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「ビートルズ・フォー・セール」の版間の差分

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2021年9月6日 (月) 08:27時点における版

ビートルズ > ビートルズの作品 > ビートルズ・フォー・セール
『ビートルズ・フォー・セール』
ビートルズスタジオ・アルバム
リリース
録音
ジャンル
時間
レーベル パーロフォン
プロデュース ジョージ・マーティン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 週間1位(UK Albums[6]ケント・ミュージック・レポート[7]
  • 週間7位(オリコン、1987年盤)
  • 月間1位(日本、ミュージック・マンスリー洋楽チャート、1965年当時[8]
  • ビートルズ U.K. 年表
    • ビートルズ・フォー・セール
    • (1964年)
    ビートルズ 日本 年表
    • ビートルズ '65
    • (1965年)
    テンプレートを表示

    ビートルズ・フォー・セール』(英語: Beatles for Sale) は、イギリスにおいて1964年12月4日に発売されたビートルズの4作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバムである。

    プロデュースはジョージ・マーティンであり、パーロフォンが発売した。アルバムは作詞者としてのレノン=マッカートニーにとってターニングポイントとなり、特にジョン・レノンは自叙的な曲を作ることに興味を示した。「アイム・ア・ルーザー」は、レノンがボブ・ディラン[9]の影響下にあることを初めて示した曲である[注釈 1]

    アルバム・タイトルは訳すると「ビートルズ売り出し中」で、クリスマスセールに引っ掛けたもの。

    アメリカにおいては、『ビートルズ '65(Capitol)』と『ビートルズ VI』として初めて発売した。日本では1965年に『ビートルズ '65』という日本語題で発売した[11]

    制作背景

    アルバムが録音されているとき、ビートルマニアはちょうどピークだった[12]。1964年の初め、ビートルズはアメリカにおいてテレビ出演による旋風を巻き起こしていて、彼らのレコードに空前の需要が発生していた。『ビートルズ・フォー・セール』は(最初のアルバムから数えて)21ヶ月における4作目のアルバムである。アルバムの録音は8月11日に始まった。アルバム『ハード・デイズ・ナイト』の発売からちょうど1ヶ月である。続いてツアーがあった。大部分のアルバム制作はイギリスでの演奏のオフに行われた。

    アルバムのレコーディングセッションの大半は9月29日から3週間で完了した。ビートルズのプロデューサーのジョージ・マーティンは1963年から64年にかけてビートルズは非常に忙しかったと回想している。

    本アルバムの録音はロンドンのEMIスタジオで行われた。ビートルズはスタジオをクラシックの演奏家と分け合わなければならず、これについてマッカートニーは1988年にクラシックのセッションがナンバーワンヒットにも入ってしまったりしたことを説明している。ジョージ・ハリスンはバンドが成功によってプレッシャーが取れ、録音技術をさらに洗練させたことを回想している。

    録音は10月18日に完了した。バンドは数回のミキシングやセッションの編集に参加しプロジェクトが終わる11月4日まで続いた。アルバムは急いで生産されちょうど1ヶ月後に発売した。ビートルズのマネージャー、ニール・アスピノールは後にビートルズは猛烈に働くバンドだったと回顧している。

    選曲

    いかに多作のレノン=マッカートニー作曲チームでも、クリスマスに間に合うように、自分たちの新曲だけでアルバムを作ることはできず[13]、アルバム用の数曲をカバー曲で補うこととなった[14]。これは彼らの初期の2枚のアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』や『ウィズ・ザ・ビートルズ』と同じ構成であった[15]。マッカートニーはライヴの中に新曲を入れたようなものだと思い返している。実際、3つのカヴァーは合計5回のテイクで録音されている。それは10月18日の1回のセッションでの事である。

    アルバム収録のカバー曲にはメンバーが敬愛するチャック・ベリーの「ロック・アンド・ロール・ミュージック」とバディ・ホリーの「ワーズ・オブ・ラヴ」、そしてカール・パーキンスの2つの曲、ジョージ・ハリスンが歌った「みんないい娘」とリンゴ・スターが歌った「ハニー・ドント」がある。スターは「ハニー・ドント」がリヴァプールのバンドが一般に演奏する曲で、ビートルズもよく演奏しており、この曲のおかげで『ビートルズ・フォー・セール』においても自分のヴォーカルが入ったと回想している。

    発売

    『ビートルズ・フォー・セール』はイギリスにおいて1964年12月4日に発売され、12月12日から46週にわたってチャートに入り、次の週に『ハード・デイズ・ナイト』とトップを交代した。7週後、トップからは落ちてしまったように見えたが、本アルバムは1965年2月27日に『ザ・ローリング・ストーンズ No.2』を退けてトップに1週間戻ってきた。まだアルバムのチャートの記録はすべてではない。1987年3月7日、最初の発売からほぼ23年後に本アルバムは2週間チャートに登場した。

    1987年に初CD化されたアルバムはモノラル盤であり、ステレオ盤は2009年9月9日に初CD化された[16][17]。それ以前は、アメリカ編集盤を収録した『ビートルズ'64 BOX』、『ビートルズ'65 BOX』に分散される形で全曲のステレオ・ヴァージョンが収録されていたが、一部の曲は英国盤とはミックスが異なっている。

    アメリカ盤

    同時期にアメリカで発売された"Beatles '65"(Capitol)は、『ビートルズ・フォー・セール』から8曲を収録し、「カンサス・シティ/ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」、「エイト・デイズ・ア・ウィーク」、「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」、「ワーズ・オブ・ラヴ」、「エヴリー・リトル・シング」、「パーティはそのままに」が外された。一方、「アイル・ビー・バック」がイギリス盤の『ハード・デイズ・ナイト』から、シングルとして発売された「アイ・フィール・ファイン」、「シーズ・ア・ウーマン」が追加された。外された6曲はアメリカでは1965年に『ビートルズ VI』に収録された。"Beatles '65"(Capitol)は『ビートルズ・フォー・セール』が発売された11日後(クリスマス休暇の10日前)に発売され、1週間のみで100万枚を売りその年のアメリカにおける最速で売れたアルバムとなった。

    オーストラリア盤

    LPはイギリス盤と全く同じ曲順で発売したにもかかわらず、EMIオーストラリアは自社規定に従ってジャケット写真を変更してリリースした。

    日本版・カセット・テープ

    1980年代まで、日本ではアルバムと同内容のカセットテープが発売されていたが、このアルバムのみカセット・テープはアメリカ盤の"Beatles '65"(Capitol)に準拠していた。これは、かつて『ビートルズ・フォー・セール』を日本国内で『ビートルズ '65』と称していたことの名残である。なお、ジャケット(パッケージ)写真は『ビートルズ・フォー・セール』のものが使用されていた。

    ジャケット・デザイン

    過去のアルバム三作に比べ、『ビートルズ・フォー・セール』の少し暗く大人しい雰囲気を持つ曲はアルバム・カヴァーにも反映されている。このカヴァーは笑わずに憂いを帯びた表情のビートルズを秋のロンドンハイドパークで撮ったものである[18]。マッカートニーは短いセッションでかなり良いカバーを作ったと回想しており「ジョージの髪型が小さいカブのようになっていて、素晴らしい」とも語っていた。アルバム・タイトルは左上に非常に小さく配置されている。

    本作は見開きカヴァーを利用した最初のビートルズのアルバムになった[19][注釈 2]。見開きカヴァーの内側はモンタージュ写真の前に立つビートルズの写真がある。

    日本盤は発売当時は、写真は同じものが使われているが、アルバムのタイトル・ロゴがイギリス盤が左隅に黒で小さくあるのにたいして、日本盤はアルバムのほぼ中央に赤で大きく記載されていた。

    チャート

    『ビートルズ・フォー・セール』は全英シングルチャートで最高位1位を獲得し、前作『ハード・デイズ・ナイト』を1位から降ろした[6]

    1987年2月26日、本アルバムは『プリーズ・プリーズ・ミー』、『ウィズ・ザ・ビートルズ』、『ハード・デイズ・ナイト』の3作と共にCD化された。最初の発売からほぼ23年経って、アルバムはイギリスにおいて1987年に2週間で最高位45位を獲得した[20]。以前は輸入盤でしか入手出来なかったアメリカにおいては1987年7月21日、アルバムは国内向けにLP盤とカセットでも発売された。アルバムは4トラックテープで録音されたにもかかわらず、CDとアメリカのLP盤とカセットはモノラルでのみのリリースであった。

    収録曲

    アナログA面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル[22]時間
    1.ノー・リプライ(No Reply) ジョン・レノン
    2.アイム・ア・ルーザー(I'm A Loser) ジョン・レノン
    3.ベイビーズ・イン・ブラック(Baby's In Black) 
    4.ロック・アンド・ロール・ミュージック(Rock And Roll Music)チャック・ベリージョン・レノン
    5.アイル・フォロー・ザ・サン(I'll Follow The Sun) ポール・マッカートニー
    6.ミスター・ムーンライト(Mr. Moonlight)ロイ・リー・ジョンソン英語版ジョン・レノン
    7.カンサス・シティ/ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ(Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey)ジェリー・リーバーとマイク・ストーラー/リチャード・ペニーマンポール・マッカートニー
    合計時間:
    アナログB面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル[22]時間
    1.エイト・デイズ・ア・ウィーク(Eight Days a Week) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    2.ワーズ・オブ・ラヴ(Words of Love)バディ・ホリー
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    3.ハニー・ドント(Honey Don't)カール・パーキンスリンゴ・スター
    4.エヴリー・リトル・シング(Every Little Thing) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    5.パーティーはそのままに(I Don't Want To Spoil the Party) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    6.ホワット・ユー・アー・ドゥーイング(What You're Doing) ポール・マッカートニー
    7.みんないい娘(Everybody's Trying To Be My Baby)カール・パーキンスジョージ・ハリスン
    合計時間:

    演奏・制作

    ※出典[22]

    ビートルズ

    外部ミュージシャン・スタッフ

    脚注

    注釈

    1. ^ なお、ビートルズのメンバーとディランはニューヨークにてツアー中の1964年8月28日に初めて会った[10]
    2. ^ 次は1967年の『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』である。

    出典

    1. ^ a b c Erlewine, Stephen Thomas. Beatles for Sale - The Beatles | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年7月28日閲覧。
    2. ^ Ewing, Tom (2009年9月8日). “The Beatles: Beatles for Sale”. Pitchfork Media. Condé Nast. 2018年12月22日閲覧。
    3. ^ Riley 2002, p. 118.
    4. ^ MacDonald 2005, p. 129.
    5. ^ Brackett & Hoard 2004, p. 51.
    6. ^ a b Official Albums Chart Top 20 (13 December 1964 - 19 December 1964)”. Official Charts Company (1964年12月13日). 2020年7月29日閲覧。
    7. ^ Kent, David (2005). Australian Chart Book (1940-1969). Turramurra: Australian Chart Book. ISBN 0-646-44439-5 
    8. ^ 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP、2015年、33頁。ISBN 978-4-8222-7834-2 
    9. ^ Lewisohn 1996, p. 168.
    10. ^ Miles 2001, p. 159-160.
    11. ^ The Beatles - Beatles For Sale (1968, Red, Vinyl)”. Discogs. Zink Media. 2020年6月12日閲覧。
    12. ^ Hertsgaard 1996, p. 90.
    13. ^ Lewisohn 2005, p. 48.
    14. ^ Everett 2001, p. 270.
    15. ^ Hertsgaard 1996, p. 56, 101-02.
    16. ^ Badman 2001, p. 386.
    17. ^ Womack 2014, p. 109.
    18. ^ Womack 2014, p. 110-111.
    19. ^ Spencer 2002, p. 130-133.
    20. ^ Official Albums Chart Top 100 (01 March 1987 - 07 March 1987)”. Official Charts Company (1987年3月1日). 2020年7月29日閲覧。
    21. ^ ビートルズ・フォー・セール [CD EXTRA][CD] - ザ・ビートルズ”. ユニバーサルミュージック. 2020年6月12日閲覧。
    22. ^ a b c MacDonald 2005, p. 122-41.

    参考文献

    • Badman, Keith (2001). The Beatles Diary Volume 2: After the Break-Up 1970-2001. London: Omnibus Press. ISBN 978-0-7119-8307-6 
    • Everett, Walter (2001). The Beatles as Musicians: The Quarry Men through Rubber Soul. New York, NY: Oxford University Press. ISBN 0-19-514105-9 
    • Hertsgaard, Mark (1996). A Day in the Life: The Music and Artistry of the Beatles. London: Pan Books. ISBN 0-330-33891-9 
    • Lewisohn, Mark (1996). The Complete Beatles Chronicle. Chronicle Press. ISBN 1-85152-975-6 
    • Lewisohn, Mark (2005) [1988]. The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962-1970. London: Bounty Books. p. CITEREFLewisohn2005. ISBN 978-0-7537-2545-0 
    • MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd rev. ed.). Chicago, IL: Chicago Review Press. ISBN 978-1-55652-733-3 
    • Miles, Barry (2001). The Beatles Diary Volume 1: The Beatles Years. London: Omnibus Press. ISBN 0-7119-8308-9 
    • Spencer, Neil (2002). “Beatles For Sale: Some Product”. Mojo Special Limited Edition: 1000 Days of Beatlemania (The Early Years - April 1, 1962 to December 31, 1964). London: Emap 
    • Riley, Tim (2002) [1988]. Tell Me Why - The Beatles: Album by Album, Song by Song, the Sixties and After. Cambridge, MA: Da Capo Press. ISBN 978-0-306-81120-3 
    • Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Santa Barbara, CA: ABC-CLIO. ISBN 978-0-313-39171-2 

    関連書籍

    外部リンク