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'''Association for Computing Machinery''' ('''ACM''') は、[[計算機科学]]分野の[[学会]]である。アメリカ合衆国ニューヨークに本部があり、国際的に活動している。[[1947年]]発足。
'''Association for Computing Machinery'''('''計算機協会''')とは、[[コンピュータ]]の科学と教育に関するテーマ全般を対象にした[[計算機科学|コンピュータサイエンス]]分野の[[学会|国際学会]]である。一般に「'''ACM'''」の略称で知られている。この分野の学会として世界最大で、会員規模は研究者・専門家から学生までを含めておよそ10万人を擁する。1947年に[[アメリカ合衆国]]で創設され、本部は[[ニューヨーク]]に置かれている。


ACMのモットーは、''Advancing Computing as a Science & Profession''(コンピューティングを科学および専門職として前進させる)<ref>{{Cite web |title=About ACM |url=https://www.acm.org/about-acm |website=www.acm.org |access-date=2023-10-31 |language=en}}</ref>である。ACMが主催する「[[チューリング賞]]」は[[計算機科学]]分野での最高の栄誉とされており、[[物理学|物理]]や[[化学]]の分野での[[ノーベル賞]]に相当する権威がある。
[[IEEE Computer Society]]とともにこの分野で最も影響力の強い学会であり、IEEEがその沿革からエレクトロニクスや情報通信分野の工学に強いのに対し、ACMは[[数学]]的な[[理論計算機科学]]のような領域もカバーするのが特徴である。


日本語では'''米国計算機学会'''<ref>{{Cite web |title=著者名寄せ問題解決に向け、研究関連団体が一致協力 {{!}} STI Updates {{!}} 科学技術情報プラットフォーム |url=https://jipsti.jst.go.jp/sti_updates/2009/12/2214.html |website=jipsti.jst.go.jp |access-date=2023-10-31}}</ref><ref>{{Cite web |title=米国計算機学会(ACM)、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加 |url=https://current.ndl.go.jp/car/44047 |website=カレントアウェアネス・ポータル |date=2021-05-24 |access-date=2023-10-31}}</ref><ref>{{Cite web |title=計算機科学研究の推進について(勧告) |url=https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/16/kohyo16-k2.html |website=www.scj.go.jp |date=1997-05-28 |access-date=2023-10-31}}</ref>、'''国際計算機学会'''<ref>{{Cite web |title=ACM、主題分類システムCCSの最新版を発表 {{!}} STI Updates {{!}} 科学技術情報プラットフォーム |url=https://jipsti.jst.go.jp/sti_updates/2012/09/5396.html |website=jipsti.jst.go.jp |access-date=2023-10-31}}</ref>、'''米国計算機協会'''<ref>{{Cite web |url=https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t101-1.pdf |title=学術誌問題の解決に向けて― 「包括的学術誌コンソーシアム」の創設 ― |website=www.scj.go.jp |date=2010-08-02 |access-date=2023-10-31}}</ref>、'''計算機協会'''<ref>{{Cite web |title=CHORUSに米国化学会(ACS)等が新たに参加、署名した機関は100以上に |url=https://current.ndl.go.jp/car/27123 |website=カレントアウェアネス・ポータル |date=2014-09-30 |access-date=2023-10-31}}</ref>とも呼ばれている。
名称に関して、和訳して「計算機械学会」「米国計算機学会」とされることがあるが、今日これらの訳語が用いられることはほとんどなく、"ACM"という略称が用いられるのが専らである。


== ACMの表彰一覧 ==
数多くの国際会議を開催している。本学会の活動として34の分科会が存在するが、人目を惹くデモ映像の[[SIGGRAPH]]や[[Special Interest Group on Management of Data|SIGMOD]]が対外的にアピールしている例である。
; [[チューリング賞]] (The A.M. Turing Award): 計算機科学分野に対する特に優れた業績・貢献に対し100万ドルの賞金と共に与えられる。

; 計算機科学インフォシス財団賞 (ACM Infosys Foundation Award in the Computing Sciences): 若手研究者やシステム開発者のすぐれた業績に対し贈られる。受賞者には[[インフォシス・テクノロジーズ|インフォシス]]財団の寄付により15万ドルの賞金が贈られる。
他の多くの学会と同様に優れた業績への表彰活動を実施しているが、特に[[チューリング賞]]はこの分野における最高の栄誉とされており、物理や化学の分野における[[ノーベル賞]]に相当するものと扱われる。


== チューリング賞 ==
{{Main|チューリング賞}}
; チューリング賞 : 計算機科学分野に対する特に優れた業績・貢献に対し100万ドルの賞金と共に与えられる。

== その他の表彰 ==
; インフォシス賞 (ACM - Infosys Foundation Award in the Computing Sciences) : 若手研究者やシステム開発者のすぐれた業績に対し贈られる。受賞者には[[インフォシス・テクノロジーズ|インフォシス]]財団の寄付により15万ドルの賞金が贈られる。
; [[ACMソフトウェアシステム賞|ソフトウェアシステム賞]] (Software System Award) : 優れた[[ソフトウェア]]システムの開発者・開発団体に贈られる。
; [[ACMソフトウェアシステム賞|ソフトウェアシステム賞]] (Software System Award) : 優れた[[ソフトウェア]]システムの開発者・開発団体に贈られる。
; [[グレース・ホッパー賞]] (Grace Murray Hopper Award) : 35歳以下の若手研究者の単一の業績に対し贈られる。賞金は3万5千ドル。賞の名称は[[プログラミング言語]][[COBOL]]開発者の一人[[グレース・ホッパー]]の名にちなむ。
; [[グレース・ホッパー賞]] (Grace Murray Hopper Award) : 35歳以下の若手研究者の単一の業績に対し贈られる。賞金は3万5千ドル。賞の名称は[[プログラミング言語]][[COBOL]]開発者の一人[[グレース・ホッパー]]の名にちなむ。
; アレン・ニューウェル賞 (ACM/AAAI Allen Newell Award) : 計算機科学分野で優れた功績を残した個人に1万ドルの賞金と共に贈られる。 [[アメリカ人工知能学会|AAAI]] (アメリカ人工知能学会) との共同事業である。賞の名称は[[人工知能]]研究の第一人者[[アレン・ニューウェル]]の名にちなむ。
; [[アレン・ニューウェル賞]] (ACM/AAAI Allen Newell Award) : 計算機科学分野で優れた功績を残した個人に1万ドルの賞金と共に贈られる。 [[アメリカ人工知能学会|AAAI]] (アメリカ人工知能学会) との共同事業である。賞の名称は[[人工知能]]研究の第一人者[[アレン・ニューウェル]]の名にちなむ。
; パリス・カネラキス実践的理論賞 (Paris Kanellakis Theory and Practice Award) : 計算機に実践的な影響を与えたすぐれた理論に対して与えられる。賞金は5000ドルであり、賞の名称ともなった[[データベース]]研究者パリス・カネラキスの遺族やいくつかの[[Special Interest Group|SIG]]の寄付による。
; パリス・カネラキス理論&実践賞 (Paris Kanellakis Theory and Practice Award): 計算機に実践的な影響を与えたすぐれた理論に対して与えられる。賞金は5000ドルであり、賞の名称ともなった[[データベース]]研究者パリス・カネラキスの遺族やいくつかの[[Special Interest Group|SIG]]の寄付による。
; カール・カールストローム教育賞 (Karl V. Karlstrom Outstanding Educator Award) : [[計算機科学教育|計算機科学分野の教育]]に多大な貢献をしたものに贈られる。賞金は5000ドル。
; カール・カールストローム教育賞 (Karl V. Karlstrom Outstanding Educator Award) : [[計算機科学教育|計算機科学分野の教育]]に多大な貢献をしたものに贈られる。賞金は5000ドル。
; (Eugene L. Lawler Award) : 計算機科学者による人道的貢献に対して2年に一度与えられる。
; ユージン・ローラー賞(Eugene L. Lawler Award): 計算機科学者による人道的貢献に対して2年に一度与えられる。
; 博士論文賞 (Doctoral Dissertation Award) : すぐれた博士論文に対し贈られる。
; 博士論文賞 (Doctoral Dissertation Award) : すぐれた博士論文に対し贈られる。
; ACM貢献賞 (Outstanding Contribution to ACM Award) : ACMの活動に対し優れた貢献した人に対して与えられる。
; ACM貢献賞 (Outstanding Contribution to ACM Award) : ACMの活動に対し優れた貢献した人に対して与えられる。
; [[エッカート・モークリー賞]] (Eckert-Mauchly Award) : すぐれた[[コンピュータ・アーキテクチャ]]に対して5000ドルの賞金と共に贈られる。 [[IEEE Computer Society]]との共同事業である。賞の名称は、[[ENIAC]]開発者である[[ジョン・プレスパー・エッカート]]と[[ジョン・モークリー]]の名にちなむ。
; [[エッカート・モークリー賞]] (Eckert-Mauchly Award) : すぐれた[[コンピュータ・アーキテクチャ]]に対して5000ドルの賞金と共に贈られる。 [[IEEE Computer Society]]との共同事業である。賞の名称は、[[ENIAC]]開発者である[[ジョン・プレスパー・エッカート]]と[[ジョン・モークリー]]の名にちなむ。
; SIAM/ACM 計算機科学賞 (SIAM/ACM Prize in Computational Science and Engineering)
; 計算機科学&工学SIAM/ACM賞 (SIAM/ACM Prize in Computational Science and Engineering)
: SIMA (アメリカ応用数理学会) との共同事業である。計算機科学分野において優れた功績をあげた個人に贈られる。
: SIMA (アメリカ応用数理学会) との共同事業である。計算機科学分野において優れた功績をあげた個人に贈られる。
; [[ゴードン・ベル賞]] (Gordon Bell Prize) : [[高性能計算]] (HPC) 分野の優れた性能の達成に対し与えられる。IEEE Computer Societyとの共同事業。
; [[ゴードン・ベル賞]] (Gordon Bell Prize) : [[高性能計算]] (HPC) 分野の優れた性能の達成に対し与えられる。IEEE Computer Societyとの共同事業。
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト]]
* [[ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト]]
* [[計算言語学協会]]
* [[米国情報処理学会連合会]](AFIPS)

== 出典 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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* [http://fellows.acm.org/ List of ACM Fellows]
* [http://fellows.acm.org/ List of ACM Fellows]
* [https://horning.blogspot.com/2006/10/making-case-for-acm-fellow.html Making the case for an ACM Fellow]
* [https://horning.blogspot.com/2006/10/making-case-for-acm-fellow.html Making the case for an ACM Fellow]
* [http://portal.acm.org/dl.cfm ACM Digital Library]


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2023年10月31日 (火) 11:15時点における最新版

Association for Computing Machinery(計算機協会)とは、コンピュータの科学と教育に関するテーマ全般を対象にしたコンピュータサイエンス分野の国際学会である。一般に「ACM」の略称で知られている。この分野の学会として世界最大で、会員規模は研究者・専門家から学生までを含めておよそ10万人を擁する。1947年にアメリカ合衆国で創設され、本部はニューヨークに置かれている。

ACMのモットーは、Advancing Computing as a Science & Profession(コンピューティングを科学および専門職として前進させる)[1]である。ACMが主催する「チューリング賞」は計算機科学分野での最高の栄誉とされており、物理化学の分野でのノーベル賞に相当する権威がある。

日本語では米国計算機学会[2][3][4]国際計算機学会[5]米国計算機協会[6]計算機協会[7]とも呼ばれている。

ACMの表彰一覧

[編集]
チューリング賞 (The A.M. Turing Award)
計算機科学分野に対する特に優れた業績・貢献に対し100万ドルの賞金と共に与えられる。
計算機科学インフォシス財団賞 (ACM Infosys Foundation Award in the Computing Sciences)
若手研究者やシステム開発者のすぐれた業績に対し贈られる。受賞者にはインフォシス財団の寄付により15万ドルの賞金が贈られる。
ソフトウェアシステム賞 (Software System Award)
優れたソフトウェアシステムの開発者・開発団体に贈られる。
グレース・ホッパー賞 (Grace Murray Hopper Award)
35歳以下の若手研究者の単一の業績に対し贈られる。賞金は3万5千ドル。賞の名称はプログラミング言語COBOL開発者の一人グレース・ホッパーの名にちなむ。
アレン・ニューウェル賞 (ACM/AAAI Allen Newell Award)
計算機科学分野で優れた功績を残した個人に1万ドルの賞金と共に贈られる。 AAAI (アメリカ人工知能学会) との共同事業である。賞の名称は人工知能研究の第一人者アレン・ニューウェルの名にちなむ。
パリス・カネラキス理論&実践賞 (Paris Kanellakis Theory and Practice Award)
計算機に実践的な影響を与えたすぐれた理論に対して与えられる。賞金は5000ドルであり、賞の名称ともなったデータベース研究者パリス・カネラキスの遺族やいくつかのSIGの寄付による。
カール・カールストローム教育賞 (Karl V. Karlstrom Outstanding Educator Award)
計算機科学分野の教育に多大な貢献をしたものに贈られる。賞金は5000ドル。
ユージン・ローラー賞(Eugene L. Lawler Award)
計算機科学者による人道的貢献に対して2年に一度与えられる。
博士論文賞 (Doctoral Dissertation Award)
すぐれた博士論文に対し贈られる。
ACM貢献賞 (Outstanding Contribution to ACM Award)
ACMの活動に対し優れた貢献した人に対して与えられる。
エッカート・モークリー賞 (Eckert-Mauchly Award)
すぐれたコンピュータ・アーキテクチャに対して5000ドルの賞金と共に贈られる。 IEEE Computer Societyとの共同事業である。賞の名称は、ENIAC開発者であるジョン・プレスパー・エッカートジョン・モークリーの名にちなむ。
計算機科学&工学SIAM/ACM賞 (SIAM/ACM Prize in Computational Science and Engineering)
SIMA (アメリカ応用数理学会) との共同事業である。計算機科学分野において優れた功績をあげた個人に贈られる。
ゴードン・ベル賞 (Gordon Bell Prize)
高性能計算 (HPC) 分野の優れた性能の達成に対し与えられる。IEEE Computer Societyとの共同事業。

SIG (Special Interest Group)

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ACMでは具体的な研究分野ごとにSIG (Special Interest Group) と呼ぶ分科会を形成している.各SIGでは分野ごとの国際会議やワークショップの開催,論文誌の編集等を行っている.2007年現在,34のSIGが存在する.

関連項目

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出典

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  1. ^ About ACM” (英語). www.acm.org. 2023年10月31日閲覧。
  2. ^ 著者名寄せ問題解決に向け、研究関連団体が一致協力 | STI Updates | 科学技術情報プラットフォーム”. jipsti.jst.go.jp. 2023年10月31日閲覧。
  3. ^ 米国計算機学会(ACM)、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加”. カレントアウェアネス・ポータル (2021年5月24日). 2023年10月31日閲覧。
  4. ^ 計算機科学研究の推進について(勧告)”. www.scj.go.jp (1997年5月28日). 2023年10月31日閲覧。
  5. ^ ACM、主題分類システムCCSの最新版を発表 | STI Updates | 科学技術情報プラットフォーム”. jipsti.jst.go.jp. 2023年10月31日閲覧。
  6. ^ 学術誌問題の解決に向けて― 「包括的学術誌コンソーシアム」の創設 ―”. www.scj.go.jp (2010年8月2日). 2023年10月31日閲覧。
  7. ^ CHORUSに米国化学会(ACS)等が新たに参加、署名した機関は100以上に”. カレントアウェアネス・ポータル (2014年9月30日). 2023年10月31日閲覧。

外部リンク

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