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「火事場のクソ力」の版間の差分

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2021年9月7日 (火) 09:12時点における版

火事場のクソ力(かじばのクソぢから)とは、ゆでたまご漫画キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する架空の能力。作中の登場人物、特に主人公のキン肉マンやその一族に顕著に見られる潜在能力で、窮地に陥ったときに普段を遥かに超えるパワーを発揮する。

『キン肉マン』

「火事場のクソ力」の名が作中で最初に現れるのは、第20回超人オリンピックでキン肉マンが優勝を決めた直後のラーメンマンの台詞[注 1]である。ロビンマスクの必殺技により気絶状態にあったキン肉マンであったが、体が勝手に動き、無意識に放った逆転の大技でロビンマスクをフォールした。この様子をラーメンマンは「火事場のクソ力」と呼び、「自己防衛本能」「戦う超人にとってもっとも大切な野生の本能」[1]と形容した。これを皮切りにキン肉マンはウォーズマンバッファローマンといった強豪たちを火事場のクソ力で破り続け、「奇蹟の逆転ファイター」の異名で呼ばれるようになる。

キン肉マンの火事場のクソ力は戦いの中で成長を続け[2][3]、通常は一度備われば一生変化しないという超人強度の原則を無視し、超人の神々の超人強度1億パワーにも届く勢いであった。これを見た邪悪の神たちが、キン肉マンがキン肉星の王位を継承して天上界へも影響を及ぼすことを危惧し、別の継承候補を5人立てて争わせたのが『キン肉マン』最終シリーズ「キン肉星王位争奪編」の発端である。

火事場のクソ力を持つのはキン肉マンに限らず、ウォーズマンはキン肉マンとの対戦で学習した火事場のクソ力をバッファローマン相手に発揮した。しかしスタミナに欠けるウォーズマンにとって火事場のクソ力の濫用は自殺行為に等しく、濫用を誘ったバッファローマンの作戦で逆にピンチに陥ることになった。他には、アシュラマンが魔界版火事場のクソ力である「魔界のクソ力」を、ミートはミキサー大帝を相手に「ミート式火事場のクソ力」として使用している。キン肉マンの兄キン肉アタルは、火事場のクソ力の原型とされる「業火のクソ力」(アニメ版では「元祖・火事場のクソ力」)を使用した。

新シリーズ

続編である「完璧超人始祖編」では、完璧超人の調査により「火事場のクソ力」と「友情パワー」は同じものであると判断された[4]。キン肉マンが友情パワーを超人界に必要以上に拡散し続け、それが未知の力を同時に拡散させており、強くなった超人たちが太古のような闘争を繰り返されることを超人閻魔および完璧超人が危惧し、キン肉族とその影響を受けた全ての超人を殲滅する決断を下したのがシリーズの発端とされている。例としては、悪魔超人に戻ったバッファローマンの超人強度が、本来の1000万パワーを遥かに超える8000万パワー以上となり、調査不能となったことがあげられ[5]、キン肉マンに関わった超人は敵味方や属性を問わず影響を受けていることがうかがえる。また、本シリーズ以降は発露時に体の一部や全体が光る「発光現象」が発現するのが確認できる[6]

なお、キン肉族の力の源泉は、倒すべき相手も救うという「慈悲の心」であると説明されており[7][8][9]、情のないという完璧超人始祖の悪魔将軍であっても、ザ・マンに対する使命感を元として、ザ・マン相手には友情パワーを発露することができた[10]

「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」では、パイレートマンがキン肉マンの「火事場のクソ力」を受けて、その発露には大きく3つの段階があると解析した。一段階目はキン肉マン自身がパイレートマンを倒すために出した「自分自身のために出す力」、二段階目は死んだ仲間を思って出した「仲間のために出す力」、三段階目はオメガの民を救うために出した「敵のために出す力」である。一段階目はパイレートマンも簡単にねじ伏せ、二段階目も仲間のために力を尽くすのは当たり前のことであり、パイレートマンも受けきることができ、後にオメガマン・アリステラも発露することができた。しかし三段階目の敵のために力を尽くすというのはオメガの民にはない発想であり、その力はパイレートマンらの常識を凌駕する、全く次元の異なる力であった[11]

『キン肉マンII世』

続編の『キン肉マンII世』では K・K・Dの省略表記がされるようになり、「キン肉族にだけ与えられた神秘の力」[12]と設定が改められた。未熟な火事場のクソ力(通称たき火のクソ力)で戦い続けたキン肉マンの息子・キン肉万太郎の体はデビューから6戦で既に廃人に近くなっており、「K・K・D修練」(火事場のクソ力チャレンジ)と呼ばれる試練に打ち勝つことで完全なクソ力を身に付ける必要があった。火事場のクソ力の三大要素は「寛容」「無我」「友情」であるとされ、その逆の精神「強欲」「残虐」「非道」の墓場のクソ力を持つノーリスペクトとの戦いを通じ万太郎はこれらを身に付けた。

また、火事場のクソ力の強さ(K・K・D値)を炎の大きさで計測する器具「魂のランタン」が登場し、キン肉マンやアタルのほかにキン肉マンの父・キン肉真弓もこれに炎を灯している。

キン肉族特有の力とされた火事場のクソ力であるが、ロビンマスクの息子・ケビンマスクは火事場のクソ力に似た、極限状態で潜在能力を発揮する「大渦(メイルストローム)パワー」を持つ。超人オリンピック ザ・レザレクションの決勝戦は、万太郎の火事場のクソ力とケビンの大渦パワーのぶつかり合いとなった。いずれの力も、発揮したときには全身が輝いたように描かれる。

テーマソング

火事場のクソ力
歌 - 平石豊茂美 / 作詞 - そのべかずのり / 作曲 - 吉実明宏 / 編曲 - 京田誠一

コンピュータゲーム

『キン肉マン』を題材にしたコンピュータゲームのいくつかでは、ゲームシステムとして火事場のクソ力が取り入れられ、この場合全てのキャラクターが火事場のクソ力を備える。

プレイステーション2キン肉マン ジェネレーションズ』などでは、残り体力が一定値を下回ったときに火事場のクソ力が発動し、一定時間キャラクターが強化される。強化のされ方はキャラクターごとに異なり、多くは攻撃力または防御力が上昇するが、例えば悪魔将軍は一切のダメージを受けなくなるなど、キャラクターによっては非常に強力な効果が発動する[13]

アーケードゲームキン肉マン マッスルグランプリ』やその移植版では、キャラクターの特性を「攻撃重視」「防御重視」「火事場のクソ力」から選択可能。火事場のクソ力を選んだ場合は、残り体力が一定値を下回るとテンションゲージ(必殺技を発動するためのゲージ)が溜まりやすくなる。

その他

  • バッファローマン対ウォーズマン戦でキン肉マンは、火事場のクソ力とは「相手のパワーを逆用する技」だと解説している[14]
  • キン肉マンの師プリンス・カメハメのテーマソング『鉄人カメハメ』の曲中挿入されるセリフに「悪を憎む正しい心とどんなことがあってもへこたれない根性を持ってぶつかるとき、火事場のクソ力が発揮される」とある。
  • ゆでたまご公認の謎本『キン肉マン 77の謎』[15]では、超人強度100万パワー以下の正義超人が、それより遥かに超人強度の高い相手と互角に戦えるのは、火事場のクソ力を発揮しているためであると解釈している。また、同書では人間にも備わっている能力であると、現実世界の「火事場の馬鹿力」との関連性を示唆した記述もある。

脚注

注釈

  1. ^ ジャンプ・コミックス4巻の収録では「火事場のバカ力」であった。後に収録されたものは「火事場のクソ力」で統一されている。

出典

  1. ^ ゆでたまご「奇跡のホールド」『キン肉マン 第4巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1980年9月15日、ISBN 978-4-08-851134-4、149頁より引用。
  2. ^ ゆでたまご「一発勝負!!の巻」『キン肉マン 第13巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1983年9月15日、ISBN 978-4-08-851143-6、15頁。
  3. ^ ゆでたまご「運命の子供たち!!の巻」『キン肉マン 第24巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1986年2月15日、ISBN 978-4-08-851804-6、15頁。
  4. ^ ゆでたまご「超人閻魔の正体!!の巻」『キン肉マン』 47巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2014年7月4日、136頁。ISBN 978-4-08-880244-2 
  5. ^ ゆでたまご「悪魔の勲章!!の巻」『キン肉マン』 44巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2013年10月4日、44頁。ISBN 978-4-08-870882-9 
  6. ^ ゆでたまご「心に宿ったものは!?の巻」『キン肉マン』 53巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2016年1月4日、116頁。ISBN 978-4-08-880693-8 
  7. ^ ゆでたまご「キン肉族を捨てた男!!の巻」『キン肉マン』 53巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2016年1月4日、12頁。ISBN 978-4-08-880693-8 
  8. ^ ゆでたまご「血みどろの慈悲!!の巻」『キン肉マン』 56巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2016年8月4日、72頁。ISBN 978-4-08-880772-0 
  9. ^ ゆでたまご「慈悲を纏った悪魔!!の巻」『キン肉マン』 60巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2017年9月4日、205-206頁。ISBN 978-4-08-881263-2 
  10. ^ ゆでたまご「悪魔将軍の底力!!の巻」『キン肉マン』 60巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2017年9月4日、88-92頁。ISBN 978-4-08-881263-2 
  11. ^ ゆでたまご「希望のクソ力!!の巻」『キン肉マン』 67巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2019年5月2日、150-164頁。ISBN 978-4-08-881855-9 
  12. ^ ゆでたまご「火事場のダークサイドパワー!?」『キン肉マンII世 9』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、2000年6月24日、ISBN 978-4-08-857374-8、93頁。
  13. ^ Vジャンプ編集部『キン肉マンジェネレーションズ マスターズガイド』集英社〈Vジャンプブックス〉、2004年5月3日、ISBN 978-4-08-779285-0、107頁。
  14. ^ ゆでたまご「一発勝負!!の巻」『キン肉マン 第11巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1983年2月15日、ISBN 978-4-08-851141-2、91頁。
  15. ^ TEAM MUSCLE編『キン肉マン 77の謎』集英社〈ジャンプ・コミックス・セレクション〉、1998年12月16日、ISBN 978-4-83-421678-3、92-93頁。