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2021年8月1日 (日) 07:41時点における版

大河原 眞美(おおかわら まみ)は、日本法言語学者。高崎経済大学教授

人物

上智大学外国語学部英語学科卒業、ウィスコンシン大学マディソン校言語学修士、シドニー大学法言語学博士。現代のアメリカで18世紀の生活様式を堅持しているアーミッシュが、ドイツ語英語を併用しているという言語使用の実態に関心をもち、社会言語学の研究を始めているうちに、現地でアーミッシュの馬車等の訴訟を目のあたりにすることになった。これが契機となり、裁判に関心を持つようになり、法言語学の観点からも研究を行っている。アーミッシュ研究も裁判用語研究も、内からではなく外部からという視点で行っている。アーミッシュの代表的研究に、アメリカ学会の英文学会誌『The Japanese Journal of American Studies No.8』(1997)に掲載された「The Samuel D. Hochstetler Case (1948)」がある。裁判用語研究では、『裁判おもしろことば学』(大修館、2009年)がある。この本は、言語学者が国語系の出版社から法律用語について市民の目線から分析したというもの。法律用語研究以外に、法律事務所から依頼を受けて、メールの話者特定などの言語鑑定も行っている。

所属学会は、法言語系、法社会学系、地域政策系の学会で、法と言語学会会長、日本法社会学会理事、司法アクセス学会理事、日本地域政策学会副会長、East Asian Law and Society理事、International Association of Forensic Linguistsアジア支部長などを務めている。

学外活動

群馬県の仕事が多く、群馬県労働委員会公益委員、群馬県私立学校審議会委員、群馬県事務・事業見直し委員会委員、第3期群馬県教育振興基本計画策定懇談会座長など。県外では、軽井沢町まちづくり委員会委員なども務めた。前橋家庭裁判所調停委員、日弁連裁判員制度実施本部法廷用語日常語化に関するプロジェクトチーム外部学識委員などの司法関係の仕事もある。

著書 ・翻訳

著書には、『アメリカ史のなかのアーミッシュ:成立の起源から「社会的忌避のをめぐる分裂中分立の歴史までー明石書店(2018年)、『法廷の中のアーミッシュ国家は法で闘い、アーミッシュは聖書で闘う』明石書店(2014年)、『みんなが知らない“裁判ギョーカイ”ウラ話』清流出版(2010年)、『裁判おもしろことば学』大修館(2009年)、『市民から見た裁判員裁判』明石書店(2008年)、『裁判からみたアメリカ社会』明石書店(1998年)がある。

翻訳は、『アメリカ・ロースクールの凋落』花伝社(2013年)(樋口和彦弁護士と共訳)、原著は、Failing Law Schools(Z.Tamanaha著)である。

プロジェクト関連の成果として、『景観法と地域政策を考える』勁草書房(2014年)がある。日弁連の裁判員制度実施本部法廷用語日常語化プロジェクトの関係では、『裁判員時代の法廷用語』(2008年)三省堂、『裁判員のための法廷用語ハンドブック』(2008)三省堂(共著)もある。

法言語学関連の論文として、「証人テスト」のあり方について言語学から検証した「A Presumption of Guilt Rather Than A Presumption of Innocence? Forensic Linguistic Analysis of A Japanese Criminal Case of Complicity in the Saiban-in Trial」『Yonsei Law Journal Vol.3 No.1, May 2012』がある。「証人テスト」は、証人尋問の前に、その証人を呼んだ検察官や弁護人が事件の事実を確かめるために行う打合せをことで、証人の緊張や記憶の曖昧さにより公判の進行が滞ることを防ぐための証人尋問の準備である。大河原は、ある傷害致死事件で、検察官の立証趣旨に沿った証言を証人に植え付けた可能性を言語運用から明らかにし、この分析は意見書として控訴審に提出した。この論文は、英語で書かれているが、短縮版であるが日本語で書いたものには、『法と言語』(くろしお出版、2012年)の第3章「裁判のことば」がある。裁判員裁判の評議の談話分析として、『The Oxford Handbook of Language and Law』(Oxford University Press, 2012年)に「Courtroom Discourse in Japan's New Judicial Order」もある。

『現代用語の基礎知識』(自由国民社)では、2010年版以降、毎年「裁判と社会」を担当している。