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2020年11月10日 (火) 22:21時点における版

姜正浩(カン・ジョンホ)
Jung-Ho Kang
2015年
基本情報
国籍 大韓民国の旗 大韓民国
出身地 光州広域市
生年月日 (1987-04-05) 1987年4月5日(37歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 三塁手遊撃手
プロ入り 2005年 2次ドラフト1位
初出場 KBO / 2006年4月8日
MLB / 2015年4月8日
年俸 $3,000,000(2019年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム 大韓民国の旗大韓民国
WBC 2013年
姜正浩
各種表記
ハングル 강정호
発音: カンジョンホ
英語表記: Kang Jung-Ho
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姜 正浩(カン・ジョンホ、韓国語:강정호、1987年4月5日 - )は、韓国光州広域市出身の元プロ野球選手内野手)。右投右打。

経歴

プロ入り前

高校時代は主に捕手として活躍したが、ほかにも投手一塁手二塁手三塁手遊撃手など、内野すべてのポジションでプレーできる有望株だった[2]

高校3年生の時、黄金獅子旗大会の決勝戦では先発投手として8回を無失点に抑えたほか、打席では2打点を挙げて光州第一高校を優勝に導いた。この大会で優秀投手賞と最多打点賞を受賞した[3]

ネクセン時代

2008年遊撃手としてレギュラーに定着し、同年の若手の黄載鈞(ファン・ジェギュン)と三遊間を組んだ。打つ方でも同年に8本塁打を放つなど、チームに貢献した。

2009年は公式戦全133試合に出場、初の20本塁打越え・規定打席到達を記録し、韓国を代表するショートに成長した。

2010年は2年連続で公式戦全133試合に出場、自身初の打率3割を記録した。11月には広州アジア大会の韓国代表に選ばれ、大会通じて13打数8安打、3本塁打、8打点と活躍した。特に決勝戦では2本塁打、5打点の活躍で韓国チームの優勝に貢献し、兵役免除となった[4]

2011年は打撃成績を落としたが、守備では一層安定したプレイを見せた。

2012年シーズン上半期は圧倒的な打撃成績を残したが、下半期に蜂窩織炎の影響で成績を落とす。それでもOPS2位の好成績を残した。

2013年シーズン開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表に選出された。同大会では1次ラウンド最終戦のチャイニーズタイペイ戦で8回裏に逆転決勝2点本塁打を記録し、勝利に貢献した。しかし、韓国は得失点差の関係で1次ラウンド敗退となった。

シーズンでは22本塁打、96打点を記録してネクセン・ヒーローズの球団史上初のポストシーズン進出の原動力となった。

2014年2月にネクセンの日本・沖縄県でのキャンプに先立ち、交流推進の一環として横浜DeNAベイスターズの春季キャンプに参加した[5][6]。9月の仁川アジア大会では韓国野球代表として優勝に貢献し2度目の金メダルを獲得。韓国プロ野球公式戦では遊撃手の年間最多本塁打記録を達成する40本塁打を放ち、打率.356、117打点を記録した。なお、RC27が1位、wRC+1位、wOBA1位、ISO1位、OPS1位、WAR1位を記録して、ほぼすべてのセイバーメトリクス打撃指標で1位の成績を残した[7][8]。オフの12月にはポスティングシステムを使ってのMLB移籍を申請し、ピッツバーグ・パイレーツが500万2015ドルの最高入札額で交渉権を得たと発表された[9]

パイレーツ時代

2015年1月16日にパイレーツと4年総額1100万ドル(5年目は年俸550万ドルの球団オプション)で契約した[10]。これにより、韓国プロ野球から直接MLBへ移籍した最初の野手となった(投手では2012年の柳賢振が最初)。5月からレギュラーに定着し、7月にはルーキー・オブ・ザ・マンスに選ばれる。9月9日シンシナティ・レッズ戦で満塁本塁打を記録。9月17日シカゴ・カブス戦でクリス・コグランのダブルプレー崩しのスライディングを避けることができずに脚に受け、左脚の脛骨骨折と靭帯断裂の全治6~8ヶ月と診断されシーズンを終えた。最終的には126試合に出場したが、前述の故障離脱もあって規定打席には届かなかった。しかしながら、打率.287、15本塁打、58打点、OPS0.816という好成績をマークし、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの投票では3位にランクインした[11]。守備では、遊撃手よりも三塁手を守る事の方が多く、三塁の方では77試合で5失策守備率.971、DRS+4という安定した守備を見せた。遊撃の方では、60試合で9失策、守備率.961、DRSは0と平均レベルでこなした。

2016年4月までは前年の怪我の影響でリハビリに励み、5月6日のカージナルス戦で復帰し、2打席連続本塁打を放った。6月17日に23歳の白人女性を暴行したとして、警察が捜査を進めた。女性が行方をくらまして捜査が進まない状態という[12][13]。同年は故障で出遅れたため出場試合数が減少し、打率は前年より落ちたが出塁率は前年並みで同年はアジア出身内野手としてMLB史上初のシーズン20本塁打以上を記録した。

オフの11月15日に第4回WBC韓国代表に選出された[14]。しかし、12月2日に韓国で飲酒運転、およびそれによって引き起こした物損事故、現場からの逃走により立件され、2017年1月2日には検察に送致された[15]。12月9日に背番号を16に変更した[16]

2017年1月4日には、この飲酒運転事故が要因となり、選出されていたWBCの韓国代表から外された[17]。またこの飲酒運転、及び物損事故に対して3回目の逮捕事例であることを重く見たソウル中央地方裁判所は3月、姜に対して懲役8ヶ月執行猶予2年の判決を下した[18]。姜は「この判決ではメジャーリーグでの野球生命が絶たれたも同然である」と量刑を不服として控訴したものの、控訴審でも敗れている[19]。有罪判決が下ったことによりアメリカ当局から就労ビザの発行が却下され、さらには飲酒運転の件を隠してESTAを申請した[20]ために承認を拒否され、就労ビザ以外の短期ビザでのアメリカ入国もできなくなった。これらの騒動を受けてパイレーツは姜を年俸支払いの必要がなくなる制限リストに掲載、アクティブロースター、および40人ロースターから除外する処置を執らざるをえなくなった。姜はそのまま渡米することなく2017年シーズンを終えた。2017年9月6日には二度のアジア大会優勝に貢献したことで受け取っていた毎月30万ウォンの体育年金が剥奪されたことが明らかになった[21]

就労ビザ取得がどうなるか不明ではあったものの、パイレーツは姜に実戦感覚を保たせるためにドミニカ共和国ウィンターリーグであるリーガ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル・デ・ラ・レプブリカ・ドミニカーナに参加させ、アギラス・シバエーニャスに所属させることになった[22]。しかし、24試合に出場して84打数12安打、打率.143、1本塁打、10打点、31三振で4失策と低迷したことで放出された[23]

2018年も前年と同様に就労ビザ取得に失敗し、制限リストに掲載されたままで契約最終年度の開幕を迎えることとなったものの、4月末には就労ビザが発行されたことがアナウンスされた。マイナーでのリハビリを経てメジャー復帰を目指すとされている[24]。その後、シーズン最終カード初戦となる9月28日にメジャー復帰し、同日のレッズ戦では代打で登場して安打を放った[25]。しかし、同日中に球団側は2019年の契約オプション権を行使せず、姜がFAとなったことを発表した[26]

11月8日にパイレーツは1年総額300万ドルで改めて契約を結んだことを発表した[27]

2019年、開幕前のスプリングトレーニングマッチに15試合出場し打率.238、メジャートップの7本塁打、打点11を記録した[28]。しかし、レギュラーシーズンでは10本塁打を記録するも打率1割台の成績不振により同年8月4日、解雇された。

パイレーツ退団後

2020年5月25日、過去の3度の飲酒運転に対してKBOの賞罰委員会より「任意脱退から復帰後、KBOリーグの選手登録の時点から1年間の有期失格、奉仕活動300時間」の制裁が課された[29]

2020年6月、韓国に帰国して飲酒運転に対して謝罪する記者会見を開くも、古巣であるキウム・ヒーローズ(2019年にネクセン・ヒーローズから改称)へ復帰する申請を撤回した[30]。これにより、彼の韓国球界復帰は事実上不可能になった。

選手としての特徴

強い手首の力を利用し長打力を備えており、引っ張り中心の打撃スタイルで左方向への打球が多い[31][32]

2011年にゲイリー・シェフィールドは姜正浩について「体格がよくて、肩が強い。バットスピードも速い。身体能力が高く、すごい潜在能力を持っている選手だ」と語った[33][34]

人物

憧れの選手は秋信守であり、将来的にはメジャーリーグで秋信守と同じチームでプレーすることが夢だと話していた [35]。(2012年インタビュー)

普段は無口で静かな性格だという。そのため、休みの日はあまり出かけることなく、家で映画を見たりテレビを見たりすると語っている[36][37]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2006 現代 10 21 20 1 3 1 0 0 4 1 0 1 1 0 0 0 0 8 1 .150 .150 .200 .350
2007 20 15 15 0 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 5 1 .133 .133 .133 .267
2008 ネクセン 116 408 362 36 98 18 1 8 142 47 3 1 7 3 31 1 5 65 12 .271 .334 .392 .726
2009 133 538 476 73 136 33 2 23 242 81 3 2 8 5 45 2 4 81 18 .286 .349 .508 .857
2010 133 522 449 60 135 30 2 12 205 58 2 2 3 2 61 6 7 87 14 .301 .391 .457 .847
2011 123 504 444 53 125 22 2 9 178 63 4 6 3 5 43 4 9 62 12 .282 .353 .401 .754
2012 124 519 436 77 137 32 0 25 244 82 21 5 6 1 71 8 6 78 16 .314 .413 .560 .973
2013 126 532 450 67 131 21 1 22 220 96 15 8 2 6 68 3 6 109 18 .291 .387 .489 .876
2014 117 501 418 103 149 36 2 40 309 117 3 3 0 2 68 2 13 106 8 .356 .459 .739 1.198
2015 PIT 126 467 421 60 121 24 2 15 194 58 5 4 0 1 28 0 17 99 10 .287 .355 .461 .816
2016 103 370 318 45 81 19 0 21 163 62 3 1 0 2 36 1 14 79 11 .255 .354 .513 .867
2018 3 6 6 0 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .333 .333 .333 .667
KBO:9年 902 3560 3070 470 916 193 10 139 1546 545 51 28 25 28 387 26 50 601 100 .298 .383 .504 .886
MLB:3年 232 843 745 105 204 43 2 36 359 120 8 5 0 3 64 1 31 179 21 .274 .355 .482 .837
  • 2018年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

KBO
MLB

背番号

  • 25 (2006年)
  • 17 (2007年 - 2008年)
  • 16 (2009年 - 2014年、2018年 - )
  • 27 (2015年 - 2016年)

代表歴

脚注

  1. ^ Jung Ho Kang Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2019年1月20日閲覧。
  2. ^ “[프로야구]넥센 강정호 "'거포 유격수'에 걸맞은 활약하고 싶다"” (韓国語). NEWSis. ネイバー. (2011年11月26日). http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=003&aid=0004210696 2018年1月30日閲覧。 
  3. ^ “[황금사자기]광주일고 21년만에 황금사자 품다” (韓国語). 東亜日報. ネイバー. (2005年7月7日). http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=020&aid=0000306706 2018年1月30日閲覧。 
  4. ^ “(광저우AG)한국야구 대수확 '국제용 내야수 강정호의 발견'” (韓国語). イーデイリー新聞. ネイバー. (2010年11月19日). http://sports.news.naver.com/general/news/read.nhn?oid=018&aid=0002343252 2018年1月30日閲覧。 
  5. ^ 横浜キャンプに溶け込む姜正浩 中央日報 2014年02月10日
  6. ^ 宜野湾キャンプ 練習参加のお知らせ ベイスターズ公式サイトニュース 2014/1/22
  7. ^ 姜正浩ポスティング スポーツ韓国 2015.01.13
  8. ^ http://www.kbreport.com/main 韓国プロ野球セイバーメトリクス記録サイト
  9. ^ Tom Singer (2014年12月22日). “Pirates win bidding for shortstop Kang” (英語). MLB.com. 2018年1月30日閲覧。
  10. ^ パイレーツが姜正浩と契約 4年総額12億9千万円”. スポーツニッポン (2015年1月17日). 2018年1月30日閲覧。
  11. ^ 2015 Awards Voting - NL Rookie of the Year Voting - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年2月9日閲覧。
  12. ^ パイレーツ・姜正浩に女性暴行の疑い 遠征中、出会い系で…”. スポーツニッポン (2016年7月6日). 2018年1月30日閲覧。
  13. ^ https://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160002-n2.html
  14. ^ 2017 WBC 국가대표팀 엔트리 28명 발표 The official site of KBO (朝鮮語) (2016年11月10日) 2017年12月30日閲覧
  15. ^ 韓国人大リーガーの姜正浩選手 飲酒運転・逃走容疑で立件
  16. ^ MLB公式プロフィール参照。2018年1月30日閲覧。
  17. ^ 2017 WBC 대표팀 선수 교체 한국야구위원회 (KBO) (朝鮮語) (2017年1月4日) 2017年12月30日閲覧
  18. ^ 「飲酒当て逃げ」プロ野球選手の姜正浩に懲役8月・執行猶予2年”. 中央日報 (2017年3月4日). 2018年1月30日閲覧。
  19. ^ ”飲酒運転”カン・ジョンホ、控訴審も懲役8か月・執行猶予2年”. WoW! Korea (2017年5月18日). 2018年1月30日閲覧。
  20. ^ “[단독] 강정호 비자 발급 거부, 메이저리그 복귀 시점 불투명” (韓国語). KBS. ネイバー. (2017年3月24日). http://sports.news.naver.com/worldbaseball/news/read.nhn?oid=056&aid=0010435253&redirect=false 2018年1月30日閲覧。 
  21. ^ [MLB]아시안게임 금메달리스트 강정호, 체육 연금 박탈” (韓国語). 中央日報 (2017年9月6日). 2018年1月30日閲覧。
  22. ^ 飲酒&“逃走”の姜正浩、ドミニカWL参加に「許可」 パ軍GMはサポート約束”. Full-Count (2017年9月25日). 2018年1月30日閲覧。
  23. ^ パイレーツ姜正浩、参戦のドミニカWLで現地球団から放出か 打率1割台と低迷”. Full-Count (2017年11月28日). 2018年1月30日閲覧。
  24. ^ https://www.si.com/mlb/2018/04/26/jung-ho-kang-us-work-visa-pirates
  25. ^ Adam Berry (2018年9月29日). “Kang returns ahead of uncertain offseason” (英語). MLB.com. 2018年9月30日閲覧。
  26. ^ https://www.mlb.com/news/pirates-decline-options-for-harrison-kang/c-300056926
  27. ^ Jung Ho Kang stays with Pirates for to $3M, 1-year deal” (英語). The Washington Post (2018年11月8日). 2018年11月11日閲覧。
  28. ^ 飲酒運転で事故&逃走の姜正浩がOP戦トップ7発 チーム期待「ワイルドカード」”. Full-Count (2019年3月25日). 2019年3月26日閲覧。
  29. ^ https://www.koreabaseball.com/News/Notice/View.aspx?bdSe=7760
  30. ^ https://www.instagram.com/p/CCApXpRBqom/
  31. ^ http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=mlb&ctg=news&mod=read&office_id=096&article_id=0000256089 sbs news
  32. ^ http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=kbo&ctg=news&mod=read&office_id=076&article_id=0002216076 スポーツ朝鮮インタビュー
  33. ^ http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=kbo&ctg=news&mod=read&office_id=117&article_id=0002121352 マイデイリー
  34. ^ http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=kbo&ctg=news&mod=read&office_id=020&article_id=0002210881 東亜日報
  35. ^ http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=kbo&ctg=news&mod=read&office_id=380&article_id=0000000172 2012年naverイ・ヨンミ コラム
  36. ^ http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=kbo&ctg=news&mod=read&office_id=144&article_id=0000225703 スポーツ傾向
  37. ^ http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=kbo&ctg=news&mod=read&office_id=144&article_id=0000191547 スポーツ傾向

関連項目

外部リンク