決定する遺伝子と果肉を赤くする遺伝子とがペアになっているため、まだ現代品種ほど甘くはなかったことが推察される。果肉が赤いスイカが描かれた最初期の資料は14世紀のイタリア語版『健康全書』であり、楕円形で緑色の筋の入ったスイカが収穫される様子や赤い断面を晒して販売されるスイカの図が描かれている[6]

日本に伝わった時期は定かでないが、室町時代以降とされる。天正7年、ポルトガル人が長崎にカボチャとスイカの種を持ち込んだ説や、慶安年間隠元禅師が中国から種を持ち込んだ説がある[7]。『農業全書』(1697年)では「西瓜ハ昔ハ日本になし。寛永の末初て其種子来り。其後やうやく諸州にひろまる。」と記されている[5][8]。一方、『和漢三才図会』では慶安年間に隠元禅師が中国大陸から持ち帰った説をとっている[5]。日本全国に広まったのは江戸時代後期である[9]。しかし、果肉が赤いことからなかなか受け入れられず、品種改良による大衆化によって栽培面積が増えるのは大正時代になってからである[5]

1927年、兵庫県明石郡林崎村(現・明石市林崎町)の農家、竹中長蔵がスイカのつる割病対策として、抵抗性をもつカボチャの台木にスイカを接ぐ方法を開発した[10]。野菜での接ぎ木栽培は世界で初めて開発された技術であり、その後、ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、メロン等、様々な野菜の接ぎ木栽培技術が開発されることとなった。

特徴

葉・花

は切込みが深く、丸みを帯びている。葉身は約25cm。つる性である。雌雄異花で花色は黄色。雌花は子房下位。水に濡れると花粉が破裂するため、受粉後約4時間以内に降雨に遭うと着果せず、自家受粉では良質な実は着果しない(これは、自家不和合性という遺伝的特性によるもの)。

果実の外観は緑色の玉に深緑色の縦縞が入ったものが一般的であるが、薄緑色のものや黒に近い深緑色のものもある。玉形の他に楕円形の品種もあり欧米では楕円形が主に流通している。同じウリ科の果菜類であるメロンは、主として甘く熟した果皮の部分を果肉として食べるが、スイカの果皮は内側の薄い層しか甘く熟せず、主に種子をつける胎座の部分を食用とする。果皮はキュウリを僅かに甘くしたような味だが、生のまま果皮まで食べることは少ない。

日本で縦縞模様の品種が広まったのは昭和初期頃と言われ、それまでは黒色の無地で「鉄かぶと」と呼ばれていた。果肉の色は赤もしくは黄色。大玉の品種で糖度 (Brix) は11 - 13度程度。果実中心及び種子周辺の果肉の糖度が最も高い。

果肉は、水分が多く90%以上。様々な品種があるが、一般に果肉は紅、甘くて多汁である。

野生スイカ

野生のスイカは、ほとんど甘みがないが、水分だけは胎座部分に大量に蓄えられている。しかし、胎座部分は栽培種と異なり多くの隙間があり、現在の栽培種のようなリコピンを豊富に含んだ胎座が隙間なくある状態ではない。この野生種から現在の栽培種へと至る過程は、17世紀の画家ジョバンニ・スタンキ(Giovanni Stanchi)や、ジュゼッペ・レッコ(Giuseppe Recco)のスイカの静物画に見ることが出来る。また、スイカは水分の反応に敏感で、土壌の水分量が過多になると、現在の栽培種でも果実の中に栄養や水分を送るための維管束の管が極端に広がり、内部が、原種に近いような模様のスイカになる。

スイカは元々、自生地が乾燥地帯であるため、野生動物は水分を目当てにスイカの果実を摂食することになり、胎座の水分ごと種子を飲み込んで糞とともに排泄し、種子散布が行われる。人類によるスイカの利用もこの水分を目当てに始まり、同時に脂肪蛋白質に富んだ種子をも食用にするようになったと考えられる。

日本の改良種のスイカにはナトリウムやタンパク質はほとんど含まれないが、カラハリ砂漠に自生する野生種には1.19ミリグラムのナトリウム、8.7グラムのタンパク質が含まれる。野生のスイカは砂漠の生活において貴重なミネラルや栄養の供給源となっている[11]

食材

果実

切り分けた果実

果実を薄切りにしたり、小片に切ったりし、好みによって食塩を少量振りかけて食す。特殊なものとしては源五兵衛(げんごべえ)と呼ばれる品種があり、幼果を粕漬けにする。果肉を食べ終えた後の皮は、外側の固い薄皮を除いて、漬物や酢の物、煮物や汁物などに使える。生のままだとキュウリ、煮ると冬瓜に似た食感になる。

スイカの果肉及び果汁を加熱濃縮して、西瓜糖(すいかとう)と呼ばれる食品が作られる事がある。ジャム状の食品で砂糖が入っていないが、スイカ自体の糖分によって甘味がある。ジャムや甘味料の代わりとしても用いられるが、健康食品として用いられる事が多い。

この他、ジェラート、ゼリー、缶詰にされる事もある。

盛岡冷麺アワビ水貝では、トッピングとして用いられる。

種子

アジアでは種子を炒って歯で割り、中身を食べる地域が多い。中国では西瓜子と呼ばれ、酒のつまみ、料理、菓子などに用いられており、炒って味付けされたものは日本に輸入されている。普通のスイカよりも大きな種をつける、採種専用の品種も存在する。またスイカの原産地であり利用や栽培の始まったアフリカでも、種子を炒って粉末にするなどし、食材として利用する食文化が存在する。特に原産地に自生する果肉の苦味の強い近縁種は、果肉自体は人間の食用に適さないので飲料水以外の生活用水として利用し、種子のみを食用とする。また、スイカ皮や、より品質の高い果実を収穫するために摘果した小さな未熟果実の漬物ピクルスもポピュラーである。

栄養価

果肉や種子に含まれるカリウムは疲労回復ならびに利尿作用があるため、暑さで体力を消耗し水分を過剰摂取することで起こりがちな夏バテに効果があるとされている。スイカから発見され、他のウリ科の作物に含まれる機能性成分としてシトルリンが注目されているが含有量は低い。

品種

欧米で一般的な形態
種なしスイカ
黄肉種

スイカの品種には、果肉の色が黄色や白色のもの、また種子コルヒチン処理し倍化させることで一代雑種(F1)の三倍体にして種を無くした種なしスイカがある。軟X線照射花粉の授粉による種なしスイカ作出[12]も行われている。富山県入善町では、「ジャンボスイカ(黒部スイカ)」と呼ばれる長形大玉種が栽培されていて、平均重量15kg、最大30kg程度に成長する。

日本の主な品種

赤肉系大玉品種
祭ばやし、祭ばやし777、縞無双、必勝、春のだんらん、夏のだんらん、竜宝、暁ひかり、日章、翠章、貴ひかり、富士光、マイティー21、朝ひかりSR、サマーキッズ、甘泉、甘喜、甘湧、夏まくら、キャノンボール、月美人、バルビレッジスイカ
アイスクリーム - 1901年(明治34年)に奈良県でアメリカから導入
種なし赤肉系品種
ほお晴れ(F1)
小玉系品種
ひとりじめ、ひとりじめ7、姫甘泉
黒皮系品種
タヒチ(ばくだんスイカ・ダイナマイトスイカ・でんすけすいか等の商品名で流通)、月美人(黒皮・黄肉)
長形品種
マダーボール
あっぱれ(長形大玉)、うり坊(長形小玉)、金竜西瓜、姫まくら、夏まくらJr.
黒部スイカ(米国産「ラットルスネーク種」)
黒美人西瓜(黒皮系)
黄肉系品種
黄太郎、富研クリーム、イエローキッズ
オレンジ色品種
サマーオレンジ
花粉専用品種
SA-75
漬物用品種
源五兵衛(和歌山県)

生産・流通・消費

世界における生産量

世界のスイカの収穫量と作付面積の推移(1961-2012年)
日本のスイカの収穫量と作付面積の推移(1973-2012年)

スイカの生産において、圧倒的な地位を占めるのが中華人民共和国である[13][14]。2012年から2016年の統計 (FAO) によると、世界生産量147,372,341トンのうち、79.2%(117,000,000トン[14])を中国一国で生産している[13]。2位以降はトルコ(4,044,184トン、4%)、イラン(3,800,000トン、4%)、ブラジル(2,079,547トン、2%)、エジプト(1,874,710トン、2%)である[13]。以下、アメリカ合衆国アルジェリアロシアウズベキスタンカザフスタンが続く[13]。日本の生産量は380,000トン(0.36%)に過ぎない[13]

世界のスイカの収穫量上位10か国(2016年)[13][14]

収穫量順位 収穫量(t) 作付面積(ha)
1 中華人民共和国 117,000,000 1,815,000
2 トルコ 4,044,184 165,000
3 イラン 3,800,000 145,000
4 ブラジル 2,079,547 94,612
5 エジプト 1,874,710 63,066
6 アメリカ合衆国 1,770,630 51,600
7 アルジェリア 1,495,081 54,626
8 ロシア 1,453,315 125,100
9 ウズベキスタン 1,350,000 46,000
10 カザフスタン 1,154,900 56,700
世界計 105,372,341 3,472,997

日本の収穫量は26位で380,000t、作付面積は39位で12,000haである[13]

2016年の世界スイカ生産率[15]
中華人民共和国の旗 中国
79.2%
トルコの旗 トルコ
3.9%
イランの旗 イラン
3.8%
ブラジルの旗 ブラジル
2.0%
World
100%

収穫量上位10都道府県(2012年)[16]

収穫量順位 都道府県 収穫量(t) 作付面積(ha)
1 熊本県 55,500 1,560
2 千葉県 43,500 1,150
3 山形県 36,700 895
4 新潟県 22,400 621
4 鳥取県 22,400 426
6 長野県 19,500 367
7 茨城県 17,800 468
8 北海道 16,700 422
9 石川県 15,100 341
10 愛知県 14,400 479
全国計 370,300 11,300

日本における流通・消費形態

四角いスイカ

まるごと販売されるのが基本であるが、スイカはかなり大きな果実のために、日本の今日の家族形態の大半を占める小規模な核家族では冷蔵庫等で保存しにくい、食べきれない、という問題がある。そのため、八百屋や果物屋、あるいはスーパー等では、121416等に切断し、フィルム包装の上冷蔵したものを販売していることも多い。かつて農村の大家族では井戸で冷蔵保存し、一度に消費し切るだけの人数がおり、都会でも濃密な近所付き合いがあり、隣近所に配布(いわゆる「おすそわけ」)されてしまうため、こうした問題は存在しなかったのである。

また、指先の打診で中身の品質を判断できるような熟練した店員がいるが、同じ地域のメンバーとして消費者と信頼関係が構築されていた商店街の小規模商店が衰退、減少した今日では、切断したものの方が、消費者自身の目によって中身を確認できるという利点もある。また、装飾・贈答用に特製のケースに入れて栽培した四角いスイカや、異常に巨大に成長した物なども販売され好評を博している。ただし、値段は通常のスイカの5 - 10倍程度。

生産・流通上の注意点

連作障害・病害

スイカの爆発

収穫直前に大雨が降るなどして内部に腐敗を生じガスで内圧が高まることで爆発を起こすことがある[19]

2011年、中国の村で、収穫前のスイカが自然破裂する現象が、相次いで起きた。地元当局は「スイカ爆発事故調査チーム」を結成した[20]。原因については、開花時期に使用すべき植物成長調整剤であるホルクロルフェニュロンを誤って収穫直前に使用したこと[19]や豪雨などが報道されている[21]

日本の主な産地

以下は農林水産省が発表している作物統計をもとに、各地方自治体、商工会、管轄JAのWEBサイトなどから主な産地を参照したものである。順位は2008年度、2013年度ないしは2014年度におけるスイカ収穫量を目安としているが、全国に産地が分布しているため市場占有率は最大の熊本県でも16~17%程度である。また順位において熊本県、千葉県、山形県の上位3県はほぼ変動していないが、以下4位から14位までは年度によって変動が大きい(生産が盛んな県は14位までであり、15位以下と大きく差が開いている)。また、2008年度と比較すると全体的に生産量は減少している。

生産上位県
  • 熊本県:生産量全国1位。年間収穫量は2014年度で54000t。主産地は熊本市(熊本市、旧植木町)、益城町、山鹿市(山鹿市、旧鹿央町)、合志市(旧西合志町、旧合志町)、玉東町、和水町(旧菊水町)など。
    • 熊本市北区 : 同地区(旧植木町)は全国一の産地として有名で、植木スイカがブランド化されている。旬は5月[22]
    • 熊本市東区小山戸島地区や秋津地区が中心で、小玉スイカの生産が盛ん。
    • 山鹿市:山鹿市と旧鹿央町が中心で、山鹿は植木に次ぐ一大産地となっている。鹿央地区では「夢大地かもと」という名称でブランド化[23]
    • 益城町:県内有数の産地で、生産量は熊本市、山鹿市に次ぐ。「ましきすいか」として県内外に出荷。また、県内で最も出荷時期が早く、4月から出荷を行う。
  • 千葉県:生産量全国2位。年間収穫量は2014年度で42000t。富里と八街の両市で県内生産量の5割を超える。主産地は富里市、八街市、山武市(旧山武町、旧松尾町)、芝山町銚子市、成田市、千葉市、印西市など。
    • 富里市:富里スイカとしてブランド化。東日本屈指の産地で、皇室に献上してから有名となる。富里スイカロードレース大会などスイカを使った町おこしが盛ん[24]
    • 八街市:生産量県内2位で富里に次ぐ主産地となっており、八街スイカとして売り出している[25]
  • 山形県:生産量全国3位。年間収穫量は2014年度で34000t。主産地は尾花沢市、村山市、大石田町、長井市など。
    • 尾花沢市:北日本有数の産地。寒暖差の大きい盆地の気候を利用した糖度の高いスイカができることと、消費の多い8月に旬を迎え、尾花沢スイカとして主に首都圏に出荷されるため、1970年代に大産地に成長した[26]。また、隣接する大石田町村山市でも生産が盛んで、多くは尾花沢すいかとして出荷され、3市町で県内生産量の8割以上を占める。
    • 長井市:伊佐沢地区。流通量が少ないながら、糖度が高い伊佐沢スイカを出荷する[27]
  • 鳥取県 生産量全国4位~6位。鳥取県の西部から中部一円は大山由来の黒ボク土壌が広がり、「鳥取すいか」は県を代表する農産物の一つになっている。県内の野菜のなかでスイカは生産量1位、産出額は2位(2008年)[28]。特に、北栄町から倉吉市に広がる倉吉平野は県内のスイカ生産の中心地で、6月から7月にかけて出荷のピークを迎える[28]。主産地は北栄町(旧大栄町)、倉吉市、琴浦町(旧東伯町)など。
    • 北栄町 : 西日本を代表するスイカの産地。旧大栄町は「大栄西瓜[28]」として戦後まもなくよりブランド化を推進し、平成20年に商標化。主に関西に出荷される。「春のだんらん[28]」、「筑波の香[28]」、「祭ばやし[28]」、「がぶりこ[28]」などの品種が栽培され、「極実すいか[28]」、ドバイの太陽(2008年よりドバイへ輸出。現地王族に「ハチミツのようだ」と絶賛され1玉3万円の値がついた[29])などのブランドでも話題になった。
    • 倉吉市:生産、出荷量で県内2番目の産地。 「極実スイカ[28]」(スイカ台木にスイカの穂木を接いだ苗から育てる栽培法)を特産する。
    • 琴浦町:生産、出荷量で県内3番目の産地。「東伯スイカ」として売り出しており、「がぶりこ」という黒皮スイカの名産地でもある。
  • 新潟県:生産量全国4~6位。主産地は新潟市(新潟市、旧巻町)、南魚沼市(旧大和町)、小千谷市など。
    • 新潟市西区:県最大の産地。砂丘沿いの赤塚地区が主産地で、砂丘スイカ、赤塚スイカとして市場に出荷[30]
    • 南魚沼市:旧大和町の八色原で栽培される八色スイカで知られる産地。高糖度の高級品としても知られる[31]
  • 長野県:生産量全国5位~6位。主産地は松本市(旧波田町、旧松本市、旧山形村)など。
    • 松本市:とりわけ旧波田町が県内最大の産地で、下原地区の下原すいかが広く知られ高級ブランドとなっている。また、産地は周囲の松本市和田地区、旧山形村にまたがっており、管轄JAの名をとって松本ハイランドすいかとして下原スイカを含め県外に販売[32]
サンバ西瓜(茨城県阿見産 2010年7月13日撮影)

生産が盛んな道県

  • 茨城県:生産量は全国6~8位。小玉スイカの生産が盛ん。大玉スイカの産地は牛久市、阿見町、常総市(旧石下町)、下妻市(旧千代川村)など。小玉スイカの産地は筑西市(旧協和町、旧関城町)、桜川市(旧真壁町、旧大和村)、八千代町など。
    • 牛久市:銘柄推進産地の大玉スイカ産地。河童伝説にちなみ、牛久河童すいかとして出荷している。
    • 阿見町:銘柄推進産地の大玉スイカ産地。阿見スイカ、阿見のすいかなどとして県内外に出荷[33]
    • 常総市下妻市:銘柄推進産地の大玉スイカ産地。JA常総ひかりが管轄しており、常総市石下地区と下妻市千代川地区に跨がる。大玉スイカ産地としては県内で最も栽培面積が広い。
    • 筑西市桜川市:県内最大のスイカ産地。旧協和町、旧関城町、旧真壁町で栽培が盛ん。小玉スイカが中心で、小玉スイカにおいて全国有数の規模であり、県の銘柄産地となっている。
でんすけすいか(右側 北海道産 2010年7月13日撮影)
  • 北海道 :生産量全国7~9位。共和町と富良野市界隈が二大産地となっている。また、メロン産地を兼ねていることが多い。主産地は富良野市、共和町、当麻町、北竜町、月形町、札幌市手稲区など。
    • 共和町 らいでん西瓜シリーズ(大玉赤肉種、小玉赤肉種、長形小玉赤肉種):北海道最大の生産地である。
    • 北竜町 ひまわり西瓜(小玉黄肉種):同町はひまわりの一大産地で知られ、そのひまわりの色を連想させることから名付けられた。
    • 当麻町 でんすけすいか(黒皮・大玉赤肉種):皮が真っ黒いタヒチという品種で、高級品としても知られ、最高で1玉65万円の値段が付いたこともある。
    • 札幌市手稲区 サッポロ西瓜(山口西瓜)(大玉赤肉種)
    • 富良野市 ふらの西瓜(大玉赤肉種)・へそ西瓜(大玉赤肉種):共和町に並ぶ産地。
    • 月形町 ゴジラのたまご(大玉長形赤肉種)・ダイナマイト西瓜(皮黒・大玉赤肉種)・おつきさま(大玉黄肉種)
  • 石川県:生産量全国8~10位。砂丘沿いで作られる砂丘スイカと能登地方で作られる赤土スイカが知られる。主産地は金沢市、羽咋市、内灘町、かほく市(宇ノ気町)、志賀町など。
    • 金沢市:金沢スイカの主産地。市西部の砂丘沿いで作られ、砂丘スイカとも呼ばれる[34]
    • 羽咋市志賀町:能登半島一帯で生産される能登スイカの主産地。土壌の性質から赤土スイカとも呼ばれる[35]
  • 愛知県:生産量全国8~10位。三河地区は戦前から知られた産地で、古くは三河スイカと呼ばれていた。主産地は田原市(旧田原町、旧渥美町)、豊橋市、豊田市、安城市、刈谷市など。
    • 田原市:県内最大の産地で、六連(むつれ)地区が主産地となっている。
    • 豊橋市:田原と並ぶ産地で、天伯地区が主産地。天伯スイカをブランド品として特産[36]
    • 豊田市:田原、豊橋に次ぐ産地。猿投地区が中心。
  • 秋田県:生産量全国11~12位。横手盆地に大産地がある。主産地は横手市(旧雄物川町、旧十文字町、旧平鹿町)、羽後町など。
    • 横手市:旧雄物川町大沢地区が中心。雄物川スイカとして出荷され、あきた夏丸という品種を特産する。[37]また、旧十文字町ではジャンボスイカを特産する。
    • 羽後町:雄物川に次ぐ主産地で、横手市と隣接する一帯は県最大の産地となっている。夢あきたという糖度測定センサーを用い、付加価値を付けた商品を出荷している。
  • 神奈川県:生産量全国11~12位。三浦市が9割以上を占める。主産地に三浦市、横須賀市。
    • 三浦市:県最大の産地。三浦半島は首都圏への近接性から明治時代より一大産地として成長。小玉スイカの比重も高くなっている。隣接する横須賀市でも作られ、三浦スイカとして流通。
  • 青森県:生産量全国13~14位。主産地につがる市(旧木造町)、鰺ヶ沢町など。
  • 長崎県:生産量全国13~14位。主産地に島原市(旧有明町、旧島原市)、西海町、西彼市(旧西彼町)、南島原市(旧布津町、旧有家町)など。また、生産量は少ないながら長浦スイカが知られる。
    • 島原市:県内最大の産地。旧有明町ではマルヤマ西瓜という大玉スイカをブランド化して出荷。また、「うり坊」という楕円形の小玉スイカも特産する。
その他の産地
  • 岩手県 - 主産地に滝沢市。寒暖差が大きいことや8月に出荷を迎えられることで、産地として成長した[39]
  • 群馬県 - 小玉スイカの栽培が主流。主産地に太田市(旧藪塚本町)、伊勢崎市(旧赤堀町)、みどり市(旧笠懸町)など。
    • 太田市:旧藪塚本町。小玉スイカの生産が盛んで、「藪塚こだますいか」というブランド品として首都圏に出荷[40]
  • 富山県 - ラグビーボール状の長球形状の入善ジャンボスイカはみな穂農業協同組合が登録ブランドとして販売している[41]
    • 入善町:最大25kgに達するという、ジャンボスイカで知られる産地。
  • 福井県 - 坂井市三国町やあわら市で盛んで、福井スイカとして出荷。主産地に坂井市(旧三国町)、あわら市(旧芦原町)。また、福井市鶉地区では果皮が黄色い、金福スイカを特産する。
  • 静岡県 - 浜松と伊豆方面に産地がある。函南町平井や伊豆の国市大仁町田中山[42]はブランド産地。主産地に浜松市、函南町など。
    • 浜松市中区:県有数の産地。和合地区が主産地で、和合スイカと呼ばれる特産品。品種は「縞無双」が中心。
    • 函南町:県有数の産地で平井、大竹地区が中心。ブランド品、平井スイカ(函南スイカ)を特産。新鮮さをPRするために蔓を残したまま出荷することでも知られる。[43]
  • 滋賀県
    • 近江八幡市大中湖畔で栽培が盛んだったが競争の激化で規模縮小するも、観光農園などに注力し大中スイカロードといわれる通りがあり、直売店が道路沿いに並ぶ。
  • 京都府 - 主産地に京丹後市(旧網野町、旧久美浜町)。久美浜沿岸の砂丘地帯に産地が広がる。「砂丘のたまご」などの小玉スイカを特産する。
  • 兵庫県 - 産地に加西市、小野市、三木市など。
    • 豊岡市:日高地区(旧日高町)。神鍋スイカの産地として知られ、かつては100ヘクタールを超すスイカ畑があったが、衰退。再興のためイベントを実施している。[44]
  • 奈良県下市町天理市など。奈良はかつての大産地であり、大和西瓜は今日の国産西瓜の源流とされる。2016年現在もスイカ種子生産の80%を占める[45]
  • 和歌山県 - 主産地に印南町、御坊市など。かつては大産地だったが他産地との競争により縮小。小玉スイカ産地にシフトした。また、和歌山市には奈良漬け用などに利用される源五兵衛スイカの発祥地で、連綿と生産する地区がある。
    • 印南町:同町から御坊市名田地区は県最大のスイカ産地。かつては大玉スイカの生産が盛んであったが1980年より転換、西日本有数の小玉スイカの産地となっている[46]
  • 広島県 - 主産地に尾道市(旧因島市)
    • 尾道市因島:県最大の産地で、重井地区などが中心。因島スイカとして出荷され、出荷時期をずらした秋スイカの産地でもある。[47]
  • 山口県 - 主産地に萩市。相島地区は県最大の産地であり、ブランド化。
    • 萩市相島:県最大の産地。萩西瓜、相島スイカなどとして県内外に出荷される[48]
  • 愛媛県 - 主産地に大洲市、今治市(旧菊間町)など。
    • 大洲市:県最大の産地で、桑に代わる作物として盛んになった。ハウス栽培が中心で、高糖度のものは「エコラブスイカ」と名付け、京阪神地方に出荷される高級品。
  • 高知県 - 主産地に土佐市、奈半利町、香南市(旧夜須町)など。かつての大産地であり、現在も中小規模の産地が点在する。
    • 香南市 : 旧夜須町の手結山地区はハウス栽培のスイカが盛んで、「ルナピエナ」というブランドを販売。専用の揺りかごに入れた立体栽培をしている。
  • 福岡県 - 主産地に北九州市、福津市(旧福間町)、福岡市など。福間では果肉が黄色い、クリームスイカを特産する。
    • 北九州市若松区:県最大の産地。大玉スイカのほか、楕円状の小玉スイカ、ラビットスイカを特産する[49]
  • 大分県 - 日田は熊本以外では九州最大級の産地。主産地に日田市、臼杵市(旧野津町)など。
    • 日田市:日田スイカとして知られる県最大の産地[50]
  • 宮崎県 - 主産地に川南町など。かつては高知、和歌山と並ぶ大産地であった。
  • 鹿児島県 - 主産地に大隅町、指宿市(旧山川町)、東串良町など。
    • 指宿市:旧山川町。江戸時代から名の知られた歴史の古いスイカ産地。糖度の高い徳光(とっこう)スイカで知られ、生産量の少ない幻のスイカとして名が通っている[51]
    • 鹿児島県大隅町:県最大の産地。大玉スイカの産地で、やごろうスイカは一定数以上の糖度を満たしたブランド品。
  • 沖縄県 - 温暖な気候を利用して、他産地の出荷が皆無の12月から出荷を始める。主産地に今帰仁村。
    • 今帰仁村:県最大の産地で、全国で最も出荷が早い。温暖な気候を活用し、冬場も含めて通年生産されている[52]

文化

スイカ割り

ベトナム南部の正月祝いに用いられるスイカ。 phát tài(發財)の文字が読み取れる

日本で行われる遊び。目隠しをした挑戦者が周囲の声を頼りにスイカを棒で割る。

季語

スイカは秋の季語としても用いられる。これはスイカの旬がかつては立秋(8月7日頃)を過ぎる頃であるからで、この時期はの定義では秋になり、秋の季語として使われるわけである(近年の歳時記では時代に即して夏の季語とするものも多い)。スイカを秋の季語とする歳時記でも「西瓜割り」「西瓜提灯」は夏にするなど、スイカの季語は夏か秋かで揺れている。また、七夕の景物としても使われた。盂蘭盆施餓鬼を行う地域では、餓鬼棚にスイカを添えることがある。これは、餓鬼となった亡者の喉の渇きを癒す為でもある。

縁起物として

ベトナムの南部では、縁起の良い言葉で飾り立てたスイカがテト正月の祝いによく用いられ、年末になるとスイカ市が立つ。

歌謡の中のスイカ

Old MacDonald Had a Farm - 民謡「すいかの名産地」(高田三九三作詞)の原曲

スイカと黒人差別

アメリカ合衆国ではスイカは黒人の大好物だというステレオタイプがある。(詳しくは黒人とスイカのステレオタイプを参考)

パチスロの役物

パチスロの役物(レア役)において全ての機種で使用される。なぜスイカなのか理由ははっきりしない。

出典

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  2. ^ 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2015年版)
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関連項目

外部リンク

ウィキスピーシーズには、スイカに関する情報があります。
ウィキメディア・コモンズには、Watermelon (カテゴリ)に関するメディアがあります。