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「伊豆急行8000系電車」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2015年10月11日 (日) 23:46 (UTC)|ソートキー=鉄}}
{{鉄道車両
{{鉄道車両
|車両名=伊豆急行8000系電車
| 車両名 = 伊豆急行8000系電車
|色=#0088dd
| 背景 = #0088dd
| 文字色 = #ffffff
|画像=Izukyu-Series8000-8006F.jpg
| 画像 = Izukyu-Series8000-8006F.jpg
|画像説明=[[伊東駅]]へ進入する8000系<br>(2018年7月29日)
| 画像幅 =
|unit=auto
| 画像説明 = [[伊東駅]]に入線する8000系電車(2018年7月)
|編成=3両編成(導入時は2両・4両編成)
| 運用者 = [[伊豆急行]]
|起動加速度=2.0
| 種車 = [[東京急行電鉄]][[東急8000系電車|8000系]]<br />東京急行電鉄[[東急8500系電車|8500系]]
|営業最高速度=100
| 改造所 = [[東急テクノシステム]][[東急テクノシステム#長津田工場|長津田工場]]
|設計最高速度=120
| 改造年 = [[2004年]] - [[2008年]]
|減速度(通常)=3.5
| 改造数 = 45両
|減速度(非常)=4.5
| 運用開始 = [[2005年]][[4月1日]]
|車両定員=
| 運用終了 =
|編成定員=
| 廃車 =
|全長=20,000
| 編成 = 2・4両編成→<br />3両編成
|全幅=2,800
| 軌間 = 1,067 mm
|全高=4,145mm<!-- パンタグラフ折りたたみ高さ -->または4,115<!-- パンタグラフを除いた高さ(パンタグラフ非搭載車の全高) -->
| 集電装置 =
|車両重量=30.8t(クハ8000形) - 37.5t(クモハ8150形)
| 電気方式 = [[直流電化|直流]] 1,500 V
|編成重量=
| 最高運転速度 =
|軌間=1,067
| 設計最高速度 =
|電気方式= [[直流電化|直流]]1,500V<br/>([[架空電車線方式]])
| 起動加速度 = 2.0 [[メートル毎秒毎秒|km/h/s]]
|主電動機= [[複巻整流子電動機]] 130kW
| 常用減速度 = 3.5 km/h/s
|編成出力=
| 非常減速度 = 4.5 km/h/s
|歯車比=85:16 (5.31)
| 減速度 =
|制御装置=[[電気車の速度制御#抵抗制御|抵抗制御]]・[[界磁チョッパ制御]]
| 編成定員 =
|駆動装置=[[中空軸平行カルダン駆動方式]]
| 車両定員 =
|ブレーキ方式=[[回生ブレーキ|回生制動]]併用[[電気指令式ブレーキ|全電気指令式電磁直通空気制動]]
| 車両重量 = 30.8t(クハ8000形)<br />37.5t(クモハ8150形)
|保安装置=[[自動列車停止装置#ATS-S改良形_(ATS-Sx形)|ATS-Si]], [[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]
| 編成重量 =
|製造メーカー=[[東急車輛製造]]<small>(種車)</small>
| 編成長 =
|改造所=[[東急テクノシステム]][[東急テクノシステム#長津田工場|長津田工場]]
| 全長 = 20,000 mm
|備考=
| 全幅 = 2,800 mm
| 全高 = 4,145 mm
| 床面高さ =
| 車体 = [[ステンレス鋼|ステンレス]]
| 台車 =
| 主電動機 = [[複巻整流子電動機]]
| 主電動機出力 = 130kW
| 駆動方式 = [[中空軸平行カルダン駆動方式]]
| 歯車比 = 85:16(5.31)
| 制御方式 = [[電気車の速度制御#抵抗制御|抵抗制御]]・[[界磁チョッパ制御]]
| 制御装置 =
| 制動装置 = [[回生ブレーキ|回生制動]]併用[[電気指令式ブレーキ|全電気指令式電磁直通空気制動]]
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-S改良形|ATS-Si]], [[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]
| 備考 =
| 備考全幅 =
}}
}}
'''伊豆急行8000系電車'''(いずきゅうこう8000けいでんしゃ)は[[伊豆急行]]が保有する[[電車]]。[[2005年]]([[平成]]17年)[[4月1日]]に営業運転を開始した。45両が在籍している
'''伊豆急行8000系電車'''(いずきゅうこう8000けいでんしゃ)は[[伊豆急行]]が保有する[[電車]]。[[2005年]]([[平成]]17年)[[4月1日]]に営業運転を開始した。


== 導入の経緯 ==
== 概要 ==
[[1990年代]]後半に[[伊豆急行100系電車|100系]]の老朽化のため、取替えに際し、代替車両の候補としてまず親会社である[[東電鉄]](東急)の[[東急8000系電車|8000系]]が挙がっていた。しかし当時は8000系を[[廃車 (鉄道)|廃車]]する予定がなかったことに加え、車内サービスを維持するための片側2扉に改造しての導入では[[伊東線]]との[[直通運転]]に適していないこともあり、本系列導入までのつなぎとして[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)より提示された[[国鉄113系電車|113系]]および[[国鉄115系電車|115系]]を[[伊豆急行200系電車|200系]]として導入した。
[[1990年代]]後半に[[伊豆急行100系電車|100系]]の老朽化のため、代替車両の候補としてまず親会社である[[東急電鉄]]の[[東急8000系電車|8000系]]が挙がっていた。しかし当時は8000系を[[廃車 (鉄道)|廃車]]する予定がなかったこともあり、本系列導入までのつなぎとして[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)より提示された[[国鉄113系電車|113系]]および[[国鉄115系電車|115系]]を[[伊豆急行200系電車|200系]]として導入した。


その後、[[2004年]](平成16年)に東急より[[東急8000系電車|8000系]]([[東急8500系電車|8500系]]1両を含む)を譲受し、順次改造・整備の上で導入。200系全車両と[[伊豆急行2100系電車|2100系]]「リゾート21」2編成を置き換えることとなった。
その後、[[2004年]](平成16年)に東急より8000系([[東急8500系電車|8500系]]1両を含む)を譲受し、順次改造・整備の上で導入。200系全車両と[[伊豆急行2100系電車|2100系]]「リゾート21」の一部編成を置き換えることとなった。


本系列導入の際、系列名はそのままに形式名・[[鉄道の車両番号|車両番号]]を8001 - に、「デハ」の呼称を「クモハ」「モハ」に振り直している。
本系列導入の際、形式はそのままに形式名・[[鉄道の車両番号|車両番号]]を8001 - に、「デハ」の呼称を「クモハ」「モハ」に振り直している。


== 構造 ==
== 形式・編成(導入時) ==
=== 車体・機器類 ===
以下のように2種類の編成と5種類(後に1種類追加)の形式が用意された。
制御装置などは基本的に東急時代のままであるが、MT比・[[自動列車停止装置|ATS]]と減速度の関係により、東急時代の運転最高速度110km/h、[[起動加速度]]3.3km/h/s(6M2T編成=MT比3:1の場合)から、最高速度100km/h、起動加速度2.0km/h/sに抑えられている。なお、[[回生ブレーキ]]は東急時代と同様単独車(現存しない)は45km/h、ユニット車は22km/hで[[回生ブレーキ#打ち切り|失効]]する。


クモハ8150形は東急8000系に制御電動車が存在しなかったために、走行機器付きの中間電動車・8100形に[[操縦席|運転台]]を設置することで用意された。増設された先頭部は上部の[[通過標識灯]](急行灯)や側面のコルゲート板<ref group="注">多数の凹凸 = [[リブ]]を持つ[[プレス加工]]されたひずみ防止用[[鋼|板材]]。技術の進歩により1990年代以降に落成したステンレス車両での採用例は少ない。</ref>はないものの、それ以外の形状はオリジナルの先頭車に準じた形状となっている。オリジナル車に残る通過表示灯は東急時代に使用が停止され、伊豆急行でも使用していないので、運行に支障はない。
=== 2両編成(編成番号T11 - )===
; クハ8050形(現・廃形式)
: 東急クハ8000形から改造された熱海・伊東向きの[[制御車]]。[[電動発電機]](MG)や[[静止形インバータ]](SIV)などの補機類を搭載していた。T11編成の8051のみ改造されたが<ref group="注">本系列は当初[[MT比]]を1:1ととり、さらに[[限流値]]を下げることで東急時代(2M2T編成で2.4 km/h/s)よりも[[起動加速度]]を落とす計画だった。</ref>、雨天・積雪時などの[[空転]]・[[滑走]]による遅延・立往生が続発して運転上の問題となったことから、[[2006年]](平成18年)[[3月]]に同車を電装し、クモハ8150形と2両ユニットを組ませてクモハ8250形に再改造され消滅した。これ以後増備されたT12編成以降は当初からクモハ8250形に改造されている。
; クモハ8250形
: 東急クハ8000形および伊豆急行クハ8050形から改造・再改造された熱海・伊東向きの制御電動車。モーター([[主電動機]])とパンタグラフが増設され、クモハ8150形と[[動力車#ユニット方式|ユニット]]を組んで使用される。
; クモハ8150形
: 東急デハ8100形・8700形から改造された伊豆急下田向きの制御電動車。[[主制御器]]や[[集電装置|パンタグラフ]]といった走行機器を搭載し、クモハ8250形とユニットを組んで使用される。

=== 4両編成(編成番号T1 - ) ===
; クハ8000形(熱海・伊東寄り)
: 東急クハ8000形から改造された制御車。SIVを搭載し、8011 - の車両番号が与えられている。
; モハ8200形
: 東急デハ8100形の車体と東急デハ8200形の床下機器を組み合わせて改造された中間電動車。[[圧縮機|空気圧縮機]] (CP)・SIVといった補機類とパンタグラフを搭載し、モハ8100形とユニットを組んで使用される。[[列車便所|トイレ]]も設置された。
; モハ8100形
: 東急デハ8100から改造された中間電動車。主制御器やパンタグラフといった走行機器を搭載し、モハ8200形とユニットを組んで使用される。
; クハ8000形(伊豆急下田寄り)
: 東急クハ8000形から改造された制御車。CPを搭載し、8001 - の車両番号が与えられている。

<gallery>
ファイル:Izukyu-8254.jpg|クモハ8250形
ファイル:Izukyu-8156.JPG|クモハ8150形
ファイル:izukyu-8014.JPG|クハ8000形<br/>熱海・伊東向き
ファイル:Izukyu8001 2.jpg|クハ8000形<br/>伊豆急下田向き(写真はトイレ設置改造前に撮影)
ファイル:izukyu-8206.JPG|モハ8200形<br/>トイレの新設に伴い、車端部の窓は[[ステンレス鋼]]板で塞がれた。
ファイル:Izukyu-8104.JPG|モハ8100形<br/>写真の車両は軽量ステンレス構造。屋根肩の形状が異なる。
ファイル:Izukyu-8000-Coupling.JPG|クハ8000形(右)と<br/>クモハ8150形(左)<br/>各部の形態のほか、改造時の表面研磨で光沢も異なる。
</gallery>

: 種車に東急8500系のデハ8700形が1両存在するが、もともと設計上8000系とは同じグループのため、形状、性能ともにそれほど差異はなく、改造時に他車と同じクモハ8150形に編入された。また、運転台も8000系に合わせた仕様で改造されているため、判別は難しい。
: 東急デハ8100形・デハ8700形を種車とする3形式は、熱海寄り車端部に両開き扉が設置されている。なお、先頭部にも[[貫通扉]]を有するが、幌は装備されておらず、非常時以外の通り抜けには対応していない。<ref group="注">ただし、非常時の脱出用として[[梯子]]が設置されている。</ref>

== 改造内容(東急 → 伊豆急行) ==
=== 機構 ===
制御装置などは基本的に東急時代のままであるが、MT比・[[自動列車停止装置|ATS]]と減速度の関係により、東急時代の運転最高速度110km/h、[[起動加速度]]3.3km/h/s(6M2T編成=MT比3:1の場合)から、最高速度100km/h、起動加速度2.0km/h/sに抑えられている。なお、[[回生ブレーキ]]は東急時代と同様単独車(現存しない)は45km/h、ユニット車は22km/hで[[回生ブレーキ#打ち切り|失効]]する。


外観は車体外部の帯が[[伊豆急行100系電車|100系]]をイメージした濃淡2色の水色(ハワイアンブルー)に変更されている。
クモハ8150形は東急8000系に制御電動車が存在しなかったために、走行機器付きの中間電動車・8100形に[[操縦席|運転台]]を設置することで用意された。増設された先頭部は上部の[[通過標識灯]](急行灯)や側面のコルゲート板<ref group="注">多数の凹凸 = [[リブ]]を持つ[[プレス加工]]された補強用[[鋼|板材]]。技術の進歩により1990年代以降に落成したステンレス車両での採用例は少ない。</ref>はないものの、それ以外の形状はオリジナルの先頭車に準じた形状となっている。オリジナル車に残る通過表示灯は東急時代に使用が停止され、伊豆急行でも使用していないので、運行に支障はない。


クモハ8250形は当初制御車のクハ8050形に改造される予定であったことから、クハ8050形の消滅後に改造された車両もクモハ8150形と異なり、東急クハ8000形から改造されている。離線対策のためにパンタグラフが新設されたが、搭載スペースが考慮されていなかったために、最も運転台側の[[エア・コンディショナー|冷房機]]1基が撤去され、その跡地に設置されている。さらに、冷却能力の低下を補うために運転台上部に新品の小型冷房機が設置された関係で、干渉を防ぐためにパンタグラフ形状は折りたたんだ際の占有面積の小さい、シングルアーム式となった。伊豆急行でのシングルアーム式パンタグラフの採用は、200系F3 - F8編成に次いで2例目である<ref group="注">200系に搭載されたシングルアームパンタグラフは、JR東日本在籍時に[[中央本線]]の雪害対策として菱形パンタグラフから交換されたものである。</ref>。
クモハ8250形は当初制御車のクハ8050形に改造される予定であったことから、クハ8050形の消滅後に改造された車両もクモハ8150形と異なり、東急クハ8000形から改造されている。離線対策のためにパンタグラフが新設されたが、搭載スペースが考慮されていなかったために、最も運転台側の[[エア・コンディショナー|冷房機]]1基が撤去され、その跡地に設置されている。さらに、冷却能力の低下を補うために運転台上部に新品の小型冷房機が設置された関係で、干渉を防ぐためにパンタグラフ形状は折りたたんだ際の占有面積の小さい、シングルアーム式となった。伊豆急行でのシングルアーム式パンタグラフの採用は、200系F3 - F8編成に次いで2例目である<ref group="注">200系に搭載されたシングルアームパンタグラフは、JR東日本在籍時に[[中央本線]]の雪害対策として菱形パンタグラフから交換されたものである。</ref>。


モハ8200形は短編成で運行するために離線対策として、パンタグラフを持つデハ8100形に東急デハ8200形の床下機器を移設して、東急デハ8200形相当のパンタグラフ付き車両に改造された。クモハ8250形も機構的にはモハ8200形に準じたものに改造されている。
モハ8200形は短編成で運行するために離線対策として、パンタグラフを持つデハ8100形に東急デハ8200形の床下機器を移設して、東急デハ8200形相当のパンタグラフ付き車両に改造された。クモハ8250形も機構的にはモハ8200形に準じたものに改造されている。

種車に東急8500系のデハ8700形が1両存在するが、もともと設計上8000系とは同じグループのため、形状、性能ともにそれほど差異はなく、改造時に他車と同じクモハ8150形に編入された。また、運転台も8000系に合わせた仕様で改造されているため、判別は難しい。


これら一連の改造には、東急8000系が解体された際に発生した部品が一部使用されている。
これら一連の改造には、東急8000系が解体された際に発生した部品が一部使用されている。
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先頭車には[[排障器]](スカート)と連結作業対策の[[連結器#電気連結器|電気連結器]]が設置された。排障器は[[東急9000系電車|東急9000系]]などと同じ形状である。
先頭車には[[排障器]](スカート)と連結作業対策の[[連結器#電気連結器|電気連結器]]が設置された。排障器は[[東急9000系電車|東急9000系]]などと同じ形状である。


=== 接客設備 ===
=== 車内 ===
海側(伊豆急下田に向かって左)の座席は車端部以外が[[鉄道車両の座席#クロスシート(横座席)|クロスシート]]に変更された。座席は[[西武鉄道]][[西武10000系電車|10000系]](NRA)のリニューアル工事の際に不要となったものの再利用で、ドア間にボックス席を2つ設置するため水平より約5°前傾した状態で設置しており、背面テーブルは撤去され、回転機構やリクライニング機構は使用停止されている。クロスシート部分の[[つり革]]はすべて撤去された一方で、持ち手とシート固定のためにパイプの増設、テーブル<ref group="注">200系・2100系の解体発生品である。</ref>の設置が行われた。
外観は車体外部の帯が東急の赤色に代わって、[[伊豆急行100系電車|100系]]をイメージした濃淡2色の水色(ハワイアンブルー)<ref group="注">100系は[[2002年]]4月27日営業運転終了。ステンレス地に映えさせるためか、本系列の帯色は同系列と比べると濃い色になっている。</ref>となった以外にはさほど変化がないものの、内部は徹底的にリニューアルされ、座席定員は一部の車両で僅かに増加<ref group="注">東急時代に更新修繕を施工された車で一両あたり3名分の増加にとどまり、未更新車については変化なし。ただし、後述の便所設置改造車では逆に減少しているので編成全体ではほぼ同数である。</ref>した。

# 海側(伊豆急下田に向かって左)の座席は車端部以外が[[鉄道車両の座席#クロスシート(横座席)|クロスシート]]に変更された。[[西武鉄道]][[西武10000系電車|10000系]] (NRA) のリニューアル工事の際に不要となったものの再利用で、ドア間にボックス席を2つ設置するため水平より約5°前傾した状態で設置しており、回転機構やリクライニング機構は使用停止されている。クロスシート部分の[[つり革]]はすべて撤去された一方で、持ち手とシート固定のためにパイプの増設、テーブル<ref group="注">200系、2100系の解体発生品である。</ref>の設置が行われた。
# 長距離の乗車を考慮し、モハ8200形の熱海寄りの車端部に[[列車便所|トイレ]]([[便器#腰掛大便器(洋式・洋風大便器)|洋式]])が設置された<ref group="注">ただし、トイレ設備が床の主電動機点検蓋(トラップドア)に干渉するのを避けたため、バリアフリー対応にはなっていない(「モハ8200形のトイレ付近」の写真を参照){{要出典|date=2020年7月|title=物理的寸法も車両確認申請もクリアしてるのに、バリアフリー対応ではな典拠は?}}</ref>
長距離の乗車を考慮し、モハ8200形の熱海寄りの車端部に[[列車便所|トイレ]]([[便器#腰掛大便器(洋式・洋風大便器)|洋式]])が設置された<ref group="注">ただし、トイレ設備が床の主電動機点検蓋(トラップドア)に干渉するのを避けたためトイレ内で車椅子を回転できるだけのスペースを確保できず、バリアフリー対応にはなっていない(「モハ8200形のトイレ付近」の写真を参照)</ref>。[[バリアフリー]]対応として、モハ8200形のトイレの向かのスペースを活用して[[車椅子スペース]]が設置された

# [[バリアフリー]]対応として、モハ8200形のトイレの向かいのスペースを活用して[[車椅子スペース]]が設置された。
# 乗車案内の向上とバリアフリー対応として、ドア上部に[[蛍光表示管]]式の[[車内案内表示装置|旅客案内表示装置]]と開閉を知らせる[[ドアチャイム|チャイム]]が設置された。旅客案内表示装置は千鳥状配置で、1両あたり4基が設置されている。チャイムは高低2打点×3で、全体的に高めの設定になっている。
乗車案内の向上とバリアフリー対応として、ドア上部に[[蛍光表示管]]式の[[車内案内表示装置|旅客案内表示装置]]と開閉を知らせる[[ドアチャイム|チャイム]]が設置された。旅客案内表示装置は千鳥状配置で、1両あたり4基が設置されている。チャイムは高低2打点×3で、全体的に高めの設定になっている。

# 長時間停車時の車内保温対策として[[ドアカット#車内保温|3/4ドアカット]]機構が追加された。
長時間停車時の車内保温対策として[[ドアカット#車内保温|3/4ドアカット]]機構が追加された。


[[鉄道車両の座席#ロングシート(縦座席)|ロングシート]]部分は車両によって、東急時代の更新工事の有無で形状が異なっている。更新車はドア間の座席が仕切りで4人掛と3人掛に区分され、端部にも仕切りが設置されている。詳しくは[[東急8000系電車#更新]]の項目を参照。
[[鉄道車両の座席#ロングシート(縦座席)|ロングシート]]部分は車両によって、東急時代の更新工事の有無で形状が異なっている。更新車はドア間の座席が仕切りで4人掛と3人掛に区分され、端部にも仕切りが設置されている。詳しくは[[東急8000系電車#更新]]の項目を参照。
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その他、運行面の改造として、[[ワンマン運転]]への対応や伊東線への入線装備の追加<ref group="注">JR東日本の[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]と乗務員扉の横にATS(PとSi)の表記や[[列車番号]]設定器などが設置された。</ref>が行われている。なお、ワンマン運転時には前面[[貫通扉]]窓の上部に「ワンマン」の看板が取付けられる。一部の車両にはさらにレールへの塗油器も設置された。
その他、運行面の改造として、[[ワンマン運転]]への対応や伊東線への入線装備の追加<ref group="注">JR東日本の[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]と乗務員扉の横にATS(PとSi)の表記や[[列車番号]]設定器などが設置された。</ref>が行われている。なお、ワンマン運転時には前面[[貫通扉]]窓の上部に「ワンマン」の看板が取付けられる。一部の車両にはさらにレールへの塗油器も設置された。

東急デハ8100・8700形を種車とする3形式は、熱海寄り車端部に両開き扉が設置されている。なお、先頭部にも貫通扉を有するが、幌は装備されておらず、非常時以外の通り抜けには対応していない。


<gallery>
<gallery>
Izukyu-8000-Inside.jpg|車内全景
Izukyu-8000-Inside.jpg|更新車の車内全景
Izukyu-Series8000 Inside original.jpg|未更新車の車内全景
Izukyu 8000 Series EMU 016.JPG|優先席。
Izukyu-Series8000 Inside Priority-Seats original.jpg|優先席
Izukyu 8000 Series EMU 021.JPG|非更新車のロングシート。
Izukyu-Series8000 Inside Free-space original.jpg|フリースペース
Izukyu 8000 Series EMU 023.JPG|更新車のロングシート。そで仕切りが設置されている。
Izukyu-Series8000 Toilet-outside.jpg|増設されたトイレ部分
Izukyu 8000 Series EMU 020.JPG|クロスシート。
</gallery>
Izukyu 8000 Series EMU 014.JPG|モハ8200形のトイレ付近。
<gallery>
Izukyu 8000 Series EMU 015.JPG|同トイレ。
Izukyu-8000 Long-seat original.jpg|未更新車のロングシート
Izukyu 8000 Series EMU 012.JPG|客用扉上部の[[蛍光表示管]]を用いた案内表示装置。
Izukyu 8000 Series EMU 017.JPG|運転台<br>(クモハ8254)
Izukyu-8000 Long-seat update.jpg|更新車のロングシート
Izukyu 8000 Series EMU 020.JPG|クロスシート
Izukyu-Series8000 Inside-LED.jpg|客用扉上部の[[蛍光表示管]]を用いた案内表示装置
Izukyu-Series8000 Inside Driving-seat.jpg|運転台
</gallery>
</gallery>


== 運用・編成表 ==
== 形式 ==
; 2両編成(編成番号T11 - )
[[熱海駅]] - [[伊東駅]] - [[伊豆急下田駅]]間の普通列車で運用され、伊東線に乗り入れている。また伊東線の線内折り返し運用にも使用される。
; クハ8050形(現・廃形式)
: 東急クハ8000形から改造された熱海・伊東向きの[[制御車]]。[[電動発電機]](MG)や[[静止形インバータ]](SIV)などの補機類を搭載していた。T11編成の8051のみ改造されたが<ref group="注">本系列は当初[[MT比]]を1:1ととり、さらに[[限流値]]を下げることで東急時代(2M2T編成で2.4 km/h/s)よりも[[起動加速度]]を落とす計画だった。</ref>、雨天・積雪時などの[[空転]]・[[滑走]]による遅延・立往生が続発して運転上の問題となったことから、[[2006年]](平成18年)[[3月]]に同車を電装し、クモハ8150形と2両ユニットを組ませてクモハ8250形に再改造され消滅した。これ以後増備されたT12編成以降は当初からクモハ8250形に改造されている。
; クモハ8250形
: 東急クハ8000形および伊豆急行クハ8050形から改造・再改造された熱海・伊東向きの制御電動車。モーター([[主電動機]])とパンタグラフが増設され、クモハ8150形と[[動力車#ユニット方式|ユニット]]を組んで使用される。
; クモハ8150形
: 東急デハ8100形・8700形から改造された伊豆急下田向きの制御電動車。[[主制御器]]や[[集電装置|パンタグラフ]]といった走行機器を搭載し、クモハ8250形とユニットを組んで使用される。

;4両編成(編成番号T1 - )
; クハ8000形(熱海・伊東向き)
: 東急クハ8000形から改造された制御車。SIVを搭載し、8011 - の車両番号が与えられている。
; モハ8200形
: 東急デハ8100形の車体と東急デハ8200形の床下機器を組み合わせて改造された中間電動車。[[圧縮機|空気圧縮機]] (CP)・SIVといった補機類とパンタグラフを搭載し、モハ8100形とユニットを組んで使用される。[[列車便所|トイレ]]も設置された。
; モハ8100形
: 東急デハ8100から改造された中間電動車。主制御器やパンタグラフといった走行機器を搭載し、モハ8200形とユニットを組んで使用される。
; クハ8000形(伊豆急下田向き)
: 東急クハ8000形から改造された制御車。CPを搭載し、8001 - の車両番号が与えられている。

<gallery>
ファイル:Izukyu-8254.jpg|クモハ8250形
ファイル:Izukyu-8153.jpg|クモハ8150形
ファイル:Izukyu-8013.jpg|クハ8000形<br/>熱海・伊東向き
ファイル:Izukyu8001 2.jpg|クハ8000形<br/>伊豆急下田向き(写真はトイレ設置改造前に撮影)
ファイル:Izukyu-8203.jpg|モハ8200形<br/>トイレの新設に伴い、車端部の窓は[[ステンレス鋼]]板で塞がれた。
ファイル:Izukyu-8104.JPG|モハ8100形<br/>写真の車両は軽量ステンレス構造。屋根肩の形状が異なる。
ファイル:Izukyu-8000-Coupling.JPG|クハ8000形(右)と<br/>クモハ8150形(左)<br/>運転台が増設された箇所はステンレス材の仕上げ方が異なる。
</gallery>


=== 編成表導入時 ===
== 編成表 ==
=== 導入時 ===
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:right; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:right; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|-
140行目: 157行目:
|クハ8001<br /><small>('''クハ8012''')</small>
|クハ8001<br /><small>('''クハ8012''')</small>
|2005年1月31日
|2005年1月31日
|style="text-align:left;"|クハ8011は東急時代の車番をそのまま引き継いでいる。
|&nbsp;
|-
|-
!style="background-color:#adf;"|T2
!style="background-color:#adf;"|T2
201行目: 218行目:
|クモハ8152<br /><small>(デハ8723)<br />
|クモハ8152<br /><small>(デハ8723)<br />
|2006年3月31日
|2006年3月31日
|style="text-align:left;"|元試作改造車<ref group="注">譲渡開始前に[[長津田車両工場]]で2両編成化の試作・サンプル品として先行改造されていたもので、[[長津田検車区]]に2年ほど留置され続けた後、帯色変更やクハ8050形の電装などの追加改造が行なわれて、導入を決めた伊豆急行に入線したという経緯がある。</ref><br />クモハ8252は簡易更新車。座席仕切りがない。<br />クモハ8152は元東急8500系
|style="text-align:left;"|元試作改造車<ref group="注">譲渡開始前に[[長津田車両工場]]で2両編成化の試作・サンプル品として先行改造されていたもので、[[長津田検車区]]に2年ほど留置され続けた後、帯色変更やクハ8050形の電装などの追加改造が行なわれて、導入を決めた伊豆急行に入線した経緯がある。</ref><br />クモハ8252は簡易更新車。座席仕切りがない。<br />クモハ8152は元東急8500系登場時の8617f(廃車済み)の2号車からの改造車
|-
|-
!T13
!T13
227行目: 244行目:
|&nbsp;
|&nbsp;
|-
|-
|colspan="7"|背景色が水色の車両は2012年4月27日までラッピング電車「トランバガテル」<ref group="注" name="bagatelle">沿線にある静岡県賀茂郡河津町のバラ園「河津バガテル公園」のPRを行うため[[2007年]]3月まで200系F5・F6編成で運転されていた先代「トランバガテル」の代替として投入されたものである。</ref>
|colspan="7"|背景色が水色の車両は2012年4月27日までラッピング電車「トランバガテル」<ref group="注" name="bagatelle">沿線にある静岡県賀茂郡河津町のバラ園「[[河津バガテル公園]]」のPRを行うため[[2007年]]3月まで200系F5・F6編成で運転されていた先代「トランバガテル」の代替として投入されたものである。</ref>
|}
|}


* 下段カッコ内は東急時代の車号。更新工事施工車両は'''この書体'''で区別した
* 下段カッコ内は東急時代の車号。'''太字'''は更新工事施工車。
{{-}}
{{-}}


=== 編成表(3両編成への組成変更後 ===
=== 3両編成への組成変更後 ===
{| class="wikitable" style="float:right; font-size:80%; text-align:right; margin:1em 0em 1em 1em;"
{| class="wikitable" style="float:right; font-size:80%; text-align:right; margin:1em 0em 1em 1em;"
|-
|-
247行目: 264行目:
|-
|-
!TA1
!TA1
|クハ8011||モハ8201||クモハ8157<br /><small>('''デハ8138''')</small>||T1編成・2008年導入
|クハ8011
(クハ8011)
|モハ8201
(デハ8112)
|クモハ8157<br /><small>('''デハ8138''')</small>||T1編成・2008年導入
|-
|-
!TB1
!TB1
|クモハ8257<br /><small>('''クハ8017''')</small>||モハ8101||クハ8001||T1編成・2008年導入
|クモハ8257<br />(クハ8017)||モハ8101
(デハ8111)
|クハ8001
(クハ8012)
|T1編成・2008年導入
|-
|-
!style="background-color:#adf;"|TA2
!style="background-color:#adf;"|TA2
|style="background-color:#adf;"|クハ8012
|style="background-color:#adf;"|クハ8012
(クハ8029)
|style="background-color:#adf;"|モハ8202
|style="background-color:#adf;"|モハ8202
(デハ8130)
|style="background-color:#adf;"|クモハ8151
|style="background-color:#adf;"|クモハ8151
(デハ8155)
|T2編成・T11編成
|T2編成・T11編成
|-
|-
!style="background-color:#adf;"|TB2
!style="background-color:#adf;"|TB2
|style="background-color:#adf;"|クモハ8251
|style="background-color:#adf;"|クモハ8251
(クハ8035)
|style="background-color:#adf;"|モハ8102
|style="background-color:#adf;"|モハ8102
(デハ8129)
|style="background-color:#adf;"|クハ8002
|style="background-color:#adf;"|クハ8002
(クハ8030)
|T2編成・T11編成
|T2編成・T11編成
|-
|-
!TA3
!TA3
|クハ8013
|クハ8013||モハ8203||クモハ8153||T3編成・T13編成
(クハ8043)
|モハ8203
(デハ8151)
|クモハ8153
(デハ8121)
|T3編成・T13編成
|-
|-
!TB3
!TB3
|クモハ8253||モハ8103||クハ8003||T3編成・T13編成
|クモハ8253
(クハ8021)
|モハ8103
(デハ8150)
|クハ8003
(クハ8044)
|T3編成・T13編成<br />2022年3月廃車
|-
|-
!TA4
!TA4
|クハ8014
|クハ8014||モハ8204||クモハ8154||T4編成・T14編成
(クハ8037)
|モハ8204
(デハ8153)
|クモハ8154
(デハ8122)
|T4編成・T14編成
|-
|-
!TB4
!TB4
|クモハ8254||モハ8104||クハ8004||T4編成・T14編成
|クモハ8254
(クハ8033)
|モハ8104
(デハ8157)
|クハ8004
(クハ8034)
|T4編成・T14編成
|-
|-
!TA5
!TA5
|クハ8015
|クハ8015||モハ8205||クモハ8155||T5編成・T15編成
(クハ8023)
|モハ8205
(デハ8124)
|クモハ8155
(デハ8126)
|T5編成・T15編成
|-
|-
!TB5
!TB5
|クモハ8255||モハ8105||クハ8005||T5編成・T15編成
|クモハ8255
(クハ8025)
|モハ8105
(デハ8123)
|クハ8005
(クハ8024)
|T5編成・T15編成
|-
|-
!TA6
!TA6<ref>テレビアニメ「[[あまんちゅ]]」第7話出演編成。伊豆急行の協力のもとで出演。</ref>
|クハ8016
|クハ8016||モハ8206||クモハ8156||T6編成・T16編成
(クハ8013)
|モハ8206
(デハ8114)
|クモハ8156
(デハ8131)
|T6編成・T16編成
|-
|-
!TB6
!TB6
|クモハ8256||モハ8106||クハ8006||T6編成・T16編成
|クモハ8256
(クハ8031)
|モハ8106
(デハ8113)
|クハ8006
(クハ8014)
|T6編成・T16編成
|-
|-
!TA7
!TA7
|クハ8017
|クハ8017||モハ8207||クモハ8152||T7編成・T12編成<br />クモハ8152は元東急8500系
(クハ8015)
|モハ8207
(デハ8116)
|クモハ8152
(デハ8723)
|T7編成・T12編成<br />クモハ8152は元東急8500系、登場時の8617f(廃車済み)の2号車からの改造車
|-
|-
!TB7
!TB7
|クモハ8252||モハ8107||クハ8007||T7編成・T12編成
|クモハ8252
(クハ8049)
|モハ8107
(デハ8115)
|クハ8007
(クハ8016)
|T7編成・T12編成
|-
|-
!TA8
!TA8
303行目: 394行目:
|}
|}


当初8000系は50両が導入される予定であり、200系の全車と2100系「リゾート21」1~3次車の置換えを対象としていたが、その後「リゾート21」3次車の置換え中止に伴う導入計画と組成の見直しにより、[[2008年]]からそれまで在籍していた4両編成・2両編成をそれぞれの編成中央でばらして3両編成に組み替え(右表も参照)<ref group="注">これによって余ったT1編成は2008年導入のクモハ8150形・クモハ8250形1ずつ連結して3両化されている。</ref>、これにより各編成にトイレを設置するため伊豆急下田寄りのクハ8000形に追加改造工事が施工された。このため編成の組成両数は同一であるが、車両構成は2つのタイプが存在する。本節では編成番号に合わせてA・B編成と区分する。
当初8000系は50両が導入される予定であり、200系の全車と2100系「リゾート21」1 - 3次車(第1 - 第3編成)の置換えを対象としていたが、その後「リゾート21」3次車(第3編成)の置換え中止に伴う導入計画と組成の見直しにより、[[2008年]]からそれまで在籍していた2・4両編成をそれぞれの編成中央でばらして3両編成に組み替え<ref group="注">なお、「トランバガテル」のラッピング電車同士で編成を組み替えた影響で、一部に車番号の末尾1桁が揃わない編成が出ている。</ref>、これにより各編成にトイレを設置するため伊豆急下田寄りのクハ8000形に追加改造工事が施工された。本節では編成番号に合わせてA・B編成と区分する。


; A編成(編成番号TA1 - )
; A編成(編成番号TA1 - )
320行目: 411行目:
</gallery>
</gallery>
{{-}}
{{-}}

== 運用 ==
[[熱海駅]] - [[伊東駅]] - [[伊豆急下田駅]]間の普通列車で運用され、伊東線に乗り入れている。また伊東線の線内折り返し運用にも使用される。

本系列は運転台に両手操作式のT字型[[マスター・コントローラー|ワンハンドルマスコン]]を装備していることから、営業開始前にJR東日本の乗務員を対象に伊東駅構内でハンドル訓練が実施された。なお、JRの線路上を両手操作式ワンハンドルマスコン・界磁チョッパ制御の車両が走行するのは本形式が初の事例であり、2023年現在も当形式が唯一となっている。

種車の製造から50年近くたち老朽化が進んだことから、2022年からJRから譲渡された[[JR東日本209系電車|209系]]を改造した[[伊豆急行3000系電車|3000系]]が導入され、本形式の2編成6両が運用を離脱した。また、今後も順次本系列の置き換えを進めていく計画があるとしている<ref>{{Cite web|和書|title=伊豆急、JR通勤車を「ハワイアン」に改造した狙い |url=https://toyokeizai.net/articles/-/585756 |website=東洋経済新報 |date=2022-04-30 |access-date=2022-04-30}}</ref>。


== その他 ==
== その他 ==
* 東急電鉄では伊豆急行と提携して2005年[[7月]]に[[東急東横線|東横線]]と[[横浜高速鉄道]][[横浜高速鉄道みなとみらい線|みなとみらい線]]で[[臨時列車|臨時]][[東急東横線#急行|急行]]「[[伊豆のなつ号]]」を運転した。この時使用された8000系8007Fは車体帯色を伊豆急行8000系と同一カラーに変更したが、運転終了後は[[インドネシア]]・[[ジャカルタ]]首都圏の[[KRLジャボタベック]]を運営するPT. Kereta Api社へ売却された。その後、2006年7月から再び[[東急田園都市線|田園都市線]]と相互直通先の[[東京地下鉄]](東京メトロ)[[東京メトロ半蔵門線|半蔵門線]]・[[東武鉄道]][[東武伊勢崎線|伊勢崎線]]・[[東武日光線|日光線]]で「伊豆のなつ」号が運行されたが、こちらは東急8500系8614Fを伊豆急行8000系と同一の帯色に変更したものである。ただし8500系の前面形状は8000系と異なるため、前面帯の処理は異なる。
* 東急電鉄では伊豆急行と提携して2005年[[7月]]に[[東急東横線|東横線]]と[[横浜高速鉄道]][[横浜高速鉄道みなとみらい線|みなとみらい線]]で[[臨時列車|臨時]][[東急東横線#急行|急行]]「[[伊豆のなつ号]]」を運転した。この時使用された8000系8007Fは車体帯色を伊豆急行8000系と同一カラーに変更したが、運転終了後は[[インドネシア]]・[[ジャカルタ]]首都圏の[[KRLジャボタベック]]を運営するPT. Kereta Api社へ売却された。その後、2006年7月から再び[[東急田園都市線|田園都市線]]と相互直通先の[[東京地下鉄]](東京メトロ)[[東京メトロ半蔵門線|半蔵門線]]・[[東武鉄道]][[東武伊勢崎線|伊勢崎線]]・[[東武日光線|日光線]]で「伊豆のなつ」号が運行されたが、こちらは東急8500系8614Fを伊豆急行8000系と同一の帯色に変更したものである。ただし8500系の前面形状は8000系と異なるため、前面帯の処理は異なる。
* 本系列は運転台に両手操作式のT字型[[マスター・コントローラー|ワンハンドルマスコン]]を装備していることから、営業開始前にJR東日本の乗務員を対象に伊東駅構内でハンドル訓練が実施された。なお、JRの線路上を両手操作式ワンハンドルマスコン・界磁チョッパ制御の車両が走行するのは本形式が初の事例であり、2020年現在も当形式が唯一となっている。
* [[2012年]][[4月27日]]までTA-2・TB-2編成は沿線にあるバラ園「[[河津バガテル公園]]」のPRを行う[[ラッピング電車]]「トランバガテル」であったが、契約期間が終了したため[[4月28日]]からラッピングを解除し、東急8000系時代初期の状態を再現して運行を開始した<ref>[http://railf.jp/news/2012/05/14/172800.html 伊豆急8000系TB-2編成のラッピングが終了|鉄道ニュース|2012年5月14日掲載|鉄道ファン・railf.jp]</ref>。また7月14日に「東急線時代のなつかしの8000系!乗車会と撮影会」に合わせ、1日限定でTA-2・TB-2編成を東急8000系時代に再現した<ref>[http://railf.jp/news/2012/07/16/225400.html 伊豆急で『東急線時代のなつかしの8000系!乗車会と撮影会』開催|鉄道ニュース|2012年7月16日掲載|鉄道ファン・railf.jp]</ref>。その後、両編成とも2012年末までに通常塗装に戻されたが、TB-2編成のスカートについては黒のまま残された。
* [[2012年]][[4月27日]]までTA-2・TB-2編成は沿線にあるバラ園「[[河津バガテル公園]]」のPRを行う[[ラッピング電車]]「トランバガテル」であったが、契約期間が終了したため[[4月28日]]からラッピングを解除し、東急8000系時代初期の状態を再現して運行を開始した<ref>[http://railf.jp/news/2012/05/14/172800.html 伊豆急8000系TB-2編成のラッピングが終了|鉄道ニュース|2012年5月14日掲載|鉄道ファン・railf.jp]</ref>。また7月14日に「東急線時代のなつかしの8000系!乗車会と撮影会」に合わせ、1日限定でTA-2・TB-2編成を東急8000系時代に再現した<ref>[http://railf.jp/news/2012/07/16/225400.html 伊豆急で『東急線時代のなつかしの8000系!乗車会と撮影会』開催|鉄道ニュース|2012年7月16日掲載|鉄道ファン・railf.jp]</ref>。その後、両編成とも2012年末までに通常塗装に戻されたが、TB-2編成のスカートについては黒のまま残された。
* 2019年11月から、TA-7編成が無塗装編成となり出場、運用を開始した。2020年2月には前述のTA-2編成と同様に赤帯をつけた状態での乗車・撮影会も実施され<ref>[https://railf.jp/news/2020/02/02/200000.html 伊豆急8000系TA-7編成による団臨運転|鉄道ニュース|2020年2月2日掲載|鉄道ファン・railf.jp]</ref>、同年11月には前面のみ更新車塗装(歌舞伎塗装)を再現した同様のツアーが開催された<ref>[https://railf.jp/news/2020/11/30/194500.html 伊豆急8000系歌舞伎ラッピング編成による団臨運転]railf.jp 2021年3月7日閲覧</ref>。
* 2019年11月から、TA-7編成が無塗装編成となり出場、運用を開始した。2020年2月には前述のTA-2編成と同様に赤帯をつけた状態での乗車・撮影会も実施され<ref>[https://railf.jp/news/2020/02/02/200000.html 伊豆急8000系TA-7編成による団臨運転|鉄道ニュース|2020年2月2日掲載|鉄道ファン・railf.jp]</ref>、同年11月には前面のみ更新車塗装(歌舞伎塗装)を再現した同様のツアーが開催された<ref>[https://railf.jp/news/2020/11/30/194500.html 伊豆急8000系歌舞伎ラッピング編成による団臨運転]railf.jp 2021年3月7日閲覧</ref>。
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Izukyu 8000 kei TA-2+TB-2.JPG|初期の東急8000系時代を再現したTA-2+TB-2編成
ファイル:Izukyu-Series8000 TB-7 Unpainted.jpg|東急電鉄時代を再現した8000系。無塗装のほか更新車塗装のラッピングも実施された
ファイル:Izukyu 8000 kei TA-2+TB-2.JPG|無塗装の8000系
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</gallery>



2024年10月15日 (火) 06:45時点における最新版

東急8000系電車 > 伊豆急行8000系電車
伊豆急行8000系電車
伊東駅に入線する8000系電車(2018年7月)
基本情報
運用者 伊豆急行
種車 東京急行電鉄8000系
東京急行電鉄8500系
改造所 東急テクノシステム長津田工場
改造年 2004年 - 2008年
改造数 45両
運用開始 2005年4月1日
主要諸元
編成 2・4両編成→
3両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 1,500 V
起動加速度 2.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
車両重量 30.8t(クハ8000形)
37.5t(クモハ8150形)
全長 20,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,145 mm
車体 ステンレス
主電動機 複巻整流子電動機
主電動機出力 130kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 85:16(5.31)
制御方式 抵抗制御界磁チョッパ制御
制動装置 回生制動併用全電気指令式電磁直通空気制動
保安装置 ATS-Si, ATS-P
テンプレートを表示

伊豆急行8000系電車(いずきゅうこう8000けいでんしゃ)は、伊豆急行が保有する電車2005年平成17年)4月1日に営業運転を開始した。

概要

[編集]

1990年代後半に100系の老朽化のため、代替車両の候補としてまず親会社である東急電鉄8000系が挙がっていた。しかし当時は8000系を廃車する予定がなかったこともあり、本系列導入までのつなぎとして東日本旅客鉄道(JR東日本)より提示された113系および115系200系として導入した。

その後、2004年(平成16年)に東急より8000系(8500系1両を含む)を譲受し、順次改造・整備の上で導入。200系全車両と2100系「リゾート21」の一部編成を置き換えることとなった。

本系列導入の際、形式はそのままに形式名・車両番号を8001 - に、「デハ」の呼称を「クモハ」・「モハ」に振り直している。

構造

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車体・機器類

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制御装置などは基本的に東急時代のままであるが、MT比・ATSと減速度の関係により、東急時代の運転最高速度110km/h、起動加速度3.3km/h/s(6M2T編成=MT比3:1の場合)から、最高速度100km/h、起動加速度2.0km/h/sに抑えられている。なお、回生ブレーキは東急時代と同様単独車(現存しない)は45km/h、ユニット車は22km/hで失効する。

クモハ8150形は東急8000系に制御電動車が存在しなかったために、走行機器付きの中間電動車・8100形に運転台を設置することで用意された。増設された先頭部は上部の通過標識灯(急行灯)や側面のコルゲート板[注 1]はないものの、それ以外の形状はオリジナルの先頭車に準じた形状となっている。オリジナル車に残る通過表示灯は東急時代に使用が停止され、伊豆急行でも使用していないので、運行に支障はない。

外観は車体外部の帯が100系をイメージした濃淡2色の水色(ハワイアンブルー)に変更されている。

クモハ8250形は当初制御車のクハ8050形に改造される予定であったことから、クハ8050形の消滅後に改造された車両もクモハ8150形と異なり、東急クハ8000形から改造されている。離線対策のためにパンタグラフが新設されたが、搭載スペースが考慮されていなかったために、最も運転台側の冷房機1基が撤去され、その跡地に設置されている。さらに、冷却能力の低下を補うために運転台上部に新品の小型冷房機が設置された関係で、干渉を防ぐためにパンタグラフ形状は折りたたんだ際の占有面積の小さい、シングルアーム式となった。伊豆急行でのシングルアーム式パンタグラフの採用は、200系F3 - F8編成に次いで2例目である[注 2]

モハ8200形は短編成で運行するために離線対策として、パンタグラフを持つデハ8100形に東急デハ8200形の床下機器を移設して、東急デハ8200形相当のパンタグラフ付き車両に改造された。クモハ8250形も機構的にはモハ8200形に準じたものに改造されている。

種車に東急8500系のデハ8700形が1両存在するが、もともと設計上8000系とは同じグループのため、形状、性能ともにそれほど差異はなく、改造時に他車と同じクモハ8150形に編入された。また、運転台も8000系に合わせた仕様で改造されているため、判別は難しい。

これら一連の改造には、東急8000系が解体された際に発生した部品が一部使用されている。

先頭車には排障器(スカート)と連結作業対策の電気連結器が設置された。排障器は東急9000系などと同じ形状である。

車内

[編集]

海側(伊豆急下田に向かって左)の座席は車端部以外がクロスシートに変更された。座席は西武鉄道10000系(NRA)のリニューアル工事の際に不要となったものの再利用で、ドア間にボックス席を2つ設置するため水平より約5°前傾した状態で設置しており、背面テーブルは撤去され、回転機構やリクライニング機構は使用停止されている。クロスシート部分のつり革はすべて撤去された一方で、持ち手とシート固定のためにパイプの増設、テーブル[注 3]の設置が行われた。

長距離の乗車を考慮し、モハ8200形の熱海寄りの車端部にトイレ洋式)が設置された[注 4]バリアフリー対応として、モハ8200形のトイレの向かいのスペースを活用して車椅子スペースが設置された。

乗車案内の向上とバリアフリー対応として、ドア上部に蛍光表示管式の旅客案内表示装置と開閉を知らせるチャイムが設置された。旅客案内表示装置は千鳥状配置で、1両あたり4基が設置されている。チャイムは高低2打点×3で、全体的に高めの設定になっている。

長時間停車時の車内保温対策として3/4ドアカット機構が追加された。

ロングシート部分は車両によって、東急時代の更新工事の有無で形状が異なっている。更新車はドア間の座席が仕切りで4人掛と3人掛に区分され、端部にも仕切りが設置されている。詳しくは東急8000系電車#更新の項目を参照。

車体側面の社章は2005年度入線車は東急時代の社章プレートの「TOKYU」部分に「IZUKYU」の文字を被せた状態で使用されていたが、2006年度入線車から新規作成されたものが設置されるようになり、2005年度入線車も交換がなされた。新しい社章プレートは東急と同デザインであるが、色が赤からオレンジとなった。

その他、運行面の改造として、ワンマン運転への対応や伊東線への入線装備の追加[注 5]が行われている。なお、ワンマン運転時には前面貫通扉窓の上部に「ワンマン」の看板が取付けられる。一部の車両にはさらにレールへの塗油器も設置された。

東急デハ8100・8700形を種車とする3形式は、熱海寄り車端部に両開き扉が設置されている。なお、先頭部にも貫通扉を有するが、幌は装備されておらず、非常時以外の通り抜けには対応していない。

形式

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2両編成(編成番号T11 - )
クハ8050形(現・廃形式)
東急クハ8000形から改造された熱海・伊東向きの制御車電動発電機(MG)や静止形インバータ(SIV)などの補機類を搭載していた。T11編成の8051のみ改造されたが[注 6]、雨天・積雪時などの空転滑走による遅延・立往生が続発して運転上の問題となったことから、2006年(平成18年)3月に同車を電装し、クモハ8150形と2両ユニットを組ませてクモハ8250形に再改造され消滅した。これ以後増備されたT12編成以降は当初からクモハ8250形に改造されている。
クモハ8250形
東急クハ8000形および伊豆急行クハ8050形から改造・再改造された熱海・伊東向きの制御電動車。モーター(主電動機)とパンタグラフが増設され、クモハ8150形とユニットを組んで使用される。
クモハ8150形
東急デハ8100形・8700形から改造された伊豆急下田向きの制御電動車。主制御器パンタグラフといった走行機器を搭載し、クモハ8250形とユニットを組んで使用される。
4両編成(編成番号T1 - )
クハ8000形(熱海・伊東向き)
東急クハ8000形から改造された制御車。SIVを搭載し、8011 - の車両番号が与えられている。
モハ8200形
東急デハ8100形の車体と東急デハ8200形の床下機器を組み合わせて改造された中間電動車。空気圧縮機 (CP)・SIVといった補機類とパンタグラフを搭載し、モハ8100形とユニットを組んで使用される。トイレも設置された。
モハ8100形
東急デハ8100から改造された中間電動車。主制御器やパンタグラフといった走行機器を搭載し、モハ8200形とユニットを組んで使用される。
クハ8000形(伊豆急下田向き)
東急クハ8000形から改造された制御車。CPを搭載し、8001 - の車両番号が与えられている。

編成表

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導入時

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← 熱海・伊東
伊豆急下田 →
 
編成番号 4号車 3号車 2号車 1号車 導入日 備考
T1 クハ8011
クハ8011
モハ8201
デハ8112
モハ8101
デハ8111
クハ8001
クハ8012
2005年1月31日 クハ8011は東急時代の車番をそのまま引き継いでいる。
T2 クハ8012
クハ8029
モハ8202
デハ8130
モハ8102
デハ8129
クハ8002
クハ8030
2005年1月31日  
T3 クハ8013
クハ8043
モハ8203
デハ8151
モハ8103
デハ8150
クハ8003
クハ8044
2006年3月31日  
T4 クハ8014
(クハ8037)
モハ8204
(デハ8153)
モハ8104
(デハ8157)
クハ8004
(クハ8034)
2006年3月31日 モハ8104は軽量ステンレス車で、他車より重量が軽い。
T5 クハ8015
クハ8023
モハ8205
デハ8124
モハ8105
デハ8123
クハ8005
クハ8024
2006年12月16日  
T6 クハ8016
クハ8013
モハ8206
デハ8114
モハ8106
デハ8113
クハ8006
クハ8014
2007年  
T7 クハ8017
クハ8015
モハ8207
デハ8116
モハ8107
デハ8115
クハ8007
クハ8016
2007年  
T11   クモハ8251
(クハ8035)
クモハ8151
(デハ8155)
2005年1月31日 クモハ8251は伊豆急行クハ8051からの再改造車
T12 クモハ8252
クハ8049
クモハ8152
(デハ8723)
2006年3月31日 元試作改造車[注 7]
クモハ8252は簡易更新車。座席仕切りがない。
クモハ8152は元東急8500系登場時の8617f(廃車済み)の2号車からの改造車
T13 クモハ8253
クハ8021
クモハ8153
デハ8121
2006年12月16日  
T14 クモハ8254
(クハ8033)
クモハ8154
デハ8122
2006年12月16日  
T15 クモハ8255
クハ8025
クモハ8155
デハ8126
2006年12月16日  
T16 クモハ8256
クハ8031
クモハ8156
デハ8132
2007年  
背景色が水色の車両は2012年4月27日までラッピング電車「トランバガテル」[注 8]
  • 下段カッコ内は東急時代の車号。太字は更新工事施工車。

3両編成への組成変更後

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← 熱海・伊東
伊豆急下田 →
 
編成番号 3号車 2号車 1号車 種車
TA1 クハ8011

(クハ8011)

モハ8201

(デハ8112)

クモハ8157
デハ8138
T1編成・2008年導入
TB1 クモハ8257
(クハ8017)
モハ8101

(デハ8111)

クハ8001

(クハ8012)

T1編成・2008年導入
TA2 クハ8012

(クハ8029)

モハ8202

(デハ8130)

クモハ8151

(デハ8155)

T2編成・T11編成
TB2 クモハ8251

(クハ8035)

モハ8102

(デハ8129)

クハ8002

(クハ8030)

T2編成・T11編成
TA3 クハ8013

(クハ8043)

モハ8203

(デハ8151)

クモハ8153

(デハ8121)

T3編成・T13編成
TB3 クモハ8253

(クハ8021)

モハ8103

(デハ8150)

クハ8003

(クハ8044)

T3編成・T13編成
2022年3月廃車
TA4 クハ8014

(クハ8037)

モハ8204

(デハ8153)

クモハ8154

(デハ8122)

T4編成・T14編成
TB4 クモハ8254

(クハ8033)

モハ8104

(デハ8157)

クハ8004

(クハ8034)

T4編成・T14編成
TA5 クハ8015

(クハ8023)

モハ8205

(デハ8124)

クモハ8155

(デハ8126)

T5編成・T15編成
TB5 クモハ8255

(クハ8025)

モハ8105

(デハ8123)

クハ8005

(クハ8024)

T5編成・T15編成
TA6 クハ8016

(クハ8013)

モハ8206

(デハ8114)

クモハ8156

(デハ8131)

T6編成・T16編成
TB6 クモハ8256

(クハ8031)

モハ8106

(デハ8113)

クハ8006

(クハ8014)

T6編成・T16編成
TA7 クハ8017

(クハ8015)

モハ8207

(デハ8116)

クモハ8152

(デハ8723)

T7編成・T12編成
クモハ8152は元東急8500系、登場時の8617f(廃車済み)の2号車からの改造車
TB7 クモハ8252

(クハ8049)

モハ8107

(デハ8115)

クハ8007

(クハ8016)

T7編成・T12編成
TA8 クハ8018
クハ8019
モハ8208
デハ8118
クモハ8158
デハ8136
2008年導入
背景色が水色の車両は2012年4月27日までラッピング電車「トランバガテル」 [注 8]

当初8000系は50両が導入される予定であり、200系の全車と2100系「リゾート21」1 - 3次車(第1 - 第3編成)の置換えを対象としていたが、その後「リゾート21」3次車(第3編成)の置換え中止に伴う導入計画と組成の見直しにより、2008年からそれまで在籍していた2・4両編成をそれぞれの編成中央でばらして3両編成に組み替え[注 9]、これにより各編成にトイレを設置するため伊豆急下田寄りのクハ8000形に追加改造工事が施工された。本節では編成番号に合わせてA・B編成と区分する。

A編成(編成番号TA1 - )
クハ8000形(熱海・伊東寄り) - 元・4両編成の4号車。熱海・伊東側に連結されていた制御車である。
モハ8200形 - 元・4両編成の3号車に連結されていた中間電動車。トイレを設置する。
クモハ8150形(伊豆急下田寄り) - 元・2両編成の1号車。伊豆急下田側に連結されていた制御電動車である。
B編成(編成番号TB1 - )
クモハ8250形(熱海・伊東寄り) - 元・2両編成の2号車。熱海・伊東側に連結されていた制御電動車である。
モハ8100形 - 元・4両編成の2号車に連結されていた中間電動車である。
クハ8000形(伊豆急下田寄り) - 元・4両編成の1号車。伊豆急下田側に連結されていた制御車で、3両編成化に際してトイレが設置されている。

運用

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熱海駅 - 伊東駅 - 伊豆急下田駅間の普通列車で運用され、伊東線に乗り入れている。また伊東線の線内折り返し運用にも使用される。

本系列は運転台に両手操作式のT字型ワンハンドルマスコンを装備していることから、営業開始前にJR東日本の乗務員を対象に伊東駅構内でハンドル訓練が実施された。なお、JRの線路上を両手操作式ワンハンドルマスコン・界磁チョッパ制御の車両が走行するのは本形式が初の事例であり、2023年現在も当形式が唯一となっている。

種車の製造から50年近くたち老朽化が進んだことから、2022年からJRから譲渡された209系を改造した3000系が導入され、本形式の2編成6両が運用を離脱した。また、今後も順次本系列の置き換えを進めていく計画があるとしている[1]

その他

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  • 東急電鉄では伊豆急行と提携して2005年7月東横線横浜高速鉄道みなとみらい線臨時急行伊豆のなつ号」を運転した。この時使用された8000系8007Fは車体帯色を伊豆急行8000系と同一カラーに変更したが、運転終了後はインドネシアジャカルタ首都圏のKRLジャボタベックを運営するPT. Kereta Api社へ売却された。その後、2006年7月から再び田園都市線と相互直通先の東京地下鉄(東京メトロ)半蔵門線東武鉄道伊勢崎線日光線で「伊豆のなつ」号が運行されたが、こちらは東急8500系8614Fを伊豆急行8000系と同一の帯色に変更したものである。ただし8500系の前面形状は8000系と異なるため、前面帯の処理は異なる。
  • 2012年4月27日までTA-2・TB-2編成は沿線にあるバラ園「河津バガテル公園」のPRを行うラッピング電車「トランバガテル」であったが、契約期間が終了したため4月28日からラッピングを解除し、東急8000系時代初期の状態を再現して運行を開始した[2]。また7月14日に「東急線時代のなつかしの8000系!乗車会と撮影会」に合わせ、1日限定でTA-2・TB-2編成を東急8000系時代に再現した[3]。その後、両編成とも2012年末までに通常塗装に戻されたが、TB-2編成のスカートについては黒のまま残された。
  • 2019年11月から、TA-7編成が無塗装編成となり出場、運用を開始した。2020年2月には前述のTA-2編成と同様に赤帯をつけた状態での乗車・撮影会も実施され[4]、同年11月には前面のみ更新車塗装(歌舞伎塗装)を再現した同様のツアーが開催された[5]

脚注

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注釈

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  1. ^ 多数の凹凸 = リブを持つプレス加工されたひずみ防止用板材。技術の進歩により1990年代以降に落成したステンレス車両での採用例は少ない。
  2. ^ 200系に搭載されたシングルアームパンタグラフは、JR東日本在籍時に中央本線の雪害対策として菱形パンタグラフから交換されたものである。
  3. ^ 200系・2100系の解体発生品である。
  4. ^ ただし、トイレ設備が床の主電動機点検蓋(トラップドア)に干渉するのを避けたためトイレ内で車椅子を回転できるだけのスペースを確保できず、バリアフリー対応にはなっていない(「モハ8200形のトイレ付近」の写真を参照)
  5. ^ JR東日本のATS-Pと乗務員扉の横にATS(PとSi)の表記や列車番号設定器などが設置された。
  6. ^ 本系列は当初MT比を1:1ととり、さらに限流値を下げることで東急時代(2M2T編成で2.4 km/h/s)よりも起動加速度を落とす計画だった。
  7. ^ 譲渡開始前に長津田車両工場で2両編成化の試作・サンプル品として先行改造されていたもので、長津田検車区に2年ほど留置され続けた後、帯色変更やクハ8050形の電装などの追加改造が行なわれて、導入を決めた伊豆急行に入線した経緯がある。
  8. ^ a b 沿線にある静岡県賀茂郡河津町のバラ園「河津バガテル公園」のPRを行うため2007年3月まで200系F5・F6編成で運転されていた先代「トランバガテル」の代替として投入されたものである。
  9. ^ なお、「トランバガテル」のラッピング電車同士で編成を組み替えた影響で、一部に車両番号の末尾1桁が揃わない編成が出ている。

出典

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外部リンク

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