「立花氏」の版間の差分

立花氏
	立花守（たちばなまもり）・柳川守（やながわまもり）
本姓	清和源氏為義流大友立花氏/大友流立花氏
家祖	立花貞載
種別	武家; 華族(伯爵)
	凡例 / Category:日本の氏族

履歴の双方向閲覧

← 古い編集新しい編集 →

削除された内容追加された内容

ビジュアルウィキテキスト

インライン

2020年8月2日 (日) 22:16時点における版

立花氏（たちばなし）は、大友氏の流れをくむ武家。同訓の橘氏とは系統上の関係はない。大友立花氏とも称す。

出自

南北朝時代に、大友貞宗の子の大友貞載が筑前国糟屋郡立花城に拠り立花を称したことより始まる。以来大友氏の重臣として重きをなしたが、立花鑑載のとき大友義鎮（宗麟）に背いたため、同じく大友氏支流の戸次鑑連（立花道雪）により攻め滅ぼされ、鑑載の子・立花親善の代で断絶した。

立花氏（道雪以前）

道雪以後

戸次鑑連（立花道雪）と誾千代

大友義鎮は大友氏の一族、戸次鑑連を立花鑑載・親善にかわって立花城に入れ、立花氏の名跡を継がせた（鑑連はのちに入道して道雪と号す）。鑑連自身は主家である大友家から立花姓の使用を禁じられたため、立花姓を名乗ってはいないが、立花道雪の名で知られる。道雪は男子がなかったため、初め娘の誾千代（ぎんちよ）に立花城を譲り、晩年に道雪と同じく大友氏の庶流であった高橋紹運の息子、統虎を誾千代の婿に迎えて養子とした。統虎改め立花宗茂は斜陽の大友氏を支え島津氏との戦いに活躍し、豊臣秀吉の九州征伐の後、筑後国柳川に13万2000石を与えられた。

柳川藩主立花氏

立花宗茂は関ヶ原の戦いで西軍に参加したため（大津城攻めのため本戦には参加できなかった）、所領を没収され流浪したが、1604年に徳川氏により取り立てられ、1606年、陸奥国棚倉で1万石を与えられて大名に返り咲いた。その後、大坂の陣でも戦功をあげ、1620年、関ヶ原の戦い以降に筑後柳川32万石を支配していた田中氏が絶家したのをきっかけに柳川10万9千石を与えられ、旧領に戻った。関ヶ原で改易された武将が再び「大名」として復活できた例は少なく、その中でも旧領に戻ることができたのは立花宗茂ただ一人である。

江戸時代の立花氏は柳川藩主として明治維新まで続き、維新後は華族に列して伯爵を授けられた。現在の立花家は、柳川市の自邸立花氏庭園（松濤園）を改装した料亭・旅館・宴会場「御花」^[1]を経営している｡

3代藩主立花鑑虎の同母弟、立花貞晟（弾正）は旗本寄合席となって旗本立花弾正家を分立したが、2代目で養嗣子の清直（後の貞俶）が藩主家を相続したので絶家、本藩吸収となった。

三池藩主立花氏

立花宗茂の実弟で、大蔵流高橋氏を継いだ高橋統増は、大友義統改易後に直次と改名し、豊臣政権下で1万8,000石を領していたが、関ヶ原の戦いで兄と共に西軍側について失領した。しかし大坂の陣を前に兄同様に徳川氏に召し抱えられて5,000石を与えられた。その際に直次は兄にならい立花を称するようになる。また、四男の忠茂は宗茂の養嗣子となった。

直次の長男の種次のとき、三池藩1万石を与えられて大名に返り咲いた。三池藩立花氏は立花種周のとき外様大名ながら若年寄にのぼったが、その失脚後、陸奥国内5000石に転封され、旗本に降格した。のちに5000石を加増されて大名に復帰し、1868年に居所を再び三池に戻した。この家は維新後、子爵を授けられた。なお、種周の孫のひとりには加納久宜（一宮藩主加納久恒の養子）がいる^[2]。

直次の次男の種吉、および直次の長男種長の次男の種澄は旗本となって分家した。

賜姓立花氏

立花家家臣のうち、元来は別姓ながら立花氏当主より立花姓を賜姓された家も少なくない。米多比氏嫡家の米多比立花氏や、安東家忠を祖とする安東立花氏、由布惟信を祖とする立花壱岐家、原尻鎮清を祖とする立花氏、薦野増時を祖とする福岡藩重臣の立花氏などがこれにあたる。茶道南坊流の初代立花実山は増時の曾孫。

また、臼杵氏分流や山本氏のように、立花姓を賜姓されて後年、元来の姓に復したり改姓した場合もある。

系譜

立花氏（大友立花氏）系図

太字は当主、実線は実子、点線は養子/婿養子、男女間は婚姻関係を意味する。

大友氏

立花貞載¹

宗匡²

大友氏参照

親直³

親政⁴

宗勝⁵

鑑光⁶

親秀流（大友氏）

鑑載 (鑑俊)⁷

田原直貞流（大友氏）

一萬田流（大友氏）

戸次氏参照

吉弘氏

高橋氏参照

親善⁸

戸次親家

吉弘鑑理

高橋鑑種

大蔵流（秋月氏）

鑑連 (道雪)^再興9

色姫^[3]

鎮種 (紹運)

元種

立花誾千代

立花宗茂¹⁰_Y1

高橋直次

忠茂¹¹_Y2

忠茂

以下は
下記参照

柳河藩主家

[立花帯刀家]
茂虎

鑑虎¹²_Y3

茂明

任利

鑑任¹³_Y4

貞俶

茂之

貞俶

貞俶 (清直)¹⁴_Y5

貞則¹⁵_Y6

[立花監物家]
致傳

[立花織衛家]
戸次通孝

矢島通経^[4]

鑑通¹⁶_Y7

通玄^[5]

[立花大学家]
通厚

鑑一

鑑寿 (通尹)¹⁷_Y8

通玄^[5]

為清

賀正

鑑賢

鑑賢¹⁸_Y9

[立花右京家]
寿俶

次郎 (鑑寛)

茂敬^[6]

忠亮

鑑広¹⁹_Y10

鑑備²⁰_Y11

鑑寛

伊予

忠亮

鑑寛²¹_Y12

鑑良

寛治²²

寛正

寛篤

鑑徳²³

島村速雄

立花文子

立花和雄²⁴

宗鑑²⁵

三池藩主系図（直次流立花氏）

種次^[7]¹

[立花内膳家]
政俊 (種俊)

種長²

某

種明³

秋山正明^[8]

某

種秀^[9]

貫長⁴

種房

長煕⁵

黒田直巷

直尹

應興

市橋直挙
仁正寺藩主家

京極高英^[10]

種武

直堅

寿賰

種周⁶

長堅

安部信旨

種武

堀直皓
須坂藩主家

彦坂直廉^[11]

種郷

種寿^[12]

種賰

種徳

種善⁷_S1

種道

種実

種郷

種福

真門

種温_S2

寛愷

種恭

加納久宜

伊予

種恭⁸_S3

種政

種忠

種勝

種則

脚注

[脚注の使い方]

^ 歴史 | 御花について（柳川藩主立花邸御花案内）
^ 元首相の麻生太郎とSF作家野田昌宏は、加納久宜の外曾孫にあたる。
^ 宗像正氏の女。
^ 矢嶋(矢島)行崇の養子。
^ 鑑通の子。致真の養子となるが早世。
^ 一門・立花茂教の子。
^ 母は筑紫広門の娘。
^ 秋山正勝の養子。
^ 南條宗俊の子。
^ 京極高周の養子。
^ 彦坂忠篤の養子。
^ 有馬尚久の子。

参考文献

堀田正敦編「国立国会図書館デジタルコレクション立花氏」『寛政重修諸家譜』。

外部リンク

[1] 歴史 | 御花について（柳川藩主立花邸御花案内）

[2] 元首相の麻生太郎とSF作家野田昌宏は、加納久宜の外曾孫にあたる。

[3] 宗像正氏の女。

[4] 矢嶋(矢島)行崇の養子。

[5] 鑑通の子。致真の養子となるが早世。

[6] 一門・立花茂教の子。

[7] 母は筑紫広門の娘。

[8] 秋山正勝の養子。

[9] 南條宗俊の子。

[10] 京極高周の養子。

[11] 彦坂忠篤の養子。

[12] 有馬尚久の子。

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

[7]

[8]

[9]

[10]

[11]

[12]

@@ 32行目: / 32行目: @@
 == 道雪以後 ==
 === 戸次鑑連（立花道雪）と誾千代 ===
-大友義鎮は大友氏の一族、戸次鑑連を立花鑑載・親善にかわって立花城に入れ、立花氏の[[名跡]]を継がせた（鑑連はのちに入道して道雪と号す）。鑑連自身は主家である大友家から立花姓の使用を禁じられたため、立花姓を名乗ってはいないが、[[立花道雪]]の名で知られる。道雪は男子がなかったため、初め娘の[[立花ぎん千代|誾千代]]（ぎんちよ）に立花城を譲り、晩年に道雪と同じく大友氏の庶流であった[[高橋紹運]]の息子、統虎を誾千代の婿に迎えて養子とした。統虎改め[[立花宗茂]]は斜陽の大友氏を支え[[島津氏]]との戦いに活躍し、[[豊臣秀吉]]の[[九州征伐]]の後、[[筑後国]][[柳川市|柳川]]に13万2000石を与えられた。
+大友義鎮は大友氏の一族、戸次鑑連を立花鑑載・親善にかわって立花城に入れ、立花氏の[[名跡]]を継がせた（鑑連はのちに入道して道雪と号す）。鑑連自身は主家である大友家から立花姓の使用を禁じられたため、立花姓を名乗ってはいないが、[[立花道雪]]の名で知られる。道雪は男子がなかったため、初め娘の[[立花誾千代|誾千代]]（ぎんちよ）に立花城を譲り、晩年に道雪と同じく大友氏の庶流であった[[高橋紹運]]の息子、統虎を誾千代の婿に迎えて養子とした。統虎改め[[立花宗茂]]は斜陽の大友氏を支え[[島津氏]]との戦いに活躍し、[[豊臣秀吉]]の[[九州征伐]]の後、[[筑後国]][[柳川市|柳川]]に13万2000石を与えられた。
 === 柳川藩主立花氏===
@@ 82行目: / 82行目: @@
 {{familytree |border=0|01|~|02||03|||||04|01='''[[立花道雪|鑑連 (道雪)]]'''<sup>再興9</sup>|02=[[宗像色姫|色姫]]<ref>[[宗像正氏]]の女。</ref>|03=[[高橋紹運|鎮種 (紹運)]]|04=[[高橋元種|元種]]}}
 {{familytree |border=0| |!||||||||)|-|-|-|.}}
-{{familytree |border=0|01|~|~|~|~|~|02||03| 01='''[[立花ぎん千代|立花誾千代]]'''|02='''[[立花宗茂]]'''<sup>10</sup>{{sub|Y1}}|03=[[立花直次|高橋直次]]}}
+{{familytree |border=0|01|~|~|~|~|~|02||03| 01='''[[立花誾千代]]'''|02='''[[立花宗茂]]'''<sup>10</sup>{{sub|Y1}}|03=[[立花直次|高橋直次]]}}
 {{familytree |border=0| |||||F|~|~|~|J||||)|-|-|-|.||}}
 {{familytree |border=0|boxstyle_03=border:dotted 1px|||||01||||||02||03||01='''[[立花忠茂|忠茂]]'''<sup>11</sup>{{sub|Y2}}|02=[[立花忠茂|忠茂]]|03=以下は<br/>[[#直次流立花氏|下記参照]]}}