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「GSフォーマット」の版間の差分

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2009年現在、GSに対応している音楽制作向け製品の現行モデルは2003年に発売されたSD-20のみである。しかし、従来機種で制作されたGSデータ再生の需要は未だに根強く、現在においてもGSデータ再生に対応した[[電子ピアノ]]やキーボードなどがローランドおよびヤマハから継続的にリリースされている。
2009年現在、GSに対応している音楽制作向け製品の現行モデルは2003年に発売されたSD-20のみである。しかし、従来機種で制作されたGSデータ再生の需要は未だに根強く、現在においてもGSデータ再生に対応した[[電子ピアノ]]やキーボードなどがローランドおよびヤマハから継続的にリリースされている。


Windows標準の[[ソフトウェア・シンセサイザー]]「[[Microsoft GS Wavetable SW Synth]]」は、ほぼGS互換でSC-33相当だと言われている。また、SW Synthよりも音質の評価の高い[[アップル (企業)|アップル]]の「[[QuickTime]]」の内蔵音源もGSフォーマットに対応しており、どちらの音源もローランドよりライセンス供与されている。
Windows標準の[[ソフトウェア・シンセサイザー]]「[[Microsoft GS Wavetable SW Synth]]」は、ほぼGS互換でSC-33相当だと言われている。また、SW Synthよりも音質の評価の高い[[Apple]]の「[[QuickTime]]」の内蔵音源もGSフォーマットに対応しており、どちらの音源もローランドよりライセンス供与されている。


2015年にソフトウェア・シンセサイザーとしてSound Canvas for iOSとSound Canvas VAが相次いで発売されており、少なくともSC-8820までのデータは再現可能となった。
2015年にソフトウェア・シンセサイザーとしてSound Canvas for iOSとSound Canvas VAが相次いで発売されており、少なくともSC-8820までのデータは再現可能となった。

2021年5月20日 (木) 11:11時点における版

GSフォーマット(ジーエスフォーマット)は、ローランド社のMIDIの独自規格である。

概要

GSフォーマットはMIDIの統一規格であるGMローランド株式会社が独自に拡張したものと一般的に言われるが、実際にはGMよりも先にリリースされている。

日本のMIDI規格協議会(JMSC、現在の社団法人音楽電子事業協会(AMEI))と MIDI Manufacturers Association(MMA)によってGSの他社と共有できる部分を抜粋して制定した規格がGMである。なお、「GS」の由来は公式には発表されていない。

GS対応音源の変遷

SCシリーズ

最初のGS対応音源は、1991年にローランド社が発売したMIDI音源SC-55である。PCM音源による317種類の音色、16チャンネル(同時使用可能な音色数のこと。またこのうち最大2つをドラム音色に設定可能)、最大同時発音数24音というスペックと、69,800円という安価な価格は、当時としては画期的なものであった。

またそれ以前にローランドから発売されていたDTM用音源のCM-64MT-32と互換性があったことも手伝い、爆発的な人気を博した。SC-55で再生できることは、GS規格に準拠することと同義となり、この後GSは、ローランド社独自の規格であるにもかかわらず、汎用のGMを押しのけ、DTM用音源の規格としてスタンダードなものとなった。ライバル企業であるヤマハですら、自社の製品に隠しモード(TG300-Bモード)で互換性を持たせたほどである。さらに後のMU2000/1000 Extended EditionではGSに正式対応した。

SC-55mkIIは、SC-55にシリアルポートをつけ、最大同時発音数の増加(24→28)及び音色種類の増加(317→354)を行い、GMに正式対応させた音源である。GS、GMの事実上の標準音源として普及した。

SC-88は、パート数を32チャンネルに拡張し、最大同時発音数を64に増加させた音源である。SC-88から、音色数拡張のためにSC-88 Mapが導入された。SC-88VLはSC-88の廉価版である。

その後、パートごとに音色を変化できるインサーションエフェクトを備え、1,000以上の音色を内蔵したSC-88Pro、最大同時発音数を128にしUSBにも対応したSC-8850と、時代の流れに沿って上位機種が発表されることになる。

SDシリーズ

2001年に、ローランドはSCシリーズの後継としてSD-90を発売した。ローランド・XVシリーズと同系列の音源エンジンを搭載し、オーディオ機能を強化したモデルである。また、GM2、GSに加え、ローランドとヤマハの相互協力によってXGliteに正式対応している。

SCシリーズは従来機種との互換性を維持しながら発展を続けてきたが、SDシリーズでは大幅に仕様が変更され、GSについては最低限の互換性(SC-55mkIIと同等レベル)が残されるのみとなっている。SC-88以降のSCシリーズで拡張された音色や機能を使用したMIDIデータは、SDシリーズでは正しく再生できない。

現在

2009年現在、GSに対応している音楽制作向け製品の現行モデルは2003年に発売されたSD-20のみである。しかし、従来機種で制作されたGSデータ再生の需要は未だに根強く、現在においてもGSデータ再生に対応した電子ピアノやキーボードなどがローランドおよびヤマハから継続的にリリースされている。

Windows標準のソフトウェア・シンセサイザーMicrosoft GS Wavetable SW Synth」は、ほぼGS互換でSC-33相当だと言われている。また、SW Synthよりも音質の評価の高いAppleの「QuickTime」の内蔵音源もGSフォーマットに対応しており、どちらの音源もローランドよりライセンス供与されている。

2015年にソフトウェア・シンセサイザーとしてSound Canvas for iOSとSound Canvas VAが相次いで発売されており、少なくともSC-8820までのデータは再現可能となった。

主なGS対応製品

  • 音源モジュール
    • SC-55
    • SC-55mkII
    • SC-33
    • SC-155
    • SC-55ST
    • SC-55ST-WH
    • SC-55K
    • CM-300
    • CM-500
    • SC-88
    • SC-88VL
    • SC-88ST
    • SC-88Pro
    • SC-88STPro
    • SC-8850
    • SC-8820
    • SC-D70
    • SD-90(XG liteにも対応・GSモードはSC-55mkII相当)
    • SD-80(同上)
    • SD-20(同上)
    • SD-50
    • M-GS64
    • XVシリーズ
    • INTEGRA-7
    • YAMAHA MU2000 Extended Edition(無印版もファームウェアの書き換えで同等品にアップグレード可)
    • YAMAHA MU1000 Extended Edition(同上、但し製品としての発売は無かった)
  • ソフトウェア・シンセサイザー
  • キーボード
    • SK-50
    • JV-30
    • JV-35
    • JV-50
    • XP-10
    • SK-88Pro
    • SK-500
    • Eシリーズ - 自動伴奏機能付インテリジェント・シンセサイザー(スピーカー内蔵)
  • PCカード
    • SCP-55
  • シーケンサー
    • SD-35
    • PMA-5
    • MC-80EX
    • MT-32を除くMTシリーズ(MT-90UはXG liteにも対応)
  • 携帯電話
  • その他
    • VE-GS1(JVシリーズキーボード用オプション)
    • VE-GSPro(A-90/A-70/MC-80用オプション)
    • ミュージック・タイマー FG-1000(チャイム
    • ローランド・ピアノ・デジタル
    • V-Piano(SMF/MIDI再生時のみ対応)
    • V-Piano Grand(同上)
    • YAMAHA MDP5(MIDIデータプレーヤー・XGにも対応)
    • YAMAHA クラビノーバの一部機種
    • YAMAHA エレクトーン ELS-01/01C/01X・ELB-01
    • YAMAHA D-DECK DDK-7
    • Qvision MIDI Ster(汎用GS音源ドーターボード)

参考文献

関連項目