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「Flightradar24」の版間の差分

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== スマートフォン向けアプリケーション ==
== スマートフォン向けアプリケーション ==
同サイトのスマートフォン・タブレット向けアプリケーションが提供されている。機能はPC(ブラウザ)版とおおむね同じであるが、表示がスマートフォン向けに最適化されているほか、通知機能(後述)などが追加されている。2020年現在では[[IOS (アップル)|iOS]], [[Android]], [[Windows Phone]], [[Kindle]]版が存在している。
同サイトのスマートフォン・タブレット向けアプリケーションが提供されている。機能はPC(ブラウザ)版とおおむね同じであるが、表示がスマートフォン向けに最適化されているほか、通知機能(後述)などが追加されている。2020年現在では[[IOS (アップル)|iOS]], [[Android (オペレーティングシステム)|Android]], [[Windows Phone]], [[Kindle]]版が存在している。


無料版の「Flightradar24 Free」と有料版の「Flightradar24 Pro」で機能の差別化が図られており、表示内容の設定や航空便の検索やCSV保存は、有料版のみ利用できる。また、すでにPC版で有料登録をしているユーザは、同じIDでのログインすることで有料版の「Flightradar24 Premium」をそのまま利用できる。
無料版の「Flightradar24 Free」と有料版の「Flightradar24 Pro」で機能の差別化が図られており、表示内容の設定や航空便の検索やCSV保存は、有料版のみ利用できる。また、すでにPC版で有料登録をしているユーザは、同じIDでのログインすることで有料版の「Flightradar24 Premium」をそのまま利用できる。

2020年9月6日 (日) 08:00時点における版

Flightradar24
URL https://www.flightradar24.com
言語 英語
タイプ 航空機レーダー追跡サイト
運営者 スウェーデンの旗 Flightradar24 AB
設立者  スウェーデン Svenska Resenätverket AB
収益 広告・有料版アプリ・有料会員から
営利性 あり
登録 不要
(一部の機能は有料会員登録が必要)
開始 2009年

Flightradar24(フライトレーダー24)とは、飛行中の民間航空機の現在位置をリアルタイム表示するウェブサイトならびにスマートフォンタブレット向けアプリケーション。FR24、あるいは単にフライトレーダーなどと略されることもある。

概要

2006年、2名のスウェーデン航空ファンが、ヨーロッパ北部・中部のADS-B受信ネットワークの構築をスタートし、2009年に公開した[1]。希望するユーザーは、誰でも受信したADS-BのデータをFlightradar24のサーバに送信できるシステムとして公開されたため、世界各国の航空ファンの協力によってレーダーの対応範囲が拡大し、現在はヨーロッパ、アメリカをはじめとしてアジアオセアニアアフリカの一部に対応している。

従来は、航空管制官パイロットしか知ることのできなかった、航空機の位置情報・飛行経路が手軽に取得できるため、航空事故発生時にマスメディアの情報源として用いられている[2]

仕組み

Flightradar24の仕組み

Flightradar24上で利用されているデータは、航空機から発信されるADS-Bの電波を世界各地の有志およびFlightradar24が設置した受信システムによって受信し、Flightradar24のサーバに転送したものであることから、受信設備の設置が望めない地域(北朝鮮[3] 、海上など)を飛行する航空機は表示されない。

一部地域ではMLAT(マルチラテレーションシステム)およびFLARM(FlightAlarm、軽飛行機ヘリコプターグライダー向けの衝突防止システム)からのデータ、アメリカ合衆国カナダ領空内などで連邦航空局(FAA)から取得したデータも利用されているが、ADS-Bのデータがほぼリアルタイムであるのに対し、こちらは5分遅延して表示される。また、ADS-Bに基づく航空機は黄色のアイコンで表示され、FAAのデータに基づく航空機はオレンジ色で表示される。

表示内容

飛行中の機体を地図上から選択すると以下の内容が表示される。

  • 便名 - 便名が表示される。便名が割り当てられない自家用機などでは機体記号がそのまま表示されることもある。
  • 出発地/目的地 - 空港コードと都市名が併記される。ADS-Bから取得した情報ではないため、データベースの更新が間に合わずに全く違う出発地や目的地を表示する場合もある。
  • Aircraft - 機種(ICAO機種コード
  • Registration - 機体記号
  • Mode S - モードSトランスポンダのコード(16進数表示)
  • Altitude - 飛行高度(フィート
  • Vertical Speed - 垂直速度(上昇・降下率)
  • Speed - 速度(ノット
  • Track - 飛行方位。北を0度とした時計回りの角度で表示される。
  • Latitude/Longitude - 緯度・経度
  • Radar - 当該機体の情報を受信しているレーダー名。レーダー名は近隣の空港コード(ICAOコード)を参考にサイト側が独自に割り当てたものであり、実際の航空管制で使用されるものとは関係がない。
    • Radarの欄の表示が空港コードではなく、「T-MLAT」の場合はMLATによるデータ、「T-EST」の場合は予測飛行経路、「T-F5M」の場合はFAAからのデータ、「T-FLARM」の場合はFLARMからのデータである。
  • Squawk - スコークコード。なお、スマートフォンの有料版においてはスコークコードを7700に設定し、緊急事態を宣言した機体が現れたことを利用者にプッシュ通知する機能がある。
  • 航跡 - 地図上に選択中の機体が飛行した航跡が表示される。航跡の色は高度によって異なる。

レーダーに表示される機体

Flightradar24の仕組み上、レーダーに表示できる機体と表示できない機体が存在する。表示できる機体であっても、安全保障上の理由やプライバシーなどのため、要人が搭乗する機体やプライベートジェットなどは表示されないこともある。

また、表示する地域や時間帯によっては機体がほとんど映らないといった事例もよく発生する。

民間機

前述のとおり、航空機から発信されるADS-Bの電波に基づいて現在位置を取得しているため、当然ながらADS-Bを搭載していない機材は原則としてレーダーに表示されない[4]

アメリカ合衆国では2020年までにADS-Bの搭載が義務付けられている関係もあり、アメリカを発着する国内線・国際線の便はおおむねレーダーに表示される。

日本ではADS-Bの搭載が当面のところ義務付けられていないため、国際線で運用される機材や近年機材(ボーイング737-800ボーイング787LCC・新興航空会社向けのエアバスA320など)を除いて表示される便は少ない。また、同型機であっても航空会社や投入する路線によってADS-Bの搭載に差があるため、一概にどの会社のどの機種がレーダーに表示されるといいきることはできない[5]。なお、一部の民間人所有の航空機は地図上に表示はされるものの、コールサインが「BLOCKED」となり、機種などの情報が伏せられるのもある。また、ビジネスジェットとして用いられる機種(ガルフストリーム Vなど)は全て「GLF5」のように機種名(ICAO機種コード)と飛行経路のみが表示され、コールサインなどは隠匿される。

軍用機・政府専用機

戦闘機爆撃機といった軍用機は防衛上の理由から基本的に表示されないが、一部の輸送機練習機空中給油機、その他非武装の軍用機は(状況によって)レーダーに表示されることがある。

レーダーに表示されるとしても、コールサインが"「BLOCKED」"となり、機種や所属などの情報が伏せられるが、飛行中の高度・速度・航跡はそのまま表示されるため、大まかに機種や目的地を推測することはできる。

日本国内では航空自衛隊所属の日本国政府専用機ボーイング747-400[6]や空中給油機KC-767がレーダーに表示されることがあったが、2014年8月ごろに防衛省が「防衛上の支障」を理由に掲載の取りやめを要請したことが一部新聞によって明らかになり、現在は表示されていない。

また、アメリカ合衆国の大統領専用機(エアフォースワン)であるVC-25もレーダーに表示されることがある[7]

実験機

航空機メーカーや研究所の実験機は民間機扱いであるため通常は表示されるが、機体記号の代わりにメーカーや研究所の名前が表示されたり、ソーラー・インパルスのように専用のアイコンが設定される機体もある。

軍の実験機は通常表示されないが、民間機をそのまま使った練習機のテスト飛行などでは表示されることもある。

気球

イベントなどで短時間上昇する気球は更新が間に合わないこともあり表示されないが、GoogleによるProject Loonの気球は、機種「Helium Balloon」、航空会社「Google Project Loon」として表示される(主に南米アフリカ大陸で多く表示される)[8]。なお機体記号は便宜上「GOOGLE」となっている[9]

空港車両

空港車両のうち空港用化学消防車トーイングトラクター、フォローミーカー(航空機先導車)など、滑走路や空港の敷地内を走行する車両も表示される場合がある(定期便の運航されない、深夜の羽田空港などで表示されることがある)。空港によってコールサインは異なるが、機種は"Airport Vehicle"となる。

スマートフォン向けアプリケーション

同サイトのスマートフォン・タブレット向けアプリケーションが提供されている。機能はPC(ブラウザ)版とおおむね同じであるが、表示がスマートフォン向けに最適化されているほか、通知機能(後述)などが追加されている。2020年現在ではiOS, Android, Windows Phone, Kindle版が存在している。

無料版の「Flightradar24 Free」と有料版の「Flightradar24 Pro」で機能の差別化が図られており、表示内容の設定や航空便の検索やCSV保存は、有料版のみ利用できる。また、すでにPC版で有料登録をしているユーザは、同じIDでのログインすることで有料版の「Flightradar24 Premium」をそのまま利用できる。

以下、スマートフォン版特有の機能を挙げる。

通知機能(アラート)

緊急事態宣言を行った機体(スコーク7700)や通信トラブルを報告した機体(スコーク7600)が世界中のどこかに出現すると、ユーザにプッシュ通知することが可能である。緊急事態宣言でなく、コールサインや機種に対する通知を設定する場合はアプリ内課金によって機能を拡張する必要がある。

AR(拡張現実)表示

Flightradar24の情報と現在位置情報を利用し、携帯電話タブレットカメラを通して飛行中の機体に対して便名や機材をオーバーレイする拡張現実機能があり、こちらは無料で利用できる。

カメラで飛行機を直接読み取っている訳ではないため、Flightradar24で表示できない機材であれば何も表示されないことになる。カメラを搭載しない端末では対応していない。

合法性

Flightradar24は、公式FAQにて「ADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)の電波は特定の受信者へ向けて発信されるのではなく、その名が示す通り不特定多数へ向けて発信(Broadcast)されるものであり、誰でも監視することができるので、問題ない」と記載している[10]

日本国の電波法では、第59条に「特定の相手方に対して行われる無線通信傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。」と定められている[11]。日本では日本国政府専用機の位置秘匿要請はあったが、2018年平成30年)現在まで、総務省国土交通省から運営者への具体的な要請や命令はなく、日本の裁判所による判例もないため、法的な解釈ははっきりしていない。

脚注

  1. ^ About - Flightradar24
  2. ^ マレーシア機 なぜウクライナ上空を飛行 - NHKニュース(キャッシュ),TAIPEI CRASH: Netizens laud pilots’ efforts after plane avoids hitting houses - TAIPEI TIMES など
  3. ^ A Look at Airspace in North Korea and the Surrounding Area - Flightradar24公式ブログ(2017-04-15)
  4. ^ MLATやFLARM、FAAから位置情報を取得できた場合は除く
  5. ^ 公式サイトにも表示できる機種とできない機種の一例が記されているが、例外が多く存在するため、参考程度にしかならない。(もちろん、その旨もサイトに記述されている。)
  6. ^ 20-1101 - Japanese Air Force ,20-1102 - Japanese Air Force - 便名については日本国政府専用機#コールサインを参照のこと。
  7. ^ Air Force One 18/02/13 - 同サイト内のフォーラム。エアフォースワンが表示される様子を記録したスクリーンショットが投稿されている
  8. ^ GOOGLE - Aircraft info and flight history
  9. ^ 本来は気球にも個別に機体記号が割り当てられる。
  10. ^ FAQ- Flightradar24
  11. ^ 電波法第59条

関連項目

外部リンク