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「緊急避妊薬」の版間の差分

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審議委員の指摘する「欧米では確かに(緊急避妊薬)がOTC化(オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ(Over The Counter Drug))されているようです。欧米では20代の90%以上の方が経口避妊薬を使用している状況にあり、避妊薬に慣れているのです。」と引き合いに出して緊急避妊薬が否決されたが、日本において経口避妊薬が普及しないその大きな要因は経口避妊薬ピルの認可には日本は世界でももっとも遅いといえる44年の年月を要した<ref>{{cite web|url=https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75982|title=昔の記事で発覚…低用量ピル承認前「男性たちが恐れたこと」の衝撃|author=福田和子|publisher=現代ビシネス|date=2020-09-29|accessdate=2020-10-08}}</ref>こともピルの常用化につながっていない現状を生み出している。
審議委員の指摘する「欧米では確かに(緊急避妊薬)がOTC化(オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ(Over The Counter Drug))されているようです。欧米では20代の90%以上の方が経口避妊薬を使用している状況にあり、避妊薬に慣れているのです。」と引き合いに出して緊急避妊薬が否決されたが、日本において経口避妊薬が普及しないその大きな要因は経口避妊薬ピルの認可には日本は世界でももっとも遅いといえる44年の年月を要した<ref>{{cite web|url=https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75982|title=昔の記事で発覚…低用量ピル承認前「男性たちが恐れたこと」の衝撃|author=福田和子|publisher=現代ビシネス|date=2020-09-29|accessdate=2020-10-08}}</ref>こともピルの常用化につながっていない現状を生み出している。


初認の遅れに対し、当時の国会議員円より子が質問すると厚労省は欧米で副作用が小さいことが、欧米の女性と日本の女性はからだが違うため結びつかないとの趣旨を答弁をしている<ref>{{cite web|url=https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020081700013.html?page=2|title=新型コロナ危機下の「全国一斉休校」で10代の妊娠が増えた!|author=円より子|date-2020-8-19|accessdate=2021-1-10}}</ref>。
初認の遅れに対し、当時の国会議員円より子が質問すると厚労省は欧米で副作用が小さいことが、欧米の女性と日本の女性はからだが違うため結びつかないとの趣旨を答弁をしている<ref>{{cite web|url=https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020081700013.html?page=2|title=新型コロナ危機下の「全国一斉休校」で10代の妊娠が増えた!|author=円より子|date=2020-8-19|accessdate=2021-1-10}}</ref>。


2020年7月にNHKのニュース番組で、緊急避妊薬の処方箋なしの薬局販売に反対する理由として、産婦人科医会副会長が、若い女性への性教育の場が少なく「次も使えばいいや」という安易な考えに流されてしまうことを懸念する発言をしたところ物議を醸した<ref>{{cite web|url=https://biz-journal.jp/2020/07/post_171066.html|title=産婦人科医会副会長、NHKで緊急避妊薬めぐり「安易な考えに流れてしまう」発言が物議|publisher=Business Journal |date=2020年7月29日|accessdate=2020-10-18}}</ref>。
2020年7月にNHKのニュース番組で、緊急避妊薬の処方箋なしの薬局販売に反対する理由として、産婦人科医会副会長が、若い女性への性教育の場が少なく「次も使えばいいや」という安易な考えに流されてしまうことを懸念する発言をしたところ物議を醸した<ref>{{cite web|url=https://biz-journal.jp/2020/07/post_171066.html|title=産婦人科医会副会長、NHKで緊急避妊薬めぐり「安易な考えに流れてしまう」発言が物議|publisher=Business Journal |date=2020年7月29日|accessdate=2020-10-18}}</ref>。

2021年6月12日 (土) 03:19時点における版

緊急避妊薬(きんきゅうひにんやく)とは、性交の後に服用し妊娠を回避するための経口剤のことで、避妊に失敗した場合や望まない妊娠を防ぐために用いる[1]事後避妊薬緊急避妊ピルモーニングアフターピルECP(emergency contraceptive pill)とも呼ばれる[1]

概要

緊急避妊薬は、避妊措置に失敗、または避妊措置を講じなかった性行為後に緊急的に用いるものであり、通常の経口避妊薬のように計画的に妊娠を回避するものではない。1970年代よりYuzpe(ヤッペ)法と呼ばれる中容量ピルを使った緊急避妊法は欧米で実施されており、日本でも「医師の判断と責任」によって緊急避妊法としてホルモン配合剤あるいは銅付加子宮内避妊具が利用されてきた。1999年にレボノルゲストレル錠が "NorLevo®" としてフランスで正式に商品化され、WHOもレボノルゲストレルの導入を後押しした。日本ではピルと同様に導入が遅れ、2011年2月23日に緊急避妊薬ノルレボ®として承認された(アジアで認可していないのは日本と北朝鮮だけであった)。

作用機序

ノルレボの添付文書においては

【薬効薬理】本剤の子宮内膜に及ぼす作用,脱落膜腫形成に及ぼす作用,受精卵着床に及ぼす作用,子宮頸機能に及ぼす作用及び排卵・受精に及ぼす作用に関する各種非臨床試験を行った結果,本剤は主として排卵抑制作用により避妊効果を示すことが示唆され,その他に受精阻害作用及び受精卵着床阻害作用も関与する可能性が考えられた.
あすか製薬、ノルレボ添付文書

という説明になっている。 またYuzpe法(後述)の作用機序についても

1.血中LHピークの前に投与した場合/血中LHピークの低下や遅延により,無排卵,遅延排卵,または黄体期の短縮を起こす.
2.血中LHピークの後に投与した場合/血中プロゲステロン濃度の低下や子宮内膜の発育異常などの黄体機能不全を起こす.
南山堂、Pill 経口避妊法のすべて

との文献が1989年時点である。

ヤッペ法

ノルレボの発売まで緊急避妊法として日本で最も一般的に行われてきた方法が、1970年代に発表されたYuzpe(ヤッペ)法である。この方法は性交後72時間以内に0.5mgのdl‐ノルゲストレル(NGR)と0.05mgのエチニルエストラジオール(EE)を含有する「いわゆる」中用量ピルを2錠、さらにその12時間後に2錠を服用するというものである[2]。前述したように「医師の判断と責任」によってすでに緊急避妊以外の適用で承認されている薬剤であるプラノバール配合錠が転用されてきたのだが、中用量ピルであれば緊急避妊として使用できると誤解している婦人科医師がおり、ソフィアA(1錠中ノルエチステロン 1.00mg,メストラノール0.05mg)、ソフィアC(1錠中ノルエチステロン 2.00mg,メストラノール0.10mg)などをプラノバール配合錠(1錠中ノルゲストレル 0.5mg,エチニルエストラジオール 0.05mg)と同様の方法で処方されていることから、インターネットなどで情報を得ている女性の間でも不安が広がった[3]

レボノルゲストレル

ノルレボ®はレボノルゲストレル(LNG)0.75mg錠で、性交後72時間以内に(できる限り速やかに)確実に2錠服用する。72時間を過ぎたケースでは、IUDやミレーナの留置で対応される。

ノルレボ®による作用機序は十分には解明されていないが、その効果は主に着床の阻害よりも排卵の抑制あるいは排卵の遅延によるものと考えられている。卵胞期(排卵前)に使用することによって排卵過程を妨げることが明らかにされている。LHサージ前(卵胞サイズ15mm未満)に緊急避妊薬の投与がされると、約80%の女性でその後5日以内の排卵が阻害されるか、あるいは排卵障害(LHサージの消失、もしくは卵胞破裂後にLHサージが現れる)が起こる。したがって緊急避妊薬を排卵前に投与することによって、その後5~7日間排卵が抑制され、その期間に女性の性器内に進入しているすべての精子が受精能力を失うことになる。また排卵後の服用であった場合黄体期のLH濃度の低下と黄体期の短縮での避妊効果を発揮する根拠となる[4]

緊急避妊薬の禁忌は、本剤の成分に対する過敏症の既往がある場合、重篤な肝機能障害のある場合(代謝能の低下により肝臓への負担が増加し、症状が増悪する可能性があるため)、妊婦(成立した妊娠には効果がないため)[5]子宮外妊娠の既往がある場合、卵管炎の既往がある場合、あなた自身又は家族に血栓症(血液凝固)の既往がある場合、食物や薬の吸収を妨げる重度の消化管障害(疾患)を有する場合、又はクローン病のような重篤な吸収不良症候群を有する場合[要出典]である。その他肝障害のある場合、心疾患・腎疾患又はその既往歴のある場合(電解質代謝への影響によるナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪する可能性があるため)にも慎重を要する[5]。また、重度の消化管障害あるいは消化管の吸収不良症候群がある場合,本剤の有効性が期待できないおそれがある[5]

副作用は、消退出血(46.2%)、不正子宮出血(13.8%)、頭痛(12.3%)、悪心(9.2%)、閨怠感(7.7%)などがあり、その他にめまい、腹痛、嘔吐、下痢、乳房の痛み、月経遅延、月経過多、疲労などがある[5]。妊娠回避効果は100%ではなく、排卵日付近の性交渉ではレボノルゲストレルを使っても81 - 84%である[5]

ノルレボ錠は国内の第Ⅲ相臨床試験において、性交後72時間以内にノルレボを1回経口投与した結果、解析対象例63例のうち、妊娠例は1例で、妊娠阻止率は81.0%であった[6]

全ての妊娠が防げるわけではなく、性交後72時間を超えて本剤を服用した場合には63%であり、妊娠阻止率が減弱する傾向がみられた[7]

国内で認可されているノルレボは、売上ベースで年間11万個の販売に対し、日本国内の人工中絶は年間におよそ16万8千件(平成28年度・厚生労働省)で、1日にすると国内の中絶数は460件という結果から、緊急避妊薬にリーチできない人が多数であることを懸念し、性交後120時間(丸5日間)以内の服用で効果がある「ella(エラ)」というアフターピルを処方する医師もいる[8]

緊急避妊薬の市販薬化について

日本では、緊急避妊薬レボノルゲストレルは、2011年の承認時より医師の診察が必要な処方箋医薬品である[4]

厚生労働省の医療用から要指導・一般用医薬品への転用に関する評価検討会議では、緊急避妊薬レボノルゲストレルの市販化について審議されたが、アメリカ合衆国などの緊急避妊ピルを常時使用している環境と比較し、性教育の不十分さや薬剤師の知識不足による誤解を懸念して、日本産婦人科医会が反対を表明している[9]

アメリカ合衆国では、大学区校内の自動販売機で緊急避妊薬が購入できる一方、日本において人工妊娠中絶は、疾病でなく自由診療で相場は15万円前後であるため、緊急避妊薬が容易に手に入るような環境が広まると、結果として産婦人科医の人工妊娠中絶の件数減少により収入が減る可能を、産婦人科医が懸念する可能性を指摘する意見がある[10]

日本では、女性の9人に1人が人工妊娠中絶を経験しているとの統計があり[11]、平成30年度件数は出生数92万[12]に対し人工中絶件数は16万を超える[13]

「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(平成30年3月厚生労働省)により、初診から遠隔医療での処方が許容されることになった[14][15]

ノルレボは薬価未収載、プラノバールは収載品ではあるが、緊急避妊は医療保険が効かない自由診療となる。全国展開のドラッグストアでは、オンライン処方による緊急避妊薬の取り扱いを全店舗で開始している[16]

処方箋なしでの薬局販売は2017年の厚生労働省の「処方箋医薬品」から、「要指導・一般用医薬品」への転用に関する評価検討会議で、緊急避妊薬の市販化について審議の場において、性教育そのものが、日本はまだヨーロッパやアメリカ合衆国からかなり遅れていることも理由として、一般用医薬品へのOTC化が否決されている[17]

日本では妊娠を回避する緊急避妊薬(アフターピル)の「ノルレボ錠」が2011年に承認され、2019年3月には国産の後発薬[注釈 1]が登場したものの、医師の診断なしには処方されず、かつ公的保険の対象外で高価であるため、世界保健機関が2018年に勧告した「意図しない妊娠のリスクを抱えた全ての女性は緊急避妊薬にアクセスする権利がある」に対してまだ大きな課題を抱えている[19]

アフターピル・低用量ピルの処方及び妊娠に関することは保険適用外で自費負担となり、一部の医療機関での本人確認で用いられる以外には健康保険証は必要ない。また基本的には問診のみで処方してもらえ、内診(股からの診察)や検査はない[20]。ただし性暴力被害の場合のアフターピル処方には公費負担がある[21]

用語解説(暫定版)

  • OTC:Over The Counter(市販薬・大衆薬・OTC医薬品)[22]
  • スイッチOTC:医師の処方箋が必要な「処方薬(医療用医薬品)」から、薬局で販売可能な「市販薬(一般用医薬品)」へ切り替えするということ。
  • OC:Oral Contraceptives(経口避妊薬・低容量ピル)
  • EC:Emergency Contraception(緊急避妊法), Emergency Contraceptive pills(緊急避妊薬)

2017年

緊急避妊薬に関するパブリックコメントは「今は時期尚早で否ですという形でパブコメを行うということ」という前提で行われ、[23]9月11日から1ヵ月間受け付けられ、全部で348件。賛成が320件、反対はわずか28件だったにも関わらず、国民の意思が反映されない決着となった[24]

2017年、スイッチOTC検討会の委員、鈴木邦彦・日本医師会常任理事は、望まない妊娠を減らしたいという考え方そのものに反対ではないとしつつも、審議会の議論について、医師の関与の必要性、緊急避妊薬への国民の理解度、販売体制の問題が示され、とてもOTCにできないという結論であり、反対意見ばかりで賛成は誰もいなかったとの見解を示している[25]

検討会議の場で薬剤師会もまた緊急避妊薬のOTC化について現状制度ではスイッチ後、原則3年で第1類医薬品になるとして反対している[26]

2017年12月に医師向けサイトで行われた産婦人科医師124名へのアンケートでは、緊急避妊薬のOTC化について、賛成・どちらかというと賛成が26%、反対・どちらかというと反対が47%、どちらでもないが27%という結果となった[27]

2019年

2019年5月、産婦人科医の有志9人による産婦人科医への緊急アンケート(n=559)では、6割以上がアフターピルの市販化とオンライン処方のいずれも肯定している。ただし主催者の医師は緊急避妊薬のオンライン診療が解禁になった場合も性暴力被害者に限定されたり、オンライン診療を行っている産婦人科医を探すならば今よりアクセスしやすいかと疑問を呈している[28]

2019年に行われたオンライン診療指針見直し検討会では、ささえあい医療人権センターCOML理事長 山口育子構成員が、産婦人科受診に抵抗を感じる女性が多いため、その受診に精神的な負担のあるときもオンライン診療を可能とすべきと述べ、諸外国では薬局で緊急避妊薬を購入できるところもある補足した。それに対し、「『精神的負担のあるとき』との表現はあまりに広すぎだ」と牽制し、諸外国と日本の文化が異なることを掲げ、対象が無制限に広がってはいけないとの指摘も多数でた(今村聡構成員:日本医師会副会長、黒木春郎構成員:医療法人社団嗣業の会理事長・日本オンライン診療研究会会長ら)[29]

検討会の傍聴者の一人は、検討委員の今村聡の発言、「(緊急避妊薬へのアクセスが)無制限に広がってしまうのも困るという思いがあります。」がWHO勧告に逆行するとして疑問を呈している[30]

2020年 ​

2019年、オンライン診療に関する国の検討会では検討会委員12人のうち女性は1人であった[31]

厚生労働省処方箋医薬品から要指導・一般用医薬品への転用に関する評価検討会議で、経口妊娠中絶薬の市販化について審議されたが、アメリカなどの緊急避妊ピルを常時使用している環境と比較して、参考人として招聘された国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院副理事長 矢野哲と公益社団法人日本産婦人科医会常務理事 宮崎亮一郎より性教育の不十分さや薬剤師の知識不足による誤解などを懸念することが述べられ、日本産科婦人科学会も反対理由として表明している[32]ことが不許可の背景となっている。

宮崎参考人は前述の会議で彼自身の薬剤師の妻が「ピルの話になると全くチンプンカンプン」であるため薬剤師は知識不十分であるとした発言をしている。不許可に対しドラッグストアの業界団体や一部薬剤師らが反発し、一部の産婦人科医からも、緊急避妊薬は早ければ早いほど効果があることを述べ、休日で病院が開いていない際に女性を守る視点が欠けているとの意見もあった。薬剤師からは「医師と薬剤師の関係性」について対等ではないパターナリズムの文脈があると指摘する声もある[33]

実際に販売する際の対応に不安を抱く薬剤師のために、京都大学SPH薬局情報グループは、薬剤師向けのアフターピルの学習動画を2020年11月6日から公開している。理解力に関するアンケートも実施している。「薬剤師なんかに任せたら性暴力も見逃してただ売るだけになる。」との産婦人科医意見があったことへの反発をきっかけにして京都大学の特定講師の薬剤師と博士課程在籍の医師が作成した[34]

審議委員の指摘する「欧米では確かに(緊急避妊薬)がOTC化(オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ(Over The Counter Drug))されているようです。欧米では20代の90%以上の方が経口避妊薬を使用している状況にあり、避妊薬に慣れているのです。」と引き合いに出して緊急避妊薬が否決されたが、日本において経口避妊薬が普及しないその大きな要因は経口避妊薬ピルの認可には日本は世界でももっとも遅いといえる44年の年月を要した[35]こともピルの常用化につながっていない現状を生み出している。

初認の遅れに対し、当時の国会議員円より子が質問すると厚労省は欧米で副作用が小さいことが、欧米の女性と日本の女性はからだが違うため結びつかないとの趣旨を答弁をしている[36]

2020年7月にNHKのニュース番組で、緊急避妊薬の処方箋なしの薬局販売に反対する理由として、産婦人科医会副会長が、若い女性への性教育の場が少なく「次も使えばいいや」という安易な考えに流されてしまうことを懸念する発言をしたところ物議を醸した[37]

2020年7月、厚生労働省の医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議では、委員16名中女性は3名であった[38]

2020年10月、日本産婦人科医会(木下勝之会長)は知識不足である女性が気軽に薬局で購入できる状況になることを憂慮し、まだ早いとの意見を述べている[39]

2020年10月、政府が性交直後の服用で妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について、医師の処方箋がなくても2021年より薬局で購入できるようにする方針を固めたと報道された[40]

内閣府の第5次男女共同参画基本計画素案には、「避妊をしなかった、又は、避妊手段が適切かつ十分でなかった結果、予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性の求めに応じて、緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上で対面で服用させることを条件に、処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する。」という文言が盛り込まれた[41]

これに対する緊急避妊薬に対する日本医師会猪口雄二副会長の会見では、薬局でなく産婦人科で取り扱われる緊急避妊薬のアクセスの悪さが指摘されていることを述べ、専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上で対面で服用させるとの同調査会の提言には同意を示している[42]

2020年10月、市民団体が、緊急避妊薬を処方箋がなくても、薬局で購入できるよう求めることに賛同する10万7000人分の署名を、厚生労働省に提出した[43]

2020年10月現在、市民団体が、緊急避妊薬を医師の処方箋がなくても薬局で購入できるよう求めることに賛同する10万7000人分の署名を厚生労働省に提出した[44]が、その処方箋なしでの薬局販売は2017年の厚生労働省の「処方箋医薬品」から、「要指導・一般用医薬品」への転用に関する評価検討会議で、緊急避妊薬の市販化について審議の場において性教育そのものが、日本はまだヨーロッパアメリカからかなり遅れていることも理由として承認が否決されている。

2020年12月、日本産科婦人科学会の木村正理事長は定例記者会見で「いろんな条件が成熟していない」とし、導入に極めて慎重な姿勢を示している[45]

日本産科婦人科学会の木村正理事長は学会代表あいさつでリプロダクティブ・ヘルスの概念を日本の女性にあまねく享受を目的として述べている[46]

日本に住む学齢期の10代を初め、既卒者であり既に経産婦も含まれる20~40代の妊孕性がある女性達が、国内において海外の多くで使用される緊急避妊薬を入手するという同等の権利を得るための要件として関係者から述べられる、既卒者にも届く「性教育の普及」や薬の悪用・乱用を防ぐなどの「いろんな条件」解消に向けては、医師自身も寄与することがその立場上要されている。現役の産婦人科医からは「性教育が先」論については、これまで性教育を十分に受けてこられなかった女性に対して何の救済もないことを指摘し、性教育充実もアフターピルへのアクセスも両方一刻も早い対応を求める声がある[47]

2020年10月、田村厚労相は緊急避妊薬薬局での販売について「これまでの議論を踏まえ、しっかり検討していく」と述べたが解禁の時期は「期限を区切ってとは考えていない」と明言を避けている[48]

厚生労働省は厚生労働省設置法により、「国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ること」を任務としている。性教育が不十分なことが過去のピル承認の遅れやアフターピルや中絶薬承認や市販化への障壁であるならば、既卒者に届く性に対する正しい知識を提供することは厚生労働省の責務となっている。医師からはアフターピルの議論が男性を中心に行われてきたことに対し、本来、避妊やその方法は、社会全体の問題であると同時に、まずは「女性の生き方」の問題で「女性の生きる権利」の一部あるとの指摘がある[49]

第5次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方についての公聴会及び意見募集に寄せられた意見では、20代の女性からは女性達自身が避妊の知識があるからアフターピルを薬局で購入を望むのに、なぜ「私たちが無知」という前提にされるのか、望まぬ性交で積極的にできる避妊方法であるアフターピルが速やかに利用できない憤りと、女性が自分の人生や自分の身体を管理することをこの国は認めないと怒りを表明している[50]

2020年10月、厚生労働省が開催した「第12回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(スイッチOTC検討会議)において、これまでスイッチの可否を握ってきた検討会が、スイッチ促進へ向けた課題解決案を話し合う場へと姿を変える見通しとなった。スイッチが停滞してきた状況が打破される予期とメンバーのドラッグストア関係者なども加入する可能性が報道されている。医療用医薬品で義務化された服薬フォローアップの実施を含め、薬を渡しっぱなしではない関りを店頭ができれば、国民へのQOL向上に資する意義は大きいと期待されている[51]

2020年11月、日本保健薬局協会は、薬剤師の技量を磨き緊急避妊薬をOTCとして薬局で提供することは可能と思うとの見解を示している[52]

薬剤師のオンライン処方研修会も順次執り行われている[53]

2021年

一連の緊急避妊薬OTC化未承認問題については、2021年2月The Lancet Regional health western pacificにも掲載された[54]

2021年6月、厚生労働省の「医療用から用指導・一般化への転用に関する評価検討委員会議」では再度スイッチOTC化の要望があった緊急避妊薬(レボノルゲストレル)についての審議が再開された[55]

フランスでの事例

避妊は1920年成立法で禁止され、中絶もまた違法だった。避妊合法化法案はそれ以前にも11回国会提議され、全てが棄却だったが、1966年、リュシアン・ヌヴィルス議員がシャルル・ド=ゴール大統領に、避妊とは女性が自分の体を自分で管理する権利であるとの観点から説得し、法案提出の末合法化された[56]。中絶の合法化の審議では、女性政治家シモーヌ・ヴェイユが、その演説で過去も現在も未来も喜んで中絶する女性は皆無であり、それを確信するためには女性に聞けば十分であるとの発言を行い、可決された。法律は「ヴェイユ法」と呼ばれている。[57]。フランス女男平等高等評議会のクレール・ギュイロー事務局長はインタビューで、男性が子孫を残すことを目的として、男性優位社会では女性自身の産児制限が禁止されてきた歴史に触れ、女性自身が出産のコントロールをする社会は女性が男性に支配されていない証との見解を示している[58]

アメリカでの事例

アメリカでは2013年より年齢制限などなく誰でも処方箋なしで「プランB」と呼ばれる緊急避妊の購入が可能となった[59]

ジャーナル紙の調査では、アメリカ食品医薬品局FDAの決定にも関わらず、10代の若者の覆面調査では薬局で容易に緊急避妊薬を入手できたのは28%のみにとどまり、3%が氏名などの個人情報を確認されたと問題視されている。またDr. Ian Bishop医学博士はこの薬は中絶を引き起こさず排卵を遅らせる機能があるが、誤解が利用の議論を生んでいると指摘している[60]

2019年、米国産科婦人科学会(ACOG)は避妊に関する声明を改め、腟リングや避妊パッチを含めた全ての避妊薬を市販薬(OTC)として、処方箋なしで販売すべきだとの見解を「Obstetrics & Gynecology」10月号に発表している。またDMPA(デポ型酢酸メドロキシプロゲステロン)注射薬についても、年齢制限なく処方箋なしで販売すべきだとし、女性が避妊薬にアクセスするのを阻む障壁を取り除くべきだと主張している[61]

アメリカでは19歳までに3分の2は性交を経験する。しかし性的暴行は、青年期の意図しない妊娠のリスクに関連する1つの要因でであり、発達障害やその他の障害を持つ若者は、同級生よりも性的虐待や暴行を経験するリスクがさらに高い可能性がある。また性的活動の低下ではなく、避妊の使用の改善が、過去10年間の米国の10代の若者の妊娠リスクの低下の最も重要な要因となっている。高水準の10代の出産に憂慮し、米国小児科学会は10代の妊娠を減らすための1つの公衆衛生戦略として定期的なカウンセリングを奨励し、EC処方箋を進める方針を持ち、ノルレボ錠(EC)の投与の前には使用前に身体検査や妊娠検査は必要ないとしている。またEC使用後3週間期間内に月経がない場合は、自宅または診療所での妊娠検査を推奨している[62]

カナダでの事例

2000年12月からブリティッシュコロンビア州では、薬剤師が処方箋なしで緊急避妊薬が提供されているがその調査ではECの繰り返し使用は、ユーザーのわずか2.1%のが研究期間中に3回以上緊急避妊を受けている状況で稀だった[63]

イギリスでの事例

緊急避妊薬はイギリスでは2001年に処方箋なしで購入できる薬局薬として承認されているが、薬剤師との相談を要するため訓練を受けた薬剤師の不在や在庫不十分のため調査では5人に1人が薬を入手できなかった。法の要件ではないその場で飲むことや身分の証明を求められた事例もあった。このため一般販売用医薬品に切り替えるべきとの見解がある[64]

オーストラリアでの事例

オーストラリアでは薬剤師に緊急避妊を求める女性が購入前に、性的暴行または性感染症の症状があるかどうかを宣言するように求める問診に記述するように誤って指導されることが問題視されている。ニューサウスウェールズ州家族計画のメディカルディレクターであるデボラベイトソン博士はプライベートな質問が個室ではない場所で行われることで女性に恥をかかせ、購入を思いとどまらせる可能性を懸念し、また緊急避妊薬は「非常に安全な」薬であり、世界の一部の地域のスーパーマーケットや自動販売機でさえ調剤されたと付け加えている[65]

ドイツでの事例

ドイツでは、有効成分レボノルゲストレルまたはウリプリスタル酢酸塩を含む独自の医薬品が、処方箋なしで緊急避妊薬として利用できる。既存の妊娠が疑われる場合は、活性物質ウリプリスタルアセテート(UPA)は禁忌としているが、発覚していないものを含めた既存の妊娠の場合でも1.5mgのレボノルゲストレルの単回投与は問題ではないとしている[66]

日本での事例

緊急避妊薬が処方されたクリニックではのべ1414人の女性の緊急避妊薬の処方についての処方状況を確認したところ、処方理由としては、コンドームが破れた・外れたが最多であり、次いでコンドームをつけなかったという理由が多かった[67]

日本では薬剤の転売や薬害などのリスクもあるとされ、「3週間後に確実に産婦人科医を受診するよう求める」「産婦人科専門医など、高度な専門知識をもつ医師のみに限定する」「1回分のみの処方とし、調剤薬局の薬剤師が内服の事実を確認する」などの厳格な要件を設定する方針でオンライン診療指針見直し検討会が行われた[68]

日本産科婦人科学会編「緊急避妊法の適正使用に関する指針」(平成28年度改訂版)でも異所性妊娠について総合的にはレボノルゲストレルによってこのリスクは増加しないことと、既に妊娠していた場合、反復投与によって流産が誘発されることはないと述べている。ただし、副作用として服用後は、3.6%に悪心が認められ、2時間以内に嘔吐した場合追加服用を要するとあるが、診療時間外であった場合の示唆はない[69]

『フランス・ジャポン・エコー』編集長レジス・アルノーからは、経口妊娠中絶薬はすべての先進国、それに発展途上国の多くでも認可され中国やウズベキスタンの女性も手に入れているにも関わらず厚生労働省は、経口妊娠中絶薬についてFDAの古い危険という、誤った見解の情報を発し続けてリンク切れを起こしている[70][71]、ことを指摘しており、認可されていない状況を憂いている[72]

ハーバード大学パブリックヘルス大学院博士(国際保健)、東京大学薬学部学士である赤地葉子も厚生労働省の「ミフェプレックス(MIFEPREX)(わが国で未承認の経口妊娠中絶薬)に関する注意喚起について」は古い情報に基づくものと指摘している[73]

セルフメディケーションのスイッチOTC化の承認状況一覧では女性固有の問題である膣カンジダ症の承認に25年以上かかる一方、発毛剤では6年という短期間で承認されている[74][75]

ピル承認時に婦人科に行きピルを処方する際に性病の検査をしたほうがいいとの議論があり、その項目は女性に必要ならば男性にも必要で、女性に失礼だとの黒川清委員の見解で削除された。当時の審議会の構成には女性は2名しか参加していなかったことも述べられている[76]

避妊器具の効果

銅付加子宮内避妊器具IUDは避妊をしなかった性行為の後、5日以内に子宮内に挿入すると、緊急避妊の方法としてほぼ100%の効果があり、希望があれば長期的な避妊手段として入れたままにしておくことも可能である[77]

費用の問題

人工妊娠中絶の件数が減った場合に、医療機関の収入が減る可能性を医師が懸念すると主張する意見もあり[78]、妊娠中絶が産婦人科医や医療機関にとっての収入源となっていると言う者もある[79]

医師会が「時期尚早」という理論でアフターピルOTC化や経口中絶薬を見送る背景には、人工中絶費用は自由診療にあたるため患者の自費負担で15~30万円が相場であるが、推計240~510億円ほどの産業規模のマーケットであるためその費用も病院には貴重な収入源であることが指摘されている[80]

クリニックの中には、12週までの中絶手術をWHOの推奨する手動真空吸引法で行い、費用は9万円で休診曜日なく、アフターピルも4800円、全ての施術について料金表で明示している医院もある。しかしノルレボ錠ではなく前時代的で副作用が強いヤッペ法を安価で処方する医院もあるため注意を要する。

安全性など

日本やポーランド、アイルランド等のミフェプリストンが未認可の国々では、掻爬術あるいは吸引処置が選択されるが、子宮穿孔や出血などの合併症のリスクが高く安全性において「薬物による中絶」に大きく劣る。ミフェプリストンが開発される以前は、妊娠初期であっても吸引術や掻破術がファーストチョイスとして選択されていたが、ミフェプリストンが認可された国々ではリスクの問題のためにファーストチョイスとされない。また、子宮内膜が薄くなる子宮内膜菲薄化、子宮に穴が開いてしまう子宮穿孔や術後にアッシャーマン症候群を起こすことがあり、不妊症となるケースがあるのも欠点となっている。海外では30年以上前から使用され、安全な中絶・流産の方法としてWHOの必須医薬品にも指定されている経口中絶薬(ミフェプリストンミソプロストール)は日本では中絶や流産に対しての適応は許可されていない[81]

厚生労働省は2018年、インターネットでインド製と表示された経口妊娠中絶薬を個人輸入し服用した20代の女性に、多量の出血やけいれん、腹痛などの健康被害が起きていたと発表し、個人輸入規制の強化を図った[82]

バイアグラが個人輸入による健康被害を生み、スピード承認の運びとなったことと対比的な動きとなっている。不妊治療中、流産の掻爬手術を麻酔なしに2回受けたバイオリニストは心身ともにつらい経験だったことを著作で語っている[83]

WHOによると懸念される子宮外妊娠は、以前は緊急避妊薬使用に対する禁忌と考えられていたが、55,666人の女性事例のうち5件子宮外妊娠しか報告されていないので、ECは安全であると考えることができるとされている[84]

さまざまな意見

日本においても、世界で承認されている、子宮内避妊システムの小さいものの利用、腕に入れるインプラント、皮膚に貼るシールの利用を含め「産む・産まない」の選択を女性自身が決める「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」の権利が尊重される必要がある[85]

カナダに拠点をおく非営利団体「ウィメン・オン・ウェブ(Women on Web)」(WoW)はオンライン診療を通して日本人女性にも避妊薬・妊娠中絶薬を処方しており、メールは日本語でも可能である。厚労省によると、WoWを通じて処方を受ける場合には制度上「個人輸入」にあたり医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき医師の診断書や指示書が必要になるが、国外の医師の処方せんもこの指示書にあたるため問題がないとされる。しかし、本人を含む、母体保護法指定医以外の人が中絶をした場合、刑法上の堕胎罪に当たる可能性があることも報道されている。この団体代表者レベッカ・ゴンパーツ医師は、社会権規約(ICESCR)に批准している日本政府には、避妊薬、その他の避妊方法、緊急避妊薬、中絶薬を含むWHOの必須医薬品を確保する義務があるため、日本の女性たちには中絶薬を使う権利を持ち中絶薬は安全であり世界中で使用されていると表明している。日本からWoWに連絡をした女性たち、支援を受けた女性たちは年々増加し、2011年から2020年までに合計4175件の相談件数と、2286件の避妊薬・妊娠中絶薬の発送件数があった[86]

承認までの試験

日本では医薬品開発を目的とした臨床試験(治験)は,第Ⅰ相,第Ⅱ相,第Ⅲ相などの開発相を経てPMDAでの1年の承認審査後、承認可能と判断された場合には厚生労働省の薬事・食品衛生審議会に諮問され、承認して差し支えないと判断されれば厚生労働大臣により承認されるというプロセスを経る[87]

もともと胃潰瘍などの治療薬として承認済である経口中絶薬に使用するミフェプリストン、ミソプロストールは第Ⅲ相試験を2020年8月に終了している状態にある[88]

日本では女性の9人に1人が人工妊娠中絶を経験しているとの統計があり[89]、平成30年度件数は出生数92万[90]に対し人工妊娠中絶件数は16万を超える[91]

三大疾病と比較し心疾患での死亡数が年間約20万例よりやや少ないが、脳血管障害での108165人の死亡者数よりも多い[92] [93]

新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスについて米疾病予防管理センター(CDC)が2020年11月6日に公表した最新調査結果では妊婦は同じ年齢層の妊娠していない女性と比べて、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化や死亡のリスクが高いと報道されている[94]

薬局で日常的に市販されれば緊急避妊による来院者を増やす必要がなくなる。現在では、直接対面ではなく、コロナ影響化によりオンライン診療及びオンライン処方で研修を受けた医師と薬剤師が処方することが可能となっている。産婦人科だけではなく総合病院が脳神経外科や眼科医師も処方可能リストに名を連ねている[95]

コロナ禍による影響を受けた若年層の妊娠不安増加を背景として緊急経口避妊薬の市販化への議論が高まったが、日本産婦人科医会の前田津紀夫副会長は「日本では若い女性に対する性教育、避妊も含めてちゃんと教育してあげられる場があまりにも少ない」「“じゃあ次も使えばいいや”という安易な考えに流れてしまうことを心配している」と2020年7月にNHKでコメントし、物議を醸した[96]

緊急避妊薬への批判と受容

また緊急避妊薬は受精卵の着床を阻止する作用もあるとして、命(受精卵)を強制的に殺すことであるといった生命倫理上の批判もある[要出典]

日本カトリック司教協議会はノルレボ錠の承認に反対意見を表明し、受精卵を着床しにくくしたり、着床が十分に完成する前に受精卵を流産させる極早期化学的中絶作用を持つとされているため、「その服用は積極的な中絶を目指しており、道徳的に認められない」と指摘している[97]

WHOのファクトシートによると、。緊急避妊の使用に絶対的な医学的禁忌はなく、かつ緊急避妊薬は排卵を予防または遅らせることによって妊娠を防ぎ、中絶を誘発しない。緊急避妊は、確立された妊娠を中断したり、発達中の胚に害を与えることはできないことが明記されている[98]

ドイツにおいて2つのカトリック病院が、報告されたレイプ被害者に緊急避妊薬を提供することを拒否したことに対し起こった非難活動に対し、ドイツの司教たちは2013年2月にバチカン当局の承認を受け、レイプされた女性の薬物療法によって排卵を防ぐ「モーニングアフターピル」の投薬を受け入れた。なおミフェプリストンまたはRU-486という薬に基づくいわゆる中絶薬に対する教会の禁止に変更はない[99]

脚注

注釈

  1. ^ 富士製薬工業の「レボノルゲストレル錠」[18]

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関連項目

外部リンク