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「Open Firmware」の版間の差分

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'''Open Firmware'''(または'''OpenBoot''')は[[ハードウェア]]に依存しない[[ファームウェア]]([[オペレーティングシステム]]をロードする[[ソフトウェア]])であり、[[サン・マイクロシステムズ]]のミッチ・ブラッドリーによって開発され、[[IEEE]]により標準化され、[[サン・マイクロシステムズ]]、[[アップル (企業)|アップル]]、[[IBM]]などによって使われている。
'''Open Firmware'''(または'''OpenBoot''')は[[ハードウェア]]に依存しない[[ファームウェア]]([[オペレーティングシステム]]をロードする[[ソフトウェア]])であり、[[サン・マイクロシステムズ]]のミッチ・ブラッドリーによって開発され、[[IEEE]]により標準化され、[[サン・マイクロシステムズ]]、[[Apple]]、[[IBM]]などによって使われている。


== 概要 ==
== 概要 ==
Open Firmwareは、[[アップル (企業)|アップル]]の[[NuBus]]後の[[PowerPC]]ベースのMacintosh([[CHRP]]ベースの[[Power Macintosh]])、[[サン・マイクロシステムズ]]の[[SPARC]]ベースのワークステーションとサーバ、[[IBM]]の[[POWER (マイクロプロセッサ)|POWER]]アーキテクチャの計算機システム([[CHRP]]ベースの[[RS/6000]] [[Peripheral Component Interconnect|PCI]]モデル)、[[Pegasos]]の計算機システム、そして[[OLPC]]によって設計されたラップトップ([[OLPC XO-1]])など、色々な機種で採用された。
Open Firmwareは、[[Apple]]の[[NuBus]]後の[[PowerPC]]ベースのMacintosh([[CHRP]]ベースの[[Power Macintosh]])、[[サン・マイクロシステムズ]]の[[SPARC]]ベースのワークステーションとサーバ、[[IBM]]の[[POWER (マイクロプロセッサ)|POWER]]アーキテクチャの計算機システム([[CHRP]]ベースの[[RS/6000]] [[Peripheral Component Interconnect|PCI]]モデル)、[[Pegasos]]の計算機システム、そして[[OLPC]]によって設計されたラップトップ([[OLPC XO-1]])など、色々な機種で採用された。


Open Firmwareは[[BSDライセンス]]下で利用可能である。提案されている[[PAPR|Power Architecture Platform Reference]]でも、Open Firmwareベースのプラットフォームである。それらのプラットフォーム上では、Open Firmwareは[[パーソナルコンピュータ|PC]]上での[[Basic Input/Output System|BIOS]]の動作とまったく同じことができる。
Open Firmwareは[[BSDライセンス]]下で利用可能である。提案されている[[PAPR|Power Architecture Platform Reference]]でも、Open Firmwareベースのプラットフォームである。それらのプラットフォーム上では、Open Firmwareは[[パーソナルコンピュータ|PC]]上での[[Basic Input/Output System|BIOS]]の動作とまったく同じことができる。

2021年5月20日 (木) 11:06時点における版

Open Firmware(またはOpenBoot)はハードウェアに依存しないファームウェアオペレーティングシステムをロードするソフトウェア)であり、サン・マイクロシステムズのミッチ・ブラッドリーによって開発され、IEEEにより標準化され、サン・マイクロシステムズAppleIBMなどによって使われている。

概要

Open Firmwareは、AppleNuBus後のPowerPCベースのMacintosh(CHRPベースのPower Macintosh)、サン・マイクロシステムズSPARCベースのワークステーションとサーバ、IBMPOWERアーキテクチャの計算機システム(CHRPベースのRS/6000 PCIモデル)、Pegasosの計算機システム、そしてOLPCによって設計されたラップトップ(OLPC XO-1)など、色々な機種で採用された。

Open FirmwareはBSDライセンス下で利用可能である。提案されているPower Architecture Platform Referenceでも、Open Firmwareベースのプラットフォームである。それらのプラットフォーム上では、Open FirmwareはPC上でのBIOSの動作とまったく同じことができる。

Open FirmwareはForthベースのシェルインタフェースを持つ。Forthは強力な高レベル言語で、たとえば、Open Firmware上でハノイの塔の問題を解くことが可能である。

Open FirmwareはIEEEによって、IEEE 1275-1994として標準化された。最新仕様については、オーストリアのウィーン工科大学コンピュータ言語研究所のForth研究プロジェクトから利用可能である。

SunのOpenBootやFirmwoksのOpenFirmware、CodegenのSmartFirmwareなど、いくつかのOpen Firmwareの商用実装は、2006年にオープンソースコミュニティにリリースされた。このソースはOpenBIOSプロジェクトで公開されている。

利点

Open FirmwareのForth言語によるコードはFCode(と呼ばれるバイトコード)にコンパイルされ、特定のコンピュータアーキテクチャに依存した機械語に変換されない。つまり、あるI/Oカード用のコードを含んでいるOpen Firmwareは、他のOpen Firmwareを使うどんなシステム上でも動作することが可能である。この方法により、あるI/Oカードの起動時診断や設定用コード、そしてデバイスドライバは、他のOpen Firmwareが動作するシステム上でも使える。したがって、多くのI/OカードがSunのマシンとMacintoshの両方の上で動作することが可能である。

また、インタラクティブなプログラミング言語をベースとしているので、Open Firmwareはコードのテストや新しいハードウェアへの追従を素早く行うことができる。

アクセス

幾つかのアーキテクチャではオペレーティングシステムのブート前にコンソールからOpen Firmwareのプロンプトを通してテキストベースで対話的にアクセスすることが可能である(たとえばMacintoshなら、起動時にoptionキーとcommandキー、さらにO(オー)キーとFキーを同時に押し続けると、Open Firmwareにアクセスできる)。認識されたデバイスはForthの名前空間に現れ、これを使い入出力デバイスの指示等を行う。バス別に、規定された名前空間が存在し、構成情報を取得し設定することも出来る。

Open Firmwareは"ok"をプロンプトとして表示する。

関連項目

外部リンク