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2021年5月23日 (日) 03:56時点における版

マシナリウム
Machinarium
ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 PCWindows, OS X, Linux
Windows Phone
iOS
BlackBerry
Android
PlayStation 3
PlayStation Vita
PlayStation 4
Nintendo Switch
開発元 Amanita Design英語版
発売元 Amanita Design
PLAYISM日本の旗 PS3, PS Vita, PS4)
デザイナー Jakub Dvorský
音楽 Tomáš Dvořák
人数 1人
発売日 PC, Win Phone:2009年10月16日
iOS:2011年9月8日
BlackBerry:2011年11月21日
Android:2012年5月10日
PS3
欧州連合の旗 2012年9月6日[1]
アメリカ合衆国の旗 2012年10月9日
日本の旗 2014年12月24日[2]
PS Vita
アメリカ合衆国の旗 2013年3月26日
欧州連合の旗 2013年5月1日
日本の旗 2014年12月24日[2]
PS4
日本の旗 2016年9月1日
アメリカ合衆国の旗 2016年9月21日
欧州連合の旗 2016年10月18日
Switch
日本の旗アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗 2018年11月1日
対象年齢 IARC:7+
CEROA(全年齢対象)
ESRBE10+(10歳以上)
PEGI7
USK:0
コンテンツアイコン IARC:軽い暴力
ESRB:Comic Mischief, Use of Tobacco
PEGI:Violence
エンジン Adobe Flash
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マシナリウム』(: Machinarium)は、チェコインディーゲームスタジオAmanita Design英語版によって開発されたポイント・アンド・クリックアドベンチャーゲーム。日本語版はPLAYISMがローカライズを行っている。

ゲームプレイ

マシナリウムの目的は、パズルクイズなどを解くことにある。パズルは、従来のいわゆる「ポイント・アンド・クリック」系アドベンチャー・ストーリーに見られるオーバーワールドによってリンクされ、プレイヤーは手の届く範囲オブジェクトのみをクリックできる。

マシナリウムには台詞が一切存在しない。その代わりにアニメの吹き出しが使われており、独特の世界観が形成されている。イースター・エッグとして収録されているバッグストーリーでは一部の場面でのみ吹き出しが使用されている。

2つのヒントシステムがあり、レベルが上がるごとに1回ヒントを見られるが、段々と曖昧な内容になっていくものと、ミニゲームをクリアすることでいつでも閲覧できる手引書がついている。台詞と同様、攻略の手引きには文字も言葉もなく、その時のパズルとその解決法が、スケッチを通じて説明されている。

プロット

高い塔の頂上から街を見下ろすところから物語は始まる。ジョセフと呼ばれるロボット[Note 1]はスクラップとして捨てられるが、自分を直して動き出す。街に行くと塔を爆破しようとする3人の犯罪者、Black Cap Brotherhoodを目撃するが、ジョセフは発見され捕まってしまう。監禁場所から逃れて市民を助け始めると悪戯を働いているBrotherhoodを発見、彼らの部屋を水浸しにさせ(無力化させたまま)料理をさせられている自分のガールフレンドのベルタを探す。彼女はまだ助け出せないため塔を昇っていく。塔に仕掛けられた爆弾を解除、最上階に到達するとそこで今までの経緯が判明。街の「頭("head")」の巨大ロボットが部屋の中央に鎮座、無能力化していた。ジョセフはBlack Cap Brotherhoodを倒し、彼らはその場でベルタを誘拐するまで3人で幸せに暮らしていたことを思い出す。Brotherhoodの計画を阻止、ベルタを助け出した。2人は友人たちに別れを告げ、夕日に向って旅立つ。

開発

マシナリウムは7人のチェコ人の開発者によって3年をかけて開発された。資金は自らの貯金を使ったという。マーケティング予算はたった1000ドルだった[4]

Xbox 360用ゲームとして半年間開発した。Xbox Live Arcadeで配信される予定だったがMicrosoftは最終的に配信しないことにした。開発者たちはゲームを発表するために第三者へアプローチすることに消極的だった。Xbox Live Arcadeの売上から開発者への利益が大きく減る事を意味している。アマニタ・デザインはソニーへアプローチ、PlayStationネットワークで配信するためゲームを提出した[5]

続編に関しては、「可能性はある」が、「そこまで先のことはあまり考えない」とJakub Dvorskýが述べている。[6]

評価

評価
集計結果
媒体結果
GameRankings(PC) 84.3%[7]
Metacritic(iOS) 88/100[8]
(PSV) 88/100[9]
(PC) 85/100[10]
(PS3) 78/100[11]
レビュー結果
媒体結果
Edge8/10[12]
Eurogamer8/10[13]
ファミ通32/40[14]
GameSpot8.0/10[15]
IGN(PS3) 8.0/10[16]
(PC) 8.1/10[17]
PC Gamer UK73%[18]
PC Gamer US79%[19]
受賞
媒体受賞
IGFExcellence in Visual Art (2009)[17]
KotakuPC Game of the Year 2009 Runner-up[20]
AggieBest Independent Adventure[21], Best Adventure of 2009 Runner-Up, Best Graphic Design[22], Best Music[23], Best Animation[24]
IndiecadeAesthetics (2008)[25]

ゲームレビューサイトのGame RankingsMetacriticでは84.78%と85%という平均スコアを得た。[17][10]

PS4版はファミ通クロスレビューでは8、8、8、8の32点でゴールド殿堂入り[14]。レビュアーは体が伸び縮みするなどのロボットの愛嬌のあるアクション、謎解き、アイテムのひねった使い道、ヒントの見せ方、グラフィック、アニメーション、BGMを賞賛した[14]。また、「BestPickofThisWeek! 今週はコレを買え!」では同じ号でレビューした10作品のうち、レビュアー6人中4人が本作を選んだ[26]

第12回目のIndependent Games Festival[27]にてExcellence in Visual Art賞を受賞し、PC Gamerの2009年度のベスト・サウンドトラック賞も受賞した。[28] Academy of Interactive Arts & Sciences[29]よりOutstanding Achievement in Art Direction賞にノミネートされ、Paris Game Festivalではベスト・インディーズ・ゲームのカテゴリーでMilthon賞にもノミネートされた。[30]

ゲーミングサイトのKotakuにはTorchlightとともに「PC Game of the Year 2009」賞にもノミネートされ、2位に。受賞したのはEmpire: Total Warだった。[31]Gamasutra、Gamerview、そしてトルコのTom's HardwareもMachinariumを「Best Indie Game of 2009」とした。[32][33][34]AceGamezもMachinariumを「Best Traditional Adventure Game of 2009」とした。[35]

2011年、Adventure Gamersアドベンチャーゲームトップ100で本作を17位に選んだ[36]

海賊恩赦

2010年8月5日、Adventure Gamers調べによれば本作を購入したプレイヤーは全体の5-15%だったと発表した[37]。売上増のため価格が20ドルから5ドルに値下げされ[38]、8月12日までだったキャンペーンは8月16日まで延長[39]、この「恩赦」期間中に2万本売り上げた[40]

サウンドトラック

Tomáš Dvořák が作詞、作曲、ミックス、プロデュースした。2009年10月21日にデジタル・フォーマット(mp3とFLAC)でリリースされた。アルバムには14曲が含まれている。

Machinariumが2009年度のPC Gamerベスト・サウンドトラック賞を受賞した。[41]

エディション

ヤクブ・ドヴォルスキー(デザイナー)
Tomáš Dvořák(コンポ―サー、サウンドトラック)

マシナリウムはいくつかのパッケージ、デジタルフォーマットで発売された

  • パッケージ
    • Machinarium Collector's Edition (イギリス版) – DVD、デジタル形式のサウンドトラック、サウンドトラックCD、プリントウォークスルー、A3ポスター付属、コンセプトアートを収録。OS:Windows、Mac(Linuxなし)[42]。2010年3月5日発売。
    • Mашинариум (Machinarium) (ロシア版) – DVD、サウンドトラックCD付属。OS:Windows、Mac(Linuxなし)[43]
    • Machinarium (ドイツ版) – ゲームディスク、サウンドトラックCD、Samorost 2、ポスター付属。OS:Windows、Mac(Linuxなし)[44]
    • Machinarium (フランス版) – ゲームディスク、サウンドトラックCD、Samorost 2、ポスター付属。OS:Windows、Mac(Linuxなし)[45]
    • Machinarium (イタリア版) – ゲームディスク。OS:Windows(Mac、Linuxなし)[46]
    • Machinarium (チェコ版) – ゲームディスク、MP3サウンドトラック付属。OS:Windows、Mac(Linuxなし)[47]
    • Machinarium (スロバキア版) – ゲームディスク、MP3サウンドトラック付属。OS:Windows(Linuxなし)[47]
    • Machinarium (ポーランド版) – ゲームDVD、サウンドトラック、FLAC/MP3デジタル形式のEPアルバムポースター付属DVD。OS:Windows、Mac(特製の金属箱に梱包)[48]
  • デジタル
    • Amanita Design Store – Win、Mac、Linux版。FLAC/MP3形式のサウンドトラック収録。2009年10月16日発売[49]
    • Steam – Win版、Mac版。2009年10月16日発売[50]
    • GOG.com – Win、Mac、Linux版。「Machinarium:Collector's Edition」にはゲームの他、サウンドトラック、アートワーク、資料が特典[51]
    • Desura – Win、Mac、Linux版。サウンドトラック収録。2010年12月19日発売[52][53]
    • Impulse – Win版[54]
    • Direct2Drive – Win版[55]
    • GamersGate – Win、Mac版[56]
    • Mac App Store – Mac版。2011年3月18日発売[57]
    • Playism (日本) – Win、Mac版。2011年5月11日発売[58]
  • 家庭用ゲーム機
  • 発売中止
    • Xbox 360(XBLA) - 発売に向けて半年制作。だがXbox Live Arcadeでは発売しないことをMicrosoftが決定[5]
    • WiiWiiウェア) - 発売予定はあったが、2011年11月時点でWiiウェアの40MB制限を理由に中止[59]
  • タブレット
  • 動作可能な他のプラットフォーム

その他のメディア

ジョセフはプラットフォーム・ゲームのSuper Meat Boyではプレイヤーキャラクターとして登場[61]ilomiloではカメオ出演、アマニタ・デザイン第2作のBotaniculaにもカメオ出演した。

ジョセフはFabian Gonzalezが制作したVideo Game Character alphabetにも登場。

ジョセフはRunner2とキャラクターDLCとしてコラボレーションした。

本作とそのサウンドトラックはEstablishment Magazine Issue 1で発表されたAndrew Galanの詩『The Machingeon』に影響を与えた[62]

脚注

注釈

  1. ^ 「ロボット」という言葉を考案したヨゼフ・チャペックに由来[3]

出典

  1. ^ Machinarium”. 2012年9月8日閲覧。
  2. ^ a b PLAYISMのPSプラットフォーム対応ソフト第1弾「TorqueL」「Machinarium」が配信開始”. 4Gamer.net (2014年12月24日). 2019年8月1日閲覧。
  3. ^ Game Reviews – Machinarium (PC)”. Digital Spy. 2010年2月15日閲覧。
  4. ^ "The 12th Annual Independent Games Festival – Finalists and Winners". ThinkServices. 2010年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月16日閲覧
  5. ^ a b "Machinarium dev moves on to Sony after Microsoft passes on publishing its critical darling". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  6. ^ Matthew Reynolds (2011年3月28日). “Exclusive: 'Machinarium' coming to PS3, Wii in 2011”. Digital Spy. http://www.digitalspy.co.uk/gaming/news/a311437/machinarium-coming-to-ps3-wii-in-2011.html 2011年5月5日閲覧。 
  7. ^ Machinarium for PC”. GameRankings. 2010年1月2日閲覧。
  8. ^ Machinarium”. Metacritic. 16 January 2016閲覧。
  9. ^ Machinarium”. Metacritic. 16 January 2016閲覧。
  10. ^ a b Machinarium (pc) reviews”. Metacritic. 2010年1月3日閲覧。
  11. ^ Machinarium”. Metacritic. 16 January 2016閲覧。
  12. ^ Machinarium (PC) Review”. Edge Online. p. 1 (15 October 2009). 2009年10月16日閲覧。
  13. ^ Whitehead, Dan (17 October 2009). “Machinarium (PC) Review”. EuroGamer. p. 2. 2009年10月16日閲覧。
  14. ^ a b c ファミ通2016年9月29日号 No.1450 271ページ
  15. ^ Machinarium Review”. Gamespot.com. p. 1 (9 November 2009). 2010年1月3日閲覧。
  16. ^ Machinarium Review”. IGN.com (18 September 2012). 18 September 2012閲覧。
  17. ^ a b c Machinarium Review”. IGN.com (20 October 2009). 18 September 2012閲覧。
  18. ^ PC Gamer UK Jan 2010, page 75
  19. ^ PC Gamer US Christmas 2009, page 98
  20. ^ The Best PC Games Of 2009”. Kotaku (22 January 2010). 17 June 2018閲覧。
  21. ^ 2009 Aggie Awards - page 15”. Adventure Gamers (February 17, 2010). 17 June 2018閲覧。
  22. ^ 2009 Aggie Awards - page 8”. Adventure Gamers (February 17, 2010). 17 June 2018閲覧。
  23. ^ 2009 Aggie Awards - page 10”. Adventure Gamers (February 17, 2010). 17 June 2018閲覧。
  24. ^ 2009 Aggie Awards - page 9”. Adventure Gamers (February 17, 2010). 17 June 2018閲覧。
  25. ^ Browse by Award Winners”. Indiecade (n.d.). 17 June 2018閲覧。
  26. ^ ファミ通2016年9月29日号 No.1450 273ページ
  27. ^ Wake up to video game sleeper hits”. MSNBC. 2009年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月18日閲覧。
  28. ^ Machinarium Has The Best Soundtrack Of The Year (2009) According To PC Gamer”. Amanita Design Blog. 2010年8月25日閲覧。
  29. ^ Awards Category Details: Outstanding Achievement in Art Direction”. Academy of Interactive Arts & Sciences. 22 October 2010閲覧。
  30. ^ "Milthon European Games Awards - 2010 Nominees". 2012年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月25日閲覧
  31. ^ “The Best PC Games Of 2009”. Kotaku (Gawker Media). (21 January 2010). http://kotaku.com/5452366/the-best-pc-games-of-2009 22 October 2010閲覧。 
  32. ^ "Gamasutra's Best Of 2009: Top 10 Indie Games". Gamasutra. 2010年8月26日閲覧
  33. ^ Os Melhores do Ano 2009” (ポルトガル語). Gamerview. 2009年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月26日閲覧。
  34. ^ Yılın Bağımsız Yapımı” (トルコ語). tom's oyun. 2010年8月26日閲覧。
  35. ^ "The Acegamez Awards 2009 – Winners". AceGamez. 2010年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月26日閲覧
  36. ^ AG Staff (30 December 2011). "Top 100 All-Time Adventure Games". Adventure Gamers. 2012年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  37. ^ Machinarium Pirate Amnesty”. Amanita Design Blog. 2010年8月25日閲覧。
  38. ^ Machinarium suffers 90% piracy rate, offers $5 amnesty sale”. Ars Technica. 2010年8月25日閲覧。
  39. ^ Machinarium Pirate Amnesty Extended, Stats Revealed”. Amanita Design Blog. 2010年8月25日閲覧。
  40. ^ Pirate Amnesty Is Over”. Amanita Design Blog. 2010年8月25日閲覧。
  41. ^ Machinarium Has The Best Soundtrack Of The Year (2009) According To PC Gamer”. Amanita Design Blog. 2010年8月25日閲覧。
  42. ^ Machinarium Collector's Edition page at Lace Mamba Global website
  43. ^ Машинариум”. 16 January 2016閲覧。
  44. ^ Machinarium (German Edition) website
  45. ^ Machinarium (French Edition) website
  46. ^ Machinarium”. Multiplayer.it. 16 January 2016閲覧。
  47. ^ a b Security Check Required”. 16 January 2016閲覧。
  48. ^ Polish publisher's website. Archived 20 January 2012 at the Wayback Machine.
  49. ^ Store – Amanita Design”. 16 January 2016閲覧。
  50. ^ Machinarium on Steam”. 16 January 2016閲覧。
  51. ^ Machinarium: Collector's Edition for download $9.99”. GOG.com. 2013年8月17日閲覧。
  52. ^ Machinarium Windows, Mac, Linux game”. Desura. 16 January 2016閲覧。
  53. ^ Engadget”. Engadget. 16 January 2016閲覧。
  54. ^ PC Games”. 16 January 2016閲覧。
  55. ^ Machinarium on Direct2Drive
  56. ^ Machinarium”. GamersGate. 16 January 2016閲覧。
  57. ^ Amanita Design s.r.o (18 March 2011). “Machinarium”. Mac App Store. 16 January 2016閲覧。
  58. ^ Machinarium on Playism Archived 17 May 2011 at the Wayback Machine.
  59. ^ James Newton (2010年9月9日). “XGen Studios Readying Machinarium and Super Motherload for WiiWare”. Nintendo Life. http://wiiware.nintendolife.com/news/2010/09/xgen_studios_readying_machinarium_and_super_motherload_for_wiiware 2010年9月10日閲覧。 
  60. ^ “Machinarium on webOS”. オリジナルの27 September 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110927045028/http://forums.precentral.net/hp-touchpad-apps/290298-machinarium-webos.html 
  61. ^ Josef from Machinarium is in Super Meat Boy PC”. destructoid.com. 2010年11月13日閲覧。
  62. ^ "Establishment Magazine Issue 1". The Machingeon. The United Kingdom: Knives Forks and Spoons Press. August 2012. p. 50. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)

外部リンク