「与作 (ゲーム)」の版間の差分
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カセットビジョン版にインスパイアされたものが[[IOS (Apple)|iOS]] 5.0以降向けに『Kikori』の名で公開されており、[[iTunes]]で購入できる<ref>{{cite web|url=https://itunes.apple.com/jp/app/kikori/id518904210|title=iTunes App Store で見つかる iPhone、iPod touch、iPad 対応 木こり|accessdate=2013-06-27}}</ref>。 |
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== 評価 == |
== 評価 == |
2021年5月21日 (金) 00:42時点における版
ジャンル | 固定画面アクションゲーム |
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対応機種 |
アーケード カセットビジョン X68000 ネオジオポケット iOS |
開発元 | 新日本企画(後のSNK) |
発売元 |
新日本企画(アーケード/ネオジオポケット) エポック社(カセットビジョン) |
発売日 |
1979年(アーケード) 1981年(カセットビジョン) 2000年(ネオジオポケット) |
その他 |
SNK初のアクションゲーム(アーケード版) カセットビジョンのローンチタイトル(カセットビジョン版) |
『与作』(よさく)は、1979年に各社から発売されたアーケードゲームである。ここでは主に、新日本企画(後のSNK)が1979年にリリースしたアクションゲームについて説明する。
後にリリースされたカセットビジョン版の移植が有名であり、こちらは『きこりの与作』(きこりのよさく)のタイトルで知られる。
概要
新日本企画は当時タイトーと提携し、タイトーよりライセンスを得て『ブレイクアウト』と『スペースインベーダー』の亜流作品を何本か制作していたが、それらの亜流作以外のゲームは本作が初となる。また、同時に新日本企画にとって初のアクションゲームとなる。なお、『与作』のメロディの使用にあたっては日本音楽著作権協会(JASRAC)より正式な許諾を受けている。
なお、同社の初のオリジナルゲームは同年の『オズマウォーズ』となる。
アーケード版『与作』がそれほどヒットした形跡はないが、与作系というべき亜流作品が複数の他社からアーケードでリリースされており、また家庭用ハードにも移植されている。アーケード版テーブル筐体の定価は60万円[1]。
ゲームプレイ
プレイヤーは木こりの「与作」となり、敵キャラクターを避けながら木を切り倒すのが目的。新日本企画純正のコンパネは左右2方向レバー(与作)+1ボタン(オノ)構成。
ゲーム開始時に北島三郎の楽曲「与作」のメロディが流れる。また、与作がミスした際にはベートーヴェンの「運命」が流れ、ショパンの「葬送行進曲」とともに昇天する。木を切る時には『龍虎の拳』のSEに似た「パコーン」と言う気持ちいい音が出る。
与作は蛇とイノシシに当たると昇天するので、斧で倒すか木の影に隠れてやり過ごす。また、木を切っている最中に木の枝が落ちて来て、それにあたっても昇天する。また、鳥の糞に当たると与作は痺れて一定時間動作不能となる。
木を3本切り倒すと次の面が現れる。与作は移植版のようにジャンプはできないため、イノシシを斧で倒す当たり判定がシビアなのもあって、最後の木を切り倒したあとにイノシシが出現するとほぼ確実に昇天することになる(攻略法としては、イノシシは必ず右から現れるので、木を切り倒した後に急いで左に移動し、イノシシの少し手前で斧を振るボタンを連打するのがコツ)。面をクリアするごとに敵の速度が早くなるが、3面以降はヘビが避けきれないほど高速かつ大量に発生するため、クリアがほぼ不可能になる。
自キャラの動作が遅いうえに当たり判定が大きいのと、アーケード基板のスペックを生かして木の枝・蛇・鳥の糞が大量に高速に現れるので、それらに挟まれて昇天が不可避になることがままある。このようにゲームとしてはあまり完成度が高くないが、「敵キャラクターを避けながら木を切り倒す」と言うアイデア自体は他社から盛んに模倣されるほどに評価されたようで、後に発売された他社の亜流版や家庭用の移植版では、敵を見切って避けられる程度に与作を強化するなど、まともに遊べるように難易度が調整されているものもある。
移植版
ネオジオポケット版
2000年にSNKが発売したネオジオポケットカラー専用ソフト『ザ・キング・オブ・ファイターズ バトルDEパラダイス』をモノクロのネオジオポケットで起動すると、隠しゲームとして収録されている『与作』のアレンジ移植が遊べる。
ネオポケの解像度に合わせた調整が入っているが、色以外のプレイ感はアーケード版をなるべく再現している。ドット絵ながら、鳥の糞がはっきりとウンコの形をしている。イノシシを倒すタイミングはシビア。BGMや効果音も再現されているが、音はよくない。
非公式他機種版
非公式な他機種版とその移植がいくつか存在する。
カセットビジョン版
1981年にエポック社によって『きこりの与作』の名でカセットビジョンに移植された。カセットビジョンのローンチタイトルであり、カセットのナンバリングは「1」である。カセットビジョンで最も人気のあったゲームでもある[2]。
アーケード版では木が3本あったが、カセットビジョン版では2本となっている。木の枝の落下速度が遅くなっていたり、イノシシを斧で倒す当たり判定がマイルドになっていたり、イノシシをジャンプで避けることができるようになっているなど、オリジナルよりもかなり遊びやすくなっている。
カセットビジョンの開発者であるエポック社の堀江正幸は、「与作」と「ギャラクシアン」はAMショーで見たものをそのまま移植したと証言している[3]など、移植であることは開発者からも何度か言及されているが、版権の処理がどうだったかについては明言を避けている。当時はアーケード作品をベースとした二次商品が許されていた時代だとも言われている[4]。
以下に見られるように、後にいくつかのプラットフォームに移植されたものはこのカセットビジョン版をベースとしている。
X68000版
満開製作所のディスクマガジン「電脳倶楽部」に投稿されたもの。カセットビジョン版の移植である。与作のスピードが2倍になる裏ワザがある。
読者投稿であり、移植にあたってSNKやエポック社や『与作』の楽曲の著作権者の許諾を得ていない。
iPhone・iPod touch・iPad版
カセットビジョン版にインスパイアされたものがiOS 5.0以降向けに『Kikori』の名で公開されており、iTunesで購入できる[5]。
評価
『BEEP!メガドライブ』(1992年8月号)の「バイナリ・アナリシス」(文責・渋谷洋一)において、「ポスト・インベーダー」すなわち『スペースインベーダー』の次を狙ったマイナーゲームの一作として本作が取り上げられている[6]。プレイ感については「まるで幼稚で、はっきりいって全然、面白くなかった」と酷評している。ゲーム内容についても「まるで冗談から生まれてきたようなゲーム」「流行り物を題材に無理やりゲームにしてしまった感」と酷評しているものの、一方で「違った意味で既成の型を破る、この「与作」のような荒々しいインパクトのあるゲーム」と、ゲーム黎明期特有の勢いを評価している。なおサウンドについては「プログラマブル発信機により、味のある素晴らしい効果音を奏でる」(誤植は原文ママ)と高く評価している。
なお『与作』は新日本企画が開発したはずだが、「BEEP!メガドライブ」編集部の渋谷洋一が所有していた与作の基板には、タイトル画面に「YOSAKU GAME」、また「オルカコーポレーション」のコピーライト表記があり、渋谷も不思議がっていた。
備考
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
- ジャトレ(後にニュージャトレとして『The野球拳』などで知られる)からリリースされた『与作とゴン平』、ウィング(『ラッキー8ライン』で知られるウィングとは別企業)からリリースされた『与作とドン平』というゲーム[7]も、タイトル画面に「与作」とのみ表示されていたことから「与作」の名称で知られるが、新日本企画のゲームとは無関係である。『与作と……』はインベーダーの亜流ゲームで、ELEC GAME/新生工業(後のポピー)から『与作とドン平』の名でLSIゲームとして移植されている。定価は『与作とゴン平』(ジャトレ)が、35万8千円『与作とドン平』(ウイング)が51万5千円となっている。開発はヨリイエレクトロニクス(斉藤好考社長)。 キャラクターデザインなどを変えた『権平』(豊栄産業)が存在する。『与作とドン平』のウイング(天間松代社長)は埼玉県大里郡寄居町寄居に存在したカラオケ販売会社だったが2000年9月に民事再生申請を出している。
- 上記のように、新日本企画の「与作」とほぼ同じ内容で「与作」という名称を持つ作品がアーケードでいくつか出回ったことは業界紙の『ゲームマシン』に掲載されている。アーケードTVゲームリスト国内・海外編(1971-2005)[8]のメーカー別リストでは、オーエムからは1979年8月に、新日本企画からは1979年10月から発売となっている。また、1979年のゲームマシン誌上においても、新日本企画版よりも先駆けてオーエム版の広告が長期に渡り掲載され、新日本企画版の広告が掲載された後もオーエム版の広告は掲載され続けていた。与作というタイトルのゲームは、オーエムと新日本企画以外からも発売されている。「与作」の亜流ゲームを制作したのはほとんどが無名のメーカーだが、大手ではセガも「与作」をリリースしたとの記録がある。
- 本作との関連は不明だが、特に与作という名を持たずとも、当時は同様に木を切り倒すというジャンルの与作系のゲームはいくつか存在していた。例えば増田屋コーポレーションの電子ゲーム『ジャングル冒険と木こり』は2種類のゲームを内蔵しており、そのうちの1つが木を切り倒すゲームだった。
- 登場から40年以上が経過した作品である為、基板の方に関して現在では各バージョン(与作が木を切る方やカラスを撃ち落とす方も含む)共にヤフーオークションでの出品や、秋葉原などに存在する中古基板店などでも見掛ける事は近年[いつ?]、かなり減ってきている。
脚注・出典
- ^ “ゲームマシン no.137 p.23” (PDF). アミューズメント通信社. 2019年6月7日閲覧。
- ^ “エポック社・原 洋 氏インタビュー/GAME FRONTIERS from C.V.S ODYSSEY”. 2013年6月27日閲覧。
- ^ CLASSIC VIDEOGAME STATION ODYSSEY/EVENT/EARLY CREATERS 堀江正幸インタビューより
- ^ “エポック社・原 洋 氏インタビュー/原氏の手がけたゲーム”. 2013年6月27日閲覧。
- ^ “iTunes App Store で見つかる iPhone、iPod touch、iPad 対応 木こり”. 2013年6月27日閲覧。
- ^ 『Beep!メガドライブ』1992年8月号、p.136
- ^ 『ゴン平』『ドン平』は同一内容のゲーム。開発はヨリイエレクトロニクス(斉藤好考社長)。
- ^ アーケードTVゲームリスト国内・海外編(1971-2005) ISBN 4-9902512-1-0