「ヌィグメト・ヌルマコフ」の版間の差分

ロシア社会主義連邦ソビエト共和国の政治家ヌィグメト・ヌルマコヴィチ・ヌルマコフ Ныгмет Нурмакович Нурмаков; Нығмет Нұрмақұлы Нұрмақов
生年月日	1895年4月25日
出生地	ロシア帝国セミパラチンスク州カルカリンスク郡クー
没年月日	1937年9月27日（42歳没）
死没地	ソビエト連邦; ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国、モスクワ
出身校	全連邦共産党（ボ）中央委員会附属高等党学校（ロシア語版）; オムスク神学校卒業
前職	教師
所属政党	ボリシェヴィキ
子女	1男1女
キルギス自治社会主義ソビエト共和国（ロシア語版）・; カザク自治社会主義ソビエト共和国; 人民委員会議議長
在任期間	1924年10月 - 1929年4月
キルギス自治社会主義ソビエト共和国; 法務人民委員
在任期間	1923年5月 - 1924年9月9日
キルギス自治社会主義ソビエト共和国; 最高革命裁判所・; ロシア社会主義連邦ソビエト共和国; 最高裁判所キルギス部（ロシア語版）; 長官
在任期間	1922年10月 - 1923年秋
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ヌィグメト・ヌルマコヴィチ（ヌルマクル）・ヌルマコフ（ロシア語: Ныгмет Нурмакович Нурмаков、カザフ語: Нығмет Нұрмақұлы Нұрмақов、1895年 4月25日 - 1937年 9月27日）は、ソビエト連邦内カザフスタンの政治家。

生涯

前半生

1895年4月25日、ロシア帝国セミパラチンスク州クーで生まれ、村のロシア人学校からカルカリンスク（ロシア語版）の2年制ロシア人＝カザフ人学校へ進んだ^[1]。1911年にロシア人＝カザフ人校を卒業^[2]。同年にオムスクで開かれたロマノフ朝300周年記念（ロシア語版）農業博覧会に通訳として赴き、地理学者のグリゴリー・ポターニンやオムスク神学校教員のアレクサンドル・セデリニコフと出会った^[1]。彼らの助力を得てオムスク神学校に入学し、在学中はサケン・セイフッリン（ロシア語版）、マグジャン・ジュマバエフ（ロシア語版）、ムフタル・サマトフ (kk) らとともに文化教育団体「ビルリク」(ru) を設立した^[1]。

革命期

1915年に神学校を卒業し、同年から翌1918年まではカルカリンスクのロシア人＝カザフ人神学校で教えつつ^[1]、労働者ソビエト「ダラ・オダグィ」を結成^[2]。1917年秋にはその議長に就いた^[3]。1918年2月から5月まではカルカリンスク郡 (ru) ソビエト議員・書記も務めたが、ほどなく「ダラ・オダグィ」はアレクサンドル・コルチャークによって解散させられ、ヌルマコフも同志たちとともに逮捕され、18か月間収監された^[3]。1919年2月に釈放された後、労働者ソビエトの創設中にボリシェヴィキのP・バビンやイヴァン・ラトチェンコ（ロシア語版）と出会い、自身もボリシェヴィキへ加盟^[1]。1920年から1921年まではカルカリンスク郡とセミパラチンスク州の執行委員会、革命委員会で活動し、同年10月には革命裁判所（ロシア語版）長官を務めた^[3]。

カザフスタンでの活動

翌1922年2月にはオレンブルクへ移って党キルギス州（ロシア語版）委副議長に就き^[3]、同年10月の第3回全キルギス・ソビエト大会においてキルギス執行委参議会議長に選出され、キルギス自治社会主義ソビエト共和国（ロシア語版）最高革命裁判所（ロシア語版）を指揮した^[1]。同時期には検察官や法務委員部参議会メンバーとして活動し、翌1923年2月19日にキルギス自治共和国最高裁（ロシア語版）がロシア共和国最高裁の部局に再編されてからも、その長官に留任し秋まで務めた^[1]。同年5月から翌1924年9月9日までは法務人民委員も務め、その短い任期の間に捜査機関の言語をカザフ語に、司法官の6割をカザフ人にすることに成功した^[1]。同時に文芸分野では『カザク・ティピ』紙や『クィズィル・カザクスタン』(ru) 誌も編集している^[2]。

その後は数か月間党キルギス州委煽動・宣伝部部長に就き、1924年10月から1929年4月までの4年4か月間、キルギス自治共和国およびカザク自治共和国の人民委員会議議長を務めた^[3]。その人民委員会議議長としての任期において、カザフスタンではエキバストゥズ、カラガンダやバルハシュ（ロシア語版）での鉱床開発、そしてトルキスタン・シベリア鉄道の建設が開始され^[1]、またヌルマコフは首都のオレンブルクからクィズィル・オルダへの、そしてアルマ・アタへの遷都計画にも直接的な役割を果たした^[2]。さらにヌルマコフは憲法制定委メンバーやカザフ語アルファベット委議長も務め、カザフスタン初の演劇劇場の設立にも大きく貢献している^[2]。しかし、1929年4月には党カザク地方委責任書記フィリップ・ゴロシチョーキン（ロシア語版）との対立が限界に達し、ヌルマコフはモスクワへ召喚された^[1]。そして「富裕層からの没収」令に署名することを余儀なくされたが、その政策のいき過ぎには公然と反対意見を述べている^[1]。

後半生

モスクワでは同年に党中央委附属高等党学校（ロシア語版） (ru) を卒業し^[2]、1931年からは全ロシア中央執行委（ロシア語版）幹部会副議長、民族問題部部長や党カザク地方委とカザク自治共和国中央執行委のメンバーを務め、シベリアや沿ヴォルガ（ロシア語版）にも派遣された^[3]。しかし、1937年6月3日にモスクワの自宅で逮捕され、トゥラル・ルィスクロフ（ロシア語版）と共謀してウラズ・イサエフ（ロシア語版）とアブドッラ・アスィルベコフ (ru) にアルマ・アタとカラガンダで反革命組織を結成させたことを「認めた」^[1]。ヌルマコフは9月27日、NKVDトロイカ（英語版）による15分の審理の後に死刑判決を下され^[1]、同日モスクワでアリハン・ブケイハノフ（ロシア語版）とともに銃殺された^[4]。

妻や2人の弟（建築技師カメル (kk) と医学者アマン (kk) の父）も逮捕され、それぞれ収容所へ送られた^[5]。妻は当初死刑判決を受けていたが、子供がいることを考慮して懲役刑に減刑され、その後19年間をアクモリンスク祖国反逆者の妻ラーゲリ（ロシア語版）などで過ごした^[5]。夫妻の2人の子供も孤児院へと送られた^[5]。娘はそこで死去したが、息子は生き延び、さらに大祖国戦争にも従軍し生還した^[5]。

その後ヌルマコフは新ドン墓地（ロシア語版）に葬られていたが^[4]、1956年8月に名誉回復（ロシア語版）がなされた^[3]。ヌルマコフの名は、アルマトイ、クズロルダ、カラガンダ、カルカラル（ロシア語版）とエギンドゥブラク（ロシア語版）の通り、カラガンダ第2寄宿学校に付けられ、また故郷の村とアルマトイの旧居にも記念碑が存在する^[2]。

脚注

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m “Нурмаков Ныгмет (1895–1937 гг.)”. Тарих. 2018年8月24日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g Қабдөшев Б., Нұрмақов А. (2012年12月5日). “Нұрмақов Нығмет”. el.kz. 2018年8月23日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g “Нұрмақов Нығмет Нұрмақұлы”. Тарих. 2018年8月24日閲覧。
^ ^a ^b Балтабай К. (2009年1月20日). “Следствие проведут знатоки”. Алматы: Коллеги - педагогический журнал Казахстана. 2018年8月24日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d Нұрмақов А. Ж. (1 июня 2017). "Нұрмақовтың отбасы тартқан трагедия" (газета) (21 (385)) (Общественная позиция ed.). Алматы: Проект «DAT». {{cite journal}}: Cite journalテンプレートでは|journal=引数は必須です。 (説明); |year=、|date=の日付が不正です。 (説明)

公職
先代サケン・セイフッリン（ロシア語版）	キルギス自治社会主義ソビエト共和国人民委員会議議長 1925年6月15日からカザク自治社会主義ソビエト共和国 1924年10月 - 1929年4月	次代ウラズ・イサエフ（ロシア語版）
先代 ?	キルギス自治社会主義ソビエト共和国法務人民委員 1923年5月 - 1924年9月9日	次代 N・エラリン
先代なし	キルギス自治社会主義ソビエト共和国最高革命裁判所長官 2月19日からロシア社会主義連邦ソビエト共和国最高裁判所キルギス部 1922年10月 - 1923年秋	次代トレウジャン・ムカシェフ

[tarikh-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m “Нурмаков Ныгмет (1895–1937 гг.)”. Тарих. 2018年8月24日閲覧。

[elkz-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g Қабдөшев Б., Нұрмақов А. (2012年12月5日). “Нұрмақов Нығмет”. el.kz. 2018年8月23日閲覧。

[tarikh2-3] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g “Нұрмақов Нығмет Нұрмақұлы”. Тарих. 2018年8月24日閲覧。

[baltabai-4] Балтабай К. (2009年1月20日). “Следствие проведут знатоки”. Алматы: Коллеги - педагогический журнал Казахстана. 2018年8月24日閲覧。

[aman-5] Нұрмақов А. Ж. (1 июня 2017). "Нұрмақовтың отбасы тартқан трагедия" (газета) (21 (385)) (Общественная позиция ed.). Алматы: Проект «DAT». {{cite journal}}: Cite journalテンプレートでは|journal=引数は必須です。 (説明); |year=、|date=の日付が不正です。 (説明)

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 モスクワでは同年に[[ソビエト連邦共産党中央委員会|党中央委]]附属{{仮リンク|高等党学校|ru|Высшая партийная школа}} ([[:ru:Высшая партийная школа при ЦК КПСС|ru]]) を卒業し<ref name="elkz"/>、[[1931年]]からは{{仮リンク|全ロシア中央執行委員会|label= 全ロシア中央執行委|ru|Всероссийский центральный исполнительный комитет}}幹部会副議長、民族問題部部長や党カザク地方委とカザク自治共和国中央執行委のメンバーを務め、[[シベリア]]や{{仮リンク|ポヴォールジエ|label= 沿ヴォルガ|ru|Поволжье}}にも派遣された<ref name="tarikh2"/>。しかし、[[1937年]]6月3日にモスクワの自宅で逮捕され、{{仮リンク|トゥラル・ルィスクロフ|ru|Рыскулов, Турар Рыскулович}}と共謀して{{仮リンク|ウラズ・イサエフ|ru|Исаев, Ураз Джанзакович}}とアブドッラ・アスィルベコフ ([[:ru:Асылбеков, Абдолла Абдрахманович|ru]]) にアルマ・アタとカラガンダで反革命組織を結成させたことを「認めた」<ref name="tarikh"/>。ヌルマコフは9月27日、{{仮リンク|NKVDトロイカ|en|NKVD troika}}による15分の審理の後に死刑判決を下され<ref name="tarikh"/>、同日[[モスクワ]]で{{仮リンク|アリハン・ブケイハノフ|ru|Букейханов, Алихан Нурмухамедович}}とともに銃殺された<ref name="baltabai">{{lang|ru|{{cite web|title= Следствие проведут знатоки|date= 2009-01-20|publisher= Коллеги - педагогический журнал Казахстана|url= http://collegy.ucoz.ru/news/2009-01-20-1509|author= {{nobr|''Балтабай К.''}}|location= [[アルマトイ|Алматы]]|accessdate= 2018-08-24}}}}</ref>。
-妻や2人の弟（建築技師カメル ([[:kk:Кәмел Құрманғалиұлы Нұрмақов|kk]]) と医学者アマン ([[:kk:Аман Жамелұлы Нұрмақов|kk]]) の父）も逮捕され、それぞれ収容所へ送られた<ref name="aman">{{lang|kk|{{статья |автор= {{nobr|Нұрмақов А. Ж.}}|заглавие= Нұрмақовтың отбасы тартқан трагедия|оригинал= |ссылка= https://abai.kz/post/54320|автор издания= |издание= Общественная позиция|тип= газета|место= Алматы|издательство= Проект «DAT»|год= 1 июня 2017|номер= 21 (385)|страницы= }}}}</ref>。妻は当初死刑判決を受けていたが、子供がいることを考慮して懲役刑に減刑され、その後19年間を{{仮リンク|アクモリンスク祖国反逆者の妻ラーゲリ|ru|Акмолинский лагерь жён изменников Родины}}などで過ごした<ref name="aman"/>。夫妻の2人の子供も孤児院へと送られた<ref name="aman"/>。娘はそこで死去したが、息子は生き延び、さらに[[大祖国戦争]]にも従軍し生還した<ref name="aman"/>。
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