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「BIツール」の版間の差分

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インターネットが常時接続・高速化する以前は、BIシステムは自社運用のサーバーに導入され自社で維持管理する、高額な[[オンプレミス]]型のシステムであった。[[2000年代]]に入り、企業向けソフトウェアメーカーは、導入金額が比較的安く、メンテナンス費があまり出せない中小企業にも検討できるような、広く応用できるBIツールの開発に関心を持つようになってきた。この動きは[[クラウドコンピューティング|クラウド・ホスティング]]が広がる動きと同時期のことであり、データもアプリケーションもネットに接続された外部のサーバーに置く[[SaaS]]型のBIシステムが登場することになる<ref>[http://www.compudata.com/cloud-bi/ "Cloud BI: 5 Benefits of Cloud Business Intelligence"], ''compudata.com'',.</ref>。
インターネットが常時接続・高速化する以前は、BIシステムは自社運用のサーバーに導入され自社で維持管理する、高額な[[オンプレミス]]型のシステムであった。[[2000年代]]に入り、企業向けソフトウェアメーカーは、導入金額が比較的安く、メンテナンス費があまり出せない中小企業にも検討できるような、広く応用できるBIツールの開発に関心を持つようになってきた。この動きは[[クラウドコンピューティング|クラウド・ホスティング]]が広がる動きと同時期のことであり、データもアプリケーションもネットに接続された外部のサーバーに置く[[SaaS]]型のBIシステムが登場することになる<ref>[http://www.compudata.com/cloud-bi/ "Cloud BI: 5 Benefits of Cloud Business Intelligence"], ''compudata.com'',.</ref>。


[[2006年]]以降、データ保管やデータ管理のクラウドホスティング化の進行により、モバイル対応も進行した。オフィスの外でも、微調整されたデータを検索し、分析し、グラフなどの形でビジュアル化された分析結果を手に入れることが可能になった。また、専用ソフトではなく[[ブラウザ]]に対応したバージョンが大きな成功を収めたことを受け、ベンダー各社は[[Android (オペレーティングシステム)|Android]] や[[IOS (アップル)|iOS]] に特化したモバイル専用製品もリリースしている<ref>[http://searchbusinessanalytics.techtarget.com/feature/Mobile-business-intelligence-brings-benefits-and-barriers "Mobile business intelligence brings benefits -- and barriers"], ''searchbusinessanalytics.techtarget.com'',.</ref>。
[[2006年]]以降、データ保管やデータ管理のクラウドホスティング化の進行により、モバイル対応も進行した。オフィスの外でも、微調整されたデータを検索し、分析し、グラフなどの形でビジュアル化された分析結果を手に入れることが可能になった。また、専用ソフトではなく[[ブラウザ]]に対応したバージョンが大きな成功を収めたことを受け、ベンダー各社は[[Android (オペレーティングシステム)|Android]] や[[IOS (Apple)|iOS]] に特化したモバイル専用製品もリリースしている<ref>[http://searchbusinessanalytics.techtarget.com/feature/Mobile-business-intelligence-brings-benefits-and-barriers "Mobile business intelligence brings benefits -- and barriers"], ''searchbusinessanalytics.techtarget.com'',.</ref>。


== 種類 ==
== 種類 ==

2021年5月21日 (金) 01:20時点における版

BIツール(BIシステム、ビジネス・インテリジェンス・ツール英語: Business Intelligence tools)とは、企業の基幹システムで生成されたデータを、ユーザ自身が抽出・加工するためのアプリケーションソフトウェアである。加工したデータは企業の意思決定に利用される[1]

ビジネスインテリジェンスとは、企業内の各種システムや各部門に散在する巨大な規模のデータを収集し、データウェアハウスデータマートなどに保管し、データアナリストが様々な切り口で分析してビジュアル化されたレポートを作成し、それをもとに経営者が意思決定を行うことであるが、これを人手で行うのではなく、経営者などのユーザーがシステムを操作して収集・分析・レポート作成まで自分自身で行えるようにするのがBIツールである。

当月のデータ収集のために翌月まで待ったり、Excelなどを使った分析に時間をかけたり、分析の切り口を変えてレポートを再提出させたりすることがないため、現時点でのデータをリアルタイムで収集・分析して、即時に経営判断を下すことも可能になる。

歴史

1958年にIBMの研究者であるハンス・ピーター・ルーン英語版が「A Business Intelligence System」と題する論文を書き、今日のビジネス・インテリジェンス・ツールや機械学習につながる概念を紹介している。彼はビジネスインテリジェンスの父と呼ばれているが[2]、データを蓄積し分析するためのコンピューターの進歩には時間がかかった。

最初の包括的なビジネス・インテリジェンス・ツールは、1970年代にIBMやシーベル・システムズ(2006年にオラクルが買収)などが開発した[3][4]。同時期に、中小のソフトウェア会社が様々なアイデアを提案して成長し、今日の大手システム会社につながっている[5]

1988年ローマで専門家やベンダー企業が集まって「マルチウェイデータ解析コンソーシアム(Multiway Data Analysis Consortium)」が組織された。集まった専門家らは巨大なデータの管理と解析をいかに効率的に行うか、普通の企業にも手の届く価格で提供できるかについて検討した。2000年までに、アメリカ合衆国などの大手ソフトウェア企業から、データ分析システムやレポート作成システムが数多く現れた[6]

インターネットが常時接続・高速化する以前は、BIシステムは自社運用のサーバーに導入され自社で維持管理する、高額なオンプレミス型のシステムであった。2000年代に入り、企業向けソフトウェアメーカーは、導入金額が比較的安く、メンテナンス費があまり出せない中小企業にも検討できるような、広く応用できるBIツールの開発に関心を持つようになってきた。この動きはクラウド・ホスティングが広がる動きと同時期のことであり、データもアプリケーションもネットに接続された外部のサーバーに置くSaaS型のBIシステムが登場することになる[7]

2006年以降、データ保管やデータ管理のクラウドホスティング化の進行により、モバイル対応も進行した。オフィスの外でも、微調整されたデータを検索し、分析し、グラフなどの形でビジュアル化された分析結果を手に入れることが可能になった。また、専用ソフトではなくブラウザに対応したバージョンが大きな成功を収めたことを受け、ベンダー各社はAndroidiOS に特化したモバイル専用製品もリリースしている[8]

種類

BIツールの主要なカテゴリには以下のものがある。

ExcelGoogle スプレッドシートを使っての表計算、抽出、グラフや表の作成
  • リポート・ジェネレータ
データベースからのデータの抽出(クエリ)、並べ替え、各種帳票(リポート)の作成
適切なグラフや表を一画面で一覧できる「ダッシュボード」を作成する
巨大なデータを分析し、パターン発見・クラスタ発見・予測などを行う
  • ビジネス・アクティビティ・モニタリング (Business Activity Monitoring)
ビジネスの遂行状況を監視し、警告を受け取ったり分析をしたりする
過去の全データを、目的別・時系列で蓄積し、分析に最適化された形で保存し、瞬時に取り出すシステム
  • ローカル・インフォメーション・システム(Local information systems)
地域ごとのデータを蓄積し、分析するシステム
  • データクレンジング(Data cleansing)[10]
データの中の誤記や表記ゆれや重複を修正・削除してデータ品質を高める

スプレッドシートを除き、BIツールは単独アプリケーション、様々なソフトが一式となったソフトウェアスイートERP(企業資源計画)ソフトウェアのコンポーネント、特別な業界向けの基幹情報システムの一機能として提供されている。データウェアハウスシステムにBIツールが付属してくることもある。

BIツールの製品

BIツールにはオープンソースソフトウェアであるものがあり、その中でもApache HiveD3.js、KNIME、Orange、Pentaho、R言語などといった無料の製品と、JasperReports、Palo、Pentaho、TACTICなど有料の製品がある。

プロプライエタリな製品には、無料の製品のほか、オラクル、マイクロソフト、IBMなどの大手企業から出ている有料製品まで多数のものがある。

BIツール開発企業

参考資料