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「人生オワタの大冒険」の版間の差分

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本作は、「孔明の罠{{efn|「[[諸葛亮|諸葛孔明]]の策略のように相手を見事に引っ掛ける罠」という意味の[[インターネットスラング]]。転じて、コンピュータゲームにおいては「初回のプレイでは否応なくミスを強いられてしまうような、予測困難なトラップや敵の攻撃」を指すスラングとして用いられる。[[横山光輝]]の漫画『[[三国志 (横山光輝の漫画)|三国志]]』において、[[司馬懿]]が孔明の策に嵌ることを恐れて過剰に警戒し、些細なことにも「待て あわてるな これは孔明の罠だ」と疑いを向けていたことに由来する。}}」と呼ばれるような即死トラップが多数存在し、その死の理不尽さから「鬼畜ゲー」「[[覚えゲー|死にゲー]]」などと呼ばれるようになり<ref name="gigazine20200818">{{Cite web|title=伝説の死にゲー続編「人生オワタの大冒険2」がAdobe Flash Playerの終了前に登場、実際に遊んでみた|url=https://gigazine.net/news/20200818-flash-owata-game/|website=GIGAZINE|accessdate=2021-01-21|date=2020年08月18日}}</ref>、2000年代中盤に人気を博した{{R|:0}}。
本作は、「孔明の罠{{efn|「[[諸葛亮|諸葛孔明]]の策略のように相手を見事に引っ掛ける罠」という意味の[[インターネットスラング]]。転じて、コンピュータゲームにおいては「初回のプレイでは否応なくミスを強いられてしまうような、予測困難なトラップや敵の攻撃」を指すスラングとして用いられる。[[横山光輝]]の漫画『[[三国志 (横山光輝の漫画)|三国志]]』において、[[司馬懿]]が孔明の策に嵌ることを恐れて過剰に警戒し、些細なことにも「待て あわてるな これは孔明の罠だ」と疑いを向けていたことに由来する。}}」と呼ばれるような即死トラップが多数存在し、その死の理不尽さから「鬼畜ゲー」「[[覚えゲー|死にゲー]]」などと呼ばれるようになり<ref name="gigazine20200818">{{Cite web|title=伝説の死にゲー続編「人生オワタの大冒険2」がAdobe Flash Playerの終了前に登場、実際に遊んでみた|url=https://gigazine.net/news/20200818-flash-owata-game/|website=GIGAZINE|accessdate=2021-01-21|date=2020年08月18日}}</ref>、2000年代中盤に人気を博した{{R|:0}}。


また、本作はサントリーのコーヒー飲料[[BOSSコーヒー|クラフトボス]]のWEB動画『Flash Back Memories』の中でも取り上げられた{{R|:0}}<ref>{{Cite web|title=Flashサポート終了を機に懐かしのインターネットを振り返る、「クラフトボス」WEB動画「Flash Back Memories」を公開|url=https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1069.html|website=サントリー|accessdate=2021-01-21|}}</ref>。
また、本作はサントリーのコーヒー飲料[[ボス (コーヒー)|クラフトボス]]のWEB動画『Flash Back Memories』の中でも取り上げられた{{R|:0}}<ref>{{Cite web|title=Flashサポート終了を機に懐かしのインターネットを振り返る、「クラフトボス」WEB動画「Flash Back Memories」を公開|url=https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1069.html|website=サントリー|accessdate=2021-01-21|}}</ref>。


=== 他作品への影響 ===
=== 他作品への影響 ===

2021年6月14日 (月) 14:32時点における版

人生オワタの大冒険』(じんせいオワタのだいぼうけん)は、インディーズゲーム製作者のキングによって2000年代に無料公開されていたブラウザゲームFlashゲーム)である[1][2][3]

本作は2ちゃんねるで生み出されたキャラクター「人生オワタ」をプレイヤーに据えたアクションゲームであり[4]、ステージ内にはキャラクターが即死するトラップが大量に用意されていることから、「死にゲー」として知られており、『I Wanna Be the Guy』などにも影響を与えた[5]

2020年8月15日には続編となる『人生オワタの大冒険2』が公開され、両作品とも2020年末のAdobe Flash Playerサービス終了によりプレイ不可能になった[3][6]

本項では、『人生オワタの大冒険2』についても併せて解説する。

内容

本作は「\(^o^)/」でしばしば表記されるキャラクター「人生オワタ」が、ジャンプとオワタバスター[注釈 1]を駆使しながら2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)で使用されている大量のアスキーアート(AA)によって張り巡らされたトラップを潜り抜けてゴールを目指すという内容の横スクロールゲームである[4][7][8]

元々の「人生オワタ」という概念は樹海で自殺することを目指しており、本作においても「人生オワタ」が指すものは同義である[4]

本作は主人公である「人生オワタ」が何度も死を迎える一方、リプレイに対するペナルティは低く、「R」キーを押すだけで、プレイ中のステージのスタート地点に戻ることができる[4]

続編である『人生オワタの大冒険2』は、樹海から崩壊が迫っており、Flashサポート終了という確実な死が目前に控えている状態のアスキーアートの世界を舞台として、消えゆくアスキーアートの世界を攻略することを主眼としている[4][9]

制作

キングは本作の経緯について、おたくま経済新聞[10]およびガジェット通信[5]からの取材に対して話している。

元々キングは2ちゃんねるのアスキーアート板をよく利用しており、特に人生オワタを気に入っていた[10]。 この時、オワタを題材としたFLASHアニメが掲示板内のスレッドにアップロードされており、キングはこれをアニメーションにしたら面白いだろうと考えるようになった[10]。 FLASHアニメやFLASHゲームを気に入っていたことから、当時大学生だった彼は本作の体験版を作り、2007年正月に公開した[10]。 この体験版はAdobe Flashの勉強と練習を目的としていたが、一日に10万件のアクセスが殺到するほどの話題性を得たことから、さらなるブラッシュアップがすすめられ、2007年末に未完成扱いで公開された[10][5]。 その後、2009年9月に完成版として公開され、『I Wanna Be the Guy』(以下『IWBTG』)のグラフィックを用いた追加ステージが用意された[10][5]

制作(人生オワタの大冒険2)

2020年8月15日には続編となる『人生オワタの大冒険2』が公開された[3][6]

同作の公開にあたり、作者のキングは「Flashもあと少しで終わるので、令和最初で最後のFlashゲームとして本作を作った」という旨のツイートを行なっているほか[11]、電ファミニコゲーマーの記事によると、キングは『2』の制作にあたり3ヶ月ほど休業したとされている[4]。『2』の音楽はキングの別作品『ロッコちゃん』などへの楽曲提供も行ったAsagenが担当している[4]

反響

本作は、「孔明の罠[注釈 2]」と呼ばれるような即死トラップが多数存在し、その死の理不尽さから「鬼畜ゲー」「死にゲー」などと呼ばれるようになり[12]、2000年代中盤に人気を博した[2]

また、本作はサントリーのコーヒー飲料クラフトボスのWEB動画『Flash Back Memories』の中でも取り上げられた[2][13]

他作品への影響

本作のゲームデザインは『IWBTG』に影響を与え、そこからさらに『Super Meat Boy』や『Celeste』にも影響が及び、最終的には「死にゲー」というジャンルの基本システムとなった[4][6]。 その後、本作の完成版に『IWBTG』のグラフィックを取り入れたステージが追加された際、『IWBTG』の作者であるMichael "Kayin" O'Reillyはキングあてに感謝のメールを送った[5]

これとは別に、ゲーム制作者のちくも本作に影響を受けて『しょぼんのアクション』を制作したと公言している[注釈 3][14]ほか、ゲーム『Undertale』の作者であるトビー・フォックスも高校生の頃から本作のファンだとキングとのTwitter上でのやり取りにて明言している[15]

評価

ガジェット通信のshnskは、『人生オワタの大冒険2』について、ステージの区切りが簡略化されて遊びやすくなっていると評価している[6]GIGAZINEは、『人生オワタの大冒険2』について初代同様理不尽なトラップが多いがために、クリアした時の達成感が大きいと評価している[12]

脚注

注釈

  1. ^ 人生オワタの前腕に被せるように装着された銃で、前方に弾を射出して攻撃できる。『ロックマン』に登場する武器「ロックバスター」のオマージュである。
  2. ^ 諸葛孔明の策略のように相手を見事に引っ掛ける罠」という意味のインターネットスラング。転じて、コンピュータゲームにおいては「初回のプレイでは否応なくミスを強いられてしまうような、予測困難なトラップや敵の攻撃」を指すスラングとして用いられる。横山光輝の漫画『三国志』において、司馬懿が孔明の策に嵌ることを恐れて過剰に警戒し、些細なことにも「待て あわてるな これは孔明の罠だ」と疑いを向けていたことに由来する。
  3. ^ ちくは『しょぼんのアクション』制作後に『I Wanna Be the Guy』を知ったと振り返っている[14]

出典

  1. ^ 【座談会】Flashは滅びぬ! 何度でもよみがえるさ―― あのころ、僕らが夢中になった「Flashの時代」を振り返る(後編)”. ねとらぼ (2020年12月28日). 2021年1月22日閲覧。
  2. ^ a b c touge (2020年12月10日). “Flash動画全盛期を振り返る,クラフトボスのWebCMが本日公開。“ペリー”こと宮崎吐夢さんが,未来のクリエイターにエールを贈る”. www.4gamer.net. Aetas. 2021年1月21日閲覧。
  3. ^ a b c 王の巣窟”. king-soukutu.com. 2021年1月21日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 「死にゲー」2Dアクションに今なお影響を与え続ける伝説的死にゲーの続編『人生オワタの大冒険2』がFlashの終焉を前に公開”. 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない?. マレ. 2021年1月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e 『人生オワタ\(^o^)/の大冒険』作者に『IWBTG』作者から感謝のメール「あなたのゲームにインスパイアされた」 | ガジェット通信 GetNews”. ガジェット通信 GetNews (2010年5月13日). 2021年1月21日閲覧。
  6. ^ a b c d shnsk (2020年8月17日). “「令和最初で最後のFlashゲームとして作りました」 Flash Playerがサポート終了する2020年の夏に「人生オワタの大冒険2」が投下される”. ガジェット通信. 2021年1月21日閲覧。
  7. ^ 2020年だぞ! 伝説の死にゲー「人生オワタの大冒険」まさかの「2」が公開 FLASH終了までティウンティウンしようぜ”. ねとらぼ. 2021年1月21日閲覧。
  8. ^ 株式会社インプレス (2020年8月17日). “令和最初で最後のFlashゲーム? 「人生オワタ\(^o^)/の大冒険」にまさかの新作登場【やじうまWatch】”. INTERNET Watch. 2021年1月21日閲覧。
  9. ^ Yokoyama, Keiichi (2020年8月16日). “死にゲー2Dアクション『人生オワタの大冒険2』無料公開。Flashサポート終了が差し迫る中、まさかの新作が登場”. AUTOMATON. アクティブゲーミングメディア. 2021年1月21日閲覧。
  10. ^ a b c d e f otakumakeizai (2013年1月25日). “『人生オワタ\(^o^)/の大冒険』『ロッコちゃん』開発者のキング氏インタビュー(前編)”. おたくま経済新聞. 2021年1月21日閲覧。
  11. ^ @king_75 (2020年8月15日). "キング 20200815". X(旧Twitter)より2021年1月21日閲覧
  12. ^ a b 伝説の死にゲー続編「人生オワタの大冒険2」がAdobe Flash Playerの終了前に登場、実際に遊んでみた”. GIGAZINE (2020年8月18日). 2021年1月21日閲覧。
  13. ^ Flashサポート終了を機に懐かしのインターネットを振り返る、「クラフトボス」WEB動画「Flash Back Memories」を公開”. サントリー. 2021年1月21日閲覧。
  14. ^ a b しょぼんのアクションについてのどーでもいい話|レインボーロード - ウェイバックマシン(2010年7月19日アーカイブ分)
  15. ^ @tobyfox (2020年8月18日). "トビー・フォックスのツイート". X(旧Twitter)より2021年1月21日閲覧

外部リンク