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⚫ | '''消費者契約法'''(しょうひしゃけいやくほう、平成12年5月12日法律第61号)は、「[[消費者]]と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とするほか、消費者の被害の発生又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」、日本の法律である(第1条)。平成12年5月12日[[公布]]、平成13年4月1日[[施行]]。 |
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== 消費者、事業者、消費者契約とは == |
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* 「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいい、事業は、営利、非営利を問わない。(2条1項) |
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* 「事業者」とは、[[法人]]その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいい、 [[株式会社]]、個人商店はもちろんのこと、[[農業協同組合]]、[[宗教法人]]、[[医療法人]]、[[国家|国]]、[[地方公共団体]]、[[特定非営利活動法人]]、[[労働組合]]なども「事業者」に該当する。(2条2項) |
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**「事業者」とは、[[法人]]その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいい、 [[株式会社]]、個人商店はもちろんのこと、[[農業協同組合]]、[[宗教法人]]、[[医療法人]]、[[国家|国]]、[[地方公共団体]]、[[特定非営利活動法人]]、[[労働組合]]なども「事業者」に該当する<ref name="keio" />。 |
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== 消費者契約の取消し == |
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=== 運用 === |
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⚫ | 建物賃貸借契約における更新料特約を無効<ref>{{Cite journal |和書|author=村川隆生|title=最近の判例から (5) 更新料特約が消費者契約法10条に反し無効とされた事例 (大阪高判 平21・8・27 金法1887-117)|date=2010|publisher=一般財団法人不動産適正取引推進機構|journal=RETIO|volume=2010年4月号|issue=No.77|pages=114-115|url=https://www.retio.or.jp/info/pdf/77/77_06.pdf|format=PDF}}</ref>、有効とした裁判事例もある<ref>{{Cite journal |和書|author=村川隆生|title=最近の判例から (6) 更新料特約は消費者契約法10条に反せず有効とされた事例 (大阪高判 平21・10・29 金法1887-117)|date=2010|publisher=一般財団法人不動産適正取引推進機構|journal=RETIO|volume=2010年4月号|issue=No.77|pages=116-117|url=https://www.retio.or.jp/info/pdf/77/77_06.pdf|format=PDF}}</ref>。 |
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消費者契約法上、オンラインゲームの利用規約が不明確で複数の解釈の余地がある場合、「自己に有利な解釈に依拠して運用している疑いを払拭できない」ため、規約差し止めとなった裁判事例がある<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65858300V01C20A1CC1000 モバゲー規約、二審も「不当」 利用停止の賠償応じず]”. ''日本経済新聞'' (日本経済新聞社). (2020年11月5日) 2021年10月10日閲覧。</ref>。また、オンラインゲームの一方的なアカウント停止は権利濫用<ref name="irokawa">増田拓也 (2017年10月16日). “[http://www.irokawa.gr.jp/column/1056/ 第110回 アカウント利用停止措置(いわゆる垢BAN)対応のまとめ]”. ''色川法律事務所''. 色川法律事務所. 2021年10月10日閲覧。</ref>、損害が発生している場合は[[損害賠償]]請求<ref>“[https://www.ecnetwork.jp/public/consumer/akaban.html オンラインゲームにて一方的にアカウント停止措置をされた場合 (ECOMネットショッピング紛争相談室)]”. ''一般社団法人ECネットワーク''. ECnetwork (2007年). 2021年10月10日閲覧。</ref>、無料利用であってもポイントなどに財産的利益を主張できるとする立場がある<ref name="irokawa" />。 |
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* 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会編『コンメンタール消費者契約法』商事法務、2019年12月、ISBN 978-4-7857-2758-1。 |
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* 落合誠一『消費者契約法』 有斐閣、2001年10月1日、ISBN 4-641-13277-1。 |
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* [[無効]] - [[取消]] - [[追認]] |
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* [[電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律]] |
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* [[労働契約法]] - 消費者契約法が適用されない労働契約に関する基本的な事項を定める法律 |
* [[労働契約法]] - 消費者契約法が適用されない労働契約に関する基本的な事項を定める法律 |
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* 『コンメンタール消費者契約法』(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 編、ISBN 4785709294) |
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* 『消費者契約法』(落合誠一 著、ISBN 4641132771) |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
2021年2月9日 (火) 04:36時点における版
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
消費者契約法 | |
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日本の法令 | |
法令番号 | 平成12年5月12日法律第61号 |
種類 | 消費者法 |
効力 | 現行法 |
成立 | 2000年4月28日 |
公布 | 2000年5月12日 |
施行 | 2001年4月1日 |
所管 | 消費者庁 |
主な内容 | 消費者と事業者との間の契約に関する民法・商法の特別法 |
関連法令 | 民法、商法 |
条文リンク | e-Gov法令検索 |
ウィキソース原文 |
消費者契約法(しょうひしゃけいやくほう、平成12年5月12日法律第61号)は、「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とするほか、消費者の被害の発生又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」、日本の法律である(第1条)。平成12年5月12日公布、平成13年4月1日施行。
消費者団体訴訟制度を盛り込んだ改正法(消費者契約法の一部を改正する法律、平成18年6月7日法律第56号)が平成19年(2007年)6月から施行されている。
構成
- 第1章 総則(第1条 - 第3条)
- 第2章 消費者契約
- 第1節 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し(第4条 - 第7条)
- 第2節 消費者契約の条項の無効(第8条 - 第10条)
- 第3節 補則(第11条)
- 第3章 差止請求
- 第1節 差止請求権(第12条・第12条の2)
- 第2節 適格消費者団体
- 第1款 適格消費者団体の認定等(第13条 - 第22条)
- 第2款 差止請求関係業務等(第23条 - 第29条)
- 第3款 監督(第30条 - 第35条)
- 第4款 補則(第36条 - 第40条)
- 第3節 訴訟手続等の特例(第41条 - 第47条)
- 第4章 雑則(第48条・第48条の2)
- 第5章 罰則(第49条 - 第53条)
- 附則
消費者、事業者、消費者契約とは
- 「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいい、事業は、営利、非営利を問わない。(2条1項)
- 「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいい、 株式会社、個人商店はもちろんのこと、農業協同組合、宗教法人、医療法人、国、地方公共団体、特定非営利活動法人、労働組合なども「事業者」に該当する。(2条2項)
- 「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう(ただし、労働契約を除く)。(2条3項)
消費者契約の取消し
消費者契約法に基づく、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて説明する。
- 不当な勧誘(4条関係)
- 誤認型
- 1. 不実の告知(4条1項1号)
- 2. 断定的判断の提供(4条1項2号)
- 3. 故意による不利益事実の不告知(4条2項)
- 困惑型
- 4. 不退去(4条3項1号)
- 5. 退去妨害または監禁(4条3項2号)
- 誤認型
- 不当な契約条項(8〜10条関係)
- 事業者の損害賠償責任を免除する条項(8条)
- 消費者が支払う違約金等の額を過大に設定する条項 (9条1号)
- 年14.6%を超える遅延損害金を定める条項(9条2号)
- 消費者の利益を一方的に害する条項(10条)
消費者の利益を一方的に害する条項の無効
任意規定の適用による場合に比べて、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効となる(一般的、包括的な規定である)。
運用
建物賃貸借契約における更新料特約を無効[1]、有効とした裁判事例もある[2]。
関連事項
- 契約
- 無効 - 取消 - 追認
- 解除 - クーリングオフ
- 詐欺 - 強迫
- 民法
- 商法
- 立証責任
- 学納金返還訴訟
- 消費者団体訴訟制度
- 悪徳商法
- 消費者庁
- 無限連鎖講防止法
- 特定商取引に関する法律
- 特定商品等の預託等取引契約に関する法律
- 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律
- 労働契約法 - 消費者契約法が適用されない労働契約に関する基本的な事項を定める法律
脚注
- ^ 村川隆生「最近の判例から (5) 更新料特約が消費者契約法10条に反し無効とされた事例 (大阪高判 平21・8・27 金法1887-117)」(PDF)『RETIO』2010年4月号No.77、一般財団法人不動産適正取引推進機構、2010年、114-115頁。
- ^ 村川隆生「最近の判例から (6) 更新料特約は消費者契約法10条に反せず有効とされた事例 (大阪高判 平21・10・29 金法1887-117)」(PDF)『RETIO』2010年4月号No.77、一般財団法人不動産適正取引推進機構、2010年、116-117頁。
参考文献
- 『コンメンタール消費者契約法』(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 編、ISBN 4785709294)
- 『消費者契約法』(落合誠一 著、ISBN 4641132771)
- 『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(林田力、ロゴス社、2009/7)- 消費者契約法4条2項(不利益事実の不告知)の適用例
外部リンク
- 消費者契約法 - e-Gov法令検索
- 消費者契約法施行令 - e-Gov法令検索
- 消費者契約法施行規則 - e-Gov法令検索
- 消費者契約法(「消費者の窓」より)[リンク切れ] - 消費者庁(消費者庁による消費者契約法の解説