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'''メテュドリオン'''({{lang-grc-short|Μεθύδριον}}, {{ラテン翻字|el|Methydrion}}, {{lang-en-short|Methydrium}})は、[[古代ギリシア]]の[[アルカディア]]地方中部にあった都市である。{{仮リンク|メガロポリス (ギリシャ)|en|Megalopolis, Greece|label=メガロポリス}}の北170[[スタディオン]]に位置していた<ref>パウサニアス、8巻35・5。</ref>。 |
'''メテュドリオン'''({{lang-grc-short|Μεθύδριον}}, {{ラテン翻字|el|Methydrion}}, {{lang-en-short|Methydrium}})は、[[古代ギリシア]]の[[アルカディア]]地方中部にあった都市である。{{仮リンク|メガロポリス (ギリシャ)|en|Megalopolis, Greece|label=メガロポリス}}の北170[[スタディオン]]に位置していた<ref>パウサニアス、8巻35・5。</ref>。 |
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都市の名前は「水の流れの間」を意味する「メタ・ヒュドル」に由来し、マロイタス川(Maloitas)とミュラオン川(Mylaon)の中間にあった丘に町が建設されたことからこの名前を得た<ref name="PA8361">パウサニアス、8巻36・1。</ref>。[[ギリシア神話]]によると、メテュドリオンはアルカディア地方の有力な都市国家[[オルコメノス (アルカディア)|オルコメノス]]の建国者[[オルコメノス (ギリシア神話)|オルコメノス]]によって創建された<ref name="PA8361" />。しかし、紀元前371年にメガロポリスが設立されると、住民はメガロポリスに移された。その後はかつての人口が回復することは決してなく、[[ストラボン]]によってほぼ完全に消失したアルカディア地方の都市の1つとして言及された<ref>ストラボン、8巻8・2。</ref>。しかし少なくとも[[パウサニアス]]の時代には村として存在しており、ミュラオン川畔には[[ポセイドーン|ポセイドン・ヒッピオス]]の[[神殿]]があった。彼はまたマロイタス川を越えた場所にあるタウマシオン(Taumasion)と呼ばれる山に、[[ゼウス]]神を妊娠した[[レアー|レア]]が避難した洞窟があると述べている<ref>パウサニアス、8巻36・2。</ref>。またメテュドリオンから30スタディオンの距離にニュムパシア(Nymphasia)という名の泉があった<ref>パウサニアス、8巻36・4。</ref>。 |
都市の名前は「水の流れの間」を意味する「メタ・ヒュドル」に由来し、マロイタス川(Maloitas)とミュラオン川(Mylaon)の中間にあった丘に町が建設されたことからこの名前を得た<ref name="PA8361">パウサニアス、8巻36・1。</ref>。[[ギリシア神話]]によると、メテュドリオンはアルカディア地方の有力な都市国家[[オルコメノス (アルカディア)|オルコメノス]]の建国者[[オルコメノス (ギリシア神話)|オルコメノス]]によって創建された<ref name="PA8361" />。しかし、紀元前371年にメガロポリスが設立されると、住民はメガロポリスに移された。その後はかつての人口が回復することは決してなく、[[ストラボン]]によってほぼ完全に消失したアルカディア地方の都市の1つとして言及された<ref>ストラボン、8巻8・2。</ref>。しかし少なくとも[[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]の時代には村として存在しており、ミュラオン川畔には[[ポセイドーン|ポセイドン・ヒッピオス]]の[[神殿]]があった。彼はまたマロイタス川を越えた場所にあるタウマシオン(Taumasion)と呼ばれる山に、[[ゼウス]]神を妊娠した[[レアー|レア]]が避難した洞窟があると述べている<ref>パウサニアス、8巻36・2。</ref>。またメテュドリオンから30スタディオンの距離にニュムパシア(Nymphasia)という名の泉があった<ref>パウサニアス、8巻36・4。</ref>。 |
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メテュドリオンは[[トゥキディデス]]<ref>トゥキディデス『[[戦史 (トゥキディデス)|戦史]]』5巻58。</ref>、[[ポリュビオス]]<ref>ポリュビオス『[[歴史 (ポリュビオス)|歴史]]』5巻10。</ref><ref>ポリュビオス『歴史』5巻11。</ref><ref>ポリュビオス『歴史』5巻13。</ref>、[[プリニウス]]<ref>プリニウス『[[博物誌]]』4巻6・10。</ref>、{{仮リンク|ビュザンティオンのステパノス|en|Stephanus of Byzantium}}にも言及されている<ref>ビュザンティオンのステパノス。</ref>。メテュドリオンの遺跡は、古代の町との関係を反映して改名された現代の{{仮リンク|メティドリオ|en|Methydrio}}の近くにあり<ref>Talbert 2000, p.58,</ref>、1910年に発掘された。 |
2021年11月15日 (月) 11:11時点における最新版
メテュドリオン(古希: Μεθύδριον, Methydrion, 英: Methydrium)は、古代ギリシアのアルカディア地方中部にあった都市である。メガロポリスの北170スタディオンに位置していた[1]。
都市の名前は「水の流れの間」を意味する「メタ・ヒュドル」に由来し、マロイタス川(Maloitas)とミュラオン川(Mylaon)の中間にあった丘に町が建設されたことからこの名前を得た[2]。ギリシア神話によると、メテュドリオンはアルカディア地方の有力な都市国家オルコメノスの建国者オルコメノスによって創建された[2]。しかし、紀元前371年にメガロポリスが設立されると、住民はメガロポリスに移された。その後はかつての人口が回復することは決してなく、ストラボンによってほぼ完全に消失したアルカディア地方の都市の1つとして言及された[3]。しかし少なくともパウサニアスの時代には村として存在しており、ミュラオン川畔にはポセイドン・ヒッピオスの神殿があった。彼はまたマロイタス川を越えた場所にあるタウマシオン(Taumasion)と呼ばれる山に、ゼウス神を妊娠したレアが避難した洞窟があると述べている[4]。またメテュドリオンから30スタディオンの距離にニュムパシア(Nymphasia)という名の泉があった[5]。
メテュドリオンはトゥキディデス[6]、ポリュビオス[7][8][9]、プリニウス[10]、ビュザンティオンのステパノスにも言及されている[11]。メテュドリオンの遺跡は、古代の町との関係を反映して改名された現代のメティドリオの近くにあり[12]、1910年に発掘された。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- Richard Talbert, ed. Barrington Atlas of the Greek and Roman World. Princeton University Press (2000)
- この記事には現在パブリックドメインである次の出版物からのテキストが含まれている: Smith, William, ed. (1854–1857). "Methydrium". Dictionary of Greek and Roman Geography. London: John Murray.